JPH072947A - 耐寒・耐アルコール性含フッ素弾性状共重合体 - Google Patents

耐寒・耐アルコール性含フッ素弾性状共重合体

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JPH072947A
JPH072947A JP14604393A JP14604393A JPH072947A JP H072947 A JPH072947 A JP H072947A JP 14604393 A JP14604393 A JP 14604393A JP 14604393 A JP14604393 A JP 14604393A JP H072947 A JPH072947 A JP H072947A
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哲郎 喜多幅
Ken Okanishi
謙 岡西
Masaki Kitaichi
雅紀 北市
Tatsuya Morikawa
達也 森川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐油性、耐薬品性等フッ素ゴムの有
する特性に加えて、耐低温性および耐アルコール性を備
えたフッ素ゴムを提供する。 【構成】 (A)10〜35重量%のフッ化ビニリデンに
基づく単位;(B)1〜25重量%のテトラフルオロエチ
レンに基づく単位;(C)5〜15重量%のヘキサフルオ
ロプロピレンに基づく単位;および(D)35〜60重量
%の一般式 【化1】 (式中、Rfは1〜3個の炭素原子を有するパーフルオロ
アルキル基を表し、nは2〜4の整数を表す。)で表さ
れるフルオロビニルエーテルに基づく単位からなり、
(B)成分と(C)成分の和が6〜30重量%で、(C)成分
と(D)成分の和が15〜25モル%である含フッ素共重
合体を加硫してフッ素ゴムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含フッ素共重合体および
フッ素ゴムに関し、詳しくはフッ化ビニリデン、テトラ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、および
特定のフルオロビニルエーテルに基く単位をそれぞれ特
定量含有する含フッ素共重合体および該フッ素系共重合
体を加硫してなる耐寒・耐アルコール性のフッ素ゴムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】フルオロオレフィンと他のフルオロオレ
フィン、またはフルオロオレフィンとフッ素を含有しな
いオレフィンとの共重合反応により、樹脂状からエラス
トマー状まで種々の共重合体が得られる。これら共重合
体は、機械部品類、たとえばO−リング、フランジシー
ル、ガスケット、ダイヤフラムおよびライナーなどに成
形でき、熱および腐食性流体に対する特別な抵抗性が必
要な場合に特に有用である。このうち含フッ素エラスト
マーを与える共重合体としては、従来、フッ化ビニリデ
ン/ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレ
ン/プロピレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン/パーフ
ルオロアルキルビニルエーテルなどが知られており、有
用なエラストマーとして実用化されている。これらエラ
ストマーは耐熱性、耐油性、耐薬品性等において炭化水
素系エラストマーにない優れた特性を示すが、半面、低
温特性の面においては充分でない。すなわちこれらエラ
ストマーは低温においてゴム弾性が失くなり、したがっ
て特に寒冷地における使用には問題がある。
【0003】また、近年、地球環境の保護の観点から、
アルコール燃料ないしはアルコール混合燃料利用の機運
が高まっており、特に自動車燃料としてのアルコール混
合ガソリンの使用は米国で法規制化が進められており、
我国でも、近い将来の転換が予想されている。かかる状
況下においては例えば自動車用弾性材料としての従来の
耐熱、耐油性に加えて、耐アルコール性を兼ね備えたも
のが要求される。上記諸要求特性のうち、耐熱性および
耐油性については種々の含フッ素エラストマーが満足す
べき水準にあるが、かかる含フッ素エラストマーにおい
ても耐寒性に優れたものは耐アルコール性に劣り、逆に
耐アルコール性に優れたものは耐寒性が不満足となると
いうように、前記要求特性をすべて満す弾性材料は知ら
れていない。低温特性を解決する方法として、シリコン
ゴムとの共加硫などのブレンド法が行われているが、低
温特性を大きく改善するためには、実質的にシリコンゴ
ムが主体となり、上記フッ素ゴムの特徴が犠牲になって
いる。また、ある種の可塑剤を配合することも試みられ
ているが、使用条件によっては可塑剤の分離が生じ、目
的とする低温抵抗性を有するエラストマーを得るには至
っていない。一方、エーテル結合をポリマーの主鎖骨格
に導入し、低温特性の向上をはかろうとの試みからヘキ
サフルオロプロピレンオキサイドのイオン重合反応、含
フッ素ケトンのラジカル重合反応、含フッ素ポリエーテ
ルの縮合反応が検討されているが、今のところ実用的な
エラストマーを得るには至っていない。
【0004】側鎖にエーテル結合を導入し、低温特性の
改善をはかろうとの試みも行われている。たとえば、C
2=CFORf(ここで、RfはCF3、C25、または
37などである。)とフッ化ビニリデンまたはテトラ
フルオロエチレンとの共重合反応により弾性のある共重
合体が得られているが、これらの共重合体のガラス転移
温度は、上記のビニルエーテルの含有率を可能な限り高
くしても、なお充分に低下しない。フルオロビニルエー
テルの中でもエーテル結合を複数個有するフルオロビニ
ルエーテルは、低温特性の改善には効果的であることは
知られており、フッ素不含有オレフィンまたはフルオロ
オレフィンとの共重合反応により、ある程度の低温特性
を有するフルオロエラストマーが得られている(特開昭
57−18710号、特公昭61−50486号、特公
昭61−57324号参照)。しかしながら、これらフ
ルオロエラストマーにおいては高価なフルオロビニルエ
ーテルを共重合体中、数十モル%共重合させなければ、
実用上必要な程度に低温特性を改善出来ず、共重合体の
製造コストが高くなる。また、側鎖パーフルオロポリエ
ーテル構造として、直鎖アルキレン基を有する共重合体
が優れた低温特性を有することが知られている(特開昭
64−52733)が、この様な構造のフルオロビニル
エーテルは複雑な合成経路をとる為、合成が困難であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は耐熱
性、耐油性、耐薬品性に加えて低温特性および耐アルコ
ール性に優れたフッ素ゴムを経済的に提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の要旨は、 (A)10〜35重量%のフッ化ビニリデン(以下VdFと
略す)に基く単位; (B)1〜25重量%のテトラフルオロエチレン(以下T
FEと略す)に基く単位; (C)5〜15重量%のヘキサフルオロプロピレン(以下
HFPと略す)に基く単位;および (D)35〜60重量%の一般式:
【化2】 (式中、Rfは1〜3個の炭素原子を有するパーフルオロ
アルキル基を表し、nは2〜4の整数である。)で表され
るフルオロビニルエーテル(以下FVEと略す)に基づく
単位;からなり、(B)成分と(C)成分の和が6〜30重
量%で、(C)成分と(D)成分の和が15〜25モル%で
ある含フッ素共重合体に関する。
【0007】本発明の共重合体におけるフッ化ビニリデ
ン(VdF)単位(A)の含量は、10〜35重量%、好ま
しくは15〜35重量%である。VdF単位の含量が1
0%より小さいと共重合の速度が小さくなり、重合時間
が長くなって生産性が悪いばかりでなく、共重合体より
得られるフッ素ゴムの低温特性が低下する。一方35重
量%より大きいと耐メタノール性が悪くなる。本発明の
共重合体におけるテトラフルオロエチレン(TFE)単位
(B)の含量は1〜25重量%、好ましくは5〜20重量
%である。
【0008】また本発明の共重合体におけるヘキサフル
オロプロピレン(HFP)単位(C)の含量は、5〜15重
量%、好ましくは5〜10重量%である。HFP含量が
5%より小さいと共重合体より得られるフッ素ゴムの低
温での柔軟性が乏しくなる(後記するT5−T100が大き
くなる)。一方15重量%より大きいとフッ素ゴムの低
温特性が低下する。
【0009】本発明の共重合体の成分(D)であるフルオ
ロビニルエーテル(FVE)を例示すれば以下のものを挙
げることができる。パーフルオロ(2,5−ジメチル−
3,6−ジオキサノニルビニルエーテル)、パーフルオ
ロ(2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサデシ
ルビニルエーテル)、パーフルオロ(2,5,8−トリメ
チル−3,6,9−トリオキサウンデシルビニルエーテ
ル)、パーフルオロ(2,5,8−トリメチル−3,6,9
−トリオキサドデシルビニルエーテル)、パーフルオロ
(2,5,8,11−テトラメチル−3,6,9,12−テト
ラオキサペンタデシルビニルエーテル)。
【0010】本発明の共重合体中におけるFVE単位の
含量は35〜60重量%である。FVE単位含量が35
%より小さいとフッ素ゴムの低温特性が低下し、60重
量%より大きいと、フルオロビニルエーテルは比較的に
高価であるのでコストアップとなり、またフッ素ゴムの
強伸度が低下する。
【0011】さらにテトラフルオロエチレン(TFE)単
位の含量とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の単位の
含量の和は6〜30重量%、好ましくは10〜25重量
%とする。この和が6重量%より小さいと耐メタノール
性が低下し、30重量%より大きいと、低温特性が低下
する。
【0012】また、HFP単位の含量とフルオロビニル
エーテル(FVE)単位の含量の和は15〜25モル%、
好ましくは16〜23モル%とする。この和が15モル
%より小さいと、得られるフッ素ゴムの柔軟性(特に低
温での)が乏しくなり、一方25モル%を越えるとHF
PまたはFVEの重量分率が高くなり、低温特性の低下
や強伸度の低下を引き起こす。また、高分子量の共重合
体が得にくい。
【0013】本発明の共重合体は、共重合体の成分であ
るフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサ
フルオロプロピレンおよびフルオロビニルエーテルを塊
状、溶液、懸濁、乳化重合等公知の方法で重合させるこ
とにより得られる。溶液重合に用いる溶媒としては、ジ
クロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、
クロロジフルオロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,
2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,
2,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2−テトラク
ロロ−1,2−ジフルオロエタン、パーフルオロシクロ
ブタン、パーフルオロジメチルシクロブタンなどの高度
にフッ素置換された溶媒が好ましく用いられる。塊状、
懸濁、溶液重合では、一般に油溶性開始剤を使用する。
好ましい開始剤は、高度にフッ素化された過酸化物であ
り、(Rf−COO)2(式中、Rfはパーフルオロアルキル
基、ω−ヒドロパーフルオロアルキル基またはパ−クロ
ロフルオロアルキル基を表す。)で示されるジアシルパ
ーオキサイドが特に好ましい。
【0014】乳化重合においては乳化剤を用いてモノマ
ーを水に乳化させて重合を行う。乳化剤としては一般
式:
【化3】 で示される化合物等を好ましくは用いる。乳化重合にお
ける重合開始剤としては油溶性または水溶性の過酸化物
を好ましくは用いる。好ましい油溶性の過酸化物として
は上記のものがあり、水溶性の過酸化物としては過硫酸
アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩の他、過リ
ン酸塩、過硝酸塩、過炭酸塩等を挙げることができる。
また、これらの無機過酸化物と、亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸等の水
溶性還元剤との組み合わせも用いることができる。
【0015】共重合体の分子量は、数平均で、好ましく
は10,000〜500,000、さらに好ましくは3
0,000〜300,000である。分子量の調節は、連
鎖移動剤の添加により容易に行なうことができる。連鎖
移動剤としては、炭素数4〜6の炭化水素類、アルコー
ル、エーテル、有機ハロゲン化物(例えばCCl4、CBr
Cl3、CF2BrCFBrCF3、CF22)などを有利に
使用することができる。フルオロカーボン沃化物(例え
ばCF22、I(CF2)4I、CF2=CFCF2CF2I)
を連鎖移動剤として使用すると、得られた共重合体の分
子末端に沃素が結合してなおラジカル的に活性な状態で
あるため、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシ
アヌレートなどの多官能性不飽和化合物の存在下に過酸
化物をラジカル源とする過酸化物加硫が容易に行えると
いう利点がある。
【0016】本発明の共重合体の重合にあたっては、加
硫サイトを有する単量体を加えることもできる。このよ
うな加硫サイトを有する単量体としては、CF2=CF
O(CF2)mCN、CF2=CFO(CF2)mBr、CF2
CFO(CF2)mI、CH2=CHOCH2CH2Cl、CF
2=CFCF2COOH、
【化4】 (式中、mは通常1〜8、pは0〜1、qは1〜2の整数
である。)などが挙げられる。
【0017】重合温度は用いる重合開始剤の分解温度に
より異なるが通常0〜100℃である。重合圧力は共重
合体の組成により決定されるが、0〜30kg/cm2Gが
好ましい。
【0018】次に以上のようにして得られた含フッ素共
重合体を加硫してフッ素ゴムを製造する方法について説
明する。加硫剤としては既知の加硫剤例えば過酸化物、
ポリアミン化合物、ポリヒドロキシ化合物等を用いるこ
とができ、好ましくは過酸化物である。有機過酸化物と
しては、一般には熱や酸化還元系の存在で容易にパーオ
キシラジカルを発生するものがよく、たとえば1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシ
クロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒ
ドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
1−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソ
プロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ベンゾイル
パーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチル−オキシマレイン酸、t−ブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネートなどを例示することができ
る。好ましいものは、ジアルキルタイプのものである。
一般に活性−O−O−の量、分解温度などを考慮して過
酸化物の種類並びに使用量が選ばれる。有機過酸化物の
使用量は、共重合体100重合部に対して0.05〜1
0重量部、好ましくは1.0〜5重量部である。
【0019】また有機過酸化物を用いるときは、架橋助
剤もしくは共架橋剤を適宜併用することにより著しい硬
化がみられる。この架橋助剤または共架橋剤は、パーオ
キシラジカルとポリマーラジカルとに対して反応活性を
有するものであれば原則的に有効であって、特に種類は
制限されない。好ましいものとしては、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリル
ホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N'−m−
フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレー
ト、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールア
ミド、トリアリルホスフェートなどが挙げられる。その
使用量は、共重合体100重量部に対して0.1〜10
重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量部で
ある。
【0020】また本発明の共重合体はブレンド共架橋し
てもよい。ブレンド共架橋することのできるものとし
て、シリコンオイル、シリコンゴム、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体、1,2−ポリブタジエン、フルオロシリ
コンオイル、フルオロシリコンゴム、フルオロホスファ
ゼンゴム、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド/テトラフ
ルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、
ヘキサフルオロプロピレン/エチレン共重合体、テトラ
フルオロエチレン/プロピレン共重合体、さらにはラジ
カル反応性のある他の重合体が用いられる。これらの使
用量については、特に制限はないが、本質的に本発明の
共重合体の性質を損なう程度まで多くするべきではな
い。本発明のフッ素共重合体には、通常のゴム配合薬
品、例えば補強剤、充填剤、可塑剤、離型剤、軟化剤、
安定剤、増量剤などを必要に応じ添加して加硫してもよ
い。
【0021】これら成分の混合手段としては、材料の粘
弾性や形態に応じて適当な方法が採用され、固体状の場
合は、通常のオープンロール、粉体ミキサーが用いられ
る。液状の場合は、適宜通常のミキサーが用いられる。
もちろん、固体状の成分を溶剤に溶解ないし分散させ
て、分散混合することも可能である。加硫は、通常のフ
ッ素ゴムの加硫条件下で行うことができる。例えばフッ
素ゴム組成物をロール混練り後、金型に入れ、120〜
200℃で20〜100kg/cm2で5〜30分保持する
ことによりプレス加硫を行い、次いで150〜250℃
の炉中で1〜24時間保持することによりオーブン加硫
を行うことにより加硫ゴムを得る。
【0022】本発明の共重合体は、一般成形材料、シー
ラント、接着剤、塗料などとして、耐熱性、耐油性、耐
薬品性、耐溶剤性などに加えて低温抵抗性および耐アル
コール性の要求される箇所に有効に使用される。特に、
自動車燃料系統におけるダイヤフラム、燃料噴射装置用
O−リング等に好適である。
【0023】
【実施例】
実施例1 内容積1300mlの重合槽に純水433ml、乳化剤とし
てC37OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4
43.3g、リン酸水素二ナトリウム12水和物4.3g
を仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換した後、亜硫酸
ナトリウム200mgを純水2mlに溶かした溶液およびパ
ーフルオロビニルエーテルCF3CF2CF2[OCF(C
3)CF2]3OCF=CF2(PF3VEと略す) 6.2gを
窒素ガスで圧入した。次いで系内を真空にし、15℃に
てHFPを内圧0kg/cm2(ゲージ圧)まで圧入し、さら
にVdF/TFE/HFP=68.1/18.3/13.6
モル%の混合ガスで6.5kg/cm2(ゲージ圧)に昇圧し
た。しかる後、過硫酸アンモニウム5mgを純水1mlに溶
かした溶液を窒素ガスで圧入し、反応を開始した。重合
反応の進行に伴って圧力が低下するので5.5kg/cm2
まで低下した時点で前記の混合ガスで6.5kg/cm2Gま
で再加圧し、パーフルオロ−1,4−ジヨードブタン0.
33gを窒素ガスで圧入した。その後、6.5kg/cm2
と5.5kg/cm2Gとの間で降圧と昇圧を繰り返し、昇圧
2回毎にPF3VE各5.3gを窒素ガスで圧入し、さら
に重合開始から2.8,および5.2時間後に3−ヨード
−1,1,2,2−テトラフルオロプロピルトリフルオロ
ビニルエーテル各0.43gを窒素ガスで圧入した。反応
開始から7.6時間後、未反応モノマーを放出し、水性
乳濁液を得た。この水性乳濁液を凍結により凝析させ、
凝析物を水洗、真空乾燥してゴム状重合体152.6gを
得た。この重合体の組成は、19F−NMR分析によれば
(以下、同様)VdF/TFE/HFP/PF3VE=6
3.3/18.9/11.8/5.9(モル比)であった。ま
た、この重合体のムーニー粘度ML1+10(100℃)は
55であった。
【0024】実施例2〜3,比較例1〜3 PF3VEの仕込量、混合モノマー組成を表−1の通り
にしたほかは実施例1と同様にして重合を行った。結果
を表−1に示す。
【0025】比較例4 PF3VEのかわりにCF3CF2CF2OCF(CF3)C
2OCF=CF2(PF1VEと略す)を用い、実施例1
と同様にして重合を行なった。結果を表−1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例4 実施例1〜3、比較例1〜4で得た共重合体を次のよう
に加硫し、成形した。共重合体100重量部に対し、M
Tカーボンブラック20重量部、トリアリルイソシアヌ
レート4重量部、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン1.5重量部をゴム用ロールで混練
した後。160℃で10分間プレス成形、次いで180
℃の電気炉で4時間加熱し、厚さ2mmのシート状成形品
を得た。この成形品の引張強度、伸び、耐メタノール
性、低温ねじり試験を次の方法で測定した。 引張強度、伸び:JIS K6301の方法による。 耐メタノール性:JIS燃料油とメタノール20:80
(容積比)の混合物中に40℃で70時間浸漬後の体積増
加率(△V)を求めた。 低温ねじり試験:JIS K6301の方法による。こ
の試験では低温でのねじりモジュラスが、室温(23℃)
におけるねじりモジュラスのX倍となる温度をTxと表
わす。ガラス転移温度(Tg)が同じでも低温での柔軟性
の乏しいゴムは、低温ねじり試験の温度−ねじれ角曲線
の立ち上がりが鈍く、例えばT5−T100は大きい値をと
る。低温で柔軟なゴムは、温度−ねじれ角曲線の立ち上
りが鋭く、T5−T100は小さい。 これらの結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表1および表2から明らかなように比較例
1の共重合体はフッ化ビニリデン含量が大きすぎ、これ
より得られたフッ素ゴムは耐メタノール性が良くない
(ΔVが大きい)。また比較例2の共重合体はテトラフル
オロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの含量の和が
大きすぎ、低温特性が不十分である(T5、T100共に高
い)。比較例3の共重合体ではヘキサフルオロプロピレ
ンとフルオロビニルエーテルの含量の和が小さすぎ低温
特性が良くない(T5−T100が大きい)。比較例4ではP
3VEの代わりにPF1VEを用いたものであるが、こ
の場合にも低温特性は不十分である(T5、T100共に高
い)。一方、本発明の共重合体(実施例1〜3)において
は耐メタノール性および低温特性を満足させる。
フロントページの続き (72)発明者 北市 雅紀 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 森川 達也 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)10〜35重量%のフッ化ビニリデ
    ンに基く単位; (B)1〜25重量%のテトラフルオロエチレンに基く単
    位; (C)5〜15重量%のヘキサフルオロプロピレンに基く
    単位;および (D)35〜60重量%の一般式: 【化1】 (式中、Rfは1〜3個の炭素原子を有するパーフルオロ
    アルキル基を表し、nは2〜4の整数である。)で表され
    るフルオロビニルエーテルに基づく単位;よりなり、
    (B)成分と(C)成分の和が6〜30重量%であり、(C)
    成分と(D)成分の和が15〜25モル%である含フッ素
    共重合体。
  2. 【請求項2】 フルオロビニルエーテルがパーフルオロ
    (2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデシ
    ルビニルエーテル)である請求項1に記載の共重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の共重合体を架橋して
    なるフッ素ゴム。
JP14604393A 1993-06-17 1993-06-17 耐寒・耐アルコール性含フッ素弾性状共重合体 Expired - Fee Related JP3278979B2 (ja)

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