JPH07293063A - シリンダ錠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】不正解錠時にキーシリンダを完全に自由回転さ
せるシリンダ錠においてキーシリンダの回転と同時に駆
動部材を回転する。 【構成】キーシリンダ１６と駆動部材とを連結する係合
位置とこれらの連結を解除する分離位置との間で移動可
能に設けられたラッチ部材１９と、ハウジング１１に対
してスリーブ１３が相対的に回転されるときにラッチ部
材１９を分離位置に移動させる解除部材２０と、駆動部
材のスリット内に滑動可能に配置された係合部材とを設
ける。正規のキーをキーシリンダ１６に挿入すると、キ
ーシリンダ１６とスリーブ１３との係合が解除され、ラ
ッチ部材１９がキーシリンダ１６と駆動部材１８とを連
結しているので、駆動部材はキーシリンダ１６の回転に
伴いロック位置又はアンロック位置に回転される。異種
のキーをキーシリンダ１６に挿入すると、駆動部材の回
転が確実に阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は錠装置、特に破壊に対
する大きな抵抗力を有するシリンダ錠に関連する。

【０００２】

【従来の技術】従来のシリンダ錠は、ケースに形成され
た溝に係合するタンブラを備えたキーシリンダに正規の
キーをロック位置又はアンロック位置に回転することが
できる。ケース内の溝に係合するタンブラによりキーシ
リンダの回転を阻止する従来のシリンダ錠ではタンブラ
の破壊による不正解錠が行われる危険がある。そこで、
例えば特開平１−３１５５６９号公報に開示されるよう
に、キーシリンダに回転力を加える不正解錠の際に、キ
ーシリンダが自由に回転するフリーターン式シリンダ錠
が提案されている。このシリンダ錠はケース内に回転可
能に配置されたスリーブと、スリーブ内に回転可能に支
持されたキーシリンダとを備えている。

【０００３】正規のキーをキーシリンダ内に挿入する
と、キーシリンダ内のタンブラがスリーブに形成された
溝から離脱してキーシリンダをスリーブに対して相対的
に回転することができる。これにより、滑動リングがロ
ック片作動部材と係合してロック装置を操作することが
できる。また、キーシリンダ内に異種のキーが挿入され
たとき、キーシリンダはタンブラによりスリーブと係合
した状態に保持されるので、キーシリンダはスリーブと
共に回転する。これによりロック片作動部材を回転でき
ないから、ロック装置を操作することができない。

【０００４】このようなフリーターン式シリンダ錠では
異種のキーを使用した場合にキーシリンダが自由に回転
する。このため、タンブラを破壊する回転力を加えるこ
とができないので、破壊に対して大きな抵抗力を与える
ことができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平１−
３１５５６９号公報に開示されたロック装置では異種の
キーが使用された後はキーシリンダを円滑に操作できな
い欠点がある。即ち、ロック装置内には回転されたキー
シリンダを自動的に初期の位置に復帰させるため、前板
とキーシリンダとの間に捩じりばねが設けられる。異種
のキーがキーシリンダ内に挿入され、スリーブとキーシ
リンダとが一体に自由回転されるとき、捩じりばねは反
力を発生する。しかし、前記捩じりばねを設けないと、
正規のキーを使用してキーシリンダを回転したとき、キ
ーシリンダが自動的に初期の位置に復帰しないので、円
滑な施錠又は解錠操作が困難となる欠点がある。また、
前記公報に示されるロック装置では、捩じりばねがロッ
ク装置の前部に設けられるので、冷寒地において凍結す
る危険がある。

【０００６】更に、特開平１−３１５５６９号公報のロ
ック装置では、通常キーシリンダとレバーとが非連結状
態となり、正規のキーをキーシリンダに挿入して一定角
度キーシリンダを回転すると、キーシリンダとレバーと
が連結されてロック装置を操作することが可能になる。
このように、キーシリンダとレバーとが連結されるま
で、一定範囲の遊び角の間キーシリンダを回転させる必
要があり、その間、レバーは回転されない。前記公報の
ロック装置では、レバーを非回転状態に保持するスライ
ド部材によってレバーがケースに固定され、レバーから
スライド部材を軸方向に移動させて離間させるために
も、キーシリンダの遊び角が必要となる。このような遊
び角はロック装置の迅速かつ円滑な操作を妨げる原因と
なる。また、スライド部材を軸方向に移動させるため、
シリンダ錠が長さ方向に大型化する欠点がある。

【０００７】そこで、この発明は、正規のキーを使用し
た場合にキーシリンダの回転と同時に駆動部材を回転で
きかつ軸方向に移動する部品がなく良好な耐久性及び操
作性を備え、不正解錠時にキーシリンダが完全に自由回
転できるシリンダ錠を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明によるシリンダ
錠は、第１の収容孔を有するハウジングと、ハウジング
の第１の収容孔内に回転可能に配置されかつ第２の収容
孔及び係止部を有するスリーブと、スリーブの第２の収
容孔内に回転可能に配置されたキーシリンダと、キーシ
リンダ内で滑動可能に配置されかつスリーブの係止部に
係合可能なタンブラと、ハウジング及びキーシリンダに
対して回転可能に設けられた駆動部材と、キーシリンダ
と駆動部材とを連結する係合位置とこれらの連結を解除
する分離位置との間で移動可能に設けられたラッチ部材
と、スリーブ内で径方向に移動可能に配置されかつハウ
ジングに対してスリーブが相対的に回転されるときにラ
ッチ部材を分離位置に移動させる解除部材と、解除部材
をハウジングに対して押圧する解除スプリングとを備え
ている。解除部材に形成された凸部がハウジングに形成
された凹部内に係合され、ハウジングに対してスリーブ
が回転されるとき、解除部材の凸部がハウジングの凹部
から移動し、解除部材の移動によりラッチ部材と駆動部
材との連結が解除される。このシリンダ錠は、ハウジン
グに形成された嵌合溝内に嵌合可能な係止突起を備えか
つ係止突起が嵌合溝に嵌合する係止位置と係止突起が嵌
合溝から離間した解除位置との間で径方向に移動可能に
設けられた係合部材を備え、係合位置と分離位置との間
で移動するラッチ部材に連動して係合部材が解除位置と
係止位置との間で移動される。

【０００９】この発明の実施例では、係合部材を係止位
置に向かって付勢する係合スプリングを備え、係合部材
は係合スプリングの弾力に抗して係合位置にあるラッチ
部材により解除位置に保持され、ラッチ部材が分離位置
に移動されると、係合スプリングの弾力により係止位置
に移動される。係合部材はラッチ部材のラグに当接する
フック部を備え、ラッチスプリングは係合スプリングよ
り大きな弾力を発生し、ラッチ部材はキーシリンダ内に
配置されたラッチスプリングにより駆動部材に対して付
勢される。係合部材は駆動部材に形成されたスリット内
に滑動可能に配置され、解除部材によりラッチ部材が分
離位置に移動されかつキーシリンダが回転されたとき、
係止位置にある係合部材は駆動部材をハウジングに対し
て固定し、キーシリンダ、スリーブ及びラッチ部材は駆
動部材を回転せずに回転される。ラッチ部材のばね受け
部はキーシリンダ内に配置されたラッチスプリングによ
り駆動部材に対して付勢され、解除部材は軸方向に突出
しかつ異種キーの使用時にラッチ部材に当接する突起を
備えている。

【００１０】この発明の他の実施例では、係合部材はラ
ッチ部材に連結されかつ駆動部材に形成された径方向溝
内に滑動可能に配置される。解除部材の凸部がハウジン
グの凹部から移動したとき、突出部はキーシリンダに係
合し、キーシリンダの回転により解除部材の凸部がハウ
ジングの凹部に嵌合され、正規位置の状態に常に位置決
めされる。係合部材はラッチ部材のラグを受ける連結孔
を備え、係合部材が係止位置にあるとき、ラッチ部材の
ラグ及び連結孔はラグが連結孔内で相対的に回転可能に
キーシリンダの中心軸上に配置される。ハウジングの凹
部はハウジングの前部に向かって長さ方向に延び、ハウ
ジングに形成された開口部に連絡し、ハウジング内に侵
入した水が凹部及び開口部を通り外部に排水される。

【００１１】

【作用】キーをキーシリンダに挿入しないとき、キーシ
リンダとスリーブはタンブラにより接続された状態とな
り、ラッチ部材はキーシリンダ及び駆動部材とを連結す
る係合位置にある。この状態で正規のキーをキーシリン
ダに挿入すると、タンブラがキーシリンダ内に引っ込
み、キーシリンダとスリーブとの係合が解除される。キ
ーを回転すると、スリーブは解除部材と共に固定された
状態でキーシリンダはキーと共に回転される。このと
き、駆動部材はラッチ部材によりキーシリンダに接続さ
れているので、キーシリンダの回転に伴いロック位置又
はアンロック位置に回転される。その後、キーの回転力
が除去されると、駆動部材及びキーシリンダはリターン
スプリングの弾力により初期の位置に自動的に戻され
る。

【００１２】異種のキーをキーシリンダに挿入すると、
キーシリンダはタンブラを介してスリーブと係合した状
態に保持される。キーを回転すると、キーシリンダはス
リーブと一体に回転する。このとき、ハウジングに対し
て解除部材が径方向に移動して、ラッチ部材と駆動部材
との連結が解除されると共に、係合部材が分離位置から
係合位置に径方向に移動して、係止突起がハウジングの
嵌合溝に係合されて、駆動部材がハウジングに対して固
定される。従って、駆動部材をロック位置又はアンロッ
ク位置に回転することができない。このように、駆動部
材はラッチ部材を介してキーシリンダに通常連結されて
いるので、正規のキーを使用した場合、遊び角を設けず
に、キーシリンダの回転により直ちに駆動部材を回転す
ることができる。また、ラッチ部材、解除部材及び係合
部材はいずれも径方向に移動するので、シリンダ錠の軸
方向長さを顕著に増加することなく、この発明のシリン
ダ錠を従来のシリンダ錠とほぼ同一の大きさに製造する
ことができる。

【００１３】

【実施例】以下、この発明によるシリンダ錠の実施例を
図１〜図１８について説明する。

【００１４】この発明によるシリンダ錠１０は、第１の
収容孔１２を有するハウジング１１と、ハウジング１１
の第１の収容孔１２内に回転可能に配置されかつ第２の
収容孔１４及び係止部１５を有するスリーブ１３と、ス
リーブ１３の第２の収容孔１４内に回転可能に配置され
る複数のスロット１６ａを備えたキーシリンダ１６と、
キーシリンダ１６内で滑動可能に配置されかつスリーブ
１３の係止部１５に係合可能なタンブラ１７と、ハウジ
ング１１に対して回転可能に設けられた駆動部材１８
と、キーシリンダ１６と駆動部材１８とを連結する係合
位置とこれらの連結を解除する分離位置との間で移動可
能に設けられたラッチ部材１９と、ハウジング１１に対
してスリーブ１３が相対的に回転されるときにラッチ部
材１９を分離位置に移動させる解除部材２０とを備えて
いる。図７に示すように、スリーブ１３の溝１３ａ内に
配置された解除部材２０は溝状に形成された一対の脚２
４と、キーシリンダ１６の軸方向に突出しかつ異種キー
の使用時にラッチ部材１９に当接する突起２５と、径方
向に突出する凸部２６と、キーシリンダ１６の一対のノ
ッチ１６ｃに対向して設けられた一対の係止部２０ａと
を備えている。スリーブ１３の内端部で径方向に形成さ
れた溝１３ａ内に解除部材２０が径方向に滑動可能に配
置される。

【００１５】ハウジング１１の前部にはキャップ４０が
取り付けられ、キーシリンダ１６の後部にはＥリング２
９が取り付けられて、キーシリンダ１６の脱落が阻止さ
れる。図１に示すように、ラッチ部材１９はキーシリン
ダ１６の円筒部１６ｂに径方向に形成されたラッチ孔２
１内にラッチスプリング２７と共に配置され、ラッチ部
材１９のばね受け部２２はキーシリンダ１６内に配置さ
れたラッチスプリング２７により駆動部材１８に対して
径方向外側に常時付勢される。ラッチ部材１９はラッチ
スプリング２７が当接するばね受け部２２と、駆動部材
１８に形成された溝３０に係合される連結部２３と、ば
ね受け部２２から連結部２３とは反対側に突出するラグ
２２ａとを備えている。ラッチ孔２１はラッチスプリン
グ２７が配置された受面２１ａと、ラッチ部材１９が配
置された入口の拡大部２１ｂとを有する。ラッチ孔２１
内に配置されたラッチ部材１９は通常図８に示すよう
に、ラッチ孔２１から突出し、駆動部材１８に形成され
た溝３０に係合され、ラッチ部材１９は係合位置に配置
される。このように、ラッチ部材１９の連結部２３はキ
ーシリンダ１６と駆動部材１８とを回転方向に連結す
る。

【００１６】解除部材２０の突起２５はラッチスプリン
グ２７の弾力を受けるラッチ部材１９の連結部２３に通
常当接しないから、正規のキーを使用したときキーシリ
ンダ１６を円滑に回転することができる。しかしなが
ら、異種キーを使用したとき、突起２５はラッチ部材１
９の連結部２３に当接し、解除部材２０の突出部２５ａ
はキーシリンダ１６に係合する。また、解除部材２０は
解除スプリング２８により押圧され、ハウジング１１の
収容孔１２を形成する内壁に当接する。正規のキーを使
用してキーシリンダ１６を回転したときにキーシリンダ
１６と解除部材２０は一体に回転するため、解除部材２
０の凸部２６がハウジング１１の凹部３１に嵌合され、
正規位置の状態に常に位置決めされる。図１に示すよう
に、凹部３１はハウジング１１の前部に向かって長さ方
向に延び、開口部１１ｂに連絡し、ハウジング１１内に
侵入した水は凹部３１及び開口部１１ｂを通り外部に排
水される。スリーブ１３がハウジング１１に対して回転
されると、凸部２６が凹部３１から押し出されて、径方
向内側に移動するから、ラッチ部材１９はラッチスプリ
ング２７の弾力に抗して径方向内側に移動し、ラッチ部
材１９の連結部２３はラッチ孔２１の拡大部２１ｂ内に
配置され、駆動部材１８との連結が解除される。レバー
３３に形成された貫通孔３３ａにはキーシリンダ１６の
円筒部１６ｂが配置され、キーシリンダ１６の円筒部１
６ｂはレバー３３に対して相対的に自由回転が可能であ
る。また、駆動部材１８に形成された一対の突起５３は
レバー３３に形成された一対の係合孔３７に嵌合され、
レバー３３は駆動部材１８と一体に回転される。レバー
３３はＥリング２９によってキーシリンダ１６の円筒部
１６ｂに回転可能に取り付けられ、図示しないロック装
置に作動連結される。レバー３３の端部は折曲げられて
係止部３４を形成する。駆動部材１８が回転されたとき
に駆動部材１８を初期の位置に自動的に復帰するリター
ンスプリング３２がハウジング１１の外側に設けられ
る。リターンスプリング３２の一端３２ａ及び他端３２
ｂはハウジング１１の外側に形成された突起３６と、レ
バー３３の係止部３４を挟んで配置される。

【００１７】駆動部材１８には軸方向に形成されかつキ
ーシリンダ１６の円筒部１６ｂを受ける円筒孔５１と、
円筒孔５１に連絡して径方向に形成されたスリット５２
と、軸方向に突出する突起５３とを備えている。円筒孔
５１は駆動部材１８に形成された径方向の溝３０に連絡
する。スリット５２内には係合部材５５が滑動可能に配
置される。図９に示すように、ほぼＣ形に形成された係
合部材５５はハウジング１１に形成された嵌合溝１１ａ
内に嵌合可能な係止突起５６と、駆動部材１８のスリッ
ト５２に連絡して形成されたガイド凹部５２ａ内で滑動
可能に配置された一対のガイド突起５７と、ラッチ部材
１９のラグ２２ａに当接可能に係止突起５６の直径上反
対側に設けられたフック部５８とを備えている。一方の
ガイド突起５７は駆動部材１８内に配置された係合スプ
リング６０により外側に向かって常時付勢され、フック
部５８はラグ２２ａがキーシリンダ１６の円筒部１６ｂ
に形成されたラッチ孔２１内に移動しない限り、ラグ２
２ａに当接する。係合部材５５は図８に示す係合位置と
図１０に示す分離位置との間で移動するラッチ部材１９
の運動に連動して図９に示す解除位置と図１２に示す係
止位置との間で移動される。このため、図９に示す解除
位置では、係止突起５６が嵌合溝から離間し、図１２に
示す係止位置では、係止突起５６が嵌合溝１１ａに嵌合
する。係合スプリング６０は係合部材５５を係止位置に
向かって付勢する。図９に示すように、係合部材５５は
係合スプリング６０の弾力に抗して係合位置にあるラッ
チ部材１９のラグ２２ａにより図９の解除位置に保持さ
れ、ラッチ部材１９が解除部材２０の径方向内側移動に
より図１２の分離位置に移動されると、係合スプリング
６０の弾力により係止位置に移動され、係止突起５６が
嵌合溝１１ａに嵌合される。このため、ラッチスプリン
グ２７は係合スプリング６０より大きな弾力を発生し、
ラッチ部材１９はキーシリンダ１６のラッチ孔２１内に
配置されたラッチスプリング２７により駆動部材１８の
溝３０に対して付勢される。

【００１８】上記の構成において、キーシリンダ１６に
キーを挿入しないとき、キーシリンダ１６とスリーブ１
３はタンブラ１７により接続された状態となり、図８に
示すように、ラッチ部材１９はキーシリンダ１６及び駆
動部材１８とを連結する係合位置にある。この状態で正
規のキーをキーシリンダ１６に挿入すると、タンブラ１
７がキーシリンダ１６内に引っ込み、キーシリンダ１６
とスリーブ１３との係合が解除される。キーを回転する
と、スリーブ１３は解除部材２０と共に固定された状態
でキーシリンダ１６はキーと共に回転される。このと
き、駆動部材１８はラッチ部材１９によりキーシリンダ
１６に接続されているので、キーシリンダ１６の回転に
伴い駆動部材１８及びレバー３３はロック位置又はアン
ロック位置に回転される。その後、キーの回転力が除去
されると、レバー３３、駆動部材１８及びキーシリンダ
１６はリターンスプリング３２の弾力により初期の位置
に自動的に戻される。

【００１９】異種のキーをキーシリンダ１６に挿入する
と、キーシリンダ１６はタンブラ１７を介してスリーブ
１３と係合した状態に保持される。キーを回転すると、
キーシリンダ１６はスリーブ１３と一体に回転する。キ
ーシリンダ１６が回転されたとき、ハウジング１１に対
して解除部材２０が図７に示す非回転位置から図１１に
示す回転準備位置に移動して、解除部材２０の突起２５
によりラッチ部材１９が図１及び図８に示す係合位置か
ら径方向内側の図１０に示す分離位置に移動され、解除
部材２０のの係止部２０ａがキーシリンダ１６のノッチ
１６ｃに嵌合される。このため、ラッチ部材１９と駆動
部材１８の溝３０との連結が解除されると共に、係合部
材５５が図９の分離位置から図１２の係合位置に径方向
に移動して、係止突起５６がハウジング１１の嵌合溝１
１ａに係合され、駆動部材１８がハウジング１１に対し
て固定される。従って、キーシリンダ１６と駆動部材１
８との係合が解除されるため、駆動部材１８をロック位
置又はアンロック位置に回転することができない。この
ように、キーシリンダ１６、スリーブ１３及びラッチ部
材１９は駆動部材１８を回転せずに回転される。駆動部
材１８はラッチ部材１９を介してキーシリンダ１６に通
常連結されているので、正規のキーを使用した場合、遊
び角を設けずに、キーシリンダ１６の回転により直ちに
駆動部材１８を回転することができる。また、ラッチ部
材１９、解除部材２０及び係合部材５５はいずれも径方
向に移動するので、シリンダ錠の軸方向長さを顕著に増
加することなく、この発明のシリンダ錠を従来のシリン
ダ錠とほぼ同一の大きさに製造することができる。

【００２０】この発明の実施例は上記の実施例に限定さ
れることなく種々の変更が可能である。例えば、図１３
〜図１８に示すように、この発明の他の実施例では、係
合部材６１は駆動部材１８に形成された径方向溝３０内
に滑動可能に配置される。駆動部材１８の端部６３はレ
バー３３の貫通孔３３ａに挿入されかつ固定される。係
合部材６１はラッチ部材１９のラグ２２ａを受ける連結
孔６５と、ハウジング１１の嵌合溝１１ａに嵌合可能な
係止突起６４とを備えている。係止突起６４が嵌合溝１
１ａに嵌合された係止位置に係合部材６１が移動された
とき、図１８に示すように、ラッチ部材１９のラグ２２
ａ及び連結孔６５はラグ２２ａが連結孔６５内で回転可
能にキーシリンダ１６の中心軸上に配置される。

【００２１】また、レバー３３を設けずに、駆動部材１
８の回動によって電気信号を発生するスイッチを作動さ
せてもよい。更に、上記の実施例ではタンブラ１７とし
てディスクタンブラを使用する例を示したが、ピンタン
ブラを使用することも可能である。解除スプリング２８
を省略してラッチ部材１９を押圧するラッチスプリング
２７により解除部材２０を押圧してもよい。

【００２２】

【発明の効果】上記のように、この発明では破壊に対す
る大きな抵抗力を有するシリンダ錠が得られるので、不
正侵入又は盗難等の犯罪を有効に防止することが可能と
なる。更に、この発明のシリンダ錠では、キーシリンダ
と駆動部材とが常時連結しており、軸方向に移動する部
品がシリンダ錠内に設けられず、駆動部材との連結に必
要な予備回転を必要としない。このため、正規のキーを
キーシリンダに挿入して回転すると、駆動部材を直ちに
回転することができ、耐久性及び操作性に優れたシリン
ダ錠が得られる。このため、従来に比べて摺動部品が少
なくシリンダ錠の故障を軽減して寿命を延長することが
できる。更に、軸方向に移動する部品を必要としないの
で、シリンダ錠の全長の短縮化が可能となり、前面を強
固に形成する必要もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図２のＡ−Ａ線に沿うこの発明によるシリン
ダ錠の断面図

【図２】 この発明によるシリンダ錠の正面図

【図３】 この発明によるシリンダ錠の側面図

【図４】 この発明によるシリンダ錠の背面図

【図５】 図１に示すこの発明によるシリンダ錠の分解
斜視図

【図６】 キーシリンダを除去した図１のＢ−Ｂ線に沿
う断面図

【図７】 図１のＣ−Ｃ線に沿う断面図

【図８】 図１のＤ−Ｄ線に沿う断面図

【図９】 図１のＥ−Ｅ線に沿う断面図

【図１０】 異種キーを使用した場合の図１のＤ−Ｄ線
に沿う断面図

【図１１】 異種キーを使用した場合の図１のＣ−Ｃ線
に沿う断面図

【図１２】 異種キーを使用した場合の図１のＥ−Ｅ線
に沿う断面図

【図１３】 この発明の他の実施例を示すシリンダ錠の
断面図

【図１４】 この発明の他の実施例を示すシリンダ錠の
分解斜視図

【図１５】 図１３のＤ−Ｄ線に沿う断面図

【図１６】 図１３のＥ−Ｅ線に沿う断面図

【図１７】 異種キーを使用した場合の図１３のＤ−Ｄ
線に沿う断面図

【図１８】 異種キーを使用した場合の図１３のＥ−Ｅ
線に沿う断面図

【符号の説明】

１０．．シリンダ錠、１１．．ハウジング、１１ａ．．
嵌合溝、１２．．第１の収容孔、１３．．スリーブ、１
４．．第２の収容孔、１５．．係止部、１６．．キーシ
リンダ、１７．．タンブラ、１８．．駆動部材、１
９．．ラッチ部材、２０．．解除部材、２１．．ラッチ
孔、５５、６１．．係合部材、５６、６４．．係止突
起、６０．．係合スプリング、

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の収容孔を有するハウジングと、 ハウジングの第１の収容孔内に回転可能に配置されかつ
   第２の収容孔及び係止部を有するスリーブと、 スリーブの第２の収容孔内に回転可能に配置されたキー
   シリンダと、 キーシリンダ内で滑動可能に配置されかつスリーブの係
   止部に係合可能なタンブラと、 ハウジング及びキーシリンダに対して回転可能に設けら
   れた駆動部材と、 キーシリンダと駆動部材とを連結する係合位置とこれら
   の連結を解除する分離位置との間で移動可能に設けられ
   たラッチ部材と、 スリーブ内で径方向に移動可能に配置されかつハウジン
   グに対してスリーブが相対的に回転されるときにラッチ
   部材を分離位置に移動させる解除部材と、 解除部材をハウジングに対して押圧する解除スプリング
   とを備え、 解除部材に形成された凸部がハウジングに形成された凹
   部内に係合され、ハウジングに対してスリーブが回転さ
   れるとき、解除部材の凸部がハウジングの凹部から移動
   し、解除部材の移動によりラッチ部材と駆動部材との連
   結が解除されるシリンダ錠において、 ハウジングに形成された嵌合溝内に嵌合可能な係止突起
   を備えかつ係止突起が嵌合溝に嵌合する係止位置と係止
   突起が嵌合溝から離間した解除位置との間で径方向に移
   動可能に設けられた係合部材を備え、 係合位置と分離位置との間で移動するラッチ部材に連動
   して係合部材が解除位置と係止位置との間で移動される
   ことを特徴とするシリンダ錠。
2. 【請求項２】 係合部材を係止位置に向かって付勢する
   係合スプリングを備え、 係合部材は係合スプリングの弾力に抗して係合位置にあ
   るラッチ部材により解除位置に保持され、ラッチ部材が
   分離位置に移動されると、係合スプリングの弾力により
   係止位置に移動される請求項１に記載のシリンダ錠。
3. 【請求項３】 係合部材はラッチ部材のラグに当接する
   フック部を備え、ラッチスプリングは係合スプリングよ
   り大きな弾力を発生し、ラッチ部材はキーシリンダ内に
   配置されたラッチスプリングにより駆動部材に対して付
   勢される請求項２に記載のシリンダ錠。
4. 【請求項４】 係合部材は駆動部材に形成されたスリッ
   ト内に滑動可能に配置され、解除部材によりラッチ部材
   が分離位置に移動されかつキーシリンダが回転されたと
   き、係止位置にある係合部材は駆動部材をハウジングに
   対して固定し、キーシリンダ、スリーブ及びラッチ部材
   は駆動部材を回転せずに回転される請求項１〜３のいず
   れかに記載のシリンダ錠。
5. 【請求項５】 ラッチ部材のばね受け部はキーシリンダ
   内に配置されたラッチスプリングにより駆動部材に対し
   て付勢され、解除部材は軸方向に突出しかつ異種キーの
   使用時にラッチ部材に当接する突起を備えた請求項１に
   記載のシリンダ錠。
6. 【請求項６】 係合部材はラッチ部材に連結されかつ駆
   動部材に形成された径方向溝内に滑動可能に配置される
   請求項１に記載のシリンダ錠。
7. 【請求項７】 解除部材の凸部がハウジングの凹部から
   移動したとき、突出部はキーシリンダに係合し、キーシ
   リンダの回転により解除部材の凸部がハウジングの凹部
   に嵌合され、正規位置の状態に常に位置決めされる請求
   項１に記載のシリンダ錠。
8. 【請求項８】 係合部材はラッチ部材のラグを受ける連
   結孔を備え、係合部材が係止位置にあるとき、ラッチ部
   材のラグ及び連結孔はラグが連結孔内で相対的に回転可
   能にキーシリンダの中心軸上に配置される請求項６に記
   載のシリンダ錠。
9. 【請求項９】 ハウジングの凹部はハウジングの前部に
   向かって長さ方向に延び、ハウジングに形成された開口
   部に連絡し、ハウジング内に侵入した水が凹部及び開口
   部を通り外部に排水される請求項１に記載のシリンダ
   錠。