JPH072909A - 球状架橋共重合体の製造法 - Google Patents

球状架橋共重合体の製造法

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JPH072909A
JPH072909A JP6028297A JP2829794A JPH072909A JP H072909 A JPH072909 A JP H072909A JP 6028297 A JP6028297 A JP 6028297A JP 2829794 A JP2829794 A JP 2829794A JP H072909 A JPH072909 A JP H072909A
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temperature
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JP6028297A
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Takeshi Ito
伊藤  剛
Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
Naoko Takasaki
直子 高崎
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン交換基の導入の際に破砕や亀裂を生じ
難いスチレン系イオン交換樹脂の母体を提供する。 【構成】 スチレン系モノマーと架橋性モノマーとの混
合物を懸濁重合するに際し、重合率が80%に達するま
でに生起する発熱ピークの回数が10回以下となるよう
な条件下に重合を行なう。 【効果】 重合条件を選択するだけで内部歪の少ないイ
オン交換樹脂母体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は球状架橋共重合体、特に
イオン交換樹脂の母体として好適な球状架橋共重合体を
製造する方法に関するものである。イオン交換樹脂の用
途分野は各種産業分野に広がっている。例えば、ボイラ
ー用水の脱塩、原子力発電用冷却水の脱塩・浄化、糖液
精製・製造、アミノ酸製造・精製等の食品分野、抗生物
質精製・製造、医薬中間体精製等の医薬分野、半導体製
造用の超純水精製分野、または、クロマトグラフィー等
分析用の担体として用いる分析分野、これら種々分野に
球状のイオン交換樹脂が用いられている。
【0002】
【従来の技術】球状のイオン交換樹脂の母体の製造方法
としては、従来より懸濁重合が用いられており、その方
法については、例えば北条 他著のイオン交換樹脂・キ
レート樹脂127ページから206ページに記載がなさ
れている。一般的には水性媒体中に単官能性モノマー及
び多官能性モノマーよりなるモノマー混合物をラジカル
発生剤の存在下に分散させ、昇温下反応させて球状架橋
共重合体を得ることが行われている。
【0003】これらのラジカル発生剤としては、例え
ば、過酸化ベンゾイル、ジクミルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ化合
物が用いられている。得られた架橋共重合体に硫酸、発
煙硫酸、クロロスルホン酸等のスルホン化剤を反応させ
ると、カチオン交換性のイオン交換基であるスルホン酸
基が導入される。一方、アニオン交換性の交換基である
アミノ基の導入は、ルイス酸の存在下、ハロアルキル化
を行ってハロアルキル基を導入し、ついでアミノ化を行
う方法が行われている。
【0004】しかしながら、これらの製造方法において
は、球状架橋共重合体にイオン交換基を導入する際に、
球状架橋共重合体に生じる大きな歪により重合体粒子が
破砕してしまうことがある。このために交換基の導入条
件をマイルドにするなど歪が出来るだけ生じにくい方法
が採用されている。また、破砕し難い球状架橋重合体の
製造法としては、例えば、USP4283499号に記
載の特定の重合開始剤を用いる方法、USP41929
21に記載の酸素を重合雰囲気に混合することにより樹
脂の強度を改善する方法、また、GB2244713に
記載の重合の連鎖に影響を与えるために連鎖移動性の添
加剤を混合する方法等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はイオン交換基
の導入に際し、破砕し難い球状架橋共重合体の製造法を
提供せんとするものである。特に本発明は、特殊なラジ
カル発生剤や添加剤等を用いずとも重合条件を適切に選
択することにより、破砕し難い球状架橋共重合体を製造
し得る方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ラジカ
ル発生剤の存在下、単官能性芳香族モノマー及び多官能
性モノマーからなるモノマー混合物を水性媒体中で懸濁
重合するに際し、重合率が80%に達する迄の間に生起
する発熱ピークが10回以下となるような条件下に重合
を行なうことにより、イオン交換基の導入に際し破砕し
難い球状架橋共重合体を製造することができる。
【0007】本発明を更に詳細に説明するに、本発明は
スチレン−ジビニルベンゼン重合体で代表されるイオン
交換樹脂の母体の製造法の改良に関するものである。従
来より、2種以上のモノマーからなる共重合体について
は種々の検討がなされている。例えば、モノマーの反応
性の相異により、生成する共重合体の組成が経時的に変
化していくことが知られている。
【0008】共重合に固有のこの現象のために、架橋共
重合体では、特に、多官能性モノマーの重合体内におけ
る分布が経時的に変化することが知られている。このよ
うな現象は懸濁重合により製造される架橋球状共重合体
の場合にも発現する。この架橋共重合体の不均一性のた
めに、しばしば、得られた架橋共重合体に対して種々の
反応を行うにあたり、共重合体自身の物理的環境、化学
的構造の変化により、内部での膨潤又は収縮圧が局部的
に発生し、共重合体自身に亀裂が生じたり、破砕してし
まうことが知られている。一般的に多官能性モノマーと
単官能性モノマーを比べると、反応性は多官能性モノマ
ーの方が高い場合が多い。従って、共重合の初期過程に
おいて、多官能性モノマーがより多く反応に消費され、
結果として、共重合の初期過程においては、多官能性モ
ノマーの組成比率の高い重合体が生成する。
【0009】一方、単官能性モノマーは相対的に濃度が
高まってゆき重合の後期には単独に近い状態で重合す
る。このようにして、共重合体中での架橋構造の粗密が
形成され、かつ重合条件によりこの粗密の分布が大きく
変化する。その結果、官能基を共重合体に導入した場
合、球状架橋共重合体に破砕や亀裂が生ずる度合いが変
化すると考えられている。
【0010】通常の重合操作では、モノマーの重合を開
始する目的でラジカル発生剤(重合開始剤とも呼ばれ
る)として有機過酸化物、有機アゾ化合物等が用いられ
る。これらのラジカル発生剤は、一般的に加熱によりラ
ジカル種に分解し、付加重合の開始反応を生起する。こ
の分解する温度は、ラジカル発生剤の種類に依存するも
のであるが、その分解の性質は、通常、半減期が10時
間である温度(T℃)に代表される分解温度により特徴
づけられる。一般に重合を生起するためには、(T−1
0)℃〜(T−20)℃よりも高い温度にすることが必
要である。
【0011】この温度よりも高い温度で一定時間保持す
ることにより、重合が開始する。この重合が開始するま
での時間は、インダクションピリオドと呼ばれ、重合モ
ノマー中の不純物、溶存酸素、懸濁用媒体の中に含有さ
れる不純物に起因した重合開始の遅れと言われており、
原料モノマーの種類、重合条件の選定等により変動する
ことが知られている。これら重合に関する記載は例え
ば、大有機化学 22巻P56からP57 朝倉書店発
行 等に見ることができる。一方、重合温度の上限は懸
濁媒体である水の重合条件下における沸点により規制さ
れ、常圧下では100℃未満、加圧下でも150℃以下
が実用的である。
【0012】重合反応に際しては、重合温度及びラジカ
ル発生剤の量を適切に選択して、ラジカル種の発生量を
制御することが重要である。また重合に際しては、重合
温度に到達しても実質上重合が生じない過程(理由は不
明であるが、原料中の不純物によると考えられる)、重
合が開始する初期過程、ゲル効果による重合の加速効果
の生ずる過程を順次経て重合が完結する。重合の完結率
は原料モノマーの量と生成したポリマーの量とから求め
ることができ、通常、原料モノマーの重量に対して90
〜98%程度のポリマーが生成する。
【0013】一方、重合過程は、例えば、重合発熱を生
起する二重結合から一重結合への変化による重合発熱量
として観察することができる。例えばメトラー社製のリ
アクションカロリメータ、コロンビアサイエンティフィ
ックインダストリーズ社製のARC,QRC等の反応温
度測定器を用いると、この重合過程を追跡することがで
きる。すなわち、これらの反応温度測定器を用いると、
化学反応により発生する熱量をほぼ100%測定するこ
とが可能である。本発明の重合反応についていえば、炭
素−炭素二重結合が炭素−炭素一重結合に連鎖的に反応
する過程、つまり生長反応において生成する発熱を累積
的に観察することが可能である。この累積値はモノマー
全量の不飽和結合の総数のうち反応にあずかった不飽和
結合の数に合致する。従って重合の終了点における累積
値を重合率100%に対応させると、これとの対比にお
いて重合途中の累積値に対応する重合率を算出すること
ができる。
【0014】このような方法により重合過程を追跡する
と、重合は定常的に進行しているのではなく断続的に生
起していると考えられる。何故ならば発熱が一様ではな
く、急激な発熱と発熱停止との繰り返しが観察されるか
らである。このような急激な発熱と発熱停止、すなわち
発熱ピークは一般にモノマーの重合率が70〜80%に
達するまで周期的に発生する。
【0015】本発明者らは、この発熱ピークの発生回数
の多い条件下で製造した球状架橋共重合体は、イオン交
換基の導入に際し、破砕や亀裂を生じ易いことを見出し
た。本発明者らの検討によれば、発熱ピークの発生には
重合中の分子が、ラジカル発生剤から生成したラジカル
種と反応して重合が停止することが関与しているものと
推定される。すなわち、ラジカル発生剤からラジカル種
が発生すると、これがモノマーに作用して重合が開始さ
れ急激な発熱が生ずる。しかし、引続きラジカル発生剤
からラジカル種が発生するので、これが重合中の分子と
反応して重合を停止させると発熱停止が生起する。この
ラジカル発生剤から発生するラジカル種による重合開始
と重合停止が反復されるので、発熱ピークが反復して生
ずるものと考えられる。前述の如く、単官能性モノマー
と多官能性モノマーとの共重合に際しては多官能性モノ
マーの方が反応性に富むので、反応初期に生成した分子
ほど多官能性モノマーの比率が高い、すなわち架橋密度
が高いと考えられる。従って、発熱ピークの発生回数が
多いほど粒内分子の不均一性が大きくなると考えられ
る。このことは得られる球状架橋共重合体の内部の不均
一性が大きいことを意味し、従ってイオン交換基の導入
に際しての破砕や亀裂の発生も多くなると考えられる。
【0016】本発明者らの検討によれば、重合率が80
%に達するまでの間の発熱ピークの発生回数が10回以
下となるような条件下で重合を行なうことにより、イオ
ン交換基の導入に際しての破砕や亀裂の少ない球状架橋
共重合体を製造することができる。発熱ピークの発生回
数を10回以下にする方法はいくつか存在する。その一
つはラジカル発生剤の半減期が10時間となる温度より
も低い温度で重合を行なうことである。この方法によれ
ば重合時間は長くなるが強度の大きい球状架橋共重合体
が得られる。この方法によるときでも、重合率が80%
に達するまでの時間が500分以下となるように重合条
件を制御するのが好ましい。
【0017】他の方法としては半減期が10時間となる
温度よりも15℃以上高い温度で重合を行なうことであ
る。すなわち、すみやかに昇温させて重合率が10%に
達する前に、好ましくは重合が実質的に生起する前に
(T+15)℃以上に到達させ、以後はこの温度で重合
を進行させ、早期にゲル効果を発現させるようにする。
更に他の方法としては、低温重合−高温重合の2段階の
重合過程を経る方法がある。この方法では重合率が20
〜50%に達するまでは反応を発熱ピークの発生し難い
(T+10)℃以下の温度で行ない、次いで反応を加速
するため少くとも5℃昇温させて(T+5)℃以上の温
度として残りの重合を行なう。好ましくは昇温前に重合
率を30〜50%に到達させる。いずれの場合も、前述
した少くとも重合が進行する温度以上の温度を採用する
ことはいうまでもない。
【0018】本発明の好適な態様では、重合率が80%
に達する迄の重合時間(M)とその間に生起する発熱ピ
ークの回数(N)との積(M×N)が2000以下とな
るような条件下で重合が行なわれる。本発明では発熱ピ
ークの発生回数が10回以下となるようにする以外は、
通常の手法に従って重合を行なうことができる。
【0019】重合に供する単官能性芳香族モノマーとし
てはスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタリン、エ
チルビニルベンゼン等が用いられる。多官能性モノマー
としてはジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香
族系ポリビニル化合物を用いるのが好ましい。最も好ま
しいのはスチレンとジビニルベンゼンとを用いることで
ある。なお、工業用ジビニルベンゼンの純度は約50%
であり、残りは主にエチルビニルベンゼンなので、スチ
レン−ジビニルベンゼンの使用は必然的に若干量のエチ
ルビニルベンゼンの使用を伴うことになる。なお、所望
ならば常用される他のモノマーを少量併用することもで
きる。モノマー混合物に占める多官能性モノマーの比率
は0.5〜30重量%である。多官能性モノマーの比率
が小さいと生成する架橋共重合体の強度が弱くなり、逆
に比率が大きいと膨潤し難くなる。多官能性モノマーの
好ましい比率は1〜20重量%、特に2〜10重量%で
ある。ラジカル発生剤としては過酸化ベンゾイル、過酸
化ラウロイル、t−ブチルパーオキシブチレート、t−
ブチルパーオキシオクテート、ジ−t−ブチルパーオキ
シヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパー
オキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチ
ルアジペート等の過酸化物が好んで用いられる。そのほ
かアソビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物も用いら
れる。ラジカル発生剤の量はモノマー重量に対し0.0
5〜2重量%が好ましい。
【0020】懸濁媒体である水には、キサンタンガム、
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリア
クリル酸塩、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレ
イン酸共重合物の加水分解物、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシアルキルセルロース、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチ
ン等の分散剤を溶解させる。またpHを制御するため各
種の塩を添加してもよい。モノマー溶液と懸濁媒体との
容積比は、通常1/10〜1/2である。懸濁媒体の比
が小さくなり過ぎると懸濁状態が不安定となり、逆にこ
の比が大きくなると生産性が低下するので、いずれも好
ましくない。
【0021】重合は懸濁媒体にモノマー溶液を分散さ
せ、攪拌しながら60〜100℃に維持することにより
行なわれる。重合は通常、所定重合温度まですみやかに
昇温してその温度に維持するか、又は重合させつつ昇温
させて所定の温度に到達させ、次いでその温度に維持す
る方法により行なわれる。生成した球状架橋共重合体
は、常法によりイオン交換基を導入してイオン交換樹脂
とすることができる。例えば球状架橋共重合体を二塩化
エタン等で膨潤させて濃硫酸その他のスルホン化剤を室
温〜150℃で反応させると、スルホン酸型の強酸性陽
イオン交換樹脂が得られる。また、球状架橋共重合体に
塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化亜鉛などのルイス
酸を触媒としてクロロメチルメチルエーテルを反応させ
てクロルメチル化し、次いでこれにトリメチルアミン、
ジメチルエタノールアミン等を反応させると強塩基性陰
イオン交換樹脂が得られる。クロルメチル反応は通常、
架橋共重合体の0.02〜2重量倍の触媒を用いて、3
0〜60℃で2〜20時間行なわれる。
【0022】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが本
発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0023】〔実施例1〕ジビニルベンゼン濃度が4.
0重量%となるようにスチレンとジビニルベンゼン(純
度55%)を混合した。この溶液300gに過酸化ベン
ゾイル(半減期が10時間となる分解温度72℃)を
0.5重量%となるように溶解し、脱塩水400gにポ
リビニルアルコール1.5gを溶解した液中に攪拌下に
添加した。攪拌してモノマー相を分散させたのち加熱し
て、70℃で18時間保持した。反応の過程をメトラー
社製リアクションカロリメータRC−1を用いて追跡し
た結果を図1に示す。重合率が80%に達するまでの反
応時間は420分間であり、且つこの間に発熱ピークは
出現しなかった。生成した重合体は十分に水洗してポリ
ビニルアルコールを除去し、50℃で5時間真空乾燥し
た。
【0024】〔比較例1〕重合反応を80℃で10時間
行なった以外は、実施例1と全く同様にして行なった。
重合率が80%に達するまでの反応時間は180分間
で、且つ図2に示すように、この間に発熱ピークが16
回出現した。ここで言う発熱ピークとは、得られた発熱
量のプロット上で、振動の初期の最低値a、ピークの最
高値b、後期の最低値cを比較した場合に、|c−a|
の値が|b−a|の値及び|b−c|の値の大きい方の
値に対して30%以内であるような独立した振動ピーク
の回数を計数したものであり、微細なノイズの信号とは
明確に区別できる独立した振動ピークである。(以下の
例に於ても同じ)
【0025】〔実施例2〕重合反応を90℃で8時間行
なった以外は、実施例1と全く同様にして行なった。重
合率が80%に達するまでの反応時間は140分間で、
この間に発熱ピークが4回出現した。
【0026】〔比較例2〕過酸化ベンゾイルの濃度を
0.2重量%とした以外は比較例1と全く同様にして行
なった。重合率が80%に達するまでの反応時間は27
0分間で、この間に発熱ピークが13回出現した。
【0027】〔実施例3〕過酸化ベンゾイルの濃度を
1.25重量%とした以外は比較例1と全く同様にして
行なった。重合率が80%に達するまでの反応時間は1
20分間で、この間に発熱ピークが10回出現した。
【0028】〔実施例4〕反応系を50℃から80℃の
間は0.06℃/分の速度で昇温し、80℃に到達後は
この温度を維持した以外は実施例1と全く同様にして行
なった。反応開始温度は73℃であり、且つ重合率が8
0%に達するまでの反応時間は135分間であった。こ
の間に発熱ピークは2回出現した。
【0029】〔実施例5〕反応系を70℃から80℃の
間は0.04℃/分の速度で昇温し、80℃に到達後は
この温度を維持した以外は実施例1と全く同様にして行
なった。反応開始温度は70℃であり、重合率が80%
に達するまでの反応時間は180分間であり、その間に
発熱ピークは9回出現した。
【0030】〔実施例6〕ジビニルベンゼン濃度が8.
0重量%となるようにスチレンとジビニルベンゼン(純
度55%)を混合した。この溶液300gに過酸化ベン
ゾイルを0.5重量%となるように溶解し、脱塩水90
0gにポリビニルアルコール1.5gを溶解した液中に
攪拌下に添加した。攪拌してモノマー相を分散させたの
ち加熱して80℃で8時間反応させた。重合率が80%
に達するまでの反応時間は145分であり、この間に発
熱ピークは7回出現した。生成した重合体は十分に水洗
してポリビニルアルコールを除去し、50℃で5時間真
空乾燥した。
【0031】〔比較例3〕ジビニルベンゼン濃度が4.
0重量%となるようにスチレンとジビニルベンゼン(純
度55%)を混合した溶液に、アゾビスイソブチロニト
リル(半減期が10時間となる分解温度65℃)を0.
3重量%となるように溶解した。このモノマー溶液を用
いて実施例1と全く同様にして重合反応を行なった。重
合率が80%に達するまでの反応時間は280分であ
り、この間に発熱ピークは16回出現した。
【0032】〔実施例7〕比較例3のモノマー溶液を用
いた以外は実施例5と全く同様にして重合を行なった。
重合率が80%に達するまでの反応時間は200分であ
り、この間に発熱ピークは7回出現した。
【0033】〔比較例4〕ジビニルベンゼン濃度が4.
0重量%となるようにスチレンとジビニルベンゼン(純
度55%)を混合し、これにt−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート(半減期が10時間となる分解
温度74℃)を0.5重量%となるように溶解した。こ
のモノマー溶液を用いた以外は実施例6と全く同様にし
て重合反応を行なった。重合率が80%に達するまでの
反応時間は135分であり、この間に発熱ピークは15
回出現した。
【0034】〔イオン交換基の導入〕重合体20gを二
塩化エタン60gに投入し、室温で1時間膨潤させた。
次いで濃硫酸240gをこれに滴下し、70℃で8時間
反応させた。脱塩水500gを滴下して濃硫酸を稀釈
し、スルホン化されたスチレン−ジビニルベンゼン架橋
共重合体を得た。加熱して二塩化エタンを除去したの
ち、カラムに充填して2規定の水酸化ナトリウムを通液
し、次いで純水を通液してNa形の陽イオン交換樹脂と
した。このようにして得られたイオン交換樹脂の性状は
第1表の通りであった。
【0035】
【表1】 注) 樹脂粒子を顕微鏡で観察し、亀裂や破砕のない粒
子の割合を算出
【0036】
【発明の効果】本発明により得られる球状架橋共重合体
は、イオン交換基を導入する際に破砕や亀裂を生ずるこ
とが少ないので、イオン交換樹脂の母体として極めて好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の重合過程をメトラー社製リアクショ
ンカロリメータRC−1を用いて追跡し、温度及び発熱
量の経時変化を示すグラフである。縦軸のうち、左端は
発熱量、中央は反応温度、右端は発熱量の累積値(但
し、全発熱量を1.00とする)を示す(以下の各図に
おいても同じ)。横軸は時刻(但し開始時点は任意)で
あり、左端から3時20分、3時46分40秒、4時1
3分20秒、4時40分…と26分40秒毎に表示され
ている(横軸が時刻であること、また26分40秒毎に
表示されていることは以下の図においても同じであ
る)。重合温度は5秒に1回の割合で記録し、付属する
コンピュータープログラムにより処理した結果を以下に
示した。反応温度は容器内部の温度を示す。
【図2】比較例1の重合過程の温度及び発熱量の経時変
化を示すグラフである。
【図3】実施例2の重合過程の温度及び発熱量の経時変
化を示すグラフである。
【図4】比較例2の重合過程の温度及び発熱量の経時変
化を示すグラフである。
【図5】実施例3の重合過程の温度及び発熱量の経時変
化を示すグラフである。
【図6】実施例4の重合過程の温度及び発熱量の経時変
化を示すグラフである。横軸は16分毎に表示される。
【図7】実施例5の重合過程の温度及び発熱量の経時変
化を示すグラフである。横軸は26分40秒毎に表示さ
れている。
【図8】実施例6の重合過程の温度及び発熱量の経時変
化を示すグラフである。横軸は8分毎に表示されてい
る。
【図9】比較例3の重合過程の温度及び発熱量の経時変
化を示すグラフである。横軸は26分40秒毎に表示さ
れている。
【図10】実施例7の重合過程の温度及び発熱量の経時
変化を示すグラフである。横軸は26分40秒毎に表示
されている。
【図11】比較例4の重合過程の温度及び発熱量の経時
変化を示すグラフである。横軸は8分毎に表示されてい
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル発生剤の存在下、単官能性芳香
    族モノマー及び多官能性モノマーから成るモノマー混合
    物を懸濁重合して球状架橋共重合体を製造する方法にお
    いて、重合率が80%に達する迄の間に生起する発熱ピ
    ークが10回以下となるような重合条件下に重合を行な
    うことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 半減期が10時間である分解温度がT℃
    のラジカル発生剤の存在下、単官能性芳香族モノマーお
    よび多官能性モノマーから成るモノマー混合物を懸濁重
    合して球状架橋共重合体を製造する方法において、重合
    率が80%に達する迄の間に生起する発熱ピークが10
    回以下となるように、重合を下記の(1)〜(3)のい
    ずれかの重合条件下に行なうことを特徴とする方法。 (1)反応を少くとも重合が進行する温度以上、かつT
    ℃未満の温度で行なう (2)重合率が20〜50%に達するまでは反応を少く
    とも重合が進行する温度以上、かつ(T+10)℃以下
    の温度で行ない、次いで少くとも5℃昇温させて(T+
    5)℃以上の温度として反応を行なう。 (3)重合率が10%に達する前に(T+15)℃以上
    に昇温して反応を行なう
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の球状架橋共重合体
    を製造する方法において、重合率が80%に達するまで
    の時間(M分)と、この間に生起する発熱ピークの回数
    (N)との積(M×N)が2000以下となるような重
    合条件下に重合を行なうことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの項に記載
    の球状架橋共重合体を製造する方法において、ラジカル
    発生剤として半減期が10時間である分解温度が55〜
    85℃であるものを用いることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの項に記載
    の球状架橋共重合体を製造する方法において、重合率が
    80%に達するまでの反応時間が500分以下であるこ
    とを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの項に記載
    の球状架橋共重合体を製造する方法において、単官能性
    芳香族モノマーがスチレンであり、多官能性モノマーが
    ジビニルベンゼンであることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかの項に記載
    の球状架橋共重合体を製造する方法において、モノマー
    混合物に占める多官能性モノマーの割合が10(重量)
    %以下であることを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかの項に記載
    の球状架橋共重合体を製造する方法により得られた球状
    架橋共重合体にスルホン酸基を導入してなる強酸性陽イ
    オン交換樹脂。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれかの項に記載
    の球状架橋共重合体を製造する方法により得られた球状
    架橋共重合体にアニオン交換基を導入してなる陰イオン
    交換樹脂。
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