JPH0729079Y2 - 画像形成装置の給紙機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、画像形成装置の給紙機構にかかり、特に、画
像形成装置の本体部に長尺用紙を送り込む画像形成装置
の給紙機構に関する。

［従来の技術］ 大型複写機などの各種画像形成装置の中には、画像読み
取り部あるいは転写部に対して例えば１〜10mの長さを
有する長尺状の原稿あるいは転写紙をそれぞれ送り込む
ように給紙機構が付設されるものがある。

このような長尺状の用紙を送る給紙機構においては、一
般に、長尺用紙が送り込まれる際にスキューを起こさな
いように長尺用紙の整列手段が設けられている。この長
尺用紙の整列手段としては、挿入されるべき長尺状用紙
の側端縁部に当接するサイドガイドをテーブル上に設け
てなるものや、長尺用紙の送り先端面に当接するように
爪体を設けてなるものなどある。

さらに実開昭63−24157公報に記載されている原稿ガイ
ド装置あるいは特開昭59−17446公報に記載されている
大型原稿送り装置においては、長尺状の原稿を原稿収容
室内にロール状に収容するようにして原稿を所定位置に
セットするようにしている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら上記従来の長尺用紙整列手段におけるサイ
ドガイドは、テーブル寸法の制限により案内面部が長尺
用紙の長さに対して非常に短くならざるを得ず、そのた
め用紙の整列機能が十分に作用しないという問題があ
り、用紙のスキューがしばしば発生している。また用紙
の送り先端面を支持する爪体においても、爪幅を十分採
ることができないため、あるいは用紙の端縁どうしの直
角度が良好でない場合があるため上記と同様にスキュー
が発生することがある。このようなスキューが生じる
と、情報の欠落が発生することとなる。例えば、用紙の
全長Ｌに対してサイドガイドあるいは爪体の長さ１が1/
10程度になされている場合には、案内接触部において1m
mのずれ（スキュー）が発生すると、用紙全体では約10m
mの位置ずれとなって表われることとなる。

さらに、実開昭63−24157公報あるいは特開昭59−17446
公報に記載されている長尺状原稿セット手段は、長尺状
の原稿を単に原稿収容室内に入れるものにすぎず、長尺
原稿が適正なロール状態になるように支持したりするこ
とによって適正な原稿送り状態とするようにするもので
はない。したがって、これら両公報に記載されている装
置においても原稿の整列機能が十分に作用せず、原稿の
スキューがしばしば発生している。

そこで本考案は、原稿あるいは転写紙などの送り用紙
を、簡易な構造で良好に整列させながら画像形成装置本
体側に送り込むことができるようにした給紙機構を提供
することを提供することを目的とする。

［課題を解決すべき手段］ 上記目的を達成するため請求項の１に記載されている考
案は、装置本体に対して長尺状の用紙を送り込む画像形
成装置の給紙機構において、長尺状の用紙をロール状に
保持する周面保持体と、この周面保持体により保持され
ているロール状用紙の両端面部に当接してロール状用紙
をロール軸方向に支持する端面支持体とを備えてなり、
上記周面保持体は、ロール状用紙のロール軸をほぼ一定
位置に維持するようにロール状用紙の外周面の複数個所
に当接される複数の支持板を備え、そのうち少なくとも
一つは、支持するロール状用紙の外径に対応してロール
状用紙の半径方向に移動調整可能に設置される構成を備
えている。

また請求項の２に記載されている考案は、請求項の１に
記載された画像形成装置の給紙機構において、端面支持
体は、ロール状用紙の両端面部に当接する部分が曲面形
状に形成される構成を備えている。

また請求項の３に記載されている考案は、請求項の１に
記載された画像形成装置の給紙機構において、画像形成
装置本体部に対して着脱可能に装着される構成を備えて
いる。

［作用］ このような構成を有する請求項の１に記載されている手
段においては、長尺状の用紙が周面保持体によってロー
ル状に保持されるとともに、このロール状用紙の両端面
部が端面支持体によってロール軸方向に支持され、これ
により用紙のほぼ全長が一定位置に支持されることとな
って安定的な支持作用が得られるようになっている。ま
た、上記周面保持体の支持板がロール状用紙の外周面の
複数個所に当接されることによって、ロール状用紙のロ
ール軸が位置ずれを起こすことなくほぼ一定位置に維持
され、これによってロール状用紙が安定的に回転される
ようになっている。さらに上記支持板のうち少なくとも
一つは、支持されるロール状用紙の外径に対応して半径
方向に移動調整され、これによって外径寸法の異なる種
々の用紙が保持可能になされるようになっている。

また上記構成を有する請求項の２に記載されている手段
においては、上記請求項の１に記載されている手段の作
用に加えて、端面支持体のロール状用紙両端面部に当接
する部分が曲面形状に形成されているため、ロール状用
紙の両端面が良好に滑動しながら回転送り動作が行なわ
れるようになっている。

また上記構成を有する請求項の３に記載されている手段
においては、上記請求項の１に記載されている手段の作
用に加えて、給紙装置全体が、画像形成装置本体部に対
して着脱可能に装着されているため、長尺状の用紙のみ
ならず通常のカット用紙をも使用することができるよう
になっている。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第３図に示されるように、本考案による原稿給紙機構１
は、画像形成装置としての大型複写機２の画像読み取り
部に設けられている原稿載置テーブル2aに対して着脱自
在に装着されている。

第１図および第２図に示されるように、上記原稿給紙機
構１は、所定幅を備える板状のベース101を有してい
る。このベース101の奥側すなわち第２図右側の端縁部
は、上記原稿載置テーブル2aの先端縁部に近接してほぼ
平行状態となるように配置されており、該ベース101の
原稿載置テーブル2aがわに近接する奥側端縁部からは、
保持板102が上方に立ち上がるようにして設けられてい
る。この保持板102は、ベース101とほぼ同じ幅寸法を備
える薄板状部材から形成されており、該保持板102は、
鉛直上方向よりやや内側すなわち第２図左側方向にやや
倒れ込むように傾斜して立設されている。またこの保持
板102の上端縁部分は、外側に向かって半円状を描くよ
うに全幅にわたってカール形成が施されている。この保
持板102の幅方向両端部分には、複写機がわの原稿載置
テーブル2aに対する取り付けブラケット103が設けられ
ている。この取り付けブラケット103は、原稿載置テー
ブル2aを厚さ方向に挾み込む一対の嵌合板103a,103aを
有し、上がわの嵌合板103aには、取り付けブラケット10
3を原稿載置テーブル2aがわに固定するための締め付け
用固定ねじ103bが螺合されている。この固定ねじ103bを
緩めることによって原稿給紙機構１の全体は、複写機２
の画像読み取り部から取り外すことができ、この原稿給
紙機構１を取り外した場合には、長尺状の原稿のみなら
ず通常のカット用紙をも使用することができることとな
る。

さらに上記べース101上には、保持板102に対向するよう
にしてエンドストッパー105が立設されている。このエ
ンドストッパー105は、ベース101の幅方向におけるほぼ
中央部分に設けられており、ベース101の幅寸法に対し
て短い幅を備える板状部材から形成されている。このエ
ンドストッパー105は、鉛直方向よりやや内側すなわち
第２図右側方向に倒れ込むように傾斜して設けられてい
るとともに、このエンドストッパー105の上端部分は、
外側に向かって半円状を描くようにカール形成されてい
る。これにより保持板102、エンドストッパー105および
ベース101によって原稿の周面保持体が構成されること
となり、特に第２図に示されるように、上記ベース101
上に載置された長尺状の原稿106が、保持板102とエンド
ストッパー105との間にロール状に保持されるようにな
っている。このとき、上記ロール状原稿106の外周面
は、保持板102、エンドストッパー105およびベース101
における各接線部a,bおよびｃの３点部にてそれぞれ接
触され、これら各接線部a,bおよびｃの３点部における
各支持力によってロール状原稿106のロール軸が位置ず
れを起こすことなくほぼ一定位置に維持され、ロール状
原稿106が安定的に回転されるようになっている。ロー
ル状態から引き出された原稿106は、保持板102の上端カ
ール部に一旦支持された上で原稿載置テーブル2a上にセ
ットされることとなる。

また上記エンドストッパー105は、奥行き方向すなわち
上記保持板102に対して進退するように往復移動調整可
能に設置されており、このエンドストッパー105を移動
調整することによって第２図破線で示されるように、長
さ寸法すなわち外径寸法の異なる種々の原稿が保持可能
になされる構成とされている。

さらに上記ベース101の幅方向両端部分には、前記周面
保持体に保持されているロール状原稿106の両端面部に
当接する端面支持体としてのサイドガイド107,107が上
記ベース101に設けられた溝部108,108から上方に突出さ
れるようにして設置されている。これらの各サイドガイ
ド107は、上記ロール状原稿106の両端面にそれぞれ当接
してロール状原稿106をロールの軸方向すなわちベース1
01の幅方向に支持するものであって、第４図に示される
ように、ロール軸方向に中央振り分けで対称的に往復移
動されるようになっている。すなわち、各サイドガイド
107の下端基部には、該基部から中央方向に向かって延
出するラックギヤ109がそれぞれ設けられている。各ラ
ックギヤ109は、中央部分においてラックガイド111によ
り案内されて互いに対向しあうように配置され、その対
向部分において両ラックギヤ109,109に対して同時に噛
み合うようにピニオンギヤ112が設けられている。上記
ピニオンギヤ112は、ブラケット113から突出するように
設けられている支軸114に対して回転自在に取り付けら
れている。これによって、一方のサイドガイド107を動
かすと、それに連動して他方のサイドガイド107が中央
部を中心として対称的に移動されるようになっている。
このようなサイドガイド107,107によってロール状原稿1
06の両端面部が中央基準にて一定位置に支持され、ロー
ル状原稿106は、ロール軸方向に位置ずれを起こすこと
なく安定的に回転されることとなる。またロール状態か
ら引き出された原稿は、画像形成装置に対して中央基準
に送り込まれることとなり、中央基準とする各種画像形
成装置に対して良好な位置合わせを行なわせることがで
きる。

また上記各サイドガイド107は、ロール状原稿106の両端
面部に当接する部分が曲面形状となるように曲げ形成さ
れている。これによってサイドガイド107とロール状原
稿106との両端面が良好に滑動されることとなり、ロー
ル状原稿106は、安定的に回転されながら送り動作が継
続されるようになっている。

このような原稿給紙機構１に対して、第５図に示される
ようにサイド面が整えられていない状態に巻かれたロー
ル状原稿106を第１図および第２図に示されるように装
着する。そうすると、ベース101上に載置された長尺ロ
ール状の原稿106は、保持板102とエンドストッパー105
との間にロール形状を維持するように保持されるととも
に、サイドガイド107,107によってロール状原稿106の両
端面部が中央基準にて一定位置に支持される。このとき
ロール状原稿106の両端縁部は、サイドガイド107により
その両端縁部の全長が支持されているのと同様の状態と
なる。その結果第６図に示されるように、上記ロール状
原稿106の両サイド部は一定位置に揃うように整列され
てロール状原稿106はほぼ完全な円柱状になされること
となる。したがってロール状原稿106は、ロール軸に軸
方向および軸直角方向のいずれにも軸ぶれを生じること
なく安定的に回転されることとなる。このように本装置
に対しては、ロール状にして保管されている長尺原稿を
そのままセットすることができることとなり便利であ
る。

さらに第７図に示される実施例においては、ロール状原
稿106の両端面部に当接する端面支持体としてのサイド
ガイド107,107の下端基部が、ガイドロッド200に対し摺
動自在にそれぞれ取り付けられているとともに、各サイ
ドガイド107,107の外側領域に配置されている２つのプ
ーリー201および202に掛けられたワイヤー203が、中央
部分で互いにクロスするようにして配置され、その両端
部が上記各サイドガイド107,107にそれぞれ接続されて
いる。これによって一方のサイドガイド107を動かす
と、それに連動して他方のサイドガイド107が中央部を
中心として対称的に移動されるようになっている。そし
てこのようなサイドガイド107,107によってロール状原
稿106の両端面部が中央基準にて一定位置に支持され、
ロール状原稿106は、ロール軸方向に位置ずれを起こす
ことなく安定的に回転されることとなる。

また第８図に示されている実施例におけるサイドガイド
307には、ロール状原稿の端面部に当接する部分に平板3
07aが設けられているとともに、この平板307aの上端部
分は外側に向かって湾曲するように曲げ形成されてい
る。このように平板307aによってロール状原稿を支持す
ることとすれば、ロール状原稿の端面接触面積が増大さ
れることとなってより一層安定的な支持作用を得ること
ができる。さらに平板307aの上端湾曲部を通してロール
状原稿を容易にセットすることができることとなる。

なお上記各実施例は、原稿送り装置に関するものである
が、本考案は転写紙など他の用紙についても同様に適用
することができるものである。また各実施例におけるサ
イドガイドは、中央基準としてではなく、片側基準とし
て構成することもできる。

［考案の効果］ 以上述べたように請求項の１に記載された考案は、長尺
状の用紙をロール状に保持する周面保持体と、この周面
保持体により保持されているロール状用紙の両端面部に
当接してロール状用紙をロール軸方向に支持する端面支
持体とを備えてなり、上記周面保持体は、ロール状用紙
のロール軸をほぼ一定位置に維持するようにロール状用
紙の外周面の複数個所に当接される複数の支持板を備
え、そのうち少なくとも一つは、支持するロール状用紙
の外径に対応してロール状用紙の半径方向に移動調整可
能に設置される構成を採用してなるから、セットされた
ロール状用紙はロール軸に軸方向および軸直角方向のい
ずれにも軸ぶれを生じることなく安定的に回転され、し
たがって原稿あるいは転写紙などの送り用紙を、簡易な
構造で良好に整列させながら画像形成装置本体側に送り
込むことができる。

また請求項の２に記載された考案は、端面支持体のロー
ル状用紙の両端面部に当接する部分が曲面形状に形成さ
れる構成を備えているから、上記請求項の１に記載され
ている手段の効果に加えて、ロール状用紙の両端面が良
好に滑動しながら回転動作が行なわれ、良好な用紙送り
動作を行なわせることができる。

また請求項の３に記載された考案は、給紙装置全体が、
画像形成装置本体部に対して着脱可能に装着される構成
を備えているから、上記請求項の１に記載されている手
段の効果に加えて、長尺状の用紙のみならず通常のカッ
ト用紙をも使用することができ、使用上便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例における給紙機
構を示した外観斜視図および側面説明図、第３図は上記
第１図および第２図に示された給紙機構を複写機に装着
した例を示した外観斜視図、第４図はサイドガイドの連
動機構を表わした分解斜視図、第５図および第６図はロ
ール状用紙のセット前の状態およびセット後の状態をそ
れぞれ表わした説明的斜視図、第７図はサイドガイドの
連動機構の他の例を表わした分解斜視図、第８図はサイ
ドガイドの他の実施例を表わした外観斜視図である。 101……ベース、102……保持板、105……エンドストッ
パー、106……ロール状原稿、107……サイドガイド。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体に対して長尺状の用紙を送り込む
   画像形成装置の給紙機構において、長尺状の用紙をロー
   ル状に保持する周面保持体と、この周面保持体により保
   持されているロール状用紙の両端面部に当接してロール
   状用紙をロール軸方向に支持する端面支持体とを備えて
   なり、上記周面保持体は、ロール状用紙のロール軸をほ
   ぼ一定位置に維持するようにロール状用紙の外周面の複
   数個所に当接される複数の支持板を備え、そのうち少な
   くとも一つは、支持するロール状用紙の外径に対応して
   ロール状用紙の半径方向に移動調整可能に設置されてい
   ることを特徴とする画像形成装置の給紙装置。
2. 【請求項２】請求項の１に記載された画像形成装置の給
   紙機構において、端面支持体は、ロール状用紙の両端面
   部に当接する部分が曲面形状に形成されていることを特
   徴とする画像形成装置の給紙装置。
3. 【請求項３】請求項の１に記載された画像形成装置の給
   紙機構において、本体部が画像形成装置に対して着脱可
   能に装着されていることを特徴とする画像形成装置の給
   紙装置。