JPH0728573Y2 - 巻芯保持機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、広幅の磁気テープ等を繰り出し及び巻き取る
ための巻芯を着脱自在に保持する巻芯保持機構に関す
る。

（従来の技術） 従来のこの種の巻芯保持機構は、テープを巻回する円筒
状巻芯の両端にテーパー面（円錐面）を有するチャック
を突当てて芯だしすると同時に両チャックで巻芯を挟持
する構造であった。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、上記従来構造であると、チャックを回転させて
巻芯に回転駆動力を伝達する場合に、チャックと巻芯と
の接触面積が少ないため、充分な回転駆動力を伝えるの
が困難な嫌いがあった。

（問題点を解決するための手段及び作用） 本考案は、上記の点に鑑み、巻芯を挟持するチャックに
環状のエアーエレメントを固着し、該エアーエレメント
を巻芯内周に圧接させることにより、チャック側と巻芯
との間の接触面積を大きくし、大きな回転駆動力を巻芯
側に伝達可能にした巻芯保持機構を提供しようとするも
のである。

本考案の巻芯保持機構は、両端内周面に先端に向かって
広がった第１のテーパー面を有していて、テープを巻回
する円筒状巻芯を、前記第１のテーパー面に嵌合する第
２のテーパー面を有しかつ軸方向に移動するチャックで
両側より挟持する構成において、非膨張状態では前記巻
芯の内周径よりも小さな外径を有するタイヤ状の環状エ
アーエレメントを前記チャックの前記第２のテーパー面
よりも先端側位置に取り付け、前記環状エアーエレメン
トを圧縮気体で膨張させた状態にて当該環状エアーエレ
メントの外周を前記円筒状巻芯の内周に圧接させて前記
円筒状巻芯を前記チャックと共に保持することを特徴と
するものであり、これにより、チャック及びこれに取り
付けられたエアーエレメントと巻芯との間の接触面積を
増大させ、充分なトルクの伝達を可能にしている。ま
た、巻芯の保持をいっそう確実にすることができる。

（実施例） 以下、本考案に係る巻芯保持機構の実施例を図面に従っ
て説明する。

第１図は実施例の要部構成を示し、第２図は全体構成を
示す。

これらの図において、広幅の磁気テープ１等を巻き取る
ための円筒状巻芯２の両端内周面は、先端に向かって広
がったテーパー面（円錐面）３となっている。

一方、巻芯側テーパー面３に嵌合するテーパー面（円錐
面）４を有するチャック５は、スラスト軸６に固定さ
れ、該スラスト軸６の先端部には取付リング７を介して
環状エアーエレメント８が固着される。すなわち、リン
グ７はチャック５に固定され、リング外周にエアーエレ
メント８が固定されている。該エアーエレメント８は、
ゴム製タイヤ状部分8Aと、内部のゴム製チューブ8Bとか
らなり、チューブ8Bは、リング７の空気通路９、スラス
ト軸６の空気通路10を介して外部の圧縮空気源に接続さ
れるようになっている。

前記スラスト軸６の外側には回転円筒体11が被せられ、
該回転円筒体11は軸受12を介して外筒体13に対して回転
自在に支持され、外筒体13は本体フレーム14に取り付け
固定されている。前記スラスト軸６の一部はスプライン
となっており、スラスト軸６は回転円筒体11の回転駆動
力を受けて回転するが、回転円筒体11の軸方向には摺動
自在である。前記回転円筒体11の外周には歯車15が固定
され、歯車15は回転駆動手段よりの回転力を受ける。

前記外筒体13にはエアーシリンダ20が取り付けられ、エ
アーシリンダ20のピストンロッドはジョイントを介して
前記スラスト軸６に連結されている。この結果、スラス
ト軸６はエアーシリンダ20の働きによって軸方向に摺動
する。

尚、第１図に示したチャック５及びこれに付随する機構
は巻芯２の両側に対称配置されるが、歯車15を右側に設
けた場合には左側のものには歯車15は不要である。

上記実施例の構成において、左右のエアーシリンダ20が
縮動した状態では、スラスト軸６は外筒体13側に引き込
まれていて、左右のチャック５及びこれに装着された環
状エアーエレメント８も第１図実線の後退位置にある。
このとき、巻芯２の取り外し、交換等を実施することが
できる。

また、エアーエレメント８への空気通路9,10の圧力を大
気圧とし（圧縮空気オフ）、エアーエレメント８を非膨
張状態として、左右のエアーシリンダ20を伸動させて第
１図仮想線のようにスラスト軸６を突出させれば、巻芯
両端部内周のテーパー面３に左右のチャック５のテーパ
ー面４がそれぞれ当接、嵌合して巻芯２の芯だしを行い
つつこれを挟持することができる。エアーエレメント８
は非膨張状態では巻芯内周径よりも小さな外径となるよ
うに設定されており、円滑に巻芯内部に入る。その後、
空気通路9,10に圧縮空気源からの圧縮空気を送り、エア
ーエレメント８のチューブ8Bを膨張させる。この結果、
エアーエレメント８のタイヤ状部分8Aが巻芯内周に圧接
することになる。この状態で歯車15に回転駆動力を与え
ることにより、歯車15、回転円筒体11及びスラスト軸６
の経路で、チャック５とエアーエレメント８が回転し、
この回転がテーパー面４及びエアーエレメント８の外周
面を介して巻芯２に伝えられる。この際、膨張時のエア
ーエレメント８と巻芯２との摩擦は著しく大きいから、
巻芯２に対して充分大きな回転トルクを伝達することが
でき、巻芯による高速で、円滑なテープ巻き取り（ある
いは繰り出し）ができる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の巻芯保持機構によれば、
両端内周面に先端に向かって広がった第１のテーパー面
を有していて、テープを巻回する円筒状巻芯を、前記第
１のテーパー面に嵌合する第２のテーパー面を有しかつ
軸方向に移動するチャックで両側より挟持する機構にお
いて、非膨張状態では前記巻芯の内周径よりも小さな外
径を有するタイヤ状の環状エアーエレメントを前記チャ
ックの前記第２のテーパー面よりも先端側位置に取り付
け、前記環状エアーエレメントを圧縮気体で膨張させた
状態にて該環状エアーエレメントの外周を前記円筒状巻
芯の内周に圧接させて前記円筒状巻芯を保持可能にした
ので、チャック側と巻芯との間の接触面積を大きくし、
大きな回転駆動力を巻芯側に伝達可能である。また、巻
芯保持をいっそう確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る巻芯保持機構の実施例の要部構成
を示す正断面図、第２図は実施例の全体構成を示す正面
図である。 １……磁気テープ、２……巻芯、3,4……テーパー面、
５……チャック、６……スラスト軸、８……エアーエレ
メント、9,10……空気通路、11……回転円筒体、12……
軸受、13……外筒体、14……本体フレーム、15……歯
車、20……エアーシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両端内周面に先端に向かって広がった第１
   のテーパー面を有していて、テープを巻回する円筒状巻
   芯を、前記第１のテーパー面に嵌合する第２のテーパー
   面を有しかつ軸方向に移動するチャックで両側より挟持
   する巻芯保持機構において、 非膨張状態では前記巻芯の内周径よりも小さな外径を有
   するタイヤ状の環状エアーエレメントを前記チャックの
   前記第２のテーパー面よりも先端側位置に取付け、前記
   環状エアーエレメントを圧縮気体で膨張させた状態にて
   当該環状エアーエレメントの外周を前記円筒状巻芯の内
   周に圧接させて前記円筒状巻芯を前記チャックと共に保
   持することを特徴とする巻芯保持機構。