JPH0728229A - フレキソ印刷板 - Google Patents

フレキソ印刷板

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JPH0728229A
JPH0728229A JP16793393A JP16793393A JPH0728229A JP H0728229 A JPH0728229 A JP H0728229A JP 16793393 A JP16793393 A JP 16793393A JP 16793393 A JP16793393 A JP 16793393A JP H0728229 A JPH0728229 A JP H0728229A
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antihalation
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resin layer
photocurable resin
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忠志 川本
Akihiro Kubota
章裕 久保田
Koichi Kusakawa
公一 草川
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細で複雑な原稿内容を高精度で再現するこ
とができ、より高精度、高品質な印刷物を得ることが可
能なフレキソ印刷板を提供する。 【構成】 光硬化樹脂層4、ハレーション防止層3、弾
性フォーム層2及び支持体1が、順次積層され、ハレー
ション防止層3の紫外線反射率を、10%以下としたフ
レキソ印刷板10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレキソ印刷板に係
り、特に、製版、印刷特性に優れた圧縮性フレキソ印刷
板の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、フレキソ印刷に用いる印刷板
として、硬度が低い光硬化樹脂を用いたフレキソ印刷板
が使用されていた。しかしながら、このフレキソ印刷板
には、十分な弾力性が備わっていなかったため、精度の
悪い印刷機を使用して印刷を行った場合、得られた印刷
物の画像が歪んだり、画像の太りムラ等が生じる等、高
品質な印刷物が得られないという問題があった。
【0003】そこで、この問題を解決するために、前記
フレキソ印刷板の裏面(レリーフ画像を形成しない面、
以下、『裏面』という)に、粘着剤を介して、弾力性の
あるフォームテープを配設し、前記フレキソ印刷板に弾
力性を付与する方法が行われていた。しかしながら、こ
の方法では、前記フォームテープが伸びやすく、フレキ
ソ印刷板に常に均一な弾力性を付与することができない
という問題があった。また、前記フォームテープの粘着
力が弱く、印刷時にフォームテープからフレキソ印刷板
が剥離したり、ずれたりしやすいという問題があった。
このため、高精度な印刷を行うことができなかった。
【0004】また、フレキソ印刷板の裏面からフォーム
テープを剥がす際に、粘着剤がフレキソ印刷板の裏面に
残りやすく、扱い難いという問題があった。そこで、こ
の問題を解決する目的で、特開昭57−210341号
公報、特開昭61−84289号公報、特開昭62−2
29127号公報、に開示されているように、寸法安定
性に優れた支持体上に、第1の接着剤層を介して弾性フ
ォーム層を配設し、この弾性フォーム層上に、第2の接
着剤層を介して光硬化樹脂層を配設させた圧縮性フレキ
ソ印刷板が提案されている。
【0005】この圧縮性フレキソ印刷板は、予め光硬化
樹脂層の裏面に、接着剤層を介して弾性フォーム層が接
着された状態で配設されているため、前記フォームテー
プを使用した場合に比べ、印刷時に弾性フォーム層から
光硬化樹脂層が剥離したり、ずれたりすることが防止さ
れ、高精度な印刷を行うことができる。また、前記支持
体が弾性フォーム層を支持するため、弾性フォーム層の
寸法が変化することを防止できるという利点を備えてい
る。
【0006】しかしながら、前記公報に開示されている
従来の圧縮性フレキソ印刷板は、弾性フォーム層と光硬
化樹脂層との構成材料が異なるため、あるいは、光硬化
樹脂層内に含有されている可塑剤等の低分子物質が、弾
性フォーム層との界面近傍に移行するため、光硬化樹脂
層と弾性フォーム層との粘着力が低下し、両者が製版時
や印刷中に剥がれやすいという問題が未だあった。
【0007】そこで、特開平2−56554号公報に開
示されているように、前記公報で開示されている光硬化
樹脂層と第2の接着剤層との間に、ポリウレタン層を配
設することで、光硬化樹脂層と弾性フォーム層とが剥離
することを防止した従来例が存在する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平2−56554号公報に開示されている圧縮性フレ
キソ印刷板は、得られた印刷物の画像の歪みや、画像の
太りムラ等が改善されている反面、より高精度な画像の
印刷においては、微細で複雑な原稿内容を高精度で再現
するという印刷板自身としての画像再現性が劣り、高精
度で高品質な印刷物を得ることができないという問題が
あった。
【0009】特に、写真等のスクリーン物のような微細
で複雑な画像を、被印刷物に転写する印刷板として使用
する場合、必要とされる極ハイライト点を、製版時に形
成させようと画像露光を増やすと、暗部の再現性が低下
し、また、白抜き線が埋まる等、画像再現のバランスを
取ることができないという問題があった。このため、非
常に微細で複雑な画像再現を高精度で行うことが必要と
なる高品質な印刷物を得ることができず、この分野への
適応には至っていないのが実情である。
【0010】そこで、本発明者等が、この問題が発生す
る要因を調査したところ、印刷板自身としての画像再現
性の低下は、光硬化樹脂層に入射した光が、弾性フォー
ム層や支持体で反射し、この反射光が再び光硬化樹脂層
内に逆入する、いわゆるハレーション現象に起因してい
ることを見いだした。即ち、フレキソ印刷板に使用され
る弾性フォーム層は、微細な気泡を有しているため、光
硬化樹脂層を通過した光が弾性フォーム層で乱反射し易
く、光硬化樹脂層の非画像部となる領域(露光されるべ
きでない領域)にまで、紫外線が逆入し、この部分が硬
化してしまうため、高精度な再現性を有するレリーフ画
像を得ることができないと考えた。この現象は、微細で
高精度なレリーフ画像を形成するような、多くの光量を
必要とする場合により顕著となり、白抜き画像の埋まり
やベタ画像の周囲に不要な盛り上がりを生じ、印刷での
画像の潰れや汚れが避けられない。
【0011】本発明は、このような従来の問題点を解決
することを課題とするものであり、微細で複雑な原稿内
容を高精度で再現することができ、より高精度、高品質
な印刷物を得ることが可能なフレキソ印刷板を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、光硬化樹脂層、ハレーショ
ン防止層、弾性フォーム層及び支持体が、順次積層され
てなり、前記ハレーション防止層の紫外線反射率が、1
0%以下であることを特徴とするフレキソ印刷板を提供
するものである。
【0013】そして、請求項2記載の発明は、請求項1
に係るハレーション防止層、弾性フォーム層及び支持体
からなる積層体の紫外線透過率を1%以上としたフレキ
ソ印刷板を提供するものである。また、請求項3記載の
発明は、請求項1に係る光硬化樹脂層とハレーション防
止層との間、ハレーション防止層と弾性フォーム層との
間、の少なくとも一方に接着剤層を介在したフレキソ印
刷板を提供するものである。
【0014】さらに、請求項4記載の発明は、請求項3
に係るハレーション防止層、接着剤層、弾性フォーム層
及び支持体からなる積層体の紫外線透過率を1%以上と
したフレキソ印刷板を提供するものである。そしてま
た、請求項5記載の発明によれば、光硬化樹脂層、ハレ
ーション防止剤が含有された光硬化樹脂層、弾性フォー
ム層及び支持体が、順次積層されてなり、前記ハレーシ
ョン防止剤が含有された光硬化樹脂層の紫外線反射率
が、10%以下であることを特徴とするフレキソ印刷板
を提供するものである。
【0015】さらにまた、請求項6記載の発明によれ
ば、請求項5に係るハレーション防止剤が含有された光
硬化樹脂層、弾性フォーム層及び支持体からなる積層体
の紫外線透過率を1%以上としたフレキソ印刷板を提供
するものである。また、請求項7記載の発明によれば、
請求項5に係るハレーション防止剤が含有された光硬化
樹脂層と弾性フォーム層との間に、接着剤層を介在した
フレキソ印刷板を提供するものである。
【0016】そしてまた、請求項8記載の発明によれ
ば、請求項7に係るハレーション防止剤が含有された光
硬化樹脂層、接着剤層、弾性フォーム層及び支持体から
なる積層体の紫外線透過率を1%以上としたフレキソ印
刷板を提供するものである。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明によれば、光硬化樹脂層と
弾性フォーム層との間に、紫外線反射率が10%以下で
あるハレーション防止層を設けたため、露光光源から光
硬化樹脂層に入射し、光硬化樹脂層を感光させた光が、
ハレーション防止層側から再び光硬化樹脂層に逆入する
ことが防止される。
【0018】即ち、前記光硬化樹脂層を通過してハレー
ション防止層に到達した紫外線の大部分は、ここで吸収
された後、弾性フォーム層及び支持体に到達する。ま
た、弾性フォーム層や支持体に到達し、ここで反射した
紫外線は、再びハレーション防止層に逆入してここで吸
収された後、その残りの紫外線が光硬化樹脂層に逆入す
る。このため、弾性フォーム層や支持体で反射した紫外
線が、再び光硬化樹脂層に逆入することが大幅に抑制さ
れる。
【0019】ここで、前記紫外線反射率は、前記ハレー
ション防止層を通過し、弾性フォーム層や支持体に到達
した紫外線が、ここで反射して再び該ハレーション防止
層に逆入し、再びハレーション防止層の表面から放出さ
れる紫外線も含んでいる。ここで、前記光硬化樹脂層に
逆入する紫外線の反射率が10%以下であれば、この逆
入した紫外線が、光硬化樹脂層の光化学反応に寄与し、
形成されるレリーフ画像に悪影響を及ぼすことがない。
【0020】一方、前記光硬化樹脂層に逆入する紫外線
の反射率が10%を越えると、この逆入した紫外線によ
り光硬化樹脂層が再び感光して光化学反応を起こし、光
硬化すべきでない領域(非画像部となる領域)が硬化す
る等、形成されるレリーフ画像の再現精度を低下させ
る。従って、ハレーション防止層の紫外線反射率を10
%以下に限定した。
【0021】前記ハレーション防止層としては、光硬化
樹脂層との密着性及び弾性フォーム層との密着性に優れ
た性質を備えたもの、即ち、接着機能を兼ね備えたハレ
ーション防止層を使用することが好ましい。従って、ハ
レーション防止層には、接着機能を有するポリマーやコ
ポリマー等の物質が含有されていても何ら差し支えな
い。この接着機能を兼ね備えたハレーション防止層を用
いた場合、前記光硬化性樹脂とハレーション防止層との
間や、ハレーション防止層と弾性フォーム層との間、あ
るいはその両方に、接着剤層を設ける必要がないため、
製造工程が簡略される。
【0022】前記ハレーション防止層は、これを構成す
る組成物を、弾性フォーム層上に直接塗布して設けても
よく、または、予め転写紙等に一旦塗布してから、弾性
フォーム層上に転写・張り付けを行う等、所望の方法に
より配設される。そして、請求項2記載の発明によれ
ば、請求項1に係るハレーション防止層、弾性フォーム
層及び支持体からなる積層体の紫外線透過率を、1%以
上としたため、前記作用に加え、効果的な背面露光が行
える。このため、さらに優れたレリーフ画像形成性が得
られる。
【0023】ここで、前記積層体の紫外線透過率が1%
未満であると、背面露光を行った際に、優れたレリーフ
画像形成性が得られる量の紫外線を光硬化樹脂層に到達
させることができない。従って、ハレーション防止層、
弾性フォーム層及び支持体からなる積層体の紫外線透過
率を1%以上に限定した。
【0024】そしてまた、請求項3記載の発明によれ
ば、接着剤層を介在させることで、前記作用に加え、光
硬化樹脂層との密着性、弾性フォーム層との密着性(接
着性)に劣るハレーション防止層であっても、接着剤層
の優れた接着性により、隣接した層との密着力が向上さ
れる。従って、光硬化樹脂層との密着性、弾性フォーム
層との密着性に劣るハレーション防止層の使用が可能と
なる。
【0025】さらに、請求項4記載の発明によれば、請
求項3に係るハレーション防止層、接着剤層、弾性フォ
ーム層及び支持体からなる積層体の紫外線透過率を1%
以上としたため、請求項2記載のフレキソ印刷板と同様
に、効果的な背面露光が行える。このため、さらに優れ
たレリーフ画像形成性が得られる。前記ハレーション防
止層の性能は、例えば、積分球を用いた紫外線分光光度
計で定義することができる。ハレーション防止層の紫外
線反射率は、例えば、『分光光度計UV2100S(商
品名);島津製作所製』にて『積分球反射測定装置IR
S−260(商品名);島津製作所製』を用い、硫酸マ
グネシウム板の反射率を100%として、360nm、
370nm、380nmの3点で測定した各反射率の平
均値で求められる。なお、本発明で限定した紫外線反射
率は、上記装置を使用し、上記方法で求められた結果に
基づいて限定したものである。
【0026】前記ハレーション防止層は、360〜38
0nmの波長領域を示す紫外線の反射率が10%以下で
あることが特に望ましい。この360〜380nmの波
長領域の紫外線を効果的に吸収する物質としては、例え
ば、有機溶剤可溶性染料である『アイゼンスピロンイエ
ロー3RH(商品名);保土ヶ谷化学製』、『アイゼン
スピロンイエローRHS−Liq(商品名);保土ヶ谷
化学製』、『アイゼンスピロンレッドBEH(商品
名);保土ヶ谷化学製』、『アイゼンスピロンレッドG
EHスペシャル(商品名);保土ヶ谷化学製』、『バリ
アゾールイエローMYE(商品名);オリエント化学工
業製』等や、合成樹脂用着色剤である『ダイアレジンR
edH(商品名);三菱化学工業製』、『ダイアレジン
BlueJ(商品名);三菱化学工業製』、『ダイアレ
ジンYellowF(商品名);三菱化学工業製』等、
が挙げられるが、光硬化樹脂層や接着剤層との相溶性
等、実用上の必要性を満たす物質であれば、これに限定
されるものではない。
【0027】前記光硬化樹脂層の構成要素である感光性
樹脂組成物としては、液体、固体のいずれの物性を有し
ていてもよいが、光硬化後の樹脂特性がフレキソ印刷板
として使用できるものを使用する。そして、360〜3
80nmの紫外線領域に感光波長域を有していることが
好適である。このような感光性樹脂組成物としては、例
えば、特開昭55−48744号公報、特開昭63−0
88555号公報、特公昭51−37320号公報、特
公昭51−43374号公報、特公昭53−37762
号公報、特公昭59−22219号公報等に記載されて
いるものが挙げられる。
【0028】前記接着剤層としては、例えば、ポリウレ
タン、アクリル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢
酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む
ポリマーまたはコポリマー、あるいは、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、スチレンイソプレンコポリマー、
スチレンブタジエンスチレンコポリマーからなる群より
選ばれる少なくとも一種を含むポリマーからなることが
好ましいが、光硬化樹脂層との密着性、弾性フォーム層
との密着性、または、光硬化樹脂層からの低分子物質の
移行性、製版時の背面露光に支障を来さない程度の紫外
線透過率等、実用上の必要性を満たす物質であれば、こ
れに限定されるものではない。
【0029】また、接着剤層は、前記群から選ばれたポ
リマーやコポリマーからなる複数の層から構成してもよ
い。前記弾性フォーム材としては、連続及び/または単
独の微細な気泡を有するポリオレフィン、ポリウレタ
ン、エチレンプロピレンゴム等、密度が0.1〜0.6
g/cm3 、ショアーA硬度が10〜65度のものが好
適であるが、製版時の背面露光に支障来さない紫外線透
過率や、実際の印刷特性に支障を来さない程度の弾性特
性等を満たしていれば、特に限定されるものではない。
このような弾性フォーム層としては、例えば、特開昭5
7−210341号公報、特開昭59−212298号
公報、特開昭61−84289号公報、特開昭62−2
29127号公報等に記載されているものが挙げられ
る。
【0030】前記支持体としては、例えば、ポリエステ
ル等のフィルムやシートが挙げられるが、製版時の背面
露光に支障来さない紫外線透過率や、フレキソ印刷板と
して好適な寸法安定性等を備えていれば、特に限定され
るものではない。前記ハレーション防止層、弾性フォー
ム層及び支持体からなる積層体の紫外線透過率及びハレ
ーション防止層、接着剤層、弾性フォーム層及び支持体
からなる積層体の紫外線透過率は、例えば、光硬化樹脂
層の露光光源として一般的に使用されている紫外線ラン
プから照射される紫外線を、被測定物に当てて該被測定
物を透過した紫外線強度を測定することで求められる。
具体的には、例えば、『紫外線強度計UV−MO1(商
品名);オーク製作所製』のセンサーに、専用のフィル
タ『UV−42(商品名);オーク製作所製』を取り付
け、露光光源から前記積層体(被測定物)に紫外線を照
射し、該積層体を透過した紫外線の強度を測定する。次
に、前記露光光源から照射された紫外線の強度を測定
し、これを紫外線透過率100%として、前記積層体の
紫外線透過率を算出することで求められる。なお、本発
明で限定した紫外線透過率は、上記装置を使用し、上記
方法で求められた結果に基づいて限定したものである。
【0031】また、光硬化樹脂層にハレーション防止剤
を含有させて、ハレーション防止層とすることもでき
る。この場合、光硬化樹脂層全体にハレーション防止剤
を含有させた場合は、ハレーション防止剤による紫外線
吸収の為に、光硬化樹脂層全体の感度が低下し、画像形
成性が低下する。従って、優れた画像形成性を得るため
には、ハレーション防止剤を含まない光硬化樹脂層と、
ハレーション防止剤を含有する光硬化樹脂層との二層か
らなる光硬化樹脂層とする必要がある。
【0032】また、請求項5記載の発明によれば、光硬
化樹脂層にハレーション防止剤を含有せしめ、該光硬化
樹脂層自身の紫外線反射率を10%以下としたことで、
露光光源から光硬化樹脂層を通過しハレーション防止剤
が含有された光硬化樹脂層に入射した紫外線は、光硬化
樹脂層及びハレーション防止剤が含有された光硬化樹脂
層を感光させながら、その大部分が前記ハレーション防
止剤に吸収される。従って、ハレーション防止剤が含有
された光硬化樹脂層及び光硬化樹脂層を感光させた後、
弾性フォーム層や支持体に到達する紫外線は、大幅に減
少するため、ここで反射して光硬化樹脂層に逆入する光
も減少される。
【0033】ここで、ハレーション防止剤を含有した光
硬化樹脂層の紫外線反射率が10%以下であれば、光硬
化樹脂層に逆入する紫外線の量は、光硬化樹脂層の光化
学反応に寄与し、形成されるレリーフ画像に悪影響を及
ぼすことがない量となる。一方、ハレーション防止剤を
含有した光硬化樹脂層の紫外線反射率が10%を越える
と、光硬化樹脂層を感光させた後、弾性フォーム層や支
持体に到達する紫外線の量を十分に減少させることが困
難となり、光硬化樹脂層が光化学反応を起こし、形成さ
れるレリーフ画像の再現精度を低下させてしまう量の紫
外線を光硬化樹脂層に逆入させてしまう。
【0034】従って、ハレーション防止剤を含有した光
硬化樹脂層の紫外線反射率を10%以下に限定した。そ
して、請求項6記載の発明によれば、請求項5に係るハ
レーション防止剤を含有した光硬化樹脂層、弾性フォー
ム層及び支持体からなる積層体の紫外線透過率を1%以
上としたため、前記作用に加え、効果的な背面露光が行
える。このため、さらに優れたレリーフ画像形成性が得
られる。
【0035】そしてまた、請求項7記載の発明によれ
ば、請求項5または請求項6に係るハレーション防止剤
が含有された光硬化樹脂層と弾性フォーム層との間に、
接着剤層を介在したため、前記作用に加え、弾性フォー
ム層との密着性が劣る光硬化樹脂層であっても、前記接
着剤層の優れた接着性により、弾性フォーム層との密着
力が向上される。従って、弾性フォーム層との密着性に
劣るハレーション防止層の使用が可能となる。
【0036】さらにまた、請求項8記載の発明によれ
ば、請求項7に係るハレーション防止剤を含有した光硬
化樹脂層、接着剤層、弾性フォーム層及び支持体からな
る積層体の紫外線透過率を1%以上としたため、前記作
用に加え、効果的な背面露光が行える。このため、さら
に優れたレリーフ画像形成性が得られる。
【0037】
【実施例】次に、本発明に係る実施例について、図面を
参照して説明する。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1に係るフレキソ
印刷版の断面構成図である。支持体1として、厚さ=
0.1mmのポリステルフィルム上に、厚さ=1.05
mm、密度=0.38g/cm3 のウレタンフォームか
らなる弾性フォーム層2を公知の方法で密着する。次
に、弾性フォーム層2上に、以下に示す組成(重量比
率)からなる組成物を、バーコーターにて3回塗布す
る。次に、これを60℃の乾燥機に装入し、2時間放置
して、前記組成物を乾燥し、ハレーション防止層3を形
成する。このようにして、支持体1、弾性フォーム層
2、ハレーション防止層3からなる積層体11を得た。 (組成) 酢酸エチル 50部(重量) テトラヒドロフラン 20部(重量) 酢酸セロソルブ 15部(重量) スチレンイソプレンスチレンエラストマー 15部(重量) ハレーション防止剤 3部(重量) なお、スチレンイソプレンスチレンエラストマーとし
て、『TF−912(商品名);旭化成工業製』を、ハ
レーション防止剤として、『バリアゾールイエローMY
H(商品名);オリエント化学製』を使用した。
【0038】前記組成のハレーション防止層3は、高い
密着性を有しており、接着剤層としての機能を兼ね備え
ている。従って、弾性フォーム層2とハレーション防止
層3との間や、ハレーション防止層3と後に接合する光
硬化樹脂層4との間に、特に接着剤層を設けなくても、
各層間において良好な密着が行われる。次に、『積分球
反射装置ISR−260(商品名);島津製作所』を取
り付けた『紫外線分光光度計UV2100S(商品
名);島津製作所』を用いて、ハレーション防止層3側
からの紫外線反射率を測定したところ、360〜380
nmの平均反射率は、10.0%であった。
【0039】そしてまた、『紫外線ランプTL−80/
10R(商品名);フィリップス製』を露光光源とし、
『UVメーターMO2(商品名);オーク製作所製』を
用いて、積層体11の紫外線透過率を測定したところ、
平均紫外線透過率は、9.0%であった。次に、厚さ=
3.0mmの固体状光硬化樹脂として、『AFPXAR
−928(商品名);旭化成工業製』を用い、これの保
護膜を有しない側のカバーフィルムを剥がして、積層体
11のハレーション防止層3上に圧着接合し、光硬化樹
脂層4を設ける。
【0040】このようにして、図1に示すように、光硬
化樹脂層4、ハレーション防止層3、弾性フォーム層2
及び支持体1が、順次積層されてなる全厚=4.06m
mのフレキソ印刷板10を得た。次に、このフレキソ印
刷板10の製版を、以下の方法により行った。先ず、
『紫外線ランプTL−80/10R(商品名);フィリ
ップス製』を用い、フレキソ印刷板10の支持体1側か
ら13cmの距離をおいて6分間の背面露光を行う。
【0041】次いで、光硬化樹脂層4側のカバーフィル
ムを剥がした後、光硬化樹脂層4上にネガフィルム(ネ
ガ原稿)を、その膜面側が光硬化樹脂層4側となるよう
にして乗せる。なお、ネガフィルムは、スクリーン線数
=133線、網点濃度=1%のハイライト網点、及び、
文字サイズ=6ポイントの白抜き文字とゴチック文字が
描かれたものを使用した。次に、前記ネガフィルム上に
真空密着シートを被せた後、これらを真空密着する。次
いで、前記背面露光と同じ紫外線ランプを用いて、前記
真空密着シート越しに、13cmの距離をおいて15分
間の画像露光を行う。
【0042】次いで、露光後のフレキソ印刷板10を、
以下に示す組成(体積比率)からなる現像液(温度=2
5℃)に浸漬し、ブラシ現像を3分間行う。 (現像液の組成) トリクロロエタン 3部(体積) イソプロピルアルコール 1部(体積) 次に、ブラシ現像後、洗い出されたフレキソ印刷板10
を、清浄な前記組成の現像液で軽くリンスした後、60
℃の乾燥機中で1時間乾燥する。
【0043】次いで、フレキソ印刷板10の表面を、ト
リクロロエタンを含ませた柔らかい布で軽くふき上げ、
室温の乾燥機内で一晩放置する。その後、フレキソ印刷
板10の全面に、殺菌ランプを用いて5分間、次いで、
紫外線ランプを用いて5分間の後露光を行い、高さ=
0.9mmのレリーフ画像を形成した。
【0044】また、厚さ=1.03mm、密度=0.4
2g/cm2 のウレタンフォームを使用する他は、実施
例1と同様の方法で、積層体11の紫外線透過率が、
0.9%、ハレーション防止層3側からの紫外線反射率
が10.0%のフレキソ印刷板(実施例1A)を製造
し、実施例1と同様にして高さ=0.9mmのレリーフ
画像を形成した。
【0045】次に、比較として、実施例1と同様の方法
及び原材料を用い、ハレーション防止層3側からの紫外
線反射率が13.0%、積層体11の紫外線透過率が1
2.0%のフレキソ印刷板(比較品1)、同紫外線反射
率が15.0%、積層体11の紫外線透過率が16.0
%のフレキソ印刷板(比較品2)、のフレキソ印刷板を
製造した。
【0046】次に、ハレーション防止層3からハレーッ
ション防止剤を除いた他は、実施例1と同様の方法及び
原材料を用い、フレキソ印刷板を製造した(比較品
3)。なお、この比較品3の弾性フォーム層及び支持体
からなる積層体の弾性フォーム側からの紫外線反射率は
51.0%、紫外線透過率は、40.0%であった。次
いで、比較品1〜3に、実施例1と同様の露光・現像を
行い、高さ=0.9mmのレリーフ画像を形成した。 (実施例2)支持体1として、厚さ=0.125mmの
ポリステルフィルム上に、厚さ=1.35mm、密度=
0.45g/cm3 のウレタンフォームからなる弾性フ
ォーム層2を公知の方法で密着する。
【0047】次に、予め、剥離紙上に、実施例1と同様
のハレーション防止剤を含有させたホットメルト接着剤
『MU373(商品名);コニシ製』を、厚さ=15μ
mでコーティングして得たハレーション防止層3を、弾
性フォーム層2に加熱転写する。なお、ハレーション防
止層3の組成を以下に示す。 (組成) ホットメルト接着剤 100部(重量) ハレーション防止剤 4部(重量) このようにして、支持体1、弾性フォーム層2及びハレ
ーション防止層3からなる積層体11を得た。
【0048】次に、実施例1と同様の方法で、ハレーシ
ョン防止層3側からの紫外線反射率を測定したところ、
360〜380nmの平均反射率は、5.5%であっ
た。また、実施例1と同様に、積層体11の紫外線透過
率を測定したところ、平均紫外線透過率は、4.5%で
あった。次に、厚さ=1.7mmの固体状光硬化樹脂と
して、『AFPXN−009(商品名);旭化成工業
製』を用い、これの保護膜を有しない側の支持体のポリ
エステルフィルムを剥がして、積層体11のハレーショ
ン防止層3上に、50℃で加温圧着接合し、光硬化樹脂
層4を設ける。
【0049】このようにして、図1に示すように、光硬
化樹脂層4、ハレーション防止層3、弾性フォーム層2
及び支持体1が、順次積層されてなるフレキソ印刷板1
0を得た。次に、このフレキソ印刷板10の製版を、実
施例1と同様の方法で行い、高さ=0.9mmのレリー
フ画像を形成した。但し、背面露光時間を15分間、画
像露光時間を25分間とした。
【0050】次に、比較として、実施例2と同様の方法
及び原材料を用い、ハレーション防止層3側からの紫外
線反射率が14.0%、積層体11の紫外線透過率が1
1.0%のフレキソ印刷板(比較品4)、同紫外線反射
率が17.0%、積層体11の紫外線透過率が15.0
%のフレキソ印刷板(比較品5)のフレキソ印刷板を製
造した。
【0051】次に、実施例2で使用したハレーション防
止剤を使用しない以外は、実施例2と同様の方法で、フ
レキソ印刷板を製造した(比較品6)。なお、この比較
品6の実施例2のハレーション防止層3からハレーショ
ン防止剤を除去した層、弾性フォーム層2及び支持体1
からなる積層体の実施例2のハレーション防止層3から
ハレーション防止剤を除去した層側からの紫外線反射率
は、54.0%、紫外線透過率は、32.0%であっ
た。
【0052】次いで、比較品4〜6に、実施例2と同様
の露光・現像を行い、高さ=0.9mmのレリーフ画像
を形成した。 (実施例3)図2は、本発明の実施例3に係るフレキソ
印刷板の断面構成図である。実施例2と同様の方法及び
同様の材料を使用して、弾性フォーム層2上に、ハレー
ション防止層3を設ける。次に、このハレーション防止
層3上に、比較例3と同様のハレーション防止剤を除い
た接着剤ドープをバーコーターにて1回塗布した後、こ
れを60℃の乾燥機で2時間乾燥させ、接着剤層5を設
ける。
【0053】このようにして、支持体1、弾性フォーム
層2、ハレーション防止層3、接着剤層5からなる積層
体12を得た。次に、実施例1と同様の方法で、接着剤
層5側からの紫外線反射率を測定したところ、360〜
380nmの平均反射率は、7.0%であった。また、
実施例1と同様に、積層体12の紫外線透過率を測定し
たところ、平均紫外線透過率は、4.1%であった。
【0054】次に、接着剤層5上に、実施例2と同様の
光硬化樹脂層4を設け、図2に示すように、光硬化樹脂
層4、接着剤層5、ハレーション防止層3、弾性フォー
ム層2及び支持体1が、順次積層されてなるフレキソ印
刷板20を得た。次に、このフレキソ印刷板20の製版
を、実施例2と同様の方法で行い、高さ=0.9mmの
レリーフ画像を形成した。 (実施例4)図3は、本発明の実施例4に係るフレキソ
印刷板の断面構成図である。
【0055】実施例1のハレーション防止剤を除いた接
着剤ドープを用い、実施例1と同様の方法及び同様の材
料を使用して、弾性フォーム層2上に、ハレーション防
止剤を含まない接着剤ドープをバーコーターにて1回塗
布した後、これを60℃の乾燥機で2時間乾燥させ、接
着剤層5を設ける。次に、実施例2と同様の方法で、接
着剤層5上に、実施例2と同様の組成のハレーション防
止層3を設ける。
【0056】このようにして、支持体1、弾性フォーム
層2、接着剤層5及びハレーション防止層3からなる積
層体13を得た。次に、実施例1と同様の方法で、ハレ
ーション防止層3側からの紫外線反射率を測定したとこ
ろ、360〜380nmの平均反射率は、5.3%であ
った。また、実施例1と同様に、積層体13の紫外線透
過率を測定したところ、平均紫外線透過率は、4.2%
であった。
【0057】次に、ハレーション防止層3上に実施例2
と同様の光硬化樹脂層4を設け、図3に示すように、光
硬化樹脂層4、ハレーション防止層3、接着剤層5、弾
性フォーム層2及び支持体1が、順次積層されてなるフ
レキソ印刷板30を得た。次に、このフレキソ印刷板3
0の製版を、実施例2と同様の方法で行い、高さ=0.
9mmのレリーフ画像を形成した。 (実施例5)図4は、本発明の実施例5に係るフレキソ
印刷板の断面構成図である。
【0058】実施例2で使用した支持体1上に、実施例
2で使用した弾性フォーム層2を接合した積層体14の
弾性フォーム層2上に、以下に示す組成(重量比率)か
らなる組成物を、バーコーターにて1回塗布する。次
に、これを60℃の乾燥機に装入し、5時間放置して、
前記組成物を乾燥し、弾性フォーム層2上に、ハレーシ
ョン防止剤が含有された光硬化樹脂層6を設ける。 (組成) スチレンブタジエンブロックコポリマー 60部(重量) 液状ポリブタジエン 30部(重量) ジオクチルフマレート 8部(重量) ラウリルマレイミド 2部(重量) 2,2-ジメトキシ-2- フェニルアセトフェノン 2部(重量) 2,6-ジ- ターシャルブチルクレゾール 0.2部(重量) ハレーション防止剤 2部(重量) 酢酸エチル/トルエン/イソプロピルアルコール 200部(重量) なお、スチレンブタジエンブロックコポリマーとして、
『タフプレンA(商品名);旭化成工業製』、液状ポリ
ブタジエンとして、『PB−2000(商品名);日露
株式会社製』、ハレーション防止剤として、『ダイアレ
ジンBlueJ(商品名);三菱化学製』を使用し、酢
酸エチル/トルエン/イソプロピルアルコールは、酢酸
エチル:トルエン:イソプロピルアルコール=2:1:
1(容量比)とした。
【0059】このようにして、図4に示すように、支持
体1、弾性フォーム層2、ハレーション防止層3、ハレ
ーション防止剤が含有された光硬化樹脂層6、ハレーシ
ョン防止剤を含まない光硬化樹脂層4からなるフレキソ
印刷板40を得た。なお、実施例1と同様の方法で、ハ
レーション防止剤が含有された光硬化樹脂層6側からの
紫外線反射率を測定したところ、360〜380nmの
平均反射率は、8.5%であった。
【0060】また、実施例1と同様に、積層体14の紫
外線透過率を測定したところ、平均紫外線透過率は、
3.0%であった。次に、このフレキソ印刷板40の製
版を、実施例2と同様の方法で行い、高さ=0.9mm
のレリーフ画像を形成した。次に、実施例1〜5、比較
品1〜6を用いて、公知のフレキソ印刷機で印刷を行
い、得られた印刷物について、かぶりの有無、白抜き文
字の埋まりの有無及びゴチック文字のキレ(画像の鮮明
度)を調査した。なお、評価は、以下に示す通りに行っ
た。 (評価方法) かぶりの有無 かぶりが全くなく非常に良好 ◎ 印刷物に悪影響を及ぼすかぶりはない ○ 多少のかぶりがある △ かぶりが目立つ × 白抜き文字 非常に鮮明 ◎ 鮮明 ○ 多少の埋まりがある △ 埋まりが目立つ × ゴチック文字 非常に鮮明 ◎ 鮮明 ○ 多少の埋まりがある △ 埋まりが目立つ × この結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1から、実施例1、1A、2〜5は、得
られた印刷物に、かぶりの発生がなく、白抜き文字及び
ゴチック文字も極めて鮮明であり、高品質な印刷物に仕
上がった。これより、本発明に係るフレキソ印刷板は、
微細で複雑な原稿内容を高精度で再現することができ、
より高精度、高品質な印刷物を得ることが可能であるこ
とが確認された。また、実施例1Aと他の実施例1〜5
とを比べると、得られた印刷物に大差はないが、実施例
1〜5の方が、より高品質であった。これは、実施例1
〜5は、積層体11の紫外線透過率が1%以上であり、
効果的な背面露光が行えたからである。
【0063】一方、比較例1〜6は、紫外線反射率が1
0%に近いものほど、良好な結果が得られたが、実施例
1〜5と比較すると、得られた印刷物の品質は大幅に劣
っていた。これは、弾性フォーム層2が微細な気泡を有
しているため、光硬化樹脂層を通過した光が弾性フォー
ム層2で乱反射し易く、光硬化樹脂層の非画像部となる
領域にまで、紫外線が逆入し、不必要な部分まで硬化し
てしまうためである。この現象は、微細で高精度なレリ
ーフ画像を形成するような、多くの光量を必要とする場
合により顕著である。従って、ハレーション防止層を有
さないフレキソ印刷板では、白抜き画像の埋まりやベタ
画像の周囲に不要な盛り上がりを生じ、印刷での画像の
潰れや汚れが避けられないと考えられる。
【0064】なお、本発明に係るフレキソ印刷板は、ハ
レーション防止層3側からの紫外線反射率が、10%以
下であれば、実施例1〜5に示す構造の他、図5に示す
ように、ハレーション防止層3の上下に、接着剤層5A
及び5Bを設けてもよい。この時、積層体15の紫外線
透過率が1%以上であることが好適である。また、同様
に、図6に示すように、ハレーション防止剤が含有され
た光硬化樹脂層6と弾性フォーム層2との間に、接着剤
層5を介在させてもよい。この時、積層体16の紫外線
透過率が1%以上であることが好適である。
【0065】そして、実施例1〜4では、所望の溶液
に、予めハレーション防止剤を溶かした組成物を塗布乾
燥させることにより、ハレーション防止層3を形成した
が、これに限るものではない。そしてまた、実施例5で
使用したハレーション防止剤が含有された光硬化樹脂層
6は、予めハレーション防止剤を液状の光硬化樹脂に、
直接または溶剤で溶かして加え、これを弾性フォーム層
2上に塗布することで設けてもよく、ハレーション防止
剤を加えた光硬化樹脂と、ハレーション防止剤を含まな
い光硬化樹脂の二層から構成したものを、弾性フォーム
層2上に接合する等、種々の方法により設けることがで
きる。
【0066】そして、本実施例で使用した、支持体やハ
レーション防止層等の各層を構成する原材料、露光方
法、現像方法等は、一例であり、これに限定されるもの
ではない。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、光硬化樹脂層と弾性フォーム層との間に、
紫外線反射率が10%以下であるハレーション防止層を
設けたため、光硬化樹脂層に画像露光を行った際に、弾
性フォーム層や支持体で反射した紫外線が、再び光硬化
樹脂層に逆入することを大幅に抑制することができる。
この結果、微細で複雑な原稿内容を高精度で再現するこ
とができ、より高精度、高品質な印刷物を得ることが可
能となる効果がある。
【0068】そして、請求項2記載の発明によれば、請
求項1に係るハレーション防止層、弾性フォーム層及び
支持体からなる積層体の紫外線透過率を、1%以上とし
たため、前記効果に加え、効果的な背面露光が行える。
この結果、より優れたレリーフ画像形成性が得られると
いう効果がある。そしてまた、請求項3記載の発明によ
れば、光硬化樹脂層とハレーション防止層との間、ハレ
ーション防止層と弾性フォーム層との間、の少なくとも
一方に、接着剤層を介在させることで、前記効果に加
え、光硬化樹脂層との密着性、弾性フォーム層との密着
性(接着性)に劣るハレーション防止層であっても、使
用することが可能となる効果がある。
【0069】さらに、請求項4記載の発明によれば、請
求項3に係るハレーション防止層、接着剤層、弾性フォ
ーム層及び支持体からなる積層体の紫外線透過率を1%
以上としたため、請求項2記載のフレキソ印刷板と同様
に、効果的な背面露光が行える。このため、より優れた
レリーフ画像形成性が得られるという効果がある。ま
た、請求項5記載の発明によれば、光硬化樹脂層にハレ
ーション防止剤を含有せしめ、光硬化樹脂層自身の紫外
線反射率を10%以下としたことで、ハレーション防止
剤を含まない光硬化樹脂層に入射した紫外線を、前記ハ
レーション防止剤に90%以上吸収させることができ
る。従って、光硬化樹脂層を感光させた後、弾性フォー
ム層や支持体に到達する紫外線を、大幅に減少すること
ができるため、ここで反射して光硬化樹脂層に逆入する
光が減少する。この結果、微細で複雑な原稿内容を高精
度で再現することができ、より高精度、高品質な印刷物
を得ることが可能となる効果がある。
【0070】そして、請求項6記載の発明によれば、請
求項5に係るハレーション防止剤を含有する光硬化樹脂
層、弾性フォーム層及び支持体からなる積層体の紫外線
透過率を1%以上としたため、前記効果に加え、効果的
な背面露光が行える。この結果、より優れたレリーフ画
像形成性が得られるという効果がある。そしてまた、請
求項7記載の発明によれば、請求項5または請求項6に
係るハレーション防止剤が含有された光硬化樹脂層と弾
性フォーム層との間に、接着剤層を介在したため、前記
効果に加え、弾性フォーム層との密着性に劣るハレーシ
ョン防止層の使用が可能となるという効果がある。
【0071】さらにまた、請求項8記載の発明によれ
ば、請求項7に係るハレーション防止剤を含有する光硬
化樹脂層、接着剤層、弾性フォーム層及び支持体からな
る積層体の紫外線透過率を1%以上としたため、前記効
果に加え、効果的な背面露光が行える。この結果、さら
に優れたレリーフ画像形成性が得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るフレキソ印刷板の断面
構成図である。
【図2】本発明の実施例3に係るフレキソ印刷板の断面
構成図である。
【図3】本発明の実施例4に係るフレキソ印刷板の断面
構成図である。
【図4】本発明の実施例5に係るフレキソ印刷板の断面
構成図である。
【図5】本発明の他の実施例に係るフレキソ印刷板の断
面構成図である。
【図6】本発明の他の実施例に係るフレキソ印刷板の断
面構成図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 弾性フォーム層 3 ハレーション防止層 4 光硬化樹脂層 5 接着剤層 6 ハレーション防止剤が含有された光硬化樹脂層 10 フレキソ印刷板 11 積層体 12 積層体 13 積層体 14 積層体 15 積層体 16 積層体 20 フレキソ印刷板 30 フレキソ印刷板 40 フレキソ印刷板 50 フレキソ印刷板 60 フレキソ印刷板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草川 公一 長野県駒ヶ根市赤穂1170−1 日本発条株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化樹脂層、ハレーション防止層、弾
    性フォーム層及び支持体が、順次積層されてなり、前記
    ハレーション防止層の紫外線反射率が、10%以下であ
    ることを特徴とするフレキソ印刷板。
  2. 【請求項2】 前記ハレーション防止層、弾性フォーム
    層及び支持体からなる積層体の紫外線透過率が、1%以
    上であることを特徴とする請求項1記載のフレキソ印刷
    板。
  3. 【請求項3】 前記光硬化樹脂層とハレーション防止層
    との間、ハレーション防止層と弾性フォーム層との間、
    の少なくとも一方に、接着剤層が介在されてなることを
    特徴とする請求項1記載のフレキソ印刷板。
  4. 【請求項4】 前記ハレーション防止層、接着剤層、弾
    性フォーム層及び支持体からなる積層体の紫外線透過率
    が、1%以上であることを特徴とする請求項3記載のフ
    レキソ印刷板。
  5. 【請求項5】 光硬化樹脂層、ハレーション防止剤が含
    有された光硬化樹脂層、弾性フォーム層及び支持体が、
    順次積層されてなり、前記ハレーション防止剤が含有さ
    れた光硬化樹脂層の紫外線反射率が、10%以下である
    ことを特徴とするフレキソ印刷板。
  6. 【請求項6】 前記ハレーション防止剤が含有された光
    硬化樹脂層、弾性フォーム層及び支持体からなる積層体
    の紫外線透過率が、1%以上であることを特徴とする請
    求項5記載のフレキソ印刷板。
  7. 【請求項7】 前記ハレーション防止剤が含有された光
    硬化樹脂層と弾性フォーム層との間に、接着剤層が介在
    されてなることを特徴とする請求項5記載のフレキソ印
    刷板。
  8. 【請求項8】 前記ハレーション防止剤が含有された光
    硬化樹脂層、接着剤層、弾性フォーム層及び支持体から
    なる積層体の紫外線透過率が、1%以上であることを特
    徴とする請求項7記載のフレキソ印刷板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007139911A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Asahi Kasei Chemicals Corp 感光性樹脂支持構造体
JP2008211156A (ja) * 2006-11-28 2008-09-11 Kyocera Corp 多層フィルム、溝付き多層フィルムおよび配線付き多層フィルムならびに配線付き多層フィルムの製造方法、配線シートの製造方法および配線基板の製造方法

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