JPH07280987A - 多重金属管の劣化予防保全方法および劣化予防保全装置 - Google Patents

多重金属管の劣化予防保全方法および劣化予防保全装置

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JPH07280987A
JPH07280987A JP6074667A JP7466794A JPH07280987A JP H07280987 A JPH07280987 A JP H07280987A JP 6074667 A JP6074667 A JP 6074667A JP 7466794 A JP7466794 A JP 7466794A JP H07280987 A JPH07280987 A JP H07280987A
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JP
Japan
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pure water
preventive maintenance
metal pipe
nozzle
jet
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Application number
JP6074667A
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English (en)
Inventor
Kunio Enomoto
邦夫 榎本
Masahiro Otaka
正廣 大高
Masato Mochizuki
正人 望月
Shinji Sakata
信二 坂田
Makoto Hayashi
眞琴 林
Koichi Kurosawa
孝一 黒沢
Wataru Sagawa
渉 佐川
Fujio Yoshikubo
富士夫 吉久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルスリーブ31a付きノズル6のノズ
ル溶接部7,スリーブ溶接部9,管溶接部11の残留応
力を改善するとともに、袋小路の環状隙間12の内表面
を除染し腐食環境を緩和する多重金属管の劣化予防保全
装置を提供する。 【構成】 炉内管8に環状の噴射ヘッド3を取付け、4
0〜100MPa程度の極く高圧のジェット水23を環
状隙間12の最深部に向けて噴射し、ジェット水23の
乱流中に発生したキャビテーション気泡が崩壊する時の
1000MPa程度の崩壊圧力により、ピーニング作用
を生じさせ、環状隙間12の内表面を洗浄し、表面層金
属を塑性加工し、圧縮残留応力を形成させる。 【効果】 残留応力改善と腐食環境改善とが同時に達成
されるので、応力腐食割れを予防し、放射性クラッドや
汚染物を除去し、検査員の被爆を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノズル等の多重金属管
の劣化予防保全方法および劣化予防保全装置に係り、特
に、既に運転を開始した沸騰水型原子炉プラントの圧力
容器に取り付けられたノズルとサーマルスリーブ付きセ
ーフエンドとの溶接部および前記サーマルスリーブ付き
セーフエンドと炉外配管との溶接部の内面側に存在する
引張残留応力を緩和するとともに、ノズルとサーマルス
リーブとが形成する二重円筒構造の袋小路の隙間内部を
除染する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】二重金属管の除染装置としては、例えば
特開昭62−289800号に記載された装置がある。
この従来技術においては、噴射ヘッドの複数の噴射ノズ
ルから環状空間内に循環流を形成し、この循環流によ
り、環状空間内に堆積された物質を排出するようになっ
ている。より具体的には、噴射された水の流れが悪い死
水領域が発生し、汚染物質がその死水領域に停滞し排出
されないことを避けるために、噴射ノズルの位置を演習
方向で傾ける方式が提案されている。
【0003】一方、二重金属管の残留応力改善方法とし
ては、例えば特開平2−282428号に記載された方
法がある。この従来技術においては、二重金属管内部に
冷却水を存在させた状態で、ノズルとサーマルスリーブ
との間に形成される環状空間部の周方向に離れた位置に
部分水流を交互に噴出させるとともに、環状空間部を取
り巻いているノズルを加熱し、ノズル壁に暑さ方向の温
度差を付与し、完全冷却時に、圧縮応力を残留させてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、原子力発電開始
初期に建設された沸騰水型原子炉プラントにおいては、
SUS304ステンレス鋼製のサーマルスリーブ付きノ
ズルのセーフエンドを低合金鋼のノズルに溶接し使用し
ていた。SUS304ステンレス鋼は、溶接熱によって
応力腐食割れ感受性が高められ、鋭敏化する。
【0005】鋭敏化と引張応力残留と腐食環境とが重な
り合うと、応力腐食割れ発生の可能性が高くなる。ま
た、サーマルスリーブとノズルとにより形成される環状
隙間が袋小路なので、ここの炉水は滞留水となる。その
ため、長期使用の間には、腐食生成物等が蓄積し、腐食
環境としても厳しい条件となる。結果として、運転期間
が長期になるほど、応力腐食割れのポテンシャルが高く
なる問題があった。
【0006】上記特開昭62−289800号に提案さ
れた二重金属管の除染装置においては、噴射ノズルから
の噴射流の流速が7m/sから高々20m/sであり、
腐食環境となる汚染物質の除染効果は一応得られるもの
の、応力腐食割れの感受性を改善する作業を改めて行な
う必要があった。
【0007】上記特開平2−282428号に提案され
た二重金属管の残留応力改善方法においては、加熱手段
による二重金属管外部からの加熱時に冷却水の停滞領域
が生じることを避けるために、環状空間部の周方向で離
れた位置に部分水流を交互に噴出させているが、二重金
属管を外部から加熱する加熱コイル等の手段が必要であ
り、その配置に時間がかかり、加熱用電源を用意しなけ
ればならなかった。
【0008】本発明の目的は、原子炉圧力容器等の容器
の側壁に形成されたノズルと少なくとも一つのサーマル
スリーブが付いたセーフエンドとの溶接部,前記セーフ
エンドの最も内側のサーマルスリーブと前記容器内の管
との溶接部,および前記セーフエンドと外部配管との溶
接部を含み、前記ノズルおよび前記セーフエンドと前記
容器内の管および/または前記サーマルスリーブとの間
に袋小路になっている少なくとも一つの環状隙間を有す
る多重金属管について、応力腐食割れの感受性の改善と
腐食環境になる汚染物質の除染とを同時に達成できる劣
化予防保全方法および劣化予防保全装置を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、容器の側壁に形成されたノズルと少なく
とも一つのサーマルスリーブが付いたセーフエンドとの
溶接部,セーフエンドの最も内側のサーマルスリーブと
容器内の管との溶接部,およびセーフエンドと外部配管
との溶接部を含み、ノズルおよびセーフエンドと容器内
の管および/またはサーマルスリーブとの間に袋小路に
なっている少なくとも一つの環状隙間を有する多重金属
管の劣化予防保全方法において、前記容器内の管を囲む
ように取り付けた環状噴射ヘッドの複数の噴射ノズルか
ら袋小路になっている少なくとも一つの環状隙間の最深
部に向けて噴射前圧力が40MPa〜100MPaの高
圧純水ジェットを噴射させてキャビテーション気泡を生
じさせ、環状隙間内表面を除染するとともに各溶接部の
表面層金属を組成加工し残留応力を圧縮応力に変える多
重金属管の劣化予防保全方法を提案するものである。
【0010】前記多重金属管の劣化予防保全方法におい
ては、まず前記環状噴射ヘッドの複数の噴射ノズルのす
べてから高圧純水ジェットを噴射させ、次に高圧純水ジ
ェットを噴射させる前記噴射ノズルの数を順次減らしつ
つ高圧純水ジェットの噴射を繰り返すことが望ましい。
【0011】前記多重金属管の劣化予防保全方法におい
ても、サーマルスリーブ付きノズル内の水を容器に付属
するポンプで流動させ、溶接部の外周に設置した加熱コ
イルに高周波電力を給電し溶接部内面が引張降伏するに
十分な熱歪が発生するまで加熱し、直ちに加熱を停止
し、溶接部が完全に冷却してから前記ポンプを停止し、
その後に、上記手順をそれぞれ実行してもよい。
【0012】また、いずれの多重金属管の劣化予防保全
方法においても、純水に研磨剤を混入してから高圧純水
に昇圧することもできる。
【0013】いずれの多重金属管の劣化予防保全方法に
おいても、実際には、袋小路になっている少なくとも一
つの環状隙間からの帰還水を回収し、回収した帰還水を
浄化し、高圧純水として再供給することになる。
【0014】本発明は、また、上記目的を達成するため
に、容器の側壁に形成されたノズルと少なくとも一つの
サーマルスリーブが付いたセーフエンドとの溶接部,セ
ーフエンドの最も内側のサーマルスリーブと容器内の管
との溶接部,およびセーフエンドと外部配管との溶接部
を含み、ノズルおよびセーフエンドと容器内の管および
/またはサーマルスリーブとの間に袋小路になっている
少なくとも一つの環状隙間を有する多重金属管の劣化予
防保全装置において、純水を蓄える純水タンクと、純水
タンクから供給される純水を加圧する手段と、容器内の
管を囲むように取り付けられた複数の噴射ノズルを有し
袋小路になっている少なくとも一つの環状隙間の最深部
に向けて加圧手段から供給された噴射前圧力が40MP
a〜100MPaの高圧純水ジェットを噴射しキャビテ
ーション気泡を生じさせる環状噴射ヘッドと、袋小路に
なっている少なくとも一つの環状隙間からの帰還水を吸
引して回収する手段と、回収した帰還水を浄化し純水タ
ンクに戻す手段とを備えた多重金属管の劣化予防保全装
置を提案するものである。
【0015】前記多重金属管の劣化予防保全装置におい
ては、まず環状噴射ヘッドの複数の噴射ノズルのすべて
から高圧純水ジェットを噴射させ次に高圧純水ジェット
を噴射させる噴射ノズルの数を順次減らしつつ高圧純水
ジェットの噴射を繰り返すように噴射ヘッドを制御する
制御手段を備えることができる。
【0016】前記多重金属管の劣化予防保全装置におい
ては、溶接部の外周に設置され溶接部内面が引張降伏す
るに十分な熱歪が発生するまで加熱する加熱コイルと、
加熱コイルに高周波電力を給電する加熱電源と、容器に
付属して設けられサーマルスリーブ付きノズル内の水を
流動させるポンプと、溶接部内面が引張降伏するに十分
な熱歪が発生するまで加熱した時点で直ちに加熱を停止
させ、溶接部が完全に冷却してからポンプを停止させる
制御手段とを追加設置してもよい。
【0017】いずれの多重金属管の劣化予防保全装置に
おいても、帰還水を吸引して回収する手段は、噴射ヘッ
ドとともに容器内の管を囲むように取り付けられた複数
の吸引管を有する吸引ヘッドを含むか、ノズル付近の容
器内壁に当接しノズル側を吸引すべき閉塞空間とするチ
ャンバを含むようにする。
【0018】さらに、いずれの多重金属管の劣化予防保
全装置においても、純水タンクから供給された加圧前の
純水に研磨剤を混入する手段を備えることも可能であ
る。
【0019】
【作用】本発明においては、容器内の管を囲むように取
り付けた環状噴射ヘッドの複数の噴射ノズルから袋小路
になっている少なくとも一つの環状隙間の最深部に向け
て噴射前圧力が40MPa〜100MPaの高圧純水ジ
ェットを噴射させてキャビテーション気泡を生じさせ、
環状隙間内表面を除染するとともに各溶接部の表面層金
属を組成加工し残留応力を圧縮応力に変えるので、高圧
純水ジェットは、環状隙間の奥まで到達するだけでな
く、隙間内部で乱流を生じ、乱流誘起キャビテーション
気泡を発生する。このキャビテーション気泡が壊滅する
時に極高圧が発生して、環状隙間の除染と溶接部の残留
応力の改善とが同時に達成される。
【0020】まず、前記環状噴射ヘッドの複数の噴射ノ
ズルのすべてから高圧純水ジェットを噴射させ、次に、
高圧純水ジェットを噴射させる前記噴射ノズルの数を順
次減らしつつ高圧純水ジェットの噴射を繰り返すと、過
度の洗浄を防止できる。すなわち、汚れの激しい対象部
位に少ない本数の噴射ノズルで高圧純水ジェットをいき
なり噴射すると、剥離した汚染物が研磨剤となって、環
状隙間の内表面を磨滅させる恐れがあるが、高圧純水ジ
ェットを噴射させる噴射ノズルの数を順次減らしていく
と、剥離した汚染物が各洗浄段階において帰還水ととも
に回収されるので、研磨剤となって悪影響をおよぼす心
配が無い。
【0021】サーマルスリーブ付きノズル内の水を容器
に付属するポンプで流動させ、溶接部の外周に設置した
加熱コイルに高周波電力を給電し溶接部内面が引張降伏
するに十分な熱歪が発生するまで加熱し、直ちに加熱を
停止し、溶接部が完全に冷却してから前記ポンプを停止
し、その後に、上記手順をそれぞれ実行すると、内外面
の板厚方向に、内面が引張降伏を起こすに足りる温度差
が発生する。完全に冷却した後に、高圧純水ジェットを
隙間内部に再度噴射し、キャビテーション気泡処理を実
行すれば、溶接部の内表面に圧縮残留応力をより確実に
生成でき、残留応力を改善し溶接部の信頼性をさらに高
めることができる。
【0022】純水に研磨剤を混入してから高圧純水に昇
圧すれば、研磨剤の選択により、種々の除染効果が得ら
れる。
【0023】袋小路になっている環状隙間からの帰還水
を回収し、その帰還水を浄化し、高圧純水として再供給
すると、汚染物量の増加が抑制される。
【0024】純水を蓄える純水タンクと、純水タンクか
ら供給される純水を加圧する手段と、容器内の管を囲む
ように取り付けられた複数の噴射ノズルを有し袋小路に
なっている少なくとも一つの環状隙間の最深部に向けて
加圧手段から供給された噴射前圧力が40MPa〜10
0MPaの高圧純水ジェットを噴射しキャビテーション
気泡を生じさせる環状噴射ヘッドと、袋小路になってい
る少なくとも一つの環状隙間からの帰還水を吸引して回
収する手段と、回収した帰還水を浄化し純水タンクに戻
す手段とを備えた多重金属管の劣化予防保全装置によれ
ば、高圧純水ジェットは、環状隙間の奥まで到達するだ
けでなく、隙間内部で乱流を生じ、乱流誘起キャビテー
ション気泡を発生する。このキャビテーション気泡が壊
滅する時に極高圧が発生して、環状隙間の除染と溶接部
の残留応力の改善とが同時に達成される。
【0025】まず、環状噴射ヘッドの複数の噴射ノズル
のすべてから高圧純水ジェットを噴射させ、次に、高圧
純水ジェットを噴射させる噴射ノズルの数を順次減らし
つつ高圧純水ジェットの噴射を繰り返すように噴射ヘッ
ドを制御する制御手段を備えると、過度の洗浄を防止で
きる。すなわち、汚れの激しい対象部位に少ない本数の
噴射ノズルで高圧純水ジェットをいきなり噴射すると、
剥離した汚染物が研磨剤となって、環状隙間の内表面を
磨滅させる恐れがあるが、高圧純水ジェットを噴射させ
る噴射ノズルの数を順次減らしていくと、剥離した汚染
物が各洗浄段階において帰還水とともに回収されるの
で、研磨剤となって悪影響をおよぼす心配が無い。
【0026】溶接部の外周に設置され溶接部内面が引張
降伏するに十分な熱歪が発生するまで加熱する加熱コイ
ルと、加熱コイルに高周波電力を給電する加熱電源と、
容器に付属して設けられサーマルスリーブ付きノズル内
の水を流動させるポンプと、溶接部内面が引張降伏する
に十分な熱歪が発生するまで加熱した時点で直ちに加熱
を停止させ、溶接部が完全に冷却してからポンプを停止
させる制御手段とを追加設置すれば、溶接部の内表面に
圧縮残留応力をより確実に生成でき、残留応力を改善し
溶接部の信頼性をさらに高めることができる。
【0027】帰還水を吸引して回収する手段として、噴
射ヘッドとともに容器内の管を囲むように取り付けられ
た複数の吸引管を有する吸引ヘッドを含むか、ノズル付
近の容器内壁に当接しノズル側を吸引すべき閉塞空間と
するチャンバを含むようにすると、袋小路になっている
環状隙間からの帰還水を回収し、その帰還水を浄化し、
高圧純水として再供給することになり、汚染物量の増加
が抑制される。特に、チャンバ方式を採用した場合は、
容器内に既に存在する大量の水への汚染物の混入を防止
し、前記大量の水の汚染を極めて少なくできる。
【0028】さらに、純水タンクから供給された加圧前
の純水に研磨剤を混入する手段を備えると、研磨剤入り
高圧純水ジェットは、多重金属管の内表面に研削作用を
及ぼすので、除染効果が高められる。
【0029】
【実施例】図1は、原子力発電プラントの圧力容器に設
けられた二重金属管すなわちスリーブ付きノズルの劣化
を発電プラントの運転開始後に予防保全するため、本発
明による多重金属管の劣化予防保全装置の一実施例を適
用した全体構成を示す系統図である。図1において、原
子炉の圧力容器1内には、炉心を囲んでシュラウド34
が配置され、所定の高さまで炉水29が満たされてい
る。本発明が劣化予防保全の対象としているノズル6
は、圧力容器1の例えば下部側壁から突出するように形
成されている。
【0030】図2は、図1の実施例におけるスリーブ付
きノズル周りの劣化予防保全装置の部品配置と流体の流
れとを拡大して示す部分断面図である。図2において、
ノズル6には、スリーブ31aを備えたセーフエンド3
1の一端がノズル溶接部7により固着されている。スリ
ーブ31aには、炉内管8がスリーブ溶接部9により固
着されている。セーフエンド31の他端には、配管10
が管溶接部11により固着されている。
【0031】図1に戻って説明すると、炉内管8の周り
には、高圧純水の噴射ヘッド3と、スリーブ31aとノ
ズル6との間に形成される環状隙間12からの帰還水を
吸引する吸引ヘッド4とが取り付けられる。環状隙間1
2の詳細は後述する。圧力容器1のフランジ1a上に設
置したサービスプラットホーム2には、遠隔操作装置5
が置かれている。遠隔操作装置5と噴射ヘッド3とは、
高圧ホース17により接続され、遠隔操作装置5と吸引
ヘッド4とは、吸引ホース20により接続されている。
図1の左側に示した純水タンク18からの純水は、噴射
制御装置19により制御される高圧純水噴射装置32で
流量を調整され、高圧ポンプ15により加圧され、高圧
純水16となり、遠隔操作装置5を介して、噴射ヘッド
3に供給される。一方、吸引ヘッド4からの帰還水24
は、遠隔操作装置5を介して、水処理装置21に帰還さ
れ、水処理制御装置22の制御のもとで、水処理装置2
1により純水に改質され、純水タンク18に戻される。
高圧ポンプ15や水処理制御装置22等は、総合制御装
置33が、統一的に管理し制御する。
【0032】なお、図1の実施例には、総合制御装置3
3の管理のもとに動作する加熱制御装置28と、加熱電
源27と、ケーブル26により加熱電源27に接続され
ノズル6の周りに配置された加熱コイル25とを併せて
示してあるが、本発明の実施には必ずしも設けなくても
よい。その理由は、後に述べる。
【0033】図3は、図1および図2の実施例において
劣化予防の対象となるスリーブ付きノズルの軸に直角な
横断面を示す断面図である。ノズル6と炉内管8との間
およびセーフエンド31とスリーブ31aとの間に形成
される環状隙間12は、配管10側が袋小路となってお
り、その横断面A−Aは、図3に示すように、円環状で
ある。噴射ヘッド3と吸引ヘッド4とは、炉内管8を囲
むように設置される。
【0034】図4は、図1の実施例において劣化予防の
対象となるスリーブ付きノズルの軸に直角な方向から見
た劣化予防保全装置の噴射ノズルと吸引管との配置の一
例を示す図である。噴射ヘッド3には、噴射ノズル13
a,13b,13c,13d,13e,13fが設けら
れ、吸引ヘッド4には、吸引管14a,14b,14
c,14d,14e,14fが設けられている。噴射ヘ
ッド3には、高圧純水16が高圧ポンプ15から高圧ホ
ース17介して送られる。噴射ノズル13と吸引管14
とは、図4の実施例ではそれぞれ6本であるが、環状隙
間12の大きさにより増減させる。
【0035】スリーブ付きノズルの劣化予防保全に際し
ては、まず、図示を省略した圧力容器の蓋,蒸気乾燥
器,気水分離器を取り外す。次に、圧力容器1のフラン
ジ1aの上にサービスプラットホーム2を置き、その上
に、噴射ヘッド3と吸引ヘッド4とを懸架した遠隔操作
装置5を設置する。図1はこの状態を示している。遠隔
操作装置5は、ここでは図示していない燃料交換台車の
上に設置してもよい。
【0036】高圧ポンプ15には、純水タンク18から
純水を供給する。その際に、噴射ヘッド3と噴射ノズル
13と高圧ポンプ15とは、噴射制御装置19で制御す
る。吸引管14から吸い込み吸引ヘッド4に集めた水
は、吸引ホース20を介して水処理装置21に送り、廃
棄物と純水とに分離する。分離した純水は、純水タンク
18に戻し、廃棄物は、廃棄物処理にまわす。吸引ヘッ
ド4と水処理装置21とは、水処理制御装置22により
制御される。
【0037】スリーブ付きノズルの劣化予防保全に際し
ては、すべての噴射ノズル13a〜13fから例えば4
0〜100MPa程度の極く高圧のジェット水23を環
状隙間12の最深部に向けて噴射する。このような高圧
純水は、噴射時の流速が例えば20m/s〜35m/s
程度となる。環状隙間12からの帰還水24は、汚水と
なるが、吸引管14に吸い込まれ、吸引ヘッド4から吸
引ホース20を介して水処理装置21に送られ、処理さ
れる。帰還水24の汚濁がなくなるまで、噴射と水処理
とを継続する。
【0038】すべての噴射ノズル13から噴射しても帰
還水24の汚濁がなくなったら、次に、噴射ノズル13
a,13c,13eから、ジェット水22を環状隙間1
2の最深部に向けて噴射し、帰還水24の汚濁がなくな
るまで継続する。
【0039】さらに、噴射ノズル13aおよびこれと対
向する噴射ノズル13dから、ジェット水22を環状隙
間12の最深部向けて噴射し、帰還水24の汚濁がなく
なるまで継続する。その次に、噴射ノズル13bおよび
これと対向する噴射ノズル13eから、ジェット水23
を環状隙間12の最深部に向けて噴射し、帰還水24の
汚濁がなくなるまで継続する。最後に、噴射ノズル13
cおよびこれと対向する噴射ノズル13fから、ジェッ
ト水23を環状隙間12の最深部に向けて噴射し、帰還
水24の汚濁がなくなるまで継続する。なお、噴射ノズ
ルの組合せおよび噴射順序は、噴射ノズル13の配置と
環状隙間12の隙間寸法と奥行き寸法とに応じて適宜に
選ばれる。
【0040】図1〜図4の実施例によれば、最初に、す
べての噴射ノズル13から噴射されたジェット水23
が、帰還水24と干渉して、速度が減殺されるので、洗
浄効果が弱く、軽度の汚れが洗浄される。次第に、噴射
ノズルの数を減らすと、ジェット水23と帰還水24と
の干渉が減り、洗浄効果が高くなり、ジェット水23の
乱流中にキャビテーション気泡が発生する。この気泡が
崩壊する時の崩壊圧力が1000MPa程度となるた
め、いわゆるピーニング作用が生じ、環状隙間12の内
表面が洗浄されるとともに、表面層金属が塑性加工さ
れ、圧縮残留応力が形成される。この圧縮残留応力は、
溶接により応力腐食割れ感受性が高くなっているノズル
溶接部7および管溶接部11はもちろん、環状隙間12
側の内表面全域に生成される。さらに、環状隙間12内
部が洗浄されて、クリーン環境となる。
【0041】この圧縮残留応力の生成とクリーン環境へ
の改善により、応力腐食割れを予防できる。また、放射
性汚染物が洗浄されるから、定期検査における検査員の
被爆低減にも有効である。さらに、汚れの激しい対象部
位に対して、図1の実施例のように順を追ってジェット
水23を噴射すると、過度の洗浄を防止できる。すなわ
ち、汚れの激しい対象部位に少ない本数の噴射ノズル1
3でジェット水23をいきなり噴射すると、剥離した酸
化物が研磨剤となつて、環状隙間12の内表面を磨滅さ
せる恐れが生ずるが、図1の実施例では、剥離した酸化
物が各洗浄段階において帰還水24とともに回収される
ので、研磨剤となって悪影響を及ぼす心配が無い。
【0042】図5は、本発明による多重金属管すなわち
複数スリーブ付きノズルの劣化予防保全装置の実施例に
おけるスリーブ付きノズル周りの劣化予防保全装置の部
品配置と流体の流れとを示す部分断面図である。図1〜
図4の実施例は、単一のスリーブを備えたノズルに関す
る実施例であるが、図5の実施例は、複数のスリーブす
なわち炉内管8に接続されたスリーブ31aと片方が開
口したスリーブ31bとからなる二重スリーブを備えた
ノズル6に関する実施例である。図5の実施例では、ス
リーブが二重であるから、環状隙間も二重の環状隙間1
2aおよび12bとなる。そこで、噴射ヘッド3には、
環状隙間12a用の噴射ノズル13a1,13a2,13
3,13a4,…を設けるとともに、環状隙間12b用
のノズル13b1,13b2,13b3,13b4,…を設
けてある。
【0043】スリーブ付きノズルの劣化予防保全の手順
は、図1〜図4の実施例と変わらないので、ここでは繰
り返さない。
【0044】図5の実施例においては、環状隙間12a
および12bについてそれぞれ専用の噴射ノズル13a
および13bを設けてあるため、環状隙間12aおよび
12b内に高圧ジェット水を確実に噴射し、応力腐食割
れを予防できる。また、放射性汚染物が十分に洗浄され
るから、定期検査における検査員の被爆低減にも有効で
ある。
【0045】図6は、本発明による二重金属管すなわち
スリーブ付きノズルのチャンバ方式劣化予防保全装置の
実施例におけるスリーブ付きノズル周りの劣化予防保全
装置の部品配置と流体の流れとを示す部分断面図であ
る。図6の実施例においては、炉内管8を取り囲むよう
にチャンバ30を設置してある。スリーブ付きノズルの
劣化予防保全時にチャンバ30が移動してしまうことを
避けるため、シュラウド34とチャンバ30との間にサ
ポート35を介在させてもよい。
【0046】図6の実施例においては、炉内管8を取り
囲むようにチャンバ30を設置し、環状隙間12の周り
に閉じた空間を形成してあるので、このチャンバ30内
の空間から吸引ホース20により帰還水24を吸引すれ
ばよく、上記図1〜図5の実施例とは異なり、複数の吸
引管14が不要となる。
【0047】スリーブ付きノズルの劣化予防保全の手順
は、図1〜図4の実施例と変わらないので、ここでは繰
り返さない。
【0048】図6の実施例においては、上記図1〜図5
の実施例と同様に、応力腐食割れを予防できる。また、
放射性汚染物が十分に洗浄されるから、定期検査におけ
る検査員の被爆低減にも有効である。特に、帰還水吸引
側の構造が単純化される一方で、帰還水の捕捉効率が高
くなり、炉水を汚さずに施工できる。
【0049】なお、上記各実施例においては、ジェット
水23の中に研磨剤を入れることも可能である。このよ
うにジェット水23の中に研磨剤を入れると、汚染物が
強固に付着したスリーブ付きノズルの洗浄効果を高める
ことができる。
【0050】上記各実施例においては、ジェット水23
の乱流中にキャビテーション気泡が発生し、この気泡が
崩壊する時の崩壊圧力が1000MPa程度となるため
に、いわゆるピーニング作用が生じ、環状隙間12の内
表面が洗浄されるとともに、表面層金属が塑性加工さ
れ、圧縮残留応力が形成される。したがって、ジェット
水23の乱流のみによっても、応力腐食割れの感受性が
十分に抑制されるが、ノズル溶接部7と管溶接部11の
外周部に高周波誘導加熱用の加熱コイル25を取付け誘
導加熱する従来の保全方法と併用すると、より一層その
効果が高まる。
【0051】次に、再び図1および図2を参照して、ノ
ズル溶接部7と管溶接部11の外周部に高周波誘導加熱
用の加熱コイル25を取付けた実施例を説明する。加熱
コイル25は、ケーブル26を介して、加熱電源27と
加熱制御装置28とに接続される。
【0052】この系統構成で、まず、図示しない原子炉
付属のポンプにより、配管10内の炉水29を循環させ
る。次に、噴射ヘッド4に高圧純水16を導き、噴射ノ
ズル13からジェット水23を環状隙間12の最深部に
向けて噴射する。環状隙間12からの帰還水24は、吸
引管14に吸い込まれ、吸引ヘッド4から吸引ホース2
0を介して水処理装置21に送られ、処理される。この
ジェット水23の噴射に並行して、加熱コイル25に高
周波電力を給電し、スリーブ付きノズル6の外表面を誘
導加熱する。このとき、環状隙間12の内部はジェット
水23で冷却され、管溶接部11の内部は循環している
炉水29で冷却されているので、板厚内外面に大きな温
度差が容易に生成され、内面に引張応力が発生する。引
張応力が降伏点を越えたところで、加熱を停止する。そ
の後、内外面温度差が完全になくなるまで冷却したとこ
ろで、炉水29の循環と噴射ノズル13からのジェット
水23の噴射とを停止する。完全冷却時には、加熱時と
は反対に、加熱コイル25でカバーされたノズル溶接部
7と管溶接部11の内表面には、圧縮残留応力が生成さ
れる。
【0053】その後に、図1の実施例と同様に、劣化予
防保全操作を実施する。
【0054】本実施例によれば、少なくともノズル溶接
部7および管溶接部11の内表面に圧縮残留応力をより
確実に生成でき、残留応力を改善し溶接部の信頼性をさ
らに高めることができる。
【0055】なお、外表面を誘導加熱中に、噴射ヘッド
4から噴射するジェット水23の圧力を40〜100M
Pa程度の高圧にすると、内面冷却とピーニング作用と
が同時に生じ、洗浄と応力改善とを同時に達成できる。
【0056】上記の各実施例は、原子力発電プラントの
圧力容器に設けられたスリーブ付きノズルの劣化を発電
プラントの運転開始後に予防保全する例であったが、少
なくともノズル溶接部および管溶接部の内表面に圧縮残
留応力をより確実に生成し、残留応力を改善し溶接部の
信頼性をさらに高めるために、運転開始前に本発明を適
用してもよいことは、容易に理解されよう。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、容器内の管を囲むよう
に取り付けた環状噴射ヘッドの複数の噴射ノズルから袋
小路になっている少なくとも一つの環状隙間の最深部に
向けて噴射前圧力が40MPa〜100MPaの高圧純
水ジェットを噴射させてキャビテーション気泡を生じさ
せ、環状隙間内表面を除染するとともに各溶接部の表面
層金属を組成加工し残留応力を圧縮応力に変えるので、
高圧純水ジェットは、環状隙間の奥まで到達するだけで
なく、隙間内部で乱流を生じ、乱流誘起キャビテーショ
ン気泡を発生する。このキャビテーション気泡が壊滅す
る時に極高圧が発生して、環状隙間の除染と溶接部の残
留応力の改善とが同時に達成される。
【0058】まず、前記環状噴射ヘッドの複数の噴射ノ
ズルのすべてから高圧純水ジェットを噴射させ、次に、
高圧純水ジェットを噴射させる前記噴射ノズルの数を順
次減らしつつ高圧純水ジェットの噴射を繰り返すと、過
度の洗浄を防止できる。すなわち、高圧純水ジェットを
噴射させる噴射ノズルの数を順次減らしていくと、剥離
した汚染物が各洗浄段階において帰還水とともに回収さ
れるので、研磨剤となって悪影響をおよぼす心配が無
い。
【0059】サーマルスリーブ付きノズル内の水を容器
に付属するポンプで流動させ、溶接部の外周に設置した
加熱コイルに高周波電力を給電し溶接部内面が引張降伏
するに十分な熱歪が発生するまで加熱し、直ちに加熱を
停止し、溶接部が完全に冷却してから前記ポンプを停止
し、その後に、上記手順をそれぞれ実行すると、内外面
の板厚方向に、内面が引張降伏を起こすに足りる温度差
が発生する。完全に冷却した後に、高圧純水ジェットを
隙間内部に再度噴射し、キャビテーション気泡処理を実
行するから、溶接部の内表面に圧縮残留応力をより確実
に生成でき、残留応力を改善し溶接部の信頼性をさらに
高めることができる。
【0060】純水に研磨剤を混入してから高圧純水に昇
圧するので、研磨剤の選択により、種々の除染効果が得
られる。
【0061】袋小路になっている環状隙間からの帰還水
を回収し、その帰還水を浄化し、高圧純水として再供給
することから、汚染物量の増加が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子力発電プラントの圧力容器に設けられたス
リーブ付きノズルの劣化を発電プラントの運転開始後に
予防保全するため、本発明による多重金属管の劣化予防
保全装置の一実施例を適用した全体構成を示す系統図で
ある。
【図2】図1の実施例におけるスリーブ付きノズル周り
の劣化予防保全装置の部品配置と流体の流れとを拡大し
て示す部分断面図である。
【図3】図1の実施例において劣化予防の対象となるス
リーブ付きノズルの軸に直角な横断面を示す断面図であ
る。
【図4】図1の実施例において劣化予防の対象となるス
リーブ付きノズルの軸に直角な方向から見た劣化予防保
全装置の噴射ノズルと吸引管との配置の一例を示す図で
ある。
【図5】本発明による多重金属管すなわち複数スリーブ
付きノズルの劣化予防保全装置の実施例におけるスリー
ブ付きノズル周りの劣化予防保全装置の部品配置と流体
の流れとを示す部分断面図である。
【図6】本発明による二重金属管すなわちスリーブ付き
ノズルのチャンバ方式劣化予防保全装置の実施例におけ
るスリーブ付きノズル周りの劣化予防保全装置の部品配
置と流体の流れとを示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 圧力容器 1a フランジ 2 サービスプラットホーム 3 噴射ヘツド 4 吸引ヘッド 5 遠隔操作装置 6 ノズル 7 ノズル溶接部 8 炉内管 9 スリーブ溶接部 10 配管 11 管溶接部 12 環状隙間 13 噴射ノズル 14 吸引管 15 高圧ポンプ 16 高圧純水 17 高圧ホース 18 純水タンク 19 噴射制御装置 20 吸引ホース 21 水処理装置 22 水処理制御装置 23 ジェット水 24 帰還水 25 加熱コイル 26 ケーブル 27 加熱電源 28 加熱制御装置 29 炉水 30 チャンバ 31 セーフエンド 31a スリーブ 32 高圧純水噴射装置 33 総合制御装置 34 シュラウド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C21D 7/04 Z 7217−4K (72)発明者 大高 正廣 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 望月 正人 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 坂田 信二 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 林 眞琴 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 黒沢 孝一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 佐川 渉 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 吉久保 富士夫 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ュークリアエンジニアリング株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の側壁に形成されたノズルと少なく
    とも一つのサーマルスリーブが付いたセーフエンドとの
    溶接部,前記セーフエンドの最も内側のサーマルスリー
    ブと前記容器内の管との溶接部,および前記セーフエン
    ドと外部配管との溶接部を含み、前記ノズルおよび前記
    セーフエンドと前記容器内の管および/または前記サー
    マルスリーブとの間に袋小路になっている少なくとも一
    つの環状隙間を有する多重金属管の劣化予防保全方法に
    おいて、 前記容器内の管を囲むように取り付けた環状噴射ヘッド
    の複数の噴射ノズルから前記袋小路になっている少なく
    とも一つの環状隙間の最深部に向けて噴射前圧力が40
    MPa〜100MPaの高圧純水ジェットを噴射させて
    キャビテーション気泡を生じさせ、 前記環状隙間内表面を除染するとともに前記各溶接部の
    表面層金属を組成加工し残留応力を圧縮応力に変えるこ
    とを特徴とする多重金属管の劣化予防保全方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多重金属管の劣化予防
    保全方法において、 まず前記環状噴射ヘッドの複数の噴射ノズルのすべてか
    ら高圧純水ジェットを噴射させ、 次に高圧純水ジェットを噴射させる前記噴射ノズルの数
    を順次減らしつつ高圧純水ジェットの噴射を繰り返すこ
    とを特徴とする多重金属管の劣化予防保全方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の多重金属管の
    劣化予防保全方法において、 前記サーマルスリーブ付きノズル内の水を前記容器に付
    属するポンプで流動させ、 前記溶接部の外周に設置した加熱コイルに高周波電力を
    給電し前記溶接部内面が引張降伏するに十分な熱歪が発
    生するまで加熱し、 直ちに加熱を停止し、 前記溶接部が完全に冷却してから前記ポンプを停止し、 その後に、請求項1または2に記載の手順をそれぞれ実
    行することを特徴とする多重金属管の劣化予防保全方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一項に記載
    の多重金属管の劣化予防保全方法において、 前記純水に研磨剤を混入してから前記高圧純水に昇圧す
    ることを特徴とする多重金属管の劣化予防保全方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の多重金属管の劣化予防保全方法において、 前記袋小路になっている少なくとも一つの環状隙間から
    の帰還水を回収し、 回収した帰還水を浄化し、 前記高圧純水として再供給することを特徴とする多重金
    属管の劣化予防保全方法。
  6. 【請求項6】 容器の側壁に形成されたノズルと少なく
    とも一つのサーマルスリーブが付いたセーフエンドとの
    溶接部,前記セーフエンドの最も内側のサーマルスリー
    ブと前記容器内の管との溶接部,および前記セーフエン
    ドと外部配管との溶接部を含み、前記ノズルおよび前記
    セーフエンドと前記容器内の管および/または前記サー
    マルスリーブとの間に袋小路になっている少なくとも一
    つの環状隙間を有する多重金属管の劣化予防保全装置に
    おいて、 純水を蓄える純水タンクと、 前記純水タンクから供給される純水を加圧する手段と、 前記容器内の管を囲むように取り付けられた複数の噴射
    ノズルを有し前記袋小路になっている少なくとも一つの
    環状隙間の最深部に向けて前記加圧手段から供給された
    噴射前圧力が40MPa〜100MPaの高圧純水ジェ
    ットを噴射しキャビテーション気泡を生じさせる環状噴
    射ヘッドと、 前記袋小路になっている少なくとも一つの環状隙間から
    の帰還水を吸引して回収する手段と、 回収した帰還水を浄化し前記純水タンクに戻す手段とを
    備えたことを特徴とする多重金属管の劣化予防保全装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の多重金属管の劣化予防
    保全装置において、 まず前記環状噴射ヘッドの複数の噴射ノズルのすべてか
    ら高圧純水ジェットを噴射させ次に高圧純水ジェットを
    噴射させる前記噴射ノズルの数を順次減らしつつ高圧純
    水ジェットの噴射を繰り返すように前記噴射ヘッドを制
    御する制御手段を備えたことを特徴とする多重金属管の
    劣化予防保全装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の多重金属管の
    劣化予防保全装置において、 前記溶接部の外周に設置され前記溶接部内面が引張降伏
    するに十分な熱歪が発生するまで加熱する加熱コイル
    と、 前記加熱コイルに高周波電力を給電する加熱電源と、 前記容器に付属して設けられ前記サーマルスリーブ付き
    ノズル内の水を流動させるポンプと、 前記溶接部内面が引張降伏するに十分な熱歪が発生する
    まで加熱した時点で直ちに加熱を停止させ、前記溶接部
    が完全に冷却してから前記ポンプを停止させる制御手段
    とを追加設置したことを特徴とする多重金属管の劣化予
    防保全装置。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれか一項に記載
    の多重金属管の劣化予防保全装置において、 前記帰還水を吸引して回収する手段が、前記噴射ヘッド
    とともに前記容器内の管を囲むように取り付けられた複
    数の吸引管を有する吸引ヘッドを含むことを特徴とする
    多重金属管の劣化予防保全装置。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし8のいずれか一項に記
    載の多重金属管の劣化予防保全装置において、 前記帰還水を吸引して回収する手段が、前記ノズル付近
    の容器内壁に当接し前記ノズル側を吸引すべき閉塞空間
    とするチャンバを含むことを特徴とする多重金属管の劣
    化予防保全装置。
  11. 【請求項11】 請求項6ないし9のいずれか一項に記
    載の多重金属管の劣化予防保全装置において、 前記純水タンクから供給された加圧前の純水に研磨剤を
    混入する手段を備えたことを特徴とする多重金属管の劣
    化予防保全装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010059552A (ja) * 2004-01-29 2010-03-18 Hitachi Ltd 高周波加熱残留応力改善法の冷却装置、及び高周波加熱残留応力改善法
US8514998B2 (en) 2005-01-31 2013-08-20 Hitachi-Ge Nuclear Energy, Ltd. Induction heating stress improvement
WO2018106244A1 (en) * 2016-12-08 2018-06-14 Areva Inc. Method of cavitation peening an internal surface of a hollow part

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