JPH07278146A - ベンジルグアニン誘導体 - Google Patents
ベンジルグアニン誘導体Info
- Publication number
- JPH07278146A JPH07278146A JP8602694A JP8602694A JPH07278146A JP H07278146 A JPH07278146 A JP H07278146A JP 8602694 A JP8602694 A JP 8602694A JP 8602694 A JP8602694 A JP 8602694A JP H07278146 A JPH07278146 A JP H07278146A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- derivative
- methoxybenzyl
- guanine
- cells
- benzylguanine
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- Pending
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 O6-メチルグアニンDNAメチルトランスフ
ェラーゼの活性をより効果的に阻害し延いてはアルキル
化型抗癌剤のより優れた増強剤となるり得る新規な化合
物の提供。 【構成】 構造式(1)で表される、O6-(p-メトキシ
ベンジル)グアニン。
ェラーゼの活性をより効果的に阻害し延いてはアルキル
化型抗癌剤のより優れた増強剤となるり得る新規な化合
物の提供。 【構成】 構造式(1)で表される、O6-(p-メトキシ
ベンジル)グアニン。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なベンジルグアニ
ン誘導体に関するもので当該化合物は修復酵素O6-メチ
ルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼの働きを阻
害し、ひいてはアルキル化型抗癌剤の効果増強剤として
有効なものであり、製薬業界において利用され得るもの
である。
ン誘導体に関するもので当該化合物は修復酵素O6-メチ
ルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼの働きを阻
害し、ひいてはアルキル化型抗癌剤の効果増強剤として
有効なものであり、製薬業界において利用され得るもの
である。
【0002】
【従来の技術】O6-メチルグアニンDNAメチルトラン
スフェラーゼ(以下MGMTという)は、DNA内に生じ
たO6-メチルグアニンからメチル基を受け取り自らは酵
素活性を失うが、メチル化されたグアニンを有するDN
Aの基本構造を変化させることなく、グアニンを効率よ
く再生し、修復する酵素として知られているものであ
る。また、MGMTは、その特性の故に、N'-〔(4-アミ
ノ-2-メチル-5-ピリミジニル)メチル〕-N-(2-クロロエ
チル)-N-ニトロソウレア(以下ACNUという)等のアル
キル化型抗癌剤の殺細胞効果を減少させることも知られ
ている。一方、MGMTの基質であるO6-メチルグアニ
ンで細胞を処理することにより、ACNUの活性を高め
ることができることが見出され、最近では、アンソニー
ペグ等は、O6-ベンジルグアニンあるいはそれらの誘導
体がMGMTの活性をより効果的に阻害することを見出
している(J. Med. Chem. 1992, 35, 4486-4491) 。
スフェラーゼ(以下MGMTという)は、DNA内に生じ
たO6-メチルグアニンからメチル基を受け取り自らは酵
素活性を失うが、メチル化されたグアニンを有するDN
Aの基本構造を変化させることなく、グアニンを効率よ
く再生し、修復する酵素として知られているものであ
る。また、MGMTは、その特性の故に、N'-〔(4-アミ
ノ-2-メチル-5-ピリミジニル)メチル〕-N-(2-クロロエ
チル)-N-ニトロソウレア(以下ACNUという)等のアル
キル化型抗癌剤の殺細胞効果を減少させることも知られ
ている。一方、MGMTの基質であるO6-メチルグアニ
ンで細胞を処理することにより、ACNUの活性を高め
ることができることが見出され、最近では、アンソニー
ペグ等は、O6-ベンジルグアニンあるいはそれらの誘導
体がMGMTの活性をより効果的に阻害することを見出
している(J. Med. Chem. 1992, 35, 4486-4491) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、これら
の知見を基に、各種のO6-ベンジルグアニン誘導体につ
いて検討し、MGMTの活性をより効果的に阻害しひい
てはアルキル化型抗癌剤のより優れた増強剤となるり得
る新規な化合物を提供せんとするものである。
の知見を基に、各種のO6-ベンジルグアニン誘導体につ
いて検討し、MGMTの活性をより効果的に阻害しひい
てはアルキル化型抗癌剤のより優れた増強剤となるり得
る新規な化合物を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、研究の結
果、新規なO6-ベンジルグアニン誘導体の中に前記特性
を満たすものが存在することを見出し、本発明を完成し
たのである。すなわち、本発明は、下記構造式(1)で表
されることを特徴とするベンジルグアニン誘導体に関す
るものである。
果、新規なO6-ベンジルグアニン誘導体の中に前記特性
を満たすものが存在することを見出し、本発明を完成し
たのである。すなわち、本発明は、下記構造式(1)で表
されることを特徴とするベンジルグアニン誘導体に関す
るものである。
【0005】
【化2】
【0006】以下、本発明について詳説する。本発明の
O6-ベンジルグアニン誘導体は、すでに報告されている
方法に準じて、すなわち2-アミノ-6-クロロプリンのア
ルコキシ化反応により容易に合成することができる。よ
り詳細には2-アミノ-6-クロロプリンと対応するp-メト
キシベンジルアルコールをナトリウムの存在下に加熱
下、好ましくは50℃〜150℃で10時間〜50時間
反応させることにより得ることができ、カラムクロマト
等の常套手段により精製し製品とすることができる。
O6-ベンジルグアニン誘導体は、すでに報告されている
方法に準じて、すなわち2-アミノ-6-クロロプリンのア
ルコキシ化反応により容易に合成することができる。よ
り詳細には2-アミノ-6-クロロプリンと対応するp-メト
キシベンジルアルコールをナトリウムの存在下に加熱
下、好ましくは50℃〜150℃で10時間〜50時間
反応させることにより得ることができ、カラムクロマト
等の常套手段により精製し製品とすることができる。
【0007】
【作用】本発明のO6-ベンジルグアニン誘導体は、MG
MTの活性を阻害し、アルキル化型抗癌剤の殺細胞効果
を増強するという作用を示すものである。
MTの活性を阻害し、アルキル化型抗癌剤の殺細胞効果
を増強するという作用を示すものである。
【0008】
○ 誘導体の製造 O6-(p-メトキシベンジル)グアニン(構造式1の化合
物) 金属ナトリウム 270mg(11.7mmol)をp-メトキシベ
ンジルアルコール 10mlに溶解させた。この溶液に2-
アミノ-6-クロロプリン 1000mg(5.9mmol)を攪拌
しながら加えた。反応溶液を130℃に加熱し一晩放置
した。放冷後酢酸で中和した。反応溶液にジエチルエー
テル1000mlを激しく攪拌しながら加えた。吸引濾過
後、残渣を集めメタノールより再結晶を行い白色針状結
晶のO6-(p-メトキシベンジル)グアニン320mg(20
%)を得た。測定された特性値は以下のとおりであっ
た。 融点:346−348℃(分解) UVλmax nm(ε) in MeOH 282(12000), 241(sh)(1200
0) MS m/z 271(M+). 1 H-NMR(Me2SO-d6)δ:3.63(s,3H,CH3), 5.42(s,2
H,CH2),6.25(s,2H,NH2), 6.95(d,2H,ph,J=8.5Hz),7.46
(d,2H,ph), 7.79(s,1H,8-H),12.44(s,1H,8-H)
物) 金属ナトリウム 270mg(11.7mmol)をp-メトキシベ
ンジルアルコール 10mlに溶解させた。この溶液に2-
アミノ-6-クロロプリン 1000mg(5.9mmol)を攪拌
しながら加えた。反応溶液を130℃に加熱し一晩放置
した。放冷後酢酸で中和した。反応溶液にジエチルエー
テル1000mlを激しく攪拌しながら加えた。吸引濾過
後、残渣を集めメタノールより再結晶を行い白色針状結
晶のO6-(p-メトキシベンジル)グアニン320mg(20
%)を得た。測定された特性値は以下のとおりであっ
た。 融点:346−348℃(分解) UVλmax nm(ε) in MeOH 282(12000), 241(sh)(1200
0) MS m/z 271(M+). 1 H-NMR(Me2SO-d6)δ:3.63(s,3H,CH3), 5.42(s,2
H,CH2),6.25(s,2H,NH2), 6.95(d,2H,ph,J=8.5Hz),7.46
(d,2H,ph), 7.79(s,1H,8-H),12.44(s,1H,8-H)
【0009】○ 誘導体の特性評価 アルキル化型抗癌剤としてACNUを選び、上記で得た
各誘導体を用いてアルキル化型抗癌剤の細胞致死効果に
対する影響をMTT法を用い分光器により以下の様にし
て測定した。HeLa S3(人頸部癌由来)とC6-1(ラ
ット神経膠腫由来)をミクロテストプレートに1,00
0細胞数/90μL培地で接種した。10μLの誘導体
の添加又は無添加の状態で2時間培養した。前処理した
細胞に、11μlの種々の濃度(最終濃度0〜100μ
M)のACNUを添加したのち2時間培養した。培養後
培地を除去し、細胞を2回PBSで洗浄しさらに新鮮な
100μLの培地に懸濁させ、5日間培養した後570
nmの吸光度を測定することにより生存細胞を計量し誘導
体の影響を比較した。
各誘導体を用いてアルキル化型抗癌剤の細胞致死効果に
対する影響をMTT法を用い分光器により以下の様にし
て測定した。HeLa S3(人頸部癌由来)とC6-1(ラ
ット神経膠腫由来)をミクロテストプレートに1,00
0細胞数/90μL培地で接種した。10μLの誘導体
の添加又は無添加の状態で2時間培養した。前処理した
細胞に、11μlの種々の濃度(最終濃度0〜100μ
M)のACNUを添加したのち2時間培養した。培養後
培地を除去し、細胞を2回PBSで洗浄しさらに新鮮な
100μLの培地に懸濁させ、5日間培養した後570
nmの吸光度を測定することにより生存細胞を計量し誘導
体の影響を比較した。
【0010】表1に測定結果の一部を例示するが表1の
数値は10μMの誘導体で処理した細胞に30μMのA
CNUを加えたときの生存細胞率と未処理の細胞に30
μMのACNUを加えたときの生存細胞率を比較したも
のであり数値は以下の様にして計算された。 増強効果=未処理の場合の生存細胞数/処理した場合の
生存細胞数
数値は10μMの誘導体で処理した細胞に30μMのA
CNUを加えたときの生存細胞率と未処理の細胞に30
μMのACNUを加えたときの生存細胞率を比較したも
のであり数値は以下の様にして計算された。 増強効果=未処理の場合の生存細胞数/処理した場合の
生存細胞数
【0011】
【表1】 6-MeOBzlG: O6-(p-メトキシベンジル)グアニン
【0012】
【発明の効果】本発明はO6-メチルグアニンDNAメチ
ルトランスフェラーゼの酵素活性阻害剤さらにはアルキ
ル化型抗癌剤の増強剤を提供できるという優れた効果を
奏するものである。
ルトランスフェラーゼの酵素活性阻害剤さらにはアルキ
ル化型抗癌剤の増強剤を提供できるという優れた効果を
奏するものである。
【図1】 図1はO6-(p-メトキシベンジル)グアニンの
1H-NMR スペクトルを示す図である。
1H-NMR スペクトルを示す図である。
【図2】 図2はO6-(p-メトキシベンジル)グアニンの
UV スペクトルを示す図である。なお測定はメタノール
中でのものである。
UV スペクトルを示す図である。なお測定はメタノール
中でのものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31:52)
Claims (1)
- 【請求項1】下記構造式(1)で表されることを特徴とす
るベンジルグアニン誘導体。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8602694A JPH07278146A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | ベンジルグアニン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8602694A JPH07278146A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | ベンジルグアニン誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278146A true JPH07278146A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=13875154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8602694A Pending JPH07278146A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | ベンジルグアニン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07278146A (ja) |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP8602694A patent/JPH07278146A/ja active Pending
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