JPH07275406A - ゴルフのウッドクラブヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッドにおける適正な重量配分を可能とする
とともに、製造も容易にする。 【構成】 第１の外殻部材11a と第２の外殻部材12a と
第３の外殻部材13aと第４の外殻部材14a とを互いに溶
接してヘッド本体1aを構成する。第１の外殻部材11a
は、フェース2a部を形成する。第２の外殻部材12a は、
バック3a側を形成する。第３の外殻部材13a は、ソール
4a部、トウ6a部、ヒール7a部およびバック3a部の残りの
部分を形成する。第４の外殻部材14a は、トップ5a部の
残りの部分を形成する。第２の外殻部材12a を厚肉にし
て、ウェイトと兼用する。 【効果】 これにより、重心深度が深くなり、スイート
エリアが拡がる。外殻部材と別体のウェイトが不要であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフのウッドクラブ
ヘッドに係わり、特に、金属製で中空なヘッドに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば特開昭63-154186 号公報に
記載されているように、ヘッド本体を金属製で中空なも
のとしたゴルフのウッドクラブヘッドが知られている。
いわゆるメタルウッドである。そして、前記公報に記載
のヘッドでは、それぞれ鍛造による２つあるいは３つの
外殻部材を溶接してヘッド本体を構成している。分割
は、例えば、フェース部と、ソール部、トウ部、ヒール
部およびバック部と、トップ部との３分割である。ま
た、前記公報に記載のヘッドでは、ヘッド全体の重心を
より後側にして（重心深度を深くして）、スイートエリ
アを広くするために、ソール部およびバック部を形成す
る外殻部材内の下部後側に別体の小さなウェイトを固定
している。なお、スイートエリアとは、ボールの打撃面
であるフェースにおいて、ショットされたボールが安定
して真っ直ぐよく飛ぶ領域のことである。

【０００３】しかし、前記従来の構造では、ヘッドにお
ける重量配分の設定のために、外殻部材とは別体の小さ
なウェイトを用いているため、重量配分の集中が生じ、
適正な重量配分が得にくい。これを解決するには、ウェ
イトを大きくすればよいが、大きなウェイトを外殻部材
の内面に溶接するには、ウェイトに対してヘッド外殻の
形状に合わせる加工が必要になり、工数が多くなる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
金属製で中空なゴルフのウッドクラブヘッドでは、ヘッ
ド本体を２分割あるいは３分割してなる外殻部材を接合
し、さらに、重心深度を深くするために、別体の小さな
ウェイトを外殻部材に固定していたため、適正な重量配
分が得にくく、また、特にウェイトを大きくしようとす
ると、製造の工数が多くなる問題があった。

【０００５】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、適正な重量配分が可能で、しかも、製造
も容易なゴルフのウッドクラブヘッドを提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明のゴルフ
のウッドクラブヘッドは、前記目的を達成するために、
金属製で中空なヘッド本体を、前側のフェース部を形成
する第１の外殻部材と、バック側を形成する第２の外殻
部材と、ソール部、トウ部、ヒール部およびバック部の
残りの部分を形成する第３の外殻部材と、トップ部の残
りの部分を形成する第４の外殻部材とに４分割し、これ
ら４つの外殻部材を接合してなるものである。

【０００７】請求項２の発明は、請求項１の発明のゴル
フのウッドクラブヘッドにおいて、前記４つの外殻部材
は同一材料とし、前記第２の外殻部材は、前記第３の外
殻部材および第４の外殻部材よりも厚肉にしたものであ
る。

【０００８】

【作用】請求項１の発明のゴルフのウッドクラブヘッド
では、第１の外殻部材と第２の外殻部材と第３の外殻部
材と第４の外殻部材とを接合してヘッド本体を構成する
が、各外殻部材で肉厚を変えたりことにより、全体の重
量配分を適宜設定できる。特に、バック側を形成する第
２の外殻部材を重くすることにより、重心深度を深くで
き、スイートエリアを広くできる。

【０００９】さらに、請求項２の発明のゴルフのウッド
クラブヘッドでは、４つの外殻部材は同一材料としてい
るのに対して、第２の外殻部材を厚肉にすることによ
り、重くしている。同一材料からなる外殻部材は、互い
の溶接なども支障なくできる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明のゴルフのウッドクラブヘッド
の実施例について、図面を参照しながら説明する。な
お、図面に示す符号において、各実施例間で対応する部
分には同一数字を用い、各実施例毎に異なる英小文字の
添字を付す。

【００１１】まず、第１実施例を図１から図３に基づい
て説明する。本実施例のゴルフのウッドクラブヘッド
は、ヘッド本体1aが中空な金属製である。この金属は、
純チタン、チタン合金（比重約4.6 ）、ステンレスある
いは他の軽い合金などである。また、図面中、2aは前側
のフェース、3aは後側のバック、4aは下側のソール、5a
は上側のトップ、6aは一側のトウ、7aは他側のヒール、
8aはネックであり、このネック8a内に固定されたシャフ
ト接続用パイプ9aにシャフト10a が接続されている。

【００１２】そして、前記ヘッド本体1aは、第１の外殻
部材11a と第２の外殻部材12a と第３の外殻部材13a と
第４の外殻部材14a とに４分割され、これら４つの外殻
部材11a ，12a ，13a ，14a を互いに接合することによ
り構成されている。前記第１の外殻部材11a は、フェー
ス2a部を形成するものである。ウェイトを兼ねる第２の
外殻部材12a は、バック3a部と、これに隣接するソール
4a部およびトップ5a部のバック3a側の一部を形成するも
のである。第３の外殻部材13a は、ソール4a部、トウ6a
部、ヒール7a部およびバック3a部の残りの部分を形成す
るものである。第４の外殻部材14a は、トップ5a部の残
りの部分を形成するものである。また、各外殻部材11a
，12a ，13a ，14a は、同一材料からなるが、肉厚
は、最も強度を要求される第１の外殻部材11a が最も厚
く、第２の外殻部材12a 、第３の外殻部材13a 、第４の
外殻部材14a の順に薄くなる。

【００１３】つぎに、ヘッドの製造方法について説明す
る。各外殻部材11a ，12a ，13a ，14a は、基本的にプ
レス加工あるいは鍛造によりつくられるが、鋳造による
ことも可能である。そして、４つの外殻部材11a ，12a
，13a ，14a を互いに溶接して接合することによりヘ
ッド本体1aが構成される。また、ネック8aは、第３の外
殻部材13a および第４の外殻部材14a にそれぞれ形成さ
れた半円筒形状部15a ，16a が突き合わされることによ
り形成されるが、シャフト接続用パイプ9aは、両半円筒
形状部15a ，16a 間に挟み込まれ、かつ、下端が第３の
外殻部材13a 内のソール4a部に突き合わされて溶接され
る。さらに、必要ならば、シャフト接続用パイプ9aを介
してヘッド本体1a内に発泡ウレタンなどの充填材（図示
していない）を充填する。ついで、シャフト接続用パイ
プ9aにシャフト10a を接続する。さらに、仕上げ加工を
施す。

【００１４】前記実施例の構成によれば、ヘッド本体1a
を４分割構成としたので、４つの各外殻部材11a ，12a
，13a ，14a の肉厚を変えたりすることにより、ヘッ
ド全体の重量配分を適宜設定でき、かつ、この重量配分
を適正なものとできる。特に、バック3a側のみを形成す
る第２の外殻部材12a を設け、第２の外殻部材12a を厚
肉にして重くしたので、重心深度を深くでき、スイート
エリアを広くできる。すなわち、フェース2aの広い範囲
において、ショットされたボールが安定して真っ直ぐよ
く飛ぶようになる。そして、このような重量配分の設定
のために、外殻部材11a ，12a ，13a ，14a と別体のウ
ェイトを設ける必要がないので、製造上ウェイトに対す
る工数がもとより不要となり、製造が容易になる。ま
た、各外殻部材11a ，12a ，13a ，14a の重さの設定は
肉厚の設定によることとし、各外殻部材11a ，12a ，13
a ，14a は同一材料としたので、これら外殻部材11a ，
12a ，13a ，14a を互いに溶接する上などにおいて有利
である。

【００１５】図４は第２実施例を示すもので、この第２
実施例は、バック3b側を形成する第２の外殻部材12b を
よりトウ6b側に位置させたものである。また、図５は第
３実施例を示すもので、この第３実施例は、バック3c側
を形成する第２の外殻部材12c を逆によりヒール7c側に
位置させたものである。厚肉にしてウェイトを兼用した
第２の外殻部材12b を第２実施例のようによりトウ6b側
に位置させると、ヘッドの重量配分がトウ6b側に、より
偏り、スライスの傾向のあるプレーヤーに適したウッド
クラブになる。一方、第２の外殻部材12c を第３実施例
のようによりヒール7c側に位置させると、ヘッドの重量
配分がヒール7c側に、より偏り、フックの傾向のあるプ
レーヤーに適したウッドクラブになる。

【００１６】また、前記実施例では、第２の外殻部材12
a ，12b ，12c がバック3a，3b，3c部を挟んでソール4
a，4b，4c部およびトップ5a，5b，5c部の一部をも形成
するものとしているが、それに限るものではない。例え
ば、図６に示す第４実施例では、第２の外殻部材12d
は、バック3d部およびソール4d部の一部のみを形成する
ものとし、トップ5d部は、全体を第４の外殻部材14d に
より形成している。このように厚肉にしてウェイトを兼
用した第２の外殻部材12d をより下側に偏らせて位置さ
せることにより、より低重心化できる。低重心化する
と、ショットされたボールが上がりやすくなるととも
に、球足が長くかつ安定したものとなる。

【００１７】一方、図７に示す第５実施例では、第２の
外殻部材12e は、バック3e部およびトップ5e部の一部の
みを形成するものとし、ソール4e部は、全体を第３の外
殻部材13e により形成している。このようにウェイトを
兼ねる第２の外殻部材12e をより上側に偏らせて位置さ
せることにより、ショットされたボールの上昇角度を抑
えられる。これは、ボールが上がり過ぎる傾向のあるプ
レーヤーにとってはよい。

【００１８】さらに、前記実施例のように、第２の外殻
部材あるいは他の外殻部材は、それぞれの各部の肉厚を
均一にする必要は必ずしもない。例えば、図８に示す第
６実施例では、第２の外殻部材12f は、ヒール7f側から
トウ6f側にいくにしたがって次第に肉厚が厚くなってい
く。一方、図９に示す第７実施例では、第２の外殻部材
12g は、トウ6g側からヒール7g側にいくにしたがって次
第に肉厚が厚くなっていく。第６実施例では、ヘッドの
重量配分がトウ6f側に、より偏り、スライスの傾向のあ
るプレーヤーに適したウッドクラブになる。一方、第７
実施例では、ヘッドの重量配分がヒール7g側に、より偏
り、フックの傾向のあるプレーヤーに適したウッドクラ
ブになる。

【００１９】なお、本発明は、前記各実施例に限定され
るものではなく、さらに種々の変形実施が可能である。
例えば、ヘッド本体を４分割する外殻部材の形状は、前
記実施例のものに限らない。また、前記実施例では、４
つの外殻部材を同一材料とし、肉厚の設定により重さの
設定をしているが、４つの外殻部材を適宜異材料とし、
これにより、重さの設定をしてもよい。例えば、バック
側を形成する第２の外殻部材には、他の外殻部材より比
重の大きい材料を用いてもよい。

【００２０】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、金属製で中空
なヘッド本体を、フェース部を形成する第１の外殻部材
と、バック側を形成する第２の外殻部材と、ソール部、
トウ部、ヒール部およびバック部の残りの部分を形成す
る第３の外殻部材と、トップ部の残りの部分を形成する
第４の外殻部材とに４分割し、これら４つの外殻部材を
接合してなるので、ヘッド全体の重量配分を適正なもの
とでき、特に第２の外殻部材を重くすることにより、重
心深度を深くしてスイートエリアを広くできる。しか
も、重量配分の設定のために、外殻部材と別体のウェイ
トを用いないことにより、製造上ウェイトに対する工数
ももとより不要であり、製造を容易にできる。

【００２１】さらに、請求項２の発明によれば、４つの
外殻部材は同一材料とし、第２の外殻部材は、第３の外
殻部材および第４の外殻部材よりも厚肉にしたので、外
殻部材相互を例えば溶接により容易に接合でき、しか
も、第２の外殻部材を重くできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のウッドクラブヘッドの第１実施例を示
す分解斜視図である。

【図２】同上斜視図である。

【図３】同上断面図である。

【図４】本発明のウッドクラブヘッドの第２実施例を示
す分解斜視図である。

【図５】本発明のウッドクラブヘッドの第３実施例を示
す分解斜視図である。

【図６】本発明のウッドクラブヘッドの第４実施例を示
す断面図である。

【図７】本発明のウッドクラブヘッドの第５実施例を示
す断面図である。

【図８】本発明のウッドクラブヘッドの第４実施例を示
す第２の外殻部材および第３の外殻部材の平面図であ
る。

【図９】本発明のウッドクラブヘッドの第５実施例を示
す第２の外殻部材および第３の外殻部材の平面図であ
る。

【符号の説明】

1a，1d，1e ヘッド本体 2a，2b，2c，2d，2e フェース 3a，3b，3c，3d，3e，3f，3g バック 4a，4b，4c，4d，4e，4f，4g ソール 5a，5b，5c，5d，5e トップ 6a，6b，6c，6f，6g トウ 7a，7b，7c，7f，7g ヒール 11a ，11b ，11c ，11d ，11e 第１の外殻部材 12a ，12b ，12c ，12d ，12e ，12f ，12g 第２の外殻
部材 13a ，13b ，13c ，13d ，13e ，13f ，13g 第３の外殻
部材 14a ，14b ，14c ，14d ，14e 第４の外殻部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製で中空なヘッド本体を、前側のフ
   ェース部を形成する第１の外殻部材と、バック側を形成
   する第２の外殻部材と、ソール部、トウ部、ヒール部お
   よびバック部の残りの部分を形成する第３の外殻部材
   と、トップ部の残りの部分を形成する第４の外殻部材と
   に４分割し、これら４つの外殻部材を接合してなること
   を特徴とするゴルフのウッドクラブヘッド。
2. 【請求項２】 前記４つの外殻部材は同一材料とし、前
   記第２の外殻部材は、前記第３の外殻部材および第４の
   外殻部材よりも厚肉にしたことを特徴とする請求項１記
   載のゴルフのウッドクラブヘッド。