JPH0727075B2 - 放射性廃棄物の固化処理方法 - Google Patents

放射性廃棄物の固化処理方法

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JPH0727075B2
JPH0727075B2 JP61111942A JP11194286A JPH0727075B2 JP H0727075 B2 JPH0727075 B2 JP H0727075B2 JP 61111942 A JP61111942 A JP 61111942A JP 11194286 A JP11194286 A JP 11194286A JP H0727075 B2 JPH0727075 B2 JP H0727075B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は核燃料再処理施設等の原子力施設で発生した中
レベルないし低レベルの放射性廃棄物の処理方法に係
り、特に充填率が高く、長期にわたる安定性、耐久性に
優れた固化体を容易に製造し得る放射性廃棄物の固化処
理方法に関する。
(従来の技術) 従来より核燃料再処理施設で発生する、例えば放射性濃
縮廃液やスラッジ等の放射性廃棄物の処理方法として、
濃縮廃液についてはアスファルト固化処理が行われ、ス
ラッジ類についてはそのまま貯蔵することが行なわれて
いる。
この固化法においては、放射性廃液は濃縮乾燥され、主
として硝酸ナトリウムからなる粉体とされた後、この放
射性廃棄物が、アスファルトからなる固化材により固化
される。しかし、このような方法により固化処理されて
放射性廃棄物の固化体が得られたとしても現在のところ
その多くは最終処分の方法が未だ確立されていない状態
にある。一方、BWR発電所から発生する放射性廃棄物に
ついては中間貯蔵体の状態で暫定貯蔵する方法も近年提
案されている。
この方法は、放射性廃棄物を乾燥処理し大幅に減容した
後、これをペレット化処理して安定な中間貯蔵体を製造
し、原子力施設内の貯蔵タンクに一時貯蔵する方法であ
る。この方法によれば、乾燥処理後の粉体放射性廃棄物
に圧縮力が加えられペレット化されるので高い減容率が
得られる。
しかし核燃料再処理施設で発生する137Cs、Srでは放射
能の半減期が約30年であり、このような方法で放射能を
減衰させることは事実上不可能であり、仮にできたとし
ても一定期間貯蔵されて放射能が減衰した後に改めて安
定な固化体パッケージとして一体に固化させる必要があ
る。
また再処理施設からはこのような廃棄物以外に金属の切
断片やフィルター、パッキンといった雑固体廃棄物が発
生することが知られている。これらはその種類が非常に
多種にわたりかつ形状も不定であるため現時点では必要
に応じて適当に切断され、貯蔵容器中に入れられてい
る。このような雑固体も安定な固化体パッケージとして
一体に固化させる必要がある。
このような放射性廃棄物を固化体パッケージ化する方法
としては、従来より用いられている前述の固化材により
処理が考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、前述したアスファルト固化法では固化材が有機
物であるため数百年あるいはそれ以上の長期にわたる安
定性という点で問題がある。また固化材としてセメント
を用いる方法も考えられるが、この場合多量の水が必要
なため固化処理の際にその水分により、特にペレット状
放射性廃棄物を固化する時に、ペレットの吸水、膨潤に
よるペレットおよび固化材の劣化が生じる可能性があ
り、硬化に必要な水量を最小限度まで抑えたセメントを
用いた場合には、ペレットおよび固化材の劣化は防止す
ることが可能であるが、固化材の粘性が大きくなり、そ
のため緻密にペレットを充填することが難しくなるとい
う問題がある。
また形成された放射性廃棄物の固化体は、最終的な処分
時においても固化体中の放射性物質を環境中に放出させ
ないことが必要であるが、固化体硬化時に必要な量以上
の水分が固化体中に存在していると、この余分な水分は
固化体形成中に乾燥などにより蒸発し、固化体が微視的
にはポーラス状になってしまう可能性がある。この結
果、固化体の安定性、耐久性を著しく低下させることに
なる。
以上の理由により安定な固化体パッケージを製造するた
めには、固化材は添加水量が可能な限り少量であり、か
つ低粘性であることが必要とされる。しかし含水量が少
なく、かつ低粘性であるという相反する二つの条件を同
時に満足させる固化材を製造することは非常に困難であ
った。
本発明はかかる従来の放射性廃棄物の固化処理方法の欠
点を解消しようとするものであり、放射性廃棄物、特に
減容性に優れたペレット状放射性廃棄物中間貯蔵体を、
耐熱性に優れ、かつ長期間にわたる貯蔵に対し化学的に
も機械的にも安定な固化体パッケージとして一体に固化
させる方法を提供しようとするものである。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明の放射性廃棄物の固化処理方法は、原子力施設で
発生した放射性廃棄物を、(イ)ポルトランドセメント
と、(ロ)骨材と、(ハ)無機質流動化材と、(ニ)縮
合リン酸塩からなる分散剤とを混合した水硬性固化材に
よって一体に固化させることを特徴とする。
本発明における処理対象の放射性廃棄物は、粉体、ペレ
ット、雑固体、スラッジ、あるいはこれらの混合物のう
ちのいずれでもよい。
本発明に使用する(イ)成分のポルトランドセメント
は、カルシウムシリケートとカルシウムアルミネートを
主成分とした水硬性セメントである。
また(ハ)成分の無機質流動化材としては、粒径10μm
以下の無機質酸化物が使用可能であり、例えばアルミナ
質微粉、シリカ質微粉、あるいはこれらの混合物等が例
示される。
(ニ)成分の分散剤としては分散効果が大きくかつ無機
で安定な縮合リン酸塩が使用され、縮合リン酸塩として
は、例えばピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、
テトラポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウ
ルトラポリリン酸ソーダ等が例示される。
(作用) 本発明において固化材に分散剤と無機質流動化材を加え
ることによって、粒度が調整された無機質流動化剤の粒
子1個1個が分散され、結合材中の10μm以下の微細粒
子も分散されて結合材と骨材の間に入り込み、これらの
粒子間の滑りを向上させる。その結果、固化材を構成す
る粒子は添加水の中に均一に分散し、動き易い状態とな
る。従って固化材充填時に固化材が処理対象の廃棄物の
表面を流れ易く、容易に固化体パッケージの容器中を隙
間なく充填することが可能であり、緻密な固化体パッケ
ージを形成することができる。
そして従来の固化材では硬化に必要な水以外に混練時に
結合材や骨材を均一に混合するために、また適度の流動
性を与えるために、多量の水を添加しなければならなか
ったが、本発明における固化材では無機質流動化材と分
散剤により流動性が与えられるため、添加水量は結合材
の硬化に必要な最小限の量ですむ。従って固化体中には
結晶中に取込まれた結晶水以外の水分はほとんど存在し
なくなるため、緻密で安定な固化体を得ることが可能で
ある。
さらに、分散剤として有機系を使用せずに無機の縮合リ
ン酸塩を使用することにより、長期間変質のない安定な
固化体を得ることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1〜5 第1表に示す組成で、ポルトランドセメントと骨材およ
び無機質流動化材とを均一に混合し、添加水と分散剤を
加え、これらを混練し、5種類のスラリー状固化材を得
た。第1表の数値は重量部で示してある。混練は20〜25
℃の雰囲気で行ない、固化体と混練液を混合後約1〜5
分間機械混練を行なった。
また比較例として、無機質流動化材または分散剤を加え
ずに、第1表に示す組成で同様にして4種類の固化材を
得た。
上述した固化材の各々について流動性を評価した。その
結果を第1表に示す。
この結果から、無機質流動化材と分散剤とを用いた固化
材の方が、これらを用いなかった固化材に比べ著しく流
動性が向上することが分る。しかも従来の固化材に比べ
著しく低粘性であり、かつ含水量は少量である。
次に固化材の充填性およびペレット成分の溶出の程度を
調べるために、実施例1、2および比較例3、4の固化
材を用いて、核燃料再処理施設から発生する放射性廃液
のペレットを模擬した物質を充填固化したところ、第2
表に示すとおりであった。
この結果から、無機質流動化材と分散剤とを用いた固化
材においては、低粘性で流動性が大きいので、ペレット
間の空隙を十分に充填できることがわかる。しかも固化
体中の水分は硬化に必要な最小限の量なのでペレットの
吸湿による溶出や膨潤は生じなかった。そして固化体中
の自由水が著しく少ないため、乾燥による自由水蒸発後
のペレット成分からの溶出や水中における溶出は全く見
られなかった。
次に雑固体廃棄物充填時の充填性を調べるために、実施
例1および比較例3の固化材を使って、核燃料再処理施
設から発生する雑固体廃棄物を模擬した物質を充填固化
した。その結果は第3表に示すとおりであった。ただし
表中の○は「充填状態良好」、△は「充填状態が良好で
はない」、×は「充填状態が悪い」を示す。
この結果からわかるように、通常のセメントを用いた固
化材ではゴムパッキンや耐火レンガといった比較的単純
な形状のものでも小空隙への充填は不可能であり、金属
の切断片といった複雑なものでは充填はできなかった
が、実施例の固化材では、どのような形状の雑固体でも
隙間なく充填固化することが可能である。
従来のセメント固化法において用いていた固化材は、多
量の水分を含むため形成した固化体中に結晶中に取込ま
れる結晶水と、自由水が存在し、特にペレット状放射性
廃棄物を固化体化する場合に、この自由水にペレットが
侵され、ペレットが比較的耐水性に欠けるために溶解あ
るいは膨潤を起こし、一部破壊されるという難点があっ
た。しかし実施例に示したように、固化体に無機質流動
化材と分散剤を加えることによって固化体に加える添加
水の量を必要最小限に抑えることができるので、形成さ
れた固化体中に自由水はほとんど存在しない。そのため
ペレット状放射性廃棄物を固化体化する場合にペレット
の吸水による膨潤や溶解、固化材の劣化が生じることが
なく、固化体形成時の水の蒸発によって固化体がポーラ
ス状になることもなく安定な固化体が得られる。また、
分散剤と無機質流動化材を固化材に加えることにより、
流動性の大きい固化材が得られ、それによって隙間のな
い緻密な固化体を形成することができる。
この結果放射性物質を完全に固化体中に封じ込めること
ができ、長期にわたって化学的にも機械的にも安定な固
化体パッケージを容易に形成することが可能である。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の放射性廃棄物の固化処理方
法においては、含水量が少なく、かつ低粘性の水硬性固
化材によって放射性廃棄物を固化することにより、放射
性廃棄物を高い充填率で、長期にわたって化学的にも機
械的にも安定な固化体パッケージを容易に形成すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 正和 東京都千代田区内幸町1丁目1番7号 日 本原子力事業株式会社内 (72)発明者 川西 宣夫 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 杉野 太加夫 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番 東芝セラ ミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者 松尾 和昭 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番 東芝セラ ミックス株式会社刈谷製造所内 (56)参考文献 特開 昭61−215999(JP,A) 岡田 清、六車 煕編改訂新版「コンク リート工学ハンドブック」(平2−7− 1)朝倉書店P.48−55,84−85,139

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子力施設で発生した放射性廃棄物を、 (イ)ポルトランドセメントと、 (ロ)骨材と、 (ハ)無機質流動化材と、 (ニ)縮合リン酸塩からなる分散剤と を混合した水硬性固化材によって、一体に固化させるこ
    とを特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法。
  2. 【請求項2】放射性廃棄物が、粉体、ペレット、雑固体
    およびスラッジから選ばれた1種または2種以上からな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放射性
    廃棄物の固化処理方法。
  3. 【請求項3】無機質流動化材が、粒径10μm以下の、ア
    ルミナ質微粉、シリカ質微粉等の無機質酸化物のうちか
    ら選ばれた1種または2種以上からなることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項または第2項記載の放射性廃棄
    物の固化処理方法。
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JPH1172594A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Toshiba Corp 放射性廃棄物の固化方法
GB0130593D0 (en) 2001-12-21 2002-02-06 British Nuclear Fuels Plc Treatment of waste products

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岡田清、六車煕編改訂新版「コンクリート工学ハンドブック」(平2−7−1)朝倉書店P.48−55,84−85,139

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