JPH07270629A - プラスチック光ファイバ製造用紡糸ブロック、その製造方法及びプラスチック光ファイバの製造方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバ製造用紡糸ブロック、その製造方法及びプラスチック光ファイバの製造方法

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JPH07270629A
JPH07270629A JP6061241A JP6124194A JPH07270629A JP H07270629 A JPH07270629 A JP H07270629A JP 6061241 A JP6061241 A JP 6061241A JP 6124194 A JP6124194 A JP 6124194A JP H07270629 A JPH07270629 A JP H07270629A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 複数枚の板状部材の貼合せにより構成され
る芯鞘複合型プラスチック光ファイバ製造用溶融紡糸ブ
ロックであって、前記板状部材の貼合せ面の外周が耐熱
性樹脂シール材の塗布によりシールされ、かつ、貼合せ
面が平面度30μm以下に平滑化されている。この紡糸
ブロックを用いて、ポリメチルメタクリレート系重合体
を芯成分とし含弗素系樹脂を鞘成分とする芯鞘複合型プ
ラスチック光ファイバを製造する。 【効果】 2か月間或いはそれ以上のような長期間、
プラスチック光ファイバを連続して製造しても、光ファ
イバの経時的な特性悪化が生じないので、着色がなく伝
送特性に優れたプラスチック光ファイバの長期間にわた
る連続生産が可能となる。特に400〜450nm付近
での伝送特性に優れたプラスチック光ファイバの長期間
連続生産が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着色がなく伝送特性に
優れたプラスチック光ファイバを、工業的に安定して製
造するために有効な紡糸ブロックに関するものである。
更に詳しくは、連続生産を続けても着色や伝送特性悪化
が殆ど生じず、長期間にわたる安定生産が可能な紡糸ブ
ロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス系光学繊維と比較してコストや加
工性に優れた有機系光学繊維(即ちプラスチック光ファ
イバ)は、映像や装飾用、OAネットワークなどの近距
離通信用、さらにはカーエレクトロニクスに用いられる
自動車用などに、今後の需要の大きな伸びが期待されて
いる。
【0003】このプラスチック光ファイバは、一般的
に、芯材用重合体と鞘材用重合体とを複合紡糸ヘッドに
供給して溶融紡糸するいわゆる溶融複合紡糸技術によっ
て製造されている。
【0004】このようなプラスチック光ファイバの製造
においては重合体中に異物が混入しないように細心の注
意が払われる。例えば、芯材となるポリメチルメタクリ
レートは、メチルメタクリレートの精製、重合及び脱モ
ノマの全工程を具備した装置で連続的に重合され、その
後、脱モノマされた重合体は溶融複合紡糸装置へと連続
的に供給されて複合紡糸されて光ファイバが製造される
のであるが、この一連の工程における異物混入を防止す
るために、精製、重合、脱モノマ、紡糸の各装置部分は
直結された連続系となっている。
【0005】そして、この光ファイバ製造系は、異物混
入の防止のために、汚れがなくかつシール性良好となる
ように、念入りにチェックされて組立られるので、一旦
運転を開始すると数か月間或いはそれ以上のような長期
間に渡って連続的に生産が続けられる。
【0006】このプラスチック光ファイバの溶融複合紡
糸において用いられる複合紡糸ブロックは、通常の熱可
塑性合成繊維製造用の複合紡糸ブロックと同様、複数枚
の板状部材の積層から構成されている。
【0007】このように複数枚の板状部材の積層で構成
される複合紡糸ブロックは、ブロックの加工精度を高め
ることが容易で、また、休転時の解体及び洗浄が容易で
あるという点において優れているが、その板状部材の貼
合せ面の気密性が問題となり易い。そこで、その気密性
を向上させるために、その板状部材の貼合せ面を可能な
限り平滑になるように研磨加工したり、また、パッキン
グ材を挟ませることが行われてきており、ポリマの洩れ
出しのようなシール制不良トラブルを生じることなく、
光ファイバを長期間連続して製造することができてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光ファイバ生
産開始後のしばらくの間に得られる光ファイバは伝送特
性が優れているものの、経時的に伝送特性が悪化してい
き、2、3か月経過後に得られる光ファイバは、黄着色
がみられ伝送特性がかなり劣る物となって商品価値が大
幅に低下するという大きな問題があった。
【0009】この問題を回避するためには、1〜2か月
に1度のような頻度で製造を中止して装置を解体、洗浄
すればよいが、このような頻繁な解体・洗浄作業は、生
産効率の面から大きな問題がある。
【0010】そこで、本発明は、上記のような従来技術
の問題点を解消し、2か月間或いはそれ以上のような長
期間にわたって連続的に光ファイバ製造を続けても着色
が生じず伝送損失に優れたプラスチック光ファイバを得
ることができる製造装置を提供することを主たる目的と
する。
【0011】また、光ファイバの品質を悪化させること
なく、溶融紡糸装置の洗浄周期を大幅に長期化すること
を別の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のプラスチック光ファイバ製造用紡糸ブロッ
クは、複数枚の板状部材の貼合せにより構成される芯−
鞘複合型プラスチック光ファイバ製造用溶融紡糸ブロッ
クにおいて、前記板状部材の貼合せ面の外周が耐熱樹脂
シール材の塗布によりシールされ、且つ、貼合せ面が平
面度30μm以下に平滑化されていることを特徴とす
る。
【0013】本発明における芯鞘複合型プラスチック光
ファイバは、芯成分として透明性に優れた重合体を用
い、鞘成分として芯成分よりも屈折率の低い重合体等を
用いてなる光ファイバである。
【0014】その芯成分重合体は透明性に優れた樹脂で
あれば特に限定されないが、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)、その共重合体、重水素化PMMA,ポリ
スチレン、ポリカーボネート、アクリル系架橋ポリマ、
シリコン系ポリマなどを用いることができ、特にポリメ
チルメタクリレート系重合体が好ましい。
【0015】その鞘成分重合体は、芯成分重合体よりも
屈折率の低い樹脂であれば特に限定されないが、例え
ば、弗化ビニリデン系共重合体、弗化エチレン系共重合
体、パーフルオロメタクリレート系重合体、α−フルオ
ロアクリレート系重合体、アクリル酸エステル系重合体
などが挙げられ、特に含弗素系重合体が好ましい。
【0016】次に、本発明の紡糸ブロックを図面に基づ
き詳細に説明する。
【0017】図1〜3は本発明の紡糸ブロックの一実施
態様を示すものであり、図1はその紡糸ブロックを組み
込んだ複合紡糸装置の概略縦断面図、図2はその紡糸ブ
ロック部分を取出して模式的に示す斜視図、また、図3
はその部分拡大縦断面図である。
【0018】図において、1は芯成分重合体供給用連絡
管、2は鞘成分重合体供給用押出し装置、3、4はそれ
ぞれ芯成分重合体用、鞘成分重合体用の計量用ギヤポン
プ、5は紡糸ブロックで、8は加熱用ヒータブロックで
ある。また、紡糸ブロック5は、9、10、11で示さ
れる3枚の板状部材で構成され、その各々の貼合せ面6
の外周はシール材7が塗られてシールされている。さら
に、そのシール材7は、その各々の貼合せ面6の外周部
の窪みに充填されている。
【0019】この板状部材の材質としては、炭素鋼、特
殊鋼、ステンレス鋼、高速度鋼などの各種金属材料が使
用できるが、加工性、力学特性、熱特性、耐腐食性、及
びコストの点からSUS304、SUS316等のステ
ンレス鋼の使用が好ましい。
【0020】複数枚の板状部材で構成された紡糸ブロッ
クの気密性を高めるためには各板状部材の貼合せ面を可
能な限り平滑にして平面度を小さくすることが重要であ
る。その平滑化の方法としては、平削り盤、フライス
盤、研削盤、ラップ盤等の工作機械による機械加工が挙
げられる。また、機械加工後に、耐腐食性、耐熱性、耐
摩耗性を付与する目的でニッケル、クローム、アルミニ
ウム等の表面メッキ処理、あるいはテフロン樹脂コーテ
ィング等の表面処理を施しても構わない。
【0021】このようにして平滑化された張り合せ面
は、平面度30μm以下であることが、板状部材を複数
枚重ねて紡糸ブロックとして使用した場合の各板状部材
間の貼合せ面の密着性を良好にして空気などの異物の侵
入を防止するために、必要である。好ましくは平面度2
3μm以下である。
【0022】この平面度は、小さい程、板状部材の平滑
性は良好であり、図4に示す測定法により求めることが
できる。
【0023】図4において12は板状部材、13は金属
製精密定盤(ナベヤ(株)製のグラナイト精密石定盤・
JIS00級)、14はインジケータ(ミツトヨ(株)
製のダイヤルゲージ・品番2110F)である。精密定
盤13上に板状部材12を置き三本足で固定し、板状部
材の面上のできるだけ離れた3点で板状部材面と定盤面
を平行に調整する。そして、インジケータ14を移動さ
せることによって平面度を測定し、その平均値でもって
表す。
【0024】平面度が30μmを越えると、貼合せ面の
外周部にシール材を塗布しても、2か月間以上連続的に
溶融複合紡糸するうちに、紡糸ブロックの板状部材の歪
みや反り等が発生して充分なシール効果が得られなくな
り、黄色に着色した伝送損失の悪い光ファイバが生産さ
れてくる。
【0025】図2は本発明の紡糸ブロックの一例を示す
模式斜視図である。
【0026】図に示すように本発明の紡糸ブロックで
は、板状部材間の貼合せ面の外周15に沿ってシール材
7が塗布されている。
【0027】このシール材の塗布を行わないと、平面度
30μm以下まで平滑化しても、高温度下で長期間使用
した場合の板状部材の歪み、反り等の発生による平面度
の悪化に伴って、空気のような気体が貼合せ面間の僅か
な隙間から侵入するので、本発明の目的は達成できな
い。
【0028】本発明で使用するシール材は、プラスチッ
ク光ファイバの一般的な紡糸温度である200〜300
℃という高温下で2か月間以上のような長期間使用して
もシール効果を維持できる程度の耐熱性を有すれば良
く、なかでも、製造終了後の解体作業及び洗浄の際の容
易さの点から、容易に剥離可能なゴム状被膜を形成する
物が好ましい。例えば、紡糸温度の雰囲気中に3か月以
上、好ましくは6か月以上、さらに好ましくは12か月
以上、保持しても流動し始めない或いは劣化しない程度
の耐熱性であればよく、具体的には、“スリーボンド1
209”のような硬化型シリコーン系樹脂製シール材が
挙げられる。
【0029】また、シール材は、25℃の環境下でBH
型粘度計を使用して求めた測定値が1000〜5000
ポイズの範囲内である粘度を有することが、シール材の
塗布作業性やシール効果の持続性等の点から好ましい。
【0030】シール材の粘度が1000ポイズ未満と低
過ぎると、光ファイバ生産時の紡糸ブロックはかなり高
温に維持されるので、経時的に流動性を増していってシ
ール材が徐々に流出していき、シール効果の長期間にわ
たる維持が難しい。逆に、シール材の粘度が5000ポ
イズを越えると極めて流動し難いので、板状部材間の貼
合せ面の外周にシール材を均一に塗布することが困難で
あり、さらに、一旦塗布されたシール材も剥離され易く
シール効果の持続が難しい。
【0031】また、図1や図2に示したように板状部材
間の貼合せ面の外周部に窪みを設け、この窪みの中がシ
ール材で充填されるようにシール材を塗布すると、シー
ル材の塗布面積が拡大し、しかも、均一に塗布すること
ができるので、長期間高温下においてもさらに剥離し難
くなり、長期間の連続生産時のシール効果の維持にさら
に有効である。
【0032】この窪みの形状は、図1〜3に示すような
V溝形状が一般的であるが、U溝形状や、中央凸の低い
W溝的形状等の他の形状であってもよく、要は、シール
材が充填され得る窪みであればよい。
【0033】図1の装置において、光ファイバは次のよ
うに製造される。
【0034】芯成分重合体及び鞘成分重合体はそれぞれ
溶融状態でギヤポンプ3、4に入って計量され、個々に
紡糸ブロック5内に供給される。
【0035】紡糸ブロック内の板状部材9、10、11
には、それぞれ、芯成分重合体の流路、鞘成分重合体の
流路が刻まれていて、その流路を流下する間に、通常の
方法によって芯鞘複合流が形成される。即ち、流路によ
って各重合体は複数本に分岐された後に同心芯鞘状に複
合されて芯鞘構造となり、その流路下端から吐出され
る。なお、複数本に分岐された各重合体は、紡糸ブロッ
クの流路下端に取付けられた紡糸ノズル内で同心芯鞘状
に複合され吐出されてもよい(図示なし)。
【0036】吐出された光ファイバは、通常の方法で、
冷却、固化された後に、通常はさらに延伸された後に、
巻取られてプラスチック光ファイバとなる。
【0037】
【作用】プラスチック光ファイバ製造用には、複数枚の
板状部材から構成される紡糸ブロックが一般的に使われ
ていて、その気密性を高めるために従来から種々の手段
が講じられてきた。例えば、板状部材の貼合せ面を可能
な限り平滑化させる手段やパッキング材を挟ませる手段
が行われてきた。しかし、従来の紡糸ブロックでは、光
ファイバを数か月間連続生産すると、ポリマの洩れ出し
トラブルは生じないものの、光伝送特性の経時的な悪化
や着色が生じてくる。
【0038】そこで、これら経時的に発生する品質低下
を検討したところ、重合体中に粉塵や空気などが侵入し
て、光の散乱、泡、ポリマ劣化等が生じていることを、
さらに、その粉塵や空気などの侵入は、意外にも、気密
性を高めるための手段を十分に講じていたはずの紡糸ブ
ロック部分から生じていることをつきとめた。
【0039】プラスチック光ファイバの紡糸は一般的に
200〜300℃という高温下で行うわれるため、従来
の紡糸ブロックの気密性を高める方法では、2か月間或
いはそれ以上のような長期連続生産を実施した場合に
は、各板状材の歪みや反り、或いはパッキングの変形等
が生じ易い。このような歪み、反り等が生じても、それ
により生じる隙間は極めて微小であるので、外側へとポ
リマが洩れ出すことはないが、粉塵や空気等の微小な物
質は通過でき、これら粉塵や空気等が外側から極く僅か
侵入してきてポリマの汚染を生じさせているものと考え
られる。
【0040】これら粉塵や空気等の侵入してくる量は極
く僅かでも、紡糸装置内部に徐々に蓄積されていき、数
か月間経過後には、光ファイバの伝送特性の悪化や黄着
色となって顕在化してくる。即ち、重合体は空気との接
触による酸化劣化を生じ、伝送損失が悪化する。この酸
化劣化による伝送損失の悪化は、プラスチック光ファイ
バが一般的に使用される可視光の波長である380〜7
80nmの中で、特に400〜450nm付近の低波長
域での吸収により生じるため、得られるファイバは、白
色光下で黄色に着色して見える。
【0041】そして、このトラブルは、芯成分重合体と
してポリメチルメタクリレート系重合体を用いる場合に
大きかった。
【0042】これに対し、本発明は、貼合せ面の外周に
耐熱性樹脂シール材を塗布し、さらに好ましくは、その
外周部に窪みを設けてシール材を充填させているので、
2か月間以上のような長期間連続的に溶融複合紡糸して
板状部材間に僅かな隙間が生じても良好なシール性を維
持することができる。従って、本発明によると、空気等
との接触による重合体の参加劣化を防止でき、伝送特性
の悪化や黄着色の発生を長期間にわたって防止すること
ができ、伝送特性に優れ着色のないプラスチック光ファ
イバを長期間安定して製造することができる。
【0043】
【実施例】以下の実施例中における測定は次の方法によ
った。
【0044】<平面度>室温、65%RHの環境下で図
4に示した装置を用い、前述した方法で測定する。
【0045】<伝送損失>室温、65%RHの環境下
で、光源として、波長450nmのハロゲン平行光、及
び、650nmのハロゲン平行光をそれぞれ用い、30
m−2mのカットバック法によって測定する。
【0046】<光ファイバの黄着色>室温、65%RH
の環境下で、30m長の光ファイバに、100V−50
Wの蛍光灯を用いて、光ファイバの端部より光を入射
し、出射光の黄着色の有無を目視にて観察して判定す
る。
【0047】<シール材の粘度>25℃の環境下でBH
型粘度計を使用して測定する。
【0048】[実施例1〜4、比較例1〜2]精製、重
合、脱モノマ及び紡糸の各装置が直結している連続系の
製造装置を用いて、連続して光ファイバを製造した。
【0049】その紡糸には、図1に示す装置(材質はS
US316であり、3枚貼合せの紡糸ブロックからな
る)を用い、芯材重合体には、精製、重合、脱モノマを
経て得られた平均分子量85000、残存モノマ含有率
0.1重量%のポリメチルメタクリレートを供給し、一
方、鞘材重合体には、弗化ビニリデン/テトラフルオロ
エチレン共重合体を供給し、外径1.0mmφ、鞘厚み
0.007mmのプラスチック光ファイバを得た。紡糸
ブロックの温度は230℃とした。
【0050】その際、紡糸ブロックの平面度、貼合せ面
の外周部へのシール材塗布の有無、及び、シール材の粘
度について、表1のように変更して行った。
【0051】シール材としては、室温硬化型シリコーン
樹脂からなるシール材(“スリーボンド1209”スリ
ーボンド(株)製)を用い、貼合せ外周部のV字状の窪
み中にも充填させた。
【0052】生産開始から3か月後、5か月後、10か
月後に得られた光ファイバについて、波長450nm、
650nmにおける伝送損失、及び黄着色の有無を測定
し、その結果を表1に示した。
【0053】本発明の紡糸ブロックを用いて製造された
光ファイバは運転開始から3か月や5か月経過後も勿
論、10か月経過後でも、伝送特性の悪化や黄着色がみ
られず、優れた特性の光ファイバが得られた。
【0054】一方、本発明外の条件で製造された光ファ
イバは、経時的な伝送特性の悪化がみられ、特に波長4
50nmにおける伝送特性の悪化が著しかった。さら
に、得られた光ファイバは黄着色して著しく品位の劣る
ものであった。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明の紡糸ブロックを用いると、2か
月間或いはそれ以上のような長期間、プラスチック光フ
ァイバを連続して製造しても、光ファイバの経時的な特
性悪化が生じず、着色がなく伝送特性に優れたプラスチ
ック光ファイバを長期間にわたって連続生産することが
可能となる。
【0057】特に400〜450nm付近での伝送特性
に優れたプラスチック光ファイバを長期間連続して製造
することが可能となる。
【0058】また、光ファイバの品質を悪化させること
なく、溶融紡糸装置の洗浄周期を大幅に長期化すること
が可能となる。
【0059】従って、プラスチック光ファイバの生産効
率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡糸ブロックの一実施形態を示すもの
であって、その紡糸ブロックを組み込んだ複合紡糸装置
の概略縦断面図である。
【図2】本発明の紡糸ブロックの一実施態様を示す模式
斜視図である。
【図3】本発明の紡糸ブロックの一実施形態を示す部分
拡大縦断面である。
【図4】本発明において、板状材料の平面度の測定手段
を例示する測定装置模式図である。
【符号の説明】
5:紡糸ブロック、 6:貼合せ面、 7:シール材、
9、10、11:板状部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の板状部材の貼合せにより構成
    される芯鞘複合型プラスチック光ファイバ製造用溶融紡
    糸ブロックにおいて、前記板状部材の貼合せ面の外周が
    耐熱性樹脂シール材の塗布によりシールされ、且つ、貼
    合せ面が平面度30μm以下に平滑化されていることを
    特徴とするプラスチック光ファイバ製造用紡糸ブロッ
    ク。
  2. 【請求項2】 前記紡糸ブロックの貼合せ面の外周部
    に窪みがあり、該窪み内に耐熱性樹脂シール材が充填さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のプラスチック
    光ファイバ製造用紡糸ブロック。
  3. 【請求項3】 前記耐熱性樹脂シール材が硬化型シリ
    コーン樹脂からなるシール材であることを特徴とする請
    求項1又は2記載のプラスチック光ファイバ製造用紡糸
    ブロック。
  4. 【請求項4】 前記板状部材の材質がステンレス鋼で
    あることを特徴とする請求項1、2又は3記載のプラス
    チック光ファイバ製造用紡糸ブロック。
  5. 【請求項5】 粘度が1000〜5000ポイズの耐
    熱性樹脂シール材を、前記板状部材の貼合せ面の外周に
    塗布することにより、請求項1、2、3又は4記載のプ
    ラスチック光ファイバ製造用紡糸ブロックを製造するこ
    とを特徴とするプラスチック光ファイバ製造用紡糸ブロ
    ックの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3又は4記載のプラス
    チック光ファイバ製造用紡糸ブロックを用いて、ポリメ
    チルメタクリレート系重合体を芯成分とし含弗素系樹脂
    を鞘成分とする芯鞘複合型プラスチック光ファイバを製
    造することを特徴とするプラスチック光ファイバの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 プラスチック光ファイバが、波長45
    0nmハロゲン平行光と650nmのハロゲン平行光と
    で測定される伝送損失の比が0.65以下の特性を有す
    ることを特徴とする請求項6記載のプラスチック光ファ
    イバの製造方法。
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