JPH07270074A - 溶解保持炉の均熱構造 - Google Patents

溶解保持炉の均熱構造

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JPH07270074A
JPH07270074A JP8388794A JP8388794A JPH07270074A JP H07270074 A JPH07270074 A JP H07270074A JP 8388794 A JP8388794 A JP 8388794A JP 8388794 A JP8388794 A JP 8388794A JP H07270074 A JPH07270074 A JP H07270074A
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melting
holding
temperature
soaking
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Masayuki Inukai
正幸 犬飼
Norio Nishi
典男 西
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Daiki Aluminium Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高い均熱状態を保ち、溶融金属内に含まれる添
加物や不純物の分布が均一で、鋳造されたインゴット等
の偏析が少ない高品位の鋳造品。 【構成】被予熱材投入口が上部に形成されている予熱タ
ワー1と、予熱タワー1の下部に形成され、溶解バーナ
11が設置されていて予熱タワー1から降下して来た被
予熱材が溶解される加熱溶解部2と、連通口13によっ
て加熱溶解部2に連通され、溶解金属が連通口13を通
って流入し、流入金属を所定の温度に保つ均熱保持部3
と、連通口21にて均熱保持部3に連通し、均熱状態に
保持された溶湯を汲み出すウエル4とで構成され、溶湯
保持源としての浸漬ヒータ18の発熱部全体が均熱保持
部4の溶湯内に浸漬されて、溶湯の温度調節がなされ
る、溶解保持炉A。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浸漬ヒータを利用した溶
解保持炉の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、手許炉の溶湯補給システムとして
は、ルツボ炉を用いて連続溶解するものと、集中溶解炉
から溶湯を保持炉専用の手許炉へ取鍋等で運搬し、配湯
するものとが知られている。ところが、前者のルツボ炉
利用ものもにあっては、溶湯中へ被予熱材料を直接差し
込んで溶解するようにしているので、湯温調節の関係上
定期的に少量の材料を投入しなければならず、溶解能力
と熱効率が低いという問題があり、しかも安全面・溶湯
品質面から頻繁なルツボ交換が必要となって多くの費用
と労力がかかり、メインテナンスコストが大きいという
問題があった。
【0003】また、後者の集中溶解方式の場合にあって
は、溶解量の変動が大きいとトータルコストの面で大き
な損失となる為、常に大量の溶解量を確保する必要があ
り、材質が多種多様化して来たアルミニウム等の材料の
溶解に使用し難い問題があり、しかも配湯過程において
溶湯温度が低下する為必然的に集中溶解炉からの出湯温
度をその低下分だけ高くしなければならず省エネルギー
などの点で問題があった。
【0004】そこで、図5に示すようにアルミニウム等
の金属を連続溶解保持する金属溶解保持炉(B)が提案さ
れた。この金属溶解保持炉(B)は手許炉の溶湯補給シス
テムとして利用されるもので、被予熱材供給タワー(50)
と、溶解バーナ(51)が設置された溶解室(52)と、溶解室
(52)に連通し、溶解バーナ(51)の火炎によって溶解され
た溶湯(53)が流入して貯溜される均熱保持室(54)と、均
熱保持室(54)に連通し、均熱保持室(54)から流出した溶
湯(53)を溜めておき、そこから溶湯(53)を汲み出すウエ
ル(55)とで構成されている。
【0005】この場合は保持室(54)が2部屋に別れてお
り、第1均熱保持室(54イ)と第2均熱保持室(54ロ)とは連
通孔(54ハ)で接続されている。第2均熱保持室(54ロ)には
浸漬ヒータ(56)が天井部(57)から垂設されており、浸漬
ヒータ(56)の下端が第2均熱保持室(54ロ)の溶湯(53)内
に浸漬され、第2均熱保持室(54ロ)内の溶湯(53)の温度
を一定に範囲に保つようになっている。
【0006】これにより手許炉の溶湯補給システムの一
部として金属溶解保持炉(B)が効果的に使用されるよう
になったのであるが、この金属溶解保持炉(B)にも以下
の問題点があった。
【0007】 図5に示すように、浸漬ヒータ(56)の
ヒータ部(56イ)全体が第2均熱保持室(54ロ)内の溶湯(53)
内に浸漬されていない。即ち、ヒータ部(56イ)の下端部
のみが浸漬されていて、その上端部分が溶湯(53)の湯面
より上に突出している事である。これにより第2均熱保
持室(54ロ)内の雰囲気温度が過度に上昇し、アルファー
アルミナ(αーAl23)が発生し且つ時間と共にこれ
が増加して金属製品(=インゴットを始めインゴットを
使用した鋳造製品等)内にハードスポットを発生させた
り、炉の耐火材の損傷原因になったりするという問題が
ある。前記αーAl23は雰囲気温度が800℃を越えると
加熱時間に比例して急速に溶湯(53)内に発生・増加する
ものである。
【0008】 また、浸漬ヒータ(56)のヒータ部(56
イ)が溶湯(53)より上に突出しているために、雰囲気温度
が必要以上に過熱されて第2均熱保持室(54ロ)内の溶湯
(53)の上面と底面との間で、例えば25〜30℃もの温度差
があり、その結果溶湯(53)の上面と下面との間で成分の
違いが発生し、鋳込まれた金属(例えばインゴットや鋳
造材)に不純物や添加物の偏析が生じるというような問
題点がある。
【0009】 また、前述のように溶湯(53)の表面と
底面との間で大きな温度差があるので、低い底部の温度
に保持最低温度を合わせる必要があり、その結果、表面
側の温度がその分(25〜30℃)だけ高くなってしまい、
それ故、炉全体の温度もそれだけ高くなり、炉の外壁温
度が必要以上に高くなり、作業環境を劣悪化させるとい
う問題点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
以下の諸点にある。 均熱保持室の雰囲気温度を出来るだけ低く押さえる
事により、溶湯内にハードスポットの原因となるアルフ
ァーアルミナの発生を極力少なくする事。 溶湯の表面温度と底面との温度差を出来る限り小さ
くする事により、溶湯全体の成分を均質化し、ウエルか
ら汲み出されて鋳込まれたインゴットの品質をできるか
ぎり安定させ、偏析等が生じないようにする事。 均熱保持室内の雰囲気の温度を出来る限り低くする
事により、炉壁の温度を下げ、炉周囲の作業環境を改善
する事。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するための手段として、 被予熱材投入口(5)が上部に形成されている予熱タワ
ー(1)と、 予熱タワー(1)の下部に形成され、溶解バーナ(11)が
設置されていて予熱タワー(1)から降下して来た被予熱
材(9)が溶解される加熱溶解部(2)と、 連通口(13)によって加熱溶解部(2)に連通され、溶解
金属(19)が連通口(13)を通って流入し、流入金属(19)を
所定の温度に保つ均熱保持部(3)と、 連通口(21)にて均熱保持部(3)に連通し、均熱状態に
保持された溶湯(19)を汲み出すウエル(4)とで構成され
た溶解保持炉(A)であって、 溶湯保持熱源としての浸漬ヒータ(18)の発熱部(18a)
全体が均熱保持部(4)の溶湯(19)内に浸漬されて、溶湯
(19)の温度調節がなされている事を特徴とする。
【0012】これにより、予熱タワー(1)内に投入され
た被予熱材(9)は、予熱タワー(1)内に充填され、溶解バ
ーナ(11)にて下から加熱される。被予熱材(9)はこの加
熱により次第に下部から解け始め、床面(10)に滴下して
堆積する。この滴下・堆積金属はさらに溶解バーナ(11)
にて加熱され、堆積床面(10)を傾斜に沿って加熱空間(1
2)内に流下し、更に火炎(14)によって加熱されつつ均熱
保持室(3)内に流入する。均熱保持室(3)内に入った溶湯
(19)は浸漬ヒータ(18)によって一定の温度に保たれ、ウ
エル(4)の溶湯汲み出しに合わせて均熱保持室(3)からウ
エル(4)へと流れて行く。
【0013】ここで、浸漬ヒータ(18)内の発熱部(18a)
は、常時溶湯(19)内にその全体が浸漬されており、溶湯
(19)の湯面以上に発熱部(18a)が出る事はない。それ故
発熱部(18a)の発熱量は全て溶湯(19)に投入され、均熱
保持室(3)の雰囲気を発熱部(18a)によって加熱するよう
な事がない。その結果、均熱保持室(3)内の雰囲気温度
は溶湯(19)の湯面温度と同一若しくは低くなり、溶湯(1
9)を加熱し過ぎるというような事がなく、従来例と違っ
て溶湯(19)表面の酸化皮膜のアルファーアルミナへの変
態を低く押さえる事が出来るし、雰囲気温度が低く押さ
えられて、炉体の外壁温度も低くする事ができ、周囲の
作業環境の改善が可能となる。
【0014】これに加えて、溶湯(19)の湯面近傍と底部
との温度差が小さく、従来に比べてより高い均熱状態を
保つ事が出来、従って溶融金属内に含まれている添加物
や不純物の分布が均一となり、鋳造されたインゴット等
の偏析が少なくなって高品位の鋳造品やダイカスト品を
得る事が出来る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って説明す
る。(A)は本発明に係る溶解保持炉の1実施例で、図1
はその平断面図、図2は図1のL−L′線断面図、図3
は図1のM−M′線断面図である。本発明にかかる溶解
保持炉(A)は、大略、予熱タワー(1)、加熱溶解室(2)、
均熱保持室(3)、ウエル(4)で構成されている。
【0016】予熱タワー(1)は、加熱溶解室(2)の上方に
連続して設置されており、上面に被予熱材投入口(5)が
設けられ、開閉蓋(6)が開閉自在に設置されている。開
閉蓋(6)は図3に示す様に予熱タワー(1)に設置された駆
動シリンダ(7)によって、スライドするようになってい
る。開閉蓋(6)の中央には排ガス排出用の通孔(6a)が穿
設されている。
【0017】ロストル(8)は予熱タワー(1)の下部の内側
面に架設されており、被予熱材(9)が加熱溶解室(2)内に
直接落ち込むのを防止する働きをなす。本実施例ではロ
ストル(8)の数は中央に一本だけ設けられているが、勿
論これに限られず、平行ないし交差するように複数本設
けてもよいものである。又、ロストル(8)は全長に亙っ
て一体のものであってもよいが、図3に示すように予熱
タワー(1)の内側壁から突出体(8a)を突設し、この突出
体(8a)間に逆台形状嵌着部材(8b)を嵌め込み、適宜逆台
形状嵌着部材(8b)を交換出来るようにしておいてもよ
い。
【0018】加熱溶解室(2)は、予熱タワー(1)の下方に
て予熱タワー(1)に連続して形成されるもので、その予
熱タワー(1)の直下の床面(10)は溶解バーナ(11)が設置
されている加熱空間(12)に向かって下り傾斜に形成され
ている。
【0019】前記溶解バーナ(11)は加熱溶解室(2)の加
熱空間(12)の側面に設置されており、火炎(14)が床面(1
0)方向に噴出するようにその噴射口が下り傾斜になるよ
うに取り付けられている。予熱タワー(1)の直下の加熱
溶解室(2)の側面には第1点検口(15a)が設置されてお
り、この第1点検口(15a)に第1点検扉(15)が開閉自在
に設置されている。この第1点検扉(15)を開くことによ
り、ここから加熱溶解室(2)内を点検、清掃するように
なっている。又、加熱溶解室(2)の加熱空間(12)側の側
壁の第2点検口(16a)には第2点検扉(16)が開閉自在に
設置されており、第2点検口(16a)から加熱空間(12)内
を点検、清掃するようになっている。
【0020】均熱保持室(3)は連通孔(13)を介して加熱
溶解室(2)の加熱空間(12)に連通しており、天井から浸
漬ヒータ(18)が垂設されている。浸漬ヒータ(18)は、セ
ラミック製のヒータチューブ(18b)とその内部に収納さ
れたヒータ部(18a)とで大略構成されており、均熱保持
室(3)内に溜まった溶湯(19)内に、浸漬ヒータ(18)の突
出下部が浸漬されている。ここで重要な事は浸漬ヒータ
(18)のヒータ部(18a)全体が溶湯(19)内に浸漬されてい
る事である。
【0021】均熱保持室(3)に収納される溶湯(19)の湯
面高さは、一般的には図2に示すように、加熱空間(12)
の出口部分の高さにほぼ一致する様に常時保持されてお
り、ヒータ部(18a)の上端はこの湯面より常時5〜10cm
程度下に保持されている。従ってヒータ部(18a)の上端
は加熱空間(12)の床面(10a)の出口部分より低く設定さ
れておれば、常時溶湯(19)内にその全体が浸漬される事
になる。
【0022】また、連通孔(13)の出口部分の天井面には
第1仕切り板(20)が垂設されている。第1仕切り板(20)
の下端も床面(10a)の出口より若干低く設定されてお
り、第1仕切り板(20)の下端も溶湯(19)内に浸漬される
事になる。なお、床面(10a)は連通孔(13)に向かって下
り傾斜に形成されており、溶解バーナ(11)から噴射され
た火炎(14)によって加熱・溶融した金属が連通孔(13)を
通って均熱保持室(3)内に円滑に流入するようになって
いる。
【0023】ウエル(4)は脱ガス部(4a)と汲み出し部(4
b)とて構成されており、脱ガス部(4a)と均熱保持室(3)
とが溶湯流入口(21)で底部にて連通している。
【0024】溶湯流入口(21)は炉体の天井部から垂設さ
れた第2仕切り板(21a)にて形成されるもので、第2仕
切り板(21a)の下部は溶湯(19)内に浸漬されており、均
熱保持室(3)内で均熱保持された溶湯(19)が前記溶湯流
入口(21)を通って脱ガス部(4a)内に流入するようになっ
ている。
【0025】脱ガス部(4a)内にはアルゴンのような不活
性ガス吹き込み用ランス等脱ガス装置(24)が設置されて
おり、脱ガス部(4a)内の溶湯(19)中のガス(◆主として
水素)や不純物を浮上させて除去するようになってい
る。脱ガス部(4a)と汲み出し部(4b)は炉体の天井面から
垂設され、その下端が溶湯(19)中に浸漬している第3仕
切り板(25a)によって分割されており、脱ガス部(4a)と
汲み出し部(4b)は前記第3仕切り板(25a)にて形成され
た脱ガス溶湯流入口(25)にて底部で互いに連通してい
る。
【0026】汲み出し部(4b)内には湯面センサ(26)と熱
電対(27)とが設置されており、常時溶湯(19)の湯面及び
湯温を検知している。
【0027】しかして、駆動シリンダ(7)を作動し、開
閉蓋(6)を開き、予熱タワー(1)の被予熱材投入口(5)か
ら被予熱材(9)を予熱タワー(1)内に投入する。投入され
た被予熱材(9)はロストル(8)に係止して予熱タワー(1)
内に充填され、直接加熱溶解室(2)に落下する事がな
い。このようにロストル(8)にて懸垂された状態で被予
熱材(9)が予熱タワー(1)内に充填される。
【0028】次に溶解バーナ(11)を点火し、火炎(14)を
加熱溶解室(2)の床面(10)に向かって噴射させる。火炎
(14)は天井突出壁(17)によって絞られて、予熱タワー
(1)から加熱されて滴下し、床面(10)上に堆積している
溶解手前の高温金属に当たってこれを加熱・溶解した
後、予熱タワー(1)内を通過し、被予熱材(9)を加熱しつ
つ被予熱材投入口(5)を閉塞している開閉蓋(6)の通孔(6
a)を通って外部に排ガスとなって放出される。この間、
予熱タワー(1)内の被予熱材(9)は前述のように高温ガス
(14)に接触して加熱され、その下部から次第に溶解を始
め、床面(10)に滴下して堆積し、更に溶解バーナ(11)の
火炎(14)によって更に加熱され、加熱空間(12)に流入す
る事になる。
【0029】加熱空間(12)内に入った金属は更に火炎(1
4)によって加熱され、高温の溶湯(19)となって連通孔(1
3)を通り、均熱保持室(3)内に流入する。均熱保持室(3)
内に入った溶湯(19)は浸漬ヒータ(18)によって所定の温
度に保たれ、汲み出し部(4b)の溶湯汲み出しに合わせて
均熱保持室(3)から脱ガス部(4a)、汲み出し部(4b)へと
流れて行く。この間脱ガス部(4a)において溶湯(19)の脱
ガス・不純物除去がなされ、清浄な溶湯(19)となって、
汲み出し部(4b)に流入する。
【0030】均熱保持室(3)、ウエル(4)内の溶湯(19)の
湯温及び湯面の高さは湯面センサ(26)及び熱電対(27)に
よって常時監視されており、湯温が低い場合には浸漬ヒ
ータ(18)を加熱して湯温を所定の温度まで上げるように
する。また湯面が所定高さよりも低い場合には溶解バー
ナ(11)の燃焼量を増やし、被予熱材(9)の溶解量を増加
させる。
【0031】次に浸漬ヒータ(18)の作用について更に詳
しく述べる。浸漬ヒータ(18)内には発熱部(18a)と非発
熱部(18c)とがあり、この発熱部(18a)は常時溶湯(19)内
にその全体が浸漬されており、溶湯(19)の湯面以上に発
熱部(18a)が出る事はない。それ故発熱部(18a)の発熱量
は全て溶湯(19)に投入され、均熱保持室(3)の雰囲気を
発熱部(18a)によって加熱するような事がない。換言す
れば、均熱保持室(3)内の雰囲気温度は溶湯(19)の湯面
温度と同一若しくはそれ以下になる事になる。それ故、
ウェル(4)の溶湯の温度制御を適当に行えば、溶湯(19)
を加熱し過ぎるというような事がない。従って従来例と
違って溶湯(19)の湯面でのアルファーアルミナへの変態
を低く押さえる事が出来る。
【0032】又、前述の様に発熱部(18a)の熱量は全て
溶湯(19)内に投入され、均熱保持室(3)内の雰囲気を加
熱するような事がないので、炉体の外壁温度がそれだけ
低くなり、周囲の作業環境の改善につながる。更に、こ
れに加えて雰囲気温度が溶湯(19)の湯面温度と同じであ
り、湯面温度が過度に高温とならないので、溶湯(19)の
湯面近傍と底部との温度差が小さく、(本実施例では、
僅か5℃程度と非常に小さい。)従来に比べてより高い
均熱状態を保つ事が出来るし、又、溶融金属内に含まれ
ている添加物や不純物の分布が均一となり、鋳造された
インゴット等の偏析が少なくなって高品位の鋳造品やダ
イカスト品を得る事が出来る。
【0033】また、溶湯(19)が加熱溶解室(2)、均熱保
持室(3)、脱ガス部(4a)を通って汲み出し部(4b)に流入
する過程において第1仕切り板(20)、第2仕切り板(21
a)、第3仕切り板(25a)が炉体の天井部分から垂設さ
れ、その下端が溶湯(19)内に浸漬されているので、溶湯
(19)の表面に浮かぶ酸化物が、これら第1仕切り板(2
0)、第2仕切り板(21a)、第3仕切り板(25)によってそ
れぞれ堰き止められ、次の工程に流入する事がないの
で、汲み出し部(4b)には極めて清浄な湯が供給される事
になる。本発明において使用される金属は、特定される
ことはないが、本実施例にあってはアルミニウムやその
合金が使用されている。
【0034】次に浸漬ヒータ(18)の構造について説明す
る。浸漬ヒータ(18)はサーマルショックによる劣化防止
や苛酷な温度制度が必要な為、ここではPID制御がな
されている。又、ヒータ容量は、ヒータ寿命を考慮して
必要容量のものよりも大きなものが使用されており、通
常定格値の40〜50%の容量で使用する。ヒータチュ
ーブ(18b)はファインセラミック製のものが使用されて
おり長寿命化を図っている。
【0035】
【発明の効果】本発明は、下記の諸利点を有する。 浸漬ヒータの発熱部全体が均熱保持部の溶湯内に浸
漬されて、溶湯の温度調節がなされているので、溶湯の
表面温度と底面との温度差を出来る限り小さくする事が
でき、溶湯全体の成分の均質化によって鋳造製品の品質
の安定化や偏析等の発生を抑制することができる。 また、前述のように浸漬ヒータの発熱部全体が均熱
保持部の溶湯内に浸漬されているので、発熱部の熱はす
べて溶湯に投入されて均熱保持部の雰囲気を過熱させる
ことがなく、その結果溶湯内にハードスポットの原因と
なるアルファーアルミナの発生が極力少なくなる。 加えて、前述のように発熱部の熱はすべて溶湯に投
入されて均熱保持部の雰囲気を過熱させることがないの
で、炉壁の温度を下げ、炉周囲の作業環境を改善する事
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶解保持炉の平断面図。
【図2】図1のL−L′の縦断面図。
【図3】図1のM−M′縦断面図。
【図4】本発明に係る均熱保持室の詳細部分断面図。
【図5】従来例の断面図
【符号の説明】
(A)…溶解保持炉 (1)…予熱タワー (2)…加熱溶解室 (3)…均熱保持室 (4)…ウエル (5)…被予熱材投入口 (18)…浸漬ヒータ (19)…溶湯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 11/10 7727−4K 13/00 D 7727−4K F 7727−4K

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷材投入口が上部に形成されてい
    る予熱タワーと、予熱タワーの下部に形成され、溶解バ
    ーナが設置されていて予熱タワーから降下して来た被予
    熱材が溶解される加熱溶解部と、連通口によって加熱溶
    解部に連通され、溶解金属が連通口を通って流入し、流
    入金属を所定の温度に保つ均熱保持部と、連通口にて均
    熱保持部に連通し、均熱状態に保持された溶湯を汲み出
    すウエルとで構成された溶解保持炉であって、 溶湯保持熱源としての浸漬ヒータの発熱部全体が均熱保
    持部の溶湯内に浸漬されて、溶湯の温度調節がなされて
    いる事を特徴とする溶解保持炉の均熱構造。
JP8388794A 1994-03-29 1994-03-29 溶解保持炉の均熱構造 Pending JPH07270074A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11125503B2 (en) 2019-05-23 2021-09-21 Tsuyoshi Kajitani Melting furnace

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11125503B2 (en) 2019-05-23 2021-09-21 Tsuyoshi Kajitani Melting furnace

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