JPH07265768A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JPH07265768A
JPH07265768A JP6260394A JP6260394A JPH07265768A JP H07265768 A JPH07265768 A JP H07265768A JP 6260394 A JP6260394 A JP 6260394A JP 6260394 A JP6260394 A JP 6260394A JP H07265768 A JPH07265768 A JP H07265768A
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JP
Japan
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paint
wire
scraping
coating
gravure roll
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JP6260394A
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Jiyunichirou Hisamichi
純一郎 久道
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも、表面に設けられたセル内に塗料
をピックアップさせるグラビアロールと、該グラビアロ
ールに走行する可撓性支持体を圧着させるバックアップ
ロールと、該可撓性支持体の幅方向両端部に付着した余
剰塗料を除去する掻取手段とから構成される塗布装置に
おいて、前記掻取手段を円弧状に曲げられた線材12よ
り構成する。この線材12は、ステンレス線またはピア
ノ線よりなり、その表面がポリフッ化エチレン系樹脂に
より被覆されており、断面径が、0.3〜1.5mmと
される。また、幅方向の径dより摺接方向の径eの方が
長い楕円の円弧状に曲げられて好適である。 【効果】 掻取手段の位置や角度の調整、部材交換の頻
度を大幅に低減させても、良好な掻取り状態を長時間に
亘って保つことが可能な塗布装置となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラビアロール方式の
塗布装置に関し、特に可撓性支持体の両端部に付着した
余剰塗料を除去する掻取手段に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、グラビアロール方式やニーダ
ロール方式等、ロールを用いた塗布装置は、例えば、磁
気記録媒体の製造において磁性塗料やバックコート剤の
塗布等に広く使用されている。
【0003】なかでも代表的なダイレクトグラビアロー
ル装置について図1を用いて説明する。この塗布装置
は、回転するグラビアロール1、該グラビアロール1に
可撓性支持体2を圧着させるバックアップロール3、塗
料4を溜める塗料パン5、可撓性支持体2に付着した余
剰塗料9を除去するための掻取手段111等を主な構成
要素とするものである。
【0004】上記グラビアロール1の外周面にはセル6
が所定のパターンにて刻設されており、該グラビアロー
ル1が図中a方向に回転することにより、塗料供給ノズ
ル7より塗料パン5へ供給された塗料4が順次セル6内
にピックアップされる。なお、ピックアップされた塗料
4はドクターブレード8によって一定量に規制される。
【0005】そして、一定量に規制されたセル6内の塗
料4は、上記グラビアロール1とこれに同期して図中b
方向に回転するバックアップロール3との間に挟み込ま
れて図中x方向に走行する可撓性支持体2に転写塗布さ
れる。
【0006】このとき、上記バックアップロール3の圧
力により、ピックアップされた塗料4のうち余剰分がグ
ラビアロール1の幅方向の両端部へ溢れ出て、可撓性支
持体2の両端部には多量の余剰塗料9が付着した状態と
なる。このため、上記グラビアロール1と可撓性支持体
2との圧着点より下流側、塗料4を均一化するスムーザ
10よりも上流側において、掻取手段111が設けら
れ、上記余剰塗料9を掻き取ることが行われている。図
2の平面図に示されるように、この掻取手段111は可
撓性支持体2の両端部において余剰塗料9と摺接する。
【0007】この掻取手段111においては、掻き取り
すぎると有効塗膜幅を狭めてしまうこと、余剰塗料9と
の摺接状態が不適切であると掻き取られた余剰塗料9の
液滴が飛散して良好な塗布がなされた範囲に付着してし
まうことから、先端形状、材質、可撓性支持体2への摺
接角度等の適正化が検討されている。
【0008】通常、掻取手段111は、図6に示される
ように、余剰塗料9と摺接する板状の摺接部材112と
これを保持するホルダ113からなる。上記摺接部材1
12を構成する材料としては、スチール,ステンレス,
プラスチック等が挙げられる。また、その形状として
は、図7に示されるように平面略矩形状のもの、その先
端部Tが斜めに切り欠かれた図8に示されるような形状
のもの、同様に先端部Tを曲線としたもの(図示せ
ず。)等が挙げられる。これら摺接部材112の厚さは
0.5〜1.0mmとされている。上述のような板状の
ものの他に、図9に示されるように、厚さ100μm程
度のポリエチレンテレフタレート等よりなるフィルムを
丸めたものを摺接部材112として使用することも提案
されている。
【0009】そして、上記摺接部材112の摺接位置や
摺接角度の変更が可能な治具20にホルダ113を保持
させたり、この治具20をエアシリンダ21に接続し
て、前後(図中c方向)への移動を可能とする工夫等も
なされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにして、余
剰塗料9の掻取り状態が適正化されるが、長時間の使用
によって上記摺接部材112に余剰塗料9が付着して固
着してくると、掻取り状態が変化する。例えば、掻取り
が不十分になってくると、余剰塗料9の盛り上がりの影
響でスムーザ10による膜厚の均一化も困難となるた
め、図10に示されるように、両端部が大きく盛り上が
り、中央部も不均一な膜厚の塗膜124が形成されてし
まうことになる。この場合、当然、巻取り後の巻取ロー
ル形状も不良となる。また、過剰な掻取りがなされた
り、掻取りが不均一となったり、余剰塗料9の液滴が再
び飛散しやすくなったりしても、有効塗膜幅を狭めた
り、塗膜の品質を低下させることになる。
【0011】特に、塗料4として磁性塗料を塗布して磁
気テープを作製する場合には、上記掻取りの過不足や不
均一化により、可撓性支持体2の両端部分の使用が不可
能となり、歩留まりが劣化してしまう。また、飛散した
液滴はドロップアウトの原因となるため、上述のような
掻取り状態の経時変化は深刻な問題である。
【0012】上述のような掻取り状態の変化を生じさせ
ないためには、余剰塗料9の固着に応じて治具20やエ
アシリンダ21を調整して摺接部材112の位置や角度
を逐次変化させたり、定期的に摺接部材112を交換す
ることが必要である。しかしながら、このような管理は
生産性の劣化につながる。
【0013】そこで本発明は上述の従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、掻取手段の位置や角度の調整、
部材交換の頻度を大幅に低減させても、良好な掻取り状
態を長時間に亘って保つことが可能な塗布装置を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の目的を達
成するために提案されたものであり、少なくとも、表面
に設けられたセル内に塗料をピックアップさせるグラビ
アロールと、該グラビアロールに走行する可撓性支持体
を圧着させるバックアップロールと、該可撓性支持体の
幅方向両端部に付着した余剰塗料を除去する掻取手段と
から構成される塗布装置において、前記掻取手段を円弧
状に曲げられた線材より構成するものである。
【0015】即ち、掻取手段における余剰塗料との摺接
部材は、円弧状とされた線材であり、この円弧状に曲げ
られた部分が自由端として余剰塗料を掻き取るのであ
る。このとき、前記線材の曲げ形状は、真円の円弧状と
されてもよいが、線材と余剰塗料との摺接範囲を小さく
するために、幅方向の径より摺接方向の径の方が長い楕
円の円弧状とされてもよい。
【0016】また、前記線材の断面径は、塗料の粘度等
によっても異なるが、0.3〜1.5mmとされて好適
である。線材が細すぎると掻き取った余剰塗料が線材の
円弧の内側を通過して再び可撓性支持体上に付着してし
まい、掻取手段としての効果が小さい。逆に太すぎると
線材近傍に余剰塗料が停滞しやすくなり、線材に余剰塗
料が固着しやすくなると共に、掻き取られた余剰塗料の
液滴が飛散しやすくなる。
【0017】また、上記線材は、所望の強度が確保で
き、錆を発生させないステンレス線またはピアノ線より
構成されて好適であり、さらに、その表面に塗料が固着
するのを防止するために、ポリフッ化エチレン系樹脂に
よって被覆されるとよい。なお、ポリフッ化エチレン系
樹脂としては、主に、四フッ化エチレン−六フッ化プロ
ピレン共重合体やパーフルオロアルコキシ樹脂が適して
いるが、その他にも、ポリテトラフルオロエチレンやク
ロルトリフルオロエチレンの他、フッ化ビニル、三フッ
化エチレン、フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン等
の共重合体や等が使用可能である。また、ポリエチレン
系樹脂も使用可能である。
【0018】なお、上述のような樹脂を線材表面に被覆
させるには、加熱した線材に上記樹脂の粉末を溶射する
ことにより、いわゆる焼付塗装を行えばよい。
【0019】
【作用】本発明に係る塗布装置における掻取手段は、余
剰塗料との摺接部材である線材の断面径や円弧の形状、
配設位置や角度が適正化されることにより、過不足のな
い掻取りを可能とする。さらに、円弧の内側では余剰塗
料への抵抗がないため、余剰塗料を無理に押し戻すこと
がなく、液滴を飛散させずに落下させることができる。
また、線材は余剰塗料との接触面積が小さく、線材近傍
に余剰塗料が停滞しにくいことから、線材表面に余剰塗
料が固着しにくく、このため、掻取り状態の経時変化も
起こりにくい。
【0020】なお、線材を幅方向の径より摺接方向の径
の方が長い楕円の円弧状に曲げることにより、塗料との
摺接範囲を小さくすることができ、掻取りがなされる範
囲を規制しやすくなる。また、線材の材質やその表面状
態等を適正化することにより、所望の強度を確保しつ
つ、余剰塗料を一層、線材表面に固着させにくくするこ
とができる。
【0021】したがって、本発明を適用すると、可撓性
支持体に付着した余剰塗料を長時間に亘り、過不足な
く、しかも液滴を飛散させることなく、掻き取ることが
可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】先ず、本発明を適用した塗布装置の一例に
ついて、その構成を説明する。この塗布装置は、図1に
示されるように、回転するグラビアロール1、該グラビ
アロール1に可撓性支持体2を圧着させるバックアップ
ロール3、塗料4を溜める塗料パン5、可撓性支持体2
に付着した余剰塗料9を除去するための掻取手段11等
から構成されるものである。
【0024】グラビアロール1は比較的硬度を低いFe
等よりなる円筒状のロールであり、その外周面にはセル
6が例えば四角錐型の凹部として所定のパターンにて刻
設されている。このため、グラビアロール1が図中a方
向に回転すると、塗料パン5に貯められた塗料4が順次
グラビアロール1表面の上記セル6内に充填されて、塗
料4が連続的にピックアップされる。なお、ピックアッ
プされた塗料4は、該グラビアロール1の外周面にその
先端が接するように設置されたドクターブレード8によ
って、一定量に規制されるようになされている。
【0025】バックアップロール3は例えばゴム等、弾
性を有する材料よりなる円筒状のロールであり、その外
周面が可撓性支持体2を介して上記グラビアロール1の
外周面と接するように対向させて設けられている。ま
た、このバックアップロール3は、上記グラビアロール
1に同期して図中b方向に回転する。したがって、可撓
性支持体2を上記グラビアロール1の外周面に圧着させ
ることにより、該グラビアロール1のセル6内に充填さ
れた塗料4を可撓性支持体2上に転写させながら、該可
撓性支持体2を図中、矢印x方向に送り出すことができ
る。
【0026】掻取手段11は、上記バックアップロール
3の圧力によりグラビアロール1の両端部へ溢れ出た余
剰塗料9を掻き取る役割を果たすものであり、グラビア
ロール1と可撓性支持体2との圧着点より下流側、可撓
性支持体2上の塗料4を均一化するスムーザ10より上
流側にて、図2の平面図に示されるように、可撓性支持
体2の幅方向の両端部に配設される。
【0027】本発明においては、この掻取手段11の構
成が特徴的であるので以下に図3及び図4を用いて説明
する。掻取手段11は、線材12とこれを固定するホル
ダー13より構成されるものである。
【0028】線材12は断面径0.3〜1.5mmのス
テンレス線の表面にパーフルオロアルコキシ樹脂を焼付
け被着したものであり、幅方向の径d10〜13mm、
摺接方向の径e15〜20mmの楕円の円弧状に曲げら
れている。そして、ホルダ13にこの線材12を保持す
るには、線材12の両端部分を板状の支持体14内に挿
入して固定しておき、この支持体14をホルダー13に
おけるネジにて固定する。これにより、線材12におけ
る両端部分がホルダ13にて保持され、円弧状に曲げら
れた部分が自由端として突出した構成となる。
【0029】なお、上記支持体14をホルダー13に固
定するに際しては、直接ネジを貫通させると線材12に
歪みを生じさせることがあるため、支持体14と同じ厚
さを有するスペーサーをネジが貫通する位置に介在させ
た構成としてもよい。
【0030】このような掻取手段11は、線材12の円
弧状に曲げられた部分が可撓性支持体2上に付着した余
剰塗料9に摺接する位置に設置されるが、図6に示され
るような摺接位置や摺接角度の変更が可能な治具20に
ホルダ13を保持させたり、この治具20をエアシリン
ダ21に接続して、前後(図中c方向)への移動が可能
となるようにしてもよい。
【0031】このような構成とされることにより、掻取
手段11における線材12の円弧部分は、可撓性支持体
2の走行にともない、この上に付着した余剰塗料9と摺
接し、該余剰塗料9を連続的に掻き取ることとなる。
【0032】そして、以上のような塗布装置によって塗
布を行うには、塗料パン5内に塗料供給ノズル7より塗
料4を供給し、グラビアロール1を回転させる。これに
より、塗料4をグラビアロール1のセル6内にピックア
ップさせ、これをドクターブレード8によって一定量に
規制する。そして、バックアップロール3によりグラビ
アロール1と走行する可撓性支持体2とを圧着させるこ
とにより、該可撓性支持体2に塗料4を転写する。そし
て、掻取手段11によって余剰塗料9を掻き取り、続い
て、スムーザ10によって塗料4を均一化すればよい。
【0033】これによって、図5に示されるように、可
撓性支持体2上に両端部に盛り上がりのない、均一化さ
れた塗膜24が形成できる。
【0034】<実験1>ここで、以上のような構成を有
する本発明の塗布装置を用いて塗布を行った場合と、従
来型の塗布装置を用いて同様の塗布を行った場合の違い
を調べることにした。
【0035】可撓性支持体2としては、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを用い、塗料4としては、下記の
磁性塗料(塗料A,B)、バックコート用塗料(塗料
C)を用いた。
【0036】 塗料A(固形分:37%、粘度:3500cps) 磁性粉末: Co被着γ−Fe2 3 結合剤 : 塩化ビニル系共重合体−ポリウレタン系樹
脂 溶媒 : メチルエチルケトン,トルエン,シクロヘ
キサノン 添加剤 : レシチン
【0037】 塗料B(固形分:50%、粘度:7000cps) 磁性粉末: メタル磁性粉 結合剤 : 塩化ビニル系共重合体−ポリウレタン系樹
脂 溶媒 : メチルエチルケトン,トルエン,シクロヘ
キサノン 添加剤 : レシチン
【0038】 塗料C(固形分:12%、粘度:100cps) 磁性粉末: カーボン 結合剤 : 塩化ビニル系共重合体−ポリウレタン系樹
脂 溶媒 : メチルエチルケトン,トルエン,シクロヘ
キサノン 添加剤 : レシチン
【0039】上述した本発明の塗布装置を用いて、上記
塗料Aの塗布を行う場合を実施例1、同様に塗料Bの塗
布を行う場合を実施例2、同様に塗料Cの塗布を行う場
合を実施例3とした。また、塗布装置における線材12
にパーフルオロアルコキシ樹脂を被着しなかった以外は
同様にして、実施例4〜実施例6の塗布を行った。
【0040】さらに、従来型の塗布装置として、図4に
て示される線材12,支持体14の代わりに、図7に示
される板状の摺接部材112をホルダー113にて固定
した掻取手段111を使用した以外は同様にして、比較
例1〜比較例3の塗布を行った。
【0041】各実施例、比較例の塗布ともに、塗布速度
は300m/minとし、掻取り時における塗料の飛散
状態、掻取り状態、巻取ロールの形状について、それぞ
れ観察し、○、△、×にて評価した。なお、○は、10
万mの連続塗布においても液滴の飛散がない、良好な掻
取りができる、巻取りロールに盛り上がりが見られない
場合を表し、△は、途中で液滴の飛散が起こる、掻取り
状態の劣化が起こる、巻取りロールの盛り上がりが見ら
れるが、途中で掻取手段の位置や角度の調整あるいは部
材交換を行うことにより対応できる場合を表し、×は、
劣化が激しく、品質にも問題がある場合を表すものとし
た。表1に各評価結果を示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より、実施例1〜6による塗布の方
が、比較例1〜3による塗布より、塗料4の粘度にかか
わらず、塗料の飛散状態、掻取り状態、巻取ロールの形
状共に良好となっていることがわかる。これより、掻取
手段における余剰塗料9との摺接部材を線材12より構
成することが非常に有効であることがわかる。
【0044】また、実施例1〜3と実施例4〜6とを比
較すると、線材12の表面にパーフルオロアルコキシ樹
脂を被着しなくとも、掻取り状態、巻取ロールの形状は
変わらないが、塗料の飛散状態に差が現れることがわか
る。これより、長時間使用するには、線材12の表面を
そのポリフッ化エチレン系樹脂によって被覆しておき、
余剰塗料9の固着を防ぐことが有効であることがわか
る。
【0045】<実験2>次に、線材12の断面径による
塗料の飛散状態、掻取り状態、巻取ロールの形状の違い
を調べた。
【0046】断面径を0.1mm、0.3mm、1.0
mm、1.5mm、2.0mmとした線材12を用いた
塗布装置により、上述した塗料Aをそれぞれ塗布した。
なお、用いた線材12の断面径により、各塗布を実施例
7〜11とした。そして、各実施例の塗布状態に対し
て、実験1同様に評価を行ったところ、表2に示される
ような結果が得られた。
【0047】
【表2】
【0048】表2より、実施例8〜10と実施例7,1
1とを比較すると、線材12の断面径が小さすぎると、
掻取り状態、巻取ロールの形状が大きく劣化し、逆に断
面径が大きすぎると、塗料飛散状態が大きく劣化するこ
とがわかる。これより、線材12の断面径を0.3〜
1.5mmに規制することにより、十分に余剰塗料9を
掻き取ることが可能となり、且つ余剰塗料9が固着しに
くく塗料飛散状態も良好に保てることがわかった。
【0049】<実験3>次に、線材12の曲げ形状によ
る摺接範囲の違いについて調べた。具体的には、幅方向
の径dと摺接方向の径eとの関係が、d<e、d=e、
d>e、となる曲げ形状の線材12を用いて塗布を行っ
たとき、これら線材12による掻取り幅と使用可能な塗
膜の幅(有効塗膜幅)が何mmになるかを測定した。こ
の結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】表3より、d<eのとき、即ち、幅方向の
径dが摺接方向の径eよりも小さい楕円形状に線材12
を曲げたとき、塗料との摺接範囲を小さくできるため、
最も掻取り幅が小さく、これにより、有効塗膜幅の広い
塗膜24を形成できることがわかった。
【0052】以上、本発明に係る塗布装置について説明
したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではな
い。例えば、リバース塗布方式の塗布装置に上述のスム
ーザを設置することも可能である。また、本発明の塗布
装置が使用される分野については何ら限定されるもので
はないが、膜厚の薄い塗膜を均一に塗布できることか
ら、磁気記録媒体の製造工程において磁性塗料を塗布し
たり、バックコート層やトップコート層を塗布する際に
使用して好適である。その場合、可撓性支持体や磁性塗
膜を構成する磁性粉末、樹脂結合剤、バックコート層や
トップコート層の材料は従来公知のものがいずれも使用
可能で、何ら限定されるものではない。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る塗布装置を用いて塗布を行うと、掻取手段の位置
や角度の調整、部材交換の頻度を大幅に低減させても、
盛り上がりや飛散した塗料の付着がない良好な塗膜を長
時間に亘って安定して形成することができる。
【0054】このため、この塗布装置を用いて磁性塗料
の塗布を行うと、磁気特性や耐久性に優れ、ドロップア
ウトが低減された磁性層を形成することができ、磁気記
録媒体のさらなる高密度化を進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布装置の構成例を示す模式図である。
【図2】塗布装置の一部を可撓性支持体の塗料が転写さ
れた面から見た平面図である。
【図3】本発明の塗布装置にて適用される掻取手段を示
す模式図である。
【図4】本発明の塗布装置にて適用される掻取手段を構
成する線材を示す平面図である。
【図5】本発明の塗布装置によって形成される塗膜を示
す断面図である。
【図6】従来の塗布装置にて適用される掻取手段を示す
模式図である。
【図7】従来の塗布装置にて適用される掻取手段を構成
する摺接部材の一例を示す平面図である。
【図8】従来の塗布装置にて適用される掻取手段を構成
する摺接部材の他の例を示す平面図である。
【図9】従来の塗布装置にて適用される掻取手段を構成
する摺接部材のさらに他の例を示す平面図である。
【図10】従来の塗布装置によって形成される塗膜を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 グラビアロール 2 可撓性支持体 3 バックアップロール 4 塗料 5 塗料パン 6 セル 7 塗料供給ノズル 8 ドクターブレード 9 余剰塗料 10 スムーザ 11 掻取手段 12 線材 13 ホルダ 14 支持体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、表面に設けられたセル内に
    塗料をピックアップさせるグラビアロールと、該グラビ
    アロールに走行する可撓性支持体を圧着させるバックア
    ップロールと、該可撓性支持体の幅方向両端部に付着し
    た余剰塗料を除去する掻取手段とから構成される塗布装
    置において、 前記掻取手段は、円弧状に曲げられた線材よりなること
    を特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記線材は、幅方向の径より摺接方向の
    径の方が長い円弧状とされることを特徴とする請求項1
    記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記線材の断面径が、0.3〜1.5m
    mであることを特徴とする請求項1または請求項2のい
    ずれか1項に記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記線材は、ステンレス線またはピアノ
    線よりなることを特徴とする請求項1ないし請求項3に
    記載の塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記線材は、その表面がポリフッ化エチ
    レン系樹脂により被覆されていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4記載の塗布装置。
JP6260394A 1994-03-31 1994-03-31 塗布装置 Withdrawn JPH07265768A (ja)

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JP6260394A Withdrawn JPH07265768A (ja) 1994-03-31 1994-03-31 塗布装置

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JP (1) JPH07265768A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011177688A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Fujifilm Corp 塗布システム、及び塗布方法
JP2014012260A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Fujifilm Corp 塗布装置及び塗布方法

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