JPH072655U - 改良型チェーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速時に、チェーンとスプロケットの噛み合
わせを容易にするリンクチェーンを提供し、さらに、最
高のギア比において、チェーンが横すべりするのを防止
するリンクを提供することを目的とする。 【構成】 チェーンは、複数個のリンク（連接環）を組
み合わせたものであり、それぞれのリンクは、一対の外
部チェーン・プレート１および一対の内部チェーン・プ
レート２および一対のローラー３から構成されており、
それぞれのチェーン・プレートは、唖鈴形をしており、
そのものの上部端および下部端に沿って、一方の側端か
ら他方の側端まで、傾斜した表面１４，２４を呈してお
り、この傾斜面は、同チェーン・プレートの中央直線部
分において、傾斜が大きい刃形部分１６，２６を有して
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、改良型チェーン、特に自転車に使用されるチェーンに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

多段変速の自転車には一般的に、チェーンで接続され、かつ、変速装置で制御 される、複数のスプロケット・ホイール（鎖歯車）ならびにギア・クラスター（ 歯車群）が装備されている。現代の自転車では、様々な道路条件に対応するため に、可及的に２１種類の異なったギア比を得る目的で、３基のスプロケット・ホ イールならびに最高７個までの歯車を有するギア・クラスターが１基、装備され ることがある。

【０００３】 図９の先行技術を参照するとき、乗り手が、シフトアップ、すなわち、一段、 高いギア比にシフトするときは、２枚の内部チェーン・プレートで限定されたス ペースＡ、または、２枚の外部チェーン・プレートで限定されたスペースＢを持 った１個のチェーンが、小さい方の直径スプロケットの歯１０で歯受けされる。 あるいは、シフトダウン、すなわち、一段、低いギア比にシフトするときは、こ のチェーンが、ひとまわり小さい直径のスプロケットから、ひとまわり大きい直 径を有するスプロケット上で受け入れられ、これによって、平坦な道路、あるい は、坂道といった様々な道路条件に対応するのである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

一般的なチェーンと協動している従来の変速装置では、乗り手は、即座にシフ トすることが出来ない。図１２を参照することによって、乗り手がシフトしよう とするとき、スプロケットの歯の上部表面４０は、チェーン・プレートの側面に 接触する。これによって、このスプロケットは、このチェーンのスペースにただ ちに嵌入できず、乗り手は、このスプロケットが同チェーンと噛み合わようとペ ダルを踏み続けなければならないところから、（変速が）手間取ってしまうこと が明らかである。

【０００５】 さらに、２枚の内部チェーン・プレートの間の距離が、２枚の外部チェーン・ プレート間の距離よりも短くなるために、図１１にみられるように、最大のギア 比では、チェーン３０は、スプロケット２０１およびスプロケット１０１に対し て斜角になり、したがって、当該スプロケットの１個の歯を２枚の内部チェーン ・プレート間に嵌入するときに、（図１０にみられるように）同スプロケットの 歯の上部表面が、この内部チェーン・プレートの中心部の上部表面６０に載り、 その結果、チェーンが、矢印Ｆで図示した方向に、スプロケットから横すべりす ることがある。

【０００６】 したがって、本考案の目的は、上述の問題点を、望ましい実施態様の詳細な説 明において述べた方法によって、軽減および／または除去することにあるのであ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、複数のリンク（連接環）の組合せである改良型チェーンを提供する ものであり、それぞれのリンクは、一対のローラー、一対の内部チェーン・プレ ート、および、一対の外部チェーン・プレートから構成されている。

【０００８】 それぞれのチェーン・プレートは、唖鈴（あれい）形をしており、その上部端 および下部端に沿って、一方の側端から他方の側端まで、内側に傾斜した表面を 呈している。このチェーン・プレートの中央の直線部分では、傾斜面は、幅が広 く、同チェーン・プレートの中央直線部分の一方の端に接触した、傾斜の大きい 刃形部分になっている。外部チェーン・プレートの一方では、その円形部分上の 内側に向いた、中心のチェーン・ピンが出ており、反対に、もう一方のチェーン ・プレートでは、その中に、（ピンに）対応する受入孔が備わっている。それぞ れの内部チェーン・プレートには、その円形部分の中心部に内側フランジで包囲 された１個の孔がある。

【０００９】

【作用・効果】

したがって、上述の構成部品を組み合わせると、チェーンの１個のリンクが、 曲線状の表面を呈し、２枚の内部チェーン・プレート間の入口幅は、これまでの チェーンの入口幅よりも大きくなっている。

【００１０】 したがって、変速時に、チェーンとスプロケットの噛み合わせを容易にするリ ンクチェーンを提供するのが、本考案の目的である。

【００１１】 本考案のもう一つの目的は、最高のギア比において、チェーンが横すべりする のを防止するリンクを提供することにある。

【００１２】

【実施例】

図１を参照すると、本考案によるチェーンの一部分が示されている。このチェ ーンは、複数のリンクから構成されている。図２を参照すると、同チェーンの一 個のリンクには、一対の外部チェーン・プレート１、一対の内部チェーン・プレ ート２、および一対のローラー３が含まれている。

【００１３】 側面図から明らかなように、それぞれの外部チェーン・プレート１および内部 チェーン・プレート２は、唖鈴形をしている。それぞれの外部チェーン・プレー ト１の内部表面上には、傾斜した表面１４があり、このものは、それぞれの外部 チェーン・プレート１の上部端および下部端に沿って、その一方の側端から他方 の側端まで伸びている。したがって、図４を参照すれば明らかなように、外部チ ェーン・プレート１にある、一個の側面の円形部分の断面図においては、内部表 面上に上部および下部の傾斜面１４ならびに外部表面上には滑らかな平面がある 。

【００１４】 外部チェーン・プレート１の内部表面１１の中央直線部分では、傾斜面１４は 、刃形部分１６になっている。したがって、外部チェーン・プレート１には、そ のものの中央直線部分において２面の、連続して傾斜した表面、すなわち、刃形 部分１６および傾斜面１４がある。

【００１５】 このようなリンクの外部チェーン・プレートの一つには、そのものにある、そ れぞれの円形部分の中心部に、内側に向いたチェーン・ピン４に連結された孔が ある。反対に、もう一方のチェーン・ピンでは、受入ピン４に対応する２個の受 入孔１２が備わっている。

【００１６】 外部チェーン・プレート１に対応する内部チェーン・プレート２の部分、なら びに、そのものの違いについて、次に簡単に説明する。内部チェーン・プレート ２の円形部分は、外部チェーン・プレート１と比べて、その直径がひとまわり小 さいのである。内側に向いて***したフランジ２３は、それぞれの内部チェーン ・プレート２の上に位置し、その円形部分上にある中央孔２２を囲んでいる。さ らに詳細には、この円形部分において、図２および図５から明らかなように、垂 直半径（ａ）は、水平半径（ｂ）よりも大きいのである。図５においては、内部 チェーン・プレート２の円形部分およびローラー３は、点線で示している。

【００１７】 さらには、二つ目の刃形部分２６が、内部チェーン・プレート２の上部直線端 の上にある。したがって、２枚の内部チェーン・プレート２の間のスペースでは 、上部直線端に、これまでのチェーンよりも大きな幅を設けることによって、嵌 入するスプロケットの受入が、より容易になる。

【００１８】 構成部品の全ては、従来の方法によって、リンクに組み立てることができる。 したがって、組み合わせた部分においては、内部チェーン・プレート１および外 部チェーン・プレート２には、それぞれ、傾斜面１４および傾斜面２４があり、 ローラー３と協働して、図６に示したような曲面を形成するのである。次に、複 数個のリンクを組み立ててチェーンを形成することができる。

【００１９】 実際の作動では、図７および図８を参照すれば明らかなように、スプロケット ６の歯６１が、Ｅで示した、傾斜面１４の一端に接触し、次に、変速を完了する ために、曲面に沿って、チェーンの外部チェーン・プレートあるいは内部チェー ン・プレートのいずれかに限定されたスペースに滑り込むことができる。

【００２０】 さらには、最大のギア比の状態において、また、２枚のチェーン・プレート間 に設けられた、ひとまわり大きな幅があるがために、スプロケット６の歯６１は 、内部チェーン・プレート２の中央直線部分の一端に接触することが可能であり 、チェーンから横滑りすることなく、歯６１をして、刃形部分１６から、傾斜面 １４を経由して、２枚の内部チェーン・プレート２で限定されたスペースに滑り 込ませるのである。

【００２１】 しかしながら、本考案の数多くの特長および利点は、本考案の構造および機能 の詳細と共に、これまでの説明において述べてはきたにもかかわらず、このよう な開示は、例示的なものに過ぎず、本考案の諸原理の範囲内で、添付の実用新案 登録請求の範囲に表現された用語の広く、一般的な意味により指摘された最大範 囲まで、詳細にわたる変更の実施が可能となるであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案によるチェーンの一部分の斜視
図である。

【図２】図２は、本考案によるチェーンのリンクの分解
斜視図である。

【図３】図３は、図２の線III −III についての断面図
である。

【図４】図４は、図２の線IV−IVについての断面図であ
る。

【図５】図５は、本考案の正面立面図である。

【図６】図６は、図１の線VI−VIについての断面図であ
る。

【図７】図７は、本考案によるチェーンの、２枚の外部
チェーン・プレート間にあるスペースに嵌入しているス
プロケットを示す斜視図である。

【図８】図８は、内部チェーン・プレートの直線部分に
接触して、チェーンのスペースに滑り込んでいるスプロ
ケットを示す断面図である。

【図９】図９は、先行技術による、変速時に、チェーン
およびスプロケットの一部分を示す正面図である。

【図１０】図１０は、先行技術による、変速時に、チェ
ーンの継手に接触しているスプロケットを示す断面図で
ある。

【図１１】図１１は、最高のギア比におけるチェーンの
先行技術を示す概略図である。

【図１２】図１２は、先行技術による、変速時に、チェ
ーンの内部チェーン・プレートの中央直線部分に載って
いるスプロケットを示す断面図である。

【符号の説明】

１…外部チェーン・プレート ２…内部チェーン・プレート ３…ローラー ４…チェーン・ピン ６…スプロケット 10…歯 11…内部表面 12…受入孔 14…傾斜面 16…刃形部分 22…中央孔 23…フランジ 24…傾斜面 30…チェーン 101…スプロケット 201…スプロケット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のローラーおよび複数のピンで連結
   された、複数対の内部チェーン・プレートおよび外部チ
   ェーン・プレートで構成されたチェーンであって、 それぞれの前記チェーン・プレートは、そのものの内部
   表面の上部端および下部端に沿った、平らな外部表面お
   よび傾斜面を有し、前記傾斜面は、前記チェーン・プレ
   ートの最初の複数の端から二つ目の複数の端へ伸びてお
   り、前記チェーン・プレートはそれぞれ、そのものの中
   央直線部分において前記傾斜面と融合したところの１個
   の刃形部分を有し、前記刃形部分は、前記傾斜面よりも
   傾斜が大きく、これによって、２枚の内部チェーン・プ
   レートの間の幅を拡大していることを特徴とするチェー
   ン。
2. 【請求項２】 内外のチェーン・プレートの接合箇所に
   おいて曲面を形成する目的で、前記内部チェーン・プレ
   ートの前記傾斜面は、前記外部チェーン・プレートの前
   記傾斜面に連続して位置していることを特徴とする請求
   項１に記載のチェーン。