JPH0726137U - 熱転写によるダイレクト印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】印字ヘッド１によって溶かされたインクリボン
２の不要インク部分を不要インク転写テープ３上に転写
させ、インクリボン２を巻き掛けた軟質のローラヒータ
４を被転写材１０上に転動させながら、インクリボン２
に残留したインクを被転写材１０に転写させる。 【効果】軟質材からなるローラヒータ４の表面はインク
リボン２を介して被転写材１０の表面に密着するから、
表面に凹凸があっても明瞭に印字できる。インクリボン
２上のインクをダイレクトに被転写材１０上に転写する
もので、高性能インクを要求されないから、通常の安価
なインクリボンでよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はインクリボンから直接に被転写材に熱転写するダイレクト印字装置に 関する。

【０００２】

【従来技術】

従来のテープ印刷装置によっては、表面に凹凸のある物体や表面が固い物体に は直接に印字することはできない。それは熱転写ヘッドの構造に起因するもので 、高い平面性と固いセラミックによって構成された印字ヘッドでは、粗面や曲面 等の形状に変化のある表面や固い表面へのダイレクト印字は不可能だからである 。

【０００３】 したがって、従来はインクリボンのインクを印字ヘッドにより一度印字テープ 上に転写させ、さらに印字テープ上に転写されたインクを被転写材上に押圧によ り再転写することが行なわれていた。

【０００４】 しかしながら、従来の転写方式は、インクリボンのインクを印字テープに、さ らに印字テープから被転写材に２度転写させるものであるから、２度とも確実に 剥れなければならず、このためインクは印字テープに乗りやすく、剥れやすく、 しかも被転写材に転写された後は剥れにくいという非常に困難な条件を満足しな ければならず、高い性能が要求されるから、インクリボン自体が高価である。ま た、２度の転写によって、文字、図形等のイメージを構成する部分のインクを２ 度移動させることになるから、正確に転写するのは難しい。

【０００５】

【考案の目的】

本考案の目的は前記欠点を解消し、特にインクリボンから直接に被転写体に転 写することができる熱転写によるダイレクト印字装置を提供することをその目的 とする。

【０００６】

【目的を達成するための手段】

前記目的を達成するため、本考案に係る熱転写によるダイレクト印字装置は、 印字ヘッドと、印字ヘッドに当接して通過するように配置されたインクリボンと 、インクリボンを挟んで印字ヘッドと反対側を移動するように配置されるととも に上記印字ヘッドによって溶かされたインクリボン上のインクの不要部分が転写 されるようにした不要インク転写テープと、被転写材に対向する位置に設けられ 、かつ印字ヘッドを通過したインクリボンに当接する軟質のローラヒータとを備 えたことを特徴とする。

【０００７】

【考案の作用、効果】

前記構成によれば、被転写材上にローラヒータを当接させて転動させると、ま ず印字ヘッドによりインクリボン上のインクのうち印刷しようとする文字、図形 等のイメージに不要な部分のインクが不要インク転写テープに転写され、インク リボンには上記イメージが構成されるインクが残留する。次に、上記残留インク がローラヒータ上に移動すると、残留インクはローラヒータにより加熱されて被 転写材上に転写される。インクが抜けたインクリボンは巻き取りリールに巻き取 られる。同様に、不要なインクを転写された不要インク転写テープも巻き取りリ ールに巻き取られる。

【０００８】 このように、被転写材の表面に凹凸があったり、あるいは被転写材の表面が固 かったりしても、ローラヒータが軟質材であるから、ローラヒータの表面はイン クリボンを介して被転写材の表面に密着する。このため、上記表面に明瞭な印字 を正確に行なうことができる。

【０００９】 また、上記印字装置はインクリボン上のインクをダイレクトに被転写材上に転 写するものであるから、インクに高い性能を要求されない。通常使用される安価 なインクリボンで十分である。したがって、印字コストも従来に比べて大幅に低 くすることができる。

【００１０】

【実施例】

図１は熱転写によるダイレクト印字装置を示すもので、このダイレクト印字装 置の装置本体ａには、印字ヘッド１とインクリボン２と不要インク転写テープ３ とローラヒータ４が設けられている。

【００１１】 印字ヘッド１は公知の熱転写用印字ヘッドでよく、図示しない駆動装置に連結 されている。

【００１２】 インクリボン２も公知の通常のインクリボンで十分である。インクリボン２は リボン巻き上げリール５に巻回され、巻き取りリール６に巻き取られるように形 成されているとともに、その中間に配置されたローラヒータ４に巻き掛けられ、 印字ヘッド１に当接して通過するように配置されている。

【００１３】 不要インク転写テープ３はテープ巻き上げリール７に巻装され、テープ巻き取 りリール８に巻き取られるように形成されているとともに、その間の案内ローラ ９に巻き掛けられ、インクリボン２を挟んで印字ヘッド１と反対側を移動するよ うに設けられている。

【００１４】 ローラヒータ４は耐熱シリコンラバー等の軟質材からなり、適宜の加熱手段（ 図示せず）によって自由に加熱制御できるように構成されている。また、被転写 材１０に対向する位置に設けられ、その一部は装置本体ａの開口部１１から露出 するように形成されている。

【００１５】 なお、インクリボン２および不要インク転写テープ３の各巻き取りリール６、 ８は、図示しない駆動装置に連結し、不要インク転写テープ３とインクリボン２ とは等速度で移動するように構成されている。なお、ローラヒータ４は駆動手段 により回転駆動されるものであっても、あるいは自由回転するものであってもよ い。

【００１６】 また、上記印字ヘッド１はインクリボン２のインクを不要インク転写テープ３ 上に転写するものであるから、印字ヘッド１は印刷しようとするイメージのうち 不要な部分のみを加熱するように構成されている。

【００１７】 前記構成において、被転写材１０を適宜の位置に載置し、その上から上記ダイ レクト印字装置の装置本体ａから露出したローラヒータ４を当接させて転動させ ると、図１、図２に示すように、まず印字ヘッド１によりインクリボン２上のイ ンクのうち印刷しようとする文字、図形等のイメージに不要な部分のインクＢが 不要インク転写テープ３に転写され、インクリボン２には上記イメージが構成さ れるインクＡが残留する。次に、上記残留インクＡがローラヒータ４上に移動す ると、残留インクＡはローラヒータ４により加熱されて被転写材１０上に転写さ れる。インクが抜けたインクリボン２は巻き取りリール６に巻き取られる。同様 に、不要なインクを転写された不要インク転写テープ３も巻き取りリール８に巻 き取られる。

【００１８】 なお、１２は予熱ヒータであり、装置本体とは別体の構成でよいが、装置内に 組み込むときは、例えばインクリボンの送り速度と同期した無端ベルト自身にヒ ータ機能を持たせるか、あるいは無端ベルトの下面にヒータを配した構成にすれ ばよい。

【００１９】 以上のように、被転写材１０の表面に凹凸があったり、あるいは被転写材１０ の表面が固かったり、粗面であったりしても、ローラヒータ４が軟質材であるか ら、ローラヒータ４の表面はインクリボン２を介して被転写材１０の表面に密着 する。このため、上記表面に明瞭な印字を正確に行なうことができる。この場合 、ローラヒータ４の表面を加熱制御することにより被転写材１０に対する密着度 を上げることができる。

【００２０】 また、上記印字装置はインクリボン２上のインクをダイレクトに被転写材１０ 上に転写するものであるから、インクに高い性能を要求されない。通常使用され る安価なインクリボン２で十分である。したがって、印字コストも従来に比べて 大幅に低くすることができる。

【００２１】 さらに、厚い被転写材は一般に質量が大きいので、表面に熱が伝わりにくく、 熱によるインクの転写効率がよくない。このような場合には、その裏側を予熱ヒ ータで予熱してから印刷すると被転写材１０に転写されやすくなる。

【００２２】 なお、ローラヒータ４の表面１０ａを図３に示すように、断面が凹面をなすよ うに形成すると、円筒のような大きな曲面を有する被転写材１０にも転写するこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る熱転写によるダイレクト印字装置
の要部の説明図である。

【図２】印字ヘッドからインクリボンのインクを不要イ
ンク転写テープに転写させた状態を説明する説明図

【図３】ローラヒータの他の例の正面図

【符号の説明】

１ 印字ヘッド ２ インクリボン ３ 不要インク転写テープ ４ ローラヒータ １０ 被転写材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字ヘッドと、印字ヘッドに当接して通
   過するように配置されたインクリボンと、インクリボン
   を挟んで印字ヘッドと反対側を移動するように配置され
   るとともに上記印字ヘッドによって溶かされたインクリ
   ボン上のインクの不要部分が転写されるようにした不要
   インク転写テープと、被転写材に対向する位置に設けら
   れ、かつ印字ヘッドを通過したインクリボンに当接する
   軟質のローラヒータとを備えたことを特徴とする熱転写
   によるダイレクト印字装置。