JPH07261183A - 液晶表示素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】液晶が充填される空間の高さが均一に保持さ
れ、所定の液晶層厚をむら無く確保できて、表示品質が
良好な液晶表示素子を提供することを目的とする。 【構成】液晶表示素子２１は、対向配置されたガラス基
板２２と２７とをシール材内スペーサ３２を混入したシ
ール材３１を液晶注入口３３を除く周辺部に塗布し貼り
合わされて構成されている。シール材３１の内側領域に
は、液晶駆動用の対向電極パターンが形成され、各画素
位置に対応してカラーフィルタ層２３が形成される。こ
のカラーフィルタ層２３は、液晶注入口３３にも形成さ
れ、その上に、トップコート層２４、電極パターン、配
向膜等が順次形成される。そして、シール材３１内側か
ら液晶注入口３３部分に亘る液晶が充填される領域に
は、スペーサ３０が均一に散布されて所定のギャップが
均一に保持される。これにより、液晶表示素子の表示品
質が良好となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、対向配置された２枚の
基板間の間隔をギャップ材を介して一定に保つようにし
た液晶表示素子に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子機器の発達により小型化・携
帯化が進み、文字データや画像データ等を表示するディ
スプレイとしてＣＲＴ（Cathode Ray Tube）に代わって
液晶表示装置（ＬＣＤ：Liquid Crystal Display）が普
及しつつある。

【０００３】初期の液晶表示装置は、黒白の２値表示し
かできなかったが、階調表示が可能となり、さらに、カ
ラーフィルタを用いることにより、フルカラー表示が可
能なカラー液晶表示装置が開発されている。

【０００４】図４は、従来のカラー液晶表示装置におけ
る液晶表示素子の構成を示す平面図であり、図５は、図
４のＡ−Ａ’線断面図であり、図６は、図４のＢ−Ｂ’
線断面図である。

【０００５】例えば、従来のカラー液晶表示素子は、図
４及び図５に示すように、一対の透明基板の内の一方の
透明基板２上にカラーフィルタ層３が形成され、その上
にはカラーフィルタ層３の平坦性を向上させるととも
に、酸化インジウム膜（ＩＴＯ：Indium Tin Oxide）を
形成したときにカラーフィルタ層３を保護するためのト
ップコート層４が形成されている。さらに、トップコー
ト層４の上には、電極パターン（ここでは、走査電極パ
ターン）５が形成されており、電極パターン５の上には
ポリイミド樹脂等の配向膜６が塗布されている。即ち、
透明基板２上にカラーフィルタ層３、トップコート層
４、電極パターン５及び配向膜６からなる積層体が形成
されている。

【０００６】また、他方の透明基板７の上には、電極パ
ターン（ここでは、信号電極パターン）８及び配向膜９
からなる積層体が形成されている。

【０００７】上記した透明基板２とこれに対向配置され
た透明基板７とで構成される液晶表示素子１は、液晶層
厚を均一に保つために、液晶が充填される空間内に所定
の空間高さ（ギャップ）を確保する為の空間高さ規制部
材として径が均一のギャップ材１０を多数散布するとと
もに、シール材１１にはギャップ材１０と径の異なるシ
ール材内ギャップ材１２が混入され、シール材１１を透
明基板２，７の周辺部に枠状に塗布してこれら基板２，
７同士を貼り合わせて構成されている。

【０００８】ここで、シール材内ギャップ材１２は、カ
ラーフィルタ層３の無いシール材１１の塗布部分とカラ
ーフィルタ層３が設けられたシール材１２の内側部分と
でギャップ差があるため、シール材１２の内側部分にギ
ャップ材１０を散布した場合にギャップむらが生じない
ように、ギャップ材１０よりも径の大なるものが使用さ
れている。

【０００９】このようにして、従来の液晶表示素子１の
シール材１１内側のギャップは、ギャップ材１０によっ
て均一に制御されることから、表示品位が著しく低下す
るのを防止することができる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の液晶表示素子にあっては、例えば、図４〜図
６に示すように、カラー液晶表示素子の場合、シール材
１１の内側にのみカラーフィルタ３が形成されている
が、液晶注入口１３にはカラーフィルタが形成されてい
ないため、シール材１１の内側のギャップより液晶注入
口１３のギャップの方が大きくなり、その部分に散布さ
れたギャップ材１０は移動自在な状態で存在する。

【００１１】このため、液晶注入口１３から液晶を注入
する際に、液晶注入口１３にあったギャップ材１０が内
側へ移動してしまい、液晶注入口１３の近辺でギャップ
むらが生じるという問題があった。

【００１２】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、液晶が充填される空間の高さ（ギャップ）が均
一に保持され、所定の液晶層厚をむら無く確保できて、
表示品質の良好な液晶表示素子を提供することを目的と
する。

【００１３】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の液晶表示
素子は、一対の透明基板と、少なくとも一箇所が欠落し
た枠状をなし、前記一対の透明基板を所定の間隙を保っ
て接合させるシール材と、前記一対の基板上に液晶表示
を行う為の部材が夫々積層された各積層体と、前記シー
ル材の欠落部から前記シール材と前記積層体とで囲まれ
た空間内に注入された液晶材料と、前記シール材内部の
表示に関与する領域の有効空間高さを規制する間隙規制
部材と、前記シール材の欠落部の空間高さを前記有効空
間高さと等しくするために前記欠落部に設けられた空間
高さ調整層とを有することにより、上記目的を達成す
る。

【００１４】請求項２記載の液晶表示素子は、前記空間
高さ調整層が前記有効空間高さを形成する一方の透明基
板上の前記積層体を延在させてなることにより、上記目
的を達成する。

【００１５】

【作用】請求項１記載の液晶表示素子では、対向配置さ
れた２枚の透明基板間の周辺部に液晶注入口を除いてシ
ール材を塗布し、基板同士を貼り合わせて液晶セルを構
成し、液晶セルのシール材内部におけるギャップと液晶
注入口におけるギャップとが同一になるように液晶注入
口にギャップ調整用のギャップ調整層を形成し、シール
材内側から液晶注入口に亘る領域に同一径のギャップ材
を均一に散布してギャップを一定に保つようにする。

【００１６】即ち、シール材内側と液晶注入口との間に
は段差がなくなることから、径が均一な一種類のギャッ
プ材を使ってギャップ調整することが可能となり、シー
ル材内側から液晶注入口に至るまでの領域のギャップが
均一に保たれ、ギャップむらの無い、表示品位の良好な
液晶表示素子とすることができる。

【００１７】請求項２記載の液晶表示素子では、シール
材内側のギャップと液晶注入口のギャップとが同一にな
るように、シール材内側に設けられたカラーフィルタを
請求項１記載のギャップ調整層として液晶注入口まで延
在形成する。

【００１８】従って、液晶注入口の僅かな面積分のカラ
ーフィルタを追加形成するだけで、シール材内側と液晶
注入口の各ギャップを同じにすることができるため、径
が均一な同一種類のギャップ材を使ってギャップを均一
に保持することが可能となり、所定の液晶層厚をむら無
く確保できて、表示品位の良好な液晶表示素子とするこ
とができる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。

【００２０】図１〜図３は、本発明の一実施例に係る液
晶表示素子の構成を示す図である。

【００２１】図１は、本実施例の液晶表示素子の構成を
示す平面図であり、図２は、図１のＡ−Ａ’線断面図で
あり、図３は、図１のＢ−Ｂ’線断面図である。本実施
例は、複数の信号電極パターンと走査電極パターンとを
交差させて対向配置した単純マトリクス型を採用し、各
電極パターンの交差する画素位置に対応するように各色
（赤、緑、青）のカラーフィルタを配設したものであ
る。

【００２２】まず、構成を説明する。

【００２３】本実施例に係る液晶表示素子は、図１及び
図２に示すように、ガラス基板２２の上にカラーフィル
タ層２３が形成されている。本実施例における特徴的な
構成は、図１に示すように、このカラーフィルタ層２３
がシール材３１の内側だけでなく、シール材３１が塗布
されていない液晶注入口３３にもシール材３１内側と同
じカラーフィルタ層２３が延在形成されている点であ
る。

【００２４】通常、液晶表示パネルでは、シール材の内
側領域内に液晶駆動用の電極パターンが対向配置されて
表示領域が構成されているため、カラー表示を行うカラ
ーフィルタ層もシール材の内側領域に形成すれば足り
る。

【００２５】しかし、本実施例の液晶表示素子は、液晶
注入口３３部分の面積が僅かであることから、シール材
３１の内側に設けるカラーフィルタ層２３を延在させる
だけでシール材内側と液晶注入口３３との段差を無くす
ことができる。このため、液晶注入口３３においてもシ
ール材内側と同じギャップ材３０を使って、均一なギャ
ップ調整を行うことが可能となり、ギャップむらが防止
されて、表示品位を良好にすることができる。

【００２６】次に、上記カラーフィルタ層２３の上に
は、図２に示すように、カラーフィルタ層２３の平坦性
を向上させるとともに、酸化インジウム膜（ＩＴＯ：In
dium Tin Oxide）を上層に形成したときにカラーフィル
タ層２３を保護するためのトップコート層２４が形成さ
れる。

【００２７】そして、このトップコート層２４の上に
は、複数の走査電極パターン２５が形成され、その走査
電極パターン２５の上には、ポリイミド樹脂等の配向膜
２６が塗布される。この配向膜２６は、ナイロンやレー
ヨンなどの布でこするラビング処理を施すことにより、
液晶分子の配向を制御するものである。このように、ガ
ラス基板２２上にカラーフィルタ層２３、トップコート
層２４、走査電極パターン２５及び配向膜２６からなる
積層体が形成されている。

【００２８】また、もう一方のガラス基板２７上には、
上記走査電極パターン２５に対して対向配置された複数
の信号電極パターン２８とその上に配向膜２９からなる
積層体が形成されている。

【００２９】上述のように構成された液晶表示素子２１
は、液晶が充填される空間のギャップを一定に保つた
め、その空間内に所定の径を備えた球状粒子のスペーサ
３０を均一に散布する。スペーサ３０としては、プラス
チックやガラスから成る微細粒子を好適に用いることが
できる。そして、スペーサ３０よりも大きい所定の径か
らなるシール材内スペーサ３２を混入したエポキシ樹脂
などのシール材３１を透明基板２２と２７のいずれか一
方の周辺部に塗布してそれらを貼り合わせることによっ
て、図１〜３に示すような液晶表示素子２１を形成する
ことができる。

【００３０】上記したシール材３１に混入されるシール
材内スペーサ３２は、液晶層のギャップ調整を行うスペ
ーサ３０の直径にシール材３１の内側にのみ設けたカラ
ーフィルタ層２３の膜厚を加えた径で構成されている。
このように、２種類のスペーサ３０，３１によって液晶
注入口３３を含む液晶表示素子２１の略全体のギャップ
が均一に保持されるから、ギャップムラの発生を確実に
防止することができる。

【００３１】次に、作用を説明する。

【００３２】本実施例のカラー液晶表示素子は、図１の
ハッチングで示すように、ガラス基板２２の上にシール
材３１の内側と液晶注入口３３に亘る領域にカラーフィ
ルタ層２３が形成される。

【００３３】そして、図２に示すように、上記カラーフ
ィルタ層２３の上には、トップコート層２４を形成する
ことによって、電極パターンを形成する為の表面が平坦
な下地を得るとともに、カラーフィルタ層２３が保護さ
れる。

【００３４】さらに、トップコート層２４の上には、走
査電極パターン２５が形成され、その上にポリイミド樹
脂からなるラビング処理された配向膜２６が塗布され
る。

【００３５】そして、他方のガラス基板２７上には、複
数の信号電極パターン２８が形成されるとともに、その
上に配向膜２９が形成される。

【００３６】このように形成された両ガラス基板２２，
２７は、図１に示すように、シール材３１の内側と液晶
注入口３３にスペーサ３０を均一に散布するとともに、
このスペーサ３０よりも径の大きいシール材内スペーサ
３２を混入したエポキシ樹脂などのシール材３１をガラ
ス基板２２と２７の周辺部に塗布して両基板２２，２７
同士を貼り合わせて、図１〜３に示すような液晶表示素
子２１が形成される。

【００３７】上記のようにして形成された液晶表示素子
は、シール材３１の内側から液晶注入口３３にカラーフ
ィルタ層２３が延在形成されているため、図２及び図３
に示すように、シール材３１の内側と液晶注入口３３に
亘る領域のギャップ（空間高さ）が同一となる。このた
め、シール材３１の内側は勿論、液晶注入口３３におい
てもスペーサ３０により所定のギャップが均一に保持さ
れる。即ち、シール材３１内側と液晶注入口３３部分の
ギャップが同一であるから、液晶注入口３３部分のスペ
ーサ３０が液晶注入時に移動することが無くなるので、
ギャップむらが無くなり、表示品質の良好な液晶表示装
置とすることができる。

【００３８】なお、上記実施例は、カラー液晶表示素子
であるが、本発明はこれに限定されず、白黒表示の液晶
表示素子の場合などにも適用することができる。即ち、
シール材内側と液晶注入口部分とで電極や配向膜等の構
造によって段差が生じる場合も上記と同様に液晶注入時
に液晶注入口付近のスペーサが移動して、ギャップむら
が生じる問題がある。この場合には、例えば、液晶注入
口部分に実際には使用しない電極や配向膜等を延在形成
することによって、液晶注入口部分とシール材内側とに
亘る領域のギャップが均一となるように調整する。これ
により、ギャップむらの無い、表示品質の良好な液晶表
示素子とすることができる。

【００３９】

【発明の効果】請求項１記載の液晶表示装置によれば、
シール材より内側と液晶注入口部分におけるギャップ
（空間高さ）が同一となるように液晶注入口部分にギャ
ップ調整層を形成したので、シール材内側と液晶注入口
部分との間の段差がなくなり、同一径の間隙規制部材を
均一に散布することによって、液晶表示素子全体のギャ
ップが一定に保たれ、ギャップむらによる表示欠陥が発
生せず、表示品位の良好な液晶表示素子とすることがで
きる。

【００４０】請求項２記載の液晶表示素子によれば、表
示領域となるシール材内側に設けられたカラーフィルタ
をギャップ調整層として液晶注入口まで延在形成したの
で、カラーフィルタを液晶注入口部分の僅かな面積分だ
け追加することにより、シール材内側と液晶注入口部分
の夫々のギャップが同じになり、同一の間隙規制部材を
使ってギャップを均一に調整することが可能となり、ギ
ャップむらの無い、表示品位の良好な液晶表示素子とす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の液晶表示素子の構成を示す平面図で
ある。

【図２】図１のＡ−Ａ’線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ’線断面図である。

【図４】従来のカラー液晶表示素子の構成を示す平面図
である。

【図５】図４のＡ−Ａ’線断面図である。

【図６】図４のＢ−Ｂ’線断面図である。

【符号の説明】

２１ カラー液晶表示素子 ２２ ガラス基板 ２３ カラーフィルタ層 ２４ トップコート層 ２５ 走査電極パターン ２６ 配向膜 ２７ ガラス基板 ２８ 信号電極パターン ２９ 配向膜 ３０ スペーサ３０ ３１ シール材 ３２ シール材内スペーサ ３３ 液晶注入口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の透明基板と、少なくとも一箇所が欠
   落した枠状をなし、前記一対の透明基板を所定の間隙を
   保って接合させるシール材と、 前記一対の基板上に液晶表示を行う為の部材が夫々積層
   された各積層体と、 前記シール材の欠落部から前記シール材と前記積層体と
   で囲まれた空間内に注入された液晶材料と、 前記シール材内部の表示に関与する領域の有効空間高さ
   を規制する間隙規制部材と、 前記シール材の欠落部の空間高さを前記有効空間高さと
   等しくするために前記欠落部に設けられた空間高さ調整
   層とを有することを特徴とする液晶表示素子。
2. 【請求項２】前記空間高さ調整層が前記有効空間高さを
   形成する一方の透明基板上の前記積層体を延在させてな
   る請求項１記載の液晶表示素子。