JPH07258802A - 高磁束密度低鉄損一方向性電磁鋼板およびその製造法 - Google Patents

高磁束密度低鉄損一方向性電磁鋼板およびその製造法

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JPH07258802A
JPH07258802A JP6056172A JP5617294A JPH07258802A JP H07258802 A JPH07258802 A JP H07258802A JP 6056172 A JP6056172 A JP 6056172A JP 5617294 A JP5617294 A JP 5617294A JP H07258802 A JPH07258802 A JP H07258802A
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secondary recrystallization
recrystallization annealing
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flux density
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Hiroaki Masui
浩昭 増井
Kunihide Takashima
邦秀 高嶋
Nobunori Fujii
宣憲 藤井
Shuichi Yamazaki
修一 山崎
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一次被膜の形成および安定したGOSS方位
の二次再結晶方位粒を得る方向性電磁鋼板およびその製
造法を提供する。 【構成】 Si:1〜7%の鉄中に活性化エネルギーが
70kcal/mol以上の元素(Hf,Bi他)が0.005
〜0.50%を含む方向性電磁鋼板の一次再結晶粒径を
5〜35μ、標準偏差値がその10〜70%であること
を特徴とし、マグネシアの中にアンチモン系の化合物を
0.05〜5.0%添加し、二次再結晶焼鈍での800
℃から最高到達温度までの平均昇温速度を毎時0.1〜
80℃とし、かつ二次再結晶焼鈍での板間の面圧を0.
3kg/mm2 以下とすることを特徴とする鋼の製造法(ア
ンチモンの代りにボロン系の化合物であれば、800℃
から最高到達温度の昇温速度を毎時5〜400℃とする
方法)。この方法により磁束密度が1.92T以上が安
定して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面被膜および磁気特性
に優れた珪素鋼板およびその製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】トランス用等の磁気特性に優れた珪素鋼
板を製造するに際して、絶縁特性と鋼板表面に張力を与
えトランスの性能向上に必要な磁気特性を向上させ、か
つ鋼板との密着性が良好な一次被膜を形成させることは
大変重要である。通常の技術では脱炭を伴う一次焼鈍後
に鋼板にマグネシアと呼ばれる酸化マグネシウム(Mg
O)の微粉末を水溶させたスラリー状のものを塗り、必
要に応じて乾燥させたあと、二次再結晶焼鈍工程で焼成
させ、鋼板中のSiとの反応でフォルステライト(Mg
2 SiO4 )と呼ばれるセラミックス質状の絶縁被膜を
形成させる。これが鋼板に張力を与え、磁気特性とりわ
け鉄損と呼ばれるトランスの効率を支配する特性値を向
上させるのに有効である。しかも、このフォルステライ
ト形成の状態が、二次再結晶焼鈍で鋼板の結晶方位を通
称GOSS方位と呼ばれ、透磁率や磁束密度の向上に不
可欠な鋼板長手方向(圧延方向)に対して{110}
〔001〕の結晶方位を有するやや粗大な二次再結晶粒
を成長させるのにも重要な役割を果たしていることもよ
く知られている。
【0003】すなわち、二次再結晶焼鈍昇温過程中に十
分緻密な被膜が形成されないまま二次再結晶させようと
しても鋼板内のインヒビターと呼ばれる微細な窒化物や
硫化物等がそのままの状態で、あるいは分解して早く鋼
板外に抜けでてしまう。このため昇温中にGOSS方位
粒を優先的に成長させ、他の方位粒の成長を抑制させる
役目のインヒビター効果が発揮できず、通称、細粒と呼
ばれ、GOSS方位粒の二次再結晶粒の成長が部分的あ
るいは全面的に行われない、極めて磁気特性の劣る鋼板
を生み出すことになる。なお、このMgOの中に酸化チ
タン(TiO2等)やその他の化合物を添加させ、さら
に緻密な一次被膜を形成させることも行われる。
【0004】しかるに、実際は上記の技術知見があって
もなおかつ十分な一次被膜および二次再結晶組織を安定
して作ることは容易ではなく、特に二次再結晶焼鈍条件
を工業的必要性から種々変化させることがあるがこの場
合にも十分な一次被膜を作りこなし、さらに十分適正な
方位の二次再結晶を生成せしめることは容易なことでは
ない。その理由の一つとして、一次被膜の形成とインヒ
ビターと称される二次再結晶過程での適切な析出物の形
成に関する製法上の解明が未だ十分でないことが挙げら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術における課題を解決し、二次再結晶時に一次被膜を安
定して珪素鋼表面に形成し、かつ磁区制御を行う前の磁
束密度B8 ≧1.92T(テスラ)および鉄損W17/50
≦1.10w/kgを常時安定して出せる、GOSS方位の
集積した二次再結晶粒を有する方向性珪素鋼板およびそ
の製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記の通りである。 (1)Si:1〜7%および鉄中の拡散の活性化エネル
ギーQが70kcal/mol以上の元素の1種類以上の合計が
0.001%以上0.50%以下を含む鋼を溶製し、熱
間圧延、冷間圧延、一次再結晶焼鈍および二次再結晶焼
鈍を基本工程とする方向性電磁鋼板の製造において、二
次再結晶焼鈍前に塗布するマグネシアの中にアンチモン
系の化合物を0.05〜5.0%添加し、一次再結晶粒
径(断面粒径)の測定の平均値を5〜35μ、かつその
それぞれの粒径の標準偏差値が該平均値の10〜70%
であることを特徴とし、かつ二次再結晶焼鈍での800
℃から最高到達温度までの平均昇温速度を毎時0.1〜
80℃とし、かつ二次再結晶焼鈍での板間の面圧を0.
3kg/mm2 以下とすることを特徴とする高磁束密度低鉄
損一方向性電磁鋼板の製造法。
【0007】(2)Si:1〜7%および鉄中の拡散の
活性化エネルギーQが70kcal/mol以上の元素の1種類
以上の合計が0.001%以上0.50%以下を含む鋼
を溶製し、熱間圧延、冷間圧延、一次再結晶焼鈍および
二次再結晶焼鈍を基本工程とする方向性電磁鋼板の製造
において、一次再結晶粒径(断面粒径)の測定の平均値
を5〜35μ、かつそのそれぞれの粒径の標準偏差値が
該平均値の10〜70%であることを特徴とし、二次再
結晶焼鈍前に塗布するマグネシアの中にボロン系、スト
ロンチウム・バリウム系、炭・窒化物系、硫化物系、塩
化物系の1種または2種以上を合計0.05〜5.0%
添加し、かつ二次再結晶焼鈍での800℃から最高到達
温度までの平均昇温速度を毎時5〜400℃とし、かつ
二次再結晶焼鈍で板間の面圧を0.3kg/mm2 以下とす
ることを特徴とする高磁束密度低鉄損一方向性電磁鋼板
の製造法。 (3)上記(1),(2)において活性化エネルギーQ
が70kcal/mol以上の元素をHf,Bi,W,Nb,C
o,Ni,Cu,Moに特定する方法。 (4)上記(1),(2)において活性化エネルギーQ
が80kcal/mol以上の元素のHf,Bi,Wに特定する
こと。 (5)フォルステライトを主成分とする一次被膜を含め
た鋼板中に、Hf,Bi,W,Nb,Co,Ni,C
u,Moの元素の1種類以上を合計で0.003〜0.
30%含有し、かつ磁束密度B8 が1.92T(テス
ラ)以上および鉄損W17/50 が1.10w/kg以下である
高磁束密度低鉄損一方向性電磁鋼板。 (6)フォルステライトを主成分とする一次被膜を含め
た鋼板中に、Hf,Bi,Wの元素の1種類以上を合計
で0.003〜0.30%含有し、かつ磁束密度B8
1.92T(テスラ)以上および鉄損W17/50 が1.1
0w/kg以下である高磁束密度低鉄損一方向性電磁鋼板。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。方向性珪
素鋼板の二次再結晶はGOSS方位と呼ばれる{11
0}〈001〉方位の粒を二次再結晶焼鈍(仕上げ焼鈍
とも呼ばれる)時に十分成長させることが肝要である。
これは一次再結晶焼鈍(以下、一次焼鈍と呼ぶ)板の中
のある特定粒のみを粗大再結晶させるもので、この時に
インヒビター(Inhibitor)と呼ばれるAlN等の微細析
出物を仕上げ焼鈍前に十分作っておくことが技術上必要
であることがよく知られている。そして、AlN,Si
3 4 等を利用する場合は、このために必要なNを鋼溶
製時または一次焼鈍後または他の工程中に添加すること
が行われる。後者の場合は、通常脱炭反応も機能する一
次焼鈍の設備の一部に窒化反応を行う設備を内部または
近接して設置し、一次焼鈍後またはそれと平行させて窒
化反応させる方法がある。
【0009】鋼溶製時に十分低炭素化した鋼では脱炭機
能よりも一次焼鈍後の表面層の酸化物層を変えて、被膜
形成に有利な形にすることがむしろ重要な役割となる。
このように一次焼鈍し、その前か後の工程で窒素を添加
した鋼板にMgOを主体とする通称MgOパウダーとい
うものをスラリー状に鋼板表面に塗布し、仕上げ焼鈍工
程で被膜生成および二次再結晶を生ぜしめるのが一つの
方法であるが、この一次被膜形成に関連し、次の実験を
行った。
【0010】表1は一次焼鈍および窒化後の3%Si鋼
板にMgOパウダーをスラリー状に塗布して、二次再結
晶焼鈍の途中の仕上げ焼鈍引き出し実験を行った結果で
ある。ここでパウダーにSb系、B系とあるのはここで
はそれぞれMgOパウダーに微量のTiO2 (5%)と
Sb2 (SO4 3 (0.2%)、TiO2 (5%)と
Na2 4 7 (0.3%)を添加し、フォルステライ
ト形成等を促進させたものである。二次再結晶焼鈍は図
1の方法で途中まで行い、各温度で引き出す、いわゆる
引き出し実験を行った。かくして引き出した鋼板を表面
からGDS分析(Glow Discharge Optical Emission Sp
ectrometry:グロー放電発光分光分析法)を行い、フォ
ルステライト、つまり、Mgピークがどの引き出し温度
から出現するかを調べた結果を表1に示してある。ここ
で( )の温度は測定温度の中間に出現があったと判定
されたものである。表1の結果で明瞭なことは、Sb系
の方がB系よりも低い温度でフォルステライトの形成が
あることである。
【0011】
【表1】
【0012】フォルステライトの生成はMgOと鋼板中
の表面濃化したSiが反応し、2MgO+SiO2 →M
2 SiO4 の反応を起こしたものと一般的に考えられ
ている。ところで珪素鋼板の製造工程とこれらの鋼板の
性質とはどのようにコントロールできるのであるのか、
という点について検討してみた。上述のように一次被膜
の形成過程と珪素鋼板の諸性質との因果関係が明確にな
れば、当然工業的にそれを製造に反映させることができ
ることになる。
【0013】表1の実験結果にみられるようにSb系の
化合物をMgOに微量添加した場合、MgOの溶融は比
較的低温で行われるので、たとえば二次再結晶焼鈍の昇
温速度を比較的小さくした方がより早くフォルステライ
トの生成を促進させ、優れた一次被膜を生成させやすい
ことになる。なおアンチモン(Sb)系の化合物とは当
実験で用いたSb2 (SO4 3 のみならずSbを含む
他の化合物を意味する。一方、同じ低融点化合物でもB
系の化合物をMgOに微量添加した場合はMgOの溶融
はSb系の化合物よりも比較的高温で行われるので、た
とえば二次再結晶焼鈍の昇温速度を比較的大きくした方
が、より早くフォルステライトの生成を促進させる。な
おボロン(B)系の化合物とはNa系のみならずNaの
代わりにCa,Mg等を含む化合物やほう酸(H3 BO
3 )やほう酸ソーダをも意味する。
【0014】さらに、アンチモン系よりも高融点系とい
う点でストロンチウム・バリウム系、炭・窒化物系、硫
化物系、塩化物系もボロン系と同等の作用が認められ
る。これらの化合物を総称して非アンチモン系と呼ぶこ
とにする。なお、通常MgOにはTiO2 等の酸化物を
添加させ高温反応を容易にすることが行われるが、本発
明の上記の添加物の効果はその酸化物の添加量に関係な
く発揮されるのでMgOに酸化物が添加されても、これ
をプレインと称してベース材の一部とみなすことができ
る。このように珪素鋼板の特性に重要な支配要因となる
一次被膜は本発明により、その組成分布の解明およびそ
れと相関を有する製造方法との組み合わせにより、ある
程度自由にコントロールすることが可能となった。
【0015】さて、ここで珪素鋼板の製造方法に触れる
必要がある。前述のように本発明が適用可能な珪素鋼板
は必要に応じてAlを含有し、AlNあるいはSi3
4 を主要インヒビターの一部とすることが可能である。
もちろんSi,Al以外に、後述する本発明の擬インヒ
ビター元素およびMn,S,Se,Sb,B,Ti,S
n,V,Cr,P等の他の添加元素を付加的に添加さ
せ、磁気特性の向上を図ることは本発明の基本を変える
ものではない。ところでAlNあるいはSi3 4 をイ
ンヒビターとする鋼は公知であり、そのいずれの場合に
おいても本発明の技術を適用することが可能である。し
かしながら、これだけでは本発明の目標の磁区制御を行
う前のB8 ≧1.92TおよびW17/50 ≦1.10w/kg
を安定して達成することは困難である。すなわち本発明
の主要の考えの一部は以下の通りである。
【0016】従来の一方向性電磁鋼板の二次再結晶でG
OSS方位を鋭く得るためには、インヒビターと称する
析出物を二次再結晶前または二次再結晶時に鉄中に析出
させることが知られている。これはGOSS方位を持っ
た結晶粒が優先的に成長するべく、他の方位の結晶粒の
成長を抑制するためであると一般的に言われている。事
実AlNやMnSやMnSe等に代表される一方向性電
磁鋼板はこれらの析出物を使い、優れた磁性の鋼板を製
造している。しかしながらこのような方法だけでは、い
かなる条件下でも安定して上記の本発明の特性の鋼板を
製造することは困難である。その理由はこれらの析出物
が高温、例えば1000℃以上では基本的に分解してし
まうことによると考えられる。従って1000℃以上の
粒成長でのインヒビターフリーの状況下で粒成長させて
もGOSS方位から多少逸脱して粒成長することがある
と考えられる。
【0017】このような状況に対応するためにまず10
00℃以上で安定して存在する析出物が極めて重要であ
ることがわかる。従来の知見では残念ながら適当な技術
が見つかっていない。その理由は例えば、Tiは高温で
も安定な化合物、TiN等をつくるし、その他の元素で
も酸化物等が比較的高温、たとえば1200℃以上でも
安定である。しかしながら、これらの化合物はその生成
量が結晶粒の粒界を万遍なく覆うほど数が多くはなく、
インヒビターとしての機能が期待できない。仮に量を多
くするべく多量に入れても今度は純化の目的もある二次
再結晶焼鈍(仕上げ焼鈍とも言う)では十分抜けないで
残存し製品の鉄損を劣化させる。一方、1000℃以上
でインヒビター強度が全く変わらず頑固なままでは、1
000℃までに成長したGOSS方位から多少ずれた二
次再結晶粒がそのまま軌道修正せずに製品に残ることが
考えられる。
【0018】本発明ではかかる従来知見の状況を打開す
るべく画期的な技術知見を見いだしたものである。本発
明が着目したのは従来の析出物の概念にとらわれないで
粒界移動を抑制する物質がないか、という観点からスタ
ートした。その結果、粒界に偏析しやすくかつ1000
℃以上の高温でもそれが比較的残存し、かつさらに高温
になったときに鋼板表面から徐々に消えていくような元
素はないかという点に帰結した。その結果、鉄の中に入
って拡散の活性化エネルギーQ(kcal/mol)の大きい元
素に着目した。その理由は以下の通りである。いわゆる
拡散係数Dは式で表される。 D=D0 exp(−Q/RT) …………………………………… ここでD:拡散定数、D0 :定数、R:気体定数、T:
絶対温度 この式は対数をとると、式となる。 InD=InD0 +(−Q/RT) ……………………………………
【0019】つまり、拡散定数Dは、活性化エネルギー
Qが大きいほど、高温でも小さいことを示し、つまり拡
散に長時間を必要とすることを示している。このことは
もし高温までこの式が通用するならば、Qの大きい元素
(高拡散エネルギー元素)は高温でも安定していること
を示している。このような元素はそれ自体インヒビター
としての可能性があるのではないかと予測される。その
結果、本発明によれば、Qが70kcal/mol以上の場合に
は元素それ自体のインヒビターとしての効果(本発明で
は擬インヒビター効果と以下呼ぶ)が認められることが
明らかとなった。一方、このQの大きい元素の添加だけ
では必ずしも十分、本発明の目標の磁区制御前に磁束密
度B8 ≧1.92Tおよび鉄損W17/50 ≦1.10w/kg
を安定して満たしてくれる一方向性電磁鋼板を製造する
ことが困難であることが明らかになった。その理由は以
下の通りである。
【0020】前述のように一方向性電磁鋼板はフォルス
テライトを主成分とする一次被膜が十分にできないとイ
ンヒビターが逃げてしまい、GOSS方位の揃った二次
再結晶が十分成長しないばかりか、その一次被膜の張力
による鉄損も十分向上せず、よい磁気特性の製品は得ら
れない。一方、本発明が上記のように元素の拡散定数の
特性からくる擬インヒビターを使用するためにさらに重
要な条件がある。それは二次再結晶終了後の保定または
冷却中に表面に出てくるHf,Bi等の擬インヒビター
元素が、表面に存在する他の元素と反応して化合物を作
り、せっかく生成した表面被膜のフォルステライト等を
侵食し、これらの一次被膜が十分残存しないか、全く存
在しなくなるという現象である。このため、二次再結晶
時のコイルの板間の面圧は0.3kg/mm2 以下であるこ
とが必要となった。これ以上ではHf,Bi等が表面か
ら雰囲気中に十分抜けず、一次被膜が十分生成されな
い。
【0021】さらに別の観点から二次再結晶時の昇温速
度は当然ながら極めて重要な因子となる。この組み合わ
せがいわば本発明のもう一つの重要な技術要素を構成し
ている。1000℃以上でもなお安定する擬インヒビタ
ー元素は昇温速度によって拡散量は変化する。たとえ
ば、Biの場合、その拡散式は式のように表されるこ
とが本発明で明らかになった。 D=3.9×103 exp(−85,000/RT)………………… (ここでBiのQは85kcal/mol)
【0022】これをもとに二次再結晶焼鈍(仕上げ焼
鈍)の昇温速度を図2のように変えて昇温すると、その
ときのBiの拡散量(移動量)は式から計算すると図
3に示すように変化し、昇温速度の小さいほど拡散移動
量は多くなる。一方、式は鉄中のAsの拡散式であ
る。 D=4.3×exp(−52,500/RT) …………………
【0023】このAsの場合は昇温速度と拡散移動量と
の関係も図3のように表される。つまりBiに比べれば
活性化エネルギーQが52.5kcal/molと小さいAsで
はどの昇温速度でも拡散移動量がはるかに大きく、イン
ヒビターとしての機能ははるかに弱いことがこれからも
わかる。そして、どちらの場合も昇温速度が小さいほど
拡散移動量は多くなる。そして、二次再結晶が熱活性過
程で行われる以上、鉄(Fe)元素固有の自己拡散との
競争になる。Feの自己拡散の活性化エネルギーQは6
0kcal前後の値であり、本発明の擬インヒビター元素の
Q(≧70kcal/mol)よりも小さい。このことはFeの
自己拡散に基づく二次再結晶粒の自己粒成長の駆動力の
方が擬インヒビター元素の拡散の移動の駆動力よりも大
きいことを示す。このことが、とりもなおさず擬インヒ
ビター元素が1種のブレーキとして二次再結晶のインヒ
ビターとしての1種のドラッグ(drag)効果をもたらし
ていることに他ならないと考えられる。従って、ドラッ
グ効果は鉄の自己拡散の活性化エネルギーの60kcal/m
ol台の値よりも大きい70kcal/mol以上の元素ならば、
当然ドラッグ効果が期待できる。この元素としてはB
i,Hf,W,Nb,Co,Ni,Cu,Moである。
【0024】一方、80kcal/mol以上ではさらにこのド
ラッグ効果が大きくなり、よりGOSS方位の先鋭な二
次再結晶組織の高磁束密度の一方向性電磁鋼板が得られ
ることがわかった。80kcal/mol以上の元素はHf,B
i,Wである。そしてとりわけ本発明で重要なことは仕
上げ焼鈍の昇温速度との関係である。つまり、昇温速度
の大きい場合、自己拡散の活性化エネルギーQが本発明
の擬インヒビター元素の拡散のQよりも小さい鉄の自己
拡散が擬インヒビター元素の拡散の移動よりも相対的に
移動しやすく、つまり鉄が粒成長しようとする駆動力の
方が擬インヒビターの駆動力をはるかに大きく上回って
しまう。
【0025】ところが図3に示すように昇温速度が大き
い場合は擬インヒビターの移動量は減る(残存量が増え
る)のでそれだけインヒビター効果は強くなり、これが
うまく昇温速度を大きくすることによる粒成長の駆動力
の急増とバランスする。一方、昇温速度が小さいとこの
逆の現象が起こり、この場合もうまく粒成長とインヒビ
ター強度がバランスする。この擬インヒビター元素の自
己調整作用が昇温速度の変動に対して工業的に安定して
GOSSの先鋭な二次再結晶の形成に寄与していると考
えられる。とりわけ拡散の活性化エネルギーQが80kc
al/mol以上の元素Hf,Bi,Wではこの効果が十分に
発揮され極めてGOSS方位の先鋭な磁束密度の高い一
方向性電磁鋼板が得られることがわかった。
【0026】当然ながら、鉄の自己拡散エネルギー(6
0kcal/mol台)よりも大きい拡散の活性化エネルギーQ
が70kcal/mol以上の他の元素のNb,Co,Ni,C
u,Mo等の元素も程度は少し弱いが類似の効果が認め
られた。また、Qが60kcal/mol台でも70kcal/molに
近いV,Cr,Pも補助的な効果は期待できるが、本発
明では必須ではない。従って、仕上げ焼鈍の昇温速度を
決めるのはむしろ一次被膜の形成がそれに追従できるこ
とが必要条件であり、この点から以下の制約がでてく
る。Sb系のたとえばSb2 (SO4 3 系の添加物を
マグネシアに添加する場合は、仕上げ焼鈍の比較的小さ
い昇温速度でかつ低い温度からよい一次被膜ができやす
い。一方、ボロン系の添加物を添加する場合には、比較
的高温でかつ比較的高い昇温速度でもよい一次被膜がで
きやすい。
【0027】さらに本発明の構成要素で重要な点は以下
の技術的知見である。本発明の擬インヒビター効果をも
たらす拡散の活性化エネルギーQが、70kcal/mol以上
の元素を添加しただけでは十分先鋭なGOSS方位の二
次再結晶組織を安定して得ることが困難である。図4は
擬インヒビター元素のBiを0.025%含む3.20
%Si鋼の画像解析装置で求めた一次再結晶焼鈍後の結
晶粒径の断面組織の平均粒径および標準偏差の該平均粒
径への割合(%)と、製品の磁束密度B8 との関係を示
したものである。なお、ここで粒径の標準偏差の求め方
を式で表す。 標準偏差:σn=((ΣX2 −(ΣX)2 /n))/n)1/2 ……… ここでX:各結晶粒径 n:結晶粒の数
【0028】また、標準偏差を平均粒径で割り、これに
100を乗じ、この値を百分率(%)で表した値を本発
明では、標準偏差の平均粒径への割合として、重要な指
標の一つとして扱う。これをみても明らかのように、高
磁束密度を安定して得られる断面一次粒径の平均粒径お
よび標準偏差の該平均粒径への割合の最適範囲があるこ
とがわかる。この理由は必ずしも明確ではないが以下の
ように考えられる。すなわち、これも擬インヒビター元
素の拡散の活性化エネルギーと関係があると考えられ
る。一次再結晶粒径の平均値は一次粒径の粒界エネルギ
ーの大きさと対応しており、粒径の小さいほど、粒界面
積が多いので粒界エネルギーは大きい。
【0029】本発明の場合、擬インヒビター元素は一次
再結晶粒の粒界にも当然偏析しており、その粒成長過程
でも粒成長を抑制している。従って平均粒径が大き過ぎ
ると粒界エネルギーが弱すぎて仕上げ焼鈍で粒成長が十
分行われずに、いわゆる細粒組織となって極めて磁性は
悪い。一方、一次粒径の平均値が小さすぎると粒界エネ
ルギーが大きすぎて、どの方位の粒も成長しやすいた
め、分散した方位の二次再結晶組織となりやすく磁性は
安定して高くならない。これが一次再結晶組織の平均粒
径の最適範囲が存在する理由である。
【0030】一方、大きい粒と小さい粒が混ざって存在
すると、粒界偏析している擬インヒビター元素の濃度が
局所的に異なり、仕上げ焼鈍の一次再結晶粒の成長過程
で擬インヒビター元素の拡散の移動の絶対量が部分的に
異なってしまう。このため、いわゆる鉄の自己拡散をベ
ースとする粒成長の駆動力と擬インヒビター元素の拡散
の移動量の局部遍在によるインヒビター効果の局部的ば
らつきとの不均衡により、二次再結晶の粒成長とインヒ
ビター効果との不一致が生じ、二次再結晶粒の成長と共
に徐々にインヒビター強度が一様に弱まっていくことに
よるGOSSの優先成長という本発明の基本思想からの
ずれが生じていき、磁性の安定が見られないと考えられ
る。
【0031】一方、一次粒径の標準偏差が平均粒径に対
し10%未満であると再び磁性が悪くなる。この理由も
明確ではないが以下のことが考えられる。つまり、一次
組織の整粒性がよく成りすぎると、どの方位の粒も均一
な比較的揃った粒界エネルギーを有するので、かえっ
て、GOSS方位粒の成長優先性が失われることが考え
られる。さて、本発明の特徴をより一層発揮させるには
とりわけ以下に示す製造法が最適である。
【0032】すなわちSiを1〜7%含む鋼で必要に応
じAlを鋼溶製時に0.1%以下含み、また、AlN,
Si3 4 等をインヒビターとして利用する場合は、珪
素鋼板製造工程における鋼溶製時または冷延後の一次焼
鈍中の脱炭焼鈍中または後に鋼板に直接窒化反応を介し
て鋼にNを強制的に添加せしめる方法等により、二次再
結晶焼鈍前にNを60〜400ppm 鋼に含むことを特徴
とする。Siは本発明においては上記のようにフォルス
テライト形成のために最低1%は必要である。一方、7
%を超えると加工性が極端に劣化し工業生産に適さな
い。
【0033】Alは、AlNインヒビター形成に有効で
ある。しかし、0.1%を超えるとAl2 3 生成量が
多くなり健全な鋼の清浄度を損ない、ひいては磁気特性
に悪影響をもたらす。NはAlNやSi3 4 インヒビ
ターを形成するのに不可欠であり、本発明においてはこ
れらのインヒビターを利用する場合は一次焼鈍後、つま
り仕上げ焼鈍の二次再結晶開始前で最低60ppm は必要
である。一方、400ppm を超えるとAlやSiを食い
すぎて好ましくはない。この他の元素は本発明では従来
の鋼に較べて特に特徴的ではないが以下に制約すること
が好ましい。
【0034】Cは鋼溶製中に十分低くするかまたは一次
焼鈍の脱炭焼鈍時に十分低くする必要があり、二次再結
晶焼鈍開始時には0.03%以下が好ましい。Mnは
0.5%以下ならばSと反応してMnSインヒビターを
形成する。0.15%以下だとさらに磁束密度の向上に
好ましい。Oは鋼溶製後に0.05%以下であればAl
2 3 を多量に作りすぎず清浄度的に好ましい。Hf,
Bi,W,Nb,Co,Ni,Cu,Moの元素は鉄中
の拡散の活性化エネルギーが70kcal/mol以上で前述の
擬インヒビター効果により、磁束密度の向上、鉄損低減
の効果があり、そのためにはその1種類以上の合計が鋼
溶製時に最低0.001%以上必要である。一方、0.
50%超では熱間脆性が激しく熱延が極めて困難にな
る。これは高温での活性化エネルギーの大きいことと無
関係ではないと考えられる。V,Cr,Pは本発明では
必須元素ではないが前述のように擬インヒビター元素へ
の補助的効果が認められる。この場合、その1種類以上
の合計が0.02%以上を含まないと補助的効果はな
く、一方、0.30%超では一次被膜形成が十分でなく
なる。Snは本発明では必須元素ではないが鉄損低減に
効果があり、その場合は0.02%以上必要である。一
方、0.20%超では一次被膜が十分できない。
【0035】次に化学成分以外の本発明の製造方法につ
いて述べる。鋼を転炉または電気炉等で出鋼し、必要に
応じて精錬工程を加えて成分調整を行った溶鋼を連続鋳
造法、造塊分塊圧延法あるいは熱延工程省略のための薄
スラブ連続鋳造法等により、厚さ30〜400mm(薄ス
ラブ連続鋳造法では50mm以下)のスラブとする。ここ
で30mmは生産性の下限であり、400mmは中心偏析で
Al2 3 等の分布が異常になることを防ぐための上限
である。また50mmは薄スラブ連鋳法での冷速が小さく
なって粗大粒が出てくることを抑制するための上限であ
る。
【0036】該スラブをガス加熱、電気利用加熱等によ
り1000〜1400℃に再加熱を行い、引き続き熱間
圧延を行って厚さ10mm以下のホットコイルとする。こ
こで1000℃はAlN溶解の下限であり、1400℃
は表面肌あれと材質劣化の上限である。また10mmは適
正な析出物を生成する冷速を得る上限である。なお、薄
スラブ連続鋳造法では直接コイル状にすることも可能で
あり、そのためには10mm以下が好ましい。このように
作ったホットコイルを再び800〜1250℃で焼鈍
し、磁性向上を図ることもしばしば行われる。ここで8
00℃はAlN等のインヒビター析出物の再溶解の下限
であり、1250℃はAlN等インヒビター析出物の粗
粒化防止の上限である。
【0037】かかる処理工程の後、ホットコイルを直接
またはバッチ的に酸洗後冷間圧延を行う。冷間圧延は圧
下率60〜95%で行うが、60%は本発明で再結晶可
能な限界であり、好ましくは70%以上が一次焼鈍で
{111}〔112〕方位粒を多くして、二次再結晶焼
鈍時のGOSS方位粒の生成を促進させる下限であり、
一方95%超では二次再結晶焼鈍で首振りGOSS粒と
称するGOSS方位粒が板面内回転した磁気特性に好ま
しくない粒が生成される。以上はいわゆる一回冷延法で
製造する場合だが、なお、二回冷延法と称して冷延−焼
鈍−冷延を行う場合は、一回目の圧下率は10〜80
%、二回目の圧下率は50〜95%となる。ここで10
%は再結晶に必要な最低圧下率、80%と95%はそれ
ぞれ二次再結晶時に適正なGOSS方位粒を生成させる
ための上限圧下率、また50%は二回冷延法においては
一次焼鈍時の{111}〔112〕方位粒を適正に残す
下限圧下率である。
【0038】なお、通称パス間エージングと称し、冷間
圧延の途中で鋼板を適当な方法で100〜400℃の範
囲で加熱することも磁気特性の向上に有効である。10
0℃未満ではエージングの効果がなく、一方400℃超
では転位が回復してしまう。しかる後、一回冷延法でも
二回冷延法でも一次焼鈍を行うわけであるが、この焼鈍
で脱炭を行うことは有効である。前述のようにCは二次
再結晶粒の成長に好ましくないばかりか、不純物として
残ると鉄損の劣化を招く。なお鋼の溶製時にCを下げて
おくと脱炭工程が短縮化されるばかりか{111}〔1
12〕方位粒も増やすので好ましい。なお、この脱炭焼
鈍工程で適正な露点を設定することで後の一次被膜生成
に必要な酸化層の確保が行われる。一次焼鈍温度は70
0〜950℃が好ましい。ここで700℃は再結晶可能
な下限温度であり、950℃は粗大粒の発生を抑制する
上限温度である。
【0039】さらに、AlNやSi3 4 インヒビター
のNを積極的に利用する場合は、鋼溶製時または一次焼
鈍時か後に窒化法等で強制添加することが行われるが、
一次焼鈍中または直後に行う場合は、アンモニア(NH
3 )等で窒化法により窒化することも行われる。この場
合の窒化法の温度は600〜950℃が好ましい。ここ
で600℃は窒化反応を起こす下限であり、一方950
℃は粗大粒発生を抑える上限である。
【0040】本発明において窒化は一次再結晶焼鈍後に
行う場合は、工業的には同じ炉内の後面に仕切りを設け
て雰囲気を必要に応じて多少変えて、NH3 ガスを流す
か、近接した設備で行うため一次再結晶と平行して窒化
されることもしばしば行われる。この際前述のようにN
2 分圧が低い方が窒化量は大きく、好ましくは窒素と酸
素の分圧比P N2 /P H2 は0.5以下が好ましい。一
次焼鈍あるいは上記窒化法を行い、その後、酸化マグネ
シウム(MgOを主成分とする。以下MgOと呼ぶ)パ
ウダーを水または水を主成分とする水溶液に溶かしスラ
リー状にして鋼板に塗布する。この際、後の二次再結晶
焼鈍時にMgOパウダーの溶融を容易にさせ、フォルス
テライト生成反応を促進させる目的で、適当な化合物を
微量添加することも行われる。TiO2 を添加する場合
は1〜15%が好ましいが、ここで、1%はフォルステ
ライト反応促進効果を発揮する下限であり、15%超で
はMgOが少なくなってかえってフォルステライト反応
が進まない。
【0041】Sb2 (SO4 3 等のアンチモン系の化
合物はMgOを比較的低温で溶融させるのに効果があ
り、添加を行う場合は0.05〜5%が好ましい。ここ
で、0.05%は上記低温溶融を起こす下限であり、一
方、5%を超える場合は多すぎてMgOのフォルステラ
イトの本来の反応を不活性化する。Na2 4 7 等の
ボロン系の化合物およびそれと同様の作用を持つストロ
ンチウム・バリウム系、炭・窒化物系、硫化物系、塩化
物系の化合物は、アンチモン系よりは比較的高温でMg
Oを溶融させるのに効果があり、添加する場合は0.0
5〜5%が好ましい。ここで、0.05%は上記の効果
を発揮する下限であり、一方5%超ではやはりMgOの
フォルステライトの本来の反応を不活性化するので好ま
しくない。なおこれらの化合物は互いに複合して添加す
ることも可能である。
【0042】ただしアンチモン系の低温溶融型とボロン
系他の比較的高温溶融型の化合物を混ぜて使用するとき
は、その効果は高温溶融型に近いことになるが、本発明
の主旨と矛盾するものではなく、その場合は本発明の高
温溶融型の昇温速度をとることが好ましい。なお、ここ
で添加する化合物の%はMgOの重量を100%とした
ときの重量比を%で示してある。二次再結晶焼鈍は最高
到達温度を1100〜1300℃で行うのが好ましい。
1100℃は二次再結晶が行われる下限の温度であり、
一方1300℃超は結晶粒が粗大化し過ぎて鉄損の劣化
を招く。なお、前述のように、この二次再結晶焼鈍中の
比較的前段階で雰囲気等よりNを追加添加する窒化法が
行われることもある。
【0043】さて、この二次再結晶焼鈍の昇温速度はと
りわけ本発明では重要である。すなわち、MgO中に添
加する化合物の種類によって昇温速度を変化させること
が必要である。アンチモン系の化合物をMgOに添加す
る場合は、800℃〜最高到達温度の平均昇温速度は毎
時0.1〜80℃の比較的小さいことが必要である。こ
こで、0.1℃/時は工業的昇温速度の下限であり、一
方前述のようにMgOがアンチモン系の化合物の添加で
は低温で溶融するためより早く確実にフォルステライト
の生成を行っておく必要があり、それには昇温速度は8
0℃/時以下にしておく必要がある。一方、ボロン系、
ストロンチウム・バリウム系、炭・窒化物系、硫化物系
および塩化物系では上記平均昇温速度は毎時5〜400
℃が好ましい。すなわち、高温溶融型の化合物の添加で
はMgOの溶融を比較的高温で起こすため、早く高温に
到達するため5℃/時以上の昇温速度が必要であり、一
方、400℃/時超では二次再結晶そのものがインヒビ
ターとの関係で十分行われない。
【0044】さらに二次再結晶保定または冷却中のコイ
ルの板間の面圧が0.3kg/mm2 超ではHf,Bi等の
擬インヒビター元素がコイルから抜けず化合物を作りこ
れがフォルステライトを侵食して十分な一次被膜ができ
ない。以上が本発明の珪素鋼板の製造方法での重要な部
分であるが、工業的にはさらに絶縁特性や磁気特性を向
上させる目的で鋼板にロールコータ法やコロイド法やゾ
ルゲール法等による有機質や無機質による二次被膜の生
成や、さらに機械的、化学的またはレーザー付加等の非
接触型のエネルギー照射法による磁区制御法、さらには
その後の発粉防止のための三次被膜の生成等のいくつか
の工程が伴うことが多い。
【0045】
【実施例】
実施例1 表2に示す化学組織を有する鋼を、150kg真空溶解炉
で溶製した。これを鋳造し、加熱、熱間圧延し、厚さ
1.8mmの熱延板とした。熱延板の何枚かに1120℃
×30秒間の焼鈍を施した。熱延板焼鈍した材料および
熱間圧延ままの材料を酸洗し、次いで90%の圧下率を
適用して冷間圧延し、0.18mmの最終板厚とした。こ
の冷間圧延過程で、材料を250℃の温度に保持するパ
ス間エイジングを施した。然る後、材料を油洗し、
2 :25%+H2 :75%、露点:60℃の雰囲気で
表3の焼鈍条件で脱炭を兼ねる一次再結晶焼鈍を施した
後、下記の焼鈍分離剤を塗布した。
【0046】(1) MgO+TiO2 (5%)+Sb2 (S
4 3 (0.2%:Sb系)、(0.02%:低Sb系)、
(6.0%:高Sb系) (2) MgO+TiO2 (5%)+Na2 4 7 (0.3%:
B系)、(0.03%:低B系)、(7.0%:高B系) (3) MgO+MgSO4 (4%)+FeSO4 (0.1%)+
Na2 4 7 (0.5%)……硫化物系 (4) MgO+SrCO3 (0.08%)+BaCl2 (0.5
%)+Ba(H)2 (0.1%)……ストロンチウム・バリ
ウム系 (5) MgO+V2 5 (5%)+CrN(3%)……炭・窒
化物系 (6) MgO+MnO2 (0.2%)+TiO2 (8%)+Ti
Cl4 (0.5%)……塩化物系
【0047】焼鈍分離剤はこれを水に溶解させてスラリ
ー状にしてロールコータで鋼板に塗布した後、350℃
の炉内で乾燥した。次いで、仕上げ焼鈍工程において、
800℃〜最高到達温度間の昇温速度を種々変化させて
鋼板を二次再結晶させた。焼鈍後の材料を水洗した後、
燐酸系の絶縁被膜(二次被膜)を塗布し、焼付処理し
た。得られた珪素鋼板に、N2 :90%+H2 :10%
のドライ雰囲気中、850℃×4時間の歪取焼鈍を施し
た後、被膜およびマクロ組織外観検査、磁気測定、被膜
張力測定、密着性試験を行った。その結果を表3に示
す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】被膜外観検査の結果を、○印:スケール、
霜降り状欠陥なし、△印:若干の霜降り状欠陥あり、×
印:スケール、霜降り状欠陥が多く、被膜が十分に形成
されていない、という表示方法で示した。スケールと
は、被膜がある程度広く剥離しているもの、霜降り状欠
陥とは、点状に被膜が剥離している欠陥のことである。
また、マクロ組織外観検査の結果を、○印:二次再結晶
組織が十分にできている、△印:部分的に細粒が認めら
れる、×印:全面に細粒が認められる、という表示方法
で示した。磁気測定は幅:60mm、長さ:300mmの単
板のSST(Single Sheet Tester)試験法によって行っ
た。B8 値(800A/mにおける磁束密度〔ガウ
ス〕)およびW17/50 (50Hzで1.7Tesla の交番磁
界における鉄損値〔w/kg〕)を測定した。
【0052】密着性試験においては、直径:20mmの円
柱に鋼板を巻き付け、その結果を、○印:被膜のクラッ
クなし、△印:被膜の微細クラックあり、×印:ほぼ全
面にクラックあり、という表示方法で評価した。さら
に、被膜張力は、鋼板の片面の被膜を除去し、そのとき
の鋼板の反りを測定し、計算によって被膜張力を算出す
るという方法によって測定した。算出結果の値の大きい
方が、被膜と地鉄の熱膨脹係数の差によって鋼板に生起
する張力が大きく、これによって鉄損特性が大きく改善
される。なお、板厚が薄いほど被膜張力は高めに出る傾
向がある。
【0053】表3から明らかなように、Sb(アンチモ
ン)系の化合物を添加した焼鈍分離剤を用いて製造され
た方向性珪素鋼板で、仕上げ焼鈍工程における昇温速度
が低く、また、B系等の化合物を添加した焼鈍分離剤を
用いて製造された方向性珪素鋼板では昇温速度が比較的
高く、かつ本発明で規定する諸条件を満足し、なかんず
く、一次再結晶組織が本発明に入るものは上記特性試験
結果が全て良好である。
【0054】実施例2 表4,表7に示す化学組成を有する鋼を転炉で溶製し、
表5,表8に示す製造条件で厚さ:0.27mmの製品を
製造した。なお、符号2−23の材料については、仕上
げ焼鈍工程における昇温中に鋼板に窒化処理を施した。
符号2−9および2−14〜2−20の材料について
は、一次再結晶焼鈍後にアンモニアガスを含む雰囲気中
で鋼板を窒化処理した。また、符号2−21の材料につ
いては、一次再結晶焼鈍後にアンモニアガスを含む雰囲
気中で鋼板を窒化処理し、さらに仕上げ焼鈍工程におけ
る昇温中に鋼板に窒化処理を施した。焼鈍分離剤に添加
する諸種の化合物は、実施例1におけると同じである。
得られた製品に、実施例1におけると同様の諸種の特性
試験を行った。その結果を表6,表9に示す。表6,表
9から明らかなように、本発明で規定する条件を満足す
るものは、上記特性試験結果が全て良好である。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば磁気特性の優れた一方向
性電磁鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)は仕上げ焼鈍条件を示
す図表である。
【図2】仕上げ焼鈍速度を示す図表である。
【図3】昇温速度と拡散移動量の関係を示す図表であ
る。
【図4】一次粒径の平均値および標準偏差と磁気測定の
関係を示す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 22/00 A H01F 1/16 (72)発明者 山崎 修一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:1〜7%および鉄中の拡散の活性
    化エネルギーQが70kcal/mol以上の元素の1種類以上
    の合計が0.001%以上0.50%以下を含む鋼を溶
    製し、熱間圧延、冷間圧延、一次再結晶焼鈍および二次
    再結晶焼鈍を基本工程とする方向性電磁鋼板の製造にお
    いて、一次再結晶粒径(断面粒径)の測定の平均値を5
    〜35μ、かつそのそれぞれの粒径の標準偏差値が該平
    均値の10〜70%であり、かつ二次再結晶焼鈍前に塗
    布するマグネシアの中にアンチモン系の化合物を0.0
    5〜5.0%添加し、かつ二次再結晶焼鈍での800℃
    から最高到達温度までの平均昇温速度を毎時0.1〜8
    0℃とし、かつ二次再結晶焼鈍での板間の面圧を0.3
    kg/mm2 以下とすることを特徴とする高磁束密度低鉄損
    一方向性電磁鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】 Si:1〜7%および鉄中の拡散の活性
    化エネルギーQが70kcal/mol以上の元素の1種類以上
    の合計が0.001%以上0.50%以下を含む鋼を溶
    製し、熱間圧延、冷間圧延、一次再結晶焼鈍および二次
    再結晶焼鈍を基本工程とする方向性電磁鋼板の製造にお
    いて、一次再結晶粒径(断面粒径)の測定の平均値を5
    〜35μ、かつそのそれぞれの粒径の標準偏差値が該平
    均値の10〜70%であり、二次再結晶焼鈍前に塗布す
    るマグネシアの中にボロン系、ストロンチウム・バリウ
    ム系、炭・窒化物系、硫化物系、塩化物系の1種または
    2種以上を合計0.05〜5.0%添加し、かつ二次再
    結晶焼鈍での800℃から最高到達温度までの平均昇温
    速度を毎時5〜400℃とし、かつ二次再結晶焼鈍で板
    間の面圧を0.3kg/mm2 以下とすることを特徴とする
    高磁束密度低鉄損一方向性電磁鋼板の製造法。
  3. 【請求項3】 活性化エネルギーQが70kcal/mol以上
    の元素としてHf,Bi,W,Nb,Co,Ni,C
    u,Moの元素群から選択して用いる請求項1または2
    記載の高磁束密度低鉄損一方向性電磁鋼板の製造法。
  4. 【請求項4】 活性化エネルギーQが80kcal/mol以上
    の元素としてHf,Bi,Wの元素群から選択すること
    を特徴とする請求項1または2記載の高磁束密度低鉄損
    一方向性電磁鋼板の製造法。
  5. 【請求項5】 フォルステライトを主成分とする一次被
    膜を含めた鋼板中に、Hf,Bi,W,Nb,Co,N
    i,Cu,Moの元素の1種類以上を合計で0.003
    〜0.30%含有し、かつ磁束密度B8 が1.92T
    (テスラ)以上および鉄損W17/50 が1.10w/kg以下
    であることを特徴とする高磁束密度低鉄損一方向性電磁
    鋼板。
  6. 【請求項6】 フォルステライトを主成分とする一次被
    膜を含めた鋼板中に、Hf,Bi,Wの元素の1種類以
    上を合計で0.003〜0.30%含有し、かつ磁束密
    度B8 が1.92T(テスラ)以上および鉄損W17/50
    が1.10w/kg以下であることを特徴とする高磁束密度
    低鉄損一方向性電磁鋼板。
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