JPH07258467A - 昜崩壊性成形物および製造方法 - Google Patents

昜崩壊性成形物および製造方法

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JPH07258467A
JPH07258467A JP7442294A JP7442294A JPH07258467A JP H07258467 A JPH07258467 A JP H07258467A JP 7442294 A JP7442294 A JP 7442294A JP 7442294 A JP7442294 A JP 7442294A JP H07258467 A JPH07258467 A JP H07258467A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 澱粉系高分子を含む組成物からなる成形物で
あって、保存時にはカビの発生を防ぎ、成形品を活用し
た後では微生物等により崩壊する昜崩壊性成形物および
この製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 澱粉系高分子、水分および熱可塑性樹脂から
なる組成物中の澱粉系高分子の配合量が5〜80重量%
であり、澱粉系高分子が生澱粉または/及びこの生澱粉
を変成した変成澱粉系高分子であり、かつこの組成物の
成形物表面を防かび剤で被服することを特徴する昜崩壊
性成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0010】
【産業上の利用分野】 本発明は昜崩壊性成形物および
この製造方法に関し、さらに詳しくは、澱粉系高分子を
含む組成物からなる成形物であって、保存時にはカビの
発生を防ぎ、成形品を活用した後では微生物等により崩
壊する昜崩壊性成形物およびこの製造方法に関する。
【0011】
【従来の技術】 従来の澱粉系高分子を含む生物分解性
成形物は、微生物によって分解し、堆肥となり、その後
水と炭酸ガスへと自然分解し、ゴミ処理問題等に役立つ
する優れた機能を持つので、カビが発生しやすい。多糖
類等を長期保存する手段としては特公昭63−3214
9の陰イオン系界面活性剤を含ませたり、特公昭−63
−32150の低温保存が知られる。
【0012】
【本発明が解決しようとする課題】 しかし従来の生物
分解性成形物からなる成形品は、保存時にカビが発生す
るので利用価値を全く失ってしまう問題点を有している
ので保存管理費用が極めて大きく、工業的な利用を妨げ
る原因となり、長期保存剤を含ませると、生分解性をそ
こなうおそれがある。本発明者は、かかる事から、保存
時にカビの発生による利用価値を失なうことなく、活用
後の廃棄処分時には容易に崩壊する成形物を得るべく鋭
意研究を行い、本発明を完成した。
【0013】
【課題を解決するための手段】 本発明は、下記の構成
を有する。 (1)澱粉系高分子、水分と熱可塑性樹脂からなる組成
物中の澱粉系高分子の配合量が5〜80重量%であり、
澱粉系高分子が生澱粉または/およびこの生澱粉を変成
した変成澱粉系高分子であり、かつこの組成物の成形物
表面を防かび剤で被服することを特徴する昜崩壊性成形
物であり、(2)澱粉系高分子、水分と生物分解性熱可
塑性樹脂からなる組成物であり、組成物中の水分の配合
量が0.5〜30重量%であり、生物分解性熱可塑性樹
脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物または/お
よびポリカプロラクトンであり、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物は、エチレン含量が0.01〜60モ
ル%、分子量が100〜500000、ケン化率が0.
01〜99.99%であるエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物であり、変成澱粉系高分子が、生澱粉を変成
した化学変性澱粉誘導体、化学分解変性澱粉、酵素変性
澱粉、物理的変性澱粉であり、組成物の成形物表面の防
かび剤被服量が2〜40μg/cm2であり、かつこの防か
び剤が、ソルビン酸、ソルビン酸塩類、εーポリリジ
ン、イソチオシアン酸アリル及びこれらの混合物である
上記の昜崩壊性成形物であり、(3) 澱粉系高分子、
水分および熱可塑性樹脂からなる組成物中の澱粉系高分
子の配合量が5〜80重量%であり、澱粉系高分子が生
澱粉または/およびこの生澱粉を変成した変成澱粉系高
分子であり、熱可塑性樹脂が生物分解性熱可塑性樹脂で
ある組成物を用い造粒物とし、次いで金型またはロール
にpH3〜8の防かび剤水溶液を塗布し、先の造粒物を
用い成形することで、金型またはロールに塗布された防
かび剤を転写する被服量2〜40μg/cm2の防かび剤が
塗布された昜崩壊性成形物の製造方法である。
【0014】 以下本発明を詳細に説明する。本発明の
昜崩壊性成形物は、澱粉系高分子、水分と熱可塑性樹脂
からなる組成物中の澱粉系高分子の配合量が、5〜80
重量%であり、澱粉系高分子が、生澱粉または/および
この生澱粉を変成した変成澱粉系高分子であり、かつこ
の組成物の成形物表面を防かび剤で被服することを特徴
する。
【0015】 本発明に使用する澱粉系高分子として
は、生澱粉またはこの生澱粉を変成した変成澱粉系高分
子である。すなわち生澱粉が、トウモロコシ澱粉、ワラ
ビ澱粉、クズ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、キッサバ澱
粉、サゴ澱粉、タピオカ澱粉、モロコシ澱粉、豆澱粉、
ハス澱粉、ヒシ澱粉、甘藷澱粉等であり、変成澱粉系高
分子が、生澱粉を変成した化学変性澱粉誘導体、化学分
解変性澱粉、酵素変性澱粉、物理的変性澱粉である。化
学変性澱粉誘導体として、アリルエーテル化澱粉、カル
ボキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテ
ル化澱粉、ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉、メチル
エーテル化澱粉、燐酸架橋澱粉 、ホルムアルデヒド架
橋澱粉、エピクロルヒドリン架橋澱粉、アクロレイン架
橋澱粉、アセト酢酸エステル化澱粉、酢酸エステル化澱
粉、コハク酸エステル化澱粉、キサトゲン酸エステル化
澱粉、硝酸エステル化澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、
燐酸エステル化澱粉が例示でき、化学分解変性澱粉とし
てジアルデヒド澱粉、酸処理澱粉、次亜塩素酸酸化澱粉
等が例示でき、酵素変性澱粉として加水分解デキストリ
ン、酵素分解デキストリン、アミロース等が例示でき、
物理的変性澱粉としてα−澱粉、分別アミロース、湿熱
処理澱粉等が例示できる。
【0016】 本発明の組成物は、澱粉系高分子を含有
する組成物であって、組成物中の澱粉系高分子の配合量
が、5〜80重量%であり、さらに好ましくは20〜6
0重量%である。澱粉系高分子が5重量%以上である
と、生物分解性がよくかつ寸法安定性を有し、加工性に
優れるので好ましい。また本発明の組成物中の澱粉系高
分子の配合割合は、80重量%以下である80重量%を
越えると、組成物中の流動性改良剤としての熱可塑性樹
脂の配合割合が少なくり流動不良となり、熱可塑性樹脂
を多く配合することにより流動性が改善し成形加工性が
良好になる。
【0017】 本発明の組成物には水分が含まれ、好ま
しくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは2〜15
重量%である。水分量は澱粉系高分子中に含まれたもの
でもよく、組成物中に水分を補給してもよく、造粒物後
に補給してもよい。この水分を含有することにより、本
発明の成形性と使い易さを良好にする。本発明の熱可塑
性樹脂は、生物分解性熱可塑性樹脂が好ましく、この生
物分解性熱可塑性樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ジカル
ボン酸グリコール反応物等がある。
【0018】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
とは、酢酸ビニルとエチレンを共重合させたのち、ビニ
ルエステル基を部分的に加水分解することにより得られ
たポリマーからなることを特徴とする。中でもエチレン
含量が0.01〜60モル%、分子量が100〜500
000、ケン化率が0.01〜99.99%のエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物が、さらにエチレン含量
が20〜60モル%、ケン化率が50%以上のエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物が生物分解性、流動性と
もに優れ好ましい。
【0019】 また流動性改良剤としてさらに熱可塑性
樹脂を加えてもよく、このような熱可塑性樹脂としてポ
リオレフィン、ビニルポリマー、ポリスチレン、ポリア
クリロニトリル、ポリアクリレート、ポリメタアクリレ
ート、ポリアセタール、熱可塑性重縮合物、ポリアリー
ルエーテル、熱可塑性ポリイミド、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアルキレン
テレフタレート、アルキレン/ビニルエステルコポリマ
ー、アルキレン/アクリレート又はメタクリレートコポ
リマー、ABSコポリマー、スチレン/アクリロニトリ
ルコポリマー、アミドエーテル、アミドエステルのブロ
ックコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(E
VA)、エチレン/アクリル酸コポリマー(EAA)、
エチレン/エチルアクリレートコポリマー(EEA)、
エチレン/メタクリレートコポリマー(EMA)、スチ
レン/アクリレートニトリルコポリマー(SAN)、エ
チレン/無水マレイン酸コポリマー、アミドエーテル、
アミドエステルのブロックコポリマー、ウレタンエーテ
ル、ウレタンエステルのブロックコポリマーなどを例示
できる。またこのような熱可塑性樹脂は低分子量である
ことにより生物分解性熱可塑性樹脂となり易い。
【0020】 本発明の組成物には、また必要に応じて
充填剤、潤滑剤、離型剤、可塑剤、発泡剤、安定剤、増
量剤、改質剤、流動加速剤、着色剤、顔料を添加でき
る。潤滑剤として、グリセリンやステアリン酸がなかで
も良い。
【0021】 本発明の昜崩壊性成形物は、上記組成物
の成形物表面を防かび剤で被覆してある。成形品表面の
防かび剤被服量は、2〜40μg/cm2であることが好ま
しい。防カビ剤が、ソルビン酸、ソルビン酸塩類、ε−
ポリリジン、イソチオシアン酸アリルなどに例示できる
食品用保存剤が好ましいが、フェノール類、ナフテン酸
金属塩、サリチルアニリドなどに例示できる毒性を有す
る防かび剤であってもよい。ただし、昜崩壊性成形物を
食品容器など使用するときは安全性の点から食品用保存
剤に限定される。
【0022】 本発明に係る食品用保存剤とは、ソルビ
ン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリ
ウム、安息香酸カリウム、プロピオン酸、プロピオン酸
カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、パラオキシ安息
香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パ
ラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸メチル、
パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピ
ル、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、オルトフ
ェニールフェノール、オルトフェニールフェノール塩、
チアベンダゾール、ジフェニール、グリシン、酢酸、酢
酸塩、乳酸、クエン酸、アジピン酸、アルコール類、亜
硝酸ナトリウム、ε−ポリリジン、エタノール、エゴノ
キ抽出物、カワラヨモギ抽出物、しらこんたん白、ヒノ
キチオール抽出物、ガラクチュロン酸からなるペクチン
分解物、フィリリンからなるレンギョウ抽出物、イチジ
ク葉抽出物、オレガノ抽出物、脂肪酸やフラボノイド等
からなる柑橘種子抽出物、フラボノイドからなるカンゾ
ウ油性抽出物、オイゲノール等からなるクローブ抽出
物、スチルベン誘導体からなるクワ抽出物、コウジ酸、
シソ抽出物、シナモン抽出物、シネオールやカンファー
等からなるセージ抽出物、ジンゲオールやショウガオー
ルからなるショウガ抽出物、シネオールやカンファー等
からなるセージ抽出物、ポリゴジアールからなるタデ抽
出物、カテキン類からなる茶抽出物、生大豆抽出物、ニ
ンニク抽出物、オイゲノールやチモール等からなるピメ
ンタ抽出物、ポリフェノール化合物からなるブドウ果皮
抽出物、フラボノイド等からなるプロポリス抽出物、ペ
プタイド等からなるベニコウジ分解物、ビネン等からな
るペパー抽出物、バクチオールからなるホコッシ抽出
物、モウソウチク抽出物、モミガラ抽出物、リゾチー
ム、ローズマノールやカルバクノール等からなるローズ
マリー抽出物、イソチオシアン酸アリルからなるワサビ
抽出物、ナツメグ抽出物、メース抽出物、ハッカ抽出
物、ユーカリプタス抽出物、パセリーシード抽出物、マ
ジュラム抽出物、タイム抽出物、コリアンダー抽出物、
ササフラス抽出物、ローレル抽出物、キャラウェイ抽出
物、ディル抽出物、アニス抽出物、オニオン抽出物、ク
ローブ抽出物、オレガノ抽出物、セイボリー抽出物、タ
イム抽出物、クミン抽出物、キャラウェイ抽出物、プロ
タミン、キトサン、メラノイジン、寒天オリゴ糖、ベタ
インの単独使用と二種以上の組み合わせ使用およびpH
特性変更の為のグルコン酸、酒石酸、乳酸、グリシン、
フィチン酸、重合リン酸、リンゴ酸、リン酸、タイニン
酸、没食子酸、脂肪酸、エラグ酸、コウジ酸などを例示
できる。
【0023】 本発明に係る組成物から昜崩壊性成形物
の成形加工方法は、射出成形法、押し出し成形法、イン
フレーションフィルム成形法、デフレーションフィルム
成形法、Tダイフィルム成形法、コートハンガーダイフ
ィルム成形法、ラミネーション成形法、モノフィラメン
ト押し出し成形法、複合モノフィラメント押し出し成形
法、溶融繊維紡糸成形法、Tダイ型押し出しシート成形
法、コートハンガーダイ型押し出しシート成形法、押し
出しブロー成形法、押し出しパイプ成形法、射出ブロー
成形法、シートブロー成形法、延伸ブロー成形法、多層
ブロー成形法、直接真空成形法、ドレイプ真空成形法、
エア・リップ真空成形法、プラグアシスト真空成形法、
エア・クッション真空成形法、加圧成形法、雄雌成形
法、スリップ成形法、押し出しプロフィル成形法、押し
出し発泡法、押し出し被覆成形法、カレンダ加工シート
成形法、カレンダ加工フィルム成形法、カレンダ加工レ
ザー成形法、圧縮成形法、トランスファ成形法などであ
り、加工法を特定するものではない。
【0024】 本発明に係る昜崩壊性成形物の製造方法
は、上記組成物を混練して加工成形し、次いで成形物表
面を防カビ剤を塗布することを特徴とする。防カビ剤の
塗布方法は成型物への直接塗布でもよく、金型またはロ
ールへ防カビ剤を塗布し、これから転写する方法でもよ
い。中でも転写法であれば、溶融状態で組成物を加熱滅
菌し、防カビ剤の塗布された金型で成形、または防カビ
剤を塗布したロールを用い成形するので、成形物表面の
雑菌付着が少なくできるので保存性の優れた成型物が得
られ好ましい。
【0025】 また防カビ剤は、エタノール水溶液など
の溶媒にに溶解して塗布することにより均一に塗布でき
る。この水溶液はpH3〜8が好ましく、さらに好まし
くはpH4〜7である。この範囲のpHの水溶液を用い
ることにより金型などを腐食することなく、同時に抗菌
作用がある。金型を用い転写する方法は、成形金型へ食
品用保存剤をスプレーによる噴霧塗布や刷毛塗りで塗布
し、この塗布した金型へ昜崩壊性組成物を成形加工する
ことにより、表面のみを食品用保存剤で被われた昜崩壊
性成形物を得る方法である。このような金型を用い成形
する方法として射出成形法、押し出しブロー成形法、射
出ブロー成形法、シートブロー成形法、延伸ブロー成形
法、多層ブロー成形法、直接真空成形法、ドレイプ真空
成形法、エア・リップ真空成形法、プラグアシスト真空
成形法、エア・クッション真空成形法、加圧成形法、雄
雌成形法、スリップ成形法、押し出しプロフィル成形
法、押し出し発泡法、圧縮成形法、トランスファ成形法
がある。
【0026】 また押出成形の転写方式は、押し出し加
工しながら接触するロールにて成形物の表面へ防かび剤
を転写する製造方法である。例えば、防かび剤の入った
容器の中へどぶ浸けする方法、スプレー噴霧塗布方法お
よび刷毛塗り塗布方法でロールへ防かび剤を塗布し、こ
のロールへフイルムなどの成形品を接触することによ
り、成形物表面を防かび剤で被われた成形物を得る製造
方法である。このような押し出し成形法として、溶融繊
維紡糸成形法、押し出し成形法、インフレーションフィ
ルム成形法、デフレーションフィルム成形法、Tダイフ
ィルム成形法、コートハンガーダイフィルム成形法、ラ
ミネーション成形法、モノフィラメント押し出し成形
法、複合モノフィラメント押し出し成形法、溶融繊維紡
糸成形法、Tダイ型押し出しシート成形法、コートハン
ガーダイ型押し出しシート成形法、押し出し被覆成形
法、カレンダ加工シート成形法、カレンダ加工フィルム
成形法、カレンダ加工レザー成形法がある。
【0027】 以下に本発明を実施例によって説明する
が、一部の例を示すものであり、本発明はこれらになん
ら限定されるものではない。
【0028】 (実施例 1)山口制作所製40mm
単軸押し出し機YE−40にてリップクリアランス
1.2mmのコートハンガーダイを用い、エチレン10
モル%を含むエチレン・酢ビコポリマー、90%ケン化
率の部分ケン化のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物(比重1.27)55.8重量%、水分6重量%、ト
ウモロコシ澱粉38重量%、チタンホワイト0.1重量
%およびグリセリン0.1重量%の組成物からなるフィ
ルムを得た。シリンダー温度は130℃から146℃で
あり、ダイスは143℃であった。スクリュゥー回転数
は1分間に31回転で、モーター負荷電流は23Aであ
った。このフイルムの厚さは一定であり、フイルムの表
面は均一性を持ち、サメ肌の発生がなかった。0.3%
ε−ポリリジン(チッソ株式会社製)を含有した70%
エタノール水溶液の入った容器の中へ塗布ゴムロールを
どぶ浸けし、この塗布ゴムロールで上記フィルム両面へ
転写し、最終製品で35μg/cm2のフィルムを製造
した。また、塗布ゴムロールを接触させずにε−ポリリ
ジンで被わないフィルムも製造した。フィルムの引き取
り速度は17m/minであり、得られたフィルムの厚
さは50μmであった。
【0029】 製造した2種類のフィルムのそれぞれ
へ、黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種し、28
℃で湿度90%の雰囲気で培養した結果、経過日数5日
間でε−ポリリジンでおおわなかったフィルムは黒カビ
が発生し、微生物による昜崩壊性の性質が発現した。ε
−ポリリジンでおおったフィルムは経過日数60日間が
過ぎても全く黒カビは認められず、商品価値の高いもの
であった。このε−ポリリジンでおおったフィルムの表
面を水濡れ雑巾で拭きあげた後、上記と同様に黒カビで
あるアスペルギルス懸濁水を接種し、28℃で湿度90
%の雰囲気で培養したところ、経過日数5日間で黒カビ
が発生し、微生物による昜崩壊性の性質が発現した。堆
肥中で25日間分解させると成形物は原型をを失った。
この結果から、本発明の昜崩壊性成形物は、保存時には
保存性に優れ、使用放置後は昜崩壊性に優れていた。
【0030】 (実施例 2)日精樹脂工業(株)の
50mm径スクリューの射出成形機(最高射出圧力14
35Kg/cm2:FE160S25ASE A16M
221)を利用して、22モル%のエチレンを含む変性
エチレン・酢ビコポリマーで85%ケン化率の部分ケン
化ポリビニアルコール54.6重量%に水分9%、ジャ
ガイモ澱粉、38重量%およびタルク0.6重量%の成
分からなる組成物を以下の条件で射出成形し、加工成形
物を得た。射出タイマ 22.0 sec、冷却タイマ
20.0 sec、中間時間タイマ 5.0 se
c、計量開始時期タイマ 0.5 sec、射出装置後
退開始時期タイマ 0.1 sec、V5射出五次速度
15 %、V4射出四次速度 15 %、V3射出三
次速度 15 %、V2射出二次速度、15 %、V1
射出一次速度 15 %、TP2射出二次圧力時間 2
0 sec、S5射出二次圧力切換位置 15.0 m
m、S4射出五次速度切換位置 0.1 mm、S3射
出四次速度切換位置 20.0 mm、S2射出三次速
度切換位置 30.0 mm、S1射出二次速度切換位
置 60.0 mm、SM計量停止位置130 mm、
SDデコンプレッション位置 2.0 mm、P3射出
三次圧力 1 %、P2射出二次圧力 27 %、P3
射出一次圧力 45 %、オーバーバック防止タイマ
0.1 sec、 射出ブリード OFF、VSスクリ
ュ回転速度設定器 17 %、スクリュ背圧力設定器
1 %、スクリュ回転切替スイッチ 高速、加熱温度
℃ 150HN 156H1 151H2 132H
3、 金型温度の設定値は27℃である。
【0031】 グルコン酸でpH5にした0.3%のソ
ルビン酸カリ(チッソ株式会社製)を含む70%エタノ
ール水溶液をスプレー噴霧にて金型の両内面へ散布し、
この金型へ上記市販の澱粉系高分子含有組成物を射出成
形し、転写法による食品用保存剤が38μg/cm2
塗布されたトレイ容器を製造した。また、食品用保存剤
を塗布しないトレイ容器の加工成形物も製造した。製造
した2種類のトレイ容器のそれぞれへ黒カビであるアス
ペルギルス懸濁水を接種し、28℃で湿度90%の雰囲
気で培養した結果、経過日数3日間でソルビン酸カリで
おおわれなかったトレイ容器には黒カビが発生し、ソル
ビン酸カリでおおったトレイ容器は経過日数45日間が
過ぎても全く黒カビは認められず、チッソ株式会社製ソ
ルビン酸カリに抗菌作用がある事が証明され、保存性に
優れた昜崩壊性樹脂容器成形物を製造した。
【0032】 グルコン酸でpH5にした0.3%のソ
ルビン酸カリでおおったトレイ容器の表面を水濡れ雑巾
で拭きあげた後、黒カビであるアスペルギルス懸濁水を
接種し、28℃で湿度90%の雰囲気で培養したとこ
ろ、経過日数3日間で黒カビが発生し、ソルビン酸カリ
でおおわなかったトレイ容器と同じ結果が得られ、微生
物による昜崩壊性の性質が再び発現した。
【0033】 (実施例 3)pH調節をせずpH8
のままのソルビン酸カリのエタノール水溶液を用いた以
外は実施例2に準じて成形し、トレイ容器を得た。この
トレイ容器へ黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種
し、28℃で湿度90%の雰囲気で培養した結果、経過
日数3日間でソルビン酸カリでおおわれなかったトレイ
容器には黒カビが発生し、ソルビン酸カリでおおったト
レイ容器には経過日数5日間で黒カビが発生した。この
ようにpH8のソルビン酸カリのエタノール水溶液を用
いたトレイ容器は弱い抗菌作用がある事が証明され、保
存性のある昜崩壊性樹脂トレイ容器成形物を得たが、有
機酸による酸性側へのpH調整を実施したソルビン酸カ
リを利用し、優れた保存性の昜崩壊性樹脂トレイ容器成
形物を製造すべきである。
【0034】ソルビン酸カリでおおったトレイ容器の表
面を水濡れ雑巾で拭きあげた後、黒カビであるアスペル
ギルス懸濁水を接種し、28℃で湿度90%の雰囲気で
培養したところ、経過日数3日間で黒カビが発生し、微
生物による昜崩壊性の性質が再び発現した。
【0035】 (実施例 4)40mm径山口製作所
製YE−40単軸押し出し機にスクリュー 圧縮比1.
03、L/D=25先端マドック付き2重ネジのスクリ
ューを組み込み、スクリーンパックは取り外して無く、
ブレカーのみとし、350mm幅でリップクリアランス
1.0mmのTダイからエチレン20モル%のエチレン
を含む酢酸ビニルの35%ケン化率の部分ケン化物65
重量%、水分13重量%、トウモロコシ澱粉12重量
%、グリセリン8重量%の成分からなる組成物のシート
をシリンダー温度130℃から150℃、72rpmの
スクリュウー回転で厚さ80μmシートを押し出し成形
した。この時のモーター負荷電流は37Aであり、樹脂
圧力は80kg/cm2であった。
【0036】 製造したシートを真空加工機(FVF装
置:布施真空加工機製)にプリンカップ金型をセット
し、食酢でpH5にした0.3%のソルビン酸エタノー
ル水溶液をスプレー噴霧にて金型の両内面へ散布し、こ
の金型へ以下の真空成形条件でシートからプリンカップ
容器を真空成形し、食品用保存剤でおおったカップ成形
物を製造した。加熱温度 310 ℃、成形サイクル
68から47 秒、 金型温度 室温、圧空圧力 4
Kg/cm2 、型締圧力 50 Kg/cm2 、上ヒー
ター32から13 秒、下ヒーター 32から13
秒、成形遅れ 0.1 秒、成形時差 1 秒、ブロー
遅れ 0.2 秒、ブロー真空 0.5 秒、プラグ上
昇 0.3 秒、真空遅れ 0.1 秒、真空.冷却
33 秒、圧空遅れ0.1 秒、圧空 6 秒、冷却遅
れ 10 秒、冷却ファン 0.1、秒、冷却スプレー
1 秒、冷却延長 1 秒、 離形ブロー 0.1
秒である。
【0037】 また、食品用保存剤を塗布しないプリン
カップも製造した。製造した2種類のプリンカップ容器
のそれぞれへ黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種
し、28℃で湿度90%の雰囲気で培養した結果、経過
日数3日間でソルビン酸でおおわれなかったプリンカッ
プ容器には黒カビが発生し、ソルビン酸でおおったプリ
ンカップ容器は経過日数50日間が過ぎても全く黒カビ
は認められない。この結果から、ソルビン酸に抗菌作用
がある事が証明され、保存性に優れた真空成形成形物を
製造した。ソルビン酸でおおったフィルムの表面を水濡
れ雑巾で拭きあげた後、黒カビであるアスペルギルス懸
濁水を接種し、28℃で湿度90%の雰囲気で培養した
ところ、経過日数3日間で黒カビが発生し、ソルビン酸
でおおわなかったフィルムと同じ結果が得られ、微生物
による昜崩壊性の性質が再び発現した。
【0038】 (実施例 5)MODERN MAC
HINERY CO,LTDのEXTRUDER TY
PE D−90単軸押し出し空冷インフレ装置を用い、
スクリュー は中央マドック付きでスクリーンパック
40メッシュ1枚をいれ、ピンチ圧力 2kg/cm2
で第一ピンチロールを作動させて、55モル%のエチレ
ンを含む変性エチレン・酢ビコポリマーの78%ケン化
率の組成物56重量%と水分2重量%、小麦粉澱粉37
重量%、およびグリセリン5重量%の成分からな組成物
のインフレフィルムを製造した。シリンダー温度は11
5℃から150℃であり、ダイ温度は140℃であり、
スクリュー回転数は15rpmであり、モーター負荷電
流は150Aであった。フィルムの引き取り速度は65
m /minであり、得られたフィルムの厚さは50μ
mであった。
【0039】 0.3%のイソチオシアン酸アリル(ミ
ドリ十字社製)のエタノール水溶液の入った容器の中へ
どぶ浸けした塗布ロールをフィルムの両面から接触する
方法でイソチオシアン酸アリルを転写し、最終製品で1
0μg/cm2塗布したフィルムを製造した。また、イ
ソチオシアン酸アリルでおおわないフィルムも製造し
た。フィルムの引き取り速度は65m /minであ
り、得られたフィルムの厚さは50μmであった。製造
した2種類のフイルムのそれぞれへ黒カビであるアスペ
ルギルス懸濁水を接種し、28℃で湿度90%の雰囲気
で培養した結果、経過日数3日間でイソチオシアン酸ア
リルでおおわれなかったフイルムには黒カビが発生し、
イソチオシアン酸アリルで表面をおおったフィルムは経
過日数7日間が過ぎても全く黒カビが認められなかっ
た。この結果から、イソチオシアン酸アリルに抗菌作用
がある事が証明され、保存性に優れた昜崩壊性フイルム
成形物を製造した。0.3%のミドリ十字社製イソチオ
シアン酸アリルでおおったフィルムの表面を水濡れ雑巾
で拭きあげた後、黒カビであるアスペルギルス懸濁水を
接種し、28℃で湿度90%の雰囲気で培養したとこ
ろ、経過日数3日間で黒カビが発生し、イソチオシアン
酸アリルでおおわなかったフィルムと同じ結果が得ら
れ、微生物による昜崩壊性の性質が再び発現した。
【0040】 (実施例 6)実施例5の食品用保存
剤でおおわないフィルムを揮発性の高いイソチオシアン
酸アリルをポリエチレン製袋の中に放置した。このフィ
ルムとイソチオシアン酸アリルを塗布したシートを入れ
た後、黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種し、2
8℃で湿度90%の雰囲気で培養した結果、イソチオシ
アン酸アリルで表面をおおったフィルムは経過日数6日
間が過ぎても全く黒カビが認められなかった。イソチオ
シアン酸アリルの被覆しなかったフィルムには経過日数
3日間で、黒カビが発生した。この事からイソチオシア
ン酸アリルに抗菌作用がある事が証明され、保存性に優
れた昜崩壊性樹脂フィルム成形物を製造した。しかし、
実施例 5および6のフィルムは極めてワサビ臭の強い
フィルムとなり、イソチオシアン酸アリルで保存性を高
めた加工成形物は利用面での制約を受けるのは残念であ
る。イソチオシアン酸アリルを塗布したシートをポリエ
チレン袋から取り出し、ワサビ臭が弱まるまで空気中で
放置してから、黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接
種し、28℃で湿度90%の雰囲気で培養したところ、
経過日数3日間で黒カビが発生し、イソチオシアン酸ア
リルでおおわなかったフィルムと同じ結果が得られ、微
生物による昜崩壊性の性質が再び発現した。
【0041】 (実施例 7)山口製作所製YE−4
0単軸押し出し機とMBMモノフィラ延伸機でスクリュ
ー は圧縮比1.03、L/D=25の圧縮部ピッチ小
で先端マドック付きを使い、スクリーンパックは40メ
ッシュのステンレス製の金網を1枚いれ、7モル%のエ
チレンを含む変性エチレン・酢ビコポリマーで15%部
分ケン化率の組成物57.9重量%と水分14重量%と
小麦粉澱粉28重量%およびグリセリン0.1重量%の
成分からな組成物をシリンダー温度127℃から150
℃、ダイス温度145℃、スクリュー回転数58rpm
で21Aにて10%以上の延伸倍率のモノフィラメント
を製造した。0.3%ε−ポリリジン(チッソ株式会社
製)の70%エタノール水溶液の入った容器の中へどぶ
浸けする2本の塗布ロール(キスロール)でモノフィラ
メントの表面へ転写し、相対する表面のみに最終製品で
28μg/cm2塗布したモノフィラメントを製造し
た。また、塗布ロールを接触させずにε−ポリリジンで
おおわないモノフィラメントも製造した。モノフィラメ
ントの引き取り速度は37m/minであり、得られた
モノフィラメントは80デニールであった。
【0042】 製造した2種類のモノフィラメントのそ
れぞれへ黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種し、
28℃で湿度90%の雰囲気で1日間培養した後、真菌
用チッソ(株)販売のフードスタンプにてレプリカし、
28℃で湿度90%の雰囲気で3日間培養した。ε−ポ
リリジンでおおわないモノフィラメントには極めて多数
のコロニーが発生したが、ε−ポリリジンで表面をおお
ったモノフィラメントは経過日数10日間を過ぎてもコ
ロニーが発生せず、この事からε−ポリリジンに抗菌作
用がある事が証明され、保存性に優れた昜崩壊性プラス
チックスフィルム成形物を製造した。ε−ポリリジンで
おおったモノフィラレントの表面を水濡れ雑巾で拭きあ
げた後、黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種し、
28℃で湿度90%の雰囲気で1日間培養し、チッソ
(株)販売のフードスタンプにてレプリカし、28℃で
湿度90%の雰囲気で3日間培養したところ極めて多数
のコロニーが発生し、微生物による昜崩壊性の性質が再
び発現した。
【0043】 (実施例 8)MODERN MAC
HINERY CO,LTDのEXTRUDER TY
PE D−90単軸押し出し空冷インフレ装置を用い、
スクリュー は中央マドック付きでスクリーンパック
40メッシュ1枚をいれ、ピンチ圧力 2kg/cm2
で第一ピンチロールを作動させて、0.5モル%のエチ
レンを含む95%ケン化率の酢酸ビニル共重合体組成物
15重量%と水分18重量%を含むトウモロコシ澱粉2
1.9重量%とおよびグリセリン0.1重量%とポリカ
プロラクトン45重量%の成分からな組成物のインフレ
フィルムを製造した。シリンダー温度は135℃から1
65℃であり、ダイ温度は170℃であり、スクリュー
回転数は25rpmであり、モーター負荷電流は155
Aであった。フィルムの引き取り速度は40m /mi
nであり、得られたフィルムの厚さは65μmであっ
た。
【0044】 0.3%のイソチオシアン酸アリル(ミ
ドリ十字社製)のエタノール水溶液の入った容器の中へ
どぶ浸けした塗布ロールをフィルムの両面から接触する
方法でイソチオシアン酸アリルを転写し、最終製品で1
0μg/cm2塗布したフィルムを製造した。また、イ
ソチオシアン酸アリルをおわないフィルムも製造した。
フィルムの引き取り速度は20m /minであり、得
られたフィルムの厚さは60μmであった。製造した2
種類のフイルムのそれぞれへ黒カビであるアスペルギル
ス懸濁水を接種し、28℃で湿度90%の雰囲気で培養
した結果、経過日数3日間でイソチオシアン酸アリルで
おおわれなかったフイルムには黒カビが発生し、イソチ
オシアン酸アリルで表面をおおったフィルムは経過日数
5日間が過ぎても全く黒カビが認められなかった。この
結果から、イソチオシアン酸アリルに抗菌作用がある事
が証明され、保存性に優れた昜崩壊性フイルム成形物を
製造した。0.3%のミドリ十字社製イソチオシアン酸
アリルでおおったフィルムの表面を水濡れ雑巾で拭きあ
げた後、黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種し、
28℃で湿度90%の雰囲気で培養したところ、経過日
数3日間で黒カビが発生し、イソチオシアン酸アリルで
おおわなかったフィルムと同じ結果が得られ、微生物に
よる昜崩壊性の性質が再び発現した。
【0045】 (実施例 9)山口製作所製YE−4
0単軸押し出し機とMBMモノフィラ延伸機でスクリュ
ー は圧縮比1.03、L/D=25の圧縮部ピッチ小
で先端マドック付きを使い、スクリーンパックは40メ
ッシュのステンレス製の金網を1枚いれ、昜生分解性樹
脂として天然高分子(澱粉)のMater−Bi AF
05Hをシリンダー温度148℃から154℃、ダイス
温度155℃、スクリュー回転数58rpmで21Aに
て10%以上の延伸倍率のモノフィラメントを製造し
た。0.3%ε−ポリリジン(チッソ株式会社製)の7
0%エタノール水溶液の入った容器の中へどぶ浸けする
2本の塗布ロール(キスロール)でモノフィラメントの
表面へ転写し、相対する表面のみに最終製品で28μg
/cm2塗布したモノフィラメントを製造した。また、
塗布ロールを接触させずにε−ポリリジンでおおわない
モノフィラメン トも製造した。モノフィラメントの引
き取り速度は17m/minであり、得られたモノフィ
ラメントは80デニールであった。
【0046】 製造した2種類のモノフィラメントのそ
れぞれへ黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種し、
28℃で湿度90%の雰囲気で1日間培養した後、真菌
用チッソ(株)販売のフードスタンプにてレプリカし、
28℃で湿度90%の雰囲気で2日間培養した。ε−ポ
リリジンでおおわないモノフィラメントには極めて多数
のコロニーが発生したが、ε−ポリリジンで表面をおお
ったモノフィラメントは経過日数10日間を過ぎてもコ
ロニーが発生せず、この事からε−ポリリジンに抗菌作
用がある事が証明され、保存性に優れた昜崩壊性プラス
チックスフィルム成形物を製造した。ε−ポリリジンで
おおったモノフィラレントの表面を水濡れ雑巾で拭きあ
げた後、黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種し、
28℃で湿度90%の雰囲気で1日間培養し、チッソ
(株)販売のフードスタンプにてレプリカし、28℃で
湿度90%の雰囲気で2日間培養したところ極めて多数
のコロニーが発生し、微生物による昜崩壊性の性質が再
び発現した。
【0047】 (実施例 10)山口制作所製40m
m単軸押し出し機YE−40にてリップクリアランス
1.2mmのコートハンガーダイを用い、市販の澱粉系
高分子含有易崩壊性樹脂であるNOVON M4900
のフィルムを得た。シリンダー温度は134℃から16
7℃であり、ダイスは162℃であった。スクリュゥー
回転数は1分間に32回転で、モーター負荷電流は23
Aであった。0.3%ε−ポリリジン(チッソ株式会社
製)を含有した70%エタノール水溶液の入った容器の
中へ塗布ゴムロールをどぶ浸けし、この塗布ゴムロール
で上記フィルム両面へ転写し、最終製品で37μg/c
2のフィルムを製造した。また、塗布ゴムロールを接
触させずにε−ポリリジンで被わないフィルムも製造し
た。フィルムの引き取り速度は35m/minであり、
得られたフィルムの厚さは45μmであった。
【0048】 製造した2種類のフィルムのそれぞれ
へ、黒カビであるアスペルギルス懸濁水を接種し、28
℃で湿度90%の雰囲気で培養した結果、経過日数3日
間でε−ポリリジンでおおわなかったフィルムは黒カビ
が発生し、微生物による昜崩壊性の性質が発現した。ε
−ポリリジンでおおったフィルムは経過日数60日間が
過ぎても全く黒カビは認められず、商品価値の高いもの
であった。このε−ポリリジンでおおったフィルムの表
面を水濡れ雑巾で拭きあげた後、上記と同様に黒カビで
あるアスペルギルス懸濁水を接種し、28℃で湿度90
%の雰囲気で培養したところ、経過日数3日間で黒カビ
が発生し、微生物による昜崩壊性の性質が発現した。こ
の結果から、本発明の昜崩壊性成形物は、保存時には保
存性に優れ、使用ずみ後は昜崩壊性に優れていた。
【0049】 (比較例)各実施例の中で食品用保存
剤を表面に転写法で塗布しなかった昜崩壊性樹脂には黒
カビが全て発生した事実を各比較例とする。
【0050】
【発明の効果】 本発明の昜崩壊性成形物は、加工成形
性が良好であり、成形物は優れた寸法安定性を有し、工
業的な成型加工が可能であった。また本発明の昜崩壊性
成形物は、28℃の温度で湿度90%の促進試験に係わ
らずカビの発生を防止し、成形物を活用した後の拭き取
り後の試験では、本来の生物分解性が良好となり、微生
物等により崩壊した。澱粉系高分子、水分と生物分解性
熱可塑性樹脂からなる組成物を用いた昜崩壊性成形物
は、より生物分解性がよかった。特にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物およびポリカプロラクトンの生物
分解性がよかった。組成物中の水分の配合量が2〜15
重量%の組成物を用いた昜崩壊性成形物は、成形加工性
に優れ、流動性に優れ、加工成型物の外観も良好であっ
た。生澱粉を変成した化学変性澱粉誘導体、化学分解変
性澱粉、酵素変性澱粉、物理的変性澱粉の変成澱粉系高
分子を用いた昜崩壊性成形物は、外観に優れ生物分解性
も良好であった。
【0051】 pH3〜8の防かび剤水溶液を塗布する
方法は、金型などの腐食することもなく抗菌作用に優れ
ていた。金型またはロールへ防カビ剤を塗布後、この金
型またはロールで成形する転写法では、雑菌の最も少な
い状態で防カビ剤が表面塗布されるので、雑菌を持ち込
まずに保存性に優れた成型物の加工が可能となり、工業
生産性に優れる。このように本発明の昜崩壊性成形物
は、産業上と環境上の両分野への優れた効果を有し、広
く工業的に用いることができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉系高分子、水分および熱可塑性樹脂
    からなる組成物中の澱粉系高分子の配合量が5〜80重
    量%であり、澱粉系高分子が生澱粉または/およびこの
    生澱粉を変成した変成澱粉系高分子であり、かつこの組
    成物の成形物表面を防かび剤で被服することを特徴する
    昜崩壊性成形物。
  2. 【請求項2】 ・熱可塑性樹脂が生物分解性熱可塑性樹
    脂であり、 ・組成物中の水分の配合量が0.5〜30重量%であ
    り、 ・生物分解性熱可塑性樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重
    合体ケン化物または/およびポリカプロラクトンであ
    り、 ・変成澱粉系高分子が、生澱粉を変成した化学変性澱粉
    誘導体、化学分解変性澱粉、酵素変性澱粉、物理的変性
    澱粉及びこれらの混合物であり、 ・組成物の成形物表面の防かび剤被服量が2〜40μg/
    cm2であり、かつこの防かび剤が、ソルビン酸、ソルビ
    ン酸塩類、εーポリリジン、イソチオシアン酸アリルか
    ら選ばれた食品保存剤及びこれらの混合物である請求項
    1の昜崩壊性成形物。
  3. 【請求項3】 澱粉系高分子、水分および熱可塑性樹脂
    からなる組成物中の澱粉系高分子の配合量が5〜80重
    量%であり、澱粉系高分子が生澱粉または/およびこの
    生澱粉を変成した変成澱粉系高分子であり、熱可塑性樹
    脂が生物分解性熱可塑性樹脂である組成物を用い造粒物
    とし、次いで金型またはロールにpH3〜8の防かび剤
    水溶液を塗布し、先の造粒物を用い成形することで、金
    型またはロールに塗布された防かび剤を転写する昜崩壊
    性成形物の製造方法。
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