JPH07251504A - インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

インクジェットプリンタヘッド

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Publication number
JPH07251504A
JPH07251504A JP6070236A JP7023694A JPH07251504A JP H07251504 A JPH07251504 A JP H07251504A JP 6070236 A JP6070236 A JP 6070236A JP 7023694 A JP7023694 A JP 7023694A JP H07251504 A JPH07251504 A JP H07251504A
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JP
Japan
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ink
cell
piezoelectric element
diaphragm
printer head
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Application number
JP6070236A
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English (en)
Inventor
Kajiro Ushio
嘉次郎 潮
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Publication of JPH07251504A publication Critical patent/JPH07251504A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14338Multiple pressure elements per ink chamber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/05Heads having a valve

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクの噴出特性が優れたインクジェットプ
リンタヘッドを得る。 【構成】 インク供給流路を通じてセル内に満たされた
インクを、前記セルに連通する微細な噴出孔から噴出さ
せてプリントを行うインクジェットプリンタヘッドにお
いて、前記セル内のインクを前記噴出孔から噴出させる
ために、前記セル内に選択的に膨出される第1のダイヤ
フラムと、前記第1のダイヤフラムを駆動する第1の圧
電素子と、前記インク供給流路内に選択的に膨出される
第2のダイヤフラムと、前記第2のダイヤフラムを駆動
する第2の圧電素子とを備え、少なくとも前記噴出孔か
らインクを噴出させる時に、前記第2の圧電素子を作動
させるインクジェットプリンタヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ情報や、ビデオ画像などを
ハードコピー(肉眼で読めて恒久的に記録された画像)
するプリンタは、画像情報の質向上とアクセスのよさが
進行するに従って、一般ニーズ、特にカラープリンタに
対するニーズが高まってきている。
【0003】印画媒体上に印画する方式(プリント方
式)は種々様々あり、現在の主なカラープリント方式と
しては、露光により作成した電荷潜像をトナーにより現
像する電子写真法や、インクを微細孔から噴出させるイ
ンクジェット方式、加熱によりシート状インクを転写す
る熱転写方式、同じく加熱によりシート状インクを昇華
させて印画する熱昇華方式、銀塩写真に直接光で描画す
るフィルムプリンタ方式などがある。
【0004】このようなプリント方式のなかで、インク
ジェット方式には、オンデマンド型とコンティニュアス
型と呼ばれるものがある。オンデマンド型とは、信号が
入力された時のみインクを噴出する方式であり、コンテ
ィニュアス型とは、常にインク霧を発生させておき、偏
向電極によりインク霧の飛散方向を制御する方式であ
る。尚、オンデマンド型は、その機構の簡便さから比較
的安価なプリンタとして提供され、広く普及しており、
3色もしくは4色のプリンタヘッドでカラー化を実現し
ているものも多い。また、インクとしても液体ばかりで
なく、常温で固体であり、加熱して液体化した後に噴出
させ、印画媒体上で再固化させる相変化型のインクジェ
ット方式もある。
【0005】インク噴出の方式として、現在の一般的に
普及しているものは、加熱により気化した気泡の膨張力
を利用してインクを噴出させるサーマル方式や、圧電体
でインクが満たされたセルを圧縮してインクを噴出させ
るピエゾ方式などである。これらのプリント方式は、い
ずれも加圧力を利用してインクを噴出させることを特徴
とし、安価でメンテナンスが容易であるため、インクジ
ェットプリンタヘッドに広く採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインクジェットプリンタヘッドにおいては、インク
の噴出力が弱いため、粘性の高いインク(滲みにくいイ
ンク)を使用すると噴出したインクの形状も小さく形が
整ったものにならず、また、粘性の低いインクを使用す
ると滲みが生じる。このため、印画像の画質が劣ったも
のになるという問題点があった。
【0007】粘性の高いインクを使用する場合、噴出の
ための圧力を上げることによって噴出したインクの形状
が小さく形が整ったものとなり、しかも、インクの粘性
が高いので印画像が滲みが生じ難いということが一般的
に知られているが、インクの噴出圧を低下させるという
問題点がある。
【0008】即ち、インクジェットプリンタヘッドの構
造上、噴出されるインクが満たされるセルには、当然に
インクを噴出する噴出孔と、セル内にインクを供給する
ためのインク供給流路とがあり、セル内のインクを噴出
させる際に、セル内に生じる上昇圧力が前記インク供給
流路を介して外部へ逃げるので、所謂インクの逆流現象
が生じ、インクの噴出圧が低下するという問題点があ
る。
【0009】インクの噴出圧は、例えばインクで満たさ
れたセル内を直接加圧する方式、あるいは噴出孔側でイ
ンク又は気泡を膨張させてその反力をセルの内圧で支持
する方式など種々のものが知られているが、いずれにせ
よインク噴出時にセル内に生じる圧力上昇をインクの噴
出のためだけに有効に利用したい場合には、インク供給
流路へ圧力が逃げ難い構成とする必要がある。換言すれ
ば、インク供給流路でインクが流れにくい構成となるよ
うに、例えばインク供給流路の流路断面積を小さくする
とか、流路長を長くして、インクの流れ易さの度合い、
すなわち流体学的コンダクタンスを小さくする必要があ
る。
【0010】このようにコンダクタンスを小さくしたイ
ンク供給流路では、いわゆる毛細管現象によってセル内
にインクを供給することになるため、セル内にインクを
供給するためにかかる時間(所謂、リフィル時間)が長
くなるという問題が生じていた。
【0011】この結果、セル内にインクが円滑に満たさ
れず、特に連続的な断続印字におけるインクの噴出を高
速化すること(噴出パルス又は噴出の駆動周波数を高く
すること)ができず、実効的なプリンタを構成すること
ができないという問題が生じた。
【0012】リフィル時間が高速パルス噴射に追いつか
なくなるとセル内のインクの量が低下し、セル内のイン
ク量が不十分になると、セル内圧の低下によってパルス
毎のインク噴出量も少なくなり、又、セル内に気泡が生
じるとインク噴出量が不均一となるので、印画像の濃度
を確保することがやはり困難となる。加えて、噴出した
インクの形状も小さく形が整ったものにならず、結果と
して、印画像が滲んだり、不解明になるという問題点が
解決できないこととなる。
【0013】リフィル時間を短くするためには、インク
の粘性を下げたり、前記コンダクタンスを大きくするこ
とが考えられるが、インクの粘性を下げると、印画媒体
上の印画像の滲みが大きくなったり、インク液滴の制御
も困難になるという問題が生じる。
【0014】また、前記コンダクタンスを大きくする
と、前述したように、インク噴出時のセル内圧の上昇に
よりインクの逆流現象が生じ、インクの噴出圧が有効に
維持できなくなるという問題点と共に、この逆流現象に
よりセル内へのインクの供給が妨げられ、やはり上記同
様に、セルに充分にインクが満たされないことに基づく
問題点が生じる。
【0015】本発明は、上記課題を鑑みて成されたもの
であり、インクの噴出特性が優れたインクジェットプリ
ンタヘッドを得ることを主目的とする。
【0016】本発明の別の目的は、インクの噴出力を強
くし、印画媒体上の印画像を高画質な印画像にすること
ができるインクジェットプリンタヘッドを得ることであ
る。
【0017】本発明の更に別の目的は、セル内にインク
を供給するためにかかる時間、いわゆるリフィル時間を
早くして、噴出パルスを高く維持できるインクジェット
プリンタヘッドを得ることである。
【0018】本発明の更に別の目的は、インク供給流路
における流体学的コンダクタンスを簡単に調節すること
ができるインクジェットプリンタヘッドを得ることであ
る。
【0019】本発明の更に別の目的は、インク供給流路
側に加えられる圧力の割合より、噴出孔側に加えられる
圧力の割合を増大することができるとともに、製造コス
トが安価なインクジェットプリンタヘッドを得ることで
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るインクジェットプリンタヘッドは、上記目的を達成
するために、インク供給流路を通じてセル内に満たされ
たインクを、前記セルに連通する微細な噴出孔から噴出
させてプリントを行うインクジェットプリンタヘッドに
おいて、前記インク供給流路における流体学的コンダク
タンスの大きさを選択的に変化させる可変手段を備えた
ことを特徴とするものである。
【0021】請求項2に記載の発明に係るインクジェッ
トプリンタヘッドでは、請求項1に記載のインクジェッ
トプリンタヘッドにおいて、前記可変手段は、前記噴出
孔からインクを噴出させる時に、前記流体学的コンダク
タンスの大きさを前記セル内へのインクの供給時におけ
る前記流体学的コンダクタンスの大きさよりも小さくす
ることを特徴とするものである。
【0022】請求項3に記載の発明に係るインクジェッ
トプリンタヘッドでは、請求項1に記載のインクジェッ
トプリンタヘッドにおいて、前記可変手段が、前記噴出
孔からインクを噴出させる時に、前記流体学的コンダク
タンスの大きさを非動作時の前記流体学的コンダクタン
スの大きさよりも小さくし、前記セル内へのインク供給
時に、前記流体学的コンダクタンスを前記非動作時の前
記流体学的コンダクタンスの大きさより大きくすること
を特徴とするものである。
【0023】請求項4に記載の発明に係るインクジェッ
トプリンタヘッドでは、請求項1、2又は3のいずれか
一項に記載されたインクジェットプリンタヘッドにおい
て、前記可変手段が前記インク供給流路の流路断面積を
変化させる可動手段を含むことを特徴とするものであ
る。
【0024】請求項5に記載の発明に係るインクジェッ
トプリンタヘッドでは、請求項4に記載のインクジェッ
トプリンタヘッドにおいて、前記可動手段が、前記イン
ク供給流路内に対して進退可能な機械的変位手段と、該
機械的変位手段を電気信号に基づいて駆動する電気・機
械変換手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0025】請求項6に記載の発明に係るインクジェッ
トプリンタヘッドは、上記目的を達成するために、イン
ク供給流路を通じてセル内に満たされたインクを、前記
セルに連通する微細な噴出孔から噴出させてプリントを
行うインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記セル
内のインクを前記噴出孔から噴出させるために、前記セ
ル内に選択的に膨出される第1のダイヤフラムと、前記
第1のダイヤフラムを駆動する第1の圧電素子と、前記
インク供給流路内に選択的に膨出される第2のダイヤフ
ラムと、前記第2のダイヤフラムを駆動する第2の圧電
素子と、を備え、少なくとも、前記噴出孔からインクを
噴出させる時に、前記第2の圧電素子を作動させること
を特徴とするものである。
【0026】
【作用】請求項1に記載の発明によるインクジェットプ
リンタヘッドは、大別すると、セルと、噴出孔と、イン
ク供給流路と、可変手段とから主に構成される。前記セ
ルは、インク供給流路を通じて供給されるインクで満た
されている。また、前記噴出孔は、微細径に形成され、
前記セルに連通するとともに、該セル内に満たされたイ
ンクを噴出する。また、前記可変手段は、前記セル内へ
のインク供給流路における流体学的コンダクタンスの大
きさを選択的に変化させる。
【0027】即ち、本発明においては、インク供給流路
の流体学的コンダクタンスの大きさは固定ではなく、前
記可動手段によって適宣変化される。このコンダクタン
スの変化は、例えばヘッドのインク噴出動作に同期して
行われ、少なくともインク噴出に伴ってセルの内圧が上
昇するときに、インク供給流路のコンダクタンスを小さ
くすれば、ここから外部へ逃げる圧力が少なくなるの
で、噴出圧力の低下が防止され、前記セル内に満たされ
たインクは、所定の噴出圧で噴出孔から噴出される。こ
れにより噴出されたインクの形状が小さく整ったものと
なる。
【0028】請求項2に記載の発明によるインクジェッ
トプリンタヘッドでは、請求項1に記載のインクジェッ
トプリンタヘッドにおいて、前記可変手段が、前記噴出
孔からインクを噴出させる時に、前記流体学的コンダク
タンスの大きさを前記セル内へのインクの供給時におけ
る前記流体学的コンダクタンスの大きさよりも小さくす
る。
【0029】インク供給流路のコンダクタンスの大きさ
を、セル内にインクを供給する時に比べ、インク噴出時
に小さくするとインク噴出動作に伴って、セル内に生じ
る圧力がインク供給流路から逃げにくくなり、セル内圧
の低下が防止されるので、インクの噴出のための圧力を
有効に利用することが可能となる。従って、インクの噴
出圧力が所定値に保持され、印画媒体上の印画像を高画
質な印画像にすることができる。
【0030】一方、セル内へのインクの供給時には、イ
ンク供給流路のコンダクタンスの大きさが、膨出時に比
べて大きくされるので、充分円滑にインクが供給され、
セル内に充分な量のインクが短時間のうちに満たされ
る。これにより、インク噴出動作に伴ってセルのインク
不足による印画特性の低下が防止される。
【0031】請求項3に記載の発明によるインクジェッ
トプリンタヘッドでは、請求項1に記載のインクジェッ
トプリンタヘッドにおいて、前記可変手段は、前記噴出
孔からインクを噴出させる時には、前記流体学的コンダ
クタンスの大きさを非動作時の前記流体学的コンダクタ
ンスの大きさよりも小さくし、逆に前記セル内へのイン
ク供給時には前記流体学的コンダクタンスを前記非動作
時の前記流体学的コンダクタンスの大きさより大きくす
る。
【0032】即ち、可変手段によりインク供給流路のコ
ンダクタンスの大きさを少なくとも三種類に調整できる
ものとなっている。これらは、非動作状態時を定常状態
として第1のコンダクタンスと規定すると、インク噴出
時には、第1のコンダクタンスよりその大きさ(インク
の流れ易さの度合い)が小さい第2のコンダクタンスと
して設定する。また、インク供給時には、第1のコンダ
クタンスよりその大きさ(インクの流れ易さの度合い)
が大きい第3のコンダクタンスとして設定する。
【0033】そして、インク噴出時には、可変手段によ
りインク供給流路が、第2のコンダクタンス(最も小さ
い大きさ)状態となるので、インク噴出時に伴って上昇
すべきセルの内圧がインク供給流路から逃げず、インク
噴出圧が所定値に保持される。このように噴出圧力が常
に所定値に保持されてインク噴出動作が行われるので、
噴出されるインクの形状は小さく整ったものとなる。
【0034】また、セル内へのインク供給時には、イン
ク供給流路が第3のコンダクタンス(最も大きい大き
さ)状態になるので、セル内に充分な量のインクが短時
間のうちに供給される。特に噴出直後に引き続いてイン
クを供給する場合、あるいはこれを高速で繰り返す場合
には、インク供給流路を第2のコンダクタンス状態から
第3のコンダクタンス状態に大きく変化させることがで
きるので、インク噴出時におけるセル内の圧力保持と、
インク供給時における供給流路のコンダクタンス向上と
の双方の効果を相乗的に達成可能である。
【0035】この第3のコンダクタンス状態は、第1の
コンダクタンス状態におけるインク供給流路のコンダク
タンスとは無関係に大きくすることができ、これにより
供給時のセルへのインクの流入を短時間で充分円滑に行
わせることができる。
【0036】このように、本発明によれば、インク噴出
圧力を安定に保つことができると共に、セルへのインク
の供給が充分円滑に行われ、所謂リフィル時間を短くす
ることができる。このため、高速パルスレートでの断続
噴出がきわめて安定して行われるようになる。
【0037】請求項4に記載の発明によるインクジェッ
トプリンタヘッドでは、請求項1、2又は3のいずれか
一項に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、
前記可変手段は、前記インク供給流路の流路断面積を変
化させる可動手段を含む構成を備えている。
【0038】この可動手段は、流路断面積を変化させる
ことにより、インク供給流路のコンダクタンスを調整す
るものである。この場合、少なくともインク噴出時(セ
ル内圧上昇)に流路断面積を小さくしてコンダクタンス
を下げ、インク供給流路へのインクの逆流現象を起こし
にくくしている。換言すれば、インク供給流路に設けら
れた可変絞り弁のように作用するものであればその機構
は特に限定されるものではない。
【0039】ここで、前記可動手段は、前記インク供給
流路の流路断面積を変化させるものであれば、断面積を
連続的に無段階で変化させるもの、互いに異なる流路断
面積に段階的に変化させるもの、あるいは開閉手段のよ
うに全開と全閉(コンダクタンスを0にする)に切り換
えるものなどのいかなる機構とすることもできる。
【0040】断面積を無段階に変化させるものは、コン
ダクタンスの微調整が可能であり、段階的に変化させる
ものや開閉型のものは、噴出時や供給時などに対応させ
た作動を比較的簡単な構造で高速化することができる。
【0041】尚、可動手段の別の変形としては、単一の
供給流路の断面積を変化させるものの他、複数の供給流
路を設けて、セルに連通する流路の数を選択的に切り換
えることにより全体としての供給流路の断面積を変化さ
せるものとしても良い。
【0042】この場合、個々の流路断面積は同一でも良
く、あるいは互いに異なる流路断面積として、それらの
選択的な連通により、合計の流路断面積(コンダクタン
ス)の変化を微調整できる利点がある。
【0043】尚、コンダクタンスを変化させる手段とし
てインク供給流路の長さを変える流路長可変手段を採用
することもできる。例えば、長さの異なるインク供給流
路を複数設けてそのうちいくつかを選択的に開閉弁と組
合せた構成などを採用することができる。
【0044】この場合にも、インク供給流路としてのコ
ンダクタンスが選択的に変化され、インク噴出圧力の低
下を防止すると共に、インク供給時のリフィル時間を短
くし、高速パルスレートに対応できるものとなる。
【0045】請求項5に記載の発明によるインクジェッ
トプリンタヘッドでは、請求項4に記載のインクジェッ
トプリンタヘッドにおいて、前記可動手段は、機械的変
位手段と、電気・機械変換手段とから構成される。
【0046】前記機械的変位手段は、前記インク供給流
路の内方に対して進退可能に作動する。また、前記電気
・機械変換手段は、前記機械的変位手段の進退動作を電
気信号に基づいて駆動する。
【0047】つまり、電気・機械変換手段に電気的な駆
動信号が与えられると、該電気・機械変換手段は対応し
た機械的出力を生じ、これによって機械的変位手段が前
記インク供給流路内に対して進退作動する。
【0048】機械的変位手段がインク供給流路内に進入
すると、インク供給流路の断面積が小さくなるのでイン
ク供給流路のコンダクタンスが比較的小さい値になる。
逆に、機械的変位手段がインク供給流路から退出する
と、インク供給流路の断面積が前記進入時よりも大きく
なってコンダクタンスが比較的大きい値となる。
【0049】請求項6に記載の発明によるインクジェッ
トプリンタヘッドは、セルと、インク供給流路と、イン
ク噴出孔と、第1のダイヤフラムと、第1の圧電素子
と、第2のダイヤフラムと、第2の圧電素子と、これら
の圧電素子の制御手段とから主に構成される。
【0050】前記セルは、インク供給流路を通じて供給
されるインクで満たされる。前記インク供給流路は、イ
ンク貯留手段からのインクを前記セル内に供給する。前
記インク噴出孔は、前記セルに連通するものであり、セ
ル内のインクを噴出させる。
【0051】ここで、前記第1の圧電素子と第1のダイ
ヤフラムは、前記セル内のインクを前記噴出孔から噴出
させるためにセル内の圧力を瞬時的に上昇させる。
【0052】また、前記第2の圧電素子と第2のダイヤ
フラムは、前記噴出孔からインクを噴出させるときに前
記インク供給流路の流体学的コンダクタンスを前記セル
内へインクを供給する時よりも小さくする。
【0053】即ち、第1のダイヤフラムは、第1の圧電
素子の作動時に原則としてセルの内方に向かって膨出さ
れる。これによりセル内の容積が減少して内圧が上昇す
る。この内圧の上昇によりセルに満たされたインクが噴
出孔から噴出される。
【0054】また、第2のダイヤフラムは、第2の圧電
素子の作動時に原則としてインク供給流路の内方に向か
って膨出される。これにより、インク供給流路の断面積
が小さくなり、コンダクタンスが小さくなる。
【0055】更に、制御手段により、少なくとも、イン
ク噴出時(第1の圧電素子の作動時)に、第2の圧電素
子が作動されると、セルの内圧が上昇した時にインク供
給流路のコンダクタンスが小さくなって、ここからイン
ク(圧力)が逆流しての逃げることが妨げられ、その結
果、安定した噴出圧力でインクの噴出を行うことができ
る。
【0056】尚、一般に第1及び第2の圧電素子は、印
加する電圧値により動作量が調整可能であるので、この
電圧の制御により、インク噴出圧力やインク供給流路の
断面積を微調整することもできる。
【0057】また、印加電圧の向きを逆にすると、逆方
向の動作量が得られるので、印加電圧を正、零、負と切
り換えることにより、正動作時、非動作時、負動作時の
三段階の可動量制御が可能となる。
【0058】これらの動作の調整や動作時の調整は制御
手段により行えば良い。
【0059】
【実施例】図1(A),(B)は、本発明の第1の実施
例に係るインクジェットプリンタヘッドの概略構成図で
ある。図1(A),(B)に示すように、本実施例に係
るインクジェットプリンタヘッドは、セル1と、インク
供給流路2と、噴出孔3と、第1の圧電素子4と、第2
の圧電素子5と、第1のダイヤフラム6と、第2のダイ
ヤフラム7と、制御駆動回路9とから主に構成されてい
る。尚、図1(A)は第1の実施例に係るインクジェッ
トプリンタヘッドの非動作時の概略構成図であり、図1
(B)は第1の実施例に係るインクジェットプリンタヘ
ッドの動作時の概略構成図である。
【0060】セル1は、金属ステンレス板1aによって
形成され、樹脂製のスペーサ1bおよび第1のダイヤフ
ラム6とによって囲まれる部屋からなる。そして、イン
ク供給流路2を介してインク貯留庫8から供給されるイ
ンク8a(市販の非水系の黒インク)を内部に満たして
いる。また、このセル1の前面側には噴出孔3がエッチ
ングにより設けられている。尚、前記スペーサ1bは、
前記金属ステンレス製の板1aに感光性接着樹脂を塗布
した後、露光によりパターニングをして形成している。
【0061】第1の圧電素子4は、積層タイプのPZT
圧電素子板4aと、この圧電板を固定する銀電極4b,
4cとから構成され、制御駆動回路9(制御手段)と接
続されている。
【0062】第2の圧電素子5(電気・機械的変換手
段)も積層タイプのPZT圧電素子板5aと、この圧電
板を固定する銀電極5b,5cとから構成され、前記制
御駆動回路9と接続されている。
【0063】第1のダイヤフラム6及び第2のダイヤフ
ラム7はアルミニウム薄板によって形成され、前記金属
ステンレス板1aにパターニングをしてエッチングによ
り開けた穴に接着樹脂により接着され、前記第1の圧電
素子4と第2の圧電素子6に接続されている。
【0064】制御駆動回路9(制御手段)は、前記第1
の圧電素子4及び第2の圧電素子5に電圧を印加して、
この第1の圧電素子4及び第2の圧電素子5に特定方向
への機械的な歪み(撓み)を生じさせるとともに、該第
1の圧電素子4及び第2の圧電素子5を同期駆動する。
【0065】尚、前記第2の圧電素子5と第2のダイヤ
フラム7によって可動手段が構成され、前記第1の圧電
素子4と第1のダイヤフラム6及び第2の圧電素子5と
第2ダイヤフラム7によって可変手段が構成される。ま
た、前記第1の圧電素子4は電気・機械的変換手段を構
成し、前記第1のダイヤフラム6は機械的変位手段を構
成する。
【0066】図2(A),(B)にも示したように、本
実施例に係るインクジェットプリンタヘッドの各部の寸
法は、以下の通りである。 セル1:長さ5mm 幅3mm 高さ0.3mm インク供給流路2:長さ2mm 幅3mm 高さ
0.12mm 第1の圧電素子4:長さ1.5mm 幅1.8mm 高さ1
mm 第2の圧電素子5:長さ0.7mm 幅1.8mm 高さ1
mm 第1のダイヤフラム6:長さ1.8mm 幅2mm 第2のダイヤフラム7:長さ1mm 幅2mm
【0067】上記のように構成された本実施例に係るイ
ンクジェットプリンタヘッドにおいては、図1(B)に
示すように、制御駆動回路9から第1の圧電素子4及び
第2の圧電素子5の電極4b,4c及び5b,5cに電
圧(約50Vの矩形交流波)が印加されると、この第1
の圧電素子4及び第2の圧電素子5は、それぞれセル1
内方向及びスペーサ1b方向へ機械的な歪み(撓み)を
生じる。
【0068】前記第1の圧電素子4及び第2の圧電素子
5は、該第1の圧電素子4及び第2の圧電素子5に接続
された第1のダイヤフラム6及び第2のダイヤフラム7
に力を及ぼして、それぞれセル1内方向、又はスペーサ
1b方向へ膨出させる。
【0069】即ち、前記第1のダイヤフラム6は、その
膨出によって前記セル1内の容積を減少させてセルの内
圧を上昇させる。また、前記第2のダイヤフラム7はそ
の膨出によって前記インク供給流路2の流路断面積を小
さくする。
【0070】前記セル1内に満たされているインク8a
が前記第1のダイヤフラム6の膨出動作により加圧され
ると、前記噴出孔3側と前記インク供給路2側へ圧力が
伝達されるが、このとき前記インク供給路2の流路断面
積は前記第2のダイヤフラム7の膨出によって小さくさ
れているため、そこから内圧が逃げることが防止され、
前記セル1内のインク8aの上昇した圧力は前記噴出孔
3からのインクの噴出に大部分が費やされ、前記噴出孔
3から安定した圧力でインクが噴出されることになる。
【0071】すなわち、前記第1のダイヤフラム6の膨
出動作によって内圧の上昇したセル内のインクが、前記
インク供給流路2側よりも前記噴出孔3側の方へより多
く流出する。この結果、従来装置に比べ、インク噴出時
におけるセル1内のインク8aの圧力の低下が抑制さ
れ、インクの逆流現象が防止され、噴出圧力は充分安定
したものとなり、噴出孔3から噴出されるインク8aの
形状は常に小さく整ったものとなり、印画媒体上に安定
した印画を与えることが可能となり、印画像を高画質な
ものにすることができる。
【0072】尚、本発明による具体的な実施例として、
制御駆動回路9の駆動周波数をあげながら、前記第2の
圧電素子5を駆動させた場合と駆動させない場合とで、
インク8aの噴出をストロボ写真などで観察したとこ
ろ、前記第2の圧電素子5を駆動させない場合には、均
一で安定なインク滴の形成は、約7kHzまでしか見ら
れなかったのに対し、第2の圧電素子5を駆動させた場
合には、約12kHzまで均一で安定なインク滴が形成
されることが確認された。
【0073】また、周波数4kHzで噴出されたインク
滴を測定してみたところ、第2の圧電素子5を駆動させ
た場合には直径約55μmの液滴となったのに対し、第
2の圧電素子5を駆動させない場合には直径約80μm
の液滴となってしまいまた、噴出された液滴の運動速度
は、第2の圧電素子5を駆動させた場合には約7m/s
であったのに対し、第2の圧電素子5を駆動させない場
合には約5m/sでしかなかった。
【0074】さて、インク8aの噴出が終わると、前記
制御駆動回路9から前記第1の圧電素子4及び第2の圧
電素子5に印加されていた電圧の印加が停止され、該第
1の圧電素子4及び第2の圧電素子5に生じた機械的な
歪みが復帰し、これに伴って、第1のダイヤフラム6及
び第2のダイヤフラム7も元の平板状態に戻る。
【0075】この結果、インク供給流路2のコンダクタ
ンスが小さい値から元の値に戻ると同時にセル内へのイ
ンクの吸入が行われ、このインク供給流路2を介して前
記セル1内に前記インク貯留庫8からインク8aが再供
給される。この時のインクの再供給量は前記噴出孔3か
ら噴出したインク8aに対応する量である。
【0076】尚、インク8aの噴出が終わった後、前記
制御駆動回路9から前記第1の圧電素子4及び第2の圧
電素子5に、前記セル1内の加圧動作のために印加した
電圧と逆の極性の電圧を印加してもよく、この場合は、
前記第1の圧電素子4及び第2の圧電素子5をインク8
aの噴出時と逆方向に歪ませることができる。所謂、圧
電逆効果である。
【0077】この場合、前記第1のダイヤフラム6及び
第2のダイヤフラム7は、前記第1の圧電素子4及び第
2の圧電素子5の逆方向の歪みに伴ってインク8aの噴
出時とは逆に凹み、前記インク供給流路2の流路断面積
を大きくするとともにセル1内へのインクの吸入を強く
する。
【0078】ここで、第2ダイヤフラム7が大きく凹む
ことにより、前記インク貯留庫8からインク供給流路2
を介してセル内へ再供給されるインク8aが素早く流
れ、インクのリフィルのためにかかる時間が短くなる。
勿論、圧電素子の逆方向動作は第2の圧電素子5にのみ
行わせても良い。
【0079】以上に述べた第1の本実施例においては、
制御駆動回路9によって、第1の圧電素子4及び第2の
圧電素子5を同期駆動するように説明したが、これに限
定されることなく、例えば第2の圧電素子5を前記スペ
ーサ1b方向に歪ませたまま、第1の圧電素子4を複数
回駆動させて、インク8aを噴出するようにし、前記セ
ル1内のインク8aの量が残り少なくなってきた時に、
前記制御駆動回路9からインク噴出時と逆の極性の電圧
を印加し、インク8aの供給を行うように制御しても良
い。勿論、前記第1の圧電素子4及び第2の圧電素子5
を定常状態(非動作時)、加圧動作、インク供給動作
(圧電逆効果)の3段階動作に設定し、一連の動作を連
続的に駆動制御しても良いことは言うまでもない。
【0080】また、第1の実施例においては、前記第1
の圧電素子4及び第2の圧電素子5の撓み力を用いてセ
ル1内のインク8aの噴出を行ったが、このような圧電
素子の撓み力でなく、図3(A),(B)に示すよう
に、固定板11で固定した圧電体20,21自身の伸び
を直接利用することにより、更にインク8aの噴出力を
強くすることができる。尚、図3(A)はこの場合のイ
ンクジェットプリンタヘッドの非動作時の概略構成図で
あり、図3(B)は同じくインクジェットプリンタヘッ
ドの動作時の概略構成図である。
【0081】また、第1の実施例においては、可変手段
を前記第2の圧電素子5と第2のダイヤフラム7とによ
って構成し、インク供給流路の断面積を変えるととも
に、インクの逆流現象を起こしにくくしているが、本発
明はこれに限定されることなく、例えば弁のように作用
するものや、シャッターの開閉装置のようにインク供給
流路2を全く閉じて、コンダクタンスを0にするものな
ど、その構成は特に限定されるのではない。
【0082】図4は、本発明の第2の実施例に係るイン
クジェットプリンタヘッドの概略構成を示す縦断面図で
ある。図1に示した第1の実施例と最も大きく違う点
は、セルに第1のスペーサ14aと第2のスペーサ14
bを設け、第1のセル12aと第2のセル12bの2つ
のセルを形成するとともに、長さの異なる第1のインク
供給流路13aと第2のインク供給流路13bの2本の
インク供給流路を形成した点にある。尚、第1の実施例
と同一部分については同一符号を付し、説明を省略す
る。
【0083】図4に示すように、この第2の実施例に係
るインクジェットプリンタヘッドでは、ヘッド内のほぼ
中央に一端が薄刃テーパ状になって突出した第1のスペ
ーサ14aが設けられ、ヘッドの後面側には第2のスペ
ーサ14bが設けられている。
【0084】ヘッドの下面側には第1の圧電素子4及び
第1のダイヤフラム6が設けられ、ヘッドの上面側には
第2の圧電素子5及び第2のダイアフラム7が設けられ
ている。又、ヘッドの前面側には噴出孔3が形成されて
いる。
【0085】前記第1のスペーサ14aと前記第1のダ
イヤフラム6及び噴出孔3によって囲まれる部分は第1
のセル12aであり、前記第1のスペーサ14aと第2
のスペーサ14bとの間の部分には、インク貯留庫8に
直接連通する第2のセル12bである。
【0086】前記第1のスペーサ14aと前記第2のダ
イヤフラム7との間隙によって、前記第1のセル12a
と第2のセル12bとを連通する第1のインク供給流路
13aが形成されており、又、前記第1のスペーサ14
aの薄刃テーパ状突出部先端下方には、流路長がほぼ0
の第2のインク供給流路13bが形成されている。
【0087】上記のように構成された第2の実施例に係
るインクジェットプリンタヘッドにおいては、前記第1
のスペーサ14aが設けられているため、ヘッド自身が
大きくなるが、第1のインク供給流路13aと第2のイ
ンク供給流路13bの2本のインク供給流路を形成する
ことができ、これによってリフィルの応答性を向上する
ことができる。
【0088】2つのインク供給流路のうち、比較的流路
長の長い前記第2のインク供給流路13aの流路断面積
を前記第2の圧電素子5及び第2のダイヤフラム7の前
記第1のスペーサ14a方向(矢印B方向)への膨出に
よって選択的に小さくすることにより、第1の圧電素子
4及び第1のダイヤフラム6の前記第1のスペーサ14
a方向(矢印A方向)への膨出による加圧動作に伴うイ
ンクの逆流現象を防止することができるとともに噴出圧
力の低下を防止することができ、前記セル12a内に満
たされているインク8aを安定した圧力で噴出すること
ができる。尚、前記第2のインク供給流路13bは流路
長がほぼ0であり、しかもその上流側に第2のセル12
bが存在しているため、インク噴出時にこの第2のイン
ク供給流路13bからのインクの逆流現象はほとんど生
じない。
【0089】また、各圧電素子の印加電圧を零電位もし
くは逆極性にすれば第1のインク供給流路13aのコン
ダクタンスが大きくなるのでインクのリフィルが応答性
良く行われ、更に、前記第2のインク供給流路13bの
流路長がほぼ0に形成されているため、温度によるイン
クの粘性変化の影響を受けることなくセル12a内への
補助的なインクのリフィルを安定に果たすことができ
る。
【0090】尚、この第2の実施例に係るインクジェッ
トプリンタヘッドにおいては、第1の実施例において説
明した機能、例えば制御駆動回路9の制御方法、圧電素
子自身の伸びを直接ダイヤフラムに及ぼす方法など、全
ての機能が同様に適用可能である。
【0091】図5は、本発明の第3の実施例に係るイン
クジェットプリンタヘッドの概略構成を示す縦断面図で
ある。この第3の実施例と、上記第1、第2の実施例と
違う点は、第1のダイヤフラム6及び第2のダイヤフラ
ム7と接続する圧電素子を共通の一つの圧電素子15と
した点にある。
【0092】即ち、上記第1、第2の実施例において
は、圧電素子4,5とダイヤフラム6,7とは同数設け
られていたが、この第3の実施例に係るインクジェット
プリンタヘッドにおいては、図5に示すように、一つの
圧電素子15によって2つのダイヤフラム6,7を駆動
する点が上記第1、第2の実施例と違う点である。
【0093】このように、第1のダイヤフラム6、第2
のダイヤフラム7を一つの圧電素子15によって駆動す
ることにより、ダイヤフラムに対応して一つ一つ圧電素
子を設ける必要がなくなり、ヘッド及び駆動制御系の構
造が簡単になるとともに、製造コストも安価なものにす
ることができる。尚、図5において、第1、第2の実施
例と同一部分については同一符号を付し、説明を省略す
る。また、この第3の実施例に係るインクジェットプリ
ンタヘッドのセル構造自体は、図1において説明した第
1の実施例とほぼ同様である。
【0094】図6は、本発明の第4の実施例に係るイン
クジェットプリンタヘッドの概略構成を示す縦断面図で
ある。この第4の実施例と、上記各実施例との違いは、
第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムの2枚のダイ
ヤフラムで行っていた機能を1枚のダイヤフラム16に
よって行うことができるようにした点である。
【0095】即ち、上記各実施例において、第1のダイ
ヤフラムはセル内を加圧し、又、第2のダイヤフラムは
インク供給流路の流路断面積を小さくして、インクの逆
流現象を防止しながら、噴出圧力を安定化し、インクの
噴出力を保持していたが、この第4の実施例に係るイン
クジェットプリンタヘッドおいては、図6に示すよう
に、一枚のダイヤフラム16によってセル1内の加圧と
ともに、インク供給流路2の流路断面積の変化を行わ
せ、インクの逆流現象を防止しながら、噴出圧力を安定
化し、インクの噴出力を保持している。勿論、インクの
リフィルに際しては圧電素子16が復帰又は逆方向に変
形することによりインク供給流路2のコンダクタンスが
大きくなることは前述の各実施例と同様である。
【0096】このように、ダイヤフラムを1枚にするこ
とによって、ヘッド及び駆動制御系が簡単になるととも
に、製造コストも安価なものにすることができる。尚、
図6において、上記各実施例と同一部分については同一
符号を付し、説明を省略する。また、この第4の実施例
に係るインクジェットプリンタヘッドの構造は、図1に
おいて説明した第1の実施例とほぼ同様である。
【0097】図7(A),(B)は、本発明の第5の実
施例に係るインクジェットプリンタヘッドの概略構成を
示す縦断面図である。この第5の実施例と、上記第1〜
4の各実施例との違いは、図7(A),(B)に示すよ
うに、比較的長さの長い一つの圧電素子15に隣り合う
一つ一つが互いに異なる極性の電圧によって印加される
電極16a,16b,16cを設け、前記圧電素子15
に隣接電極間で互いに逆方向の歪みを生じさせるように
した点である。尚、前記圧電素子15は、分極が図7
(A)に示す矢印P方向となるように形成されている。
【0098】即ち、図7(B)に示すような極性で制御
駆動回路9からの電圧を前記各電極16a,16b,1
6cに印加すると、前記圧電素子15は、電極16a及
び16cの各部分でセル内方向への機械的な歪みを生
じ、電極16bの部分ではセル内から遠ざかる方向の機
械的な歪みを生じる。
【0099】尚、このように、前記圧電素子15を隣接
電極間で互いに逆方向に変形させる場合、電極16bは
零電位に保って必ずしも他の電極16a,16cと異な
る極性の電圧を印加する必要はないが、電極16bに逆
極性電圧を印加することにより、この圧電素子15に一
層大きな歪みを発生させることができ、インクの噴出圧
力を高めることが可能になる。
【0100】一方、図7(B)に示した電圧の極性を逆
にして、前記圧電素子15にこの逆極性の電圧を印加す
ると、該電圧素子15はインク噴出時と逆方向に歪む。
この場合も、全電極への印加電圧を零電位にするだけで
も良いが、逆極性電圧を印加することにより、インク供
給流路2のコンダクタンスを一層大きくすることができ
るため、リフィル時間を短くすることができる。尚、図
7(A)は第5の実施例に係るインクジェットプリンタ
ヘッドの非動作時の概略構成図であり、図7(B)は第
5の実施例に係るインクジェットプリンタヘッドの動作
時の概略構成図である。また、上記第1〜4の各実施例
と同一部分については同一符号を付し、説明を省略す
る。
【0101】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、セル内の
インク供給流路における流体学的コンダクタンスの大き
さを選択的に変化させる可変手段を備えたため、インク
の噴出特性を優れたものにすることができるという効果
がある。
【0102】また、本発明は、インクの噴出力を安定化
し、印画媒体上の印画像を高画質な印画像に維持するこ
とができるという効果もある。
【0103】また、本発明は、セル内にインクを供給す
るためにかかる時間、いわゆるリフィル時間を早くし
て、高速パルスレートでのインク噴出を行うことができ
るという効果もある。
【0104】また、本発明は、インク供給流路における
流体学的コンダクタンスを簡単な構成で変化させること
ができるという効果もある。
【0105】また、本発明は、インク噴出時にインク供
給流路側にインクが逆流して逃げることを防止し、イン
ク噴出時にセル内に生じる圧力を有効に噴出のために利
用することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェットプリン
タヘッドの概略構成を示す縦断面図であり、(A)は第
1の実施例に係るインクジェットプリンタヘッドの非動
作時の概略構成図であり、(B)は第1の実施例に係る
インクジェットプリンタヘッドの動作時の概略構成図で
ある。
【図2】前図(図1)に示す第1の実施例に係るインク
ジェットプリンタヘッドの各部の寸法を示す説明図であ
り、(A)はインクジェットプリンタヘッドの縦断面図
であり、(B)はインクジェットプリンタヘッドの下面
図である。
【図3】前図(図1)に示す本発明の第1の実施例の変
形例に係るインクジェットプリンタヘッドの概略構成を
示す縦断面図であり、(A)はこの変形例に係るインク
ジェットプリンタヘッドの非動作時の概略構成図であ
り、(B)はこの変形例に係るインクジェットプリンタ
ヘッドの動作時の概略構成図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係るインクジェットプ
リンタヘッドの概略構成を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係るインクジェットプ
リンタヘッドの概略構成を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例に係るインクジェットプ
リンタヘッドの概略構成を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第5の実施例に係るインクジェットプ
リンタヘッドの概略構成を示す縦断面図である。(A)
は第5の実施例に係るインクジェットプリンタヘッドの
非動作時の概略構成図であり、(B)は第5の実施例に
係るインクジェットプリンタヘッドの動作時の概略構成
図である。
【符号の説明】
1:セル 1a:金属製ステンレス板 1b:スペーサ 2:インク供給流路 3:噴出孔 4:第1の圧電素子 5:第2の圧電素子 6:第1のダイヤフラム 7:第2のダイヤフラム 8:インク貯留庫 8a:インク 9:制御駆動回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク供給流路を通じてセル内に満たさ
    れたインクを、前記セルに連通する微細な噴出孔から噴
    出させてプリントを行うインクジェットプリンタヘッド
    において、 前記インク供給流路における流体学的コンダクタンスの
    大きさを選択的に変化させる可変手段を備えたことを特
    徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  2. 【請求項2】 前記可変手段は、前記噴出孔からインク
    を噴出させる時に、前記流体学的コンダクタンスの大き
    さを、前記セル内へのインクの供給時における前記流体
    学的コンダクタンスの大きさよりも小さくすることを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記可変手段は、前記噴出孔からインク
    を噴出させる時に、前記流体学的コンダクタンスの大き
    さを非動作時の前記流体学的コンダクタンスの大きさよ
    りも小さくし、 前記セル内へのインク供給時に前記流体学的コンダクタ
    ンスを前記非動作時の前記流体学的コンダクタンスの大
    きさより大きくすることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェットプリンタヘッド。
  4. 【請求項4】 前記可変手段が、前記インク供給流路の
    流路断面積を変化させる可動手段を含むことを特徴とす
    る請求項1、2又は3のいずれか一項に記載されたイン
    クジェットプリンタヘッド。
  5. 【請求項5】 前記可動手段が、前記インク供給流路内
    に対して進退可能な機械的変位手段と、該機械的変位手
    段を電気信号に基づいて駆動する電気・機械変換手段と
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載のインクジェ
    ットプリンタヘッド。
  6. 【請求項6】 インク供給流路を通じてセル内に満たさ
    れたインクを、前記セルに連通する微細な噴出孔から噴
    出させてプリントを行うインクジェットプリンタヘッド
    において、 前記セル内のインクを前記噴出孔から噴出させるため
    に、前記セル内に選択的に膨出される第1のダイヤフラ
    ムと、 前記第1のダイヤフラムを駆動する第1の圧電素子と、 前記インク供給流路内に選択的に膨出される第2のダイ
    ヤフラムと、 前記第2のダイヤフラムを駆動する第2の圧電素子と、
    を備え、 少なくとも、前記噴出孔からインクを噴出させる時に、
    前記第2の圧電素子を作動させることを特徴とするイン
    クジェットプリンタヘッド。
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