JPH07250Y2 - 切断装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、丸鋸等の回転刃で平スレート板或いは波状ス
レート瓦等を切断する切断装置に関する。

（従来の技術） 従来、波状スレート瓦等を施工現場で寸法合わせの為に
切断する際には、押切り式切断装置或いは丸鋸式切断装
置を用いて適宜の形状及び寸法に切断することが多い。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来技術の場合、前者は定盤に設け
られた固定刃に、操作グリップ部を備えた可動刃を枢着
してなるので、構造が簡単であるが、波状スレート瓦の
波目を種々の方向に横断して切断する場合、固定刃の刃
先が直線状であると、可動刃を波状スレート瓦に押圧す
るときに、波状スレート瓦が移動して切断し難く、又、
波状スレート瓦が押し潰されて切断面付近が割れ美麗な
切口が得られないという問題があった。

そこで、上記問題点を解消する為に、固定刃の刃形を波
状スレート瓦の波形状に合わせた波状固定刃が用いられ
るが、波形の寸法、形状の異なる波状スレート瓦毎に或
いは切断方向毎に夫々の波状固定刃を用意する必要があ
り、部品管理が煩瑣になるという問題があり、然も切断
方向が変わる度に波状固定刃を交換しなければならず、
施工能率を著しく低下させるものであった。

又、後者は、波状スレート瓦の波形の寸法、形状或いは
切断方向に関係なく切断を確実に行えるが、切断作業に
より発生した切粉が上方に飛散し、粉塵による作業環境
の悪化の原因となっており、又、被切断物が大判の場合
には、切断装置に設置されたスイッチに手が届かず、通
電出来ない場合があった。

本考案切断装置は、上記の欠点を解消し、波状スレート
瓦等の被切断物を切断するに際し、被切断物の波形の寸
法、形状或いは切断方向に変更があっても刃を交換する
必要がなく、且つ被切断物の大小等に係わらず、容易且
つ確実に通電可能な切断装置を提供することを目的とし
てなされたものである。

（課題を解決するための手段） 本考案の要旨は、天板に回転刃が出入可能なスリットが
前後方向に設けられた基台と、天板の下方に配設された
支持杆付回転刃を有し、該支持杆は回転刃がスリットよ
り出入する方向に回動可能となされ、且つ弾性力により
常時回転刃がスリットより突出する方向に付勢されると
共に、支持杆が被切断物により下方に回動されることに
より、被切断物が回転刃に接触する直前に電気回路が閉
となされることを特徴とする切断装置に存する。

切粉が上方に飛散せず、然も切断線に沿って折曲げるこ
とにより簡単に分断出来るよう、回転刃には、被切断物
の肉厚の10〜30％だけ回転刃より小径となされた切断深
さ規制ガイドが添設され、且つ、回転刃の曲率半径が波
状スレート瓦の曲率半径より小さくなされるのが好まし
い。

又、回転刃が被切断物に接触する直前に、回転刃が回転
し、切断がスムースに開始されるよう、回転刃の支持杆
から案内杆を突設するのが好ましい。

（作用） 本考案に於いては、叙上の通り構成されているので、被
切断物を回転刃に向って移動させると、被切断物によっ
て下方に回動された回転刃の支持杆により電気回路が閉
となされ、切断が終って支持杆が上方に復帰すると、回
路は開となされる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面を参照しながら説明する。

第１図は、本考案の一実施例を示す断面図であって、箱
体からなる基台１の天板11には略中央部にスリット２が
前後方向（図面では左右方向）に穿設されている。

３は丸鋸等の回転刃で、支持軸51を中心にして扇形状に
回動可能な支持杆４の先端に、回転可能に軸支されてお
り、回転刃３の側方には回転刃３より小径の円板状切断
深さ規制ガイド33が添設されている。回転軸31には先端
が下方に折曲された案内杆34が取着されている。

５はモーターであって、回転刃３が取付けられた回転軸
31のプーリー32を支持軸51のプーリー52、ベルト53を介
して回転させるものである。

６は引張スプリングであって、一端は基台１の内壁に固
定されると共に、他端は支持杆４の上部に固定され、支
持杆４を回転刃３がスリット２から上方に突出する方向
に付勢している。

７は常時電気回路が開となされているスイッチであっ
て、センサー71が、支持杆４に突設された突起41によっ
て水平状態から押下げられると、電気回路が閉となさ
れ、支持杆４の押圧が除かれるとセンサー71は水平状態
に復帰し、電気回路は開に戻る。

基台１の内部は塵受け部となされており、一側が内部に
フィルター81を有する集塵槽８に連結されている。

９は集塵槽８の内部を減圧する吸引ブロワ、91は排気口
である。

次に本考案切断装置の使用方法を前記実施例に基いて説
明する。

切断の開始前、回転刃３は、引張スプリング６により上
方に引上げられて、スリット２を通して基台１の天板11
の上に突出して待機している。被切断物が波状スレート
瓦の場合には、切断面が波目の方向と垂直になるように
して天板11の前側上面に載置し、回転刃３に向かって移
送すると、瓦先端に当接した案内杆34は下方に押圧され
て支持杆４を下方に回動させ、支持杆４の突起41がセン
サー71を下方に押下げ、電気回路が閉となされて、モー
ター５に給電され、回転刃３は瓦が回転刃３に接触する
直前に回転を開始し、回転する回転刃３により瓦の裏面
から切断され始め、切断深さ規制ガイド33の外周縁が瓦
の裏面に当たる迄切断し、波形状に沿って回転刃３を上
下動させながら切断することになる。瓦の表面部分は、
切断されないので、切断により発生する切粉は、瓦の上
方には飛散せず、スリット２より下方に落下することに
なり、吸引ブロワ９により集塵槽８に吸引収集される。

切断が終ると、支持杆４は上方に回動し、センサー71は
水平状態に復帰して、電気回路は開となり、回転刃３は
回転を停止する。

（考案の効果） 本考案切断装置は、叙上の通り構成されているので、被
切断物を回転刃に向って移動させるだけで、電気回路の
開閉が自動的に確実に行われるので、消費エネルギーが
節減され、切断作業の安全性が増す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図である。 １……基台、２……スリット、３……回転刃、４……支
持杆、６……引張スプリング、11……天板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】天板に回転刃が出入可能なスリットが前後
   方向に設けられた基台と、天板の下方に配設された支持
   杆付回転刃を有し、該支持杆は回転刃がスリットより出
   入する方向に回動可能となされ、且つ弾性力により常時
   回転刃がスリットより突出する方向に付勢されると共
   に、支持杆が被切断物により下方に回動されることによ
   り、被切断物が回転刃に接触する直前に電気回路が閉と
   なされることを特徴とする切断装置。