JPH0724768B2 - ポリアミノ酸を基材としたアフイノフオア - Google Patents

ポリアミノ酸を基材としたアフイノフオア

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JPH0724768B2
JPH0724768B2 JP60249157A JP24915785A JPH0724768B2 JP H0724768 B2 JPH0724768 B2 JP H0724768B2 JP 60249157 A JP60249157 A JP 60249157A JP 24915785 A JP24915785 A JP 24915785A JP H0724768 B2 JPH0724768 B2 JP H0724768B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有用な生体由来物質で特に電荷を持たない、
あるいは等電点にあるポリペプチド、蛋白質(酵素、抗
体など)または、有用な生体の物質産生細胞などの特異
的分離、同定、精製に用いることができるアフィノフォ
アに関する。
〔従来の技術〕
生体物質の特異的親和力を利用した電気泳動法として
は、タケオ(Takeo)らやホレイジ(Horejsi)によって
開発され発展してきた“アフィニティ電気泳動法”があ
る。この方法はポリアクリルアミドゲル中にアフィニテ
ィリガンドを固定化し、その中でリガンドに対し特異的
親和力を持つ物質の電気泳動を行なうものである。この
方法によれば、親和力の大きさに応じてその物質の泳動
度は小さくなるが、この小さくなり方を解析することに
より特異的結合反応の解離定数を求めることができる。
この方法はアフィニティリガンドを動かないもの(ポリ
アクリルアミドゲルやアガロースゲルなどの不溶性支持
体)に固定し、その動かないリガンドによって動いてい
る物質を捕捉することによって移動速度を低下させると
いう点でアフィニティクロマトグラフィーに共通した点
がある。アフィニティクロマトグラフィーが移動相の溶
媒の流れによって物質を動かしているのに対し、アフィ
ニティ電気泳動法では個々の物質の電荷に基づく電気泳
動によって物質を動かしている。
これらのものに対し本発明者が創案したアフィノフォレ
シスは、動くアフィニティリガンドを用いる点に大きな
特徴がある。アフィニティリガンドは陰性あるいは陽性
の水溶性高分子多荷電解質に結合させる。この様な分子
は電場内で大きな泳動速度を持つので、この様な分子の
溶液を電場に置くと結果的にアフィニティリガンドの流
れが生ずる。そこでこの様な分子の存在下に蛋白質など
の電気泳動を行なうと、リガンドに対し特異的親和力を
持つものだけがアフィニティリガンドの流れに乗ってそ
の泳動速度が大きく変化し、他のものから分離される。
この様なリガンドを持つ高分子多荷電解質を“親和力に
よって運ぶもの”という意味でアフィノフォア(affino
phore)と名づけ、アフィノフォア存在下に行なうこの
様な電気泳動法をアフィノフォレシス(affinophoresi
s)と名づけた(「生物物理」)Vo1.24,No.4(1984),6
3〜65頁)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これまでにアフィノフォア基材として検討されているも
のには、DEAE−デキストラン〔ジャーナル・オブ・バイ
オケミストリー(J.Biochem.)92,1615〜1622(198
2)〕やポリアクリル酸誘導体〔ビオキミカ・エト・ビ
オフイジカ・アクタ(Biochim.Biophys.Acta)802,135
〜140(1984)〕がある。しかし、DEAE−デキストラン
の水酸基は比較的反応性が低いため、リガンド固定反応
に用いうる化学反応が限定されあるいはまた、固定され
るリガンドが特定のものに限定されるため、アフィノフ
ォア基材としての用途は必然的に制限されるという欠点
がある。またポリアクリル酸誘導体は、分子量のコント
ロールが難しいなど、製造工程が繁雑であるという欠点
がある。
したがって本発明の目的は、よりすぐれたアフィノフォ
ア基材としてポリアミノ酸を採用することにより、広範
な種類の物質の分離、精製等に使用可能なアフィノフォ
アを提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、アフィノフォア基材として水溶性ポリアミ
ノ酸を使用することにより上記目的が達成されることを
見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、側鎖に正または負の電荷を持つ水溶
性ポリアミノ酸の側鎖の遊離塩基性基または遊離カルボ
キシル基に、結合基を介しもしくは介することなく、ア
フィニティリガンドを結合させてなるアフィノフォアで
ある。
本発明に使用される水溶性ポリアミノ酸を構成する側鎖
に塩基性基を持つアミノ酸の例としては、リジン、ヒド
ロキシリジン、アルギニン、ヒスチジンが、またモノア
ミノジカルボン酸の例としてはグルタミン酸、アスパラ
ギン酸が挙げられる。
本発明に使用される水溶性ポリアミノ酸の分子量は5,00
0〜500,000が適当であり、製造されるアフィノフォアの
水溶性または電気泳動性の観点から10.000〜50,000の範
囲が特に好ましい。
この水溶性ポリアミノ酸の遊離アミノ基または遊離カル
ボキシル基に結合させるアフィニティリガンドとして
は、たとえば分子構造中にカルボキシル基、第1級アミ
ノ基またはチオール基を有する、アミノ酸、ペプチド、
糖誘導体、蛋白質等が挙げられる。このようなアフィニ
ティリガンドと、これに親和性を有する物質すなわち分
離可能な物質との組み合せの例としては、次のようなも
のがある。
リガンド 分離可能な物質 トリプトファン キモトリプシン リジン プラスミノーゲン アルギニン トロンビン トリアラニン エラスターゼ インシュリン インシュリンレセプ ター蛋白 β−エンドルフィン β−エンドルフィン レセプター蛋白 グルコース コンカナバリンA グルコサミン 小麦胚レクチン マンノース コンカナバリンA ガラクトース ピーナッツレクチン N−(ジベンジルオキシ PAPP ホスフィニル)−L−ア ラニル−L−プロリル− L−プロリン(PAPP)抗体 α−フェトプロティン抗体 α−フェトプロティン カルシノエンブリオアン CEA チゲン(CEA)抗体 インターロイキン− 1L−2 2(IL−2)抗体 全遊離アミノ基または全遊離カルボキシル基に対するア
フィニティリガンドの導入率は、分子量300以下の低分
子アフィニティリガンドに対しては、1〜30重量%程
度、分子量1万以上の高分子アフィニティリガンドに対
しては、30〜300重量%程度が適当である。導入率が低
分子アフィニティリガンドでは1重量%より、高分子ア
フィニティリガンドでは30重量%より低いとアフィノフ
ォアとしての結合力に劣り、また低分子アフィニティリ
ガンドに対しては30重量%より、高分子アフィニティリ
ガンドに対しては300重量%より高いと荷電性が低下す
ることがあり、電気泳動性が低下する傾向がある。
また、アフィニティリガンドが導入されていない残存ア
ミノ基またはカルボキシル基に、使用目的によりイオン
基を導入し、さらに荷電性を向上させることができる。
このようなイオン基のうち、陰荷電性イオン基としては
スルホン酸基、リン酸基、ボロン酸基、また陽電荷性イ
オン基としては3級アミノ基、たとえばジメチルアミノ
エチル基またはジエチルアミノエチル基などが挙げられ
る。このようなイオン基を導入するのに使用する好適な
化合物としては、アミノメタンスルホン酸、アミノエタ
ンスルホン酸、ホスホリルエタノールアミン、アミノフ
ィニルボロン酸、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N
−ジエチルエチレンジアミンなどが挙げられる。たとえ
ば、リジンのようなジアミノモノカルボン酸のポリマー
の場合には、アミノ基をカルボキシル化し、1級アミン
を有するアフィニティリガンドを導入し、その遊離カル
ボキシル基に上記イオン基を導入し、荷電性を向上させ
ることができる。
このようなイオン基の導入率は、アフィニティリガンド
の種類によって異なるが、一般に、遊離アミノ基または
遊離カルボキシル基に対して10〜100モル%程度が適当
である。
本発明のアフィノフォアをつくるには、ポリアミノ酸の
遊離アミノ基または遊離カルボキシル基と、目的とする
アフィニティリガンドをアミド結合させればよい。この
際、適当な結合基を介して両者を結合させてもよい。た
とえば、ポリリジンにトリプトファンを結合させるため
には、まずポリリジンを無水コハク酸と反応させ、遊離
アミノ基をカルボキシエチルカルボニル化し、このカル
ボキシル基とトリプトファンのアミノ基を、水溶性カル
ボジイミド等の脱水剤の存在下で反応させてアミド結合
を形成し、必要により、さらにアミノメタンスルホン酸
を反応させて荷電性を向上させる。また、ポリリジンの
遊離アミノ基とアフィニティリガンドとしてのアミノ酸
のカルボキシル基を反応させてアミド結合を形成し、次
いで残存遊離アミノ基と無水コハク酸を反応させ、遊離
アミノ基をカルボキシエチルカルボニル化し、このカル
ボキシル基とアミノメタンスルホン酸を反応させて荷電
性を向上させることもできる。無水コハク酸の代りに、
無水マレイン酸、無水グルタール酸、無水フタール酸な
ども使用できる。ポリグルタミン酸とアミノベンツアミ
ジンの反応は、水溶性カルボジイミド存在下に行ない、
ポリグルタミン酸の遊離カルボキシル基とアミノベンツ
アミジンの1級アミノ基との間でアミド結合を形成せし
め、次いで必要により、残存するポリグルタミン酸の遊
離カルボキシル基にアミノメタンスルホン酸を反応させ
て荷電性を向上させる。
〔発明の効果〕
本発明のアフィノフォアを用いてアフィノフォレシスを
行なうことにより、極めて広範な種類の物質の分離、同
定、精製等を行なうことができる。たとえば、細胞をそ
の特異的な表面構造の差に基づいて分離することがで
き、表面抗原−特異抗体、レセプター−ペプチド性ホル
モン、表面糖鎖−レクチンの組み合わせにより有用物
質、有用産生細胞の分離、同定、精製が可能である。さ
らに、本発明のアフィノフォアを用いたアフィノフォレ
シスをクロマトグラフと併用することにより有用目的物
質の分離、同定、精製を一層、迅速、容易に行なうこと
ができる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1:サクシニル−ポリ−L−リジンにトリプトファ
ンをリガンドとして結合してなる、アンヒドロキモトリ
プシンに対するアフィノフォアの調製 平均重合度190のポリ−L−リジン臭化水素酸塩100mgを
0.1M NaCl,5mlに溶解し、無水コハク酸100mgを1度に加
え、6M NaOHでpHを8〜10に保った。10分後、フロレサ
ミン反応によりアミノ基を定量したところ、1%以下で
あった。反応液を0.1M NaClに対し3回透析し、透析液
6.1ml中のリジン含量を調べたところ340μmolであっ
た。この透析液にトリプトファンメチルエステル塩酸塩
17.2mg(68μmol)を加え、1MHClでpH4.75に調整後、1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド65mg(340μmol)を加えて1M HClでpH6前後に
保った。15分後シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ク
ロロホルム/メタノール(3:1,V/V)を行ない、紫外線
吸収測定によってトリプトファンメチルエステル(Rf=
0.87)の有無を調べると、ほぼすべてがポリマーに結合
していた。pH5の反応液にアミノメタンスルホン酸57mg
(510μmol)を加え、さらに上記カルボジイミド130mg
を加え、1M HClと1M NaOHによって、pH4.5〜5.0に1時
間保った。反応液を0.1MHClに対し3回透析した。透析
液7.4mlに6M NaOH127μlを加え、終濃度0.1Mとし、24
℃で30分放置してエステルを分解後、6M HClで中和し、
水1に対し3回透析した。透析液を凍結乾燥し、アン
ヒドロキモトリプシンに対するアフィノフォア112mgを
得た。アンヒドロキモトリプシンおよび関連した蛋白質
の電気泳動をこのアフィノフォア存在下(0.01%)
(B)と非存在下(A)で行なった。
粗アンヒドロキモトリプシン標品のアフィノフォレシス
を行なった場合には特異的結合活性を持ったアンヒドロ
キモトリプシンが分離された。結果を第1図に示す。
電気泳動は0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中、
1枚のゲル板当たり100mAの定電流で30分間行なった。
第1図において下欄の番号はそれぞれ次の物質を示して
いる。
1.キモトリプシノーゲン、4μg 2.α−キモトリプシン、4μg 3.フエニルメタンスルホニル(PMS)−キモトリプシ
ン、4μg 4.粗アンヒドロキモトリプシン、8μg 5.トリプトファン固定化トヨパールで精製したアンヒド
ロキモトリプシン、4μg 6.リマ豆固定化セファロース(LBI Sepharose)で精製
したアンヒドロキモトリプシン、4μg 実施例2:サクシニル−ポリ−L−リジンにp−アミノフ
エニル−α−D−マンノシドをリガンドとして結合して
なる、コンカナバリンA(Con A)に対するアフィノフ
ォアの調製 平均重合度190のポリ−L−リジン臭化水素酸塩50mgを
0.1M NaCl2.5mlに溶解し、無水コハク酸50mgを1度に加
え、2M NaOHでpHを8〜10に保った。20分後フロレサミ
ン反応によってアミノ基の消失を見たところ、アミノ基
は無水コハク酸添加前に対して0.15%に減少していた。
反応液を0.1M NaCl500mlに対し3回透析し、透析液3.6m
l中のリジン含量を調べたところ117μmolであった。こ
の透析液にp−アミノフエニル−α−D−マンノシド溶
液(p−ニトロフエニル−α−D−マンノシド7.05mg
(23.4μmol)を0.5M NaHCO33.5mlに溶解し、最終濃度
0.1MになるようにNa2S2O461mgを加え、室温で一夜放置
した。6M HCl0.292mlを加え、アスピレーターで減圧脱
気し、p−アミノフエニル−α−D−マンノシド溶液を
調製した)。3.8ml(23.4μmol)を加え、1M HClでpH4.
75に調整後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC,HCl)22.4mg(117
μmol)を添加し、1時間、pH4.7〜4.8に保った。アミ
ノメタンスルホン酸2.6mg(23μmol)を添加し、さらに
EDC,HCl22.4mgを添加し、1時間、pH4.7〜4.8に保っ
た。1M NaOHでpH7.0に調整し、0.1M NaCl500mlに対し2
回透析し、さらに水500mlに対し3回透析し、アフィノ
フォア溶液10.5を得た。
ConAおよび対照として牛血清アルブミン(BSA)を用
い、電気泳動をこのアフィノフォアの存在下および非存
在下で行なった。結果を第2図に示す。プレート,
,およびの担体は次表のとおりである。
アフィノフォアの濃度は、マンノースの濃度にして0.05
mMに相当する。レーン1はBSA4μg/2μl、レーン2はC
onA4μgをそれぞれ原点にスポットした。電気泳動は0.
1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中、1枚のゲル板
当り25mAの定電流で25分行なった。アフィノフォア存在
下ではConAは側に泳動されることがわかる()。
ところが、アガロース中にメチルマンノシドが存在する
と、アフィノフォアが存在していても、メチルマンノシ
ドが競争的にCon Aの糖結合部位に結合するために、ア
フィノフォア上のマンノースとCon Aとの結合が阻害さ
れ、Con Aの側への移動が起こらない。このことは、
アフィノフォアとCon Aとの結合が特異的なものである
ことを示している。またとにおいてCon Aが左方に
移動しているのは、メチルマンノシドの添加によってCo
n Aの立体構造が変化したためではないかと思われる。
実施例3:サクシニル−ポリ−L−リジンにリガンドとし
てN−(ジベンジルオキシホスフィノイル)−L−アラ
ニル−L−プロリル−L−プロリン(PAPP)を結合して
なる抗PAPP抗体に対するアフィノフォアの調製 平均重合度190のポリ−L−リジン臭化水素酸塩50mgを
0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)2.7mlに溶解し、
6M NaOHでpH7.5に調整した。PAPP26.0mg、N−ヒドロキ
シスクシンイミド5.5mg、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド9.9mgをジメチルホルムアミド0.1mlに溶解し、終液
室温に放置し、この反応液の上清を攪拌下に上記ポリ−
L−リジン溶液に添加し1時間反応させた。無水コハク
酸50mgを添加し、6M NaOHでpH7〜8に保ち10分間反応さ
せた。0.1M NaCl500mlに対し3回透析し透析液4.4mlを
得た。アミノ酸分析の結果、この透析液中にはリジン20
7μmol、アラニン32μmol、プロリン69μmolが含まれて
いた。アミノメタンスルホン酸4.6mgを添加し1MHClでpH
4.75に調整した。
水溶性カルボジイミド(1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)40mgを添
加した。1M NaOHでpH4.7〜4.8に調整し、30分間反応さ
せ、その後1M NaOHでpH7に調整した。0.1M NaCl500mlに
対し2回透析し、次いで水500mlに対し1回透析し、サ
クシニル−ポリリジンPAPP−アミノメタンスルホネート
透析液7.2mlを得た。アミノ酸分析の結果、リジン196μ
mol、プロリン64μmol、アラニン30μmolが含まれてい
た。
抗PAPP抗体(PAPPのカルボキシル基をジシクロヘキシル
カルボジイミド中でN−ヒドロキシスクシンイミドのエ
ステルとして活性化し、水溶液中の牛血清アルブミン
(BSA)と反応させ、PAPP−BSA抗原溶液(約5mg/ml)と
した。この抗原溶液をフロインド完全アジュバンドでエ
マルジョン化し、白色家兎に免疫し、3〜4ケ月後採決
し抗血清とした。)の電気泳動をアフィノフォア非存在
下で1次元展開し、その後アフィノフォア(透析液の10
0倍希釈液)存在下で2次元展開した。電気泳動は、0.1
Mトリス−酢酸緩衝液中(pH8.0)、1枚のゲル板当り50
mAの定電流でそれぞれの方向で各30分行なった。
抗PAPP抗体のアフィノフォレシスを行なった場合にアフ
ィノフォア存在下で抗PAPP抗体が分離されていることが
免疫染色により確認された。結果を第3図に示す。
斜線部分は、アフィノフォレシス後分離された蛋白質を
ニトロセルロースフイルターに転写後、ヤギ抗ウサギ1g
G抗体で特異的検出を行なった結果を示している。
実施例4:ピリリジンにリガンドとしてコンカナバリンA
を結合してなる、細胞に対するアフィノフォアの調製 1)ピリジルジチオースクシニル−ポリ−L−リジンの
調製 平均重合度190のポリ−L−リジン臭化水素酸塩50mgを
0.1M NaClを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
2.0〜5.0mlに溶解し、N−サクシニミジル−3−(2−
ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)1.5〜10μmol
を含む30mMエタノール溶液を添加し、30分間室温で放置
した。その後、無水コハク酸48mgを固体のまま加え1M N
aOHでpH8〜9に保ち、ロータリーエバポレータで1mlに
濃縮した。0.1M NaClを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝
液(pH7.5)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G
25カラム(φ1×30cm)を通し、素通り画分をピリジル
ジチオ−スクシニル−ポリ−L−リジンとした。こうし
て試料、を得た。
:SPDP10μmol使用、全量4.6ml中、リジン180μmol、
ピリジルジチオ基8μmol。
:SPDP1.5μmol使用、全量5.8ml中、リジン180μmol、
ピリジルジチオ基1.2μmol。
また、試料はSPDP5μmolを使用し、次のように調製し
た。ロータリーエバポレーターで1mlに濃縮し、0.1M Na
Clを含む0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)で平衡
化したセファロース6Bカラム(φ1.0×30cm)に通し、
0.1M NaClを含む0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
5)で展開して1mlずつ分取し、フラクションNo.29〜36
の画分を集め、ホローファイバー(旭化成(株)製)で
全量1.8mlに濃縮した。全量1.8ml中、リジン132μmol、
ピリジルジチオ基2.2μmol。
2)Con AへのSH基の導入 50mgのCon Aを5mlの緩衝液I(0.05Mリン酸ナトリウム
(pH7.4)、1M NaCl、0.1mM MnCl2、0.1mM CaCl2、1mM
α−メチルマンノシド)に溶解し、0.45μmのミリポア
フィルターでろ過し、緩衝液Iで平衡化したバイオゲル
(Bio Gel)P6カラム(φ1.25×19cm)を通し、低分子
アミノ化合物を除いた。素通り画分5.4ml(ダイマーと
して0.64μmolを含む)にSPDP1.92μmol(11mMエタノー
ル溶液175μl)を加え、室温に30分間放置した。
緩衝液Iで平衡化したBio Gel P6カラムを通し、低分子
試薬を除き、ピリジルジチオ−Con A溶液を調製した(C
on Aダイマー1個当たりピリジルジチオ基は1.5個導入
された。用時ジチオスレイトール(DTT)で還元しSH基
を露出させて用いた。ピリジルジチオ−Con A溶液に1ml
に100mMDTT0.1mlを添加し、吸光度343μmの増加がやむ
まで約30分放置し、緩衝液II0.05Mリン酸ナトリウム(p
H7.4)、1M NaCl、0.1mM MnCl2、0.1mM CaCl2)で平衡
化したBio Gel P6カラム(φ1cm×15cm)でゲルろ過
し、チオール−Con A溶液とした。
3)チオール−Con Aとピリジルジチオ−スクシニル−
ポリ−L−リジンの結合反応 チオール−Con Aとピリジルジチオ−スクシニル−ポリ
−L−リジンを混合、放置して反応後、反応液をSephad
ex G100のカラムに添加し、吸着物を0.2Mグルコースを
含む緩衝液で溶出し、次に吸着した画分をDEAE−Sephar
oseのカラムに添加し、吸着したものを1M NaClを含む緩
衝液で溶出し、これを複合体画分とした。
このクロマトグラフィーの条件下では、ポリマーはSeph
adex G100のカラムを素通りし、Con AはDEAE−Sepharos
eのカラムを素通りした。
調製されたアフィノフォアの性質を表1に示す。表中、
xA280Uとは、280nmにおける吸光度がxである溶液1ml
中に存在するチオール−Con A、Sephadex吸着画分また
はDEAE吸着画分の量を示している。たとえば、Exp.1で
は、最初のチオール−Con Aの量は4.5であるが、精製さ
れた時点でDEAE吸着画分溶出時1.5であり、(1.5/4.5)
×100=33.3%複合体になっていることを示している。
実施例5:ポリグルタミン酸に、リガンドとしてm−アミ
ノベンツアミジンを結合してなる、トリプシン用陰イオ
ン性アフィノフォアの調製 ポリ−L−グルタミン酸(平均分子量1万)200mgと、
m−アミノベンツアミジン二塩酸塩−水和物(m−ABA,
2HCl,H2O)70mgを水5mlに溶解し、1M NaOHを用いてpH
を4.75に調整した。1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩120mgを加え、約
1時間1MHClあるいは1M NaOHを用いてpHを4.5〜5.0に保
った。次にアミノメタンスルホン酸200mgを加え、pHを
4.75に調整した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド塩酸塩380mgを加え、約1
時間1M NaOHあるいは1MHClを用いてpHを4.5〜5.0に保っ
た。次に1M NaOHでpH7にした後、水に対して透析した。
透析液を凍結乾燥し、目的とするアフィノフォアの固体
210mgを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図はアンヒドロキモトリプシン標品のアフィノフォ
レシスの結果を示す図面である。 第2図は、Con Aのアフィノフォレシスの結果を示す図
面である。 第3図は抗PAPP抗体のアフィノフォレシスの操作方法お
よび結果を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 57/02 C07K 1/24 8318−4H 17/08 G01N 27/447 33/561

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖に正または負の電荷を持つ水溶性ポリ
    アミノ酸の側鎖の遊離塩基性基または遊離カルボキシル
    基に、結合基を介しもしくは介することなくアフィニテ
    ィリガンドを結合させてなるアフィノフォア。
  2. 【請求項2】側鎖に塩基性基を持つアミノ酸が、リジ
    ン、ヒドロキシリジン、アルギニンおよびヒスチジンか
    ら成る群から選ばれる特許請求の範囲第(1)項記載の
    アフィノフォア。
  3. 【請求項3】モノアミノジカルボン酸が、グルタミン酸
    またはアスパラギン酸である特許請求の範囲第(1)項
    記載のアフィノフォア。
  4. 【請求項4】結合基が、CH2 n(nは2〜5の整数)
    である特許請求の範囲第(1)項記載のアフィノフォ
    ア。
  5. 【請求項5】アフィニティリガンドが、アミノ酸、ペプ
    チド、糖誘導体および蛋白質から成る群から選ばれる特
    許請求の範囲第(1)項記載のアフィノフォア。
  6. 【請求項6】残存する遊離アミノ基または遊離カルボキ
    シル基に、結合基を介しもしくは介することなく、スル
    ホン酸基、リン酸基、ボロン酸基および3級アミノ基か
    ら成る群から選ばれるイオン基を結合させてなる特許請
    求の範囲第(1)項記載のアフィノフォア。
  7. 【請求項7】結合基が、CH2 n(nは2〜5の整数)
    である特許請求の範囲第(6)項記載のアフィノフォ
    ア。
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