JPH07246843A - 電気自動車のバッテリ保持構造 - Google Patents

電気自動車のバッテリ保持構造

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JPH07246843A
JPH07246843A JP4015994A JP4015994A JPH07246843A JP H07246843 A JPH07246843 A JP H07246843A JP 4015994 A JP4015994 A JP 4015994A JP 4015994 A JP4015994 A JP 4015994A JP H07246843 A JPH07246843 A JP H07246843A
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JP
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battery
vehicle
holding structure
electric vehicle
carrier
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JP4015994A
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Toyohiko Eto
豊彦 江藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気自動車のバッテリ保持構造において、車
両重量の増大を抑制しつつ、バッテリキャリアの衝突エ
ネルギーを好適に吸収する。 【構成】 バッテリキャリア12には車体前後方向に沿
って延びる縦壁部12Cと、車幅方向に延びる横壁部1
5A、15B、15C、・・・が形成されている。縦壁
部12Cと各横壁部15A、15B、15C、・・・と
で区画された凹部17内には、それぞれバッテリ30が
1個づつ載置されている。各バッテリ30と各横壁部1
5A、15B、15C、・・・との距離L1、L2、L
3、・・・は、除々に長くなっており、各バッテリ30
に車両前方へ向けて所定値以上の荷重が作用した場合
に、各バッテリ30は矢印A方向へ移動を開始するよう
になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッテリを格納するバ
ッテリキャリアが車体に装着される電気自動車のバッテ
リ保持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】排出ガスや騒音のない無公害車としての
電気自動車は、動力源としてACモータあるいはDCモ
ータとバッテリを用いるのが大勢であり、通常このバッ
テリは、バッテリキャリアに格納され、このバッテリキ
ャリアは車体の床下に支持されており、その一例が特開
平5−193366号公報に示されている。
【0003】図9に示される如く、この電気自動車のバ
ッテリ保持構造では、2本のサイドフレーム70、72
の間にバッテリキャリア74が配設されており、このバ
ッテリキャリア74の前方には、クロスメンバ76が配
設されている。
【0004】また、図10に示される如く、バッテリキ
ャリア74は、ボックス本体78、ロアインナ80、ア
ッパインナ82及び蓋体84で構成されている。ロアイ
ンナ80内は縦横の仕切り部位80Aによって区画され
ており、図示を省略した各バッテリは、仕切り部位80
Aを介して互いに離間した状態で移動不能に配置される
ようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この電
気自動車のバッテリ保持構造では、車両が衝突した時
(所定値以上の減速荷重が発生した時)、各バッテリの
質量とバッテリキャリア74の質量とを合わせた衝突エ
ネルギーが、一度にサイドフレーム70、72、クロス
メンバ76に作用するた。このため、バッテリキャリア
74のエネルギーを確実に吸収するには、サイドフレー
ム70、72、クロスメンバ76及びクロスメンバ76
の前方に車両前後方向に沿って配設されたフロントサイ
ドメンバ86(図9参照)の強度を上げる必要が生じ、
このことが車両重量を大幅に増大させる要因となってい
た。
【0006】本発明は係る事実を考慮し、車両重量の増
大を抑制しつつ、バッテリキャリアの衝突エネルギーを
好適に吸収することができる電気自動車のバッテリ保持
構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
係る電気自動車のバッテリ保持構造は、車両前後方向に
複数個のバッテリを並べた状態で保持するバッテリキャ
リアを搭載した電気自動車のバッテリ保持構造におい
て、車両の急減速時の各バッテリの空走時間が異なるこ
とを特徴としている。
【0008】請求項2記載の本発明は、車両前後方向に
並べられる複数個のバッテリの前方に立設された複数の
壁部を有するバッテリキャリアを搭載した電気自動車の
バッテリ保持構造において、各バッテリとこのバッテリ
の前面と対向する壁部との間隔が異なることを特徴とし
ている。
【0009】請求項3記載の本発明は、車両前後方向に
並べられる複数個のバッテリの前方に立設された複数の
壁部を有するバッテリキャリアを搭載した電気自動車の
バッテリ保持構造において、各バッテリとこのバッテリ
と対向する壁部との間に弾性率の異なる緩衝材を介在し
たことを特徴としている。
【0010】請求項4記載の本発明は、車両前後方向に
並べられる複数個のバッテリの前方に立設された複数の
壁部を有するバッテリキャリアを搭載した電気自動車の
バッテリ保持構造において、各バッテリ摺動面の摩擦係
数が異なることを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1記載の本発明に係る電気自動車のバッ
テリ保持構造では、車両の急減速時に、各バッテリの空
走時間が異なるため、各バッテリが異なるタイミングで
バッテリキャリアの前壁または前方のバッテリに当接
し、各バッテリの衝突エネルギーが異なるタイミングで
車体に作用する。即ち、各バッテリの衝突エネルギーは
分散されて車体に作用するため、バッテリキャリアの衝
突エネルギのピーク値が小さくなる。
【0012】従って、車体のフロントサイドメンバ等の
エネルギー吸収部材の強度をこの小さなピーク値に合わ
せて設定できるため、車両重量の増大を抑制しつつ、バ
ッテリキャリアの衝突エネルギーを好適に吸収すること
ができる。
【0013】請求項2記載の本発明に係る電気自動車の
バッテリ保持構造では、車両の急減速時に、各バッテリ
とこのバッテリの前面と対向する壁部との間隔が異なる
ため、各バッテリが異なるタイミングで壁部に当接し、
各バッテリの衝突エネルギーが異なるタイミングで車体
に作用する。即ち、各バッテリの衝突エネルギーは分散
されて車体に作用するため、バッテリキャリアの衝突エ
ネルギのピーク値が小さくなる。
【0014】従って、車体のフロントサイドメンバ等の
エネルギー吸収部材の強度をこのピーク値に合わせて設
定できるため、車両重量の増大を抑制しつつ、バッテリ
キャリアのエネルギーを好適に吸収することができる。
また、バッテリキャリアを製造する段階で、各バッテリ
と壁部との距離が設定できるため、簡便且つ確実に各バ
ッテリの衝突エネルギーを分散することができる。
【0015】請求項3記載の本発明に係る電気自動車の
バッテリ保持構造では、車両の急減速時に、各バッテリ
とこのバッテリと対向する壁部との間に弾性率の異なる
緩衝材を介在しているため、各バッテリの衝突エネルギ
ーが異なる増加率で壁部に作用する。即ち、各バッテリ
の衝突エネルギーは分散されて車体に作用するため、バ
ッテリキャリアの衝突エネルギのピーク値が小さくな
る。
【0016】従って、車体のフロントサイドメンバ等の
エネルギー吸収部材の強度をこのピーク値に合わせて設
定できるため、車両重量の増大を抑制しつつ、バッテリ
キャリアのエネルギーを好適に吸収することができる。
また、緩衝材を介在させることでバッテリと壁部との距
離を短くでき、スペース的に有利となるとともに、緩衝
材が通常状態でバッテリ保護用のクッション材としても
作用する。
【0017】請求項4記載の本発明に係る電気自動車の
バッテリ保持構造では、車両の急減速時に、各バッテリ
摺動面の摩擦係数が異なるため、各バッテリが異なるタ
イミングで壁部に当接し、各バッテリの衝突エネルギー
が異なるタイミングで車体に作用する。即ち、各バッテ
リの衝突エネルギーは分散されて車体に作用するため、
バッテリキャリアの衝突エネルギのピーク値が小さくな
る。
【0018】従って、車体のフロントサイドメンバ等の
エネルギー吸収部材の強度をこのピーク値に合わせて設
定できるため、車両重量の増大を抑制しつつ、バッテリ
キャリアのエネルギーを好適に吸収することができる。
また、バッテリキャリアを製造する段階で、各バッテリ
と壁部との距離が設定できるため、簡便且つ確実に各バ
ッテリの衝突エネルギーを分散することができる。ま
た、各バッテリ摺動面の摩擦係数を変えることでバッテ
リと壁部との距離を短くでき、スペース的に有利とな
る。
【0019】
【実施例】本発明の電気自動車のバッテリ保持構造の第
1実施例を図1〜図3に従って説明する。
【0020】なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢
印INは車幅内側方向を、矢印UPは車体上方方向を示
す。
【0021】図4に示される如く、本実施例に係る電気
自動車の車体10のフロアパン11の下には、バッテリ
キャリア12が設けられている。
【0022】図2に示される如く、バッテリキャリア1
2は、車体前後方向に長い矩形の皿状とされており、外
周部には水平フランジ12Aが形成されている。また、
バッテリキャリア12の側部に形成された水平フランジ
12Aには、車体前後方向を長手方向とする長孔の取付
け孔14が、車体前後方向に所定の間隔で穿設されてい
る。なお、取付け孔14は単なる丸孔とし、バッテリキ
ャリア12が車体にリジッドに取付けられる構造として
も良い。
【0023】図3に示される如く、フロアパン11の車
幅方向外側には、ロッカ16が車体前後方向に沿って配
置されている。ロッカ16はロッカ16の車幅方向外側
部を構成するロッカアウタ18とロッカ16の車幅方向
内側部を構成するロッカインナ20とで構成されてお
り、車体前後方向へ延びる閉断面構造とされている。
【0024】ロッカインナ20の縦壁部20Aの上端縁
部には、フロアパン11の車幅方向外側縁部に上方向へ
向けて形成されたフランジ11Aが溶着されている。ま
た、フロアパン11の下面11Bには、2本のフロアア
ンダメンバ13が車体前後方向に沿って平行に配置され
ている。これらのフロアアンダメンバ13は、車体前後
方向から見た断面形状が、開口部を上方向を向けたコ字
状とされている。フロアアンダメンバ13の車幅方向外
側壁部13Aの上端部は、車幅方向外側へ向けて屈曲さ
れフランジ13Bとされており、フランジ13Bはフロ
アパン11の下面11Bに溶着されている。また、フロ
アアンダメンバ13の車幅方向内側壁部13Cの上端部
は、車幅方向内側へ向けて屈曲されフランジ13Dとさ
れており、フランジ13Dもフロアパン11の下面11
Bに溶着されている。従って、フロアアンダメンバ13
は、フロアパン11とで車体前後方向に延びる断面矩形
状の閉断面構造を形成している。
【0025】図2に示される如く、バッテリキャリア1
2の底部12Bには、車体前後方向に沿って延びる縦壁
部12Cが車幅方向に略等間隔で3本形成されている。
また、これらの縦壁部12Cと交差し車幅方向に沿って
延びる壁部としての横壁部15A、15B、15C、・
・・が車両前方側から順に所定の間隔で形成されてい
る。なお、最前部の横壁部15Aは、バッテリキャリア
12の前側内壁部である。また、縦壁部12Cと各横壁
部15A、15B、15C、・・・とで区画された凹部
17内には、それぞれバッテリ30が1個づつ載置され
ている。
【0026】図1に示される如く、各バッテリ30はブ
ロック状とされており、各横壁部15A、15B、15
C、・・・との距離L1、L2、L3、・・・は、等し
い増加量ΔLで除々に長くなっており、各バッテリ30
は後方の各横壁部15B、15C、・・・に当接してい
る。
【0027】図3に示される如く、車幅方向最外列のバ
ッテリ30とその内側列の対向するバッテリ30とに
は、バッテリキャリア12の縦壁部12Cを跨いでクラ
ンプ32が架設されている。クランプ32は帯状の板材
を屈曲して形成しており、長手方向両端部が係合部32
Aとされ、長手方向中間部にはテーパ状の凹部32Bが
形成されている。この凹部32Bはフロアアンダメンバ
13の下面13Eに溶着されている。
【0028】従って、バッテリキャリア12を車体に取
付けた状態では、各バッテリ30は、クランプ32によ
って凹部17内の後端部に保持されており、各バッテリ
30に車両前方へ向けて所定値以上の荷重が作用した場
合に、各バッテリ30は、クランプ32から外れ車両前
方(図1の矢印A方向)へ移動を開始するようになって
いる。
【0029】図3に示される如く、ロッカインナ20の
下壁部20Bには、バッテリキャリア12の水平フラン
ジ12Aの取付け孔14と対向する部位に円孔22が穿
設されている。また、ロッカインナ20の下壁部20B
の上面には、円孔22と同軸的にウエルドナット24が
溶着されている。このウエルドナット24には、バッテ
リキャリア12の水平フランジ12Aの取付け孔14に
車体下方から挿入されたバッテリキャリア組付けボルト
26が螺合している。
【0030】また、バッテリキャリア組付けボルト26
をウエルドナット24にねじ込むことによって、クラン
プ32がバッテリ30を押圧するようになっている。
【0031】次に、本第1実施例の作用を説明する。本
第1実施例の電気自動車のバッテリ保持構造では、車両
の衝突と略同時に、まず、バッテリキャリア12が取付
け孔14に沿って所定距離移動する。その後、バッテリ
キャリア12が取付け孔14の端部に制限され停止する
際、バッテリ30に所定値以上の荷重が車両前方向へ向
けて作用すると、各バッテリ30は、クランプ32から
外れ車両前方(図1の矢印A方向)へ移動を開始する。
【0032】なお、取付け孔14が単なる丸孔の場合に
は、車両の衝突と略同時にバッテリ30に所定値以上の
荷重が車両前方向へ向けて作用すると、各バッテリ30
は、クランプ32から外れ車両前方(図1の矢印A方
向)へ移動を開始する。
【0033】この時、各バッテリ30とこのバッテリ3
0の前面と対向する各横壁部15A、15B、15C、
・・・との間隔が異なるため、異なる時間空走した後、
各バッテリ30が異なるタイミングで各横壁部15A、
15B、15C、・・・に当接し、各バッテリ30の衝
突エネルギーが異なるタイミングで車体に作用する。即
ち、各バッテリ30の衝突エネルギーは分散されて車体
に作用するため、バッテリキャリア12の衝突エネルギ
のピーク値が小さくなる。
【0034】従って、車体のフロントサイドメンバ等の
エネルギー吸収部材の強度をこの小さなピーク値に合わ
せて設定できるため、車両重量の増大を抑制しつつ、バ
ッテリキャリア12のエネルギーを好適に吸収すること
ができるとともに、バッテリキャリア12の車体への取
付け部(取付け孔14、ボルト26等)の車両前後方向
の強度を低下できる。
【0035】また、バッテリキャリア12を製造する段
階で、各バッテリ30と各横壁部15A、15B、15
C、・・・との距離が設定できるため、簡便且つ確実に
各バッテリの衝突エネルギーを分散することができる。
【0036】また、本第1実施例では、各バッテリ30
と各横壁部15A、15B、15C、・・・との距離L
1、L2、L3、・・・が、等しい増加量ΔLで除々に
長くなっているため、各バッテリ30の衝突エネルギー
が略等しい間隔で車体に作用する。
【0037】なお、本第1実施例では、各バッテリ30
と各横壁部15A、15B、15C、・・・との距離L
1、L2、L3、・・・を、等しい増加量ΔLで除々に
長くしたが、各距離L1、L2、L3、・・・の差は、
これに限定されない。また、クランプ32に代わりに各
バッテリ30と各横壁部15A、15B、15C、・・
・との間に同じ弾性率のスポンジ等の緩衝材を配設して
おいても良い。
【0038】次に、本発明の電気自動車のバッテリ保持
構造の第2実施例を図5及び図6に従って説明する。
【0039】なお、第1実施例と同一部材については、
同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】図5に示される如く、本第2実施例では、
バッテリキャリア12内に横壁部が形成されておらず、
各バッテリ30は等間隔(距離L)で配置されている。
【0041】従って、本第2実施例では、車両の急減速
時に、バッテリキャリア12が取付け孔14に沿って前
方へ移動し停止した後に、各バッテリ30に所定値以上
の荷重が車両前方へ向けて作用すると、各バッテリ30
は、クランプ32から外れ車両前方(図5の矢印A方
向)へ移動を開始する。
【0042】移動開始から所定時間後、図6(A)に示
される如く、先頭のバッテリ30が、バッテリキャリア
12の前側内壁部15Aに当接し、先頭のバッテリ30
の衝突エネルギーが車体に作用する。
【0043】先頭のバッテリ30が、バッテリキャリア
12の前側内壁部15Aに当接してから所定時間後、図
6(B)に示される如く、2番目のバッテリ30が、先
頭のバッテリ30に当接し、2番目のバッテリ30の衝
突エネルギーが車体に作用する。
【0044】2番目のバッテリ30が、先頭のバッテリ
30に当接してから所定時間後、図6(C)に示される
如く、3番目のバッテリ30が、2番目のバッテリ30
に当接し、3番目のバッテリ30の衝突エネルギーが車
体に作用する。
【0045】このように、本第2実施例では、各バッテ
リ30が異なるタイミングで前側内壁部15A又は前方
のバッテリ30に当接し、各バッテリ30の衝突エネル
ギーが異なるタイミングで車体に作用する。即ち、各バ
ッテリ30の衝突エネルギーは分散されて車体に作用す
るため、バッテリキャリア12の衝突エネルギのピーク
値が小さくなる。
【0046】従って、車体のフロントサイドメンバ等の
エネルギー吸収部材の強度をこのピーク値に合わせて設
定できるため、車両重量の増大を抑制しつつ、バッテリ
キャリア12のエネルギーを好適に吸収することができ
る。また、バッテリキャリア12にバッテリ30を固定
する段階で、各バッテリ30と前側内壁部15A又は前
方のバッテリ30との距離が設定できるため、簡便且つ
確実に各バッテリの衝突エネルギーを分散することがで
きる。
【0047】また、本第2実施例では、各バッテリ30
と前側内壁部15A又は前方のバッテリ30とが等間隔
のため、各バッテリ30の衝突エネルギーが略等しい間
隔で車体に作用する。
【0048】なお、本第2実施例では、各バッテリ30
と前側内壁部15A又は前方のバッテリ30とを等間隔
にしたが、各バッテリ30と前側内壁部15A又は前方
のバッテリ30との距離Lは異なる長さでも良い。
【0049】次に、本発明の電気自動車のバッテリ保持
構造の第3実施例を図7に従って説明する。
【0050】なお、第1実施例と同一部材については、
同一符号を付してその説明を省略する。
【0051】図7に示される如く、本第3実施例では、
各バッテリ30と各横壁部15A、15B、15C、・
・・との距離L1が等しく、各バッテリ30と各横壁部
15A、15B、15C、・・・との間に弾性率の異な
る緩衝材としてのスポンジ40A、40B、40C、・
・・が介在しており、各スポンジ40A、40B、40
C、・・・の弾性率eA 、eB 、eC ・・・は、前方の
ものから後方へ徐々に大きくなっている(eA <eB
C <・・・)。
【0052】従って、本第3実施例では、車両の急減速
時に、バッテリキャリア12が取付け孔14に沿って前
方へ移動し停止した後に、各バッテリ30に所定値以上
の荷重が車両前方へ向けて作用すると、各バッテリ30
は、クランプ32から外れ車両前方(図7の矢印A方
向)へ移動を開始する。
【0053】この時、各バッテリ30と各横壁部15
A、15B、15C、・・・との間に弾性率の異なる緩
衝材としてのスポンジ40A、40B、40C、・・・
が介在しているため、各バッテリ30の衝突エネルギー
が異なる増加率で各横壁部15A、15B、15C、・
・・に作用する。即ち、弾性率の小さいスポンジが介在
された前方のバッテリ30の衝突エネルギーの増加率
が、弾性率の大きいスポンジが介在された後方のバッテ
リ30の衝突エネルギーの増加率に比べて低くなるた
め、各バッテリ30の衝突エネルギーは分散されて車体
に作用し、バッテリキャリア12の衝突エネルギのピー
ク値が小さくなる。
【0054】従って、車体のフロントサイドメンバ等の
エネルギー吸収部材の強度をこのピーク値に合わせて設
定できるため、車両重量の増大を抑制しつつ、バッテリ
キャリア12のエネルギーを好適に吸収することができ
る。また、緩衝材としてのスポンジ40A、40B、4
0C、・・・を介在させることでバッテリ30と各横壁
部15A、15B、15C、・・・との距離を短くで
き、スペース的に有利となるとともに、緩衝材としての
スポンジ40A、40B、40C、・・・が通常状態で
バッテリ保護用のクッション材としても作用する。
【0055】なお、本第3実施例では、各スポンジ40
A、40B、40C、・・・の弾性率eA 、eB 、eC
・・・を、前方のものから後方へ徐々に大きくしたが、
弾性率eA 、eB 、eC ・・・の関係は、これに限定さ
れない。また、緩衝材としてスポンジを使用したが、緩
衝材としては他の弾性体、即ち、板バネ、コイルバネ、
つるまきバネ、棒バネ、竹の子バネ等のバネ、合成ゴ
ム、天然ゴム、弾性プラスチック等の高分子弾性体やエ
アクッション、油圧クッション等の流体利用弾性体でも
良い。
【0056】次に、本発明の電気自動車のバッテリ保持
構造の第4実施例を図8に従って説明する。
【0057】なお、第1実施例と同一部材については、
同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】図3に示される如く、本第4実施例では、
各バッテリ30と各横壁部15A、15B、15C、・
・・との距離L1が等しく、各バッテリ30が載置され
た凹部17の底部17Aに、摩擦係数μが異なるシート
材42A、42B、42C、・・・が配設されてり、各
シート材42A、42B、42C、・・・の摩擦係数μ
A 、μB 、μC ・・・は、前方のものから後方へ徐々に
大きくなっている(μ A <μB <μC <・・・)。
【0059】従って、本第4実施例では、車両の急減速
時に、バッテリキャリア12が取付け孔14に沿って前
方へ移動し停止した後に、各バッテリ30に所定値以上
の荷重が車両前方へ向けて作用すると、各バッテリ30
は、クランプ32から外れ車両前方(図8の矢印A方
向)へ移動を開始する。
【0060】この時、各バッテリ30の摺動面に設けら
れた各シート材42A、42B、42C、・・・の摩擦
係数μA 、μB 、μC ・・・(μA <μB <μC <・・
・)が異なるため、各バッテリ30は、前方のものから
順に各横壁部15A、15B、15C、・・・に当接
し、各バッテリ30の衝突エネルギーが異なるタイミン
グで車体に作用する。即ち、各バッテリの衝突エネルギ
ーは分散されて車体に作用するため、バッテリキャリア
12の衝突エネルギのピーク値が小さくなる。
【0061】従って、車体のフロントサイドメンバ等の
エネルギー吸収部材の強度をこのピーク値に合わせて設
定できるため、車両重量の増大を抑制しつつ、バッテリ
キャリア12のエネルギーを好適に吸収することができ
る。また、各バッテリ30の摺動面の摩擦係数を変える
ことで各バッテリ30と各横壁部15A、15B、15
C、・・・と壁部との距離を短くでき、スペース的に有
利となる。
【0062】なお、本第4実施例では、凹部17の底部
17Aに、摩擦係数μが異なるシート材42A、42
B、42C、・・・を配設してバッテリ摺動面の摩擦係
数μを変えたが、これに代えて、凹部17の底部17A
の表面仕上げを変えることによってバッテリ摺動面の摩
擦係数μを変えても良い。また、凹部17の底部17A
に変えて、バッテリ30の底面側の摩擦係数μを変えて
も良く、双方の摩擦係数μを変えても良い。
【0063】さらに、本第4実施例では、各シート材4
2A、42B、42C、・・・の摩擦係数μA 、μB
μC ・・・を、前方のものから後方へ徐々に大きくした
が、摩擦係数μA 、μB 、μC ・・・の関係は、これに
限定されない。
【0064】また、上記各実施では、車両全体としての
エネルギー吸収の効率化を図るため、各バッテリが衝突
するタイミングを、車両毎の特性に応じ所望の状態に設
定することも可能である。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載の本発明に係る電気自動車
のバッテリ保持構造は、車両前後方向に複数個のバッテ
リを並べた状態で保持するバッテリキャリアを搭載した
電気自動車のバッテリ保持構造において、車両の急減速
時の各バッテリの空走時間が異なる構成としたので、車
両重量の増大を抑制しつつ、バッテリキャリアの衝突エ
ネルギーを好適に吸収することができるという優れた効
果を有する。
【0066】請求項2記載の本発明は、車両前後方向に
並べられる複数個のバッテリの前方に立設された複数の
壁部を有するバッテリキャリアを搭載した電気自動車の
バッテリ保持構造において、各バッテリとこのバッテリ
の前面と対向する壁部との間隔が異なる構成としたの
で、車両重量の増大を抑制しつつ、バッテリキャリアの
衝突エネルギーを好適に吸収することができるととも
に、バッテリキャリアを製造する段階で、各バッテリと
壁部との距離が設定できるため、簡便且つ確実に各バッ
テリの衝突エネルギーを分散することができるという優
れた効果を有する。
【0067】請求項3記載の本発明は、車両前後方向に
並べられる複数個のバッテリの前方に立設された複数の
壁部を有するバッテリキャリアを搭載した電気自動車の
バッテリ保持構造において、各バッテリとこのバッテリ
と対向する壁部との間に弾性率の異なる緩衝材を介在し
た構成としたので、車両重量の増大を抑制しつつ、バッ
テリキャリアの衝突エネルギーを好適に吸収することが
できるという優れた効果を有する。また、緩衝材を介在
させることでバッテリと壁部との距離を短くでき、スペ
ース的に有利となるとともに、緩衝材が通常状態でバッ
テリ保護用のクッション材としても作用するという優れ
た効果を有する。
【0068】請求項4記載の本発明は、車両前後方向に
並べられる複数個のバッテリの前方に立設された複数の
壁部を有するバッテリキャリアを搭載した電気自動車の
バッテリ保持構造において、各バッテリ摺動面の摩擦係
数が異なる構成としたので、車両重量の増大を抑制しつ
つ、バッテリキャリアの衝突エネルギーを好適に吸収す
ることができるという優れた効果を有する。また、各バ
ッテリ摺動面の摩擦係数を変えることでバッテリと壁部
との距離を短くでき、スペース的に有利となるという優
れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る電気自動車のバッテ
リ保持構造を示す概略側断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る電気自動車のバッテ
リ保持構造を示す車体前方斜め上側から見た分解斜視図
である。
【図3】本発明の第1実施例に係る電気自動車のバッテ
リ保持構造の車幅方向片側半分を示す車体前方から見た
断面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る電気自動車のバッテ
リ保持構造が適用された車体を示す車体後方斜め下側か
ら見た斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る電気自動車のバッテ
リ保持構造を示す概略側断面図である。
【図6】(A)〜(C)は本発明の第2実施例に係る電
気自動車のバッテリ保持構造の作用説明図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る電気自動車のバッテ
リ保持構造を示す概略側断面図である。
【図8】本発明の第4実施例に係る電気自動車のバッテ
リ保持構造を示す概略側断面図である。
【図9】従来例に係る電気自動車のバッテリ保持構造を
示す底面図である。
【図10】従来例に係る電気自動車のバッテリ保持構造
のバッテリキャリアを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
12 バッテリキャリア 15A 横壁部(壁部) 15B 横壁部(壁部) 15C 横壁部(壁部) 30 バッテリ 40A スポンジ(緩衝材) 40B スポンジ(緩衝材) 40C スポンジ(緩衝材) 42A シート材 42B シート材 42C シート材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前後方向に複数個のバッテリを並べ
    た状態で保持するバッテリキャリアを搭載した電気自動
    車のバッテリ保持構造において、車両の急減速時の各バ
    ッテリの空走時間が異なることを特徴とする電気自動車
    のバッテリ保持構造。
  2. 【請求項2】 車両前後方向に並べられる複数個のバッ
    テリの前方に立設された複数の壁部を有するバッテリキ
    ャリアを搭載した電気自動車のバッテリ保持構造におい
    て、各バッテリとこのバッテリの前面と対向する壁部と
    の間隔が異なることを特徴とする電気自動車のバッテリ
    保持構造。
  3. 【請求項3】 車両前後方向に並べられる複数個のバッ
    テリの前方に立設された複数の壁部を有するバッテリキ
    ャリアを搭載した電気自動車のバッテリ保持構造におい
    て、各バッテリとこのバッテリと対向する壁部との間に
    弾性率の異なる緩衝材を介在したことを特徴とする電気
    自動車のバッテリ保持構造。
  4. 【請求項4】 車両前後方向に並べられる複数個のバッ
    テリの前方に立設された複数の壁部を有するバッテリキ
    ャリアを搭載した電気自動車のバッテリ保持構造におい
    て、各バッテリ摺動面の摩擦係数が異なることを特徴と
    する電気自動車のバッテリ保持構造。
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