JPH07246555A - 金属製円筒物の表面加工方法及び装置 - Google Patents

金属製円筒物の表面加工方法及び装置

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JPH07246555A
JPH07246555A JP6041050A JP4105094A JPH07246555A JP H07246555 A JPH07246555 A JP H07246555A JP 6041050 A JP6041050 A JP 6041050A JP 4105094 A JP4105094 A JP 4105094A JP H07246555 A JPH07246555 A JP H07246555A
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JP
Japan
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metal cylinder
polishing tape
roller
polishing
central axis
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Application number
JP6041050A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Hara
宣宏 原
Yoshiki Wada
吉樹 和田
Masakazu Hirano
正和 平野
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 途中でドレス等を行うことなく、アルミニウ
ム等からなる金属製円筒物についてより多くの加工面を
高精度で連続加工できるようにする。 【構成】 金属製円筒物10を円筒物支持装置20によ
り回転状態で支持する。繰り出しローラ36Aから巻取
りローラ34により研磨テープ37Aを巻取ってこの研
磨テープ37Aに張力を与え、この研磨テープ37Aを
加圧ローラ35Aによって上記金属製円筒物10の外周
面に押し当てる。さらに、加工中、上記巻取りローラ3
4の巻取りにより研磨テープ37Aを長手方向に移動さ
せる。この長手方向は上記金属製円筒物10の中心軸方
向に対して略直交させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム等からな
り、複写機やレーザプリンタにおける感光体ドラム、マ
グネットローラ、ヒートローラ等に用いられる金属製円
筒物の表面加工方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、上記感光体ドラム等に用いられ
る金属製円筒物の外周面には、高い表面精度が要求され
る。従って、このような金属製円筒物の製造方法として
は、まず押出し加工によって素管を成形し、その後この
素管の外周面を旋盤等により表面粗さRmaxが1μm以下
となるまで切削加工するのが一般的とされていた。
【0003】しかしながら、上記切削加工を行うには非
常に長い時間を要し、その分コスト高となる不都合が生
じる。このため従来は、上記金属製円筒物の表面を迅速
に加工方法として、次のようなものが考えられている。
【0004】A)上記金属製円筒物の外周面上にバニシ
ングロールを押し当てながら転動させ、これにより円筒
物外周面上の凹凸を押しならして表面精度を高める(ロ
ーラバニシング法)。
【0005】B)複数のブロック状研削砥石を目の粗い
ものから順に並べ、金属製円筒物を回転させながら研削
砥石の並び方向に移送することにより、この金属製円筒
物の表面に対して目の粗い研削砥石から順に接触させ、
次第に表面精度を高めるようにする(特開平5−237
755号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
A)の方法では、かなり大きな圧力でバニシングロール
を金属製円筒物に押し当てなければならないため、金属
製円筒物の剛性が非常に低い場合(例えばアルミニウム
製薄肉円筒管等)では、上記圧力によって金属製円筒物
自体が変形し、却って形状精度が悪化するおそれがあ
る。
【0007】B)の方法では、金属製円筒物を次々に移
送していくことにより連続加工が可能であるが、加工の
進行に伴い、研削砥石の加工面に金属粉が溶着して研削
力が低下するので、上記研削砥石を頻繁にドレスして研
削力を回復させる必要があり、これが生産効率向上の大
きな妨げとなっている。特に、金属製円筒物がアルミニ
ウムや銅といったいわゆる軟質金属からなる場合には、
上記金属粉等の発生が著しく、ドレスの頻度はさらに高
まることになる。また、上記ドレスのタイミングが遅れ
ると、研削砥石から砥粒が脱落して金属製円筒物表面に
埋め込まれたり、むしれを生じさせたりして、表面性状
を却って悪化させるおそれもある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、途中で
砥石のドレス等を行うことなく、より多くの加工面を効
率良く連続加工することができる金属製円筒物の表面加
工方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、金属製円筒物をその中心軸回
りに回転させながら、表面に研磨粒子が付着した研磨テ
ープにその長手方向に張力を与えかつこの長手方向を上
記金属製円筒物の中心軸と略直交させた状態で、この研
磨テープを上記金属製円筒物の中心軸と略平行な軸回り
に回転可能な加圧ローラにより上記金属製円筒物の外周
面に押し当ててこの外周面を研磨し、かつ、研磨の進行
に伴い上記加工ローラを回転させながら上記研磨テープ
をその長手方向に移動させてこの研磨テープにおける上
記金属製円筒物との接触個所を変化させるものである
(請求項1)。
【0010】この方法は、上記金属製円筒物がアルミニ
ウムもしくはアルミニウム合金からなる場合にとくに有
効である(請求項2)。
【0011】また、上記方法において、互いに目の細か
さの異なる複数の研磨テープをこの研磨テープの目の細
かさの順に金属製円筒物の中心軸方向に並べ、最も目の
粗い研磨テープから順に金属製円筒物の外周面に接触さ
せるようにこの金属製円筒物をその中心軸回りに回転さ
せながらこの中心軸方向に移送することにより、後述の
ようなより優れた効果が得られる(請求項3)。
【0012】また、上記方法では、上記研磨テープと金
属製円筒物との接触中に研磨テープ及び加圧ローラを金
属製円筒物の中心軸方向に振動させることが、より好ま
しい(請求項4)。
【0013】また本発明は、金属製円筒物をその中心軸
回りに回転させながら支持する円筒物支持手段と、表面
に研磨粒子が付着した研磨テープと、この研磨テープを
繰り出す繰り出しローラと、上記研磨テープをその長手
方向に引張りながら巻取る巻取りローラと、この巻取り
ローラをテープ巻取り方向に駆動する巻取り駆動手段
と、上記金属製円筒物の中心軸と略平行な軸回りに回転
可能に構成され、上記研磨テープにおいて上記繰り出し
ローラと巻取りローラとの間の部分を上記金属製円筒物
の外周面に押し当てるための加圧ローラと、この加圧ロ
ーラを上記金属製円筒物に向かう方向に加圧する加圧手
段とを備え、上記研磨テープの長手方向を上記金属製円
筒物の中心軸と略直交させた装置である(請求項5)。
【0014】この装置では、互いに目の細かさの異なる
複数の研磨テープをこの研磨テープの目の細かさの順に
金属製円筒物の中心軸方向に並べ、最も目の粗い研磨テ
ープから順に金属製円筒物の外周面に接触させるように
この金属製円筒物をその中心軸回りに回転させながらこ
の中心軸方向に移送するように上記円筒物支持手段を構
成するとともに、各研磨テープを繰り出す繰り出しロー
ラ同士、各研磨テープを巻取る巻取りローラ同士、各研
磨テープを金属製円筒物の外周面に押し当てる加圧ロー
ラ同士をそれぞれ各ローラの軸方向に連結して同軸回り
に回転するように構成し、かつ、少なくとも各巻取りロ
ーラは共通回転軸を中心に全体が一体回転するように構
成し、これら巻取りローラの共通回転軸に上記巻取り駆
動手段を連結することが、より好ましい(請求項6)。
ここで、「各ローラの軸方向に連結」は、各ローラを中
心軸を介して相互連結するものでもよいし、各ローラを
軸方向に一体化して単一のローラにするものでもよい。
【0015】
【作用】請求項1記載の方法によれば、金属製円筒物が
その中心軸回りに回転する状態で、長手方向に張力を与
えられた研磨テープが加圧ローラにより上記金属製円筒
物の外周面に押し当てられることにより、この外周面が
研磨され、その表面精度が高められる。ここで、上記張
力が与えられるテープ長手方向は、金属製円筒物の中心
軸と略直交する方向に設定されており、この研磨テープ
と金属製円筒物との接触個所では上記張力方向と金属製
円筒物の回転方向とがほぼ一致しているので、上記金属
製円筒物が高速回転していても、これに連れられて研磨
テープがその幅方向に位置ずれするおそれがない。
【0016】しかも、研磨の進行に伴い、上記加工ロー
ラが回転しながら上記研磨テープがその長手方向に移動
することにより、研磨テープにおいて新しい研磨面が金
属製円筒物に接触することとなり、ドレス等を行うこと
なく研磨力の低下が防がれ、より多くの加工面を良好に
連続加工することが可能となる。また、研磨テープでは
所定量以上の目づまりが発生しないため、抵抗は増加せ
ず、よって砥粒の脱落のおそれもない。
【0017】従ってこの方法は、上記金属製円筒物が加
工粉の発生しやすいものである場合、例えばアルミニウ
ムもしくはアルミニウム合金からなる場合(請求項2)
に、特に有効となる。
【0018】さらに、請求項3記載の方法では、金属製
円筒物の移送に伴い、その外周面が最も目の粗い研磨テ
ープから順に接触するため、加工前の表面精度が非常に
低い円筒物であっても、最終的に高い表面精度まで加工
することが可能である。
【0019】上記方法において、金属製円筒物の回転の
みで研磨を行う場合には、その研磨方向は一つであり、
円筒物表面の凸部は均一に除去されることになるが、請
求項4記載の方法では、上記研磨テープと金属製円筒物
との接触中に研磨テープ及び加圧ローラを金属製円筒物
の中心軸方向に振動させているので、相異なる2つの研
磨方向(金属製円筒物の回転周方向と軸方向)を同時に
得ることができ、両研磨方向を交差させることによって
円筒物外周面上の凸部を集中的に除去することができ
る。
【0020】請求項5記載の装置では、繰り出しローラ
から繰り出された研磨テープを巻取りローラが引張るこ
とにより、研磨テープに長手方向の張力が与えられる一
方、金属製円筒物は円筒物支持手段によって回転駆動さ
れながら支持される。そして、加圧手段により加圧され
た加圧ローラが上記研磨テープの中間個所を上記回転中
の金属製円筒物の外周面に押し当てることにより、この
金属製円筒物の表面が研磨加工される。さらに、上記巻
取りローラが繰り出しローラから研磨テープを巻取るこ
とにより、研磨テープがその長手方向に移動し、新しい
研磨面が金属製円筒物の加工面に供給される。
【0021】さらに、請求項6記載の装置では、円筒物
支持手段による金属製円筒物の移送に伴い、その外周面
が最も目の粗い研磨テープから順に接触し、請求項3記
載の方法と同様に金属製円筒物外周面が高い表面精度ま
で加工される。しかも、各研磨テープを繰り出す繰り出
しローラ同士、巻取りローラ同士、加圧ローラ同士がそ
れぞれ各ローラの軸方向に連結されて同軸回りに回転す
るように構成され、少なくとも巻取りローラ同士は共通
回転軸を中心に全体が一体回転するように構成されてい
るので、この共通回転軸が巻取り駆動手段により駆動さ
れると全てのローラが回転駆動されることになる。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0023】これらの図に示す装置は、アルミニウム管
等からなる金属製円筒物10を支持する円筒物支持装置
20と、上記金属製円筒物10を研磨加工する研磨装置
30とで構成されている。
【0024】円筒物支持装置20は、左右一対の回転軸
21,22と、各回転軸21,22に固定された支持ロ
ーラ23,24とを備えている。
【0025】各支持ローラ23,24は、前後両端から
中央部に向かうにつれて径が連続的に減少する鼓状に形
成され、両支持ローラ23,24の間に上記金属製円筒
物10が載置可能とされている。両回転軸21,22は
互いに上下方向に所定角度αだけ傾斜する状態で配され
ており、両回転軸21,22及び支持ローラ23,24
がそれぞれ同じ方向(この実施例では図1の時計回り方
向)に回転駆動されることにより、上記金属製円筒物1
0がその中心軸回りに上記支持ローラ23,24の回転
方向と逆方向(図1の反時計回り方向)に回転しながら
上記中心軸に沿って移送されるようになっている。
【0026】なお、この円筒物支持装置20の具体的な
構造は特に問わず、少なくとも金属製円筒物10を回転
させ、かつ好ましくはその中心軸方向に移送するもので
あれば従来公知のもの等を適宜使用することが可能であ
る。
【0027】研磨装置30は、上記円筒物支持装置20
の上方に設けられている。この研磨装置30は、下向き
に開口しかつ前後壁をもつ側面視コ字状のハウジング3
8を備えている。このハウジング38には、共通回転軸
31、共通回転支持軸32、及び共通回転軸33が支持
され、ハウジング38内には、4つの巻取りローラ34
A,34B,34C,34D、4つの加圧ローラ35
A,35B,35C,36C、及び4つの繰り出しロー
ラ36A,36B,36C,36Dが収納されている。
【0028】各軸31〜33は、上記円筒物支持装置2
0に支持される金属製円筒物10の中心軸と略平行な方
向に延びている。共通回転軸31,33は、ほぼ同じ高
さ位置でかつ左右に離間した位置で、上記ハウジング3
8の前後壁に図略の軸受を介して回転可能に支持されて
おり、共通回転支持軸32は、両共通回転軸31,33
よりも下方の位置でかつこれら共通回転軸31,33の
左右方向中間の位置で上記前後壁に昇降可能に支持され
ている。具体的には、上記前後壁に縦方向の長孔38a
が貫設され、これら長孔38aに共通回転支持軸32の
前後両端部が挿通されている。
【0029】4つの巻取りローラ34A〜34Dは、そ
の順に上記共通回転軸31の軸方向に並べられ、この共
通回転軸31に一体に固定されている。この共通回転軸
31には巻取り駆動モータ(巻取り駆動手段)39が連
結され、この巻取り駆動モータ39により共通回転軸3
1及び巻取りローラ34A〜34Dが一体に巻取り方向
(図1の時計回り方向)に回転駆動されるようになって
いる。
【0030】同様に、4つの繰り出しローラ36A〜3
6Dも、その順に上記共通回転軸33の軸方向に並べら
れ、この共通回転軸33に一体に固定されている。この
共通回転軸33には、図略のブレーキ手段が連結され、
後述の繰り出し方向の回転時(図1時計回り方向の回転
時)、これとは逆方向の制動トルクT(図3)が付与さ
れるようになっている。なお、この回転抵抗は、後述の
テープ張力を発生させるためのものであり、特にブレー
キ手段を設けなくても、例えば共通回転軸33とその軸
受との摩擦力を高めるようにしてもよいし、共通回転軸
33を含めた繰り出しローラ36A〜36D全体の慣性
モーメントを非常に大きく設定するようにしてもよい。
【0031】4つの加圧ローラ35A〜35Dは、上記
共通回転支持軸32の周囲に軸受を介して相対回転可能
に装着されている。共通回転支持軸32の両端は、ハウ
ジング38の側壁側方に設けられた圧縮ばね(加圧手
段)40の弾発力によって下方に加圧された状態となっ
ている。
【0032】上記各繰り出しローラ36A,36B,3
6C,36Dには、それぞれ研磨テープ37A,37
B,37C,37Dが巻回されている。これらの研磨テ
ープ37A〜37Dは、ポリエステルフィルム等からな
るテープの表面に微小な研磨粒子を接着剤等で均一にコ
ーティングしたものであり、この研磨粒子の付着面が径
方向外側を向く状態で各繰り出しローラ36A〜36D
に巻回されている。また、これらの研磨テープ37A〜
37Dには互いに目の細かさの異なるものが用いられて
おり、具体的には研磨テープ37Aから研磨テープ37
Dに向かうにつれて次第に番手が高くなっている(すな
わち目が細かくなっている)。
【0033】各繰り出しローラ36A,36B,36
C,36Dから繰り出された研磨テープ37A,37
B,37C,37Dは、それぞれ加圧ローラ35A,3
5B,35C,35Dに下方から掛けられ、それぞれ巻
取りローラ34A,34B,34C,34Dに巻付けら
れている。
【0034】すなわち、各研磨テープ37A〜37Dの
長手方向は、上記金属製円筒物10の中心軸方向に対し
て略直交している。
【0035】次に、この装置により行われる金属製円筒
物10の表面加工方法を説明する。
【0036】研磨装置30では、共通回転支持軸32が
圧縮ばね40で下方に加圧されることにより、この共通
回転支持軸32に装着されている各加圧ローラ35A〜
35Dが、研磨テープ37A〜37Dを円筒物支持装置
20に支持された円筒物10の外周面に押し当てる。こ
こで、巻取りローラ34A〜34Dは共通回転軸31と
一体に巻取り方向に低速(0.1rpm未満)で回転駆動さ
れ、繰り出しローラ36A〜36D及び共通回転軸33
にはその繰り出し方向と逆方向の制動トルクTが作用し
て回転抵抗が与えられるため、各研磨テープ37A〜3
7Dにはその長手方向の張力が発生することになる。
【0037】一方、円筒物支持装置20では、両支持ロ
ーラ23,24の間に金属製円筒物10が載置された状
態で両支持ローラ23,24を回転駆動することによ
り、金属製円筒物10が回転しながらその中心軸方向に
移送される(図2矢印参照)。この移送により、金属製
円筒物10の外周面は、回転状態のまま、目の粗い研磨
テープ37Aから目の細かい研磨テープ37Dまで順に
接触していくことになり、これにより上記外周面は段階
的に研磨され、最終的に高精度まで表面加工されること
になる。ここで、上記張力が与えられるテープ長手方向
は、金属製円筒物10の中心軸に対して略直交してお
り、この研磨テープ37A〜37Dと金属製円筒物10
との接触個所では上記張力方向と金属製円筒物10の回
転方向とがほぼ一致しているので、上記金属製円筒物1
0が高速回転していても、これに連れられて研磨テープ
37A〜37Dがその幅方向に位置ずれするおそれがな
い。
【0038】しかも、各巻取りモータ34A〜34Dの
巻取りにより、各研磨テープ37A〜37Dは加工中漸
次長手方向に移動し、これにより上記金属製円筒物10
の加工面には常に新しい研磨面が供給されるため、従来
のようにドレスを行わなくても研磨力の低下を防ぐこと
ができ、より多くの加工面を良好に連続加工することが
可能となる。また、研磨テープでは所定量以上の目づま
りが発生しないため、抵抗は増加せず、よって砥粒の脱
落のおそれもない。従って、この方法によれば、上記金
属製円筒物10が加工粉の発生しやすいものである場
合、例えばアルミニウムもしくはアルミニウム合金から
なる場合にも、長期間にわたって良好に連続加工するこ
とができる。
【0039】実際に、加工前の表面粗さ3μmRmaxの
アルミニウム管(直径30mm、長さ250mm)について表1
に示す条件下で上記方法を実施したところ、表面粗さ0.
6μmRmaxをもつ研磨面を連続して上記アルミニウム管2
000本分加工できることが確認された。一方、上記表1
に示す各研磨テープ37A〜37Dに代えてこれらと同
じ番手をもつ4つの研磨砥石を用い、同様の金属製円筒
物10の回転及び送りを行って加工を行ったところ、ア
ルミニウム管800本加工後にアルミニウム管表面にむし
れが発生して表面粗さが1μmRmaxを超えてしまい、そ
れ以上の加工が不可能となった。このような実験データ
から、本発明方法の優位性を理解することができる。
【0040】
【表1】
【0041】なお、上記方法において、ハウジング38
の位置を固定した場合、研磨方向は金属製円筒物10の
回転周方向のみであり、円筒物表面の凸部は均一に除去
されることになるが、上記ハウジング38をカム機構等
を利用して金属製円筒物10の軸方向に振動させれば
(図2矢印A参照)、相異なる2つの研磨方向(金属製
円筒物10の回転周方向と軸方向)を同時に得ることが
でき、両研磨方向を交差させて円筒物外周面上の凸部を
集中的に除去することにより、加工精度をさらに高める
ことが可能になる。
【0042】なお、本発明はその他次のような態様をと
ることも可能である。
【0043】(1) 本発明では、単一の研磨テープを用い
て金属製円筒物を加工することも可能である。ただし、
上記のように複数の研磨テープを並べて目の粗いものか
ら順に金属製円筒物を接触させるようにすれば、加工前
の金属製円筒物の表面精度が非常に低い場合でも、加工
後の表面精度を飛躍的に向上することができる。この場
合、上記実施例のように各巻取りローラ同士、加圧ロー
ラ同士、及び繰り出しローラ同士をそれぞれ同軸回りに
回転するように構成し、巻取り駆動モータ39で全巻取
りローラ34A〜34Dを一体回転させるようにすれ
ば、全てのローラを単一の巻取り駆動モータ39で駆動
できることになり、装置の構成を大幅に簡略化できる。
【0044】(2) 上記実施例では、各巻取りローラ同
士、加圧ローラ同士、及び繰り出しローラ同士をそれぞ
れ軸31,32,33を介して連結するようにしている
が、各巻取りローラ同士、加圧ローラ同士、あるいは繰
り出しローラ同士を一体化して単一のローラにしてもよ
い。すなわち、単一のローラに複数本の研磨テープを係
合するようにしてもよい。
【0045】(3) 単一の研磨テープを用いる場合であっ
て、その幅寸法が金属製円筒物10の軸方向寸法と略等
しく、あるいはこの軸方向寸法よりも大きい場合には、
軸方向の移送は特に要しない。
【0046】(4) 上記実施例において、巻取りローラ3
4A等と加圧ローラ35A等との間、もしくは加圧ロー
ラ35A等と繰り出しローラ36A等との間に適宜テン
ションローラを介在させてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明は、回転中の金属製
円筒物外周面に対し、長手方向に張力を与えた研磨テー
プを加圧ローラにより上記金属製円筒物の外周面に押し
当て、かつ、上記張力が与えられるテープ長手方向を金
属製円筒物の中心軸と略直交する方向に設定したもので
あるので、上記金属製円筒物を高速回転させても、これ
に伴う研磨テープの幅方向の位置ずれ等を生じることな
く、上記外周面を高精度で加工することができる。しか
も、研磨の進行に伴い、上記加工ローラの回転を伴いな
がら研磨テープをその長手方向に移動させることにより
新しいテープ研磨面を容易に金属製円筒物加工面に供給
することができ、従来のようにドレスを行わなくても研
磨力の低下を防いでより多くの加工面を効率良く良好に
連続加工することができる効果がある。また、研磨テー
プでは所定量以上の目づまりが発生しないため、抵抗は
増加せず、よって砥粒の脱落のおそれもない。
【0048】従って、請求項2記載のように、加工粉が
発生しやすいアルミニウム製もしくはアルミニウム合金
製の金属製円筒物も良好に加工することができる。
【0049】さらに、請求項3記載の方法では、金属製
円筒物の移送に伴い、その外周面を最も目の粗い研磨テ
ープから目の細かい研磨テープまで順に接触させるよう
にしているので、加工前の表面精度が非常に低い円筒物
であっても、最終的に高い表面精度まで加工することが
できる効果がある。
【0050】この方法を実施するにあたり、請求項6記
載の装置では、各研磨テープを繰り出す繰り出しローラ
同士、巻取りローラ同士、加圧ローラ同士をそれぞれ各
ローラの軸方向に連結して同軸回りに回転するように構
成し、少なくとも巻取りローラ同士は共通回転軸を中心
に全体が一体回転するように構成しているので、単一の
巻取り駆動手段を上記共通回転軸に連結するだけの簡単
な構造で、全てのローラを回転駆動して上記研磨加工を
行うことができ、装置を大幅に簡略化することができる
効果がある。
【0051】また、請求項4記載の方法では、上記研磨
テープと金属製円筒物との接触中に研磨テープ及び加圧
ローラを金属製円筒物の中心軸方向に振動させるように
しているので、相異なる2つの研磨方向(金属製円筒物
の回転周方向と軸方向)を交差させて円筒物外周面上の
凸部を集中的に除去することにより、加工精度をさらに
高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における金属製円筒物の表面
加工装置の正面図である。
【図2】上記表面加工装置の一部断面側面図である。
【図3】上記表面加工装置に設けられる研磨装置の断面
平面図である。
【符号の説明】
10 金属製円筒物 20 円筒物支持装置(円筒物支持手段) 30 研磨装置 31 共通回転軸 34A〜34D 巻取りローラ 35A〜35D 加圧ローラ 36A〜36D 繰り出しローラ 37A〜37D 研磨テープ 39 巻取り駆動モータ(巻取り駆動手段) 40 圧縮ばね(加圧手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製円筒物をその中心軸回りに回転さ
    せながら、表面に研磨粒子が付着した研磨テープにその
    長手方向に張力を与えかつこの長手方向を上記金属製円
    筒物の中心軸と略直交させた状態で、この研磨テープを
    上記金属製円筒物の中心軸と略平行な軸回りに回転可能
    な加圧ローラにより上記金属製円筒物の外周面に押し当
    ててこの外周面を研磨し、かつ、研磨の進行に伴い上記
    加工ローラを回転させながら上記研磨テープをその長手
    方向に移動させてこの研磨テープにおける上記金属製円
    筒物との接触個所を変化させることを特徴とする金属製
    円筒物の表面加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の金属製円筒物の表面加工
    方法において、上記金属製円筒物がアルミニウムもしく
    はアルミニウム合金からなることを特徴とする金属製円
    筒物の表面加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の金属製円筒物の
    表面加工方法において、互いに目の細かさの異なる複数
    の研磨テープをこの研磨テープの目の細かさの順に金属
    製円筒物の中心軸方向に並べ、最も目の粗い研磨テープ
    から順に金属製円筒物の外周面に接触させるようにこの
    金属製円筒物をその中心軸回りに回転させながらこの中
    心軸方向に移送することを特徴とする金属製円筒物の表
    面加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の金属製
    円筒物の表面加工方法において、上記研磨テープと金属
    製円筒物との接触中に研磨テープ及び加圧ローラを金属
    製円筒物の中心軸方向に振動させることを特徴とする金
    属製円筒物の表面加工方法。
  5. 【請求項5】 金属製円筒物をその中心軸回りに回転さ
    せながら支持する円筒物支持手段と、表面に研磨粒子が
    付着した研磨テープと、この研磨テープを繰り出す繰り
    出しローラと、上記研磨テープをその長手方向に引張り
    ながら巻取る巻取りローラと、この巻取りローラをテー
    プ巻取り方向に駆動する巻取り駆動手段と、上記金属製
    円筒物の中心軸と略平行な軸回りに回転可能に構成さ
    れ、上記研磨テープにおいて上記繰り出しローラと巻取
    りローラとの間の部分を上記金属製円筒物の外周面に押
    し当てるための加圧ローラと、この加圧ローラを上記金
    属製円筒物に向かう方向に加圧する加圧手段とを備え、
    上記研磨テープの長手方向を上記金属製円筒物の中心軸
    と略直交させたことを特徴とする金属製円筒物の表面加
    工装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の金属製円筒物の表面加工
    装置において、互いに目の細かさの異なる複数の研磨テ
    ープをこの研磨テープの目の細かさの順に金属製円筒物
    の中心軸方向に並べ、最も目の粗い研磨テープから順に
    金属製円筒物の外周面に接触させるようにこの金属製円
    筒物をその中心軸回りに回転させながらこの中心軸方向
    に移送するように上記円筒物支持手段を構成するととも
    に、各研磨テープを繰り出す繰り出しローラ同士、各研
    磨テープを巻取る巻取りローラ同士、各研磨テープを金
    属製円筒物の外周面に押し当てる加圧ローラ同士をそれ
    ぞれ各ローラの軸方向に連結して同軸回りに回転するよ
    うに構成し、かつ、少なくとも各巻取りローラは共通回
    転軸を中心に全体が一体回転するように構成し、これら
    巻取りローラの共通回転軸に上記巻取り駆動手段を連結
    したことを特徴とする金属製円筒物の表面加工装置。
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