JPH07246373A - 煤塵の処理方法 - Google Patents
煤塵の処理方法Info
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- JPH07246373A JPH07246373A JP6038339A JP3833994A JPH07246373A JP H07246373 A JPH07246373 A JP H07246373A JP 6038339 A JP6038339 A JP 6038339A JP 3833994 A JP3833994 A JP 3833994A JP H07246373 A JPH07246373 A JP H07246373A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 煤塵を容易かつ効率的しかも安全に処理し
て、処理物からの重金属の溶出を確実に防止する。 【構成】 煤塵に、セメントと、リン酸及び／又はリン
酸塩とを添加、混練する。 【効果】 リン酸イオンによるリン酸鉛生成作用と、セ
メントの水和特性とから、両者を併用することによる優
れた相乗効果で、重金属の溶出を確実に防止する。
て、処理物からの重金属の溶出を確実に防止する。 【構成】 煤塵に、セメントと、リン酸及び／又はリン
酸塩とを添加、混練する。 【効果】 リン酸イオンによるリン酸鉛生成作用と、セ
メントの水和特性とから、両者を併用することによる優
れた相乗効果で、重金属の溶出を確実に防止する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は煤塵の処理方法に係り、
特に、煤塵を容易かつ効率的しかも安全に処理して、処
理物からの重金属の溶出を確実に防止する方法に関す
る。
特に、煤塵を容易かつ効率的しかも安全に処理して、処
理物からの重金属の溶出を確実に防止する方法に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】一般家庭ゴミや産業廃棄物を焼却場で焼
却すると、燃焼排ガスに同伴して灰が飛散する。この飛
灰を捕捉するために、従来、バグフィルタや電気集塵機
が設置され、集塵された煤塵は埋立て、地盤工事などに
有効利用されている。
却すると、燃焼排ガスに同伴して灰が飛散する。この飛
灰を捕捉するために、従来、バグフィルタや電気集塵機
が設置され、集塵された煤塵は埋立て、地盤工事などに
有効利用されている。
【０００３】ところで、こうして得られる煤塵中には、
揮発性金属化合物由来の重金属が含有されているため、
煤塵を埋立て等に利用するに当っては、煤塵中の重金属
の溶出を防止する処理を施す必要がある。
揮発性金属化合物由来の重金属が含有されているため、
煤塵を埋立て等に利用するに当っては、煤塵中の重金属
の溶出を防止する処理を施す必要がある。
【０００４】従来、煤塵の重金属溶出防止方法として
は、溶融法、セメント固化法、酸或いはその他の溶媒に
よる抽出法、薬剤処理法などが提案されている。
は、溶融法、セメント固化法、酸或いはその他の溶媒に
よる抽出法、薬剤処理法などが提案されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の煤塵の重金
属溶出防止方法のうち、溶融法、抽出法の多くは現在開
発中であり、処理設備が大規模でイニシャルコストが高
いことから実用化に到っていない。
属溶出防止方法のうち、溶融法、抽出法の多くは現在開
発中であり、処理設備が大規模でイニシャルコストが高
いことから実用化に到っていない。
【０００６】薬剤処理法としては、液体キレートと水を
混ぜて煤塵中の重金属と反応させて不溶性の重金属キレ
ート化合物を生成させる方法が実施されているが、重金
属含有量の多い煤塵に対しては薬剤添加量を多く必要と
し、ランニングコストが高くなる。液体キレートの含有
成分によっては取り扱いに十分注意を要する有害ガスが
発生する恐れがあるなどの問題がある。
混ぜて煤塵中の重金属と反応させて不溶性の重金属キレ
ート化合物を生成させる方法が実施されているが、重金
属含有量の多い煤塵に対しては薬剤添加量を多く必要と
し、ランニングコストが高くなる。液体キレートの含有
成分によっては取り扱いに十分注意を要する有害ガスが
発生する恐れがあるなどの問題がある。
【０００７】セメント固化法は煤塵にセメントと水を混
ぜるという簡易な方法であるため、煤塵の重金属溶出防
止方法として広く採用されているが、次のような欠点が
ある。
ぜるという簡易な方法であるため、煤塵の重金属溶出防
止方法として広く採用されているが、次のような欠点が
ある。
【０００８】即ち、両性金属である鉛は、高ｐＨ領域で
は溶出し易いため、鉛含有量の多い煤塵の場合、セメン
ト固化法では、セメント添加量を増やしても鉛の溶出を
抑えることができない場合がある。
は溶出し易いため、鉛含有量の多い煤塵の場合、セメン
ト固化法では、セメント添加量を増やしても鉛の溶出を
抑えることができない場合がある。
【０００９】なお、セメント固化法の一手法として、煤
塵に硫化物とセメントを添加する方法が提案されている
（特開昭５７−８４７８６号公報）が、この方法では硫
化物を用いることから作業の安全性の面で問題がある。
塵に硫化物とセメントを添加する方法が提案されている
（特開昭５７−８４７８６号公報）が、この方法では硫
化物を用いることから作業の安全性の面で問題がある。
【００１０】このような従来の問題点を解決する煤塵の
処理方法として、本出願人は中性飛灰にリン酸塩を添加
して中性飛灰中の鉛及びカドミウム等の重金属を固定化
する方法を提案した（特願平５−３０３８８０号。以下
「先願」という。）。この先願の方法によれば、煤塵を
容易かつ効率的に、安全に処理することができるが、本
発明者らの更なる研究により、煤塵の種類によっては、
リン酸塩の添加量制御を厳密に行わなければ、規制値を
達成できない場合があることが判明した。
処理方法として、本出願人は中性飛灰にリン酸塩を添加
して中性飛灰中の鉛及びカドミウム等の重金属を固定化
する方法を提案した（特願平５−３０３８８０号。以下
「先願」という。）。この先願の方法によれば、煤塵を
容易かつ効率的に、安全に処理することができるが、本
発明者らの更なる研究により、煤塵の種類によっては、
リン酸塩の添加量制御を厳密に行わなければ、規制値を
達成できない場合があることが判明した。
【００１１】本発明は上記先願の問題点を解決し、リン
酸塩の厳密な添加量制御を行うことなく、あらゆる種類
の煤塵に対して、重金属の溶出を安定かつ確実に防止す
ることができる煤塵の処理方法を提供することを目的と
する。
酸塩の厳密な添加量制御を行うことなく、あらゆる種類
の煤塵に対して、重金属の溶出を安定かつ確実に防止す
ることができる煤塵の処理方法を提供することを目的と
する。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明の煤塵の処理方法
は、煤塵に、セメントと、リン酸及び／又はリン酸塩と
を添加し、混練することを特徴とする。
は、煤塵に、セメントと、リン酸及び／又はリン酸塩と
を添加し、混練することを特徴とする。
【００１３】以下に本発明を詳細に説明する。
【００１４】本発明において、リン酸としては正リン酸
や次亜リン酸、メタ亜リン酸、ピロ亜リン酸、正亜リン
酸、次リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、縮
合リン酸が挙げられ、リン酸塩としては、これらのリン
酸の塩、第１リン酸塩、第２リン酸塩が挙げられる。特
に、リン酸塩としては、ナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属（Ｍ+ ）とリン酸（ＰＯ4 3- ）とのモル比（Ｍ
+ ／ＰＯ4 3- ）が１〜４の範囲となるように用いるのが
好ましく、従って、例えばＭ+ ／ＰＯ4 3- が３のものを
使用する場合、Ｍ3 ＰＯ4 を使用するか、又はＨ3 ＰＯ
4 １モルとＭＯＨ３モルを混合した組成物を使用するの
が好ましい。本発明においては、特に、添加量やｐＨの
上昇速度等の点から、Ｍ+ ／ＰＯ4 3- ＝２〜４のものが
好ましい。
や次亜リン酸、メタ亜リン酸、ピロ亜リン酸、正亜リン
酸、次リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、縮
合リン酸が挙げられ、リン酸塩としては、これらのリン
酸の塩、第１リン酸塩、第２リン酸塩が挙げられる。特
に、リン酸塩としては、ナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属（Ｍ+ ）とリン酸（ＰＯ4 3- ）とのモル比（Ｍ
+ ／ＰＯ4 3- ）が１〜４の範囲となるように用いるのが
好ましく、従って、例えばＭ+ ／ＰＯ4 3- が３のものを
使用する場合、Ｍ3 ＰＯ4 を使用するか、又はＨ3 ＰＯ
4 １モルとＭＯＨ３モルを混合した組成物を使用するの
が好ましい。本発明においては、特に、添加量やｐＨの
上昇速度等の点から、Ｍ+ ／ＰＯ4 3- ＝２〜４のものが
好ましい。
【００１５】本発明においては、特に正リン酸（Ｈ3 Ｐ
Ｏ4 ）、リン酸二水素一ナトリウム（ＮａＨ2 ＰＯ
4 ）、リン酸一水素二ナトリウム（Ｎａ2 ＨＰＯ4 ）、
縮合リン酸等を好適に使用することができる。
Ｏ4 ）、リン酸二水素一ナトリウム（ＮａＨ2 ＰＯ
4 ）、リン酸一水素二ナトリウム（Ｎａ2 ＨＰＯ4 ）、
縮合リン酸等を好適に使用することができる。
【００１６】本発明において、これらのリン酸及び／又
はリン酸塩の添加量は煤塵に対して１〜３０重量％とす
るのが好ましい。
はリン酸塩の添加量は煤塵に対して１〜３０重量％とす
るのが好ましい。
【００１７】一方、セメントとしては、普通ポルトラン
ドセメント、特殊セメント等を用いることができ、セメ
ントの添加量は煤塵に対して５〜３０重量％の比較的少
量で、良好な重金属の溶出防止効果を得ることができ
る。
ドセメント、特殊セメント等を用いることができ、セメ
ントの添加量は煤塵に対して５〜３０重量％の比較的少
量で、良好な重金属の溶出防止効果を得ることができ
る。
【００１８】本発明を実施するには、煤塵に、セメント
と、リン酸及び／又はリン酸塩と、煤塵に対して５〜５
０重量％程度の水とを加えて均一に混練する。
と、リン酸及び／又はリン酸塩と、煤塵に対して５〜５
０重量％程度の水とを加えて均一に混練する。
【００１９】この場合、各添加材の添加順序には特に制
限はなく、 煤塵とセメントとリン酸及び／又はリン酸塩とを混
合した後、水を加えて混練する。 煤塵にセメントを混合した後、水とリン酸及び／又
はリン酸塩を加えて混練する。この場合リン酸及び／又
はリン酸塩は水溶液として添加することもできる。 などの方法を採用することができる。
限はなく、 煤塵とセメントとリン酸及び／又はリン酸塩とを混
合した後、水を加えて混練する。 煤塵にセメントを混合した後、水とリン酸及び／又
はリン酸塩を加えて混練する。この場合リン酸及び／又
はリン酸塩は水溶液として添加することもできる。 などの方法を採用することができる。
【００２０】煤塵、セメント、リン酸及び／又はリン酸
塩及び水を混練することにより、重金属の溶出が殆どな
い、混練物が得られる。この混練物は、通常の場合、埋
立処分される。なお、この混練物は必ずしも固化体とす
る必要はない。
塩及び水を混練することにより、重金属の溶出が殆どな
い、混練物が得られる。この混練物は、通常の場合、埋
立処分される。なお、この混練物は必ずしも固化体とす
る必要はない。
【００２１】
【作用】セメント固化法で煤塵を固化する場合、最も一
般的なポルトランドセメントには、ＣａＯ成分が含まれ
ているため、水と混和するとｐＨ１２前後の強アルカリ
性になる。そのため、煤塵中の重金属のうち両性金属で
ある鉛の溶解度が高くなり、現行の法規制の基準値を満
足し得なくなる。
般的なポルトランドセメントには、ＣａＯ成分が含まれ
ているため、水と混和するとｐＨ１２前後の強アルカリ
性になる。そのため、煤塵中の重金属のうち両性金属で
ある鉛の溶解度が高くなり、現行の法規制の基準値を満
足し得なくなる。
【００２２】本発明においては、リン酸及び／又はリン
酸塩を併用することにより、鉛を固定化し、鉛の溶出を
防止する。
酸塩を併用することにより、鉛を固定化し、鉛の溶出を
防止する。
【００２３】即ち、煤塵中の鉛はリン酸及び／又はリン
酸塩のリン酸イオンと反応して溶解度の小さいリン酸鉛
となる。
酸塩のリン酸イオンと反応して溶解度の小さいリン酸鉛
となる。
【００２４】このような化学反応プロセスを経る一方
で、セメントの水和反応が進行し、鉛を溶解度の小さい
リン酸鉛の形でセメント水和物内に封じ込めることがで
きる。
で、セメントの水和反応が進行し、鉛を溶解度の小さい
リン酸鉛の形でセメント水和物内に封じ込めることがで
きる。
【００２５】本発明は、このようなリン酸イオンによる
リン酸鉛生成作用と、セメントの水和特性とから、両者
を併用することによる優れた相乗効果で、重金属の溶出
を確実に防止するものである。
リン酸鉛生成作用と、セメントの水和特性とから、両者
を併用することによる優れた相乗効果で、重金属の溶出
を確実に防止するものである。
【００２６】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
説明する。
【００２７】なお、以下において、処理対象とした煤塵
（飛灰Ａ，Ｂ）の成分分析値は表１に示す通りである。
また、セメントとしては普通ポルトランドセメントを用
いた。
（飛灰Ａ，Ｂ）の成分分析値は表１に示す通りである。
また、セメントとしては普通ポルトランドセメントを用
いた。
【００２８】
【表１】
【００２９】実施例１ 煤塵Ａ（中性飛灰）５０ｇをポリビーカーに入れ、セメ
ント及び各種リン酸塩を表２に示す割合で加え、スパー
テルで均一に混ぜた。更に、表２に示す量の水を加えス
パーテルで５分間混練した。混練物を環境庁告示１３号
試験を行い、溶出液のｐＨ及び重金属イオン（Ｐｂ，Ｃ
ｄ）濃度を分析し、結果を表２に示した。なお、表２
中、各添加量の表示は、煤塵重量に対する添加重量の割
合（重量％）である。また、リン酸ナトリウムとしては
Ｎａ／ＰＯ4 ＝２．４（モル比）のものを用いた。
ント及び各種リン酸塩を表２に示す割合で加え、スパー
テルで均一に混ぜた。更に、表２に示す量の水を加えス
パーテルで５分間混練した。混練物を環境庁告示１３号
試験を行い、溶出液のｐＨ及び重金属イオン（Ｐｂ，Ｃ
ｄ）濃度を分析し、結果を表２に示した。なお、表２
中、各添加量の表示は、煤塵重量に対する添加重量の割
合（重量％）である。また、リン酸ナトリウムとしては
Ｎａ／ＰＯ4 ＝２．４（モル比）のものを用いた。
【００３０】
【表２】
【００３１】表２より次のことが明らかである。
【００３２】即ち、セメントのみを用いた場合（Ｎｏ．
１０，１５，１９，２４〜２６）には、Ｐｂの溶出を防
止することはできず、１００重量％の添加量であっても
Ｐｂ７．３ｍｇ／ｌもの溶出がある。一方、ＮａＨ2 Ｐ
Ｏ4 のみの添加（Ｎｏ．３，４）では良好な結果が得ら
れず、また、リン酸ナトリウムのみの添加（Ｎｏ．５〜
９）ではある程度好結果の得られるものもあるが、処理
が安定せず、埋立基準値（Ｐｂ：３ｍｇ／ｌ以下，Ｃ
ｄ：０．３ｍｇ／ｌ以下）を満たすためにはリン酸ナト
リウムの添加量制御を厳密に行う必要がある。
１０，１５，１９，２４〜２６）には、Ｐｂの溶出を防
止することはできず、１００重量％の添加量であっても
Ｐｂ７．３ｍｇ／ｌもの溶出がある。一方、ＮａＨ2 Ｐ
Ｏ4 のみの添加（Ｎｏ．３，４）では良好な結果が得ら
れず、また、リン酸ナトリウムのみの添加（Ｎｏ．５〜
９）ではある程度好結果の得られるものもあるが、処理
が安定せず、埋立基準値（Ｐｂ：３ｍｇ／ｌ以下，Ｃ
ｄ：０．３ｍｇ／ｌ以下）を満たすためにはリン酸ナト
リウムの添加量制御を厳密に行う必要がある。
【００３３】これに対して、本発明に従って、セメント
とＮａＨ2 ＰＯ4 とを併用添加したもの（Ｎｏ．１１〜
１４，１６〜１８，２０〜２３）では、ＮａＨ2 ＰＯ4
の厳密な添加量制御を要することなく、Ｐｂイオンの溶
出を確実に抑えて、良好な結果を得ることができる。特
に、セメント１０重量％，ＮａＨ2 ＰＯ4 ３．２重量％
という少ない添加量によっても（Ｎｏ．１１）良好な結
果が得られる。
とＮａＨ2 ＰＯ4 とを併用添加したもの（Ｎｏ．１１〜
１４，１６〜１８，２０〜２３）では、ＮａＨ2 ＰＯ4
の厳密な添加量制御を要することなく、Ｐｂイオンの溶
出を確実に抑えて、良好な結果を得ることができる。特
に、セメント１０重量％，ＮａＨ2 ＰＯ4 ３．２重量％
という少ない添加量によっても（Ｎｏ．１１）良好な結
果が得られる。
【００３４】実施例２ 煤塵Ｂ（アルカリ飛灰）をポリビーカーに入れ、表３に
示す量のセメントと、Ｈ3 ＰＯ4 又はリン酸塩或いは液
体キレートと、水とを添加して処理した。
示す量のセメントと、Ｈ3 ＰＯ4 又はリン酸塩或いは液
体キレートと、水とを添加して処理した。
【００３５】Ｈ3 ＰＯ4 又は液体キレートを用いた場合
には、煤塵Ｂ５０ｇをポリビーカーに入れ、セメントを
加えてスパーテルで均一に混ぜ、更に、水とリン酸或い
は液体キレートを添加してスパーテルで５分間混練し
た。
には、煤塵Ｂ５０ｇをポリビーカーに入れ、セメントを
加えてスパーテルで均一に混ぜ、更に、水とリン酸或い
は液体キレートを添加してスパーテルで５分間混練し
た。
【００３６】また、リン酸塩を用いた場合には、煤塵Ｂ
５０ｇをポリビーカーに入れ、セメント及び各種リン酸
塩を加え、スパーテルで均一に混ぜ、更に、水を加えて
スパーテルで５分間混練した。
５０ｇをポリビーカーに入れ、セメント及び各種リン酸
塩を加え、スパーテルで均一に混ぜ、更に、水を加えて
スパーテルで５分間混練した。
【００３７】混練物を環境庁告示１３号試験を行い、溶
出液のｐＨ及び重金属イオン（Ｐｂ）濃度を分析し、結
果を表３に示した。なお、表３中、各添加量の表示は、
煤塵重量に対する添加重量の割合（重量％）である。ま
た、液体キレートとしては、Ｎ−Ｓ系液体キレート「ニ
ューエポルバ５００」（ミヨシ油脂（株）製品）を用い
た。
出液のｐＨ及び重金属イオン（Ｐｂ）濃度を分析し、結
果を表３に示した。なお、表３中、各添加量の表示は、
煤塵重量に対する添加重量の割合（重量％）である。ま
た、液体キレートとしては、Ｎ−Ｓ系液体キレート「ニ
ューエポルバ５００」（ミヨシ油脂（株）製品）を用い
た。
【００３８】
【表３】
【００３９】表３より次のことが明らかである。
【００４０】即ち、セメントのみを用いた場合（Ｎｏ．
２８，３０，３３，３８，３９）には、Ｐｂの溶出を十
分に防止し得ず、５０重量％の添加でもＰｂは５．６ｍ
ｇ／ｌも溶出し、Ｐｂの溶出防止のためには１００重量
％もの多量添加を必要とする。セメント３０重量％と液
体キレートとを併用しても（Ｎｏ．３６，３７）、Ｐｂ
は５．６ｍｇ／ｌ溶出する。
２８，３０，３３，３８，３９）には、Ｐｂの溶出を十
分に防止し得ず、５０重量％の添加でもＰｂは５．６ｍ
ｇ／ｌも溶出し、Ｐｂの溶出防止のためには１００重量
％もの多量添加を必要とする。セメント３０重量％と液
体キレートとを併用しても（Ｎｏ．３６，３７）、Ｐｂ
は５．６ｍｇ／ｌ溶出する。
【００４１】これに対して、本発明に従って、セメント
とＮａＨ2 ＰＯ4 又はＨ3 ＰＯ4 とを併用添加したもの
（Ｎｏ．２９，３１，３２，３４，３５）では、Ｐｂイ
オンの溶出を確実に抑えることができる。特に、セメン
ト１０重量％とＨ3 ＰＯ4 １１．２重量％との併用とい
う少ないセメント添加量によって（Ｎｏ．２９）、Ｐｂ
の溶出を０．８ｍｇ／ｌにまで抑えることができる。
とＮａＨ2 ＰＯ4 又はＨ3 ＰＯ4 とを併用添加したもの
（Ｎｏ．２９，３１，３２，３４，３５）では、Ｐｂイ
オンの溶出を確実に抑えることができる。特に、セメン
ト１０重量％とＨ3 ＰＯ4 １１．２重量％との併用とい
う少ないセメント添加量によって（Ｎｏ．２９）、Ｐｂ
の溶出を０．８ｍｇ／ｌにまで抑えることができる。
【００４２】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の煤塵の処理
方法によれば、 煤塵の種類に制限を受けることなく、また、薬剤の
厳密な添加量制御を要することなく、煤塵を容易かつ効
率的に処理して、重金属の溶出を確実に防止することが
できる。 セメント使用量が低減されるため、混練物の低容積
化が図れ、最終埋立地の寿命を延長できる。 設備の大幅な変更を必要とせず、既存のセメント混
練設備に簡易な薬注装置を設置するのみで実施できる。 化学的に安定で確実な処理法であるため、処分後の
長期安定性にも極めて優れる。 有害ガス発生物質を使用しないため、安全である。 といった効果が奏され、工業的に極めて有利である。
方法によれば、 煤塵の種類に制限を受けることなく、また、薬剤の
厳密な添加量制御を要することなく、煤塵を容易かつ効
率的に処理して、重金属の溶出を確実に防止することが
できる。 セメント使用量が低減されるため、混練物の低容積
化が図れ、最終埋立地の寿命を延長できる。 設備の大幅な変更を必要とせず、既存のセメント混
練設備に簡易な薬注装置を設置するのみで実施できる。 化学的に安定で確実な処理法であるため、処分後の
長期安定性にも極めて優れる。 有害ガス発生物質を使用しないため、安全である。 といった効果が奏され、工業的に極めて有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 恒行 東京都新宿区西新宿３丁目４番７号 栗田 工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項１】 煤塵に、セメントと、リン酸及び／又は
リン酸塩とを添加し、混練することを特徴とする煤塵の
処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03833994A JP3371516B2 (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | 煤塵の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03833994A JP3371516B2 (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | 煤塵の処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07246373A true JPH07246373A (ja) | 1995-09-26 |
| JP3371516B2 JP3371516B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=12522536
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03833994A Expired - Lifetime JP3371516B2 (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | 煤塵の処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3371516B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000202394A (ja) * | 1997-08-27 | 2000-07-25 | Solvay Sa | 煙霧を精製し、かつ塩化ナトリウム水溶液を製造する方法 |
-
1994
- 1994-03-09 JP JP03833994A patent/JP3371516B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000202394A (ja) * | 1997-08-27 | 2000-07-25 | Solvay Sa | 煙霧を精製し、かつ塩化ナトリウム水溶液を製造する方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3371516B2 (ja) | 2003-01-27 |
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