JPH07243630A - 流動層式焼却炉 - Google Patents
流動層式焼却炉Info
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- JPH07243630A JPH07243630A JP3698494A JP3698494A JPH07243630A JP H07243630 A JPH07243630 A JP H07243630A JP 3698494 A JP3698494 A JP 3698494A JP 3698494 A JP3698494 A JP 3698494A JP H07243630 A JPH07243630 A JP H07243630A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 可燃ガスと燃焼用空気の混合を十分促進させ
て一酸化炭素、炭化水素等の未燃分を減少させることの
できる流動層式焼却炉を提供すること。 【構成】 流動層２の下流部の空塔部３壁面に同一水平
断面の成す平面上に形成されるいずれの仮想軸線に対し
ても非対称である複数の二次空気供給ノズル１０を設け
て、空塔部３の水平断面方向に二次空気膜が形成され、
上昇する可燃ガスは二次空気１３と効率よく混合され
る。また、被燃焼物１１は焼却炉内に供給された直後に
熱分解するため、ノズル１０が被燃焼物供給口５に最も
近い壁面及び前記壁面と対向する壁面に設置されている
と、供給口５側の高濃度な可燃ガスを分散させることが
できる。また、ノズル１０の空気吹き出し方向を下向き
にすると可燃ガスを流動層２直上で分散させ、空塔部３
内に垂直方向の旋回流１７が生じ、可燃ガスの滞留時間
が増加し、可燃ガスが燃焼空気との混合率を上げる。
て一酸化炭素、炭化水素等の未燃分を減少させることの
できる流動層式焼却炉を提供すること。 【構成】 流動層２の下流部の空塔部３壁面に同一水平
断面の成す平面上に形成されるいずれの仮想軸線に対し
ても非対称である複数の二次空気供給ノズル１０を設け
て、空塔部３の水平断面方向に二次空気膜が形成され、
上昇する可燃ガスは二次空気１３と効率よく混合され
る。また、被燃焼物１１は焼却炉内に供給された直後に
熱分解するため、ノズル１０が被燃焼物供給口５に最も
近い壁面及び前記壁面と対向する壁面に設置されている
と、供給口５側の高濃度な可燃ガスを分散させることが
できる。また、ノズル１０の空気吹き出し方向を下向き
にすると可燃ガスを流動層２直上で分散させ、空塔部３
内に垂直方向の旋回流１７が生じ、可燃ガスの滞留時間
が増加し、可燃ガスが燃焼空気との混合率を上げる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は都市ごみ等の焼却に用い
られる流動層式焼却炉に係わり、特に一酸化炭素、炭化
水素等の未燃分およびダイオキシンの排出量を低減し得
る流動層式焼却炉に関する。
られる流動層式焼却炉に係わり、特に一酸化炭素、炭化
水素等の未燃分およびダイオキシンの排出量を低減し得
る流動層式焼却炉に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に都市ごみ等の焼却にはストーカ式
焼却炉の他に流動層式焼却炉が用いられている。図８お
よび図９（図８のａ−ａ線断面図（図９（ａ））と図８
のｂ−ｂ線断面図（図９（ｂ）））は、例えば特開平２
−１４０５０１号公報に記載された従来技術による流動
層式焼却炉の一例を示したものであり、焼却炉本体１は
流動層２と空塔部３より構成されている。被燃焼物供給
口５より炉内に供給された被燃焼物１１は流動層２にお
いて流動層２下部に設置された散気管９より供給された
一次空気１２により流動媒体８と共に流動化されるに従
って、燃焼および／または熱分散される。この時発生し
た分解ガス等の可燃ガスは空塔部３において流動層２上
に吹き抜けた一次空気１２および空塔部３に供給される
二次空気１３に混合され燃焼された後、焼却炉出口７よ
り排出される。
焼却炉の他に流動層式焼却炉が用いられている。図８お
よび図９（図８のａ−ａ線断面図（図９（ａ））と図８
のｂ−ｂ線断面図（図９（ｂ）））は、例えば特開平２
−１４０５０１号公報に記載された従来技術による流動
層式焼却炉の一例を示したものであり、焼却炉本体１は
流動層２と空塔部３より構成されている。被燃焼物供給
口５より炉内に供給された被燃焼物１１は流動層２にお
いて流動層２下部に設置された散気管９より供給された
一次空気１２により流動媒体８と共に流動化されるに従
って、燃焼および／または熱分散される。この時発生し
た分解ガス等の可燃ガスは空塔部３において流動層２上
に吹き抜けた一次空気１２および空塔部３に供給される
二次空気１３に混合され燃焼された後、焼却炉出口７よ
り排出される。
【０００３】都市ごみ等の揮発成分の多い被燃焼物は、
その大半が流動層２内では熱分解により気化され、空塔
部３で燃焼されるため、空塔部３で可燃ガスと空気を十
分に混合させる必要がある。可燃ガスと空気の混合が不
十分な場合、一酸化炭素、炭化水素等の未燃分が排ガス
とともに排出される。さらに排ガス中の未燃分が塩化水
素などの塩化物と反応して、ダイオキシンが生成される
といった問題も生じる。上記問題を解決するため、空塔
部３の垂直方向中心軸を流動層２中心軸から偏心させ、
図９に示すように空塔部３内に水平方向の旋回流１４を
形成するように空塔部３壁面に二次空気供給ノズル１０
を設置することにより、可燃ガスと燃焼用空気との混合
促進を図っている。しかしながら、上記従来技術によっ
ても空塔部３での可燃ガスと燃焼用空気の混合が不十分
であり、特に被燃焼物の供給量が増加し、急激に多量の
可燃ガスが発生した場合には可燃ガスの吹き抜けが生
じ、多量の一酸化炭素、炭化水素等の未燃分が焼却炉か
ら排出される。その理由は、二次空気１３の水平方向の
旋回流１４により図１０（ａ）に示すように、水平断面
（図１０（ｂ）の空塔部ａ−ａ線断面）中央部で可燃ガ
スの濃度の高い領域Ａが生じ、また、図１０（ｂ）に示
すように焼却炉本体１の垂直方向に可燃ガスの濃度の濃
い部分の上昇流Ｂが発生し、二次空気１３との混合が不
十分で、被燃焼物が燃焼不足となる。
その大半が流動層２内では熱分解により気化され、空塔
部３で燃焼されるため、空塔部３で可燃ガスと空気を十
分に混合させる必要がある。可燃ガスと空気の混合が不
十分な場合、一酸化炭素、炭化水素等の未燃分が排ガス
とともに排出される。さらに排ガス中の未燃分が塩化水
素などの塩化物と反応して、ダイオキシンが生成される
といった問題も生じる。上記問題を解決するため、空塔
部３の垂直方向中心軸を流動層２中心軸から偏心させ、
図９に示すように空塔部３内に水平方向の旋回流１４を
形成するように空塔部３壁面に二次空気供給ノズル１０
を設置することにより、可燃ガスと燃焼用空気との混合
促進を図っている。しかしながら、上記従来技術によっ
ても空塔部３での可燃ガスと燃焼用空気の混合が不十分
であり、特に被燃焼物の供給量が増加し、急激に多量の
可燃ガスが発生した場合には可燃ガスの吹き抜けが生
じ、多量の一酸化炭素、炭化水素等の未燃分が焼却炉か
ら排出される。その理由は、二次空気１３の水平方向の
旋回流１４により図１０（ａ）に示すように、水平断面
（図１０（ｂ）の空塔部ａ−ａ線断面）中央部で可燃ガ
スの濃度の高い領域Ａが生じ、また、図１０（ｂ）に示
すように焼却炉本体１の垂直方向に可燃ガスの濃度の濃
い部分の上昇流Ｂが発生し、二次空気１３との混合が不
十分で、被燃焼物が燃焼不足となる。
【０００４】また、図１１（図１１（ａ）は焼却炉の垂
直断面概略図、図１１（ｂ）は図１１（ａ）のａ−ａ線
断面矢視図）に示すように、焼却炉本体１の空塔部３の
垂直方向中心軸を流動層２中心軸から偏心させ、空塔部
３には下向きに二次空気１３を吹き出す二次空気供給ノ
ズル１０と助燃バーナ１６を設けた構成が特開平３−１
２５８０８号公報に開示されている。当該公報記載の発
明は、流動層２からの可燃ガスを含む上昇流が空塔部３
において、下向きのノズル１０から吹き出す二次空気１
３と助燃バーナ１６とで再燃焼をさせ、未燃ガスの量を
減少させようとするものである。この発明は流動層２か
らの可燃ガスを含む上昇流は偏心しながら空塔部３に供
給されるので、流動層２で供給される二次空気１３との
混合は促進され、しかも、空塔部３では二次空気供給ノ
ズル１０が下向きであるので、可燃ガスを含む上昇流を
垂直方向の旋回流を生じさせる要素はある。しかし、図
１１（ｂ）に示すように、空塔部３の二次空気供給ノズ
ル１０は水平断面方向の仮想軸線に対して対称的に設け
られているので、吹き出された二次空気１３は空塔部３
の中央部で互いに衝突し、炉の反対側まで到達できな
い。また、図１１（ｂ）に示すように、二次空気吹き出
し領域間にすき間Ｃができ可燃ガスを含む上昇流はこの
すき間Ｃを抜けて空気と混合されない場合がある。
直断面概略図、図１１（ｂ）は図１１（ａ）のａ−ａ線
断面矢視図）に示すように、焼却炉本体１の空塔部３の
垂直方向中心軸を流動層２中心軸から偏心させ、空塔部
３には下向きに二次空気１３を吹き出す二次空気供給ノ
ズル１０と助燃バーナ１６を設けた構成が特開平３−１
２５８０８号公報に開示されている。当該公報記載の発
明は、流動層２からの可燃ガスを含む上昇流が空塔部３
において、下向きのノズル１０から吹き出す二次空気１
３と助燃バーナ１６とで再燃焼をさせ、未燃ガスの量を
減少させようとするものである。この発明は流動層２か
らの可燃ガスを含む上昇流は偏心しながら空塔部３に供
給されるので、流動層２で供給される二次空気１３との
混合は促進され、しかも、空塔部３では二次空気供給ノ
ズル１０が下向きであるので、可燃ガスを含む上昇流を
垂直方向の旋回流を生じさせる要素はある。しかし、図
１１（ｂ）に示すように、空塔部３の二次空気供給ノズ
ル１０は水平断面方向の仮想軸線に対して対称的に設け
られているので、吹き出された二次空気１３は空塔部３
の中央部で互いに衝突し、炉の反対側まで到達できな
い。また、図１１（ｂ）に示すように、二次空気吹き出
し領域間にすき間Ｃができ可燃ガスを含む上昇流はこの
すき間Ｃを抜けて空気と混合されない場合がある。
【０００５】この他、特開昭６１−１０１７０９号公報
には図１２に示すように空塔部３の通路を狭くした空塔
部出口６の直ぐ下部の焼却炉本体１壁面に下向きの二次
空気供給ノズル１０を下向きに傾けて複数個均等な間隔
で取り付けた例、あるいは実公昭６１−３７９５６号公
報には図１３に示すように焼却炉本体１の空塔部３の通
路を狭くした空塔部出口６の直ぐ下部の一方の側壁面に
のみ下向きの二次空気供給ノズル１０を設けた例が開示
されている。しかし、図１２に示す場合は複数の二次空
気供給ノズル１０が対称的に配置されているので、垂直
方向の可燃ガスを含む上昇流の旋回流は発生せず、二次
空気１３と可燃ガスとの混合が不十分となり、また、図
１３に示す場合は一方の焼却炉本体１側壁面にのみ二次
空気供給ノズル１０を設けているので、図１３（ｂ）
（図１１（ａ）のａ−ａ線断面矢視図）に示すように、
可燃ガスを含む上昇流の吹き抜け部分Ｃが生じる。
には図１２に示すように空塔部３の通路を狭くした空塔
部出口６の直ぐ下部の焼却炉本体１壁面に下向きの二次
空気供給ノズル１０を下向きに傾けて複数個均等な間隔
で取り付けた例、あるいは実公昭６１−３７９５６号公
報には図１３に示すように焼却炉本体１の空塔部３の通
路を狭くした空塔部出口６の直ぐ下部の一方の側壁面に
のみ下向きの二次空気供給ノズル１０を設けた例が開示
されている。しかし、図１２に示す場合は複数の二次空
気供給ノズル１０が対称的に配置されているので、垂直
方向の可燃ガスを含む上昇流の旋回流は発生せず、二次
空気１３と可燃ガスとの混合が不十分となり、また、図
１３に示す場合は一方の焼却炉本体１側壁面にのみ二次
空気供給ノズル１０を設けているので、図１３（ｂ）
（図１１（ａ）のａ−ａ線断面矢視図）に示すように、
可燃ガスを含む上昇流の吹き抜け部分Ｃが生じる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
技術では二次空気と可燃ガスの混合が不十分な領域が生
じる問題点がある。本発明は可燃ガスと燃焼用空気の混
合を十分促進させて一酸化炭素、炭化水素等の未燃分を
減少させることのできる流動層式焼却炉を提供すること
を目的とする。
技術では二次空気と可燃ガスの混合が不十分な領域が生
じる問題点がある。本発明は可燃ガスと燃焼用空気の混
合を十分促進させて一酸化炭素、炭化水素等の未燃分を
減少させることのできる流動層式焼却炉を提供すること
を目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、流動層と空塔部を
備えた流動層式焼却炉において、前記空塔部壁面に設置
された複数の二次空気供給ノズルが空塔部の同一水平断
面の成す平面上に形成されるいずれの仮想軸線に対して
も非対称である流動層式焼却炉である。本発明の流動層
式焼却炉では二次空気供給ノズルを空塔部の被燃焼物供
給口に最も近い壁面および前記壁面と対向する壁面に設
置する構成、二次空気供給ノズルの空気吹き出し方向を
下向きに設置する構成、二次空気供給ノズルの一部を空
塔部出口付近に下向きに設置する構成、流動層の垂直方
向中心軸と空塔部の垂直方向中心軸とが互いに偏心した
位置にある構成とすることができる。また、本発明の流
動層式焼却炉は流動層と空塔部よりなる流動層式焼却炉
または前記焼却炉の空塔部後段に後燃焼室を有する流動
層式焼却炉に適用できる。
構成によって達成される。すなわち、流動層と空塔部を
備えた流動層式焼却炉において、前記空塔部壁面に設置
された複数の二次空気供給ノズルが空塔部の同一水平断
面の成す平面上に形成されるいずれの仮想軸線に対して
も非対称である流動層式焼却炉である。本発明の流動層
式焼却炉では二次空気供給ノズルを空塔部の被燃焼物供
給口に最も近い壁面および前記壁面と対向する壁面に設
置する構成、二次空気供給ノズルの空気吹き出し方向を
下向きに設置する構成、二次空気供給ノズルの一部を空
塔部出口付近に下向きに設置する構成、流動層の垂直方
向中心軸と空塔部の垂直方向中心軸とが互いに偏心した
位置にある構成とすることができる。また、本発明の流
動層式焼却炉は流動層と空塔部よりなる流動層式焼却炉
または前記焼却炉の空塔部後段に後燃焼室を有する流動
層式焼却炉に適用できる。
【０００８】
【作用】複数の二次空気供給ノズルが空塔部の同一水平
断面の成す平面上に形成されるいずれの仮想軸線に対し
ても非対称であることにより、図５（図５（ａ）は焼却
炉本体１の垂直断面簡略図、図５（ｂ）は図５（ａ）の
ａ−ａ線の水平断面簡略図）に示すように、ある二次空
気供給ノズル１０から供給された二次空気１３は対向す
る焼却炉本体１壁面に設置された二次空気供給ノズル１
０から供給された二次空気１３とほとんど衝突すること
なく空塔部３を対向壁面部まで到達でき、空塔部の水平
断面に図５（ｂ）に示すような複数の二次空気供給ノズ
ル１０から吹き出された二次空気１３により膜Ｄが形成
されるため、垂直方向に上昇する可燃ガスは必ず、この
二次空気１３と接触することになり、効率よく混合され
る。
断面の成す平面上に形成されるいずれの仮想軸線に対し
ても非対称であることにより、図５（図５（ａ）は焼却
炉本体１の垂直断面簡略図、図５（ｂ）は図５（ａ）の
ａ−ａ線の水平断面簡略図）に示すように、ある二次空
気供給ノズル１０から供給された二次空気１３は対向す
る焼却炉本体１壁面に設置された二次空気供給ノズル１
０から供給された二次空気１３とほとんど衝突すること
なく空塔部３を対向壁面部まで到達でき、空塔部の水平
断面に図５（ｂ）に示すような複数の二次空気供給ノズ
ル１０から吹き出された二次空気１３により膜Ｄが形成
されるため、垂直方向に上昇する可燃ガスは必ず、この
二次空気１３と接触することになり、効率よく混合され
る。
【０００９】また、被燃焼物は焼却炉内に供給された直
後に熱分解するため、可燃ガスは被燃焼物供給口５が設
置されている側で高濃度となるが、二次空気供給ノズル
１０が空塔部３の被燃焼物供給口５に最も近い壁面およ
び前記壁面と対向する壁面に設置されていることにより
前記被燃焼物供給口５側の高濃度な可燃ガスを分散させ
ることができる。また二次空気供給ノズル１０の空気吹
き出し方向が下向きに設置されていることにより、図６
（ａ）に示すように可燃ガスを流動層２直上で分散させ
ることができ、且つ図６（ｂ）に示す空塔部３内に垂直
方向の旋回流１７が生じ、可燃ガスの滞留時間が増加す
ると共に可燃ガスが燃焼空気と効率よく混合される。
後に熱分解するため、可燃ガスは被燃焼物供給口５が設
置されている側で高濃度となるが、二次空気供給ノズル
１０が空塔部３の被燃焼物供給口５に最も近い壁面およ
び前記壁面と対向する壁面に設置されていることにより
前記被燃焼物供給口５側の高濃度な可燃ガスを分散させ
ることができる。また二次空気供給ノズル１０の空気吹
き出し方向が下向きに設置されていることにより、図６
（ａ）に示すように可燃ガスを流動層２直上で分散させ
ることができ、且つ図６（ｂ）に示す空塔部３内に垂直
方向の旋回流１７が生じ、可燃ガスの滞留時間が増加す
ると共に可燃ガスが燃焼空気と効率よく混合される。
【００１０】また図７に示すように、空塔部出口６にお
いて二次空気供給ノズル１０の一部が空塔部出口６付近
に下向きに設置されていることにより下向きの空気流が
生じるため、垂直方向の旋回流１７の旋回が促進され、
且つ空塔部出口６へ向かう可燃ガスが吹き抜けることを
防ぐ。このため未燃焼ガスは空塔部３内に滞留する時間
が長くなり、その間に十分酸素と混合されるため、燃焼
の促進が図れる。このように可燃ガスを分散させること
により部分的な空気不足による不完全燃焼を防ぎ、且つ
可燃ガスと燃焼空気が効率よく混合されることにより燃
焼が促進され、一酸化炭素、炭化水素等の未燃分の排出
量を低減することができる。さらに排ガス中の未燃分が
塩化水素などの塩化物と反応して生成するダイオキシン
の排出量も低減することができる。
いて二次空気供給ノズル１０の一部が空塔部出口６付近
に下向きに設置されていることにより下向きの空気流が
生じるため、垂直方向の旋回流１７の旋回が促進され、
且つ空塔部出口６へ向かう可燃ガスが吹き抜けることを
防ぐ。このため未燃焼ガスは空塔部３内に滞留する時間
が長くなり、その間に十分酸素と混合されるため、燃焼
の促進が図れる。このように可燃ガスを分散させること
により部分的な空気不足による不完全燃焼を防ぎ、且つ
可燃ガスと燃焼空気が効率よく混合されることにより燃
焼が促進され、一酸化炭素、炭化水素等の未燃分の排出
量を低減することができる。さらに排ガス中の未燃分が
塩化水素などの塩化物と反応して生成するダイオキシン
の排出量も低減することができる。
【００１１】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は、本発明に係る流動層式焼却炉の垂直断
面概略図であり、図２は図１のａ−ａ線水平断面矢視図
（図２（ａ））とｂ−ｂ線の水平断面矢視図（図２
（ｂ））である。図１において、流動層式焼却炉の焼却
炉本体１は流動層２と空塔部３と後燃焼室４とが順に積
み重なった状態に構成されおり、該焼却炉下部には、図
示していないが不燃物等の取り出し装置が設置されてい
る。空塔部３では、塔内のガスの混合を促進させるため
に、空塔部３の垂直方向中心軸は流動層２の垂直方向中
心軸より偏心された位置に配置される。焼却炉壁面に設
置された被燃焼物供給口５より炉内に供給された被燃焼
物１１は流動層２において流動層２下部に設置された多
数の散気管９より供給された一次空気１２によりけい砂
等の流動媒体８とともに流動化されるにしたがって、熱
分解により気化される。この時発生した分解ガス等の可
燃ガスは空塔部３および後燃焼室４において、流動層２
上に吹き抜けた一次空気１２および空塔部３と空塔部出
口６の二段に設置された二次空気供給ノズル１０より供
給される二次空気１３と混合され燃焼された後、焼却炉
出口７より排出される。
明する。図１は、本発明に係る流動層式焼却炉の垂直断
面概略図であり、図２は図１のａ−ａ線水平断面矢視図
（図２（ａ））とｂ−ｂ線の水平断面矢視図（図２
（ｂ））である。図１において、流動層式焼却炉の焼却
炉本体１は流動層２と空塔部３と後燃焼室４とが順に積
み重なった状態に構成されおり、該焼却炉下部には、図
示していないが不燃物等の取り出し装置が設置されてい
る。空塔部３では、塔内のガスの混合を促進させるため
に、空塔部３の垂直方向中心軸は流動層２の垂直方向中
心軸より偏心された位置に配置される。焼却炉壁面に設
置された被燃焼物供給口５より炉内に供給された被燃焼
物１１は流動層２において流動層２下部に設置された多
数の散気管９より供給された一次空気１２によりけい砂
等の流動媒体８とともに流動化されるにしたがって、熱
分解により気化される。この時発生した分解ガス等の可
燃ガスは空塔部３および後燃焼室４において、流動層２
上に吹き抜けた一次空気１２および空塔部３と空塔部出
口６の二段に設置された二次空気供給ノズル１０より供
給される二次空気１３と混合され燃焼された後、焼却炉
出口７より排出される。
【００１２】二次空気供給ノズル１０は、図２に示すよ
うに対向する焼却炉壁面に非対称に設置されているた
め、二次空気流１５は空塔部３の水平断面に図５に示す
二次空気１３の膜Ｄを形成する。また、二次空気供給ノ
ズル１０は、図１に示すように被燃焼物供給口５を有す
る壁面側とその対向する壁面側に下向きに設置されてい
るため、空塔部３で垂直方向の旋回流１７が生じて可燃
ガスと燃焼用空気が効率よく混合され、燃焼が促進され
る。こうして、空塔部３における可燃ガスと燃焼用空気
の混合により、特に被燃焼物の供給量が増加し、急激に
多量の可燃ガスが発生した場合における一時的な一酸化
炭素、炭化水素等の未燃分の排出を抑えることができ
る。図３に示す例は二次空気供給ノズル１０の一部を空
塔部３の出口６の手前に設置した例であり、この場合に
おいても図１のように空塔部出口６に設置した場合と同
様に垂直方向の旋回流１７を促進し、且つ空塔部出口６
への可燃ガスの吹き抜けを防止する効果がある。
うに対向する焼却炉壁面に非対称に設置されているた
め、二次空気流１５は空塔部３の水平断面に図５に示す
二次空気１３の膜Ｄを形成する。また、二次空気供給ノ
ズル１０は、図１に示すように被燃焼物供給口５を有す
る壁面側とその対向する壁面側に下向きに設置されてい
るため、空塔部３で垂直方向の旋回流１７が生じて可燃
ガスと燃焼用空気が効率よく混合され、燃焼が促進され
る。こうして、空塔部３における可燃ガスと燃焼用空気
の混合により、特に被燃焼物の供給量が増加し、急激に
多量の可燃ガスが発生した場合における一時的な一酸化
炭素、炭化水素等の未燃分の排出を抑えることができ
る。図３に示す例は二次空気供給ノズル１０の一部を空
塔部３の出口６の手前に設置した例であり、この場合に
おいても図１のように空塔部出口６に設置した場合と同
様に垂直方向の旋回流１７を促進し、且つ空塔部出口６
への可燃ガスの吹き抜けを防止する効果がある。
【００１３】図４は空塔部３が円筒型の焼却炉における
二次空気供給ノズル１０の設置例であり、本発明は空塔
部３の形状を限定するものではない。以上のように、後
燃焼室４を有し、二段の二次空気供給ノズル１０を設置
した流動層式焼却炉を実施例として本発明を説明した
が、本発明は後燃焼室４の無い焼却炉、一段または三段
以上の二次空気供給ノズル１０を設置した焼却炉にも適
応できる。複数段の二次空気供給ノズル１０を設置した
場合には、いずれか一段以上の二次空気供給ノズル１０
が被燃焼物供給口５に最も近い壁面および前記壁面と対
向する壁面に設置され、いずれか一段以上の二次供給ノ
ズル１０が下向きに設置されていれば良いものである
が、最下段の二次空気供給ノズル１０がこれに含まれる
ことが望ましい。
二次空気供給ノズル１０の設置例であり、本発明は空塔
部３の形状を限定するものではない。以上のように、後
燃焼室４を有し、二段の二次空気供給ノズル１０を設置
した流動層式焼却炉を実施例として本発明を説明した
が、本発明は後燃焼室４の無い焼却炉、一段または三段
以上の二次空気供給ノズル１０を設置した焼却炉にも適
応できる。複数段の二次空気供給ノズル１０を設置した
場合には、いずれか一段以上の二次空気供給ノズル１０
が被燃焼物供給口５に最も近い壁面および前記壁面と対
向する壁面に設置され、いずれか一段以上の二次供給ノ
ズル１０が下向きに設置されていれば良いものである
が、最下段の二次空気供給ノズル１０がこれに含まれる
ことが望ましい。
【００１４】
【発明の効果】本発明の流動層式焼却炉によれば、可燃
ガスと燃焼空気が効率よく混合されることにより可燃ガ
スの燃焼が促進され、一酸化炭素、炭化水素等の未燃分
の排出量を低減することができる。さらに排ガス中の未
燃分が塩化水素などの塩化物と反応して生成するダイオ
キシンの排出量も低減することができる。
ガスと燃焼空気が効率よく混合されることにより可燃ガ
スの燃焼が促進され、一酸化炭素、炭化水素等の未燃分
の排出量を低減することができる。さらに排ガス中の未
燃分が塩化水素などの塩化物と反応して生成するダイオ
キシンの排出量も低減することができる。
【図１】 本発明の一実施例による流動層式焼却炉の垂
直方向断面の概略図である。
直方向断面の概略図である。
【図２】 図１のａ−ａ線断面（図２（ａ））、ｂ−ｂ
線断面（図２（ｂ））の概略図である。
線断面（図２（ｂ））の概略図である。
【図３】 本発明の一実施例による流動層式焼却炉の垂
直方向断面の空塔部出口付近の概略図である。
直方向断面の空塔部出口付近の概略図である。
【図４】 本発明の一実施例による円筒型流動層式焼却
炉の空塔部水平方向断面の概略図である。
炉の空塔部水平方向断面の概略図である。
【図５】 本発明の一実施例による流動層式焼却炉の炉
内ガスの流れを説明する図である。
内ガスの流れを説明する図である。
【図６】 本発明の一実施例による流動層式焼却炉の炉
内ガスの流れを説明する図である。
内ガスの流れを説明する図である。
【図７】 本発明の一実施例による流動層式焼却炉の空
塔部出口付近の炉内ガスの流れを説明する図である。
塔部出口付近の炉内ガスの流れを説明する図である。
【図８】 従来技術による流動層式焼却炉の垂直方向断
面の概略図である。
面の概略図である。
【図９】 図８のａ−ａ線断面（図（ａ））、ｂ−ｂ線
断面（図（ｂ））の概略図である。
断面（図（ｂ））の概略図である。
【図１０】 従来技術による流動層式焼却炉の炉内ガス
の流れを説明する図である。
の流れを説明する図である。
【図１１】 従来技術による流動層式焼却炉の炉内ガス
の流れを説明する図である。
の流れを説明する図である。
【図１２】 従来技術による流動層式焼却炉の炉内ガス
の流れを説明する図である。
の流れを説明する図である。
【図１３】 従来技術による流動層式焼却炉の炉内ガス
の流れを説明する図である。
の流れを説明する図である。
１…焼却炉本体、２…流動層、３…空塔部、４…後燃焼
室、５…被燃焼物供給口、６…空塔部出口、７…焼却炉
出口、８…流動媒体、９…散気管、１０…二次空気供給
ノズル、１１…被燃焼物、１２…一次空気、１３…二次
空気、１５…二次空気流、１４、１７…旋回流
室、５…被燃焼物供給口、６…空塔部出口、７…焼却炉
出口、８…流動媒体、９…散気管、１０…二次空気供給
ノズル、１１…被燃焼物、１２…一次空気、１３…二次
空気、１５…二次空気流、１４、１７…旋回流
Claims (5)
- 【請求項１】 流動層と空塔部を備えた流動層式焼却炉
において、前記空塔部壁面に設置された複数の二次空気
供給ノズルが空塔部の同一水平断面の成す平面上に形成
されるいずれの仮想軸線に対しても非対称であることを
特徴とする流動層式焼却炉。 - 【請求項２】 二次空気供給ノズルが空塔部の被燃焼物
供給口に最も近い壁面および前記壁面と対向する壁面に
設置されていることを特徴とする請求項１記載の流動層
式焼却炉。 - 【請求項３】 二次空気供給ノズルの空気吹き出し方向
が下向きに設置されていることを特徴とする請求項１ま
たは２記載の流動層式焼却炉。 - 【請求項４】 二次空気供給ノズルの一部が空塔部出口
付近に下向きに設置されていることを特徴とする請求項
１ないし３のいずれかに記載の流動層式焼却炉。 - 【請求項５】 流動層の垂直方向中心軸と空塔部の垂直
方向中心軸とが互いに偏心した位置にあることを特徴と
する請求項１ないし４のいずれかに記載の流動層式焼却
炉。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03698494A JP3611595B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 流動層式焼却炉 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03698494A JP3611595B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 流動層式焼却炉 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07243630A true JPH07243630A (ja) | 1995-09-19 |
| JP3611595B2 JP3611595B2 (ja) | 2005-01-19 |
Family
ID=12485024
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03698494A Expired - Lifetime JP3611595B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 流動層式焼却炉 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3611595B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007255825A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Ngk Insulators Ltd | 循環流動炉 |
| CN103604119A (zh) * | 2013-11-28 | 2014-02-26 | 山东科技大学 | 循环流化床二次风配风方法及专用锅炉 |
| JP5933065B1 (ja) * | 2015-03-27 | 2016-06-08 | メタウォーター株式会社 | 焼却装置及び焼却方法 |
| CN106989411A (zh) * | 2017-04-12 | 2017-07-28 | 西安热工研究院有限公司 | 一种锅炉水冷壁气膜保护装置 |
-
1994
- 1994-03-08 JP JP03698494A patent/JP3611595B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007255825A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Ngk Insulators Ltd | 循環流動炉 |
| CN103604119A (zh) * | 2013-11-28 | 2014-02-26 | 山东科技大学 | 循环流化床二次风配风方法及专用锅炉 |
| CN103604119B (zh) * | 2013-11-28 | 2016-06-08 | 山东科技大学 | 循环流化床二次风配风方法及专用锅炉 |
| JP5933065B1 (ja) * | 2015-03-27 | 2016-06-08 | メタウォーター株式会社 | 焼却装置及び焼却方法 |
| CN106989411A (zh) * | 2017-04-12 | 2017-07-28 | 西安热工研究院有限公司 | 一种锅炉水冷壁气膜保护装置 |
| CN106989411B (zh) * | 2017-04-12 | 2024-01-19 | 西安热工研究院有限公司 | 一种锅炉水冷壁气膜保护装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3611595B2 (ja) | 2005-01-19 |
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