JPH07239184A - スクリュ式乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被乾燥物が特定の箇所に付着することを最小
限に抑えることのできるスクリュ式乾燥機を提供する。 【構成】 一端側に被乾燥物ａが供給される供給口２が
設けられかつ他端側に被乾燥物ａを排出する排出口３が
設けられ、その内側を通る被乾燥物ａを加熱する外部加
熱ケーシング部４と、この外部加熱ケーシング部４の軸
心Ｘ位置に固定され、その外側を通る被乾燥物ａを加熱
する内部加熱筒状部５と、外部加熱ケーシング部４と内
部加熱筒状部５との間において軸心Ｘ位置を中心に回転
自在に配設され、駆動装置６により回転されて供給口２
から供給された被乾燥物ａを排出口３側に送り出すリボ
ン状スクリュ７とを備える。これにより、内部加熱筒状
部５などに被乾燥物ａを付着させることなく、良好に乾
燥させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種の化学製品，産業
製品，食品，汚泥などの、生産工程で乾燥を必要とする
塑性体，高濃度流体，または粉粒体などを乾燥するスク
リュ式乾燥機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来のスクリュ式乾燥機は、一
端側に被乾燥物が供給される供給口が設けられていると
ともに他端側に被乾燥物を排出する排出口が設けられた
ケーシング部内に、回転軸と羽根部とが一体形成された
スクリュ体が回転自在に支持された構成とされている。
そして、例えば、ケーシング部に加熱機構が備えられ、
供給口から供給された被乾燥物がスクリュ体にて排出口
側に送り出される間に、この被乾燥物がケーシング部に
より加熱されて乾燥される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成のスクリュ式乾燥機によれば、スクリュ体の回転
軸と羽根部とが一体的に回転する構造であるため、回転
軸や羽根部の回転軸近傍箇所に被乾燥物が付着して共回
りしながら成長することがあり、この場合、被乾燥物の
乾燥が不均一になったり、被乾燥物を良好には送り出す
ことができなくなったりする問題を生じていた。したが
って、従来は回転軸や羽根部の回転軸近傍箇所に付着し
た被乾燥物を適宜かき落としており、余分な手間や時間
を要していた。

【０００４】本発明は上記問題を解決するもので、被乾
燥物が特定の箇所に付着することを防止することのでき
るスクリュ式乾燥機を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明のスクリュ式乾燥機は、一端側に被乾燥物が供
給される供給口が設けられているとともに他端側に被乾
燥物を排出する排出口が設けられ、その内側を通る被乾
燥物を加熱する外部加熱ケーシング部と、この外部加熱
ケーシング部の長手方向に沿う軸心位置に固定され、そ
の外側を通る被乾燥物を加熱する内部加熱筒状部と、前
記外部加熱ケーシング部と内部加熱筒状部との間におい
て前記軸心位置を中心に回転自在に配設され、駆動装置
により回転されることにより前記供給口から供給された
被乾燥物を前記排出口側に送り出すリボン状スクリュと
を備えたものである。

【０００６】

【作用】上記構成により、軸心位置に配設される内部加
熱筒状部を外部加熱ケーシング部に位置固定し、リボン
状スクリュだけが回転する構造としたため、内部加熱筒
状部に被乾燥物が付着した場合でも、この付着した被乾
燥物は内部加熱筒状部により加熱乾燥されながらリボン
状スクリュにより排出口側に送り出されて、排出口から
排出される。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１は本発明の一実施例を示すスクリュ式乾燥機の
一部縦断正面図、図２は同スクリュ式乾燥機の外部加熱
ケーシング部およびその近傍箇所の縦断側面図である。

【０００８】図１および図２に示すように、スクリュ式
乾燥機１は、一端側に被乾燥物ａが供給される供給口２
が設けられているとともに他端側に被乾燥物ａを排出す
る排出口３が設けられた外部加熱ケーシング部４と、こ
の外部加熱ケーシング部４の長手方向に沿う軸心Ｘの位
置に同心状に固定された内部加熱筒状部５と、これらの
外部加熱ケーシング部４と内部加熱筒状部５との間にお
いて軸心Ｘ位置を中心に回転自在に配設され、駆動装置
６により回転されることにより供給口２から供給された
被乾燥物ａを排出口３側に送り出すリボン状スクリュ７
とが備えられている。

【０００９】外部加熱ケーシング部４は、断面略Ｕ字状
の中空構造とされ、一端下部に設けられた加熱媒体流入
口４ａを介して外部加熱ケーシング部４の室内に流入し
たスチームなどの高温熱媒体ｂにより、この外部加熱ケ
ーシング部４の内面に沿って送られる被乾燥物ａを加熱
して乾燥させる。なお、４ｂは外部加熱ケーシング部４
の他端下部に設けられた加熱媒体流出口である。

【００１０】また、外部加熱ケーシング部４の上面は蓋
体８で覆われており、適当箇所、この実施例においては
軸心Ｘ方向に対する両端箇所にガス出入口９，１０が設
けられて、加熱された被乾燥物ａから蒸発するガス成分
を外部へ逃がすようになっている。

【００１１】外部加熱ケーシング部４の軸心Ｘ位置に同
心状に固定された内部加熱筒状部５は、筒状の中空構造
とされ、一端に設けられた加熱媒体流入口５ａを介して
内部加熱筒状部５内に流入したスチームなどの高温熱媒
体ｃにより、この内部加熱筒状部５の外周面に沿って送
られる被乾燥物ａを加熱して乾燥させる。なお、５ｂは
内部加熱筒状部５の他端に設けられた加熱媒体流出口で
ある。

【００１２】リボン状スクリュ７はその基端部に回転リ
ング部７ａが一体的に形成され、この回転リング部７ａ
の部分で、内部加熱筒状部５の端部に外嵌された軸受１
２を介して回転自在に支持されている。回転リング部７
ａの一端には従動ギヤ１１が固定され、この従動ギヤ１
１が、駆動装置６における駆動モータ１２の駆動軸に固
定された駆動ギヤ１３に噛合され、駆動モータ１２の駆
動力が駆動ギヤ１３，従動ギヤ１１，回転リング部７ａ
を介して内部加熱筒状部５に伝達されて回転されるよう
になっている。

【００１３】また、リボン状スクリュ７はその内周側が
内部加熱筒状部５の外周面に沿うように近接して配置さ
れているとともに、外周側が外部加熱ケーシング部４の
内周面にほぼ外周面に沿うように近接して配置されてい
るが、リボン状スクリュ７における適当箇所、この実施
例においては軸心Ｘ方向に対する中央部に、外周側が外
部加熱ケーシング部４の内周面よりも若干小径とされた
小径部７ｃが形成されている。そして、この小径部７ｃ
の外周面には適当間隔ごとに複数の爪部７ｂが設けら
れ、これらの爪部７ｂにより被乾燥物ａを破砕してかき
まぜるように構成されている。

【００１４】外部加熱ケーシング部４の他端側に設けら
れた排出口３には、シリンダ１４により出退されるゲー
ト１５が配置され、このゲート１５により排出口３が開
閉される。

【００１５】上記構成において、供給口２から外部加熱
ケーシング部４内に投入された被乾燥物ａは、リボン状
スクリュ７により排出口３側に順次送られる。そして、
送られる間に、外部加熱ケーシング部４および内部加熱
筒状部５の両側から加熱されて乾燥される。

【００１６】この場合に、外部加熱ケーシング部４だけ
でなく、内部加熱筒状部５も位置固定し、リボン状スク
リュ７だけを回転する構造であるため、内部加熱筒状部
５および外部加熱ケーシング部４に被乾燥物ａが付着し
た場合でも、この付着した被乾燥物ａはリボン状スクリ
ュ７により内部加熱筒状部５または外部加熱ケーシング
部４から離反され、加熱乾燥されながらリボン状スクリ
ュ７により排出口３側に送られる。また、排出口３側に
送られる際、リボン状スクリュ７に設けられた複数の爪
部７ｂにより被乾燥物ａが破砕されてかきまぜられる。

【００１７】この結果、被乾燥物ａは、内部加熱筒状部
５や外部加熱ケーシング部４に付着することなく、外部
加熱ケーシング部４内で良好に分散されながら確実かつ
能率良く加熱乾燥される。なお、排出口３に設けられた
ゲート１５により排出口３の開度が調整され、所望の乾
燥状態を得ることができる。

【００１８】たとえば、被乾燥物ａが汚泥やヘドロであ
る場合には、このスクリュ式乾燥機１の前工程にスクリ
ュ式の脱水機を設けることによりその含水率が約５０％
となるまで脱水することができ、このスクリュ式の脱水
機により脱水された汚泥やヘドロなどの被乾燥物ａを上
記スクリュ式乾燥機１に投入することにより、被乾燥物
ａの含水率が約３０％となるまで乾燥させることができ
る。これにより、被乾燥物ａが良好に殺菌され、被乾燥
物ａの発酵を停止させることができる。

【００１９】なお、上記実施例においては、内部加熱筒
状部５および外部加熱ケーシング部４にそれぞれスチー
ムなどの高温熱媒体ｂ，ｃを循環させて被乾燥物ａを加
熱乾燥させた場合を述べたが、これに限るものではな
く、その他の乾燥用熱源、たとえば電熱発熱させてもよ
い。また、内部加熱筒状部５および外部加熱ケーシング
部４に加えて、リボン状スクリュ７も加熱し、このリボ
ン状スクリュ７によって被乾燥物ａを加熱乾燥させても
よい。リボン状スクリュ７を加熱する手段としてはスチ
ームなどの高温熱媒体を通したり、電熱発熱させるとよ
い。また、上記実施例においては、排出口３を外部加熱
ケーシング部４における軸心Ｘ方向端部箇所に設けた場
合を図示したが、外部加熱ケーシング部４の一部の外周
面側に設けてもよい。また、内部加熱筒状部５を外部加
熱ケーシング部４に直接固定することなく、間接的に固
定してもよく、これらの内部加熱筒状部５および外部加
熱ケーシング部４が固定状態となるように設置すればよ
い。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、軸心位置
に配設される内部加熱筒状部を外部加熱ケーシング部に
位置固定し、リボン状スクリュだけが回転する構造とし
たため、内部加熱筒状部に被乾燥物が付着した場合で
も、この付着した被乾燥物は内部加熱筒状部により加熱
乾燥されながらリボン状スクリュにより分離されて排出
口側に送り出され、この結果、被乾燥物は良好に分散さ
れながら確実に加熱乾燥される。また、外部加熱ケーシ
ング部だけでなく、内部加熱筒状部によっても加熱する
ため、乾燥能力を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すスクリュ式乾燥機の一
部縦断正面図である。

【図２】同スクリュ式乾燥機の外部加熱ケーシング部お
よびその近傍箇所の縦断側面図である。

【符号の説明】

１ スクリュ式乾燥機 ２ 供給口 ３ 排出口 ４ 外部加熱ケーシング部 ５ 内部加熱筒状部 ６ 駆動装置 ７ リボン状スクリュ ７ｂ 爪部 １５ ゲート ａ 被乾燥物 ｂ，ｃ 高温熱媒体 Ｘ 軸心

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端側に被乾燥物が供給される供給口が
   設けられているとともに他端側に被乾燥物を排出する排
   出口が設けられ、その内側を通る被乾燥物を加熱する外
   部加熱ケーシング部と、この外部加熱ケーシング部の長
   手方向に沿う軸心位置に固定され、その外側を通る被乾
   燥物を加熱する内部加熱筒状部と、前記外部加熱ケーシ
   ング部と内部加熱筒状部との間において前記軸心位置を
   中心に回転自在に配設され、駆動装置により回転される
   ことにより前記供給口から供給された被乾燥物を前記排
   出口側に送り出すリボン状スクリュとを備えたことを特
   徴とするスクリュ式乾燥機。