JPH0723849Y2 - ねじカバ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は機器類に取り付けられたねじの頭部に被覆す
るねじカバーに関する。

［従来の技術］ 従来、各種機器に取り付けられたねじ類は、その頭部又
は表面をむきだしのままにしている場合が常であった。
その他、ねじ表面部に樹脂コーティングしたもの等が提
供されていた。

［考案が解決しようとする課題］ 磁気ディスク装置等において、ねじ表面がむき出しのま
まの状態では、静電気が発生した場合これらのねじから
静電気が侵入し、ディスク等に記憶されているデータを
破壊してしまう恐れがあった。更にねじ頭部がむき出し
のままであると、見ばえも悪く、美観上も問題であっ
た。また、ねじ表面部に樹脂コーティングを施したもの
にあっては、ねじ込み作業の際などにこのコーティング
が剥げおちてしまい、静電気の侵入を十分防ぐことがで
きない欠点があった。

この考案の課題は各種機器への外部からの静電気の侵入
防止をはかることを可能にすると共に、ねじの露出部に
簡単に着脱可能に取り付けられるようにすることであ
る。

［課題を解決するための手段］ この考案の手段は次の通りである。

この考案のねじカバーは、マグネット部材と被覆部材と
からなる。上記マグネット部材は、機器に装着されたね
じの頭部と嵌合する形状をなし、該ねじの頭部とは磁力
により磁着可能である。上記被覆部材は、このマグネッ
ト部材と一体的に成形され、上記機器に装着された上記
ねじの頭部と上記マグネット部材とが磁着した際に、機
器より露出している上記ねじの頭部全体を覆う形状であ
り、樹脂やゴムなどの絶縁体の部材である。

［作用］ この考案の手段の作用は次の通りである。

機器にねじを装着した際、このねじの頭部は機器より露
出することになる。そこでこのネジの頭部に本考案のね
じカバーを取り付ける訳であるが、その取り付けの際、
このねじカバーのマグネット部材を機器に装着されたね
じの頭部に嵌合させて磁力により磁着させると、被覆部
材は機器より露出しているネジの頭部全体を覆うことに
なる、そして、この被覆部材は絶縁性を有するため、機
器外部からの静電気を遮断し、静電気が機器内部に侵入
するのを防止する。また、このねじカバーのマグネット
部材はねじ頭部とは磁力により磁着しているだけである
ので、この磁力に反発する力をねじカバーに加えるだけ
で、機器に装着されたねじから上記ねじカバーを簡単に
取り外すことができる。

［第一実施例］ 以下、この考案の第一実施例を添付図面を基づいて説明
する。

第１図（ａ）、（ｂ）は丸ねじの頭部に被せるねじカバ
ーを示す。図に示すように、円盤状のねじカバー１は磁
性ゴム体1aと、合成ゴム体1cとで一体的に形成されてい
る。磁性ゴム体1aは、その内面がねじ頭部の外形形状に
嵌合する碗状をしている。合成ゴム体1cは、前記磁性ゴ
ム体1aの外側部分にゴム体を被覆している。また、前記
磁性ゴム体1aの内面略中央部には、ねじのドライバー溝
に嵌合する凸部1bを十字状に設けている。

第２図は、このねじカバーの使用例であり、フロッピー
ディスク装置２の前面には、フロッピーディスク挿入口
2a、2aが設けられている。ケース2bの両側面には計４個
（２個図示）のねじ３が上、下部ケース固定の為螺着さ
れ、これにこのねじカバー１を被せる状態を示してい
る。この際、ねじ頭部の溝に磁性ゴム体1aの凸部1bが嵌
合するように近づけると、磁性ゴム体1aの磁力によって
容易にねじ頭部にこのねじカバー１を装着させることが
できる。このネジカバー１を使用することによって、機
器内に静電気が侵入するのを防止することができるので
ある。

第３図（ａ）、（ｂ）は前記のものを一部変形したねじ
カバー４を示す。この円盤状のねじカバー４は、金属マ
グネット4aと樹脂材4eとから構成されている。

円盤状をした金属マグネット4aの平面部略中央に、ねじ
頭部に嵌合する凹部4bを設け、この凹部4bの中央部には
ねじのドライバー溝に嵌合する凸部4dを十字状に設けて
いる。また、ワッシャー等を使用することにより凸体が
生ずる場合でも、機器のケース表面にねじカバー４が密
着できるように凹部4cを設けている。そして、この金属
マグネット4aの外側に樹脂材4eを被覆してこのねじカバ
ー４を一体形成している。

第４図は皿ねじの場合を示す。皿ねじの場合は、頭部が
ケース2bより下に沈むように構成している。図に示すよ
うに、このねじカバー５は薄板円盤状をした金属マグネ
ット5aと、樹脂材5cを貼着して成り、その周縁部にはテ
ーパをつけている。又、金属マグネット5aの平面部中央
にはねじのドライバー溝に嵌合する凸部5bを十字状に凸
設している。

第５図のねじカバー６は、金属マグネット6aが丸ねじ頭
部先端部分で嵌合磁着できるように凹部6bを設け、この
金属マグネット6aに樹脂材6cが包囲するよう一体に形成
している。また、金属マグネット6aの磁気の影響を極力
さける為には、ねじ部分に樹脂コーティング3aを施せば
よい。

［第二実施例］ 次に第二実施例について説明する。

第６図は機器のケース2bに取り付けられたねじ３に、ね
じカバー７を被せる状態図を示す。図に示すように、ケ
ース2bの側面に取り付けられたねじ頭部の近傍には穴2
c、2cが設けられている。一方、円盤型のねじカバー７
は、ねじ頭部形状に適合する形状にねじカバー部分を形
成し、これに前記したケース2bの穴2c、2cに嵌合する凸
部7a、7aを設けている。

ねじカバー７は、ケース2bからはずれにくくする為に、
ねじカバー７の凸部7a、7aの先端をわずか大きくして、
ケース2bの穴部2c、2cに圧入させる構成にしてもよい。

上記実施例では、ケース2bに穴を、ねじカバー７に凸部
を夫々設けているが、その逆であってもよい。

前記したこれらのねじカバーは、磁着によるものであっ
ても、凸部を穴部に嵌合させるものにあっても、ワンタ
ッチで装着ができるので、その着脱が極めて容易にでき
る。

更に、樹脂やゴム等を使用することにより、外部からの
磁気にも影響されないようと共に、樹脂やゴム等の色を
好みに応じて選択することができ、より一層見ばえを良
くすることができる。

また、ねじ露出部を直接被覆部材で覆い、その上から磁
性ゴム体等の保持部を被せ機器に保持するようにしても
よい。この場合、被覆部により静電気の進入の防止が計
れると共に、磁力の進入も防止し得る利点がある。

［考案の効果］ この考案は以上詳細に説明したように、機器に取り付け
られたねじの露出部に、例えば、樹脂やゴム等の絶縁材
から成るねじカバーを被せることにより、静電気が機器
内部へ侵入するのを防止することができる。したがっ
て、フロッピーディスク等に記憶されるデータが破壊さ
れるのを防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は第１実施例の丸ねじ用のねじカバーの斜
視図、（ｂ）はそのＡ−Ａ断面図である。第２図はねじ
カバーの使用例を示す斜視図である。第３図（ａ）は第
１図のねじカバーの変形例を示す斜視図、（ｂ）はその
断面図である。第４図（ａ）は皿ねじ用ねじカバーの使
用状態断面図、（ｂ）はこのネジカバーの斜視図であ
る。第５図は別の変形例を示す使用状態断面図である。
第６図は第２実施例のねじカバーの使用例を示す斜視図
である。 １、４、５、６、７……ねじカバー、1a……磁性ゴム
体、1c……合成ゴム体、２……フロッピーディスク装
置、2b……ケース、2c……穴、３……丸ねじ、4a、5a、
6a……金属マグネット、4e、5c、6c……樹脂材、1b、4
d、5b、7a……凸部、4b、4c、6b……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機器に装着されたねじの頭部と嵌合する形
   状をなし、該ねじの頭部とは磁力により磁着可能なマグ
   ネット部材と、このマグネット部材と一体的に成形さ
   れ、上記機器に装着された上記ねじの頭部と上記マグネ
   ット部材とが磁着した際に、機器より露出している上記
   ねじの頭部全体を覆う形状の絶縁性の被覆部材とからな
   ることを特徴とするねじカバー。