JPH07238494A - グラビア印刷用塗被紙 - Google Patents

グラビア印刷用塗被紙

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JPH07238494A
JPH07238494A JP2974694A JP2974694A JPH07238494A JP H07238494 A JPH07238494 A JP H07238494A JP 2974694 A JP2974694 A JP 2974694A JP 2974694 A JP2974694 A JP 2974694A JP H07238494 A JPH07238494 A JP H07238494A
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JP
Japan
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coated paper
paper
gravure printing
pigment
zinc oxide
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JP2974694A
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Inventor
Kazuya Nishikawa
一哉 西川
Itsuro Yamamoto
逸朗 山本
Manabu Fujiwara
学 藤原
Naoko Kaneko
尚子 金子
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 グラビア印刷用塗被紙 【目的】 塗工工程におけるペーパーロール、マシンカ
レンダーロールおよびスーパーカレンダーロール等の汚
れによる生産効率の低下を招くことなく製造でき、グラ
ビア印刷における中間調階調印刷面のミスドットの少な
い高度のグラビア印刷品質が得られ、かつ塗被紙の剛度
および不透明度等の重要品質の優れたグラビア印刷用塗
被紙を提供する。 【構成】 グラビア印刷用塗被紙は、木材パルプを主原
料とする原紙と、この原紙上に形成され、かつ顔料と接
着剤の混合物を主成分とする塗被層を有し、前記塗被層
が、顔料として、中空プラスチックピグメントおよび酸
化亜鉛を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラビア印刷用塗被紙
に関する。さらに詳しく述べるならば、本発明は、主と
して商業美術印刷物、出版印刷物及び紙器印刷物に供さ
れ、中間調階調部の印刷面においてミスドットの発生が
少なく、網点再現性の優れた高級なグラビア印刷物を得
るのに適したグラビア印刷用塗被紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷は、被印刷体へのインキ転
移機構が凸版印刷や平版印刷と異なり、印刷面の濃淡が
金属版材のセルの大きさや深さで表現されるため、中間
調階調部からハイライト部に至る網点再現性が優れ、写
真に近い深みのある印刷が可能である。このため、近
年、高級な印刷分野を中心に用途を大きく拡大してい
る。
【0003】しかしながら、この方法で印刷する際、イ
ンキは、金属版材の微小なセルから直接被印刷体である
紙面に転移させられるため、セル内に満たされたインキ
が完全に紙面に転移せず、或いは欠落して未印刷部分或
いは印刷ドットの白抜け、いわゆるミスドットがしばし
ば発生する。
【0004】ミスドットの発生は、グラビア印刷が高級
印刷用として適用されることから印刷効果を顕著に損な
い、致命的欠陥となる。このため、被印刷体としてのグ
ラビア印刷用塗被紙のみでなく、原稿、印刷条件、色材
(インキ)及び版材からなる印刷の5要素の全てに厳格
な管理が要求される。とりわけ、グラビア印刷用塗被紙
の有する物性がミスドットの発生に著しく影響を及ぼす
ため、グラビア印刷用塗被紙の品質への要求は極めて厳
しい。このような理由から、グラビア印刷用塗被紙の物
性を適正にするため、原紙及び塗被層の両面から多くの
検討が加えられ、種々の改良法が提案されている。
【0005】従来からグラビア印刷におけるミスドット
の発生防止は、塗被紙に平滑性と圧縮性の両特性を付与
させて、塗被紙が印刷時に版材で加圧された状態で、版
材表面と塗被紙表面の密着性を良好にし、効果的にイン
キを転移させることによって改善を図るというものであ
るが、塗被紙の平滑性を良好にする方法と、塗被紙に圧
縮性を付与する方法は、共に二律背反的な特性を塗被紙
に付与するものであり、従って、これらの特性を同時に
満足できる水準を備えた満足し得る塗被紙を得ることは
困難である。
【0006】例えば、原紙を製造するための原料として
化学パルプの他に砕木パルプ(GP)、サーモメカニカ
ルパルプ(TMP)、リファイナーグランドパルプ(R
GP)等の機械パルプを配合した原紙を用いる方法が古
くから実用化されている。これは機械パルプを配合した
原紙の圧縮性が化学パルプのみを用いた場合に比べ大き
い性質を利用したものであるが、一方で機械パルプは、
その使用量を増せば原紙の表面性を悪化させるので、ミ
スドットの発生増加を付随的に伴うものである。
【0007】塗被紙の平滑性を良好にするためにはマシ
ンカレンダーやスーパーカレンダーのような表面仕上げ
設備を用いて、塗被紙の表面を金属ロールに圧接して処
理されるが、仕上げを強化すると当然のことながら平滑
性は向上するが、逆に嵩高さの減少を招き、剛度と不透
明度の低下を伴いながら圧縮性も損なわれ、一方、圧縮
性を重視して仕上げの程度を軽減すれば、逆に表面の平
滑性が損なわれるという結果となる。従って、原紙の物
性のみでミスドットを完全に消去することは難しく、塗
被層の物性も含めて適正化を図ることが不可欠である。
このため、塗被層の組成に関して種々の検討が行われて
いる。
【0008】特開平1−201599号公報および特開
平2−139500号公報には塗被層の接着剤に関し、
特定の共重合体物質を適用する方法が開示されている。
これらはともに脂肪族共役ジエン系単量体の使用比率を
高めて重合して得られる共重合体物質で、ポリマーのガ
ラス転移温度はマイナスの温度域にまで低下させられて
おり、そのような共重合体物質を接着剤として用いるこ
とにより塗被紙の表面に良好な造膜性と柔軟性を付与
し、ミスドットの発生を防止しようとするものである。
【0009】しかし、前記した如く脂肪族共役ジエン単
量体の使用比率が高められてポリマーのガラス転移温度
が低下させられた共重合体物質を接着剤として配合した
塗被組成物を用いて塗被層を形成した場合、乾燥の際に
塗被層の硬化が不十分となり、塗被層を乾燥した後にペ
ーパーロールおよびスーパーカレンダー等のロールに汚
れ或いは付着物(いわゆるカス)を生じせしめ、そのた
め生産設備を定期的に停止して除去作業を行なわざるを
得ず、生産効率を著しく損なうという欠点がある。
【0010】従来から、グラビア印刷用紙の塗被組成物
として使用される顔料としては、一般的に、カオリン
(カオリナイトクレー)、炭酸カルシウム等の無機顔料
が挙げられる。カオリンは、塗被紙に平滑性と光沢性を
付与する点で優れており、一級クレー、二級クレー、デ
ラミネーテッドクレー等があり、更にミスドットの発生
防止と不透明度の増加を目的として焼成クレーを併用す
ることも知られている。一方、ミスドットの発生防止と
白色度及び不透明度の増加を狙って、プラスチックピグ
メントのような有機顔料が用いられている。しかしなが
ら、焼成クレー、プラスチックピグメントは塗被液の粘
性を顕著に高くする性質を有しており、操業性を悪化さ
せ、しかも高価なものであるため大量に使用することは
できないという欠点がある。
【0010】特開平1−118695号公報および特開
平3−40897号公報には、塗被層に炭酸カルシウム
とタルクという特定の顔料を含有させることにより、軽
度の仕上げ処理でミスドットの少ない塗被紙を製造する
方法が開示されている。タルクは鱗片状で優れた平滑性
を塗被紙に付与させることができるが、一方、その使用
に際しては、水中での分散性が劣り容易に分散できない
ばかりか、塗被液の粘度を著しく上昇させるため配合率
に制約があり、ミスドットの発生を防止する効果が乏し
い上に、焼成クレーやプラスチックピグメントと同様
に、塗被液の粘度が上昇するので高濃度での塗工が困難
になり、生産効率を低下させるという結果を招く欠点を
有している。
【0011】特開昭64−20396号公報には、内部
に空隙を有するアクリル−スチレン共重合体のような非
造膜性樹脂粒子からなるプラスチックピグメントを重質
炭酸カルシウム、デラミネーテッドクレー等の無機顔料
と併用することにより不透明度、白紙光沢度、平滑度、
ミッシンドット発生率において従来品より優れた塗被紙
が開示されている。塗被液の粘度増加による塗被液を塗
被した際の組成物の均一なレベリングや作業性の悪化を
避けるため内部に中空を有するプラスチックピグメント
の含有量は、顔料重量当り2〜20重量%である。
【0012】しかしながら、この方法によれば中空を有
するプラスチックピグメントの含有量が低い水準(全顔
料当り20重量%以下)に維持されて塗被液の増粘とコ
ストの高騰に関する問題は解消されているが、その表面
性が依然として不十分で塗被後の塗被層表面から一部が
剥がれてペーパーロール、カレンダーロール等のロール
の汚れやスーパーカレンダーでのロール汚れを発生する
という問題を有している。
【0013】以上の理由から、塗被工程におけるペーパ
ーロール、スーパーカレンダー等のロールの汚れによる
生産効率の低下を招くことなく塗被紙が製造でき、グラ
ビア印刷を行なう際に中間調階調部の印刷面にミスドッ
トの発生が少なく、且つ塗被紙の密度が低く、剛度と不
透明度が高い等の品質特性を有するグラビア印刷用塗被
紙が強く求められているが、未だこれらの特性を備え、
要件を満たし得る基材は提供されていないというのが現
状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、塗被工程におけるペーパーロール、マシン
カレンダーおよび加工工程におけるスーパーカレンダー
のロール等の汚れによる生産効率の低下を招くことなく
塗被紙を製造でき、しかも印刷する際にミスドットの発
生の少なく、高級なグラビア印刷品質特性が得られ、且
つ塗被紙の剛度および不透明度等の重要な品質特性にも
優れたグラビア印刷用塗被紙を得るため、原紙上に形成
する塗被層の材料について鋭意研究した結果、遂にこれ
らの要件を満たし得るグラビア印刷用塗被紙を得ること
ができ、本発明を完成させるに至った。
【0015】即ち、グラビア印刷におけるミスドットの
発生に影響する要因を細部に亘り解析した結果、ミスド
ットの発生を防止するためには、確かに前記したよう
に、(1)塗被紙の表面平滑性を向上させ、印刷時にお
いて版材表面と塗被紙の表面の密着性を良好にするこ
と、及び(2)塗被紙の圧縮性を向上させ、塗被紙が印
刷に際し、版材で加圧された状態で版材表面と塗被紙の
表面との密着性をより一層良好にすることの両方が重要
であるが、本発明者等は、前記中空プラスチックピグメ
ントと酸化亜鉛とを一緒に併用することにより、ペーパ
ーロール、スーパーカレンダー等のロールに塗被紙の表
面が機械的に圧接されても、前記の塗被組成物を構成す
る塗膜成分の一部がロール表面にカスとして付着するこ
とを伴うことなく、かかる印圧下での塗被層の圧縮性を
一層強化することができ、従って塗被紙の平滑性を高め
る(1)の手法も充分活用できるので、塗被紙の重要な
品質特性である嵩高性を減少せしめることなく、剛度、
不透明度等の品質特性の損失もなしにグラビア印刷適性
に優れた塗被紙を得ることができることを見出だしたの
である。
【0016】本発明の目的は、塗被工程におけるペーパ
ーロール、マシンカレンダーおよび加工工程におけるス
ーパーカレンダーのロール等における塗膜成分の剥がれ
による汚れ、付着物等を発生させることなく、従って塗
被紙の製造に際し生産効率の低下を招くことなく、しか
もグラビア印刷における中間調階調部の印刷面へのミス
ドットの発生が少なく、高級なグラビア印刷品質が得ら
れ、且つ塗被紙の剛度、不透明度等の重要な品質特性の
優れたグラビア印刷用塗被紙を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、木材パ
ルプを主原料とする原紙の上に顔料と接着剤から構成さ
れる塗被層が形成されてなるグラビア印刷用塗被紙にお
いて、該塗被層が、顔料として中空プラスチックピグメ
ントと酸化亜鉛を含有することを特徴とするグラビア印
刷用塗被紙である。
【0018】本発明の第二は、中空プラスチックピグメ
ントと酸化亜鉛の重量比が1:0.2〜1:2.0であ
ることを特徴とする本発明第一に記載のグラビア印刷用
塗被紙である。
【0019】本発明は、木材パルプを主原料とする原紙
の上に顔料と接着剤から構成される塗被層が形成されて
なるグラビア印刷用塗被紙において、該塗被層が、顔料
として中空プラスチックピグメントと酸化亜鉛を含有す
ることを特徴とするグラビア印刷用塗被紙である。
【0020】本発明においては、前記の中空プラスチッ
クピグメントの内部が中空であるためこれを含有する塗
膜は圧縮されても再び回復する性質を有し、グラビア印
刷に際しても好ましい十分な圧縮性が得られ、このため
ミスドットの発生防止に大きく貢献する。一方、前記プ
ラスチックピグメントと一緒に用いられる酸化亜鉛は、
塗料の塗被、乾燥に際し塗膜において穏和な凝集作用を
発揮し、中空プラスチックピグメントをより空隙に富む
多孔性構造とするので、グラビアインキの受理性を向上
させるとともに、凝集作用により塗膜表面の粘着性を低
下させるため、ペーパーロール、スーパーカレンダー等
のロールに塗被紙の表面が機械的に圧接されても塗膜成
分のロール表面への付着を防止する作用を発揮するので
ある。
【0021】本発明に用いられる原紙は、広葉樹晒クラ
フトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ等の化学パルプ、
GP、RGP、TMP等の機械パルプを原料として用い
公知の長網多筒型抄紙機、長網ヤンキー型抄紙機、丸網
抄紙機等で抄紙される上質紙、中質紙、片艶紙およびク
ラフト紙等の酸性紙、中質紙、アルカリ性紙を包含する
ものである。原紙中には紙力増強剤、サイズ剤、填料、
歩留向上剤等の抄紙補助薬品が含まれ、必要に応じて、
サイズプレス或いはゲートロールコーターにより澱粉、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル等の薬品
が塗布される。
【0022】本発明に用いられる塗被組成物は、顔料と
接着剤を主成分として構成され、顔料として用いる中空
プラスチックピグメントとは、スチレン−アクリル共重
合体を主成分とする外殻層を有する球状粒子で内部に空
隙、即ち空気充填部分を有する有機顔料であり、例えば
ロームアンドハースから市販されているローペイクHP
−90(外径約1ミクロン、内部の空隙容積率50%)
がこれに相当する。また、本発明の無機顔料としての酸
化亜鉛とは、通常白色顔料として使用され粒径0.02
〜1ミクロンの粉体顔料で、例えば、堺化学から市販さ
れているサゼックス2000がこれに相当する。
【0023】前記、中空プラスチックピグメント含有量
は、中空プラスチックピグメントを配合すると塗料の粘
度が上昇し、製造コストが高騰するので、ブレード塗
工、ロール塗工等による塗工を前提とした場合、全顔料
重量当り2〜22重量%である。2重量%未満では中空
プラスチックピグメントの効果が発現せず、22重量%
を超えて多くなると、塗料粘度及び製造コストの増加の
面から適さない。一方、酸化亜鉛の含有量は、中空プラ
スチックピグメントと酸化亜鉛の重量比が1:0.2〜
1:2.0である。この酸化亜鉛の比が0.2未満で
は、凝集効果が十分発揮されず、その比が2.0を超え
て多くなると、プラスチックピグメントの有する圧縮性
が失われるので適さない。
【0024】これらの顔料と混合して使用できる他の顔
料としては、特に限定されないが、公知のカオリン、重
質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、サチンホワイト、二酸化チタン等の無機顔料を
挙げることができ、これらの中から必要に応じて適宜選
択して使用される。更に、これらの顔料の他に分散剤、
耐水化剤、潤滑剤、消泡剤、着色剤、防腐剤等の補助薬
品を任意に配合することができる。
【0025】本発明に用いられる接着剤としては、カゼ
イン、デンプン及びその変性物、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等の天然接着剤及
びポリビニルアルコール、スチレンブタジエン共重合体
ラテックス、ポリアクリルアミド共重合体及びアクリル
酸エステル及び/又はメチルメタアクリル酸エステル共
重合体等の合成接着剤を任意に選定して使用することが
できる。
【0026】前記の如くして得られる塗被組成物は、サ
イズプレス、ゲートロールコーター、バーコーター、ロ
ールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター
等から任意に選定された公知の塗被設備において前記原
紙の片面或いは両面に片面塗被量が絶乾重量で3〜20
g/m2の範囲内でオンマシン或いはオフマシンで一段
で或いは顔料と接着剤を主成分とする別の塗被組成物を
予め下塗りし、その上に前記の塗被組成物を塗被すると
いう多段で塗被される。塗被量が3g/m2では、ミス
ドットの減少が得られず、20g/m2を超えると、ミ
スドットの発生を防止するためには良好であるが、効果
は頭打ちになり、コストの増加を伴うので適さない。
【0027】このようにして塗被された塗被紙は、公知
の乾燥機で乾燥された後、スーパーカレンダーのような
表面の仕上げ設備で平滑化処理が施される。その場合、
平滑度の水準は、ミスドットの発生の防止効果、嵩高に
よる圧縮性、剛度、不透明度等の物性を良好にすること
を考慮すると、JAPAN TAPPI紙パルプ試験法
No.5に記載される王研式平滑度で200〜1000
秒の範囲にコントロールされる。
【0028】本発明のグラビア印刷用塗被紙は、酸化亜
鉛の有する優れた凝集効果によって塗膜表面を粘着性が
少なく、より空隙に富む多孔性構造とすることができ、
中空プラスチックピグメントの有する圧縮性や不透明性
を十分活用できるので、グラビア印刷において中間調階
調部の印刷面でのミスドットが少なく、且つ嵩、剛度、
不透明度等の重要な品質特性の優れたグラビア印刷品質
が得られるのである。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、以下において%とあるのは、すべて重量
%を示す。
【0030】実施例1 フリーネス470mlcfsの針葉樹晒クラフトパルプ
20%及びフリーネス470mlcfsの広葉樹晒クラ
フトパルプ80%からなる木材パルプ原料に絶乾パルプ
重量当りでタルク(商標:SPE、荒川化学工業製)の
含有量が10%となるように添加し、更に強化ロジンサ
イズ0.3%と硫酸バンド2%を添加し、長網多筒型抄
紙機により米坪量70g/m2の原紙を抄造した。原紙
の王研式平滑度は45秒であった。
【0031】次に、顔料としてカオリン(商標:HTク
レー、米国エンゲルハード製)96.3%、中空プラス
チックピグメント(商標:ローペイクHP−90、米国
ロームアンドハース製)3.0%及び酸化亜鉛(商標:
サゼックス2000、堺化学製)0.7%(中空プラス
チックピグメントと酸化亜鉛の比は1:0.23)を用
いて、絶乾顔料重量当りアクリル系分散液(商標:ポイ
ズ520、花王製)2.5%を添加し、固形分濃度50
%において高速デリッターを用いて分散後、更に接着剤
としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商
標:JSR−0619、ガラス転移温度:−4℃、日本
合成ゴム製)を固形分換算で絶乾顔料重量当り10%添
加、混合し、更に潤滑剤(ノプコートC−108、サン
ノプコ製)1.0%、消泡剤(DEF122NS、サン
ノプコ製)0.03%、蛍光染料(FoL、日本化薬
製)0.10%を添加、混合し、5%濃度の苛性ソーダ
溶液を用いてpH8.5に調整して60%固形分濃度の
塗被液を製造した。
【0032】この塗被液を前記原紙の上に、ブレードコ
ーターを用いて片面の乾燥重量が10.0g/m2にな
るように塗被速度600m/分で両面に塗被し、公知の
ドライヤーで水分含有量が5.8%になるまで乾燥し
た。得られた塗被紙を実験室用スーパーカレンダー(熊
谷理機工業製)に通し、圧接処理して塗被紙の表面が王
研式平滑度で300秒に仕上げ、グラビア印刷用塗被紙
を製造した。
【0033】汚れの発生状況、得られた塗被紙のミスド
ット発生防止の状況、平滑度、密度、剛度、不透明度を
次の試験で測定した。試験方法 (1)汚れの発生状況 2時間の塗被の間に発生したペーパーロール、カレンダ
ー等のロールの汚れ及びスーパーカレンダーでのロール
の汚れを目視で観察し、評価した。(2)ミスドット発生防止の状況 得られたグラビア印刷用塗被紙から所定の供紙片を作製
し、大蔵省印刷局式グラビア印刷適性試験機(熊谷理機
工業製)により網グラビア版を用いて印刷し、10〜7
0%網点部のミスドットの発生状況を目視で観察して、
○:発生がなく極めて良好、△:発生がありやや不良、
×:発生があり極めて不良で評価した。
【0034】(3)平滑度 JAPAN TAPPI紙パルプ試験法No.5により
測定した。(4)緊度 JIS P 8118により測定した。(5)剛度 JIS P 8143によりクラーク剛度を測定した。(6)不透明度 JIS P 8138により測定した。
【0035】実施例2 実施例1で得られた原紙を用いてその上にカオリン(商
標:HTクレー、米国エンゲルハード製)91.3%、
中空プラスチックピグメント(商標:ローペイクHP−
90、米国ロームアンドハース製)3.0%、酸化亜鉛
(商標:サゼックス2000、堺化学製)5.7%(中
空プラスチックピグメントと酸化亜鉛の比は1:1.
9)とした以外は実施例1と同様にして塗被、乾燥し、
スーパーカレンダー処理してグラビア印刷用塗被紙を製
造し、その品質を評価した。塗被紙の王研式平滑度は2
50秒であった。
【0036】実施例3 実施例1で得られた原紙を用いてその上にカオリン(商
標:HTクレー、米国エンゲルハード製)75.0%、
中空プラスチックピグメント(商標:ローペイクHP−
90、米国ロームアンドハース製)20.0%、酸化亜
鉛(商標:サゼックス2000、堺化学製)5.0%
(中空プラスチックピグメントと酸化亜鉛の比は1:
0.25)とした以外は実施例1と同様にして塗被、乾
燥し、スーパーカレンダー処理してグラビア印刷用塗被
紙を製造し、その品質を評価した。塗被紙の王研式平滑
度は250秒であった。
【0037】比較例1 塗被用組成物の顔料組成としてカオリン(商標:HTク
レー、米国エンゲルハード製)100%以外は実施例1
と同様にしてグラビア印刷用塗被紙を製造し、その品質
を評価した。塗被紙の王研式平滑度は300秒であっ
た。
【0038】比較例2 塗被用組成物の顔料組成としてカオリン(商標:HTク
レー、米国エンゲルハード製)88.5%、中空プラス
チックピグメント(商標:ローペイクHP−90、米国
ロームアンドハース製)10.0%、及び酸化亜鉛(商
標:サゼックス2000、堺化学製)1.5%(中空プ
ラスチックピグメントと酸化亜鉛の比は1:0.15)
とした以外は実施例1と同様にしてグラビア印刷用塗被
紙を製造し、その品質を評価した。塗被紙の王研式平滑
度は300秒であった。
【0039】比較例3 塗被用組成物の顔料組成としてカオリン(商標:HTク
レー、米国エンゲルハード製)88.0%、中空プラス
チックピグメント(商標:ローペイクHP−90、米国
ロームアンドハース製)3.0%、酸化亜鉛(商標:サ
ゼックス2000、堺化学製)9.0%(中空プラスチ
ックピグメントと酸化亜鉛の比は1:3)とした以外は
実施例1と同様にしてグラビア印刷用塗被紙を製造し、
その品質を評価した。塗被紙の王研式平滑度は300秒
であった。
【0040】実施例及び比較例で得られた結果を表1に
示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明かなように、本発明に係るグラ
ビア印刷用塗被紙は、ロール汚れもなく、塗被紙の密度
は低く、剛度が高く、紙に腰があり、不透明度も高い
上、ミスドットは発生せず、網点再現性に優れている
(実施例1〜3)。これに対し、カオリンのみを含有
し、中空プラスチックピグメントと酸化亜鉛を全く含有
しない場合には、ミスドットとロール汚れが発生し(比
較例1)、又、中空プラスチックピグメントと酸化亜鉛
を含有する場合でも、酸化亜鉛の含有量が少ないとロー
ル汚れが発生し、(比較例2)、酸化亜鉛の含有量が多
いとミスドットが発生した(比較例3)。
【0043】
【発明の効果】本発明は、塗被工程におけるペーパーロ
ール、マシンカレンダー及び加工工程におけるスーパー
カレンダーのロール等の汚れによる生産効率の低下を招
くことなく、グラビア印刷における中間調階調部の印刷
面にミスドットの発生が少なく、且つ剛度と不透明度の
ような重要な品質特性にも優れ、腰があって高級なグラ
ビア印刷用塗被紙を提供するという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 尚子 東京都江東区東雲1丁目10番6号 新王子 製紙株式会社東京商品研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプを主原料とする原紙の上に顔
    料と接着剤から構成される塗被層が形成されてなるグラ
    ビア印刷用塗被紙において、該塗被層が、顔料として中
    空プラスチックピグメントと酸化亜鉛を含有することを
    特徴とするグラビア印刷用塗被紙。
  2. 【請求項2】 中空プラスチックピグメントと酸化亜鉛
    の重量比が1:0.2〜1:2.0であることを特徴と
    する請求項1に記載のグラビア印刷用塗被紙。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002088679A (ja) * 2000-09-06 2002-03-27 Nippon Paper Industries Co Ltd グラビア印刷用塗工紙
JP2008031602A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Daio Paper Corp 片艶紙及びその製造方法

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