JPH0723753B2 - 舶用減速逆転機の緩嵌入弁付調圧装置 - Google Patents

舶用減速逆転機の緩嵌入弁付調圧装置

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JPH0723753B2
JPH0723753B2 JP62108044A JP10804487A JPH0723753B2 JP H0723753 B2 JPH0723753 B2 JP H0723753B2 JP 62108044 A JP62108044 A JP 62108044A JP 10804487 A JP10804487 A JP 10804487A JP H0723753 B2 JPH0723753 B2 JP H0723753B2
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敏夫 今中
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ヤンマーディーゼル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、舶用減速逆転機の緩嵌入弁付調圧装置に関
する。
従来の技術 第4図は、この種の緩嵌入弁付調圧装置を備えた舶用減
速逆転機の油圧回路図を示している。
図において、(1)は、適宜手段によって駆動される油
圧ポンプ、(2)は、この油圧ポンプ(1)の下流側に
設置された前後進切換弁を示している。この前後進切換
弁(2)の上流側でメイン通路(3)から分岐したサブ
通路(4)には、緩嵌入弁付調圧装置を構成する緩嵌入
弁付調圧器(5)が設置されている。そして、この緩嵌
入弁付調圧器(5)から排出された圧油が、潤滑用に供
せられるようになっている。
また、前後進切換弁(2)には、前進クラッチ(6)へ
至る前進作動油通路(7)、同じく後進クラッチ(8)
へ至る後進作動油通路(9)及び前記の緩嵌入弁付調圧
器(5)へ至る連絡通路(10)が各々接続されている。
ところで、上記の緩嵌入弁付調圧器(5)としては、例
えば第5図に示されるようなものが従来から使用されて
いた。その構造を概略的に説明すると、(11)は、有底
筒状のバブルケース(12a)と、そのバルブケース(12
a)の開口部分を塞ぐ前蓋(12b)とからなる調圧器本体
を示している。バルブケース(12a)の後端側には、調
圧弁(13)が前後摺動自在に内挿されている。(14)
は、上記のサブ通路(4)へ通じるポンプポート、(1
5)は、このポンプポート(14)へ流入した圧油を逃が
すための潤滑油ポートを示している。
一方、バルブケース(12a)の前端側には、緩嵌入弁(1
6)が前後摺動自在に内挿されており、この緩嵌入弁(1
6)と上記の調圧弁(13)との間には、コイルばね部材
からなる調圧ばね(17)が介装されている。また、その
バルブケース(12a)の開口部分を塞ぐ前蓋(12b)に
は、前記の連絡通路(10)へ通じる油通路(18)が形成
されており、この油通路(18)の端部は、緩嵌入弁(1
6)の背面側に形成された背圧室(19)に臨んで開口し
ている。
なお、前後進切換弁(2)の切換レバー(20)が中立位
置のときには、前記のメイン通路(3)と連絡通路(1
0)とは、第4図に示されるように遮断された状態とな
っている。このような中立状態では、前記の緩嵌入弁
(16)の背面側の背圧室(19)には圧油が供給されない
から、その緩嵌入弁(16)と調圧弁(13)との間に介装
された調圧ばね(17)が、第5図に示されるように伸張
した状態となる。したがって、前記のサブ通路(4)及
びポンプポート(14)を経由して調圧弁室(21)に流入
したメイン通路(3)の圧油は、調圧弁(13)を簡単に
押し除けて潤滑油ポート(15)へ流出することとなり、
メイン通路(3)の作動油圧が低圧に設定されることに
なる。そして、上記の緩嵌入弁(16)が右方へ移動する
と、それによって調圧ばね(17)が押し縮められて付勢
力が高まるから、それによって調圧弁室(21)に連通す
るメイン通路(3)の作動油圧が上昇することになる。
次ぎに、前記の緩嵌入弁付調圧器(5)の働きについて
若干の説明をする。前記の切換レバー(20)を、例えば
前進位置に倒すと、前記のメイン通路(3)が、前進作
動油通路(7)及び連絡通路(10)の双方に連通する。
第6図には、切換操作後からの油圧及びプロペラ軸回転
数の時間変化を示してある。すなわち、切換操作直後で
は、前後進切換弁(2)へ供給された圧油が、前進作動
油通路(7)を経由して前進クラッチ(6)へ供給され
る。それゆえ、第6図における上図の実線で示したメイ
ン通路(3)の元圧曲線は、切換操作直後に一旦低下す
る。
なお、前進作動油通路(7)及びそれに接続した前進ク
ラッチ(6)に圧油が初期充填されてからは、前進作動
油通路側の作動油圧は、同じく上図の1点鎖線で示すよ
うに急激に立ち上がっているが、メイン通路(3)の作
動油圧を示す元圧曲線は殆ど変化しない。これは、切換
レバー(20)の操作によって連絡通路(10)と連通状態
となったメイン通路(3)の作動油が、その連絡通路
(10)の途中に設けられた絞り(22)によって絞られ、
その絞られた作動油が緩嵌入弁付調圧器(5)の背圧室
(19)に流入することにより、緩嵌入弁(16)の移動速
度が遅くなってメイン通路(3)の油圧上昇が遅延する
ことによる。なお、切換レバー(20)を中立位置に戻し
たときには、前記の背圧室(19)の圧油は、上記絞り
(22)と並列状態に設置した逆止弁(23)を通って急速
に排出される。
前進作動油通路(7)を介して前進クラッチ(6)へ供
給される作動油圧が或程度上昇した時(t1)には、作動
油の粘性によって前進クラッチ(6)にトルクが伝達さ
れ始め、それによってプロペラ軸が回転し始める。プロ
ペラ軸回転数は、第6図の下図に示すように、前進クラ
ッチ圧力が上昇するに従って急激に上昇する。
そして、前進クラッチ側圧力が元圧に一致した前進クラ
ッチ完全嵌入時(t2)には、下図のように一定のプロペ
ラ軸回転数となる。
ところで、この種の舶用減速逆転機が搭載される船舶で
は、前記の前後進切換弁(2)の切換レバー(20)を前
進位置から後進位置に急激に倒すクラッシュアスターン
操作が行なわれることがある。
第7図は、この従来例におけるクラッシュアスターン操
作時における作動油圧とプロペラ軸回転数の時間変化を
示している。すなわち、メイン通路(3)の元圧は、上
図のようにクラッシュアスターン開始時(t3)から急速
に降下するが、プロペラ軸回転数は、上記の切換レバー
(20)を中立位置から後進位置に倒しても、下図に示さ
れるように、船速に影響されて中々低下しない。そのた
め、後進クラッチ(8)の作動油圧が上図の1点鎖線の
ようにある程度上昇して、後進クラッチ(8)へトルク
が伝達され始めたトルク伝達開始時(t4)でも、プロペ
ラ軸回転数は零にはならず高速回転することになる。
したがって、後進クラッチ側圧力が元圧に一致した後進
クラッチ完全嵌入時(t5)でも、後進クラッチ(8)の
被動板(8a)(8a)……と駆動板(8b)(8b)……の相
対回転は零にはならず、互いに擦れ合いながら回転する
ことになる。それゆえ、プロペラ軸回転数が零になる前
後進反転時(t6)には、高圧の作動油圧が後進クラッチ
(8)に作用することになり、それによって大きな嵌入
時ショックを発生したり、後進クラッチ(8)に“鳴
き”と称する現象が生じたり、最悪の場合にはエンジン
ストップを招来するという種々の問題点がある。
従来、このようなクラッシュアスターン時のトラブルを
防止する試みとしては、下記のような二通りの方法が考
えられていた。
その一つは、エンジン回転数センサからの検出信号に応
じて動作する“エンスト防止用リレー”により、前後進
切換弁(2)の切換レバー(20)を操作するための操作
機構を作動させるようにすることである。すなわち、エ
ンジンが停止する寸前に、上記の“エンスト防止用リレ
ー”をON状態にして、それによって切換レバー(20)を
一旦中立位置に戻す一方、エンジン回転数が再上昇した
ときには、“エンスト防止用リレー”をOFF状態にし
て、それによって切換レバー(20)を再び後進位置に倒
して逆推力を掛け、このような操作がエンジンストップ
を生じない船速まで繰り返して行なうようにされてい
る。
しかしながら、その間には、後進クラッチ(8)の駆動
板(8b)(8b)……と被動板(8a)(8a)……とが半ク
ラッチ状態で接触するから、どうしても無理が掛り早期
に摩耗してメンテナンス期間が短くなるのみならず、船
速が充分に低下する迄長時間要するという不都合があ
る。
そのため、従来では、緩嵌入弁付調圧器(5)として、
第8図に示すようなものが使用されている。このもので
は、調圧器本体(11)を構成するバルブケース(12a)
に内蔵された緩嵌入弁(16)に、そのバルブケース(12
a)の開口部分を塞ぐ前蓋(12b)を貫通して突出する中
空状の軸部(16a)が設けられるとともに、その中間部
分に大小のばね受け段部(24a)(24b)を有する螺子棒
(24)が、上記軸部(16a)へ挿入状態に螺合されてい
る。そして、外側のばね受け段部(24a)と調圧弁(1
3)との間には、ばね定数の小さい中立時作動油圧設定
用ばね(25)が介装されるとともに、その中立時作動油
圧設定用ばね(25)の内側に、ばね定数の大きいクラッ
チ嵌入時圧力設定用ばね(26)が配置されている。この
クラッチ嵌入時圧力設定用ばね(26)は、中立時には内
側のばね受け段部(24b)から離れて完全に伸び切った
状態となっている。
したがって、このものでは、前記の切換レバー(20)を
例えば中立位置から前進位置に倒す通常操作時において
は、外側の中立時作動油圧設定用ばね(25)の働きによ
り、第9図に示すように、前進クラッチ完全嵌入時
(t2)を過ぎてから暫くの間は元圧曲線が変化せずに、
若干の遅延時間(Δt)が経過して、前記の緩嵌入弁
(16)と一体的に移動する螺子棒(24)の内側のばね受
け段部(24b)が、ばね応力の大きいクラッチ嵌入時圧
力設定用ばね(26)に当接してから、そのクラッチ嵌入
時圧力設定用ばね(26)の付勢力が中立時作動油圧設定
用ばね(25)の付勢力に付加することにより、元圧曲線
が急速に立ち上がるようになっている。
それゆえ、クラッシュアスターン操作時での前後進反転
時(t6′)を、第7図の下図に示すように、後進クラッ
チ完全嵌入時(t5)から或程度遅延させることができ
る。
発明が解決しようとする問題点 しかし、このようにしても、大きな嵌入時ショックが発
生したり、後進クラッチ(8)に“鳴き”が生じたり、
エンジンストップが発生するというトラブルは、依然と
して改善されなかった。
このようなトラブルは、第9図において、遅延時間(Δ
t)の間の圧力変化(Δp)を少なくすればよいのだ
が、そのためには前記の中立時作動油圧設定用ばね(2
5)のばね定数を小さくする必要がある。
ところで、中立時作動油圧設定用ばね(25)等に使用す
るコイルばね部材のばね定数を小さくするには、.ば
ね材の線径を細くするか、.巻数を増やすか、.コ
イルの平均径を大きくするかすればよいことは判明して
いる。
しかながら、中立時作動油圧設定用ばね(25)を1本と
したまま線径を落とせば、許容荷重の関係から中立圧が
低くなり過ぎるから、機構的に成り立たないという不都
合がある。一方、線径を落とさずに同一コイル径のまま
巻数をふやせば、密着長さが長くなり弁仕組が大型化す
るという難点がある。それでは、巻数を増やさずにコイ
ル径を大きくしようとすれば、充分なばね定数を得るた
めにはコイル径が非常に大きくなり、同じく弁仕組が大
型化するという難点がある。
この発明は、このような問題点に鑑みて成されたもの
で、緩嵌入弁が作動し始めてからの元圧の圧力上昇が極
力少ない緩嵌入弁付調圧装置を提供することを目的とし
ている。
問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための手段をこの発明の一実施例に
対応する第1図を用いて説明する。すなわち、この発明
では、調圧弁(13)と緩嵌入弁(16)との間に、クラッ
チ嵌入時圧力設定用ばね(26)と中立時作動油圧設定用
ばね(25)をバルブケース(12a)の軸に平行に設け、
クラッチ嵌入時圧力設定用ばね(26)はその自然長が中
立時の調圧弁(13)と緩嵌入弁(16)とが対向する内面
間の距離より短く設定されたものであり、中立時作動油
圧設定用ばね(25)はその軸心をクラッチ嵌入時圧力設
定用ばね(26)の軸心と同心とする複数のばね(25a)
(25b)を並列に設けた合成ばねの形をとるとともに、
その合成ばねを構成する各ばねの両端のそれぞれを常
時、調圧弁(13)と緩嵌入弁(16)の内面に当接させて
いる。
作用 複数の中立時作動油圧設定用ばね部材(25a)(25b)を
並列させることにより、ばね材の付勢力を落とすことな
く、合成したばね定数を低下させることができる。
実施例 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
なお、使用する符号については、変更を要しないものに
は、以前使用したものをそのまま使用する。
すなわち、この実施例でも、調圧器本体(11)を構成す
るバルブケース(12a)の一端側には、調圧弁(13)が
前後摺動自在に内挿されており、その調圧弁(13)を環
状に取り囲む調圧弁室(27)には、潤滑油ポート(15)
が接続されている。すなわち、第4図に示すサブ通路
(4)に通じるポンプポート(14)から流入した圧油
が、上記の調圧弁(13)を押しのけて調圧弁室(27)に
流入した後、その調圧弁室(27)に連続した潤滑油ポー
ト(15)から排出されるようになっている。
一方、バルブケース(12a)の他端側に前後摺動自在に
内挿された緩嵌入弁(16)には、この発明に係る大小2
本の中立時作動油圧設定用ばね(25a)(25b)の各一端
側が当接している。これらの中立時作動油圧設定用ばね
(25a)(25b)は、それぞれの平均コイル径を大きくす
ることにより、単位あたりのばね定数が小さいものとな
っている。それゆえ、この2個の中立時作動油圧設定用
ばね(25a)(25b)を組み合わせた合成ばね定数は、許
容荷重による制限を受けることなく小さなものとなって
いる。しかも、外側の中立時作動油圧設定用ばね(25
a)の内側に、もう1本の中立時作動油圧設定用ばね(2
5b)が収納されているから、1本のばね材について平均
コイル径を大きくする場合よりも大きなスペースを必要
とせず、コンパクトに納めることができることになる。
上記の緩嵌入弁(16)の中空状の軸部(16a)に挿通状
態に螺合された螺子棒(24)の中間部分には、上記中立
時作動油圧設定用ばね(25a)(25b)の内側に配置され
たクラッチ嵌入時圧力設定用ばね(26)が着座するフラ
ンジ状ばね受け部(28)が形成されている。このクラッ
チ嵌入時圧力設定用ばね(26)は、平均コイル径を小さ
くすることによって大きなばね定数を得ている。
また、バルブケース(12a)の開口部分を塞ぐ前蓋(12
b)には、この前蓋(12b)を貫通して突出する前記の軸
部(16a)の軸端部分を保護するための保護キャップ(2
9)が取り付けられている。なお、前記軸部(16a)を貫
通して突出した螺子棒(24)の軸端部分には横溝(30)
が形成されている。この横溝(30)に保護キャップ(2
9)に設けた開口部(31)から差し込んだドライバー等
を係止して、螺子棒(24)だけを軸方向に回動すること
により、前記のフランジ状ばね受け部(28)が緩嵌入弁
(16)に対して相対的に軸方向へ進退するようになって
いる。
前記の調圧弁(13)には、大中小のばね受け部(13a)
(13b)(13c)が相対峙する緩嵌入弁(16)と向き合う
ように設けられており、最も内側のばね受け部(13c)
には、クラッチ嵌入時圧力設定用ばね(26)の他端側が
着座する一方、外側の二つのばね受け部(13a)(13b)
には、中立時作動油圧設定用ばね(25a)(25b)の各他
端側が着座するようになっている。そして、前記のクラ
ッチ嵌入時圧力設定用ばね(26)は、通常状態ではフラ
ンジ状ばね受け部(28)から離れた“遊び”の状態にあ
る。したがって、中立時においては、2個の中立時作動
油圧設定用ばね(25a)(25b)による付勢力が、緩嵌入
弁(16)を介して調圧弁(13)に作用することになる。
また、前記のバルブケース(12a)の前後中間部分に
は、第4図の連絡通路(10)へ通じる背圧ポート(32)
が設けられおり、この背圧ポート(32)に連続した油通
路(33)には、逆止弁を構成する逆止弁部材(34)が前
後摺動自在に内挿されている。この逆止弁部材(34)
は、前記の背圧ポート(32)から油が流入したときに、
その圧力によって油通路(33)に設置した環状座(35)
に当接して、この油通路(33)を閉鎖するようになって
いる。また、バルブケース(12a)には、第2図に示さ
れるように、上記の逆止弁部材(34)とは位相状態が異
なったところに軸穴(36)が形成されており、この軸穴
(36)に可変絞り機構を構成する軸部材(37)が進退自
在に螺子されている。上記の軸穴(36)の底部には、前
記の逆止弁部材(34)の上流側の油通路(33)に臨んで
開口する横穴(38)の他端側が接続されている。そし
て、その横穴(38)から流入した油は、上記軸部材(3
7)の先端部分に設けたテーパー部(39)と軸穴(36)
との間の隙間を通る間に絞られ、その絞られた油が前記
の前蓋(12b)と緩嵌入弁(16)との間に形成される周
側室(40)へ通じる横穴(41)を通り、第1図に示すよ
うに上記の周側室(40)へ流入した後、上記の前蓋(1
3)に設けられた切欠(42)を介して、緩嵌入弁(16)
の背面側に前記軸部(16a)を取り囲んで形成された背
圧室(43)へ流入するようになっている。なお、背圧室
(43)への圧油の供給量は、前記の軸部材(37)を回動
させてテーパー部(39)を進退させることによって調節
されるようになっている。また、上記の周側室(40)に
は、前記の油通路(33)が別径路で接続されている。し
たがって、背圧室(43)の油が排出されるときには、前
記の逆止弁部材(34)が押しのけられて速やかに排出さ
れることになる。
第3図は、この実施例のものについての、クラッシュア
スターン操作時における作動油圧とプロペラ軸回転数の
時間変化を示している。この第3図からも明らかよう
に、クラッシュアスターン開始時(t3)から後進クラッ
チ完全嵌入時(t5)迄の時間は、従来のものに比べて殆
ど変化しないが、後進クラッチ完全嵌入時(t5)を過ぎ
てからクラッチ嵌入時圧力設定用ばね(26)が作用しは
じめるまでの低圧保持時間(T1)が、従来のものに比べ
て格段に長くなっている。しかも、その間の圧力変化
(Δp)は、前記の中立時作動油圧設定用ばね(25a)
(25b)の合成ばね定数を小さくしたことにより、非常
に少なくなっていることが判る。それゆえ、プロペラ軸
回転数が零になる前後進反転時(t6)においても、元圧
が中立圧と殆ど変わらないから、後進クラッチ(8)が
滑らかに接続されて、嵌入時ショックが著しく低減され
るとともに、クラッチ鳴きを生じることもない。しか
も、後進クラッチ(8)が滑らかに接続されるから、エ
ンジンストップを生じることもなく、船体が速やかに後
進状態となる。
なお、嵌入時の作動油圧力は、前記の緩嵌入弁(16)の
軸部(16a)を貫通して突出する螺子棒(24)の軸端部
分を、前蓋(12b)に取り付けた保護キャップ(29)の
開口部(31)からドライバー等を差し込んで回動操作す
ることによって自由に調整することができる。
また、上記の低圧保持時間(T2)は、前記の軸部材(3
7)を進退させることにより、自由に変更することがで
きる。
発明の効果 以上のように、この発明では、バルブケース内に摺動可
能に配設される調圧弁と緩嵌入弁とを備え、油圧クラッ
チの前後進切換操作時に、中立時の低圧状態からクラッ
チ嵌入時の高圧状態への圧力変化を遅延させる舶用減速
逆転機の緩嵌入弁付調圧装置において、 前記調圧弁と緩嵌入弁との間に、第1のばねと第2のば
ねがバルブケースの軸に平行に設けられ、第1のばねは
その自然長が中立時の前記調圧弁と緩嵌入弁とが対向す
る内面間の距離より短く設定されており、第2のばねは
その軸心を第1のばねの軸心と同心とする複数のばねを
並列に設けた合成ばねの形をとるとともに、その合成ば
ねを構成する各ばねの両端のそれぞれを常時、前記調圧
弁と緩嵌入弁の内面に当接させていることにより、1本
のばねによって実現されるばね定数と略同等の合成ばね
定数が、最も外側のばねの平均コイル半径が同一素材を
用いた1本のばねによる場合よりもはるかに小さい条件
の下で実現できることになるから、平均コイル半径の増
加も少なくて済むのみならず、各単位のばねについて巻
数を増やさずに済むから、密着長さの増加も抑えられる
ことになり、装置全体を大型化せずに中立圧を低圧に設
定しつつ、緩嵌入弁動作状態での圧力変化が少ない低圧
保持時間を長くすることが可能となる。したがって、こ
の種の緩嵌入弁付調圧装置が使用される舶用減速逆転機
について、特にクラッシュアスターン操作時でのクラッ
チ鳴きが防止されて耐久性が向上するとともに、嵌入時
ショックを軽減されるばかりでなく、更にはクラッチ接
続時でのトルク変動が少なくなってエンジンストップが
防止され、ひいては短時間で船体を後進させることがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例を示す緩嵌入弁付調圧器
の全体断面図、第2図は、絞り機構付近の緩嵌入弁付調
圧器の一部断面図、第3図は、この実施例におけるクラ
ッシュアスターン操作時での作動油圧とプロペラ軸回転
数の時間変化を示すグラフ、第4図は、緩嵌入弁付調圧
装置を備えた舶用減速逆転機の油圧回路図、第5図は、
従来例を示す全体断面図、第6図は、第5図従来例にお
ける通常操作時での作動油圧とプロペラ軸回転数の時間
変化を示すグラフ、第7図は、同じく第6図従来例にお
けるクラッシュアスターン操作時での作動油圧とプロペ
ラ軸回転数の時間変化を示すグラフ、第8図は、別の従
来例を示す全体断面図、第9図は、第8図従来例におけ
る通常操作時での作動油圧とプロペラ軸回転数の時間変
化を示すグラフである。 (25a)(25b)……中立時作動油圧設定用ばね、(26)
……クラッチ嵌入時圧力設定用ばね、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルブケース内に摺動可能に配設される調
    圧弁と緩嵌入弁とを備え、油圧クラッチの前後進切換操
    作時に、中立時の低圧状態からクラッチ嵌入時の高圧状
    態への圧力変化を遅延させる舶用減速逆転機の緩嵌入弁
    付調圧装置において、 前記調圧弁と緩嵌入弁との間に、第1のばねと第2のば
    ねがバルブケースの軸に平行に設けられ、第1のばねは
    その自然長が中立時の前記調圧弁と緩嵌入弁とが対向す
    る内面間の距離より短く設定されており、第2のばねは
    その軸心を第1のばねの軸心と同心とする複数のばねを
    並列に設けた合成ばねの形をとるとともに、その合成ば
    ねを構成する各ばねの両端のそれぞれを常時、前記調圧
    弁と緩嵌入弁の内面に当接させていることを特徴とする
    舶用減速逆転機の緩嵌入弁付調圧装置。
  2. 【請求項2】前記第1のばねの付勢力を調節するための
    調節部材を有する特許請求の範囲第1項記載の舶用減速
    逆転機の緩嵌入弁付調圧装置。
  3. 【請求項3】前後進切換操作時における作動油流量を調
    節するための可変絞り機構を有する特許請求の範囲第1
    項又は第2項記載の舶用減速逆転機の緩嵌入弁付調圧装
    置。
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