JPH07237014A

JPH07237014A - 切削工具

Info

Publication number: JPH07237014A
Application number: JP3038494A
Authority: JP
Inventors: Yasunori Murakami; 靖典村上
Original assignee: Mitsubishi Materials Corp
Current assignee: Mitsubishi Materials Corp
Priority date: 1994-02-28
Filing date: 1994-02-28
Publication date: 1995-09-12
Anticipated expiration: 2015-07-12
Also published as: JP3064790B2

Abstract

(57)【要約】【目的】ＰＣＤやＰＣＢＮなどの超高硬度焼結体製の
刃先チップをろう付けを用いることなくチップ本体に固
定し、しかも、全体として一般的なスローアウェイチッ
プと互換性を持たせることを目的とする。【構成】工具本体のチップポケットにスローアウェイ
チップ２を着脱可能に取り付けてなる切削工具におい
て、前記チップ本体４には、一つのコーナーから対角線
上に他のコーナー部の近傍に至る領域に形成されたスリ
ット６を介して互いに分割された複数の弾性変形部８が
設けられ、該弾性変形部の互いに対向する面には、刃先
チップ５と係合する係合部が設けられ、チップポケット
には、前記チップ本体における、前記一のコーナー部の
対角線上の他のコーナー部の両側の側面にそれぞれ当接
して前記弾性変形部を互い接近する方向へ変形させる座
面が設けられ、前記工具本体には、前記座面へ前記チッ
プ本体を押し付けるクランプ手段が設けられたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は刃先チップをチップ本体
に取り付けてなるスローアウェイチップ、および、この
スローアウェイチップを利用した切削工具に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、工具本体に着脱可能なスローアウ
ェイチップを取り付けてなる切削工具が広く実施されて
いる。このスローアウェイチップとして、ダイヤモンド
焼結体（ＰＣＤ）、あるいは超高硬度焼結体（ＰＣＢ
Ｎ）からなる刃先チップを超硬合金からなるチップ本体
の一部（具体的には、全体として多角形状をなすスロー
アウェイチップの角部）に設けた構造のものが知られて
いる。

【０００３】上記構造のスローアウェイチップにおける
チップ本体への刃先チップの固定には、一般にろう付け
の手法が採用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ろう付
けにより十分な取付強度を得るには、ろう材の選択、ろ
う付け面積の確保、ろう付け条件の選択などに細心の注
意が必要とされ、これらの条件が刃先チップ、およびチ
ップ本体の設計上、種々の制約になるという問題があ
る。

【０００５】また、いかに細心の注意をはらってろう付
けを行ったとしても、ろう付け箇所の強度は刃先チッ
プ、あるいはチップ本体より劣るから、刃先チップ、お
よびチップ本体自身ではなく、ろう付け部の寿命によっ
てスローアウェイチップ全体の寿命が左右されてしま
い、再度のろう付けが必要になって経済性に欠けるとい
う問題がある。また、欠損した刃先チップのみを新たな
刃先チップに取り替えてチップ本体を再使用すること
は、理論上は可能であるが、新たな刃先チップのろう付
けに多くの労力を要するため、経済性の面から、スロー
アウェイチップ全体を交換せざるを得ないという問題が
ある。

【０００６】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で以下の点を目的とするものである。ろう付けを用いることなく刃先チップをチップ本体へ
取り付けることにより、刃先チップのみの交換を可能と
する。従来から使用されているスローアウェイ式切削工具に
おけるスローアウェイチップのクランプ機構を利用して
固定することができる。言い換えれば、現用のスローア
ウェイチップとの互換性がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に記載の発明は、工具本体のチップポケッ
トにスローアウェイチップを着脱可能に取り付けてなる
切削工具において、前記スローアウェイチップは、刃先
チップとこれを支持する四角形板状のチップ本体とから
構成されてなり、前記チップ本体には、一つのコーナー
から対角線上に他のコーナー部の近傍に至る領域に形成
されたスリットを介して互いに分割された複数の弾性変
形部が設けられ、該弾性変形部の互いに対向する面に
は、前記刃先チップと係合する係合部が設けられ、前記
チップポケットには、前記チップ本体における、前記一
のコーナー部の対角線上の他のコーナー部の両側の側面
にそれぞれ当接して前記弾性変形部を互い接近する方向
へ変形させる座面が設けられ、前記工具本体には、前記
座面へ前記チップ本体を押し付けるクランプ手段が設け
られたことを特徴とする。請求項２に記載の発明は、請
求項１において、前記他のコーナー部の角度αは前記座
面の角度βより０°１５′ないし０°６０′大きくされ
たことを特徴とする。請求項３に記載の発明は、請求項
２において、前記スリットの幅ｔは０．５ｍｍ〜１．０
ｍｍとされたことを特徴とする。請求項４に記載の発明
は、請求項２において、前記スリットの中間部分には、
前記対角線の中点を中心する円弧に沿って前記スリット
の幅を広げてなるクランプ穴が設けられ、該クランプ穴
から端部迄の領域のスリットの長さＬは前記幅ｔの２倍
ないし６倍に設定されたことを特徴とする。請求項５に
記載の発明は、請求項１において、前記チップ本体のヤ
ング率は前記刃先チップのヤング率の０．３倍ないし
０．７倍であることをことを特徴とする。請求項６に記
載の発明は、請求項２において、前記係合部は、外周が
円筒面をなす凸状であり、前記刃先チップには、前記係
合部を受け入れるための円筒面をなす凹部が設けられ、
前記係合部がなす円筒面の半径Ｒ２は、前記凹部がなす
円筒面の半径Ｒ１の０．６倍ないし０．９倍に設定され
たことを特徴とする。請求項７に記載の発明は、請求項
２において、前記弾性変形部と前記刃先チップとの間の
嵌合が最大１０ミクロンの締り嵌めに設定されたことを
特徴とする。

【０００８】

【作用】請求項１の構成によれば、前記チップ本体を工
具本体に取り付けると、クランプ部が弾性変形して刃先
チップをチップ本体に対して固定する。請求項２の構成
によれば、コーナー部が座面により押されることによ
り、スリットを狭める方向へチップ本体が弾性変形す
る。請求項３の構成によれば、スリットの両側の壁面が
互いに干渉することがなく、また、スリット部の両側の
剛性が不足することがない。請求項４、５の構成によれ
ば、弾性変形部が適当な剛性になるから、必要にして十
分な締め付け力が得られる。請求項６の構成によれば、
切刃部が破損することなく、必要な保持力を得ることが
できる。請求項７の構成によれば、チップ交換時の変形
を過大にすることなく、所定範囲内に押さえることがで
きる。

【０００９】

【実施例】符号１は工具本体であって、実施例の場合、
切削工具としてのスローアウェイ式バイトを示してい
る。本発明のスローアウェイチップ２は、前記工具本体
１の先端のチップポケット３の内部に支持されている。

【００１０】前記スローアウェイチップ２は、チップ本
体４と、その先端に支持された刃先チップ５とから構成
されている。前記チップ本体４は、耐摩耗性の見地から
は高硬度の材料であることが望ましいが、弾性変形の容
易さの見地からは、比較的低硬度の材料であることが望
ましく、実施例の場合、工具鋼によって形成されてい
る。チップ本体４は、全体として例えば菱形のような四
辺形状をなし、その一つの鋭角コーナー部から対角線状
にスリット６が形成されている。また前記スリット６の
中央（四辺形における中心）位置には、後述するクラン
プ機構が挿入される穴７が形成されている。また、前記
チップ本体４は、前記工具本体１に取り付けて使用され
るスローアウェイチップ（全体が超硬合金からなる一般
的なスローアウェイチップ）とほぼ一致する平面形状と
されていて、前記穴７の位置も、一般的なスローアウェ
イチップに設けられているクランプ用の穴と平面的に一
致するようになっている。

【００１１】前記スリット６が形成された結果、その両
側の部分は、それぞれ、互いに接近する方向へ弾性変形
することが可能な弾性変形部８となっている。この弾性
変形部８の先端には刃先チップ５が挟持される係合部１
０が形成されている。

【００１２】前記刃先チップ５は、ＰＣＤ、ＰＣＢＮな
どの硬質材料により形成されており、図示例では、全体
として線対称の形状をなしている。前記刃先チップの中
央部には、前記係合部１０と係合するための凹部１１が
形成され、また、両端には、切刃１２が形成されてい
る。この切刃１２は、先端から中央部（凹部）へ向かっ
て直線状に延びており、前記凹部１１に隣接する部分で
前記弾性変形部８の内側の着座面１３に当接している。

【００１３】前記工具本体１の先端はチップ本体４を支
持するためのチップポケットとなっており、チップ本体
２の底面１４に当接する座面１５と、チップ本体２の二
つの側面１６にそれぞれ当接する座面１７、１７とが設
けられている。前記座面１７，１７が交差する角部に
は、前記チップ本体４のコーナー部を受け入れて、前記
突出部１８の接触を確実にするためのぬすみ部１９が形
成されている。

【００１４】前記チップ本体４を工具本体１に固定する
ためのクランプ機構について説明する。符号２０は軸で
あって、この軸２０は工具本体１に回転自在に支持され
るとともに、前記チップ本体４の穴７とほぼ軸線が一致
する位置に配置されている。また軸２０の先端には、軸
２０の回転中心から偏心した突起２１が設けられてお
り、前記軸２０の回転にともなってチップ本体４の穴７
の内面に接近し、あるいは離れるようになっている。

【００１５】前記軸２０を駆動する駆動機構について説
明する。前記軸２０の外周にはギア２２が形成されてお
り、このギア２２は、前記工具本体１に支持された操作
軸２３と一体のギア２４に中間ギア２５を介して連結さ
れている。前記操作軸２３の先端には、六角形状の穴２
６が形成されており、この穴２６に工具を挿入して回転
させることにより、前記軸２０を回転させ、軸２０の先
端の突起２１をチップ本体２１の内周に接近させあるい
は離間させるようになっている。なお、このようにチッ
プ本体に直接接触する突起２１と一体の軸２０をギアを
介して間接的に駆動する方式としたのは、操作軸２３を
操作性のよい任意の位置に配置するためである。機構の
簡略化の見地から、前記軸２０の下端（工具本体の裏側
の端部）に操作用の六角穴などを設けて直接操作するよ
うにしたもよい。

【００１６】次いで、チップ本体４が刃先チップ５を支
持するために必要とされるチップポケット３と前記スロ
ーアウェイチップとの寸法関係の詳細について説明す
る。前記チップ本体４の鋭角コーナー部の角度αは、前
記座面１７，１７がなす角度βに対して、αがβよりも
０°１５′〜０°６０′大きくなるような関係に設定さ
れている。角度の差が１５′未満であると、着座面１７
の加工精度上、十分な締め付け力を与えることが保証さ
れず、また、６０′を越えると、クランプに要する力が
過大になって大きな操作力を要し、あるいは、これにと
もなってスローアウェイチップあるいは工具本体を変形
させてしまうことがあるからである。前記スリット６の
幅ｔは、０．５〜１．０ｍｍに設定されている。その理
由は、０．５ｍｍ以下であると、弾性変形時にスリット
の壁が互いに干渉し、有効な刃先の締付力を発生するに
至らないからであり、また、１．０ｍｍを越えると、ス
リット部の剛性が低下し過ぎ、スリット部のみで変形し
て有効な締付力を発生させるに至らないからである。取
付穴７よりも基端側におけるスリット６の長さＬはＬ＝
２ｔ〜６ｔの関係となるように設定されている。その理
由は、Ｌが２ｔ以下であると、弾性変形部の剛性が高き
に過ぎ、したがって締め付け力の発生が阻害され、ま
た、６ｔ以上であると、弾性変形部の剛性が低くなり過
ぎ、切削抵抗に抗して締め付け力を維持することができ
なくなるからである。前記チップ本体４のヤング率ε２
は、刃先チップ５のヤング率ε１に対して、ε２＝０．
３ε１〜０．７ε１となるように、これらの材料の組合
せが設定されている。その理由は、ε２が０．３ε１以
下であると、弾性変形部の剛性が低くなり過ぎ、切削抵
抗に抗して締め付け力を維持することができず、また、
０．７ε１以上であると、弾性変形部の剛性が高きに過
ぎるために締め付け力の発生が阻害されるからである。
前記刃先チップ５の凹部１１の内周の半径Ｒ１と前記チ
ップ本体４の係合部１０の外周の半径Ｒ２とは、Ｒ２＝
０．６Ｒ１〜０．９Ｒ１となるように設定されている。
その理由は、Ｒ２が０．６Ｒ１以下であると、Ｒ１との
接触位置が、切刃部のエッジに近くなり過ぎ、切刃部に
集中応力を発生させることとなって、締め付け力による
破断が発生し、また、０．９Ｒ１以上であると、Ｒ１と
の接触位置がチップの上部側となり、チップを締め込む
作用を発生することができなくなるからである。さら
に、チップ本体４と刃先チップ５との間の嵌合は、最大
１０ミクロンのしめ代を生じるようなしまり嵌めとなっ
ている。その理由は、しめ代が１０ミクロン以上である
と、チップ交換時の変形が大きくなり、したがって、チ
ップの交換が困難になるからである。

【００１７】前述のように、少なくともαがβよりも０
°１５′〜０°６０′大きくなるような関係に設定され
ている理由について説明する。前記突起２１を回転させ
ることにより、チップ本体４が図１の矢印ハ方向へ移動
する。この移動に際して、図６（ａ）に矢印イで示すよ
うに、スリット６が存在している範囲で座面１７がチッ
プ本体４を押圧すれば、図６（ｂ）に矢印ロで示すよう
に弾性変形部８が互いに接近するように変形して刃先チ
ップ５が支持される。一方、図７（ａ）の矢印イで示す
ように、スリット７が存在していない範囲で座面１７が
チップ本体４を押圧すると、チップ本体４の移動によ
り、図７（ｂ）に示すようにチップ本体４の全体がスリ
ット６に沿ってつぶれるように変形してしまい、この結
果、図７（ｂ）に矢印ロで示すように弾性変形部８が互
いに離れるように変形し、刃先チップ５を保持すること
ができなくなる。すなわち、αおよびβを上記範囲に設
定することにより、チップ本体４のクランプに際して確
実に刃先チップ５を保持することが可能になる。

【００１８】上記構成による工具の作用を説明する。ま
ず、チップ本体４の弾性変形部８の係合部１０の間に刃
先チップ５を挿入する。ここで、弾性変形部８の係合部
１０と刃先チップ５との嵌合は、前述のようにしまり嵌
めとされているので、工具本体１への取付の以前から刃
先チップ５をチップ本体４に保持され、したがって、チ
ップ本体４および刃先チップ５の全体を一つのスローア
ウェイチップとして取り扱うことができる。

【００１９】このようにして一体化されたスローアウェ
イチップ２をチップポケット３内に配置し、穴７へ突起
２１を挿入する。次いで、穴２６に工具を挿入して操作
軸２３を回転させると、駆動軸２０が回転して突起２１
がチップ本体２の穴７の内面を図１の矢印方向へ押圧
し、チップ本体４が同矢印方向へ移動する。この移動の
結果、各着座面１７がチップ本体４の側面１６を互いに
接近するように押圧し、チップ本体４がチップポケット
３内に固定される。

【００２０】チップ本体４の前記方向への移動に伴い、
弾性変形部８が互いに接近する方向へ弾性変形し、係合
部１０が刃先チップ５の凹部１１に挿入されて刃先チッ
プ５がチップ本体４内に固定される。また係合部１０と
凹部１１とが互いに傾斜面を介して接しているから、係
合部１０が互いに接近しようとすることにより、刃先チ
ップ５の各側面１６が座面１７にそれぞれ押し付けら
れ、この結果、チップ本体４に対して刃先チップ５の刃
先が位置決めされる。

【００２１】一方、刃先チップ５を取り外す場合には、
取付の場合と反対方向へ駆動軸２３を回転させて突出部
２１を穴７の内面から離間させればよい。この結果、チ
ップ本体４への拘束が解かれ、チップ本体４を工具本体
１から取り外すことができる。また、チップ本体４が拘
束されていない状態では、係合部１０による刃先チップ
５の拘束も解除されるから、チップ本体４から刃先チッ
プ５を容易に取り外すことができる。実施例の場合、刃
先チップ５が両端に切刃を有する線対称の平面形状とな
っているので、刃先チップ５を１８０度回転させて反対
側の切刃を先端側へ向けて取り付けることにより、再度
使用することができる。

【００２２】なお、チップ本体の平面形状は実施例のよ
うなひし形に限定されるものではなく、平行四辺形など
の他の四角形であってもよいのはもちろんである。

【００２３】また、刃先チップの材質はＰＣＤやＰＣＢ
Ｎに限定されるものではなく、チップ本体と同様に超硬
合金を用いるようにしてもよい。また、チップ本体の材
質が工具鋼に限定されるものでないのはもちろんであ
る。

【００２４】さらにまた、実施例ではチップ本体の中心
（クランプ用の穴）を越えた範囲までスリットを形成し
たが、必要な弾性変形が得られる限り、さらに短い範
囲、例えば前記中心迄、あるいは中心に達しない範囲迄
スリットが形成されている形状であっても足りるのはも
ちろんである。

【００２５】なおまた、チップのクランプ機構の具体的
構成は、実施例のようなギアを介してカム軸を駆動する
方式に限定されるものではなく、ギア用いずにカム軸を
直接操作する方式を始め、スローアウェイチップを縦向
きの座面の方向へ密着させるべく移動させながらクラン
プすることのできる他のクランプ方式を採用してもよい
のはもちろんである。

【００２６】

【発明の効果】以上の説明で明かなように、請求項１の
発明によれば、チップ本体が座面により押されると、ス
リットの存在により弾性変形部が弾性変形し、係合部に
よって刃先チップを支持することができる。したがっ
て、刃先チップをろう付けによらずに固定することがで
き、刃先チップのみを容易に交換することができる。こ
の結果、刃先チップのみを交換してチップ本体を再利用
することができる。請求項２の発明によれば、チップ本
体を確実に弾性変形させて、刃先チップ保持の信頼性を
高めることができる。請求項３の発明によれば、スリッ
トの両側の壁面が互いに干渉することがなく、また、ス
リット部の両側の剛性が不足することがないので、刃先
チップの保持を確実にすることができる。。請求項４、
５の構成によれば、弾性変形部が適当な剛性になるか
ら、必要にして十分な締め付け力が得られる。請求項６
の構成によれば、切刃部が破損することなく、必要な保
持力を得ることができる。請求項７の構成によれば、チ
ップ交換時の変形を過大にすることなく、所定範囲内に
押さえることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の平面図である。

【図２】図１のＩＩ―ＩＩ線に沿う矢視図である。

【図３】図１に取り付けられたスローアウェイチップの
平面図である。

【図４】刃先チップ取付部分の詳細図である。

【図５】図４の鎖線Ｖの部分の拡大図である。

【図６】チップ本体の変形状態の説明図である。

【図７】チップ本体の変形状態の説明図である。

【符号の説明】

２スローアウェイチップ４チップ本体
５刃先チップ６スリット７穴
８弾性変形部１０係合部１１凹部
１２切刃１７座面２０軸
２１突起

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】工具本体のチップポケットにスローアウ
ェイチップを着脱可能に取り付けてなる切削工具におい
て、前記スローアウェイチップは、刃先チップとこれを
支持する四角形板状のチップ本体とから構成されてな
り、前記チップ本体には、一つのコーナーから対角線上
に他のコーナー部の近傍に至る領域に形成されたスリッ
トを介して互いに分割された複数の弾性変形部が設けら
れ、該弾性変形部の互いに対向する面には、前記刃先チ
ップと係合する係合部が設けられ、前記チップポケット
には、前記チップ本体における、前記一のコーナー部の
対角線上の他のコーナー部の両側の側面にそれぞれ当接
して前記弾性変形部を互い接近する方向へ変形させる座
面が設けられ、前記工具本体には、前記座面へ前記チッ
プ本体を押し付けるクランプ手段が設けられたことを特
徴とする切削工具。
【請求項２】前記他のコーナー部の角度αは前記座面
の角度βより０°１５′ないし０°６０′大きくされた
ことを特徴とする請求項１に記載の切削工具。
【請求項３】前記スリットの幅ｔは０．５ｍｍ〜１．
０ｍｍとされたことを特徴とする請求項２に記載の切削
工具。
【請求項４】前記スリットの中間部分には、前記対角
線の中点を中心する円弧に沿って前記スリットの幅を広
げてなるクランプ穴が設けられ、該クランプ穴から端部
迄の領域のスリットの長さＬは前記幅ｔの２倍ないし６
倍に設定されたことを特徴とする請求項２に記載の切削
工具。
【請求項５】前記チップ本体のヤング率は前記刃先チ
ップのヤング率の０．３倍ないし０．７倍であることを
ことを特徴とする請求項１に記載の切削工具。
【請求項６】前記係合部は、外周が円筒面をなす凸状
であり、前記刃先チップには、前記係合部を受け入れる
ための円筒面をなす凹部が設けられ、前記係合部がなす
円筒面の半径Ｒ２は、前記凹部がなす円筒面の半径Ｒ１
の０．６倍ないし０．９倍に設定されたことを特徴とす
る請求項２に記載の切削工具。
【請求項７】前記弾性変形部と前記刃先チップとの間
の嵌合が最大１０ミクロンの締り嵌めに設定されたこと
を特徴とする請求項２に記載の切削工具。