JPH0723612Y2 - 分割型軸受 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば海水ポンプ、河川水ポンプをはじめと
する各種のポンプや水車、撹拌機などの回転機器の回転
軸を支承するのに好適な軸受に関する。

従来の技術 第６図は従来用いられている軸受の縦断面図であり、第
７図は第６図のVII−VII線に沿う断面図である。

これらの図において、１は回転機器例えばポンプの主軸
であり、２はポンプのケーシングである。３は軸受ハウ
ジングで、この内面に衝撃緩衝用のゴムリング４を介し
てセラミックで円筒型に成型された軸受５が固定されて
いる。軸受５は主軸１が安定に回転できるように支承す
るものである。

そして、図示していないが、主軸１の下部にはインペラ
が設けられていて、主軸１の回転によってこのインペラ
が回転し、水の吸入、吐出を行っているが、主軸１と軸
受５との間には隙間ｈがあり、この隙間ｈを通して極く
一部の水Ｗが吐出口側へ流れる。

考案が解決しようとする課題 ところで、円筒型に形成されたセラミック軸受５は、セ
ラミック成型による製造能力の問題から、直径が300mm
程度の大きさのものしか製作できず、それ以上の大きい
セラミック軸受を製作することは困難であった。そし
て、径が大きくなるに従って、肉厚が薄くなって衝撃に
弱いものとなり、さらに径が大きくなればなるほど大き
い衝撃力を受けるので、強度的に弱くなるという欠点が
あった。

また、従来のセラミック軸受５は、円筒型に一体に形成
されているため、分解点検時には主軸１を抜取らなけれ
ばならないので、メンテナンスに時間がかかるという難
点があった。そして、円筒型のセラミック軸受５は、軸
受面に流体のくさび作用が発生しにくく、摩擦係数が高
くなり、信頼性に欠けるという問題もあった。

課題を解決するための手段 本考案は、このような従来技術の課題を解決するため
に、回転軸を支承する軸受において、軸方向に沿って二
分割された軸受ハウジングと、この各軸受ハウジング内
に設けられた弾性部材に接着され、円周方向に分割され
ていると共に円弧状で内面側に凸形の複数の軸受ピース
と、この各軸受ピースの軸方向の両端部を保持するよう
に前記軸受ハウジングの軸方向両端部に固定される、円
弧状でその内径側が内側に折り曲げられてＬ字状の軸受
ピース押え部材と、この軸受ピース押え部材のＬ字状部
分と前記軸受ピースの軸方向両端部との間にＬ字状に組
合わされて介在され、前記軸受ピースを軸方向および半
径方向で支持する一対の弾性部片とから成る構成とした
ものである。

作用 上記の手段によれば、セラミック等で成型する部分を複
数個のピースに分割したので、衝撃に強い大径の軸受を
製作することが容易となり、また分割型なので分解が容
易で保守点検のメンテナンスがし易く、さらに軸受面に
流体のくさび作用が発生し易いので摩擦係数を小さくし
信頼性を向上することができる。

実施例 以下本考案に係る軸受の一実施例を、第１図ないし第５
図を参照して詳細に説明する。

第１図は本考案に係る分割型軸受の一実施例の横断面図
であり、第２図は第１図のII−II線に沿う断面図であ
る。

これらの図において、１は主軸であり、第６図および第
７図に示した従来のものと同じである。そして、11は軸
方向に沿って二分割された軸受ハウジングで、この各軸
受ハウジング11にはその内面に沿って衝撃緩衝用のゴム
リング12が嵌入されている。13は主軸１を支承する軸受
ピースで、セラミックで作られており、円周方向に例え
ば４分割されている。従って、各軸受ハウジング11に２
個ずつ軸受ピース13がゴムリング12に接着されて設けら
れている。

軸受ピース13は、第２図および第３図に示されているよ
うに、円弧状で内面側に凸形に形成されており、軸方向
の両端部が軸受ピース押え部材14によって安定に保持さ
れている。この軸受ピース押え部材14は、軸受ハウジン
グ11にボルト15で固定されているが、その形状は第３図
および第４図に示されているように、円弧状の内径側が
内側に折り曲げられたＬ字状をした板で、中間部に突起
部16が形成され、折り曲げられたＬ字状部分17は支持部
となっている。

この突起部16とＬ字状部分（支持部）17との間には、第
５図に示すように、要所要所に軸受ピース13を軸方向に
支持する軸方向支持用ゴム板18と、同じく軸受ピース13
を半径方向に支持する半径方向支持用ゴム板19とがＬ字
状に組合わされて介在されている。この軸方向支持用ゴ
ム板18は軸受ピース13の軸方向にかかる荷重をその底面
で支え、半径方向支持用ゴム19は軸受ピース13の半径方
向にかかる荷重を支えている。

考案の効果 以上詳述したように、本考案によれば、セラミック等で
成型される軸受を円弧状に分割した複数軸受ピースと
し、これを二分割した軸受ハウジングに軸受ピース押え
部材で保持するようにしたので、大径の軸受の製作が可
能となる。

そして、軸受ハウジングが二分割されているので、主軸
を抜かずに分解することができ、メンテナンスが極めて
容易となる。また、ゴム板のような一対の弾性部片で軸
受ピースを軸方向および半径方向に支持しているので、
軸受ハウジングに保持された軸受ピースが拘束されず、
偏心などに容易に追従するとともに、流体のくさび効果
による潤滑性能が向上するなど、実用上大きな効果を奏
する分割型軸受が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る分割型軸受の一実施例を示した横
断面図、第２図は第１図のII−II線に沿う断面図、第３
図は本考案における軸受ピース押え部材の取付け部分を
拡大して示した斜視図、第４図は本考案に使用される軸
受ピース押え部材の一例を示した斜視図、第５図は第４
図に示した軸受ピース押え部材の平面図、第６図は従来
の軸受を示した縦断面図、第７図は第６図のVII−VII線
に沿う断面図である。 １……主軸、11……軸受ハウジング、12……ゴムリン
グ、13……軸受ピース、14……軸受ピース押え部材、18
……軸方向支持用ゴム板、19……半径方向支持用ゴム
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸を支承する軸受において、軸方向に
   沿って二分割された軸受ハウジングと、この各軸受ハウ
   ジング内に設けられた弾性部材に接着され、円周方向に
   分割されていると共に円弧状で内面側に凸形の複数の軸
   受ピースと、この各軸受ピースの軸方向の両端部を保持
   するように前記軸受ハウジングの軸方向両端部に固定さ
   れる、円弧状でその内径側が内側に折り曲げられてＬ字
   状の軸受ピース押え部材と、この軸受ピース押え部材の
   Ｌ字状部分と前記軸受ピースの軸方向両端部との間にＬ
   字状に組合わされて介在され、前記軸受ピースを軸方向
   および半径方向で支持する一対の弾性部片とから成るこ
   とを特徴とする分割型軸受。