JPH0723169Y2 - 釘打機におけるマガジン取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、釘打機において、釘射
出路における釘詰まりの際、その詰まった釘を除去する
ために釘射出路を露出させ得るようにした釘打ち機のマ
ガジン取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】釘打機としては、自動打込装置に組み付
けられ、プレハブ住宅の壁パネル等を工場生産する場合
に、それを構成する部材上をＸ及びＹ方向に沿って移動
し、所定の位置において自動的に釘打ちを行うものが知
られている。

【０００３】この釘打ち機は、接着剤等で連結された多
数の釘を収容するマガジンと、マガジン中の先頭の釘が
供給される釘射出路と、釘射出路に供給された釘を打撃
するため射出路内を摺動自在なドライバと、ドライバを
衝撃的に駆動するシリンダ・ピストン機構とより構成さ
れている。

【０００４】具体的には、シリンダ・ピストン機構を収
容したハウジングにノーズ部材を固着し、このノーズ部
材に、マガジンの前端部に一体的に形成されたウエアプ
レートを固着して、マガジンの前端部をハウジングに固
定保持するとともに、マガジンの前端部より後方部位
を、ハウジングと一体構成のグリップに固定保持し、マ
ガジンをハウジングに取り付けるようになっており、更
に、ウエアプレートにより釘射出路の一方の側壁を構成
するとともに、ウエアプレートに対設されたドライバガ
イド部材により釘射出路の他方の側壁を構成し、ドライ
バガイド部材をウエアプレートにボルト等の固着手段で
もって離脱可能に連結するようにしており、ドライバガ
イド部材とウエアプレートとの分離を可能にし、ドライ
バガイド部材とウエアプレートとの間に形成された釘射
出路を露出させ得るようにしたものが、従来、公知であ
る。

【０００５】これによれば、マガジン中の釘は、釘射出
路とマガジンとを連通する開口から釘射出路内に供給さ
れ、ドライバによって打ち出される際、時として、パネ
ル等の被釘打ち部材が極めて硬質であったり、マガジン
からの釘の供給が不十分であったりして、釘射出路内で
釘詰まりが生じる場合があるが、この場合に、上記ドラ
イバガイド部材をウエアプレートから取り外して釘射出
路を露出し、詰まった釘を釘射出路から除去できるよう
にしている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
釘打機におけるマガジン取付構造にあっては、自動釘打
装置に釘打機を組み付ける場合、釘射出路を介してマガ
ジンの延設側と反対側においてスペースに余裕のない状
態、すなわち、ドライバガイド部材側に間隙が極めて小
さくなる状態が、まま発生する。この状態では、釘詰ま
りが発生してもドライバガイド部材の取り外しが容易で
なく、またそれが不可能になることもあって釘打機自体
を自動釘打装置から取り外した後にドライバガイド部材
を離脱させ、釘詰まりの除去を行わなければならず、時
間も掛る等、その作業性が悪く、問題があった。

【０００７】本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、例えば、釘射出路を介
してマガジンの延設側と反対側、すなわちドライバガイ
ド部材側においてスペースに余裕がない釘打機の組み付
け状態であっても、容易かつ迅速に、ドライバガイド部
材とウエアプレートとを分離して釘射出路を露出させ、
釘射出路に詰まった釘を除去でき、その作業性を向上さ
せた釘打機におけるマガジン取付構造を提供するにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案にあっては、上記
従来の課題を解決するために、ハウジングと、該ハウジ
ングに固着されるとともに針を射出する釘射出路を形成
するノーズ部材と、内部に多数の釘を収容するとともに
該釘を前記釘射出路に順次供給するように前端部を該釘
射出路と開口連通させて延設したマガジンと、前記ハウ
ジングに駆動支持され該釘射出路内を摺動して該釘射出
路内に供給された釘を打撃するドライバとを備えた釘打
機において、前記釘射出路を前記ノーズ部材に一体固着
したドライバガイド部材と前記マガジンの開口前端部に
一体的に形成したウエアプレートとの間に形成し、該ド
ライバガイド部材に前記ウエアプレートを離脱可能に連
結して該マガジンの前端部を前記ハウジングに支持する
連結手段と、該マガジンと該ハウジングとの間に該ウエ
アプレートの離脱動作に伴う該マガジンの後方移動によ
り離脱するとともに該ウエアプレートの連結動作に伴う
該マガジンの前方移動により結合して該マガジンの後方
部位を該ハウジングに支持するピン結合機構とを備え、
該マガジンを着脱自在に該ハウジングに取り付けてなる
構成を特徴とする釘打機におけるマガジン取付構造を提
案するものである。

【０００９】

【作用】本考案は、上記構成により、マガジンの延設側
においてマガジンをハウジングから取り外すことがで
き、例えば、釘射出路を介してマガジンの延設側と反対
側に、すなわちドライバガイド部材側においてスペース
に余裕がない釘打機の組み付け状態であっても、容易か
つ迅速に、ドライバガイド部材とウエアプレートとを分
離して釘射出路を露出させ、釘射出路内に詰まった釘を
除去でき、その作業性を向上させ、また、マガジンの前
端部より後方部位において、マガジンをハウジングにピ
ン結合によって支持してなるので、釘打ち動作に伴う振
動によるマガジンの振れを十分防止できるとともにマガ
ジンの着脱操作を容易にする。

【００１０】

【実施例】本考案に係る釘打機におけるマガジン取付構
造の一実施例を、図１乃至図５に基づき詳細に説明す
る。

【００１１】図中１は、釘打機のハウジングであり、図
示しないホルダを介して自動釘打装置に組み付けられ、
これにより、釘打機が、例えば、プレハブ住宅の壁パネ
ル等を構成する部材上をＸ及びＹ方向に沿って移動し、
この被釘打ち部材の所定の位置において自動的に釘打ち
を行なうようになっている。ハウジング１の上部には、
これと一体構成のグリップ２が設けられている。なお、
図１にあって、釘打機は、右方に向けて水平に釘を射出
するようになっている。

【００１２】ハウジング１の右端部には、ノーズ部材３
がフランジ結合で突出状態に固着されている。ノーズ部
材３には、後に詳述するように、釘４を射出する釘射出
路５が水平に設けられ、釘射出路５には、マガジン６の
前端部７、ないし下端部が開口連通され、マガジン６の
後端部８、ないし上端部は、上方に向けて延設されてい
る。マガジン６の内部には、図４に横断面で示すよう
に、マガジン通路９が形成され、マガジン６の後端部８
からマガジン通路９内に収容された多数の釘４が、該通
路９に沿ってプッシャ１０により、そのプッシャ１０の
側部から窓部１１を介してマガジン６の外方に突出させ
て一体的に設けた重り１２の重さでマガジン６の開口前
端部７から釘射出路５内に順次、供給されるようになっ
ている。なお、１３は、マガジン組み立て用ボルトであ
る。

【００１３】ハウジング１内には、ドライバ１４が具備
され、釘射出路５内を摺動して該釘射出路５に供給され
た釘４を打撃するように、例えば、シリンダ・ピストン
機構により駆動支持されており、その駆動源としては、
上記グリップ２の上端部に設けたカプラー１５から供給
される圧縮空気が用いられる。

【００１４】釘射出路５は、マガジン６の開口前端部７
に一体的に形成されたウエアプレート１６と、これに分
離可能に対設させてなるドライバガイド部材１７との間
に形成されており、これにより、釘射出路５が露出で
き、釘射出路５内において釘詰まりが生じた場合に詰ま
った釘の除去が可能となる。

【００１５】ここで、ウエアプレート１６は、マガジン
６の開口前端部７にボルト１８により一体的に固着さ
れ、上記ノーズ部材３には、これとウエアプレート１６
との間にドライバガイド部材１７を挟むように、図２に
示すように、共通のボルト１９がマガジン６の延設側か
ら螺合しており、このボルト１９によって、上記ノーズ
部材３上にドライバガイド部材１７を一体固着するとと
もに、このドライバガイド部材１７にウエアプレート１
６を離脱可能に連結して、マガジン６の前端部７をハウ
ジング１に支持する連結手段を構成するようになってい
る。なお、図３に示すように、ボルト１８は、釘射出路
５に沿ってその一方側に３本設けられ、ボルト１９は、
その他方側に３本設けられており、更に、ボルト１８、
１９は、六角穴付きボルトで形成され、ボルト１８の頭
部は、ウエアプレート１６に埋設されてこれとドライバ
ガイド部材１７とが対接可能となっており、ボルト１９
も、ウエアプレート１４に埋設されるようになってい
る。また同じく図３に示すように、ノーズ部材３には、
釘射出路５に沿ってその両側にそれぞれ２本づつ、ピン
突起２０、２１が上方に向けて突設され、図５に示すよ
うに、一方側のピン突起２０は、それに対応してドライ
バガイド部材１７に形成された案内孔２２及びウエアプ
レート１６に形成された案内孔２３に嵌り、他方側のピ
ン突起２１は、それに対応してドライバガイド部材１７
に形成された案内孔２４が嵌るようになっており、ノー
ズ部材３とドライバガイド部材１７との固着及びウエア
プレート１６とドライバガイド部材１７との連結動作に
際し、それらがピン突起２０、２１に沿って案内され、
ボルト１４の螺合時に、ノーズ部材３に対するドライバ
ガイド部材１７の固着位置決め及びノーズ部材３に対す
るウエアプレート１６の連結位置決めが容易に行えるよ
うになっている。

【００１６】また、マガジン６には、ピン部材２５が下
向きに突出するようにボルト２６でボルト止めされると
ともに、ハウジング１のグリップ２の上端部には、ピン
部材２５に対応して係合する係合孔２７を有する対応結
合部材２８がボルト２９でボルト止めされ、これによ
り、マガジン６とハウジング１との間に、ピン結合機構
が構成されており、ウエアプレート１６の離脱動作に伴
うマガジン６の後方移動、ないし上方移動によりピン部
材２５が係合孔２７から離脱するとともに、ウエアプレ
ート１６の連結動作に伴うマガジン６の前方移動、ない
し下方移動によりピン部材２５が係合孔２７に係合して
結合を行い、マガジン６の前端部より後方部位がハウジ
ング１に支持されるようになっている。なお、ピン部材
２５は、テーパー状に形成され、係合孔２７に対する係
合動作を円滑としている。

【００１７】このように、マガジン６は、ハウジング１
に着脱自在に取り付けた構造となっている。

【００１８】以上に実施例を挙げて本考案を説明した
が、本考案は上記実施例に限定されることなく、その要
旨を変更しない範囲で種々変更可能である。

【００１９】

【考案の効果】以上に説明したように、本考案は、マガ
ジンの延設側においてマガジンをハウジングから取り外
すことができ、例えば、釘射出路を介してマガジンの延
設側と反対側に、すなわちドライバガイド部材側におい
てスペースに余裕がない釘打機の組み付け状態であって
も、容易かつ迅速に、ドライバガイド部材とウエアプレ
ートとを分離して釘射出路を露出させ、釘射出路に詰ま
った釘を除去でき、その作業性を向上させ、また、マガ
ジンの前端部より後方部位において、マガジンをハウジ
ングにピン結合によって支持しているので、釘打ち動作
に伴う振動によるマガジンの振れを十分防止できるとと
もにマガジンの着脱操作を容易にする等、種々の効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る釘打機におけるマガジン取付構造
の一実施例を示す要部縦断面図である。

【図２】図１の一部省略側面図である。

【図３】図１の３−３線断面図である。

【図４】図１の４−４線断面図である。

【図５】図１の５−５線断面図である。

【符号の説明】

１ ハウジング ３ ノーズ部材 ４ 釘 ５ 釘射出路 ７ マガジンの前端部 ６ マガジン １４ ドライバ １６ ウエアプレート １７ ドライバガイド部材 １９ ボルト ２５ ピン部材 ２７ 係合孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジングと、該ハウジングに固着され
   るとともに針を射出する釘射出路を形成するノーズ部材
   と、内部に多数の釘を収容するとともに該釘を前記釘射
   出路に順次供給するように前端部を該釘射出路と開口連
   通させて延設したマガジンと、前記ハウジングに駆動支
   持され該釘射出路内を摺動して該釘射出路内に供給され
   た釘を打撃するドライバとを備えた釘打機において、前
   記釘射出路を前記ノーズ部材に一体固着したドライバガ
   イド部材と前記マガジンの開口前端部に一体的に形成し
   たウエアプレートとの間に形成し、該ドライバガイド部
   材に前記ウエアプレートを離脱可能に連結して該マガジ
   ンの前端部を前記ハウジングに支持する連結手段と、該
   マガジンと該ハウジングとの間に該ウエアプレートの離
   脱動作に伴う該マガジンの後方移動により離脱するとと
   もに該ウエアプレートの連結動作に伴う該マガジンの前
   方移動により結合して該マガジンの後方部位を該ハウジ
   ングに支持するピン結合機構とを備え、該マガジンを着
   脱自在に該ハウジングに取り付けてなることを特徴とす
   る釘打機におけるマガジン取付構造。