JPH07229754A - 電気車の走行距離演算装置 - Google Patents

電気車の走行距離演算装置

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JPH07229754A
JPH07229754A JP1944094A JP1944094A JPH07229754A JP H07229754 A JPH07229754 A JP H07229754A JP 1944094 A JP1944094 A JP 1944094A JP 1944094 A JP1944094 A JP 1944094A JP H07229754 A JPH07229754 A JP H07229754A
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Sachiko Akiyama
幸子 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルスカウントに基づく計算上の走行距離を
正確なものとする。 【構成】 この発明の電気車の走行距離演算装置は、地
上子の検出によって求められる特定点における絶対走行
距離Latとその特定点における速度検出系から演算によ
って求めた走行距離Lxとの比較によって偏差dLxの
傾向を判別し、その偏差の傾向を計算上の走行距離に加
味する補正dLspを行い、地上子の存在しない中間地点
の計算上の走行距離を算出することにより、空転、滑走
の検出ミス、また車輪径の摩耗などのために計算上の走
行距離に空転、滑走の補正値を加算するだけでは求める
ことができなかった地上子の存在しない中間地点での正
確な走行距離を割り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気車の走行距離を
正確に算出する電気車の走行距離演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電気車の基準地点から走行距離
を正確に求めることは、車両の位置を正確に確認するた
めに重要な情報である。また近年、電気車の自動運転、
通過防止装置などが取り入れられるようになってきてい
て、走行距離を正確に求めることが定点停止制御にも不
可欠の要素となってきている。
【0003】ところが、電気車の場合、走行の仕方や外
部条件などの様々な要因により、車輪に空転や滑走が起
こり、これを検知して走行距離に空転、あるいは滑走に
よる誤差を補正する機能を持たせなければ、正確な走行
距離計算ができなくなる。
【0004】図3は、電気車の速度、走行距離を算出す
るのに空転、滑走の自動補正機能を備えた従来の電気車
の走行距離演算装置の回路ブロック図であり、車軸の回
転速度に応じたパルス信号を発生するタコジェネレータ
TGからのパルス信号TGPI、車輪径WD、タコジェ
ネレータTGの歯数Zを入力し、次の式に基づいて計算
上の速度Vtg、計算上の走行距離Ltgを算出する速度距
離演算部1を備えている。
【0005】
【数1】 また、車輪の空転、滑走を検知して空転検知による速度
補正値dVrc,または滑走検知による速度補正値dVsl
と、空転検知による距離補正値dLrc,または滑走検知
による距離補正値dLslとを算出する空転滑走補正値演
算部2と、前記速度距離演算部1からの計算上の速度V
tg、計算上の走行距離Ltgそれぞれに速度補正値dVr
c,dVsl、距離補正値dLrc,dLslそれぞれを加算
することによって制御に使用するための確定的な速度
V、確定的な走行距離Lを出力する速度距離確定部3を
備えている。
【0006】そして空転滑走補正値演算部2における空
転、滑走を検知する方法としては、まず1つめに、電気
車の数本の車軸にタコジェネレータTGを設置してお
き、それらのタコジェネレータTGからのパルス信号入
力を一定時間ずつカウントし、1パルス当たりの走行距
離とかけることによって速度を算出するのであるが、あ
るタコジェネレータTGからのパルスに基づく速度が、
同じ車両にかかわらず他のタコジェネレータTGのパル
スに基づく速度よりも大きすぎるようになればその回転
軸の車輪に空転が発生していると判断し、逆に小さすぎ
る場合には滑走が発生していると判断し、それらの大き
く外れたデータを除外して、それ以外のデータを用いて
走行速度、またその積分値としての走行距離を算出する
ことにより、空転、滑走によって生じる誤差を最初から
排除する方法である。
【0007】また2つめの方法は、タコジェネレータT
Gを1本の回転軸にしか設置できない場合には、そのタ
コジェネレータTGからの信号を監視していて、パルス
信号に著しい変化が起き、その変化率が車両の加速性能
あるいは減速性能の限界を超えるようなものであるとき
には、空転あるいは滑走が起きたものと判断する方法で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の電気車の走行距離演算装置では、次のような問題
点があった。すなわち、上記の1つめの空転、滑走の補
正機能を採用しようとすると、常に数カ所の回転軸にタ
コジェネレータTGを設置しておいてそれらからのパル
ス信号を取り込んで速度演算、走行距離演算を実行する
ことになるが、数点からパルス信号を入力して並行演算
処理することは電気車の性格上困難である問題点があっ
た。
【0009】また上記の2つめの補正方法を採用する場
合には、実際には車両の性能の限界を超えない範囲での
空転、滑走も発生するものであるが、正確に空転、滑走
を検出することができず、速度、走行距離の演算が正確
に行えない問題点があった。
【0010】さらに、回転軸に設置したタコジェネレー
タTGからのパルス信号をカウントして速度、走行距離
演算を実行するのであるが、パルス1つ当たりの走行距
離を示す値は電気車の車輪径によって異なるが、車輪径
は走行によって常時摩耗していくものであり、その車輪
径を逐一計測する方法も存在しないため、車輪径の計測
時から時間がたてば1パルス当たりの走行距離がわずか
ずつ変化していき、それが積もり積もって走行距離に換
算すると大きな誤差として現れる問題点があった。例え
ば、車輪径のわずかな摩耗によって1回転あたりの1c
mの誤差があれば、1万回転すると10000cm(=
100m)にもなり、定点停止制御に大きな悪影響を与
える問題点があった。
【0011】この発明はこのような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、車両の制御装置側で地上子との関係
で知ることができる絶対走行距離と自走値で算出した計
算上の走行距離とを比較し、その偏差の傾向を判別し、
偏差の傾向を計算上の走行距離に反映させることによっ
て絶対走行距離と一致するような正確な走行距離の算出
ができるようにした電気車の走行距離演算装置を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の電気車
の走行距離演算装置は、電気車の回転部の回転速度を検
出する回転速度検出部と、回転速度検出器が検出する回
転速度信号から電気車の計算上の走行距離を算出する走
行距離演算部と、電気車の空転および滑走を検出し、空
転または滑走によって走行距離演算部が算出した計算上
の走行距離に生じる誤差を補正する空転滑走誤差補正部
と、複数の特定地点に設置されている地上子各々からの
信号を受けて当該地上子の設置地点までの絶対走行距離
各々を求める絶対距離演算部と、絶対距離演算部が求め
る絶対走行距離と空転滑走誤差補正部による補正後の計
算上の走行距離との偏差を求める偏差算出部と、偏差算
出部が算出する複数の特定地点各々における偏差の傾向
を判別する偏差傾向判別部と、偏差傾向判別部が求めた
偏差傾向を空転滑走誤差補正部が出力する補正後の計算
上の走行距離に加味して確定的な走行距離を出力する走
行距離確定部とを備えたものである。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の電気車の走
行距離演算装置において、回転速度検出部として車軸の
回転をパルスに変換して出力するタコジェネレータを用
い、走行距離演算部がタコジェネレータからのパルスを
カウントし、あらかじめ設定されている1パルス当たり
の走行距離との関係から電気車の計算上の走行距離を算
出するようにし、また絶対距離演算部が地上子各々の基
準地点からの絶対走行距離の登録されているデータテー
ブルを参照して絶対走行距離を割り出すようにしたもの
である。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または2の電
気車の走行距離演算装置において、偏差傾向判別部が、
偏差の傾向が補正後の計算上の走行距離の長さに比例す
るかどうか判別し、当該長さに比例する傾向であるとき
にその比を割り出し、走行距離確定部が当該比を用いて
補正後の計算上の走行距離を再補正して確定的な走行距
離を出力するようにしたものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明の電気車の走行距離演算装置で
は、回転速度検出部によって電気車の回転部の回転速度
を検出し、走行距離演算部によって回転速度検出器の検
出する回転速度信号から電気車の計算上の走行距離を算
出し、さらに空転滑走誤差補正部によって電気車の空転
および滑走を検出し、空転または滑走によって走行距離
演算部が算出した計算上の走行距離に生じる誤差を補正
する。他方、絶対距離演算部によって複数の特定地点に
設置されている地上子各々からの信号を受けて当該地上
子の設置地点までの絶対走行距離各々を求める。そし
て、絶対距離演算部が求める絶対走行距離と空転滑走誤
差補正部による補正後の計算上の走行距離との偏差を偏
差算出部によって求め、偏差傾向判別部によって偏差算
出部の算出する複数の特定地点各々における偏差の傾向
を判別し、走行距離確定部によって、偏差傾向判別部の
求めた偏差傾向を空転滑走誤差補正部が出力する補正後
の計算上の走行距離に加味して確定的な走行距離を出力
する。
【0016】こうして、地上子の検出によって求められ
る特定点における絶対走行距離とその特定点における計
算上の走行距離との比較によって偏差の傾向を判別し、
その偏差の傾向を計算上の走行距離に加味することによ
って、空転、滑走の検出ミス、また車輪径の摩耗などの
ために計算上の走行距離に空転、滑走の補正値を加算す
るだけでは求めることができなかった地上子の存在しな
い中間地点での正確な走行距離を割り出すのである。
【0017】請求項2の発明の電気車の走行距離演算装
置では、タコジェネレータによって車軸の回転をパルス
に変換して出力し、走行距離演算部がタコジェネレータ
からのパルスをカウントし、あらかじめ設定されている
1パルス当たりの走行距離との関係から電気車の計算上
の走行距離を算出する。そして空転滑走誤差補正部によ
って電気車の空転および滑走を検出し、空転または滑走
によって走行距離演算部が算出した計算上の走行距離に
生じる誤差を補正する。一方、絶対距離演算部が地上子
各々の基準地点からの絶対走行距離の登録されているデ
ータテーブルを参照して絶対走行距離を割り出する。そ
して、この絶対距離演算部が求めた特定点での絶対走行
距離と空転滑走誤差補正部による補正後の計算上の走行
距離との偏差を偏差算出部によって求め、偏差傾向判別
部によって偏差算出部の算出する複数の特定地点各々に
おける偏差の傾向を判別し、走行距離確定部によって、
偏差傾向判別部の求めた偏差傾向を空転滑走誤差補正部
が出力する補正後の計算上の走行距離に加味して確定的
な走行距離を出力する。
【0018】こうして、従来から用いられている同じ装
置手段を走行距離演算部、空転滑走誤差補正部ならびに
絶対距離演算部に用いながらも、より正確な走行距離の
割り出しができるようになる。
【0019】請求項3の発明の電気車の走行距離演算装
置では、偏差傾向判別部が、偏差の傾向が補正後の走行
距離の長さに比例するかどうか判別し、当該長さに比例
する傾向であるときにその比を割り出し、走行距離確定
部が当該比を用いて補正後の計算上の走行距離を再補正
して最終走行距離を出力することにより、特に車輪径の
摩耗に起因する誤差、その他、一定の割合で発生する誤
差を加味した定性的な補正を行うことができ、正確な走
行距離の演算が可能となる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。図1は請求項1〜請求項3の発明の共通する実施
例の機能ブロック図であり、通常通り車軸の回転数に応
じたパルス信号を出力するタコジェネレータTGからの
パルス信号入力TGPI、あらかじめ設定されているタ
コジェネレータTGの歯数Z、車輪径WDを入力し、パ
ルス信号TGPIを一定時間ごとにカウントしてそのカ
ウント数から前述の(1)式に基づいて計算上の速度V
tg、また(2)式に基づいて計算上の走行距離Ltgを求
める速度距離演算部1と、車輪の空転、滑走を検知して
空転検知による速度補正値dVrc,または滑走検知によ
る速度補正値dVslと、空転検知による距離補正値dL
rc,または滑走検知による距離補正値dLslを算出する
空転滑走補正値演算部2と、前記速度距離演算部1から
の計算上の速度Vtg、計算上の走行距離Ltgそれぞれに
速度補正値dVrc,dVsl、距離補正値dLrc,dLsl
それぞれを加算して空転滑走補正後の速度Vx,Lxを
出力する加算器4を備えている。
【0021】またこの実施例の特徴として、始発駅の0
点からの絶対位置が正確に分かっているATS(自動列
車停止装置)の地上子が何点か、例えばn点ある場合、
それらの地上子からの入力ATSSIGを受けたときに
それらの絶対位置信号Lat1,Lat2 ,…,Latn を入
力する絶対位置検出部5と、この絶対位置検出部5から
絶対位置信号Lati (i =1,2…)が出力されるとき
に前記加算器4からの補正後の走行距離Lxと比較して
その偏差dLxi(i =1,2…)を出力する減算器6
と、あらかじめ設定されている数、例えばk個分の偏差
dLxiが得られたときにその偏差の傾向を判別し、距離
補正値dLspを出力する偏差傾向判別部7と、この偏差
傾向判別部7によって求めた補正値dLspを加算器4に
よる空転滑走補正後の計算上の走行距離Lxに加算して
最終的に制御に用いる確定速度V、確定走行距離Lを出
力する速度距離確定部8を備えている。
【0022】次に、上記構成の電気車の走行距離演算装
置の動作について説明する。通常通りのタコジェネレー
タTGからのパルス信号TGPIを速度距離演算部1に
入力して一定時間tごとにカウントし、あらかじめ設定
されているタコジェネレータTGの歯数Z、車輪径WD
から前述の式(1),(2)に基づいて計算上の速度V
tg、計算上の走行距離Ltgを算出する。
【0023】そしてその出力に対して、空転滑走補正値
演算部2において空転、滑走を検出したときに従来から
行われている方法によって空転滑走補正値dVrc,dL
rc,dVsl,dLslを求める。すなわち、複数軸にタコ
ジェネレータTGを設置してそれらからパルス入力TG
PIを得る場合には、他のパルス入力に対して所定範囲
以上外れたカウント数を示すパルス入力を除外し、それ
以外のパルス入力に基づく計算上の速度、計算上の走行
距離を用いる方法、また図1に示す実施例のように1点
のタコジェネレータからのパルス入力TGPIに基づい
て計算上の速度、計算上の走行距離を算出する場合に
は、車両性能上の加速度、減速度を超える加速度あるい
は減速度を示す計算上の速度が算出される場合に、空転
あるいは滑走が発生しているものとして、その異常な大
きさの加速度、あいるは減速度が算出される前の加速
度、あるいは減速度を用いて速度補正dVrc(空転によ
る速度補正値)、dVsl(滑走による速度補正値)、走
行距離補正dLrc(空転による距離補正値)、dLsl
(滑走による距離補正値)を算出する。
【0024】そして計算上の速度Vtg、計算上の走行距
離Ltgに対して加算器4においてこの速度補正値および
距離補正値を加算して、それぞれ補正後の計算上の速度
Vx、計算上の走行距離Lxを得る。
【0025】次に、始発駅の0点からの絶対位置が正確
に分かっているATS地上子が何点か(ここではn点と
する)あるとすると、それらの絶対位置をLat1 ,Lat
2 ,…,Latn とし、いまi(i=1,2,…,n)点
の地上子から入力を受けたときに絶対位置検出部5から
i点の絶対位置データLati と補正後の計算上の走行距
離Lxとを比較器6において比較して偏差dLxiを求
め、偏差傾向判別部7に与える。
【0026】dLxi=Lxi−Lati そして偏差判別部7は上記の演算が(i+1)番目、
(i+2)番目、…とk回繰り返えされ、(i+k−
1)番目までのk個のサンプルdLxi,dLx(i+1),d
Lx(i+2),…,dLx(i+k-1)が与えられるのを待って、
偏差の傾向を判別する。
【0027】この偏差傾向の判別では、k個の位置の差
が常に0よりも小さいと出る場合は、 0>Lxi−Lati Lati >Lxi であり、正確な値よりも演算値の方が小さく出る傾向が
あることが分かる。
【0028】またk個の位置の差が常に0よりも大きい
と出る場合は、 0<Lxi−Lati Lati<Lxi であり、正確な値よりも演算値の方が大きく出る傾向が
あることが分かる。
【0029】これらの偏差の傾向の原因は明確に決定す
ることができないが、その原因としては、毎回の演算値
Lxの方が地上子の位置Latよりも大きくなる場合に
は、 〇空転しやすい、 〇空転による補正が少なすぎる、 〇空転検知しない程度の小さい空転を起こす傾向があ
る、 〇車輪がすり減り、実際の車輪径が演算上のデータWD
より小さくなっている、 などが考えられる。
【0030】また毎回小さくなる場合には、 〇滑走しやすい、 〇滑走による補正が大きすぎる、 〇滑走検知しない程度の小さい滑走を起こす傾向があ
る、 〇車輪を削るときの測定誤差で、実際の車輪径が演算上
のデータWDより大きくなっている、 などが考えられる。
【0031】そして位置が明らかな地上子を検出するた
びに補正を行うものの、地上子間の中間位置の演算に誤
差があり、計算上のある決められた地点でブレーキをか
ける処理を行うとすると、計算値が小さく出る場合には
ブレーキをかけるタイミングが遅れてしまい、停止点よ
りも前方まで止まらないことになってしまい、逆に計算
値が大きく出る場合には早くブレーキをかけ、停止点よ
りも手前で止めてしまうことになる。この誤差は、位置
が明らかな地上子間の間隔が広いほど大きくなる。
【0032】しかしながら、このような偏差の原因が何
に起因するものかはデータだけからは判断することがで
きないが、上記のような原因であれば、この先の走行に
おいても同じ傾向があり、同様の比率の偏差が出ること
が予想される。そこで、前もってk個のサンプリング後
については予想できる補正を偏差の傾向からあらかじめ
盛り込む補正を行うのである。それには、k個のサンプ
ルからどれくらいの距離を走行する場合にどれくらいの
偏差dLspが出るかを次の式に基づいて演算する。つま
り、 dLspi =dLxi/(Lati −Lat(i-1) ) …(3) の演算をk個のサンプリング点について実行してその平
均値を求める。
【0033】 ΔLsp=(dLspi +dLsp(i+1) +…+dLsp(i+k-1) )/k …(4 ) そしてこの平均偏差ΔLspを用いて、次の(i+k−
1)点と(i+k)点の間を走行する電気車の計算上の
走行距離Lxに対して、 dLsp=Lx×ΔLsp …(5) を偏差の傾向の補正値として求めて出力する。
【0034】そして速度距離確定部8では、この補正値
dLspを計算上の走行距離Lxに加算して制御に用いる
確定的な走行距離Lを出力する共に、速度Vxをそのま
ま制御用の確定速度Vとして出力する。
【0035】上記の補正演算は常時、周期的に実行さ
れ、次の電気車が(i+1)番目から(i+k)番目の
までのk個を通過する間サンプリングを行い、上記と同
じ演算によって偏差の傾向の補正値を求め、同様にして
(i+k)点から(i+k+1)点の間を走行する電気
車に対して同じように偏差の傾向の補正を行う。
【0036】なお、この補正値dLspは通常、偏差の傾
向が同じであればサンプリングを重ねることによって一
定値に収束するはずである。また、偏差の傾向が推移す
るならば、それに追従する方向に向かう。
【0037】さらに、ある一定区間だけ偏差の傾向が大
きく異なるようであれば、前回の同じ区間の偏差の傾向
と比較し、その補正値が同じような値を示すかどうかを
判別し、該当する区間においては当該区間だけに特別の
偏差の傾向の補正値を適用するようにすることもでき
る。すなわち、区間j番目と(j+1)番目との間の区
間においては、偏差dLsp(j+1) が、特別に平均偏差Δ
Lspに対して一定値以上かけ離れているとすれば、この
区間j,(j+1) に関しては、補正値dLspとして、特別
に、 dLsp=Lx×dLsp(j+1) …(6) を用いて補正するのである。
【0038】このようにして、絶対位置との偏差の傾向
を判別し、中間位置の算出にその偏差の傾向から求めら
れる補正値を用いて計算上の走行距離を補正することに
より常に正確な走行距離を演算から求めて制御に用いる
ことができるようになる。
【0039】以上の走行距離、速度の演算制御をフロー
チャートにしたものが図2であり、実際に電気車に搭載
されているコントロール用のコンピュータによってこの
制御を実行する場合には、このフローチャートに基づく
演算を実行する。
【0040】まず、前回の演算時の位置Lp-1 に対して
(ステップS1)、今回の一定時間tの間のパルス数を
カウントして(1)式に基づいて計算上の速度Vtg を求
めると共に、前回の位置Lp-1 に今回の計算上の速度V
tgを加算することによって今回の計算上の走行距離(現
在位置)Ltgを求める(ステップS2)。
【0041】続いて、空転あるいは滑走があれば空転、
滑走による補正を行って計算上の速度Vx,計算上の走
行距離Lxを求める(ステップS3〜S5)。
【0042】続いて、何番目かの地上子iを検出すれ
ば、該当する地上子の基準地点からの絶対位置Lati を
位置データテーブルTを参照して割り出し、その時点で
の計算上の走行距離Lxとの偏差dLxiを求めてサンプ
リングテーブルSTに登録し、同時に絶対位置データL
ati を演算によって求めた計算上の走行距離Lxに置き
換える(ステップS6,S7)。
【0043】そしてk個以上のサンプリングが登録され
ていれば、上述の式(3)〜(5)に基づく偏差の傾向
の補正値演算を行い、得られる補正値dLspを地上子間
の中間地点を走行する電気車の計算上の走行距離データ
Lxに対して加算することにより、制御に用いる今回の
演算時の確定した走行位置Lpを得て出力し、一回の演
算ルーチンが完了する(ステップS7,S8)。なお、
今回のデータLpは、次の演算ルーチンでは前回の位置
データL(p-1) としてステップS1以下の演算が繰り返
されることになる。
【0044】なお、この発明は上記の実施例に限定され
ず、例えば、同じ走行区間でとったサンプル同士を比較
し、各区間ごとの偏差の傾向を求めてその傾向を該当す
る区間での補正に盛り込むようにすれば、特に空転が起
きやすい登坂区間、滑走が起きやすい降坂区間などの地
形的な影響に起因する誤差を少なくして正確な走行位置
の演算が可能となる。
【0045】つまり、ある区間i,(i+1) とすると、こ
の区間でのq回目の走行時の偏差を、 dLsp(i+1),q =dLx(i+1),q /(Lat(i+1) −Lati ) とし、これを区間ごとに走行回数で平均する。
【0046】 dLsp(i+1) = (dLsp(i+1),1 +dLsp(i+1),2 …,dLsp(i+1),q )/q そして、これをi,(i+1)区間の偏差の傾向値とし
て用いて、式(6)に当てはめるのである。
【0047】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
地上子の検出によって求められる特定点における絶対走
行距離とその特定点における速度検出系から演算によっ
て求めた計算上の走行距離との比較によって偏差の傾向
を判別し、その偏差の傾向を計算上の走行距離に加味す
る補正を行い、地上子の存在しない中間地点の演算上の
走行距離を算出するようにしているので、空転、滑走の
検出ミス、また車輪径の摩耗などのために計算上の走行
距離に空転、滑走の補正値を加算するだけでは求めるこ
とができなかった地上子の存在しない中間地点での正確
な走行距離を割り出すことができる。
【0048】請求項2の発明によれば、タコジェネレー
タTGによって車軸の回転をパルスに変換して出力し、
走行距離演算部がタコジェネレータTGからのパルスを
カウントし、あらかじめ設定されている1パルス当たり
の走行距離との関係から電気車の計算上の走行距離を算
出し、さらに空転滑走誤差補正部によって電気車の空転
および滑走を検出し、空転または滑走によって走行距離
演算部が算出した計算上の走行距離に生じる誤差を補正
し、他方、絶対距離演算部が地上子各々の基準地点から
の絶対走行距離の登録されているデータテーブルを参照
して絶対走行距離を割り出し、この絶対距離演算部が求
めた特定点での絶対走行距離と空転滑走誤差補正部によ
る補正後の計算上の走行距離との偏差を偏差算出部によ
って求め、偏差傾向判別部によって偏差算出部の算出す
る複数の特定地点各々における偏差の傾向を判別し、走
行距離確定部によって、偏差傾向判別部の求めた偏差傾
向を空転滑走誤差補正部が出力する補正後の計算上の走
行距離に加味して確定的な走行距離を出力するようにし
ているので、従来から用いられている同じ装置手段を走
行距離演算部、空転滑走誤差補正部ならびに絶対距離演
算部に用いながらも、より正確な走行距離の割り出しが
できる。
【0049】請求項3の発明によれば、偏差傾向判別部
が、偏差の傾向が補正後の計算上の走行距離の長さに比
例するかどうか判別し、当該長さに比例する傾向である
ときにその比を割り出し、走行距離確定部が当該比を用
いて補正後の走行距離を再補正して確定的な走行距離を
出力するようにしているので、特に車輪径の摩耗に起因
する誤差、その他、一定の割合で発生する誤差を加味し
た定性的な補正を行うことができ、正確な走行距離の演
算が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜請求項3の発明の共通する実施例の
機能ブロック図。
【図2】上記実施例の制御演算動作を示すフローチャー
ト。
【図3】従来例の機能ブロック図。
【符号の説明】
1 速度距離演算部 2 空転滑走補正値演算部 4 加算器 5 絶対位置検出部 6 比較器 7 偏差傾向判別部 8 速度距離確定部 T 絶対位置データテーブル ST サンプリングデータテーブル TG タコジェネレータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気車の回転部の回転速度を検出する回
    転速度検出部と、 前記回転速度検出器が検出する回転速度信号から電気車
    の計算上の走行距離を算出する走行距離演算部と、 前記電気車の空転および滑走を検出し、空転または滑走
    によって前記走行距離演算部が算出した計算上の走行距
    離に生じる誤差を補正する空転滑走誤差補正部と、 複数の特定地点に設置されている地上子各々からの信号
    を受けて当該地上子の設置地点までの絶対走行距離各々
    を求める絶対距離演算部と、 前記絶対距離演算部が求める絶対走行距離と前記空転滑
    走誤差補正部による補正後の計算上の走行距離との偏差
    を求める偏差算出部と、 前記偏差算出部が算出する前記複数の特定地点各々にお
    ける偏差の傾向を判別する偏差傾向判別部と、 前記偏差傾向判別部が求めた偏差傾向を前記空転滑走誤
    差補正部が出力する補正後の計算上の走行距離に加味し
    て確定的な走行距離を出力する走行距離確定部とを備え
    て成る電気車の走行距離演算装置。
  2. 【請求項2】 前記回転速度検出部として車軸の回転を
    パルスに変換して出力するタコジェネレータを用い、前
    記走行距離演算部が前記タコジェネレータからのパルス
    をカウントし、あらかじめ設定されている1パルス当た
    りの走行距離との関係から電気車の計算上の走行距離を
    算出するものであり、前記絶対距離演算部が前記地上子
    各々の基準地点からの絶対走行距離の登録されているデ
    ータテーブルを参照して絶対走行距離を割り出すもので
    あることを特徴とする請求項1記載の電気車の走行距離
    演算装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電気車の走行距
    離演算装置において、前記偏差傾向判別部が、前記偏差
    の傾向が前記補正後の計算上の走行距離の長さに比例す
    るかどうか判別し、当該長さに比例する傾向であるとき
    にその比を割り出し、前記走行距離確定部が当該比を用
    いて補正後の計算上の走行距離を再補正して確定的な走
    行距離を出力することを特徴とする電気車の走行距離演
    算装置。
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