JPH07227163A - 養液栽培装置およびそれに用いる養液調製溶液 - Google Patents

養液栽培装置およびそれに用いる養液調製溶液

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JPH07227163A
JPH07227163A JP6024231A JP2423194A JPH07227163A JP H07227163 A JPH07227163 A JP H07227163A JP 6024231 A JP6024231 A JP 6024231A JP 2423194 A JP2423194 A JP 2423194A JP H07227163 A JPH07227163 A JP H07227163A
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JP
Japan
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nutrient solution
ion
solution
conductivity
value
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Application number
JP6024231A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kikuchi
宏 菊池
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、養液の各種イオン濃度や導電率、p
H値を最適に管理して養液の無駄を無くし、植物を効果
的に生育させることを最も主要な目的とする。 【構成】植物栽培に用いる養液中の導電率、pH値、各
種イオン濃度を測定する手段と、導電率が所定範囲外に
ある場合、養液原液または希釈水を補給して導電率を目
標値に一致させる導電率制御手段と、pH値が所定範囲
外にある場合、複数のアルカリ性溶液または複数の酸溶
液のうち、適切ないずれかを補給してpH値を目標値に
一致させるpH制御手段と、あるイオンの濃度が所定濃
度範囲以下である場合、そのイオンを主に含有するイオ
ン成分溶液を補給して所定濃度範囲と一致させ、所定濃
度範囲以上である場合、そのイオンを主に含有するイオ
ン成分溶液以外の各イオン成分溶液と希釈水を補給して
イオン分析された全てのイオン濃度を所定濃度範囲に一
致させるイオン濃度制御手段とを備えたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、養液を用いて植物を栽
培する養液栽培装置およびそれに用いる養液調製溶液に
係り、特に養液の各種イオン濃度や導電率、pH値を最
適に管理して養液の無駄を無くすることができると共
に、植物を効果的に生育させ得るようにした養液栽培装
置およびそれに用いる養液調製溶液に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、養液を用いて植物を栽培する
養液栽培装置においては、養液のpH値や導電率等を測
定し、これらの各測定結果を指標として、養液の管理を
行なってきている。
【0003】この場合、例えば、養液の導電率が低下す
れば、高濃度の養液原液を補充して導電率を目標値まで
上昇させ、また逆に養液の導電率が上昇すれば、水で希
釈して導電率を目標値まで下げて、養液の導電率が一定
の範囲内に収まるように制御している。
【0004】また、同様に、養液のpH値が低下すれ
ば、アルカリ液を補充してpH値を目標値まで上昇さ
せ、また逆に養液のpH値が上昇すれば、酸液を補充し
てpH値を目標値まで下げて、養液のpH値が一定の範
囲内に収まるように制御している。
【0005】しかしながら、このような養液栽培装置に
おいては、養液のpH値や導電率のみを指標として養液
の管理を行なっていることから、栽培すべき植物に必要
な成分の養液を的確に供給することが難しく、栽培の過
程で植物の根から有機酸やその他の物質が溶出して、植
物の成長に有害な成分が蓄積されているにもかかわら
ず、追肥や養液の更新が行なわれずに植物の生育を遅ら
せてしまったり、枯らしたりすることがある。
【0006】また、養液のpH値や導電率等の情報は養
液の状態を的確に反映していないことから、栽培途中で
植物の異常に気付いたとしても、pH値や導電率だけの
情報では、異常の原因を見つけることが難しく、異常の
原因が見つからない時には、養液全体を更新しなければ
ならず、養液を無駄にしてしまうことが多い。
【0007】さらに、養液のpH値や導電率だけの情報
で養液の管理を行なっていることから、植物の生育段階
や日照、気温、養液温度等の外部条件により、特定の成
分のみを特に消費する場合には、個々の養液イオン成分
が不足してしまうことがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
養液栽培装置においては、養液のpH値や導電率のみを
指標として養液の管理を行なっていることから、養液を
無駄にしてしまうばかりでなく、植物を効果的に生育さ
せることが難しいという問題があった。
【0009】本発明の目的は、養液の各種イオン濃度や
導電率、pH値を最適に管理して養液の無駄を無くする
ことができると共に、植物を効果的に生育させることが
可能な養液栽培装置およびそれに用いる養液調製溶液を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に係る発明では、養液を用いて植
物を栽培する養液栽培装置において、植物栽培に用いる
養液中の導電率を測定する導電率測定手段と、養液中の
pH値を測定するpH測定手段と、養液中の各種イオン
濃度を測定するイオン分析手段と、導電率測定手段によ
り測定された導電率が所定範囲外にある場合、養液原液
または希釈水を補給して導電率を目標値に一致させるよ
うに制御する導電率制御手段と、pH測定手段により測
定されたpH値が所定範囲外にある場合、複数のアルカ
リ性溶液または複数の酸溶液のうち、適切ないずれかを
補給してpH値を目標値に一致させるように制御するp
H制御手段と、イオン分析手段によりイオン分析された
あるイオンの濃度が所定濃度範囲以下にある場合、当該
所定濃度範囲以下になっているイオンを主に含有するイ
オン成分溶液を補給して所定濃度範囲と一致させ、また
イオン分析されたあるイオン濃度が所定濃度範囲以上に
ある場合、当該所定濃度範囲以上になっているイオンを
主に含有するイオン成分溶液以外の各イオン成分溶液と
希釈水を補給してイオン分析された全てのイオン濃度を
所定濃度範囲に一致させるように制御するイオン濃度制
御手段とを備えて成る。
【0011】また、請求項2に係る発明の養液調製溶液
は、上記全てのイオン成分溶液を混合すると、養液原液
と希釈水により調製されたスタート養液とほぼ同一のイ
オン比率でかつ高濃度な養液が調製される。
【0012】ここで、特に上記各イオン成分溶液が、養
液主要成分としてカリウム(K)、カルシウム(C
a)、マグネシウム(Mg)、アンモニア(NH3 )、
リン酸(PO4 )、硝酸(NO3 ))をそれぞれ主に含
有する6種類の溶液で構成されている。
【0013】また、上記各イオン成分溶液が、養液主要
成分としてカリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグ
ネシウム(Mg)、アンモニア(NH3 )、リン酸(P
4)、硝酸(NO3 )、硫酸(SO4 )をそれぞれ主
に含有する7種類の溶液と、前記養液主要成分以外が全
て含まれる微量成分とで構成されている。さらに、上記
養液調製溶液が、上記養液主要成分以外が全て含まれる
微量成分を付加して構成されている。
【0014】
【作用】従って、本発明の養液栽培装置およびそれに用
いる養液調製溶液においては、全てのイオン成分溶液を
混合すると、養液原液と希釈水により調製されたスター
ト養液とほぼ同一のイオン比率でかつ高濃度な養液が調
製される養液調製溶液、より具体的には、各イオン成分
溶液が、養液主要成分[カリウム(K)、カルシウム
(Ca)、マグネシウム(Mg)、アンモニア(NH
3 )、リン酸(PO4)、硝酸(NO3 )、および必要
に応じて、硫酸(SO4 )]をそれぞれ主に含有する6
または7種類の溶液と、必要に応じて、養液主要成分以
外が全て含まれる微量成分とで構成される養液調製溶液
を用い、養液中の導電率が所定範囲外の時には、養液原
液または希釈水を補給して導電率を目標値に一致させ、
また養液中のpH値が所定範囲外の時には、複数のアル
カリ性溶液または複数の酸溶液のうち適切ないずれかを
補給してpH値を目標値に一致させ、さらに養液中のイ
オンの濃度が所定濃度範囲以下にある時には、そのイオ
ンを主に含有するイオン成分溶液を補給して所定濃度範
囲と一致させ、イオン濃度が所定濃度範囲以上にある時
には、そのイオンを主に含有するイオン成分溶液以外の
各イオン成分溶液と希釈水を補給してイオン分析された
全てのイオン濃度を所定濃度範囲に一致させることによ
り、養液の導電率、pH値、およびイオン濃度を制御す
ることができる。これにより、イオンのバランスを考慮
した制御が可能となるため、養液の無駄を無くすること
ができると共に、植物を効果的に生育させることができ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。図1は、本発明による養液栽培装
置の一実施例を示す構成図である。すなわち、本実施例
の養液栽培装置は、図1に示すように、センサ部1と、
コントローラ2と、酸・アルカリ供給部4と、養液原液
供給部3と、イオン成分供給部5と、水供給部6とを備
えて成り、NFT方式の栽培パネル23ヘ、循環ポンプ
22によってタンク21内の養液24を汲み出してこれ
を栽培パネル23に供給し、この栽培パネル23から流
れ出た養液24をタンク21に戻す方式の養液24の各
種イオン濃度や導電率、pH値を最適に管理して、養液
24の無駄を無くしながら、栽培パネル23上の植物を
効果的に生育させるようにしている。
【0016】一方、センサ部1は、タンク21内にある
養液24の各種イオン濃度を測定する各種イオン分析計
10と、養液24のpH値を測定するpH計11と、養
液24の導電率を測定する導電率計12とを備えてお
り、これら各種イオン分析計10、pH計11、導電率
計12によって得られた養液24の各種イオン濃度、p
H値、導電率をコントローラ2に供給するようにしてい
る。
【0017】また、コントローラ2は、センサ部1から
供給される各検出結果に基づいて、各種の酸、アルカリ
液、各種の養液原液、各種イオン成分の供給を制御する
信号を生成して、これを酸・アルカリ供給部4、養液原
液供給部3、およびイオン成分供給部5に供給する処理
や、水の供給を制御する駆動信号を生成して、これを水
供給部6に供給する処理を行なうようにしている。
【0018】酸・アルカリ供給部4は、各種の酸、アル
カリ液を貯留している複数の酸・アルカリタンク15
と、コントローラ2から供給される信号に基づいて、各
酸・アルカリタンク15に貯留されている各種酸、アル
カリ液のいずれかを選択的に汲み出してタンク21に供
給するポンプ16を有している。
【0019】この場合、酸液としては、例えばHNO3
液、H3 PO4 液、H2 SO4 液等が使用される。ま
た、アルカリ液としては、例えばKOH液、Ca(O
H)2 液、Mg(OH)2 液、NH4 OH液等が使用さ
れる。
【0020】一方、同様にコントローラ2は、センサ部
1から供給される各検出結果に基づいて、選択的に養液
原液タンク13に貯留されている各種養液原液を養液原
液ポンプ14で、イオン成分タンク19に貯留されてい
る各種イオン成分溶液をイオン成分ポンプ20でそれぞ
れ汲み出してタンク21に供給するようにしている。ま
た、必要に応じてコントローラ2は、希釈水電磁弁18
を開放してタンク5に水を給液するようにしている。イ
オン成分溶液の例を下表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】イオン成分溶液と酸・アルカリ溶液とが重
複する場合にはいずれか一つを準備し、それぞれの目的
で使用する。上記表で示すイオン重量比は、国内で多く
用いられる市販のO養液原液1,2号を用いている。こ
れらを養液原液として用いる場合、溶液は上記表で示す
イオン比率で調製する。また、養液原液を、他の調合方
法、例えば神奈川国試処方等にした場合は、それと同じ
イオン重量比となるように各イオン成分溶液を調製す
る。
【0023】また、養液は、各種養液原液を水で希釈
し、導電率0.5 〜3.0ms/cmで通常使用する。各イオン成
分溶液を全て同量混合した場合、スタート養液の5倍以
上高濃度とすべきである。
【0024】各イオン成分を全て混合しスタート養液と
ほぼ同一比率の溶液を作る場合各イオン成分を同量混合
しなくても、各イオン成分ポンプ20の動作時間や流量
を制限して調製してもよい。
【0025】なお、上記表には一例を示したが、K成分
の場合、KOHだけでなくKNO3,K2 HPO4 ,K
2 PO4 ,K2 SO4 等を混合し、K成分だけ多く含
まれる溶液としてもよい。
【0026】次に、以上のように構成した本実施例の養
液栽培装置の動作について説明する。まず、栽培に必要
な養液24を新たに作る場合、コントローラ2は、植物
の栽培ステージに応じて各ポンプ16を制御して、各種
酸液や各種アルカリ液をタンク21に供給したり、各ポ
ンプ14を制御して、各種の養液原液をタンク21に供
給したり、電磁弁18を制御して、水をタンク21に供
給したりすることにより、植物の成長に必要なイオンや
微量成分等をバランスよく含有した溶液24を調製す
る。
【0027】その後、コントローラ2は、導電率計1
2、pH計11、およびイオン分析計10からの各出力
に基づいて、養液24の状態を常に監視する。そして、
栽培パネル23上にある植物の栽培経過と共に、養液2
4の導電率が低くなった時には、コントローラ2は、養
液原液用のポンプ14を制御して高濃度の養液原液タン
ク13から養液原液を汲み出し、これをタンク21内に
補充させる。
【0028】また、検出された養液24の導電率が高い
時には、コントローラ2は、水道水用の電磁弁18を開
いてタンク5内に水を補充させ、養液24を希釈させ
る。一方、栽培パネル7上にある植物の栽培経過と共
に、養液24のpH値が高くなって、これが所定の値を
超えると、コントローラ2は、酸・アルカリポンプ16
の中の酸のポンプのいずれかを動作させ、また養液24
のpH値が低くなって、これが所定の値より下がると、
コントローラ2は、酸・アルカリポンプ16の中のアル
カリのいずれかのポンプを動作させて、養液24のpH
値を所定の範囲に入るように制御する。
【0029】次に、イオン濃度制御について、養液24
中の一つのイオンであるNO3 イオンの濃度制御につい
て説明する。各種イオン分析計10の測定結果に基づく
養液24に含まれるNO3 イオン濃度が下がって、所定
濃度範囲以下になった場合には、イオン成分ポンプ20
の中でNO3 成分を主に含有したポンプを、コントロー
ラ2で指定した時間動作させるか、各種イオン分析計1
0からの信号に基づいて動作させ、NO3 イオン濃度を
所定濃度範囲内まで上げる。
【0030】また、各種イオン分析計10の測定結果に
基づく養液24に含まれるNO3 イオン濃度が上がっ
て、所定濃度範囲以上になった場合には、イオン成分ポ
ンプ20の中でNO3 成分を主に含有したポンプ以外の
ポンプと希釈水電磁弁18を、コントローラ2で指定し
た時間動作させるか、各種イオン分析計10からの信号
に基づいて動作させ、NO3 イオン濃度を所定範囲内ま
で下げ、かつ他のイオン濃度はそれぞれの所定範囲内に
あり、しかも養液原液と希釈水により調製されたスター
ト養液(植物の根に接触する前の養液で、植物の成長に
必要なイオン成分を最適なバランスで含む)と同様なイ
オンバランスを保つようにする。
【0031】なお、各種イオン成分の種類については、
上記表の8項目としてもよいし、微量成分を個別にした
り、各種塩類(KNO3 )等を加えたりし、状況に合わ
せて使用できる。
【0032】上述したように、本実施例の養液栽培装置
においては、全てのイオン成分溶液を混合すると、養液
原液と希釈水17により調製されたスタート養液とほぼ
同一のイオン比率でかつ高濃度な養液が調製される養液
調製溶液、すなわちより具体的には、各イオン成分溶液
が、養液主要成分7項目[カリウム(K)、カルシウム
(Ca)、マグネシウム(Mg)、アンモニア(NH
3 )、リン酸(PO4 )、硝酸(NO3 )、硫酸(SO
4 )]をそれぞれ主に含有する7種類の溶液と、養液主
要成分以外が全て含まれる微量成分とで構成される養液
調製溶液を用い、養液24中の導電率が所定範囲外の時
には、養液原液または希釈水17を補給して導電率を目
標値に一致させ、また養液24中のpH値が所定範囲外
の時には、複数のアルカリ性溶液または複数の酸溶液の
うち適切ないずれかを補給してpH値を目標値に一致さ
せ、さらに養液24中のイオンの濃度が所定濃度範囲以
下にある時には、そのイオンを主に含有するイオン成分
溶液を補給して所定濃度範囲と一致させ、イオン濃度が
所定濃度範囲以上にある時には、そのイオンを主に含有
するイオン成分溶液以外の各イオン成分溶液と希釈水を
補給してイオン分析された全てのイオン濃度を所定濃度
範囲に一致させて、養液24の導電率、pH値、および
イオン濃度を制御するようにしたものである。
【0033】従って、イオンのバランスを考慮した制御
が行なえるため、養液24の各種イオン濃度や導電率、
pH値を最適に管理して、養液24の無駄を無くするこ
とが可能になると共に、植物を効果的に生育させること
が可能となる。
【0034】すなわち、特にいずれかのイオン濃度だけ
が所定濃度範囲以上になった場合の制御では、ともかく
そのイオン濃度を下げる必要があるので水で希釈するこ
とが考えられるが、このようにすると他のイオンの濃度
も下がり、イオンのバランスを崩してしまう等の問題が
生じる。この点、本実施例では、上記のような各イオン
成分の構成を有する養液調製溶液を用いているため、イ
オンのバランスを考慮した制御が可能となり、養液24
の無駄を無くし、また植物を効果的に生育させることが
できる。
【0035】以上により、養液24のpH値、導電率、
およびイオン濃度を指標として養液24の管理を行なっ
ているため、栽培すべき植物に必要な成分の養液24を
的確に供給することが容易であり、従来のように、栽培
の過程で植物の根から有機酸やその他の物質が溶出し
て、植物の成長に有害な成分が蓄積されているにもかか
わらず、追肥や養液の更新が行なわれずに植物の生育を
遅らせてしまったり、枯らしたりするというようなこと
がなくなる。
【0036】また、養液24のpH値、導電率、および
イオン濃度等の情報は、養液24の状態を的確に反映し
ているため、栽培途中で植物の異常に気付いた場合に、
pH値、導電率、およびイオン濃度の情報によって、異
常の原因を見つけることが容易であり、従来のように、
異常の原因が見つからない時に、養液24全体を更新
し、養液24を無駄にしてしまうというようなことがな
くなる。
【0037】さらに、養液24のpH値、導電率、およ
びイオン濃度等の情報で養液24の管理を行なっている
ため、植物の生育段階や日照、気温、養液温度等の外部
条件により、特定の成分のみを特に消費する場合におい
ても、従来のように、個々の養液イオン成分が不足して
しまうというようなことがなくなる。
【0038】尚、上記実施例では、各イオン成分溶液
が、養液主要成分7項目[カリウム(K)、カルシウム
(Ca)、マグネシウム(Mg)、アンモニア(NH
3 )、リン酸(PO4 )、硝酸(NO3 )、硫酸(SO
4 )]をそれぞれ主に含有する7種類の溶液と、養液主
要成分以外が全て含まれる微量成分とで構成される養液
調製溶液を用いる場合について説明したが、これに限ら
ず、栽培する植物の種類によっては、各イオン成分溶液
が、養液主要成分7項目[カリウム(K)、カルシウム
(Ca)、マグネシウム(Mg)、アンモニア(NH
3 )、 リン酸(PO4 )、硝酸(NO3 )]をそれぞ
れ主に含有する6種類の溶液と、養液主要成分以外が全
て含まれる微量成分とで構成される養液調製溶液を用い
るようにしてもよい。
【0039】また、栽培する植物の種類によっては、養
液主要成分以外が全て含まれる微量成分を省略し、各イ
オン成分溶液が、前述の養液主要成分6項目または7項
目[カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウ
ム(Mg)、アンモニア(NH3 )、リン酸(PO
4 )、硝酸(NO3 )、または硫酸(SO4 )]をそれ
ぞれ主に含有する6または7種類の溶液のみで構成され
る養液調製溶液を用いるようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、植
物栽培に用いる養液中の導電率を測定する導電率測定手
段と、養液中のpH値を測定するpH測定手段と、養液
中の各種イオン濃度を測定するイオン分析手段と、導電
率測定手段により測定された導電率が所定範囲外にある
場合、養液原液または希釈水を補給して導電率を目標値
に一致させるように制御する導電率制御手段と、pH測
定手段により測定されたpH値が所定範囲外にある場
合、複数のアルカリ性溶液または複数の酸溶液のうち、
適切ないずれかを補給してpH値を目標値に一致させる
ように制御するpH制御手段と、イオン分析手段により
イオン分析されたあるイオンの濃度が所定濃度範囲以下
にある場合、当該所定濃度範囲以下になっているイオン
を主に含有するイオン成分溶液を補給して所定濃度範囲
と一致させ、またイオン分析されたあるイオン濃度が所
定濃度範囲以上にある場合、当該所定濃度範囲以上にな
っているイオンを主に含有するイオン成分溶液以外の各
イオン成分溶液と希釈水を補給してイオン分析された全
てのイオン濃度を所定濃度範囲に一致させるように制御
するイオン濃度制御手段とを備えて構成し、また全ての
イオン成分溶液を混合すると、養液原液と希釈水により
調製されたスタート養液とほぼ同一のイオン比率でかつ
高濃度な養液が調製される養液調製溶液を用いるように
したので、養液の各種イオン濃度や導電率、pH値を最
適に管理して養液の無駄を無くすることができると共
に、植物を効果的に生育させることが可能な養液栽培装
置およびそれに用いる養液調製溶液が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による養液栽培装置の一実施例を示す構
成図である。
【符号の説明】
1…センサ部、2…コントローラ、3…養液原液供給
部、4…酸・アルカリ供給部、5…イオン成分供給部、
6…水供給部、10…イオン分析計、11…pH計、1
2…導電率計、13…養液原液タンク、14…養液原液
ポンプ、15…酸・アルカリタンク、16…ポンプ、1
7…希釈水、18…希釈水電磁弁、19…イオン成分タ
ンク、20…イオン成分ポンプ、21…タンク、22…
循環ポンプ、23…栽培パネル、24…養液。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 養液を用いて植物を栽培する養液栽培装
    置において、 植物栽培に用いる養液中の導電率を測定する導電率測定
    手段と、 前記養液中のpH値を測定するpH測定手段と、 前記養液中の各種イオン濃度を測定するイオン分析手段
    と、 前記導電率測定手段により測定された導電率が所定範囲
    外にある場合、養液原液または希釈水を補給して前記導
    電率を目標値に一致させるように制御する導電率制御手
    段と、 前記pH測定手段により測定されたpH値が所定範囲外
    にある場合、複数のアルカリ性溶液または複数の酸溶液
    のうち、適切ないずれかを補給して前記pH値を目標値
    に一致させるように制御するpH制御手段と、 前記イオン分析手段によりイオン分析されたあるイオン
    の濃度が所定濃度範囲以下にある場合、当該所定濃度範
    囲以下になっているイオンを主に含有するイオン成分溶
    液を補給して所定濃度範囲と一致させ、またイオン分析
    されたあるイオン濃度が所定濃度範囲以上にある場合、
    当該所定濃度範囲以上になっているイオンを主に含有す
    るイオン成分溶液以外の各イオン成分溶液と希釈水を補
    給して前記イオン分析された全てのイオン濃度を所定濃
    度範囲に一致させるように制御するイオン濃度制御手段
    と、 を備えて成ることを特徴とする養液栽培装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の養液栽培装置に用
    いる養液調製溶液において、 前記全てのイオン成分溶液を混合すると、養液原液と希
    釈水により調製されたスタート養液とほぼ同一のイオン
    比率でかつ高濃度な養液が調製されることを特徴とする
    養液調製溶液。
  3. 【請求項3】 前記各イオン成分溶液が、養液主要成分
    としてカリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシ
    ウム(Mg)、アンモニア(NH3 )、リン酸(PO
    4 )、硝酸(NO3 ))をそれぞれ主に含有する6種類
    の溶液で構成されていることを特徴とする請求項2に記
    載の養液調製溶液。
  4. 【請求項4】 前記各イオン成分溶液が、養液主要成分
    としてカリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシ
    ウム(Mg)、アンモニア(NH3 )、リン酸(PO
    4 )、硝酸(NO3 )、硫酸(SO4 )をそれぞれ主に
    含有する7種類の溶液と、前記養液主要成分以外が全て
    含まれる微量成分とで構成されていることを特徴とする
    請求項2に記載の養液調製溶液。
  5. 【請求項5】 前記請求項3または請求項4に記載の養
    液調製溶液において、 前記養液主要成分以外が全て含まれる微量成分を付加し
    て構成されていることを特徴とする養液調製溶液。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003527121A (ja) * 2000-03-23 2003-09-16 ビューレ・ヴェルナー 閉じた栄養素システム内で栽培される植物、特にビニールハウス栽培における菌類被害を撲滅する方法及び装置
JP2006158384A (ja) * 2005-08-15 2006-06-22 Yukie Matsumoto 養液栽培用培養液の調整方法及び微量要素の供給方法
JP2017046662A (ja) * 2015-09-03 2017-03-09 株式会社堀場製作所 植物育成システム及び植物育成方法
CN114868643A (zh) * 2022-05-25 2022-08-09 广西壮族自治区国有博白林场 一种桉树废弃料发酵的中药材育苗营养液循环利用***

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