JPH07225318A - フィルムシートの製造方法、及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

フィルムシートの製造方法、及びそれを用いた液晶表示装置

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JPH07225318A
JPH07225318A JP6017623A JP1762394A JPH07225318A JP H07225318 A JPH07225318 A JP H07225318A JP 6017623 A JP6017623 A JP 6017623A JP 1762394 A JP1762394 A JP 1762394A JP H07225318 A JPH07225318 A JP H07225318A
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film
refractive index
liquid crystal
temperature
thickness direction
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JP6017623A
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Jun Sasaki
純 佐々木
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】STN−LCDの着色および視角特性を大幅に
改善しうる複屈折フィルムを、簡単な工程により、低コ
ストでかつ高い生産性のもとに製造する。 【構成】熱可塑性樹脂よりなるプラスチックフィルムシ
ートを曲げ、凸側の表面温度をそのプラスチックのガラ
ス転移点(Tg)以下にし、凹内側の表面温度を一時的
にそのプラスチックのTg以上に加熱し、その後Tg以
下に冷却する工程を含むフィルムシートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルムシートの製造
法方法、および少なくとも偏光板、当該フィルムシー
ト、および液晶セルを含む液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、低電圧、低消費電力で
IC回路への直結が可能であること、表示機能が多用で
あること、軽量化が可能であること等多くの特徴を有し
ており、ワープロや、パソコンなどの表示装置として広
く利用されている。その中で、液晶分子のツイスト角度
が160゜以上のツイステッドネマティック液晶表示装
置(以後STN−LCD)は従来のツイスト角度が90
゜のツイステッドネマティック液晶表示装置(TN−L
CD)に比べ、大容量表示が可能であり、高速応答性に
優れていることから、現在の液晶表示装置の主流になっ
ている。
【0003】しかしながらSTN−LCDには、表示画
像が青色あるいは黄色に着色する(ブルーモードあるい
はイエローモード)という問題があり、このため白黒表
示ではコントラスト、視認性が低く、またカラー化が極
めて困難であった。そこでこの着色を補償するために、
逆のツイスト角を持ったSTN液晶セルを重ねて用いる
二層液晶方式の白黒、あるいはカラー表示が提案された
が、複数の液晶セルを用いるため、表示装置の重量、容
量が大きくなる、あるいはコストが高くなる等の問題点
や、視角のわずかな変化でコントラストが急激に低下す
る、あるいは背景色が変化する等の視角による特性劣化
という別の問題があった。
【0004】この問題を解決するために、特開昭63−
167303号、同63−167304号、同63−1
89804号、同63−261302号、同63−14
9624号、特開平1−201607号、同1−201
608号、同1−105217号、特開平2−2853
03号、同2−59702号、同2−24406号、同
2−146002号、同2−257103号、特開平3
−23404号、同3−126012号、同3−181
905号、同3−104503号公報等に記載されてい
るように、逆ツイストのSTN液晶の代わりに複屈折フ
ィルムを位相差板として用いる方法が提案された。
【0005】これらの方法によれば、STN−LCDの
着色が大幅に改善され、表示装置自身の重量、容積も著
しく小さくなり、コストも安くなるが、STN−LCD
の視角特性についてはほとんど改善されなかった。
【0006】そこで、この視角特性を改良するために、
特開平2−285303号公報に電場配向によって、フ
ィルムの厚さ方向の屈折率が複屈折の光軸に垂直な面内
方向の屈折率よりも大きい複屈折フィルムを作製し、こ
れを位相差板として用いる方法が提案された。この方法
によれば視角によるコントラストの変化が小さくなり、
視角特性が改良されることが判った。しかしならが、そ
の効果は未だ小さく、また溶融した高分子フィルムに高
電圧を長時間にわたって印加する必要があり、その製造
工程も複雑になるため、生産性を高くしてコストを低下
させる事が難しかった。また、特開平2−160204
号公報に、押出成形によって得られる棒状のポリカーボ
ネートを板状に切り取り、研磨したものを位相差板とし
て用いる方法が提案されているが、この方法では大面積
の位相差板を低コストで生産する事が極めて難しかっ
た。また、EP−0482620A2に、ポリカーボネ
ートフィルムの表面に熱収縮フィルムを張り付け、延伸
し、その後、熱収縮フィルムを剥して得られる該ポリカ
ーボネートフィルムを位相差板として用いる方法が提案
されているが、この方法だとポリカーボネートフィルム
の他に熱収縮フィルム及び粘着剤が必要であり低コスト
で生産する事が難しい。
【0007】さらに特開平2−256023号、特開平
3−141303号、同3−14122号、同3−24
502号公報に、固有複屈折値が正と負のフィルムを各
々1枚づつ、あるいは積層したものを位相差板として用
いる方法が提案された。この方法によれば液晶セルの特
性に合わせて2枚のフィルムの複屈折性を調整できるの
で、視角特性をより緻密に改良する事が出来るが、個別
に作製した複屈折フィルムを2枚以上使う事が必要であ
り、それだけでコストも高くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ST
N−LCD着色及び視角特性を大幅に改善しうる複屈折
性フィルムを、簡単な工程により、低コストでかつ高い
生産性のもとに製造する製造方法を提案することにあ
る。また本発明は、表示画像における着色が少なく、コ
ントラスト、視認性に優れ、視角特性が良好な液晶表示
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、(1)プラ
スチックフィルムの面内の直交する2つの主屈折率のい
ずれか小さい方の屈折率と厚さ方向の屈折率の差が0.
0004以下である熱可塑性樹脂よりなるプラスチック
フィルムを、曲げた状態でその凸側表面の温度を該プラ
スチックシートフィルムのガラス転移点以下にし、その
凹側表面の温度を一時的にをガラス転移点以上に加熱
し、続いてガラス転移点以下に冷却する工程を含むこと
を特徴とするプラスチックフィルムの製造方法、(2)
前記(1)に記載の方法によって得られるプラスチック
フィルムシートを一軸延伸することを特徴とするプラス
チックフィルムシートの製造方法、および(3)液晶セ
ルを挟んでその両側に配置された一対の偏光板と該液晶
セルとの間の少なくとも一方に前記(1)または(2)
記載の製造方法により製造されたフィルムシートを位相
差板として設けたことを特徴とする液晶表示装置によっ
て達成された。
【0010】本発明の熱可塑性樹脂は、特に制限はない
が、本発明のフィルムシート中で配向した分子が、LC
Dの製造工程や加熱による配向緩和を防ぐために、本発
明のフィルムシートに用いる熱可塑性樹脂のガラス転移
点は、好ましくは90℃以上、より好ましくは110℃
以上である。重量平均分子量は極端に小さくなければ特
に大きな制限はないが、好ましくは1万から100万ま
での範囲で、特に好ましくは3万から70万の範囲であ
る。このポリマーの合成法は通常行われる方法が適用さ
れる。
【0011】フィルムシートに用いる熱可塑性樹脂とし
ては、複屈折発現性を有するものが好ましく、その固有
複屈折値は正あるいは負のどちらであっても良い。本発
明のフィルムシートの製造方法によれば、厚み方向の屈
折率が面に平行な方向の主屈折率の少なくともいずれか
一方より大きい複屈折性フィルムシートが得られる。こ
の複屈折フィルムは位相差板として用いることが出来
る。正の固有複屈折利を有するポリマーの具体例として
は、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホンなどが好ましく、ポリカー
ボネート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリエス
テル系高分子など固有複屈折値が大きく溶液製膜により
面状の均質なフィルムをつくりやすい高分子が好まし
い。また、上記ポリマーは、単にホモポリマーだけでな
く、コポリマー、それらの誘導体、ブレンド物などであ
ってもよい。
【0012】また、負の固有複屈折値を有するポリマー
の具体例としては、スチレン系重合体、アクリル酸エス
テル系重合体、メタクリル酸エステル系重合体、アクリ
ロニトリル系重合体及びメタクリロニトリル系重合体が
好ましく、ポリスチレン系重合体が3つの観点すなわ
ち、固有複屈折値の絶対値が大きいこと、透明性に優れ
着色がないこと、溶液製膜が可能である事からも好まし
い。
【0013】これらの熱可塑性樹脂を用い、溶融押出
法、溶液流延法、あるいはカレンダー法などにより、ま
ずプラスチックフィルムをつくる。このプラスチックフ
ィルムをさらに一軸延伸すると、延伸した方向(X方
向)にポリマー主鎖が配向し、これに垂直な巾方向(Y
方向)及び厚さ方向(Z方向)では、X方向へのポリマ
ー主鎖の配向に伴い、ポリマー鎖のY及びZ方向への配
向が減少する。結果として正の固有複屈折値を有するポ
リマーは延伸方向の屈折率nxがそれと垂直な方向の屈
折率ny、nzよりも大きいフィルムが得られ、この場
合、一般的に厚み方向の屈折率nzは、面に平行な方向
の屈折率nx,nyのいずれよりも小さい。また、負の
固有複屈折値を有するポリマーの場合には、延伸方向へ
のポリマー主鎖の配向により、一般的に厚み方向の屈折
率nzは、面に平行な方向の屈折率nx,nyのいずれ
よりも大きくなる。
【0014】ところで、プラスチックの固まりを圧縮す
ると圧縮された方向に対して垂直な方向は延伸されるの
で、圧縮することと延伸することは固まりの内部では等
価で、その見かけの延伸方向にポリマー主鎖が配向する
のは自明である。ところで、液晶表示板に使用される位
相差膜の場合、厚さ方向の屈折率を大きくするために、
薄いシートの巾方向から圧縮して厚さ方向を延伸させる
ことは極めて難しい。本発明は、この厚さ方向への延伸
という困難な工程をフィルムが折り曲げられる場合に折
り曲げた内側は圧縮され、外側は延伸されることに着目
して、これを厚さ方向への延伸に応用することを考え
た。しかし一般的に曲げられたフィルムの内側の圧縮応
力>外側の延伸応力であり、この曲げの動作を片面ずつ
交互に行うとフィルムは延伸されてしまう。そこで曲げ
たフィルムの内側の温度を高く、外側の温度を低く保ち
厚さ方向に温度差を付け、内側圧縮応力<外側延伸応力
となる条件で、内側が圧縮変形される状態を作り出す。
この動作を片面ずつ交互に繰り返すことによって、該フ
ィルムのような薄膜の圧縮に成功し、本発明を成すに至
った。
【0015】本発明でのフィルムの厚さ方向に温度差を
付ける方法としては、フィルムの両面から温度の異なる
液体を接触させる方法、フィルムの片面を高温媒体に接
触させておいて、もう一方の面に気体、および液体より
なる冷却媒体を吹き付ける方法、或いは、フィルムの片
面を低温媒体に接触させておいて、もう一方の面に気
体、および液体よりなる高温媒体を吹き付ける方法など
が挙げられるが、これらの方法に留まるものではない。
特に、高温媒体として気体を用いる場合、低温側のフィ
ルム表面に水などの液体を塗設しフィルムの表面より潜
熱を奪う事により、より効果的にフィルムの厚さ方向に
温度差を付ける事が出来る。本発明では、フィルムを
曲げた状態で、外側をTg以下に保ち、一時的にフィル
ムの内側のみを該フィルムのガラス転移点(Tg)以上
に上昇させ、上記の内側圧縮応力<外側延伸応力となる
条件を作り出す。この状態で内側が圧縮変形され、厚さ
方向に流動(延伸)が起きる。さらにその曲げた状態の
まま両面ともTg以下にすることで、フィルムの形態が
保持される。次に、で曲げた方向とは逆の。方向に
曲げ、と同様の処理を行う。を交互に繰り返す事
によってフィルムは漸次厚さ方向に延伸される。図1に
この操作を連続的に行う装置を模式的に示した。フィル
ムがカールした内側を温風ヒーターでTg以上に加熱し
外側を冷却温度T3の風を吹き付けTg以下に冷やす。
フィルムが曲げられる入り口と出口に温度T2部分はT
g以下で、中央部はTg以上の温度T1の風を当てる。
これにより中央部分を通過するときにフィルム内面が一
時的にTg以上に加熱される。この様に内曲げ、外曲げ
を繰り返し行う事により、片面づつ交互に圧縮変形が繰
り返され、厚さ方向の屈折率を変化させる事が可能とな
る。
【0016】本発明によって得られるフィルムの屈折率
特性は、正の固有複屈折値を有するフィルムの場合、厚
さ方向の屈折率が面に平行で直交する方向のいずれか一
方の屈折率より大きいこと、或いは、該複屈折フィルム
を更に、または上記処理と同時に長さ方向に一軸延伸し
て厚さ方向の主屈折率が面に平行な主屈折率の少なくと
もいずれか一方より小さく他の一方より大きい事が好ま
しい。したがって、本発明に用いられる、プラスチック
フィルムシートは面内の直交する2つの主屈折率のいず
れか小さいの方屈折率と、厚さ方向の屈折率の差が0.
0004以下、好ましくは0.0002以下であること
が望ましい。これは本発明は厚さ方向の屈折率を大きく
する事が目的であるため、上記の差異は小さい方が目的
を達するに有利である事から容易に推察される。
【0017】本発明のフィルムは、光の透過率が70%
以上で、実質的に透明で無彩色である事、好ましくは光
の透過率が90%以上である。ここで、固有複屈折値
(Δn)は分子が理想的に一方向に配向したときの複屈
折値を意味し、近似的に下記数式(1)で表される。
【0018】
【数1】
【0019】本発明の複屈折フィルムは、必要に応じて
同種、あるいは他種の複屈折フィルムおよび他の偏光フ
ィルムや保護フィルムなどの一軸延伸フィルムや、二軸
延伸フィルムと積層体を形成しても良い。同種あるいは
他の複屈折フィルムとの積層により、各複屈折フィルム
における複屈折率の波長特性を制御する事ができ、複屈
折性の液晶セルに対して位相差の高度な補償が可能とな
る。図2に、複屈折フィルムを他の複屈折フィルムと積
層した例を示す。1が複屈折フィルム、2が接着層、3
がべつの複屈折フィルムである。積層する複屈折フィル
ムの組み合わせや積層数、光軸の交差角度などにより、
位相差板における複屈折の波長特性を変える事が出来
る。従って、積層数に付いては必要な複屈折率の波長特
性、ないし補償すべき位相差などに応じ適宜に決定して
よい。しかしながら、吸収損失や積層界面における反射
損失などによる透過率や視認性の低下を制御する点から
は、積層数が少ないほど有利である。
【0020】本発明の液晶パネルは、厚さ方向の主屈折
率が面に平行な主屈折率の少なくともいずれか一方より
も大きい複屈折フィルム、或いは厚さ方向の屈折率が複
屈折フィルムの面に平行な方向の一方の屈折率よりも小
さく、もう一方の屈折率よりも大きい複屈折フィルム
を、複屈折性の液晶セルの片側または両側の偏光フィル
ムとの間に配置したものである。図3にその構成を例示
した(両側に複屈折フィルムを設けたタイプ)。4が偏
光フィルム、5が複屈折フィルム、6が複屈折性液晶セ
ルである。なお、図3に示した液晶パネルの上部が視認
側である。
【0021】液晶パネルの形成に用いる複屈折フィルム
は、複屈折性の液晶セルによって生じる位相差を補償す
るものである。これにより、着色が防止されてコントラ
スト、視角特性が改良された白黒ディスプレイおよびカ
ラーディスプレーが達成される。その場合、液晶セルの
複屈折率の波長特性も含め、高度な補償を達成する位相
差板が好ましく用いられている。以下、実施例によって
発明を詳細に説明する。
【0022】
【実施例】
ポリカーボネートフィルム(PC−F1)の調整 重量平均分子量10万のポリカーボネートの17重量%
メチレンクロライド溶液をステンレスバンド上に流延
し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させた後、剥離
し、更に乾燥することにより、残留揮発分が1%以下、
厚さ100μmのポリカーボネートフィルム(PC−F
1)を調製した。このフィルムのガラス転移点は150
℃であった。
【0023】ポリスルフォンフィルムの調製(PS−F
1)の調製 重量平均分子量5万のポリスルフォンの20重量%メチ
レンクロライド溶液をステンレスバンド上に流延し、残
留揮発分が3%になるまで乾燥させた後、剥離し、更に
乾燥することにより、残留揮発分が1%以下、厚さ10
0μmのポリスルフォン(PS−F1)を調製した。こ
のフィルムのガラス転移点は193℃であった。
【0024】実施例1 複屈折フィルム(PC−1)の調製 厚さ100μm、幅50cmのポリカーボネートフィル
ム(PC−F1)を図1の装置で処理をして本発明の複
屈折フィルム(PC−1)を作製した。T1=160
℃、T2=20℃、T3=20℃の風を用い、搬送速度
0.1m/minで処理を繰り返し、最後に室温にした
場合の幅方向(ny)、厚さ方向(nz)の屈折率の変
化を図4に示した。当初、面内の小さい方の屈折率であ
る幅方向と厚さ方向との屈折率の差が0.0002であ
り、厚さ方向の屈折率が小さかったが、本発明の方法に
より厚さ方向の屈折率が、幅方向の屈折率より大きくな
ることが判る。
【0025】実施例2 複屈折フィルム(PS−1)の調製 厚さ100μm、幅50cmのポリスルフォン(PS−
F1)を図1の装置で処理をした。T1=220℃、T
2=50℃、T3=20℃の風を用い、搬送速度0.1
m/minで処理を繰り返し、最後に室温にした場合の
搬送方向、幅方向、厚さ方向の屈折率の変化を図5に示
した。当初、面内の小さい方の屈折率である幅方向と厚
さ方向との屈折率が同じであったが、本発明の方法によ
り厚さ方向の屈折率が、幅方向の屈折率より大きくなる
ことが判る。
【0026】実施例3 位相差膜の作製 実施例1の複屈折フィルム(PC−1)を158℃で長
手方向に3%延伸して位相差膜を作製した。この位相差
膜の延伸方向の屈折率は1.5852、幅方向の屈折率
は1.5813、厚さ方向1.5823であった。これ
は本発明の位相差膜の屈折率の関係が、幅方向屈折率<
厚さ方向屈折率<長さ方向屈折率の関係にあり、満足す
るものである。
【0027】実施例4 液晶パネルによる視野角依存性の評価 市販の液晶ディスプレー(シャープワープロ「書院」W
D−A551)のSTN液晶セルの視認側の光学補償フ
ィルムと偏光板を剥し、代わりに偏光板と実施例3で得
たフィルムとを粘着したものを位相差板として、商品と
同じ光学軸構成で貼付け、白黒ディスプレーの液晶パネ
ルを再構成した。得られた液晶パネルの駆動電圧の選択
状態と非選択状態のコントラストを測定し、コントラス
ト2を示す視野角を上下左右について表1に示した。比
較例とした通常の一軸延伸フィルムを張り付けた場合に
比べ、視野角が広がっている事が示される。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明のフィルムシートの製造法によれ
ば、シート中の屈折率を簡単に変える事が出来、これを
位相差板として用いて補償した液晶パネルは、視角によ
るコントラストの変化が小さく、広い視野角を有してい
る事が判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルムの製造方法に用いる温度差を
つけるための装置模式図を示す。
【図2】本発明の複屈折フィルムを2枚積層した具体例
を示す。
【図3】本発明の液晶表示装置の構成例の具体例を示
す。
【図4】実施例1の折り曲げ回数と厚さ方向、幅方向屈
折率の変化を示す。
【図5】実施例2の折り曲げ回数と厚さ方向、幅方向屈
折率の変化を示す。
【符号の説明】
1:複屈折フィルム 2:接着層 3:同種または他種の複屈折フィルム 4:偏光板 5:複屈折フィルム 6:複屈折性の液晶セル T1〜T3:装置内の温度測定点及び風の方向
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】そこで、この視角特性を改良するために、
特開平2−285303号公報に電場配向によって、フ
ィルムの厚さ方向の屈折率がフィルム面内方向のいずれ
か一方の屈折率よりも大きい複屈折フィルムを作製し、
これを位相差板として用いる方法が提案された。この方
法によれば視角によるコントラストの変化が小さくな
り、視角特性が改良されることが判った。しかしなら
が、その効果は未だ小さく、また溶融した高分子フィル
ムに高電圧を長時間にわたって印加する必要があり、そ
の製造工程も複雑になるため、生産性を高くしてコスト
を低下させる事が難しかった。また、特開平2−160
204号公報に、押出成形によって得られる棒状のポリ
カーボネートを板状に切り取り、研磨したものを位相差
板として用いる方法が提案されているが、この方法では
大面積の位相差板を低コストで生産する事が極めて難し
かった。また、EP−0482620A2に、ポリカー
ボネートフィルムの表面に熱収縮フィルムを貼り付け、
延伸し、その後、熱収縮フィルムを剥して得られる該ポ
リカーボネートフィルムを位相差板として用いる方法が
提案されているが、この方法だとポリカーボネートフィ
ルムの他に熱収縮フィルム及び粘着剤が必要であり低コ
ストで生産する事が難しい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】フィルムシートに用いる熱可塑性樹脂とし
ては、複屈折発現性を有するものが好ましく、その固有
複屈折値は正あるいは負のどちらであっても良い。本発
明のフィルムシートの製造方法によれば、厚み方向の屈
折率が面に平行な方向の主屈折率の少なくともいずれか
一方より大きい複屈折性フィルムシートが得られる。こ
の複屈折フィルムは位相差板として用いることが出来
る。正の固有複屈折値を有するポリマーの具体例として
は、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホンなどが好ましく、ポリカー
ボネート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリエス
テル系高分子など固有複屈折値が大きく溶液製膜により
面状の均質なフィルムをつくりやすい高分子が好まし
い。また、上記ポリマーは、単にホモポリマーだけでな
く、コポリマー、それらの誘導体、ブレンド物などであ
ってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】ところで、プラスチックの塊を圧縮すると
圧縮された方向に対して垂直な方向は延伸されるので、
圧縮することと延伸することは塊の内部では等価で、そ
の見かけの延伸方向にポリマー主鎖が配向するのは自明
である。ところで、液晶表示板に使用される位相差膜の
場合、厚さ方向の屈折率を大きくするために、薄いシー
トの巾方向から圧縮して厚さ方向を延伸させることは極
めて難しい。 本発明は、この厚さ方向への延伸という
困難な工程をフィルムが折り曲げられる場合に折り曲げ
た内側は圧縮され、外側は延伸されることに着目して、
これを厚さ方向への延伸に応用することを考えた。しか
し一般的に曲げられたフィルムの内側の圧縮応力>外側
の延伸応力であり、この曲げの動作を片面ずつ交互に行
うとフィルムは延伸されてしまう。そこで曲げたフィル
ムの内側の温度を高く、外側の温度を低く保ち厚さ方向
に温度差を付け、内側圧縮応力<外側延伸応力となる条
件で、内側が圧縮変形される状態を作り出す。この動作
を片面ずつ交互に繰り返すことによって、該フィルムの
ような薄膜の圧縮に成功し、本発明を成すに至った。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの面内の直交する
    2つの主屈折率のいずれか小さい方の屈折率と厚さ方向
    の屈折率の差が0.0004以下である熱可塑性樹脂よ
    りなるプラスチックフィルムを、曲げた状態でその凸側
    表面の温度を該プラスチックシートフィルムのガラス転
    移点以下にし、その凹側表面の温度を一時的にガラス転
    移点以上に加熱し、続いてガラス転移点以下に冷却する
    工程を含むことを特徴とするプラスチックフィルムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法によって得られた
    プラスチックフィルムシートを一軸延伸することを特徴
    とするプラスチックフィルムシートの製造方法。
  3. 【請求項3】 液晶セルを挟んでその両側に配置された
    一対の偏光板と該液晶セルとの間の少なくとも一方に請
    求項1あるいは請求項2記載の製造方法により製造され
    たフィルムシートを位相差板として設けたことを特徴と
    する液晶表示装置。
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