JPH07223372A - 情報記録用薄膜および情報記録媒体 - Google Patents

情報記録用薄膜および情報記録媒体

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JPH07223372A
JPH07223372A JP13536794A JP13536794A JPH07223372A JP H07223372 A JPH07223372 A JP H07223372A JP 13536794 A JP13536794 A JP 13536794A JP 13536794 A JP13536794 A JP 13536794A JP H07223372 A JPH07223372 A JP H07223372A
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JP
Japan
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thin film
melting point
information recording
high melting
component
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Application number
JP13536794A
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English (en)
Inventor
Akemi Hirotsune
朱美 廣常
Motoyasu Terao
元康 寺尾
Yasushi Miyauchi
靖 宮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な記録・再生特性を保持しながら従来よ
り多数回の書き換えまたは超解像読みだしを可能にす
る。 【構成】 Sb−Te−Ge系やSb−Te−In系の
相変化型の記録膜3または超解像読み出し用薄膜に、C
r、およびAg,Ba,Co,Ni,Pt,Si,S
r,Au,Cd,Cu,Li,Mo,Mn,Zn,A
l,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,S
n,Ti,V,Inおよびランタノイド元素から選ばれ
た少なくとも一つの元素XまたはBを添加する。記録膜
3中または超解像読み出し用薄膜中に相変化成分3aよ
りも高融点の成分3bが析出し、記録・消去,超解像読
みだし時の膜の流動・偏析を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、情報記録用薄膜およ
びその製造方法ならびに情報記録媒体に関し、さらに詳
しく言えば、例えば映像や音声などのアナログ信号をF
M変調して得た情報や、電子計算機のデータやファクシ
ミリ信号やディジタル・オーディオ信号などのディジタ
ル情報をレーザ光、電子線等のエネルギービームによっ
てリアルタイムで記録・再生することができる情報記録
用薄膜または超解像読み出し用薄膜、およびその製造方
法ならびに、その情報記録用薄膜または超解像読み出し
用薄膜を用いた情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光を照射して薄膜(記録膜)に情
報を記録する原理は種々知られているが、そのうちで膜
材料の相転移(相変化とも呼ばれる)やフォトダークニ
ングなど、レーザ光の照射による原子配列変化を利用す
るものは、薄膜の変形をほとんど伴わないため、2枚の
ディスク部材を直接貼り合わせて両面ディスク構造の情
報記録媒体が得られるという長所を持つ。また、GeS
bTe系やInSbTe系の記録膜では、情報の書き換
えを行なうことができる利点がある。
【0003】しかし、この種の記録膜では、ピットポジ
ション記録においては105回、ピットエッジ記録にお
いては104回を越える多数回の書き換えを行なうと、
記録膜の流動により書き換え特性が低下するため、記録
膜の流動を防止する方法が研究されている。記録膜の流
動は、記録時のレーザ照射により、記録膜が流動し、保
護層や中間層の熱膨張による変形により、記録膜が少し
ずつ押されて生じる。
【0004】例えば、特開平4−228127号公報に
は、記録膜のマイクロセル化により流動を防止する方法
が開示され、文献 T.Ohta et al. "Optical Data Str
age"'89 Proc. SPIE, 1078,27(1989)には、記録膜を
薄くして熱容量を下げ且つ隣接する層との付着力の影響
が大きくなるのを利用して記録膜の流動を防止する方法
が開示されている。
【0005】映像信号や音声信号などをFM変調したア
ナログ情報信号や、電子計算機のデータ、ファクシミリ
信号、ディジタルオーディオ信号などのディジタル情報
信号を基板表面に凹凸として転写した光ディスクや、レ
ーザ光、電子線等の記録用ビームによって信号やデータ
をリアルタイムで記録することが可能な情報の記録用薄
膜等を有する光ディスクにおいては、信号再生分解能
は、ほとんど再生光学系の光源の波長λと対物レンズの
開口数NAで決まり、記録マーク周期2NA/λが読み
取り限界である。
【0006】高記録密度化のための手法としては、相変
化により反射率が変化する媒体を用いて凹凸で記録され
たデータを再生する方法が特開平3−292632号公
報に記載され、また、相変化記録膜に記録されたデータ
を高密度再生するための溶融マスク層を持つ媒体が特開
平5−73961号公報に記載されている。
【0007】なお、本明細書では、結晶−非晶質間の相
変化ばかりでなく、融解(液相への変化)と再結晶化、
結晶状態−結晶状態間の相変化も含むものとして「相変
化」という用語を使用する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の記録膜はいずれ
も、書き換え可能な相転移型の記録膜として用いる場
合、書き換え可能回数が十分でない、書き換え可能
回数を多くすると結晶化速度が遅くなる、書き換え可
能回数を多くすると再生信号強度が十分でなくなる、な
どの問題を有している。
【0009】そこで、この発明の目的は、良好な記録・
再生特性を保持しながら従来より多数回の書き換えが可
能である情報記録用薄膜およびその製造方法ならびにそ
の薄膜を用いた情報記録媒体を提供することにある。
【0010】また、特開平3−292632号公報に記
載の方法は、Sb2Se3 膜を用い、読み出し光の走査
スポット内で部分的に相変化させて反射率を変え、高反
射率領域内のみの位相ピットを読みだす。この方法で
は、上記の膜の融点が高温のため、レーザの照射パワー
が高く、位相ピットで情報を記録した光ディスク以外の
相変化型光ディスク、光磁気ディスクなどに適用できな
い。さらに、多数回の読み出しを繰り返すと膜の流動、
偏析が少しずつ生じ、超解像読み出し可能回数が少な
い、などの欠点がある。また、特開平5−73961号
公報に記載の媒体は、溶融マスク層を用い、読み出し光
の走査スポット内で部分的に溶融して反射率を変え、見
かけ上スポットサイズを小さくする。この媒体では、融
点が低い溶融マスク層を用いており、粘度が低いため、
多数回の読み出しを繰り返すと膜の流動、偏析が少しず
つ生じ、超解像読み出し可能回数が少ない、などの欠点
がある。
【0011】そこで、この発明の他の目的は、上記した
従来技術の欠点を解消し、映像信号や音声信号などのア
ナログ情報信号や、電子計算機のデータ、ファクシミリ
信号、ディジタルオーディオ信号などのディジタル情報
信号が凹凸により記録された光ディスクや相変化型光デ
ィスク、光磁気ディスクなどに適用でき、流動、偏析を
防止することにより、超解像読み出し可能回数を増大し
た超解像読み出し用薄膜を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明の第1の情報記録用薄膜は、基板上に直
接または保護層を介して形成された、エネルギービーム
の照射を受けて生じる原子配列変化によって情報を記録
・再生する情報記録用薄膜において、前記情報記録用薄
膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 SbxTeypqr (1) で表わされ、前記AはGeおよびInからなる第1群か
ら選ばれた少なくとも一つの元素、前記Bはランタノイ
ド元素(La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,
Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびL
u)およびAg,Ba,Co,Cr,Ni,Pt,S
i,Sr,Au,Cd,Cu,Li,Mo,Mn,Z
n,Al,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,B
i,Sn,TiおよびVからなる第2群から選ばれた少
なくとも一つの元素、前記CはSb,Teおよび前記A
およびBで表わされる元素以外の少なくとも一つの元素
を表わし、前記x,y,p,qおよびrの単位はいずれ
も原子パーセントで、それぞれ2≦x≦41,25≦y
≦75,0.1≦p≦60,3≦q≦40,0.1≦r
≦30の範囲にあることを特徴とする。
【0013】(2)この発明の第2の情報記録用薄膜
は、基板上に直接または保護層を介して形成された、エ
ネルギービームの照射を受けて生じる原子配列変化によ
って情報を記録・再生する情報記録用薄膜において、前
記情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 SbxTeypq (2) で表わされ、前記AはGeおよびInからなる第1群か
ら選ばれた少なくとも一つの元素、前記Bはランタノイ
ド元素およびAg,Ba,Co,Cr,Ni,Pt,S
i,Sr,Au,Cd,Cu,Li,Mo,Mn,Z
n,Al,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,B
i,Sn,TiおよびVからなる第2群から選ばれた少
なくとも一つの元素を表わし、前記x,y,dおよびe
の単位はいずれも原子パーセントで、それぞれ2≦x≦
41,25≦y≦75,0.1≦p≦60,3≦q≦4
0の範囲にあることを特徴とする。
【0014】これは、前記第1の情報記録用薄膜の前記
Cで表わされる元素を除いたものに相当する。
【0015】(3)この発明の第3の情報記録用薄膜
は、基板上に直接または保護層を介して形成された、エ
ネルギービームの照射を受けて生じる原子配列変化によ
って情報を記録・再生する情報記録用薄膜において、前
記情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 SbxTeyqr (3) で表わされ、前記Bはランタノイド元素およびAg,B
a,Co,Cr,Ni,Pt,Si,Sr,Au,C
d,Cu,Li,Mo,Mn,Zn,Al,Fe,P
b,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,Sn,Tiおよび
Vからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素、前記
CはSb,Teおよび前記Bで表わされる元素以外の少
なくとも一つの元素を表わし、前記x,y,eおよびf
の単位はいずれも原子パーセントで、それぞれ2≦x≦
41,25≦y≦75,3≦q≦40,0.1≦r≦3
0の範囲にあることを特徴とする。
【0016】これは、前記第1の情報記録用薄膜の前記
Aで表わされる元素を除いたものに相当する。
【0017】(4)この発明の第4の情報記録用薄膜
は、基板上に直接または保護層を介して形成された、エ
ネルギービームの照射を受けて生じる原子配列変化によ
って情報を記録・再生する情報記録用薄膜において、前
記情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 SbxTeyq (4) で表わされ、前記Bはランタノイド元素およびAg,B
a,Co,Cr,Ni,Pt,Si,Sr,Au,C
d,Cu,Li,Mo,Mn,Zn,Al,Fe,P
b,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,Sn,Tiおよび
Vからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素を表わ
し、前記x,yおよびeの単位はいずれも原子パーセン
トで、それぞれ2≦x≦41,25≦y≦75,3≦q
≦40の範囲にあることを特徴とする。
【0018】これは、前記第1の情報記録用薄膜の前記
AおよびCで表わされる元素を除いたものに相当する。
【0019】(5)この発明の情報記録用薄膜は、基板
上に直接または保護層を介して形成された、エネルギー
ビームの照射を受けて生じる原子配列変化によって情報
を記録・再生する情報記録用薄膜において、前記情報記
録用薄膜の平均組成が、一般式 (GeaSbbTec1-dd (5) で表わされ、前記XはCrおよびAg,Ba,Co,N
i,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Cu,Li,M
o,Mn,Zn,Al,Fe,Pb,Na,Cs,G
a,Pd,Bi,Sn,Ti,V,Inおよびランタノ
イド元素からなる少なくとも一つの元素を表わし、前記
a,b,cおよびdが、それぞれ0.02≦a≦0.1
9,0.04≦b≦0.4,0.5≦c≦0.75,
0.03≦d≦0.3,の範囲にあることを特徴とす
る。
【0020】(6)この発明の情報記録用薄膜は、基板
上に直接または保護層を介して形成された、エネルギー
ビームの照射を受けて生じる原子配列変化によって情報
を記録・再生する情報記録用薄膜において、前記情報記
録用薄膜の平均組成が、一般式 (GeaSbbTec1-dd (5) で表わされ、前記XはCrおよびAg,Ba,Co,N
i,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Cu,Li,M
o,Mn,Zn,Al,Fe,Pb,Na,Cs,G
a,Pd,Bi,Sn,Ti,V,Inおよびランタノ
イド元素からなる少なくとも一つの元素を表わし、 前
記a,b,cおよびdが、それぞれ0.25≦a≦0.
65,0≦b≦0.2,0.35≦c≦0.75,0.
03≦d≦0.3の範囲にあることを特徴とする。
【0021】(7)前記1〜6のいずれかに記載の情報
記録用薄膜において、前記BまたはXが膜厚方向におい
て濃度勾配を有することを特徴とする。
【0022】(8)前記1〜6のいずれかに記載の情報
記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より相対的に融
点が高い高融点成分からなる析出物を含んでおり、その
析出物が前記Bまたは前記Xで表わされる元素を含んで
いることを特徴とする。
【0023】(9)前記2,5および6のいずれかに記
載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より相
対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んでお
り、高融点成分の少なくとも一部分が、当該薄膜の光入
射側に非連続膜状に平均膜厚1〜10nmの範囲で存在
することを特徴とする。
【0024】(10)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、高融点成分の構成元素の原子数の和が、当該薄膜
の構成元素の全原子数の和に対して10〜50%の範囲
にあることを特徴とする。
【0025】(11)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、高融点成分含有量が膜厚方向において変化するこ
とを特徴とする。
【0026】(12)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、当該薄膜の平均組成を元素単体または化合物組成
の低融点成分Lと元素単体または化合物組成の高融点成
分Hにより Ljk (6) の式で表した時、20≦k/(j+K)≦40 (7)
である組成を基準組成とし、各元素の膜中での含有量
は前記式で決まる値±10原子%の範囲内にあることを
特徴とする。
【0027】(13)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、高融点成分の融点が780゜C以上であることを
特徴とする。
【0028】(14)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、高融点成分の融点と当該薄膜の残成分の融点との
差が150゜C以上であることを特徴とする。
【0029】(15)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、高融点成分の析出物が、当該薄膜の内部に粒状ま
たは柱状に分布していることを特徴とする。
【0030】(16)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、高融点成分の析出物の当該薄膜の膜面方向での最
大外寸法が5nm以上、50nm以下であることを特徴
とする。
【0031】(17)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、高融点成分の析出物が、当該薄膜の両方の界面か
らその膜厚方向に柱状に延びており、析出物の膜厚方向
の長さが5nm以上で、当該薄膜の膜厚の(1/2)以
下であることを特徴とする。
【0032】(18)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、高融点成分の析出物が、当該薄膜の一方の界面か
らその膜厚方向に柱状に延びており、析出物の膜厚方向
の長さが10nm以上で、当該薄膜の膜厚以下である請
求項9または10に記載の情報記録用薄膜。
【0033】(19)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、高融点成分の析出物の膜厚方向の長さが10nm
以上で、当該薄膜の膜厚以下であることを特徴とする。
【0034】(20)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、隣接する2つの高融点成分の析出物の中心間を結
ぶ直線が、当該薄膜の膜面方向でそれら析出物の間の領
域を通る長さが15nm以上、70nm以下であること
を特徴とする。
【0035】(21)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる多孔質の析出物
を含んでおり、当該残成分が前記多孔質析出物の孔内に
分布していることを特徴とする。
【0036】(22)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる多孔質の析出物
を含んでおり、高融点成分の多孔質状析出物の孔の当該
薄膜の膜面方向での最大孔寸法が80nm以下であり、
隣接する2つの前記孔の間の領域の当該薄膜の膜面方向
での最大壁厚さが20nm以下であることを特徴とす
る。
【0037】(23)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、当該薄膜の残成分の融点が650゜C以下である
ことを特徴とする。
【0038】(24)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、当該薄膜の残成分の融点が250゜C以下である
ことを特徴とする。
【0039】(25)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、当該薄膜の複素屈折率の実数部および虚数部の少
なくとも一方が、光の照射によって照射前のそれに対し
て20%以上変化することを特徴とする。
【0040】(26)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録・再生する情報記録用
薄膜において、当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
い高融点成分からなる析出物を含んでおり、その析出物
が当該薄膜の残成分からなる領域内に分布していること
を特徴とする。
【0041】(27)前記26に記載の情報記録用薄膜
において、前記高融点成分の析出物の当該薄膜の膜面方
向での最大外寸法が5nm以上、50nm以下であるこ
とを特徴とする。
【0042】(28)前記26に記載の情報記録用薄膜
において、前記高融点成分の析出物が、当該薄膜の両方
の界面からその膜厚方向に柱状に延びており、前記析出
物の膜厚方向の長さが5nm以上で、当該薄膜の膜厚の
(1/2)以下であることを特徴とする。
【0043】(29)前記26に記載の情報記録用薄膜
において、前記高融点成分の析出物が、当該薄膜の一方
の界面からその膜厚方向に柱状に延びており、前記析出
物の膜厚方向の長さが10nm以上で、当該薄膜の膜厚
以下であることを特徴とする。
【0044】(30)前記26に記載の情報記録用薄膜
において、前記高融点成分の析出物の膜厚方向の長さが
10nm以上で、当該薄膜の膜厚以下であることを特徴
とする。
【0045】(31)前記26に記載の情報記録用薄膜
において、隣接する2つの前記高融点成分の析出物の中
心間を結ぶ直線が、当該薄膜の膜面方向でそれら析出物
の間の領域を通る長さが15nm以上、70nm以下で
あることを特徴とする。
【0046】(32)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録・再生する情報記録用
薄膜において、当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
い高融点成分からなる多孔質の析出物を含んでおり、当
該薄膜の残成分が前記多孔質析出物の孔内に分布してい
ることを特徴とする情報記録用薄膜。
【0047】(33)前記32に記載の情報記録用薄膜
において、前記高融点成分の多孔質状析出物の孔の当該
薄膜の膜面方向での最大内寸法が80nm以下であり、
隣接する2つの前記孔の間の領域の当該薄膜の膜面方向
での最大壁厚さが20nm以下であることを特徴とす
る。
【0048】(34)前記26または32に記載の情報
記録用薄膜において、当該薄膜の残成分の融点が650
゜C以下であることを特徴とする。
【0049】(35)前記32または32に記載の情報
記録用薄膜において、当該薄膜の残成分の融点が250
゜C以下であることを特徴とする。
【0050】(36)前記26または32のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の複素屈折率
の実数部および虚数部の少なくとも一方が、光の照射に
よって照射前のそれに対して20%以上変化することを
特徴とする。
【0051】(37)前記26または32のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、前記高融点成分の構成
元素の原子数の和が、当該薄膜の全原子数の和に対して
10〜50%の範囲にあることを特徴とする。
【0052】(38)前記26または32のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、平均組成を元素単体ま
たは化合物組成の低融点成分Lと元素単体または化合物
組成の高融点成分Hにより Ljk (6) の式で表した時、20≦k/(j+K)≦40 (7)
である組成を基準組成とし、各元素の膜中での含有量
は前記式で決まる値±10原子%の範囲内にあることを
特徴とする。
【0053】(39)前記26または32のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、前記高融点成分の融点
が780゜C以上であることを特徴とする。
【0054】(40)前記26または32のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、前記高融点成分の融点
と当該薄膜の残成分の融点との差が150゜C以上であ
ることを特徴とする。
【0055】(41)前記2,5および6のいずれかに
記載の情報記録用薄膜において、当該薄膜の残成分より
相対的に融点が高い高融点成分からなる析出物を含んで
おり、前記Bまたは前記Xで表わされる元素がMoおよ
びSi,Pt,Co,Mn,Wであることが好ましく、
Crであることが特に好ましい。
【0056】(42)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録・再生する情報記録用
薄膜の製造方法において、基板上に直接または保護層を
介して薄膜を形成する工程と、前記薄膜にエネルギービ
ームを照射して前記薄膜中に高融点成分を生成または成
長させる工程とを備えてなることを特徴とする。
【0057】(43)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録・再生する情報記録用
薄膜の製造方法において、基板上に直接または保護層を
介して高融点成分の材料あるいは高融点成分の組成に近
い組成を持つ材料を被着させて島状の種結晶を形成する
工程と、前記種結晶の上に前記高融点成分と前記残成分
とを含む材料を被着させ、前記高融点成分を選択的に前
記種結晶上に成長させると共に、それら種結晶の間を埋
めるように前記残成分を成長させる工程とを備えてなる
ことを特徴とする。
【0058】前記島状の種結晶を形成するための膜の平
均膜厚は、1nm以上、10nm以下が好ましい。1n
m未満であると高融点成分を成長させる効果が小さく、
10nmを越えるとノイズ増大の原因となる。
【0059】この方法では、高融点成分は情報記録用薄
膜の片側の界面からその内部に向かって成長しやすい。
【0060】前記第1および第2の情報記録用薄膜の製
造方法では、成膜するのに真空蒸着、ガス中蒸着、スパ
ッタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティン
グ、電子ビーム蒸着など、公知の方法を用いることがで
きるが、スパッタリングを用いるのが好ましい。
【0061】スパッタリングの場合、記録用薄膜の組成
のターゲットによってスパッタする方法では、膜中での
均一性が良くノイズを低くすることができる。一方、高
融点成分の組成のターゲットと残成分の組成のターゲッ
トによる回転同時スパッタ法では、高融点成分の析出を
早めることができ、書き換え可能回数を延ばすのに有効
である。
【0062】(44)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録または再生する情報記
録用薄膜の製造方法において、基板上に直接または保護
層を介して相変化成分と高融点成分より成る膜の形成時
に高融点成分の含有量を膜厚方向に変化させる工程を備
えてることを特徴とする。
【0063】(45)前記1〜6,26および32のい
ずれかに記載の情報記録用薄膜を記録層として備えた情
報記録媒体であることを特徴とする。
【0064】(46)前記1〜6,26および32のい
ずれかに記載の情報記録用薄膜を超解像読出し用のマス
ク層として備えた情報記録媒体であることを特徴とす
る。
【0065】(47)前記1〜6,26および32のい
ずれかに記載の情報記録用薄膜を超解像読出し用の反射
層として備えた情報記録媒体であることを特徴とする。
【0066】(48)前記高融点成分の析出後の前記残
成分の融点が650゜C以下である、前記1〜6,26
および32のいずれかに記載の情報記録媒体を備えた情
報記録媒体であることを特徴とする。
【0067】(49)前記1〜6,26および32のい
ずれか47または48に記載の情報記録用薄膜を超解像
読出し用の反射層として備えた情報記録媒体において、
前記反射層の反射率が60%以上であることを特徴とす
る。
【0068】(50)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録または再生する情報記
録媒体において、前記1〜6,26および32のいずれ
かに記載の情報記録用薄膜を記録層または超解像読出し
用のマスク層として備え、かつ反射層側にSiO2 層と
記録膜側にZnS−SiO2 層の2層構造の中間層を備
えることを特徴とする。
【0069】(51)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録または再生する情報記
録媒体において、基板上に直接または保護層を介して形
成された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子
配列変化によって情報を記録または再生する情報記録用
薄膜を記録層または超解像読出し用のマスク層として備
え、かつSi−Sn、Si−Ge,Si−In化合物の
少なくとも1つ、またはこれに近い組成である反射層を
備えることを特徴とする。
【0070】(52)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録または再生する情報記
録媒体において、基板上に直接または保護層を介して形
成された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子
配列変化によって情報を記録または再生する情報記録用
薄膜を記録層または超解像読出し用のマスク層として備
え、かつ反射層の膜厚が、150nm以上300nm以
下である特徴を持つ。
【0071】(53)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録または再生する情報記
録媒体において、基板上に直接または保護層を介して形
成された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子
配列変化によって情報を記録または再生する情報記録用
薄膜を記録層または超解像読出し用のマスク層として備
え、かつ光入射側にSiO2層と記録膜側にZnS−S
iO2層の2層構造の保護層を備えることを特徴とす
る。
【0072】(54)保護層2および中間層4の材料
は、ZnS−SiO2、Si−N系材料,Si−O−N
系材料,SiO2,SiO,Ta25,TiO2,Al2
3,Y23,CeO,La23,In23,GeO,
GeO2,PbO,SnO,SnO2,Bi23,TeO
2WO2,WO3,Sc23,ZrO2などの酸化物,Ta
N,AlN,Si34,Al−Si−N系材料(例えば
AlSiN2)などの窒化物、ZnS,Sb23,Cd
S,In23,Ga23,GeS,SnS2,PbS,
Bi23,などの硫化物、SnSe2,Sb2Se3,C
dSe,ZnSe,In2Se3,Ga2Se3,GeS
e,GeSe2,SnSe,PbSe,Bi2Se3など
のセレン化物、CeF3,MgF2,CaF2などの弗化
物、あるいはSi,Ge,TiB2,B4C,B,C,ま
たは、上記の材料に近い組成のものを用いるのが好まし
い。また、これらの混合材料の層やこれらの多重層でも
よい。
【0073】多重層の場合、ZnSを70モル%以上含
む材料、例えばZnS−SiO2と、Si,Geのうち
の少なくとも一者を70原子%以上含む材料、例えばS
i、あるいはSiの酸化物、例えばSiO2との2層膜
が好ましい。この場合、記録感度低下を防ぐため、Zn
S−SiO2層の方を記録膜側に設け、その厚さを3n
m以上とする。また、SiO2層の低熱膨張係数による
記録膜流動抑制効果を発揮させるために、厚さ10nm
以下が好ましい。この2層膜は保護層2の代わりに設け
ると好ましいが、中間層4の代わりに設けてもよい。保
護層2の代わりとしてはSiO2層の厚さが50nm以
上250nm以下が好ましい。中間層の代わりに2層膜
を設ける場合は、SiO2層の膜厚は10nm以上80
nm以下が好ましい。これらの2層膜を設けることは、
本発明の記録膜を用いる場合だけではなく、他の相変化
記録膜を用いる場合にも好ましい。
【0074】中間層4の屈折率が1.7以上、2.3以
下の範囲にある場合、膜厚が3nm以上、100nm以
下、および180nm以上、400nm以下が好まし
い。
【0075】反射層5の材料としては、Al−Ti、S
i−Ge混合材料が、記録マーク部分の光吸収率を記録
マーク以外の部分の光吸収率より小さくできるので、光
吸収率差による消え残りを防止でき、さらに書き換え可
能回数が低下せず、好ましい。Geの含有量は10原子
%以上80原子%以下が書き換え可能回数が低下が生じ
にくく、好ましい。
【0076】次いで、Si−SnまたはSi−In混合
材料、あるいはこれら混合材料の2種以上の混合材料で
も同様の結果が得られ、好ましい。これらの反射層材料
は、本発明の相変化膜ばかりでなく、他の相変化膜を用
いる場合の反射層材料として用いても、従来のものに比
べて、書き換え可能回数が低下しないため好ましい。
【0077】さらに、Si,Ge,C,Au,Ag,C
u,Al,Ni,Fe,Co,Cr,Ti,Pd,P
t,W,Ta,Mo,Sbの元素単体、またはこれらを
主成分とする合金、あるいはこれら同志の合金よりなる
層を用いてもよいし、それらの層よりなる多重層を用い
てもよいし、これらと酸化物などの他の物質との複合層
などを用いてもよい。
【0078】この実施例では、表面に直接、トラッキン
グガイドなどの凹凸を形成したポリカーボネート基板1
を用いているが、その代わりに、ポリオレフィン、エポ
キシ、アクリル樹脂、紫外線硬化樹脂層を表面に形成し
た化学強化ガラスなどを用いてもよい。
【0079】中間層4、反射層5および保護層2の一部
を省略した単純積層構造、例えば基板1/保護層2/記
録膜3、基板1/記録膜3/中間層4、基板1/記録膜
3/反射層5などの構成でも、従来のものに比べると、
多数回書き換えを行なってもノイズ上昇が少なく、良好
な結果が得られ、好ましい。
【0080】以上述べたように、この実施例の情報記録
用薄膜は、記録・再生・消去特性を良好に保ちながら、
従来より多数回の書き換えが可能である。また、記録・
消去に用いるレーザ光のパワーが低くてよいという利点
もある。
【0081】(55)超解像読み出し用ビームの照射を
受けて超解像効果を生ずる本発明の超解像読み出し用薄
膜は、相変化成分及び析出した高融点成分を含むことを
特徴とする。 超解像読み出し用薄膜は、基板上に直接
もしくは無機物及び有機物のうち少なくとも一者からな
る保護層を介して形成される。
【0082】(56)相変化成分より相対的に融点が高
い高融点成分は、柱状または塊状析出物として、あるい
は多孔質状析出物として析出している。
【0083】(57)超解像読み出し用薄膜の平均組成
は、次の一般式で表されるものとすることができる。
【0084】Defg (8) ここで、前記EはSn,Pb,Bi,Zn,Ga,In
から選ばれた少なくとも1つの元素、前記EはAs,
B,C,N,O,S,Se,Si,Te,Ag,Al,
Au,Ba,Be,Ca,Cd,Co,Cr,Cs,C
u,Fe,Ge,Hf,Hg,Ir,K,Li,Mg,
Mn,Mo,Na,Nb,Ni,Os,Pd,Pt,R
b,Re,Rh,Ru,Sb,Sc,Sr,Ta,T
i,V,W,Y,Zrより成る群より選ばれた少なくと
も1つの元素を表し、前記Fは前記D及び前記Eで表さ
れる以外の少なくとも1つの元素を表し、例えば、T
l,Br,Cl,F,H,I,P等とすることができ
る。また、前記e,f及びgの単位はいずれも原子パー
セントで、それぞれ30≦e≦95、5≦f≦50、0
≦g≦20の範囲にあることが好ましい。さらに、40
≦e≦87、13≦f≦40、0≦g≦10の範囲にあ
ることがより好ましい。
【0085】前記Fで表される元素は、例えば、前記D
及びEで表される元素がそれぞれSn及びTeであれ
ば、Sn及びTe以外の元素であればよい。また、前記
D、D’(前記Dが上記Sn,ZnのようにD,D’2
元素の場合)、E、Fの組合せにおいて、D−E、E−
F、D’−Eの組合せからできる高融点成分が共晶点を
もたないか、共晶点をもっていてもD、D−D’の融点
より150℃以上融点が高いことが好ましい。
【0086】(58)超解像読み出し用薄膜は、また、
平均組成が次の一般式で表されるものを使用することが
できる。
【0087】Sepqrs (11) ここで、前記MはIn,Sb,Bi,Te,Au,B,
Cs,Sn,Tl,S,Ge,Fe,Znから選ばれた
少なくとも1つの元素、前記NはAs,C,N,O,S
i,Ag,Al,Ba,Be,Ca,Cd,Co,C
r,Cu,Hf,Hg,Ir,K,Li,Mg,Mn,
Mo,Na,Nb,Ni,Os,Pd,Pt,Rb,R
e,Rh,Ru,Sc,Sr,Ta,Ti,V,W,
Y,Zr,Pb,Ga,U及び、Se及び前記Mで表さ
れる元素以外の少なくとも1つの元素を表す。前記Oは
Se及び前記M及び前記Nで表される以外の少なくとも
1つの元素を表し、例えばBr,Cl,F,H,I,P
とすることができる。また、前記p,q,r及びsの単
位はいずれも原子パーセントで、それぞれ40≦p≦9
5、0≦q≦55、5≦r≦50、0≦s≦20の範囲
にあることが好ましく、50≦p≦80、0≦q≦4
0、10≦r≦40、0≦s≦10の範囲にあることが
より好ましい。
【0088】(59)超解像読み出し用薄膜の平均組成
を、元素単体または化合物組成の低融点成分Lと元素単
体または化合物組成の高融点成分Hより、次式で表すと
き、 Ljk (6) 下式(7)の範囲の組成を基準組成とし、上記薄膜を構
成する各元素の膜中での含有量は、式(7)で決まる値
±10原子%の範囲内にあることが好ましく、±5原子
%の範囲内にあるとより好ましい。
【0089】 20≦k/(j+k)≦40 (7) 例えば、超解像読み出し用膜の基準組成が(GeSb2
Te4 80(Cr4Te5 20である場合、式(7)の
LはGeSb2Te4 、HはCr4Te5 であって、k/
(j+k)は20である。ここで各元素の原子%は、そ
れぞれ、LのGeは11%、Sbは23%、Teは46
%、HのCrは9%、Teは11%である。そこで、式
(7)で決まる値±10原子%の範囲はLのGeは1〜
21%、Sbは13〜33%、Teは36〜56%、H
のCrは0〜19%、Teは1〜21%である。
【0090】(60)低融点成分と高融点成分は、いず
れも金属または半金属元素を50原子%以上含むことが
好ましく、65原子%以上含むことがより好ましい。
【0091】(61)上記式(8)および(11)の組
成は相変化記録膜としても使用でき、超解像読み出し薄
膜を用いない記録媒体の相変化記録膜としても使用でき
る。この記録膜を使用した場合、結晶化と非晶質化で反
射率差の大きな媒体を作製できる。
【0092】高融点成分の原子数の和は、超解像読み出
し膜の構成元素の全原子数の和に対する割合で10〜5
0%の範囲であることが好ましく、20〜40%の範囲
であることがより好ましい。
【0093】(62)高融点成分と相変化成分の組み合
わせでは、それぞれの成分中に同じ元素が30原子%以
上、80原子%以下の範囲で存在することが好ましい。
【0094】高融点成分の融点は、析出後の残成分であ
る相変化成分の融点より150℃以上高いことが好まし
い。
【0095】(63)高融点成分の平均組成は、下記の
A群のうち少なくとも一者、もしくはこれに近い組成あ
るいは、融点800℃以上の化合物とすることができ
る。ここで、これに近い組成とは、列挙した組成からの
ずれが±10原子%の範囲内にあるものを指す(以下、
同じ)。例えば、BaPd2 の場合、それぞれの元素の
原子%は、Baは33%、Pdは67%である。そこ
で、組成BaPd2 からのずれが±10原子%の範囲
は、Baは23〜43%、Pdは57〜77%である。
【0096】<A群>BaPd2 ,BaPd5 ,NdP
d,NdPd3 ,NdPd5 ,Nd7Pt3 ,Nd3Pt
2 ,NdPt,Nd3Pt4 ,NdPt2 ,NdP
5 ,Bi2Nd,BiNd,Bi3Nd4 ,Bi3Nd
5 ,BiNd2 ,Cd2Nd,CdNd,Mn2Nd,M
23Nd6 ,Mn12Nd,Nd5Sb3 ,Nd4Sb3
NdSb,NdSb2 ,Fe2Nd,Fe17Nd2 ,C
3Ge2 ,CsGe,CsGe4 ,Nd5Si3 ,Nd
5Si4 ,NdSi,Nd3Si4 ,Nd2Si3,Nd5
Si9,Cs2Te,NdTe3 ,Nd2Te5 ,NdT
2 ,Nd4Te7 ,Nd2Te3 ,Nd3Te4 ,Nd
Te,Ce3Ir,Ce2Ir,Ce55Ir45,CeIr
2,CeIr3 ,Ce2Ir7 ,CeIr5 ,CaPd,
CaPd2 ,CaGe,Ca2Ge,GeNa3 ,Ge
Na,CaSi2 ,Ca2Si,CaSi,Se2Sr,
Se3Sr2 ,SeSr,GeSr2 ,GeSr,Ge2
Sr,SnSr,Sn3Sr5 ,SnSr2 ,Ce2
l,Ce5Tl3 ,CeTl3 ,Ce3Tl5,CeT
l,BaTl,Pd13Tl9 ,Pd2Tl,Pd3Tl,
Mg2Si,Mg2Ge,BaPd2 ,BaPd5 ,Ce
4Se7 ,Ce3Se4 ,Ce2Se3 ,CeSe,Ce5
Ge3 ,Ce4Ge3,Ce5Ge4 ,CeGe,Ce3
5 ,Ce5Si3 ,Ce3Si2 ,Ce5Si4 ,Ce
Si,Ce3Si5 ,CeSi2,CeTe3 ,Ce2
5 ,CeTe2 ,Ce4Te7 ,Ce3Te4 ,CeT
e,La3Se7 ,LaSe2 ,La4Se7 ,La2
3 ,La3Se4 ,LaSe,GeLa3 ,Ge3La
5 ,Ge3La4 ,Ge4La5 ,GeLa,Ge5La
3 ,BaSe2,Ba2Se3 ,BaSe,PdSe,M
3Se4 ,MoSe2 ,Ba2Ge,BaGe2 ,Ba
Ge,Ba2Te3 ,BaTe,Ge2Pd5,GeP
2,Ge9Pd25,GePd,Ge3Pt,Ge3
2 ,GePt,Ge2Pt3 ,GePt2 ,GePt
3 ,Pu3Sn,Pu5Sn3 ,Pu5Sn4,Pu8Sn
7 ,Pu7Sn8 ,PuSn2 ,PuSn3 ,Pt5Te
4 ,Pt4Te5 ,PtTe2 ,GeNi,Ge3
5 ,Ge2Ni5 ,GeNi3 ,NiTe0.85,Ni
Te0.775 ,Ni3±xTex ,Cr11Ge19,CrG
e,Cr11Ge8 ,Cr5Ge3 ,Cr3Ge,CrSi
2 ,Cr5Si3 ,Cr3Si,Cr5Te8 ,Cr4Te
5 ,Cr3Te4 ,Cr1-xTe,Ge3Mn5 ,GeM
2 ,Mn6Si,Mn9Si2 ,Mn3Si,Mn5Si
2 ,Mn5Si3 ,MnSi,Mn11Si19,Mn2
n,Mn3.25Sn,MnTe,Te2W,FeGe2
Fe5Ge3 ,Fe3Ge,Fe2Si,Fe5Si3 ,F
eSi,FeSi2 ,Ge2Mo,Ge41Mo23,Ge
16Mo9 ,Ge23Mo13,Ge3Mo5 ,GeMo3,M
3Si,Mo5Si3 ,MoSi2 ,MoSn,MoS
2 ,Mo3Te4,MoTe2 ,Si2Ti,SiTi,Si
4Ti5 ,Si3Ti5 ,SiTi3,Sn5Ti6 ,Sn
3Ti5 ,SnTi2 ,SnTi3 ,CoGe2 ,Co5
Ge7 ,CoGe,Co5Ge3 ,Co4Ge,Co3
4 ,Ge7Re3 ,Re5Si3 ,ReSi,ReSi
2 ,Re2Te。
【0097】(64)高融点成分の平均組成は、また、
前記A群及び下記のB群に挙げた化合物,のうち少なく
とも一者、もしくはこれに近い組成あるいは、融点60
0℃以上の化合物とすることができる。
【0098】<B群>Cs3Ge,Ba2Tl,GePd
3 ,Fe6Ge5 ,FeTe2 ,Co5Ge2 ,Nd3
d,Cs3Te2 ,Ce4Ir,NaPd,Ca9Pd,
Ca3Pd2 ,Ca2Ge,Se3Sr,Ce3Tl,Ce
Se2 ,Ce3Ge,BaSe3 ,GeSe2 ,GeS
e,BaTe2 ,GePd5 ,Ge8Mn11,MnTe
2 ,Ge32 ,FeGe,Fe4Ge3 ,Fe3Sn,
Fe3Sn2 ,FeSn,CoTe2
【0099】(65)高融点成分の平均組成は、また、
前記B群及び下記C群に挙げた化合物,のうち少なくと
も一者、もしくはこれに近い組成、あるいは、融点40
0℃以上の化合物とすることができる。
【0100】<C群>Ba4Tl,CsTe,Ba4
l,Ba13Tl,Cd11Nd,Cd6Nd,Cs5
4 ,Ca3Pd,Ca5Pd2 ,Sn3Sr,Ba13
l,PdTl2,FeSe2 ,FeSe,Cr2Te3
CrTe3 ,FeSn2
【0101】(66)高融点成分として前記A群に挙げ
たものを使用するとき、相変化成分の平均組成は、下記
D群の組成のうち少なくとも一者、もしくはこれに近い
組成あるいは、融点650℃以下の化合物であることが
好ましい。
【0102】<D群>Sn,Pb,Sb,Te,Zn,
Cd,Se,In,Ga,S,Tl,Mg,Tl2
e,TlSe,Tl2Se3 ,Tl3Te2 ,TlTe,
InBi,In2Bi,TeBi,Tl−Se,Tl−
Te,Pb−Sn,Bi−Sn,Se−Te,S−S
e,Bi−Ga,Sn−Zn,Ga−Sn,Ga−I
n,In3SeTe2 ,AgInTe2 ,GeSb4Te
7 ,Ge2Sb2Te5 ,GeSb2Te4,GeBi4
7 ,GeBi2Te4 ,Ge3Bi2Te6 ,Sn2Sb
6Se11,Sn2Sb2Se5 ,SnSb2Te4 ,Pb2
Sb6Te11,CuAsSe2 ,Cu3AsSe3 ,Cu
SbS2 ,CuSbSe2 ,InSe,Sb2Se3
Sb2Te3 ,Bi2Te3 ,SnSb,FeTe,Fe
2Te3 ,FeTe2 ,ZnSb,Zn3Sb2 ,VTe
2 ,V5Te8 ,AgIn2 ,BiSe,InSb,I
2Te,In2Te5 ,Ba4Tl,Cd11Nd,Ba
13Tl,Cd6Nd,Ba2Tl。
【0103】(67)高融点成分として前記B群に挙げ
たものを使用するとき、相変化成分の平均組成は、下記
E群の組成のうち少なくとも一者、もしくはこれに近い
組成あるいは、融点450℃以下の化合物であることが
好ましい。
【0104】<E群>Sn,Pb,Te,Zn,Cd,
Se,In,Ga,S,Tl,Tl2Se,TlSe,
Tl2Se3 ,Tl3Te2 ,TlTe,InBi,In
2Bi,TeBi,Tl−Se,Tl−Te,Pb−S
n,Bi−Sn,Se−Te,S−Se,Bi−Ga,
Sn−Zn,Ga−Sn,Ga−In,Ba4Tl。
【0105】(68)高融点成分として前記C群に挙げ
たものを使用するとき、相変化成分の平均組成は、下記
F群の組成のうち少なくとも一者、もしくはこれに近い
組成あるいは、融点250℃以下の化合物であることが
好ましい。
【0106】<F群>Sn,Se,In,Ga,S,I
nBi,In2Bi,TeBi,Tl−Se,Tl−T
e,Pb−Sn,Bi−Sn,Se−Te,S−Se,
Bi−Ga,Sn−Zn,Ga−Sn,Ga−In。
【0107】(69)超解像読み出し用薄膜の組成また
は膜厚は、内周と外周において異なることが好ましく、
超解像読み出し用薄膜のトラック周辺部も結晶化するの
が好ましい。 本発明による超解像読み出し用薄膜は、
すでに情報が記録されたROMディスク及び情報を記録
できるRAMディスクのいずれの情報記録媒体にも適用
できる。
【0108】(70)本発明による超解像読み出し用薄
膜を備える情報記録媒体の超解像読み出し用装置は、超
解像読み出し用薄膜の最高温度となる領域でも膜全体は
融解しないで高融点成分が固相に留まる超解像読み出し
パワーにプリセットがされているか、手動または自動で
設定する手段を有することが好ましい。また、超解像読
み出し時の反射光強度分布の乱れを検出する手段と、上
記乱れの大きさに応じてレーザパワーを調節する手段を
有することが好ましい。また、超解像読み出し時のレー
ザパワーをオートフォーカスやトラッキングに必要なパ
ワーに比較して2倍以上大きくする手段を有することが
好ましく、3倍以上大きくする手段を有することがより
好ましい。この装置は、本発明以外の媒体に用いても、
超解像読み出しレーザパワー一定の場合より良好な結果
が得られる。
【0109】(71)超解像読み出しレーザ光はパルス
光とし、レーザパルスの周期T、線速v、スポット径
(λ/NA)、パルス幅xが下記(9)及び(10)の
関係を満たすことが好ましく、 0.4λ/NA≦vT≦1.5λ/NA (9) 0.3≦x/T≦0.5 (10) さらに下記(12)及び(10)の関係を満たすことが
より好ましい。
【0110】 0.5λ/NA≦vT≦0.9λ/NA (12) (72)基板上に直接または保護層を介して形成され
た、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配列変
化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜におい
て、当該薄膜を有する情報記録用媒体を用いる情報の記
録再生装置または媒体初期結晶化用装置でレーザ光を繰
り返し照射することにより、当該薄膜の残成分より相対
的に融点が高い高融点成分が析出し、その析出物が当該
薄膜の残成分からなる領域内に分布する特徴を持つ。
【0111】(73)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録・再生する情報記録用
薄膜を有する情報記録用媒体を用いる情報の記録再生方
法または媒体初期結晶化用方法においてレーザ光を繰り
返し照射することにより、当該薄膜の残成分より相対的
に融点が高い高融点成分が析出し、その析出物が当該薄
膜の残成分からなる領域内に分布する特徴を持つ。
【0112】(74)(1)から(6)に記載の情報記
録用薄膜において、当該薄膜を有する情報記録用媒体を
用いる情報の記録再生装置または媒体初期結晶化用装置
においてレーザ光を繰り返し照射することにより、当該
薄膜の残成分より相対的に融点が高い高融点成分が析出
し、その析出物が当該薄膜の残成分からなる領域内に分
布し、その析出物が前記BおよびXの少なくとも一方で
表わされる元素を含むことを特徴とする。
【0113】(75)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録・再生する情報記録用
媒体の製造方法であって、基板上に保護層、記録膜また
は超解像読みだし膜、中間層、反射層を形成する工程
と、これに別の基板または同様にして前記各層を形成し
た別の基板を貼り合わせる工程と前記媒体にエネルギー
ビームを照射して前記薄膜中に高融点成分を生成または
成長させる工程とを備えてなることを特徴とする。
【0114】(76)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録・再生する情報記録用
媒体の製造方法であって、基板上に保護層を形成する工
程と高融点成分の材料あるいは高融点成分の組成に近い
組成を持つ材料を被着させて島状の種結晶を形成する工
程と、前記種結晶の上に前記高融点成分と前記残成分と
を含む材料を被着させ、前記高融点成分を選択的に前記
種結晶上に成長させると共に、それら種結晶の間を埋め
るように前記残成分を成長させる工程と中間層、反射層
を形成する工程と、これに別の基板または同様にして前
記各層を形成した別の基板を貼り合わせる工程と備えて
なることを特徴とする。
【0115】(77)基板上に直接または保護層を介し
て形成された、エネルギービームの照射を受けて生じる
原子配列変化によって情報を記録または再生する情報記
録用媒体の製造方法であって、基板上に保護層を形成す
る工程と、相変化成分と高融点成分より成る膜の形成を
行ないつつ高融点成分の含有量を膜厚方向に変化させる
工程と、中間層、反射層を形成する工程と、これに別の
基板または同様にして前記各層を形成した別の基板を貼
り合わせる工程を備えてることを特徴とする。
【0116】(78)前記高融点成分としては、例え
ば、LaTe3,LaTe2,La2Te3,La3Te4
LaTe,La2Te5,La4Te7,La3Te,La2
Sb,La3Sb2,LaSb,LaSb2,La3Ge,
La5Ge3,La4Ge3,La5Ge4,LaGe,La
3Ge5,Ag2Te,Cr3Te4,Cr5Te8,Cr2
3,Cr4Te5,CrSb,Cr3Ge,Cr5Ge3
Cr11Ge8,CrGe,Cr11Ge19,PtTe2,P
4Te5,Pt5Te4,Pt4Sb,Pt3Sb2,Pt
Sb,Pt3Ge,Pt2Ge,Pt3Ge2,PtGe,
Pt2Ge3,PtGe3,NiTe,NiTe0.85,N
iSb,Ni3Ge,Ni5Ge2,Ni5Ge3,NiG
e,CoTe,CoTe2,Co3Te4,CoSb,C
oSb2,CoSb3,Co5Ge2,Co5Ge3,CoG
e,Co5Ge7,CoGe2,Si2Te3,SiSb,
SiGe,CeTe,Ce3Te4,Ce2Te3,Ce4
Te7,CeTe2,CeTe3,Ce2Sb,Ce5
3,Ce4Sb5,CeSb,CeSb2,Ce3Ge,
Ce5Ge3,Ce4Ge3,Ce5Ge4,CeGe,Ce
3Ge5,Ce5Si3,Ce3Si2,Ce5Si4,CeS
i,Ce3Si5,CeSi2,Cr3Si,Cr5Si3
CrSi,CrSi3,CrSi2,Co3Si,CoS
i,CoSi2,NiSi2,NiSi,Ni3Si2,N
2Si,Ni5Si2,Ni3Si,Pt5Si2,Pt2
Si,PtSi,LaSi2,Ag3In,Ag2In,
Bi2Ce,BiCe,Bi3Ce4,Bi3Ce5,Bi
Ce2,Cd11Ce,Cd6Ce,Cd58Ce13,Cd3
Ce,Cd2Ce,CdCe,Ce3In,Ce2In,
Ce1+xIn,Ce3In5,CeIn2,CeIn3,C
2Pb,CePb,CePb3,Ce3Sn,Ce5Sn
3,Ce5Sn4,Ce11Sn10,Ce3Sn5,Ce3Sn
7,Ce2Sn5,CeSn3,CeZn,CeZn2,C
eZn3,Ce3Zn11,Ce13Zn58,CeZn5,C
3Zn22,Ce2Zn17,CeZn11,Cd21Co5
CoGa,CoGa3,CoSn,Cr3Ga,CrG
a,Cr5Ga6,CrGa4,Cu9Ga4,Cu3Sn,
Cu3Zn,Bi2La,BiLa,Bi3La4,Bi3
La5,BiLa2,Cd11La,Cd17La2,Cd9
2,Cd2La,CdLa,Ga6La,Ga2La,G
aLa,Ga3La5,GaLa3,In3La,In2
a,In5La3,InxLa,InLa,InLa2,I
nLa3,La5Pb3,La4Pb3,La11Pb10,L
3Pb4,La5Pb4,LaPb2,LaPb3,LaZ
n,LaZn2,LaZn4,LaZn5,La3Zn22
La2Zn17,LaZn11,LaZn13,NiBi,G
3Ni2,GaNi,Ga2Ni3,Ga3Ni5,GaN
3,Ni3Sn,Ni3Sn2,Ni3Sn4,NiZn,
Ni5Zn21,PtBi,PtBi2,PtBi3,Pt
Cd2,Pt2Cd9,Ga7Pt3,Ga2Pt,Ga3
2,GaPt,Ga3Pt5,GaPt2,GaPt3
In7Pt3,In2Pt,In3Pt2,InPt,In5
Pt6,In2Pt3,InPt2,InPt3,Pt3
b,PtPb,Pt2Pb3,Pt3Sn,PtSn,P
2Sn3,PtSn2,PtSn4,Pt3Zn,PtZ
2,AlS,Al23,BaS,BaC2,CdS,C
43,Co98,CoS,CoO,Co34,Co2
3,Cr23,Cr34,CrO,CrS,CrN,
Cr2N,Cr236,Cr73,Cr32,Cu2S,
Cu95,CuO,Cu2O,In45,In34,L
23,La23,Mo2C,MoC,Mn236,Mn
4C,Mn73,NiO,SiS2,SiO2,Si
34,Cu2Te,CuTe,Cu3Sb,Mn2Sb,
MnTe,MnTe2,Mn5Ge3,Mn3.25Ge,M
5Ge2,Mn3Ge2,Ge3W,Te2W,AlSb,
Al2Te3,Fe2Ge,FeGe2,FeSb2,Mo3
Sb7,Mo3Te4,MoTe2,PbTe,GeP
2,Ge2Pd5,Ge9Pd25,GePd5,Pd3
b,Pd5Sb3,PdSb,SnTe,Ti5Ge3,G
3117,Ge811,Ge35,GeV3,V5Te4
3Te4,ZnTe,Ag2Se,Cu2Se,Al2
3,InAs,CoSe,Mn3In,Ni3In,N
iIn,Ni2In3,Ni3In7,PbSe,などの高
融点化合物、あるいはこれらに近い組成の高融点化合
物、あるいはこれらの混合物、あるいはこれらの混合組
成に近い3元以上の化合物がある。
【0117】これらの中では、LaSb,CrSb,C
oSb,Cr3Te4,Cr2Te3,Cr4Te5,CoT
e,Co3Te4,LaTe3,Cu2Te,CuTe,C
3Sb,MnTe,MnTe2,Mn2Sbのうちの少
なくとも1つが特に好ましい。その理由は、屈折率が残
成分に近いので、ノイズが発生しにくく融点も高いこと
にある。
【0118】前記高融点成分中に含まれる酸化物、硫化
物、窒化物、炭化物の含有量は、前記高融点成分の全構
成原子数の40原子%未満とするのが好ましく、10原
子%未満とするのが特に好ましい。これらの含有量が4
0原子%以上であると、当該薄膜の高融点成分以外の成
分すなわち残成分との複素屈折率の差を小さくできなか
ったり、当該残成分中に酸素等が拡散して記録・再生特
性を劣化させたりする問題を生じやすいからである。
【0119】前記情報記録用薄膜では、前記高融点成分
の析出物が分布した状態で情報の記録・再生・消去を行
なうものであるから、前記高融点成分と、可逆的に相変
化する成分との混合組成になっているのが好ましい。こ
こで「相変化」とは、結晶状態−非晶質状態間の相変化
だけでなく、結晶状態−結晶質状態間の相変化も含む。
【0120】可逆的に相変化する成分としては、既知の
相変化記録材料の他、好適な相変化特性を持った材料で
あれば任意のものを使用することができるが、高融点成
分の例として前で述べた多数の化合物の中では、Crな
どの遷移金属元素を含む化合物が好ましく、且つその遷
移金属元素の含有量は当該薄膜の総構成原子数の40原
子%以下が好ましく、34原子%以下がより好ましい。
この条件が満たされると、析出する高融点成分とTe系
またはSb系の相変化成分との界面反射率を小さくする
効果が大きくなるという利点がある。
【0121】前記高融点成分の屈折率の実数部n1と虚
数部k1の値は、前記高融点成分と相変化成分との界面
での光散乱を防ぐ観点から、前記相変化成分の結晶状態
での実数部n2と虚数部k2の値のそれぞれ±40%以内
であるのが好ましく、±20%以内であるのがより好ま
しい。
【0122】n1とn2の差が±10%以内、k1とk2
差が±70%以内であり、且つ|〔(n1+ik1)−
(n2+ik2)〕/〔(n1+ik1)+(n2+i
2)〕|2で表わされる界面反射率が6%以下があるの
が好ましい。また、n1とn2の差が±10%以内、k1
とk2の差が±70%以内であり、且つ界面反射率が2
%以下であるのがより好ましい。これらの条件を満たす
ことは、膜厚を厚くして再生信号レベルを大きくし、界
面での光散乱を防ぐのに好ましい。
【0123】高融点成分の屈折率(n,k)の好ましい
範囲は、相変化成分がGe−Sb−Te系の場合は、 5.0≦n≦6.2, 1.1≦k≦6.1 であり、 相変化成分がIn−Sb−Te系の場合は、 1.5≦n≦1.8, 0.6≦k≦3.6 である。
【0124】高融点成分が前記情報記録用薄膜におい
て、高融点成分の析出物を明確に判別できない場合は、
次のように解する。すなわち、当該薄膜の平均組成から
前記高融点成分以外の残成分(例えば相変化成分)の組
成のいずれか一つを除くと、残部の80%以上、より好
ましくは90%以上がこの発明の融点の条件を満たす高
融点成分の組成となる場合、この発明の高融点成分が析
出しているものとする。
【0125】情報記録用薄膜の保護に用いる「保護層」
は、有機物でもよいし無機物でもよいが、無機物の方が
耐熱性の面で好ましい。しかし、機械的強度を増すため
に、基板とは別に形成した無機物の保護層を厚くする
と、クラック発生、透過率低下、感度低下などを生じや
すいので、この保護層を薄くする一方、この保護層の当
該情報記録用薄膜と反対の側に厚い有機物層を密着させ
るのが好ましい。この有機物層は基板とは別に形成した
層でもよいし、有機物の基板でもよい。これによって変
形が起こり難くなる。
【0126】有機物の保護層は、例えばアクリル樹脂、
ポリカーボネート、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリ4フッ化エチレン
(テフロン)などのフッ素樹脂などにより形成すること
ができる。ホットメルト接着剤として知られているエチ
レン−酢酸ビニル共重合体などや、粘着剤などでもよ
い。これらの樹脂の少なくとも1つを主成分とする紫外
線硬化樹脂で形成してもよい。有機物の基板で保護層を
兼ねてもよい。
【0127】無機物の保護層は、例えば酸化物、弗化
物、窒化物、硫化物、セレン化物、炭化物、ホウ化物、
ホウ素、炭素、あるいは金属などを主成分とする無機物
などにより形成することができる。ガラス、石英、サフ
ァイア、鉄、チタン、あるいはアルミニウムを主成分と
する無機物の基板で保護層を兼ねてもよい。
【0128】無機物の保護層の例としては、Ce,L
a,Si,In,Al,Ge,Pb,Sn,Bi,T
e,Ta,Sc,Y,Ti,Zr,V,Nb,Crおよ
びWよりなる群より選ばれた少なくとも1つの元素の酸
化物、Cd,Zn,Ga,In,Sb,Ge,Sn,P
bよりなる群より選ばれた少なくとも1つの元素の硫化
物またはセレン化物、Mg,Ce,Caなどの弗化物、
Si,Al,Ta,Bなどの窒化物、または、ホウ素あ
るいは炭素より成るものであって、たとえば主成分が、
CeO2,La23,SiO,SiO2,In23,Al
23,GeO,GeO2,PbO,SnO,SnO2,B
23,TeO2,WO2,WO3,Ta25,Sc
23,Y23,TiO2,ZrO2,CdS,ZnS,C
dSe,ZnSe,In23,In2Se3,Sb23
Sb2Se3,Ga23,Ga2Se3,MgF2,Ce
3,CaF2,GeS,GeSe,GeSe2,Sn
S,SnS2,SnSe,SnSe2,PbS,PbS
e,Bi2Se3,Bi23,TaN,Si34,Al
N,AlSiN2,Si,TiB2,B4C,SiC,
B,Cのうちの1つあるいはそれに近い組成をもったも
の、またはそれらの混合物がある。
【0129】これらのうち、硫化物では、ZnSまたは
それに近い組成のものが、屈折率が適当な大きさで膜が
安定である点で好ましい。窒化物では、表面反射率があ
まり高くなく、膜が安定で強固である点で、TaN,S
34,AlSiN2またはAlN(窒化アルミニウ
ム)またはそれに近い組成のものが好ましい。酸化物で
は、膜が安定である点で、Y23,Sc23,Ce
2,TiO2,ZrO2,SiO,Ta25,In
23,Al23,SnO2またはSiO2またはそれらに
近い組成のものが好ましい。水素を含む非晶質Siでも
よい。
【0130】前記保護層を無機物−無機物、あるいは無
機物−有機物の2層あるいは3層以上の多層構成にすれ
ば、さらに保護効果が高まる。
【0131】前記保護層に混合物を使用すると、膜形成
が容易である。例えば、厚さ50〜500nmの(Zn
S)80(SiO220層では、保護効果、記録・消去特
性、書き換え特性ともに良好であり、膜の形成も容易で
ある。
【0132】前記保護層はまた、有機物および無機物の
複合材料により形成することもできる。
【0133】無機物の保護層は、そのままの組成で電子
ビーム蒸着、スパッタリングなどにより形成してもよい
が、反応性スパッタリングあるいは、金属、半金属、半
導体の少なくとも1元素よりなる膜を形成した後に酸
素、硫黄、窒素のうちの少なくとも一つと反応させるよ
うにすると、成膜が容易となる。
【0134】一般に、薄膜に光を照射すると、薄膜の表
面からの反射光と薄膜の裏面からの反射光との重ね合わ
せにより干渉が生じる。そこで、薄膜の反射率の変化で
信号を読み取る場合には、記録用薄膜に近接して光を反
射する「反射層」を設けることにより、干渉の効果を大
きくし、それによって再生(読出し)信号を大きくする
ことができる。なお、光を吸収する吸収層としてもよ
い。
【0135】干渉の効果をより大きくするためには、記
録用薄膜と反射層の間に「中間層」を設けるのが好まし
い。中間層は、書き換え時に記録用薄膜と反射層との間
で相互拡散が起こるのを防止する作用、および反射層へ
の熱の逃げを減少させて記録感度を高め、、消え残りを
防止する作用がある。
【0136】中間層の材質を適当に選ぶと、情報記録用
薄膜の役割の少なくとも一部を担わせることもできる。
例えば、中間層をセレン化物で形成すると、記録用薄膜
の少なくとも一部の元素が中間層中へ拡散し、あるいは
中間層中の元素と反応し、あるいは中間層の少なくとも
一部の元素が記録用薄膜または反射層中へ拡散し、それ
によって記録用薄膜の一部の役割を果たすようになる。
【0137】中間層の膜厚は、3nm以上、400nm
以下で、且つ、記録状態および消去状態のいずれか一方
において、読み出し光の波長付近で記録用薄膜の反射率
が極小値に近く、しかもその値が他方の状態において2
0%付近あるいはそれ以上となるようにするのが好まし
い。
【0138】反射層として、熱伝導率が2.0W/cm
・deg以上の高熱伝導率材料(例えばAuなど)を主
成分とする材料を用いると、熱拡散率が高くなり、高速
で結晶化する記録用薄膜を用いても、高パワーのレーザ
光を照射したときに確実に非晶質化するようになる。こ
の場合、中間層にも、熱伝導率の高い材料(例えばAl
23,AlN,Si34,ZnSなどあるいはそれに近
い組成の材料)を用いるか、SiO2などの熱伝導率が
中程度(0.02W/cm・deg以上、0.1W/c
m・deg以下)の材料を用い、中間層を薄くするのが
特に好ましい。ただし、記録感度を高めるには、前記の
値よりも低い熱伝導率の材料で反射層を形成するのが好
ましい。
【0139】反射層は、情報記録用薄膜の基板側に配置
してもよいし、情報記録用薄膜の基板とは反対側に配置
してもよい。
【0140】反射層の中間層とは反対の側に、前記保護
層に使用可能な無機物よりなる保護層(上びき層)を形
成すれば、さらに好ましい。これら中間層、反射層、保
護層よりなる3層構成では、全体として、単層の保護層
より強固となる。
【0141】前記基板、記録用薄膜、保護層、中間層お
よび反射層の形成は、真空蒸着、ガス中蒸着、スパッタ
リング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティング、電
子ビーム蒸着、射出成形、キャスティング、回転塗布、
プラズマ重合などの方法からいずれかを適宜選定して行
なえばよい。
【0142】前記記録用薄膜、保護層、中間層、反射
層、および反射層に隣接した保護層は、すべてスパッタ
リングにより形成するのが最も好ましい。
【0143】前記の情報記録用薄膜は、共蒸着や共スパ
ッタリングなどによって、保護膜用に使用可能な材料と
して前述した酸化物、弗化物、窒化物、有機物など、あ
るいは炭素または炭化物の中に分散させた形態としても
よい。そうすることによって、光吸収係数を調節し再生
信号強度を大きくすることができる場合がある。
【0144】この場合、混合比率は、薄膜中で酸素、弗
素、窒素、炭素が膜全体に対して占める原子数の割合が
40%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
【0145】このような複合膜化を行なうことにより、
結晶化の速度が低下し、感度が低下するのが普通である
が、有機物との複合膜化では感度が向上する。
【0146】一般に、相転移(相変化)によって情報の
記録を行なう場合、記録膜の全面をあらかじめ結晶化さ
せておくのが好ましいが、基板に有機物を用いている場
合には基板を高温にすることができない。そこで、それ
以外の方法で結晶化させる必要がある。
【0147】この場合の好ましい結晶化法としては、例
えば、スポット径が2μm以下となるように集束したレ
ーザ光の照射、キセノンランプや水銀ランプなどによる
紫外線照射と加熱、フラッシュランプ光の照射、高出力
ガスレーザや出力1W程度の高出力半導体レーザからの
大きなレーザ光スポットによる光の照射、あるいは加熱
とレーザ光照射との組合せなどがある。
【0148】スポット径を2μm以下まで集束したレー
ザ光を情報記録用薄膜に照射する場合、複数回の照射が
必要となる場合が多い。このため、単一のレーザ光で
は、薄膜に繰り返し照射することになり、長時間を要す
る。これを避けるには、半導体レーザアレイを用いる
か、ガスレーザのビームを複数に分割して同時に複数箇
所に照射するようにするのがよい。これにより、薄膜を
1回転するだけで多数回のレーザ光照射が可能となる。
【0149】各光スポットは、同一の記録トラック上に
並列させてもよいが、2つあるいはそれ以上のトラック
上に並列させてもよい。トラック上とトラック間に同時
に照射するようにすれば、さらに好ましい。各スポット
のレーザ光パワーは同じである必要はない。
【0150】ガスレーザあるいは高出力半導体レーザか
らの単一ビームを照射する場合、スポット径(円形の光
スポットであれば光強度が(1/2)になる位置での直
径、楕円形の光スポットであれば前記位置での長径)が
5μm以上、5mm以下とすると能率がよい。
【0151】結晶化を記録トラック上のみで生じさせ、
トラック間は非晶質のままとしてもよい。記録トラック
間のみを結晶化させてもよい。
【0152】例えば、Sb,Te,GeおよびCrを主
成分とする薄膜を複数の蒸発源からの回転蒸着によって
形成した場合、蒸着直後にはSb,Te,GeおよびC
rの原子がうまく結合していない場合が多い。また、こ
の薄膜をスパッタリングによって形成した場合も、原子
配列が極めて乱れた状態になる。そこで、このような場
合には、まず、高いパワー密度のレーザ光を記録トラッ
ク上に照射して加熱し、高融点成分を析出させるととも
に、場合によっては薄膜を選択的に融解させるのがよ
い。その後、前記記録トラック上に低いパワー密度のレ
ーザ光を照射して前記薄膜を結晶化させる。こうする
と、トラック全周にわたって反射率が均一になりやすい
利点がある。
【0153】レーザ光などのエネルギービームを照射す
る前には、情報記録用薄膜中に高融点成分が存在しない
場合もあるが、以上のような結晶化処理により、その薄
膜中に高融点成分を析出あるいは成長させることができ
る。析出あるいは成長した高融点成分は、前述したよう
に、薄膜中にほぼ独立して粒状または柱状に分布し、あ
るいは、高融点成分が連続して多孔質状に分布する。前
者の場合は、当該薄膜の残成分(通常は相変化成分)の
中に高融点成分が分布する。後者の場合は、高融点成分
の析出物の多数の孔の中に残成分が埋め込まれる。
【0154】この第1の製造方法では、高融点成分は情
報記録用薄膜の両側の界面からその内部に向かって成長
しやすい。
【0155】結晶化するパワーレベルと非晶質に近い状
態にするパワーレベルとの間でパワー変調したレーザ光
で情報を記録(オーバーライト)することは、薄膜の結
晶化後の状態の如何に関わらず可能である。
【0156】この発明の第1〜第6の情報記録用薄膜で
は、必ずしも非晶質状態と結晶状態の間の変化を記録に
利用する必要はなく、膜の形状変化をほとんど伴わない
何らかの原子配列変化によって、光学的性質の変化を起
こさせれば足りる。前記高融点成分の析出物により、薄
膜の流動・偏析が確実に防止される。
【0157】例えば、結晶粒径や結晶形の変化、結晶と
準安定状態(π,γなど)との間の変化などでもよい。
非晶質状態と結晶状態の変化でもよいし、完全な非晶質
や結晶状態でなく両状態の部分が混在し、それらの比率
が変化するだけでもよい。
【0158】また、記録用薄膜と、保護層および中間層
のうちの少なくとも一つとの間で、これらの層を構成す
る原子のうちの一部が拡散、化学反応などにより移動す
ることにより、情報が記録されるものでもよいし、原子
の移動と相変化の両方により情報が記録されるものでも
よい。
【0159】この発明の第1の情報記録媒体は、前記第
1〜第6のいずれかの情報記録用薄膜を記録層として備
えていることを特徴とする。
【0160】前記情報記録用薄膜の少なくとも一方の界
面は、前記保護層に密着しているのが好ましい。保護層
により、情報書き換え時の薄膜の変形に起因するノイズ
増加を防止することができる。
【0161】この発明の第2の情報記録媒体は、前記第
1および第6の情報記録用薄膜のいずれかを、超解像読
出し用のマスク層として備えていることを特徴とする。
【0162】
【作用】この発明の第1〜第4の情報記録用薄膜および
それを用いた情報記録媒体では、SbおよびTeに前記
BまたはXに表される元素が添加されているので、レー
ザ光などの記録・再生光の照射によって融解しない高融
点成分の析出物が内部に生成される。このため、高融点
成分以外の残成分が前記光によって融解しても、その流
動および偏析が効果的に防止され、その結果、多数回書
き換えした際の流動および偏析が効果的に防止される。
また、析出した高融点成分が情報記録用薄膜の膜厚の厚
さまで大きい場合は上記薄膜が接している保護層や中間
層の熱膨張による変形を押さえ、保護層と中間層の間隔
を保つため、上記薄膜の流動防止効果がより高くなる。
このため、搬送波対雑音比(C/N)が安定し、記録・
再生特性を良好に保ちながら従来より多数回の書き換え
あるいは読み出しが可能となる。
【0163】Sb、Teおよび前記BまたはXで表わさ
れる元素にさらに前記Aで表わされる元素が共存する
と、非晶質状態が安定に保持され、しかも記録・消去時
の結晶化が高速で行なわれるようになる。また、結晶化
速度が最適に制御され、搬送波対雑音比と消去比とが向
上する。
【0164】この発明の第5および第6の情報記録用薄
膜およびそれを用いた情報記録媒体では、レーザ光など
の記録・再生光が照射されても、内部に含まれている高
融点成分の析出物は融解しない。このため、高融点成分
以外の残成分が前記光によって融解しても、その流動お
よび偏析が効果的に防止される。その結果、記録・再生
特性を良好に保ちながら従来より多数回の書き換えある
いは読み出しが可能となる。
【0165】この発明の第1の情報記録媒体では、前記
第1〜第6の情報記録用薄膜を備えているので、記録・
再生特性を良好に保ちながら従来より多数回の書き換え
あるいは読み出しが可能となる。
【0166】この発明の第2の情報記録媒体では、前記
第1〜第6の情報記録用薄膜のいずれかよりなるマスク
層に光スポットが照射されると、光スポット内の高温部
では、前記高融点成分以外の残成分が少なくとも融解す
る。高温部の屈折率の実数部または虚数部(消衰係数)
は、光スポット外の低温部のそれよりも小さくなるた
め、前記マスク層により、光スポット径の領域の一部が
部分的にマスクされ、あたかも光スポット径が減少した
ようになる。その結果、光スポット径よりも小さい記録
マークを読み出すことができる、すなわち超解像読出し
が可能となる。
【0167】この発明の第3の情報記録媒体では、前記
第1〜第6の情報記録用薄膜のいずれかよりなる反射層
に光スポットが照射されると、光スポットの径内の高温
部の屈折率の実数部または消衰係数が光スポット外の低
温部のそれよりも小さくなる。このため、当該反射層の
高温部に照射された光の反射光には、記録マークの読み
取りに十分なコントラストが与えられなくなる。その結
果、あたかも光スポット径が減少したようになるため、
光スポット径より小さいピッチで形成された記録マーク
を読み出すことができる、すなわち超解像読出しが可能
となる。
【0168】また、相変化成分より相対的に融点が高い
高融点成分が析出しているため、超解像読み出し時に、
レーザ照射によって超解像読み出し膜が融解した際の流
動及び偏析が効果的に防止される。このため、良好な超
解像読み出し特性を保ちながら従来より多数回の超解像
読み出しを行うことが可能となる。
【0169】超解像読み出し用薄膜の平均組成を前記一
般式(8)で表されるものとするとき、式中のAで表さ
れる元素は低温で融解するため、超解像読み出しが低温
で可能となり、相変化光ディスクをはじめとする位相ピ
ットで情報を記録した光ディスク以外の光ディスクでも
超解像読み出しを行うことができる。これに前記Bで表
される元素が共存すると、前記DとEの化合物またはE
の元素またはEの元素同士の化合物が高融点成分とな
り、超解像読み出し膜が融解した際の流動及び偏析を防
止する効果をもつ。(12)式中のFとして例えばTl
を共存させると、C/Nを大きくさせることができる。
【0170】本発明の超解像読み出し用装置では、超解
像読み出し時にのみレーザパワーを大きくするため、超
解像読み出し膜の劣化を防ぎ、多数回の超解像読み出し
が可能となる。また、超解像読み出し時のレーザの周期
T、線速v、スポット径(λ/NA)、パルス幅xが前
記(9)及び(10)の関係を満たすことにより、超解
像読み出し時のマスク領域の大きさを適当に保ち、超解
像読み出し特性をよくすることができる。この装置は、
本発明以外の媒体に用いても、超解像読み出しレーザパ
ワー一定の場合より良好な結果が得られる。
【0171】
【実施例】以下、この発明を実施例によって詳細に説明
する。
【0172】〔実施例1〕 (構成・製法)図3は、この発明の第1実施例の情報記
録用薄膜を用いたディスク状情報記録媒体の断面構造を
示す。この媒体は次のようにして製作された。
【0173】まず、直径13cm,厚さ1.2mmで表
面に断面U字形のトラッキング溝を有するポリカーボネ
ート基板1を形成した。次に、この基板1上に薄膜を順
次、形成するため、基板1をマグネトロン・スパッタリ
ング装置内に置いた。この装置は複数のターゲットを持
ち、積層膜を順次、形成することができるものである。
また、形成される膜の厚さの均一性および再現性に優れ
ている。
【0174】マグネトロン・スパッタリング装置によ
り、基板1上にまず(ZnS)80(SiO220膜より
なる保護層2を膜厚約125nmとなるように形成し
た。続いて、保護層2上に、高融点成分であるCr4
5膜(図示せず)を島状に平均膜厚3nmまで形成し
た後、その上にSb16Te55Ge16Cr13、すなわち
((Ge2Sb2Te57(Cr4Te53)の組成の記
録膜3を膜厚約30nmまで形成した。この際、Cr4
Te5ターゲットとGe2Sb2Te5ターゲットとによる
回転同時スパッタ法を用いた。島状Cr4Te5膜のサイ
ズは2〜20nm程度、島のピッチは(サイズ)×
(1.5〜10)が望ましい。
【0175】Cr4Te5膜は必ずしも形成する必要はな
い。その場合、記録膜3中に析出する高融点成分は、後
述する初期結晶化の際に生じるもののみとなる。
【0176】次に、記録膜3上に、(ZnS)80(Si
220膜よりなる中間層4を約25nmの膜厚まで形
成した後、その上に同じスパッタリング装置内でAl97
Ti3膜よりなる反射層5を膜厚80nmまで形成し
た。こうして、第1のディスク部材を得た。
【0177】他方、まったく同様の方法により、第1の
ディスク部材と同じ構成を持つ第2のディスク部材を得
た。第2のディスク部材は、直径13cm,厚さ1.2
mmの基板1’上に順に積層された、膜厚約125nm
の(ZnS)80(SiO220膜よりなる保護層2’、
平均膜厚3nmのCr4Te5膜(図示せず)、膜厚約3
0nmのSb16Te55Ge16Cr13、すなわち((Ge
2Sb2Te57(Cr4Te53)の記録膜3’、膜厚
約25nmの(ZnS)80(SiO220膜よりなる中
間層4’、および膜厚80nmのAl97Ti3膜よりな
る反射層5’を備えている。
【0178】その後、塩化ビニル−酢酸ビニル系ホット
メルト接着剤層6を介して、前記第1および第2のディ
スク部材の反射層5,5’同士を貼り合わせ、図3に示
すディスク状情報記録媒体を得た。
【0179】この媒体では、反射層5,5’の全面を接
着すると、全面を接着しない場合に比べて書き換え可能
回数を多くすることができ、また、反射層5,5’の記
録領域に対応する箇所に接着剤を付けない場合、その箇
所にも接着剤を付けた場合よりも少し記録感度が高くな
った。
【0180】(初期結晶化)前記のようにして製作した
媒体の記録膜3、3’に、次のようにして初期結晶化を
行なった。なお、記録膜3’についてもまったく同様で
あるから、以下の説明では記録膜3についてのみ述べる
こととする。
【0181】媒体を1800rpmで回転させ、半導体
レーザ(波長830nm)のレーザ光パワーを記録が行
なわれないレベル(約1mW)に保ち、そのレーザ光を
記録ヘッド中の開口数(NA)がO.55のレンズで集
光し、基板1を通して記録膜3に照射した。記録膜3か
らの反射光を検出して、基板1のトラッキング溝の中心
にレーザ光スポットの中心が常に一致するようにトラッ
キングを行なうと共に、記録膜3上にレーザ光の焦点が
来るように、自動焦点合わせを行ないながら記録ヘッド
を駆動した。
【0182】まず、初期結晶化のため、記録膜5の同一
記録トラック上に、パワー12mW,13mW,14m
Wの連続レーザ光をそれぞれ500回照射した。最後
に、パワー15mWの連続(DC)レーザ光を1000
回照射した。各回の照射時間(光スポット通過時間)
は、約0.1μsecである。
【0183】続いて、パワー8mWの連続レーザ光を5
00回照射した。各回の照射時間(光スポット通過時
間)は、約0.1μsecである。この時のレーザ光パ
ワーは5〜9mWの範囲であればよい。
【0184】前記2種類のレーザ光照射のうち、パワー
の低い方(8mW)の照射は省略してもよい。
【0185】このように、パワーの異なるレーザ光を照
射すると、初期結晶化を充分に行なうことができる。
【0186】これらのレーザ光照射は、半導体レーザ・
アレイを用いて行なうか、ガスレーザからの光ビームを
複数に分割したもの、あるいは高出力ガスレーザや半導
体レーザからの光ビームのスポット形状を媒体の半径方
向に長い長円形にしたものを用いて行なえば、さらに好
ましい。こうすると、媒体を少数回転させるだけで初期
結晶化を完了することも可能となる。
【0187】複数のレーザ光スポットを用いる場合、そ
れらレーザ光スポットを同一の記録トラック上に配置せ
ず、媒体の半径方向に位置を少しずつズラして配置すれ
ば、1回の照射で広い範囲を初期化することができる、
消え残りが少なくなる、などの効果が得られる。
【0188】次に、円形スポットの12mWの連続レー
ザ光(記録の高パワー光)を1回照射する(照射時間:
約0.1μsec)毎に、パワー18mWのパルス・レ
ーザ光(記録用の高パワー光)を照射し、記録膜5を非
晶質化して記録点を形成した。その後、その記録点を8
mWの連続レーザ光(初期結晶化用の低パワー光)を照
射して結晶化させるために、8mWの連続レーザ光を何
回照射することが必要かを調査した。
【0189】その結果、12mWの連続レーザ光の照射
回数が5回までは、照射回数が増加するほど、結晶化に
要する前記8mWの連続レーザ光照射の回数は低下し
た。すなわち、照射回数が増加するほど結晶化しやすい
ことが分かった。これは、12mWの連続レーザ光の照
射により、記録膜5中に高融点成分であるCr4Te5
微細な結晶が多数析出し、その残部(相変化する部分)
の組成が高速結晶化可能なGe2Sb2Te5の組成に近
づいたためと推察される。
【0190】なお、Cr4Te5の融点は1252゜Cで
あり、Ge2Sb2Te5の融点は630゜Cである。
【0191】(記録・消去)次に、以上のようにして初
期結晶化が完了した記録膜3の記録領域に、前記と同様
にしてトラッキングと自動焦点合わせを行ないながら、
記録用レーザ光のパワーを記録すべき情報信号に従って
中間パワーレベル(8mW)と高パワーレベル(18m
W)との間で変化させて情報の記録を行なった。記録す
べき部分を通り過ぎると、レーザ光パワーを再生(読出
し)用レーザ光の低パワーレベル(1mW)に下げるよ
うにした。記録用レーザ光により記録領域に形成される
非晶質またはそれに近い部分が、記録点となる。
【0192】記録用レーザ光の高レベルと中間レベルと
のパワー比は1:0.3〜1:0.8の範囲が特に好ま
しい。また、この他に、短時間ずつ他のパワーレベルに
してもよい。
【0193】このような記録方法では、既に情報が記録
されている部分に対して直接、新たな情報を記録すれ
ば、新たな情報に書き換えられる。すなわち、単一の円
形光スポットによるオーバーライトが可能である。
【0194】しかし、書き換え時の最初の1回転または
複数回転で、前記のパワー変調した記録用レーザ光の中
間パワーレベル(8mW)に近いパワー(例えば9m
W)の連続光を照射して、記録されている情報をいった
ん消去し、その後、次の1回転で再生(読出し)用レー
ザ光の低パワーレベル(1mW)と記録用レーザ光の高
パワーレベル(18mW)の間で、または、記録用レー
ザ光の中間パワーレベル(8mW)と高パワーレベル
(18mW)の間で、情報信号に従ってパワー変調した
レーザ光を照射して記録するようにしてもよい。このよ
うに、情報を消去してから記録するようにすれば、前に
書かれていた情報の消え残りが少なく、高い搬送波対雑
音比(C/N)が得られる。
【0195】このようにして消去後に再書込みする場合
は、最初に照射する連続レーザ光のパワーレベルは、前
記記録用レーザ光の高レベル(18mW)を1としたと
き、0.4〜1.1の範囲に設定するのが好ましい。こ
の範囲であれば、良好な書き換えが行なえるからであ
る。
【0196】この方法は、この発明の記録膜ばかりでな
く他の記録膜にも有効である。
【0197】この実施例の情報記録媒体では、レーザ光
のパワーを最適値より15%高くした厳しい条件で、記
録・消去を105回以上繰り返すことが可能であった。
また、2MHzの信号を記録した時の再生信号のC/N
は、約50dBであり、極めて良好であった。
【0198】この実施例の記録膜3で、書き換え可能回
数を105回以上にすることができるのは、記録膜3中
に析出した高融点成分により、記録膜3の残成分(相変
化部分)の流動・偏析が防止されるためと解される。
【0199】なお、記録膜3の上に形成されたZnS−
SiO2の中間層4とAl−Tiの反射層5とを省略し
た場合、前記よりも1桁少ない回数の記録・消去で多少
の雑音増加が起こった。
【0200】(Te含有量yとの関係)前記の(Ge2
Sb2Te57(Cr4Te53よりなる記録膜3におい
て、他の元素の相対的比率を一定に保ちながらTe含有
量yを変化させ、記録されている情報の消去に必要なレ
ーザ光の照射時間と、レーザ光パワーを最適値より15
%高くした厳しい条件で105回書き換えた後の再生信
号の搬送波対雑音比(C/N)の変化を測定した。その
結果、次のようなデータが得られた。
【0201】 この結果より、Te含有量yが25≦y≦75の範囲に
おいて、105回という多数回の書き換えによる特性変
化が少ないことが分かる。
【0202】(Cr以外の元素の組成との関係)図6の
三角相図のGe65Te25Cr10とSb30Te60Cr10
結ぶCr含有量を一定とした直線上で組成を変化さ
せ、一定速度で昇温した場合の未記録部分の結晶化温度
と、80゜C,相対湿度95%中に1000時間置いた
時のビット・エラーレートの変化を測定した。その結
果、次のようなデータが得られた。
【0203】 結晶化温度 Sb30Te60Cr10 120゜C Sb28Te58Ge4Cr10 150゜C Sb25Te55Ge10Cr10 160゜C Sb22Te51Ge17Cr10 170゜C Sb12Te38Ge40Cr10 190゜C Sb2Te28Ge60Cr10 220゜C ビット・エラーレートの変化 Sb30Te60Cr10 2倍 Sb28Te58Ge4Cr10 2倍 Sb25Te55Ge10Cr10 2倍 Sb22Te51Ge17Cr10 2.5倍 Sb12Te38Ge40Cr10 4倍 Sb2Te23Ge60Cr10 5倍 この結果より、Cr以外の組成が変化しても、十分高い
結晶化温度が得られ、高温多湿下においてもビット・エ
ラーレートの変化があまり大きくないことが分かる。
【0204】図6の三角相図のSb45Te45Cr10とG
18Te72Cr10を結ぶCr含有量を一定とした直線
上で組成を変化させ、一定速度で昇温した場合の結晶化
温度と、80゜C,相対湿度95%中に1000時間置
いた時のビット・エラーレートの変化を測定した。その
結果、次のようなデータが得られた。
【0205】 結晶化温度 Sb2Te71Ge17Cr10 210゜C Sb4Te69Ge17Cr10 200゜C Sb8Te67Ge15Cr10 190゜C Sb23Te58Ge9Cr10 170゜C Sb30Te54Ge6Cr10 150゜C Sb38Te49Ge3Cr10 130゜C Sb41Te47Ge2Cr10 110゜C ビット・エラーレートの変化 Sb2Te71Ge17Cr10 5倍 Sb4Te69Ge17Cr10 3倍 Sb8Te67Ge15Cr10 2倍 Sb23Te58Ge9Cr10 1.5倍 Sb30Te54Ge6Cr10 1.5倍 Sb38Te49Ge3Cr10 1倍 Sb41Te47Ge2Cr10 1倍 この結果より、Cr以外の組成が変化しても、十分高い
結晶化温度が得られ、高温多湿下においてもビット・エ
ラーレートの変化があまり大きくないことが分かる。
【0206】Geの含有量pとSbの含有量xの比(p
/x)を変化させ、温度80゜C,相対湿度95%中に
1000時間置いた時のビット・エラーレートの変化を
測定したところ、次の結果が得られた。
【0207】 この結果より、Geの含有量pとSbの含有量xの比
(p/x)が、0.25≦(p/x)≦1.0の範囲で
あれば、ビット・エラーレートの変化が特に小さいこと
が分かる。
【0208】Cr4Te5の残部であるSb対Te対Ge
の含有量x,y,pの比を、x:y:p=2:5:2に
保ってCr4Te5の含有量を変化させたとき、レーザ光
のパワーを最適値より15%高くした厳しい条件で10
5回書き換えた後の再生信号のC/Nを測定したとこ
ろ、Crの含有量qに関して次のような結果が得られ
た。
【0209】 105回書換後の再生信号C/N q=0 42dB q=3 46dB q=4 48dB q=10 50dB q=20 50dB q=34 48dB Crの含有量qを変化させると、レーザ光のパワーを最
適値より15%高くした厳しい条件で105回書き換え
た後の再生信号の「消去比」は、次のように変化した。
【0210】ここで「消去比」とは、すでに記録された
信号の上に周波数の異なる別の信号を重ね書きしたとき
の、重ね書き前後の信号の比をdBで表したものであ
る。
【0211】 この結果より、Crの含有量qが増加するにつれて、消
去比が低下することが分かる。
【0212】前記のCrを10%添加した系で、Teの
含有量yを一定に保ってSbの含有量xを変化させた
時、レーザ光のパワーを最適値より15%高くした厳し
い条件で105回書き換えた後の再生信号のC/Nは、
次のように変化した。
【0213】 105回書換後の再生信号のC/N x=38 48dB x=30 50dB x=15 50dB x=8 50dB x=4 48dB x=2 46dB x=0 45dB この結果より、Sbの含有量xが2%以上の範囲では、
良好な再生信号のC/Nが得られることが分かる。
【0214】以上より、この実施例のSb16Te55Ge
16Cr13、すなわち(Ge2Sb2Te57(Cr4
53の記録膜3は、温度80゜C,相対湿度95%中
に1000時間置いた時のビット・エラーレートの変化
は2倍以下、レーザ光のパワーを最適値より15%高く
した厳しい条件で105回書き換えた後の再生信号のC
/Nおよび消去比は、それぞれ50dB以上および28
dB以上であり、2×105回以上の書き換えが可能
で、極めて優れた特性を持つことが分かった。
【0215】(添加元素の他の例1)Crの一部または
全部に代えて、Ag,Cu,Ba,Co,La,Ni,
Pt,SiおよびSrおよびランタノイド元素のうちの
少なくとも一つを添加しても、上記の場合とよく似た特
性が得られる。例えば、Cuを添加した場合(Cuの添
加量:q)、下記のようなデータが得られた。
【0216】 この結果より、Cuを添加すると、書き換え可能回数が
顕著に増加することが分かる。
【0217】(添加元素の他の例2)Crに加えて、消
去を高速化してC/Nを大きくする効果を持つTl(タ
リウム)を添加するのが好ましい。この場合、Crのみ
を添加した場合よりもC/Nがさらに大きくなり、また
書換可能回数も大きくなるので、より好ましい。ただ
し、CrとTlの添加量の和を30原子%以下とする方
が、消え残りが大きくならず、好ましい。CrとTlの
添加量の和が0.5%以上、20原子%以下であれば、
さらに好ましい。
【0218】例えば、Ge8.2Sb16.4Te64.4Tl0.5
Cr10.5記録膜では、C/N 50dB、書換可能回数
2×105回が得られた。
【0219】Tlの一部または全部に代えて、ハロゲン
元素の少なくとも一つを添加してもよく似た特性が得ら
れる。
【0220】Tlに代えてN(窒素)を添加した場合、
書き換え可能回数がさらに向上する。ただし、多すぎる
と再生信号レベルが低下する。
【0221】(添加元素の他の例3)この他に、Tl
(タリウム)をSeに置換し、他の元素の相対的比率を
一定に保ちながらSeを1原子%以上、10原子%以下
だけ添加すると、耐酸化性向上の効果がある。
【0222】(相変化成分の他の例)この実施例の相変
化成分であるGe2Sb2Te5の一部をGeSb2
4,GeSb4Te7,In3SbTe2,In35Sb32
Te33,In31Sb26Te43、およびこれらに近い組成
のうちの少なくとも一つで置き換えても、Geの一部を
Inに置き換えても、これに近い特性が得られる。
【0223】(高融点成分の他の例)析出する高融点成
分は、化合物でもよいし、元素単体や合金でもよい。こ
の実施例の高融点成分であるCr4Te5の一部または全
部をLaTe2,La2Te3,La3Te4,LaTe,
La2Te5,La4Te7,LaTe3,La3Te,La
2Sb,La3Sb2,LaSb,LaSb2,La3
e,La5Ge3,La4Ge3,La5Ge4,LaGe,
La3Ge5,Ag2Te,Cr5Te8,Cr2Te3,C
rSb,Cr3Ge,Cr5Ge3,Cr11Ge8,CrG
e,Cr11Ge19,PtTe2,Pt4Te5,Pt5Te
4,Pt4Sb,Pt3Sb2,PtSb,Pt3Ge,P
2Ge,Pt3Ge2,PtGe,Pt2Ge3,PtG
3,NiTe,NiTe085,NiSb,Ni3
e,Ni5Ge2,Ni5Ge3,NiGe、CoTe2
CoSb2,CoSb3,Co5Ge2,Co5Ge3,Co
Ge,Co5Ge7,CoGe2,Si2Te3,SiS
b,SiGe,CeTe,Ce3Te4,Ce2Te3,C
4Te7,CeTe2,CeTe3,Ce2Sb,Ce5
3,Ce4Sb5,CeSb,CeSb2,Ce3Ge,
Ce5Ge3,Ce4Ge3,Ce5Ge4,CeGe,Ce
3Ge5,Ce5Si3,Ce3Si2,Ce5Si4,CeS
i,Ce3Si5,CeSi2,Cr3Si,Cr5Si3
CrSi,CrSi3,CrSi2,Co3Si,CoS
i,CoSi2,NiSi2,NiSi,Ni3Si2,N
2Si,Ni5Si2,Ni3Si,Pt5Si2,Pt2
Si,PtSi,LaSi2,Ag3In,Ag2In,
Bi2Ce,BiCe,Bi3Ce4,Bi3Ce5,Bi
Ce2,Cd11Ce,Cd6Ce,Cd58Ce13,Cd3
Ce,Cd2Ce,CdCe,Ce3In,Ce2In,
Ce1+xIn,Ce3In5,CeIn2,CeIn3,C
2Pb,CePb,CePb3,Ce3Sn,Ce5Sn
3,Ce5Sn4,Ce11Sn10,Ce3Sn5,Ce3Sn
7,Ce2Sn5,CeSn3,CeZn,CeZn2,C
eZn3,Ce3Zn11,Ce13Zn58,CeZn5,C
3Zn22,Ce2Zn17,CeZn11,Cd21Co5
CoGa,CoGa3,CoSn,Cr3Ga,CrG
a,Cr5Ga6,CrGa4,Cu9Ga4,Cu3Sn,
Cu3Zn,Bi2La,BiLa,Bi3La4,Bi3
La5,BiLa2,Cd11La,Cd17La2,Cd9
2,Cd2La,CdLa,Ga6La,Ga2La,G
aLa,Ga3La5,GaLa3,In3La,In2
a,In5La3,InxLa,InLa,InLa2,I
nLa3,La5Pb3,La4Pb3,La11Pb10,L
3Pb4,La5Pb4,LaPb2,LaPb3,LaZ
n,LaZn2,LaZn4,LaZn5,La3Zn22
La2Zn17,LaZn11,LaZn13,NiBi,G
3Ni2,GaNi,Ga2Ni3,Ga3Ni5,GaN
3,Ni3Sn,Ni3Sn2,Ni3Sn4,NiZn,
Ni5Zn21,PtBi,PtBi2,PtBi3,Pt
Cd2,Pt2Cd9,Ga7Pt3,Ga2Pt,Ga3
2,GaPt,Ga3Pt5,GaPt2,GaPt3
In7Pt3,In2Pt,In3Pt2,InPt,In5
Pt6,In2Pt3,InPt2,InPt3,Pt3
b,PtPb,Pt2Pb3,Pt3Sn,PtSn,P
2Sn3,PtSn2,PtSn4,Pt3Zn,PtZ
2,AlS,Al23,BaS,BaC2,CdS,C
43,Co98,CoS,CoO,Co24,Co2
3,Cr23,Cr34,CrO,CrS,CrN,
Cr2N,Cr2363,Cr73,Cr32,Cu2S,
Cu95,CuO,Cu2O,In45,In34,L
23,La23,Mo2C,MoC,Mn236,Mn
4C,Mn73,NiO,SiS2,SiO2,Si
34,上記高融点成分の構成元素の酸化物のうち高融点
のもの、Cu2Te,CuTe,Cu3Sb,Mn2Sb,
MnTe,MnTe2,Mn5Ge3,Mn3.25Ge,M
5Ge,Mn3Ge2,Ge3W,Te2W,AlSb,
Al2Te3,Fe2Ge,FeGe2,FeSb2,Mo3
Sb7,Mo3Te4,MoTe2,PbTe,GePd2
Ge2Pd5,Ge9Pd25,GePd5,Pd3Sb,Pd
5Sb3,PdSb,SnTe,Ti5Ge3,Ge
3117,Ge811,Ge35,GeV3,V5Te4,V
3Te4,ZnTe,Ag2Se,Cu2Se,Al2
3,InAs,CoSe,Mn3In,Ni3In,N
iIn,Ni2In3,Ni3In7,PbSe,などのB
群の元素を含む高融点化合物,またはそれに近い組成の
もの、あるいはこれらの混合組成や混合組成に近い3元
以上の化合物のうちの少なくとも一つで置き換えても、
同様な結果が得られる。
【0224】これらのうちで、LaSb,CrSb,C
oSb,Cr3Te4,LaTe3,Cr4Te5,Cr2
3,Cr3Te4,CoTe,Co3Te4,Cu2Te,
CuTe,Cu3Sb,MnTe,MnTe2,Mn2
bのうちの少なくとも一つが特に好ましい。少ない回数
の初期結晶化で記録・消去特性が安定するためである。
【0225】(高融点成分の含有物の量)高融点成分の
析出物に含まれる酸化物、硫化物、窒化物、炭化物の含
有量は、高融点成分の40原子%未満とするのが好まし
く、10原子%未満とするのが特に好ましい。これらの
含有量が多いと、相変化成分との複素屈折率の差を小さ
くできなかったり、相変化成分中に酸素等が拡散して記
録・読み出し特性を劣化させたりする問題を生じやす
い。
【0226】高融点成分の例として述べた前記の多数の
化合物では、遷移金属元素の含有量v’が異なると、記
録膜3の界面反射率は次のように変化した。
【0227】 この結果より、遷移金属元素の含有量v’が増加する
と、界面反射率が増加することが分かる。
【0228】(記録用薄膜中の高融点化合物の含有量)
記録用薄膜中に含まれる高融点化合物の含有量a’を、
その高融点化合物の構成元素の原子数の和の高融点成分
の全構成元素の原子数の和に対する割合(原子%)で表
わし、その含有量a’を変化させた場合、書き換え可能
回数と、レーザパワーを15%高くした厳しい条件で1
5回書き換えた後の消去比は、次のように変化した。
このC/Nの変化は、主としてCレベルの変化によるも
のである。
【0229】 書き換え可能回数 a’= 5原子% 4×104回 a’=10原子% 1×105回 a’=20原子% 1.5×105回 a’=30原子% 2×105回 105回書き換え後の消去比 a’=30原子% 30dB a’=40原子% 30dB a’=50原子% 25dB a’=60原子% 23dB この結果より、記録用薄膜中に含まれる高融点化合物の
含有量a’が増加すると、書き換え可能回数は増加する
が、増加し過ぎると、105回書き換え後の消去比が低
下することが分かった。よって、10原子%≦a’≦5
0原子%の範囲が好ましいことが分かった。
【0230】(高融点成分の複素屈折率)高融点成分の
複素屈折率の実数部n1と虚数部(消衰係数)k1は、相
変化成分の結晶化状態のそれらの値n2,k2との差 Δn=(|n1−n2|/n1)×100, Δk=(|k1−k2|/k1)×100 が異なる場合、レーザ光のパワーを最適値より15%高
くした厳しい条件で105回書き換えた後、再生信号の
C/Nは次のように変化した。このC/Nの変化は、主
としてNレベルの変化によるものである。
【0231】 105回書き換え後の再生信号のC/N Δk,Δn=10% 49dB Δk,Δn=20% 48dB Δk,Δn=30% 47dB Δk,Δn=40% 46dB Δk,Δn=50% 43dB この結果より、複素屈折率の実数部と虚数部(消衰係
数)の差Δn,Δkは小さい方が好ましいことが分かっ
た。
【0232】(高融点成分の析出物の構成・寸法)前述
したCr4Te5などの高融点成分は、図1(a)(b)
(c)に示すような形態で記録膜3の内部に析出する。
【0233】図1(a)では、多数の粒状の高融点成分
3bの析出物が独立した状態で記録膜3内に分布してい
る。記録膜3の高融点成分3b以外の部分、すなわち残
成分が相変化成分3aである。高融点成分3bの膜面方
向の長さと膜面に垂直な方向の長さとは、ほぼ同じであ
るか、異なっていてもそれら長さの差は小さい。ここで
は、高融点成分3bの析出物のあるものは、記録膜3の
いずれか一方の界面に接し、他のあるものはいずれの界
面にも接していない。
【0234】図3の媒体では、高融点成分3bはCr4
Te5、相変化成分3aはGe2Sb2Te5より成ってい
る。
【0235】図1(b)では、多数の高融点成分3bの
析出物が独立した状態で記録膜3内に分布している点
は、図1(a)の場合と同じである。しかし、高融点成
分3bが柱状に析出している点が異なっている。すなわ
ち、高融点成分3bの膜面方向の長さよりも、膜面に垂
直な方向の長さの方が大きく、膜面に垂直な断面では柱
状になっている。高融点成分3bの析出物のあるもの
は、記録膜3の一方の界面に接しており、他のあるもの
は、記録膜3の他方の界面に接している。ここでは、両
方の界面に接しているものは存在していない。
【0236】図1(c)では、多数の高融点成分3bの
析出物が互いに連結され、一体的になった状態で記録膜
3内に分布している。すなわち、高融点成分3bが多孔
質状に析出し、その高融点成分3bの多数の小孔の中に
相変化成分3aが埋め込まれた状態になっている。多孔
質状の高融点成分3bは、記録膜3の両方の界面に接し
ている。相変化成分3aは、互いに独立した状態で記録
膜3中に分布している。この状態は、図1(a)の場合
において、相変化成分3aと高融点成分3bとを置き換
えたものに相当する。
【0237】成膜条件や初期結晶化条件により、図1の
(a)〜(c)の状態のいずれかが出現するが、いずれ
の状態であっても、高融点成分3bにより、記録膜3を
加熱・溶融させた場合の相変化成分3aの流動および偏
析が防止され、その結果、書き換え可能回数が向上す
る。
【0238】この発明においては、高融点成分3bの析
出物の「最大外形寸法d’」、「高さhおよびh’」、
「中心間距離」、「最大孔寸法」および「最大壁厚さ」
をそれぞれ次のように定義するものとする。
【0239】図1の(a)および(b)のように、高融
点成分3bの析出物が独立して分布する場合、図2
(b)のように、記録膜3のいずれか一方の界面から記
録膜3の膜厚Tの(1/3)の距離だけ離れた位置で記
録膜3の膜面に平行な断面(以下、第1基準断面とい
う)を考え、その断面における各高融点成分3bの析出
物の長さを測定する。そして、任意の方向で測定した長
さの最大値を「最大外形寸法d’」とする。
【0240】「最大外形寸法d’」は、具体的には、図
2(a)のように、第1基準断面における形状が円形ま
たは円形に近い場合は、析出物の直径を意味し、楕円形
または楕円形に近い場合は、析出物の長径を意味し、多
角形の場合は、析出物の最長の対角線の長さを意味す
る。
【0241】「高さh」は、記録膜3の膜面に垂直な断
面(以下、第2基準断面という)を考え、その断面にお
いて、各高融点成分3bの析出物の記録膜3の膜面に垂
直な方向の長さを測定する。こうして得られた長さを高
融点成分3bの析出物の「高さh」とする。
【0242】この「高さh」は、図4(a)に示すよう
に、粒状の高融点成分3bの析出物が分布する場合と、
図4(b)に示すように、柱状の高融点成分3bの析出
物が記録膜3の両方の界面に接して分布する場合とに適
用される。
【0243】「高さh’」、「高さh’’」は、前記
「高さh」と同じ考え方であるが、図4(c)に示すよ
うに柱状の高融点成分3bの析出物が記録膜3の片方の
界面にのみ接して分布する場合、界面に接しない場合に
それぞれ適用される点のみが異なる。
【0244】「中心間距離i」は、図2(a)に示すよ
うに、前記第1基準断面における、隣接する2つの高融
点成分3bの析出物の中心間の距離の平均値を意味す
る。
【0245】「最大孔寸法p’’」は、図1(c)に示
すように、多孔質の高融点成分3bが析出する場合に適
用されるもので、前記第1基準断面における高融点成分
3bの析出物の各孔の大きさの最大値を意味する。
【0246】この「最大孔寸法p’’」は、具体的に
は、図5のように、第1基準断面における孔形状が円形
または円形に近い場合は、孔の直径を意味し、楕円形ま
たは楕円形に近い場合は、孔の長径を意味し、多角形の
場合は、孔の最長の対角線の長さを意味する。
【0247】「最大壁厚さw」は、「最大孔寸法
p’’」と同様に、多孔質の高融点成分3bが析出する
場合に適用されるもので、図5のように、前記第1基準
断面において、高融点成分3bの析出物の隣接する2つ
の孔の間の壁の厚さの最大値を意味する。
【0248】(高融点成分の析出物の寸法との関係)高
融点成分3bの析出物の「最大外形寸法d’」が異なる
場合、書き換え可能回数と、レーザ光のパワーを最適値
より15%高くした厳しい条件で105回書き換えた後
の再生信号のC/Nは、次のように変化した。このC/
Nの変化は、主としてNレベルの変化によるものであ
る。
【0249】 書き換え可能回数 d’=50nm 2×105回 d’=30nm 2×105回 d’=10nm 2×105回 d’= 5nm 1.5×105回 d’= 1nm 4×104回 105回書き換え後の再生信号のC/N d’=80nm 46dB d’=50nm 47dB d’=20nm 49dB d’=15nm 49dB d’= 5nm 50dB この結果より、5nm≦d’≦50nmの範囲が好まし
いことが分かった。
【0250】図4(b)のように、柱状の高融点成分3
bが記録膜3の両側の界面より析出した場合は、析出物
の「高さh」が異なると、書き換え可能回数は次のよう
に変化した。
【0251】 この結果より、10nm≦hの範囲が好ましいことが分
かった。
【0252】図4(c)のように、柱状の高融点成分3
bが記録膜3の片側の界面より析出した場合、析出物の
「高さh’」が異なると、書き換え可能回数は次のよう
に変化した。
【0253】 柱状の高融点成分3bが記録膜3の界面に接していない
場合、析出物の「高さh’’」が異なると、書き換え可
能回数は次のように変化した。
【0254】 この結果より、5nm≦h’、h’’の範囲が好ましい
ことが分かった。
【0255】「中心間距離i」が異なる場合、書き換え
可能回数と、レーザ光のパワーを最適値より15%高く
した厳しい条件で105回書き換えた後の再生信号のC
/Nは、次のように変化した。このC/Nの変化は、主
としてCレベルの変化によるものである。
【0256】 書き換え可能回数 i=120nm 8×104回 i= 90nm 1.5×105回 i= 70nm 1.8×105回 i= 60nm 2×105回 i= 40nm 2×105回 i= 15nm 2×105回 105回書き換え後の再生信号のC/N i=70nm 50dB i=40nm 50dB i=30nm 49dB i=20nm 46dB i=15nm 45dB i=10nm 44dB i= 5nm 40dB この結果より、20nm≦i≦90nmの範囲が好まし
いことが分かった。
【0257】図1(c)のように、高融点成分3bが膜
面方向につながって多孔質状として析出した場合、析出
物の「最大孔寸法p’’」が異なると、書き換え可能回
数は次のように変化した。
【0258】 この結果より、p’’≦80nmの範囲が好ましいこと
が分かった。
【0259】多孔質の高融点成分3bの「最大壁厚さ
w」が異なると、レーザ光パワーを最適値より15%高
くした厳しい条件で105回書き換えた後の再生信号の
C/Nは、次のように変化した。このC/Nの変化は、
主としてCレベルの変化によるものである。
【0260】 105回書き換え後の再生信号のC/N w= 5nm 50dB w=15nm 49dB w=20nm 46dB w=35nm 40dB この結果より、w≦20nmの範囲が好ましいことが分
かった。
【0261】(高融点成分の融点との関係)記録膜3中
に析出する高融点成分3bの融点(m.p.)が異なる
と、書き換え可能回数が次のように変化することが、計
算機シュミレーションにより推測できた。
【0262】 この結果より、高融点成分3bの融点は780゜C以上
の範囲が好ましく、930゜C以上の範囲がより好まし
いことが分かった。
【0263】高融点成分3bが析出した後の残成分(相
変化成分3a)の融点と、高融点成分3bの融点との差
が異なると、書き換え可能回数が次のように変化するこ
とも、計算機シュミレーションにより推測できた。
【0264】 書き換え可能回数 m.p.の差=0゜C 7×104回 m.p.の差=150゜C 1.5×105回 m.p.の差=300゜C 2×105回 この結果より、融点の差は150゜C以上の範囲が好ま
しく、300゜C以上の範囲がより好ましいことが分か
った。
【0265】(高融点成分と相変化分の結晶化温度の差
との関係)毎分10゜Cの一定速度で昇温し、結晶化の
発熱の始まる温度を測定した。その結果より、高融点成
分3bと相変化を起こす低融点成分3aの結晶化温度の
差sを求めると、温度差sによって書き換え可能回数は
次のように変化した。
【0266】 この結果より、融点の差は10゜C以上の範囲が好まし
く、30゜C以上の範囲がより好ましいことが分かっ
た。
【0267】(成膜時に被着させる高融点成分との関
係)この実施例の情報記録用薄膜を製作する際に、初期
の工程で、高融点成分Cr4Te5を被着させているが、
その高融点成分Cr4Te5の平均膜厚c’を次のように
変えると、書き換え可能回数と、レーザ光のパワーを最
適値より15%高くした厳しい条件で105回書き換え
た後の再生信号のC/Nは、次のように変化した。この
C/Nの変化は、主としてCレベルの変化によるもので
ある。
【0268】 書き換え可能回数 c’= 0nm 5×104回 c’= 1nm 1×105回 c’= 5nm 2×105回 105回書き換え後の再生信号のC/N c’= 1nm 47dB c’= 5nm 47dB c’=10nm 46dB c’=20nm 40dB この結果より、1nm≦c’≦10nmの範囲が好まし
いことが分かった。
【0269】(その他)この実施例では、保護層2およ
び中間層4をZnS−SiO2により形成しているが、
ZnS−SiO2に代えて、Si−N系材料,Si−O
−N系材料,SiO2,SiO,TiO2,Al23,Y
23,CeO,La23,In23,GeO,Ge
2,PbO,SnO,SnO2,Bi23,TeO2
WO2,WO3,Sc23,ZrO2などの酸化物,Ta
N,AlN,Si34,Al−Si−N系材料(例えば
AlSiN2)などの窒化物、ZnS,Sb23,Cd
S,In23,Ga23,GeS,SnS2,PbS,
Bi23などの硫化物、SnSe2,Sb2Se3,Cd
Se,ZnSe,In2Se3,Ga2Se3,GeSe,
GeSe2,SnSe,PbSe,Bi2Se3などのセ
レン化物、CeF3,MgF2,CaF2などの弗化物、
あるいはSi,Ge,TiB2,B4C,B,C,また
は、上記の材料に近い組成のものを用いてもよい。ま
た、これらの混合材料の層やこれらの多重層でもよい。
【0270】中間層4を省略した場合には、記録感度が
約30%低下し、消え残りも約5dB増加した。書き換
え可能回数も減少した。
【0271】中間層4の屈折率が1.7以上、2.3以
下の範囲にある場合、膜厚が3nm以上、100nm以
下の範囲、および180nm以上、400nm以下の範
囲で、それぞれ50dB以上のC/Nが得られた。
【0272】この実施例で反射層5に用いたAl−Ti
の代わりに、Au,Ag,Cu,Al,Ni,Fe,C
o,Cr,Ti,Pd,Pt,W,Ta,Mo,Sbの
元素単体、またはこれらを主成分とする合金、あるいは
これら同志の合金よりなる層を用いてもよいし、それら
の層よりなる多重層を用いてもよいし、これらと酸化物
などの他の物質との複合層などを用いてもよい。
【0273】この実施例では、表面に直接、トラッキン
グガイドなどの凹凸を形成したポリカーボネート基板1
を用いているが、その代わりに、ポリオレフィン、エポ
キシ、アクリル樹脂、紫外線硬化樹脂層を表面に形成し
た化学強化ガラスなどを用いてもよい。
【0274】中間層4、反射層5および保護層2の一部
を省略した単純積層構造、例えば基板1/保護層2/記
録膜3、基板1/記録膜3/中間層4、基板1/記録膜
3/反射層5などの構成でも、従来のものに比べると、
多数回書き換えを行なってもノイズ上昇が少なく、良好
な結果が得られた。
【0275】以上述べたように、この実施例の情報記録
用薄膜は、記録・再生・消去特性を良好に保ちながら、
従来より1桁以上の多数回の書き換えが可能である。ま
た、記録・消去に用いるレーザ光のパワーが低くてよい
という利点もある。
【0276】〔実施例2〕実施例1のSb−Te−Ge
−Cr系の記録膜5において、GeをInで全部置換し
たものに相当するSb−Te−In−Cr系のCr12
35Sb12Te40、すなわち(Cr4Te52(In3
bTe27により記録膜5を形成した点以外は、実施例
1と同様にして、情報記録用薄膜を製作した。また、当
該薄膜の初期結晶化と、その後の情報の記録・再生方法
も実施例1と同様とした。
【0277】(Cr以外の元素の組成との関係)Cr含
有量を一定として、三角相図(図示せず)のIn65Te
25Cr10とSb30Te60Cr10を結ぶ直線上で他の組成
を変化させると、一定速度で昇温した場合の未記録部分
の結晶化温度と、80゜C,相対湿度95%中に100
0時間置いた時のビット・エラーレートの変化は、次の
ようになった。
【0278】 結晶化温度 Sb30Te60Cr10 120゜C Sb22Te51In17Cr10 140゜C Sb18Te47In25Cr10 150゜C Sb10Te35In45Cr10 170゜C Sb7Te33In50Cr10 180゜C Sb2Te8In60Cr10 220゜C ビット・エラーレートの変化 Sb22Te51In17Cr10 2倍 Sb18Te47In25Cr10 2倍 Sb10Te35In45Cr10 2倍 Sb7Te33In50Cr10 2.5倍 Sb2Te8In60Cr10 4倍 この結果より、Cr以外の組成が変化しても、十分高い
結晶化温度が得られ、105回という多数回の書き換え
によってもビット・エラーレートの変化があまり大きく
ないことが分かる。
【0279】Cr含有量を一定として、同じ三角相図の
Sb65Te25Cr10とIn47Te43Cr10を結ぶ直線上
で組成を変化させると、一定速度で昇温した場合の結晶
化温度と、80゜C,相対湿度95%中に1000時間
置いた時のビット・エラーレートの変化は、次のように
なった。
【0280】 結晶化温度 Sb2Te42In46Cr10 210゜C Sb4Te42In44Cr10 200゜C Sb8Te41In41Cr10 190゜C Sb15Te39In36Cr10 180゜C Sb30Te34In26Cr10 150゜C Sb38Te32In20Cr10 130゜C Sb41Te32In17Cr10 110゜C ビット・エラーレートの変化 Sb2Te42In46Cr10 5倍 Sb4Te42In44Cr10 3倍 Sb8Te41In41Cr10 2倍 Sb15Te39In36Cr10 1.5倍 Sb30Te34In26Cr10 1.5倍 Sb38Te32In20Cr10 1倍 Sb41Te32In17Cr10 1倍 この結果より、Cr以外の組成が変化しても、十分高い
結晶化温度が得られ、105回という多数回の書き換え
によってもビット・エラーレートの変化があまり大きく
ないことが分かる。
【0281】Inの含有量pとSbの含有量xの比(p
/x)を変化させると、80゜C,相対湿度95%中に
1000時間置いた時のビット・エラーレートの変化
は、次のようになった。
【0282】 ビット・エラーレートの変化 (p/x)=0.5 3.0倍 (p/x)=1.0 2.0倍 (p/x)=2.0 2.0倍 (p/x)=3.0 2.0倍 (p/x)=4.0 3.0倍 この結果より、Inの含有量pとSbの含有量xの比
(p/x)が、1.0≦(p/x)≦3.0の範囲であ
れば、ビット・エラーレートの変化が小さいことが分か
る。
【0283】CrをCuに代えたもの,すなわちIn−
Sb−Te−Cu系において、同様にInの含有量pと
Sbの含有量xの比(p/x)を変化させた場合も、同
様の結果が得られた。
【0284】(相変化成分の他の例)相変化成分である
In3SbTe2の一部をGe2Sb2Te5,GeSb4
7,GeSb2Te4,In35Sb32Te33,In31
26Te43のうちの少なくとも一つで置き換えても、I
nの一部をGeに置き換えても、近い特性が得られる。
【0285】(高融点成分の他の例)高融点成分である
Cr4Te5の一部をLaTe3,LaTe2,La2
3,La3Te4,LaTe,La2Te5,LaSb,
La4Te7,La3Te,La2Sb,La3Sb2,La
Sb2,La3Ge,La5Ge3,La4Ge3,La5
4,LaGe,La3Ge5,Ag2Te,Cr5Te8
Cr2Te3,CrSb,Cr3Ge,Cr5Ge3,Cr
11Ge8,CrGe,Cr11Ge19,PtTe2,Pt4
Te5,Pt5Te4,Pt4Sb,Pt3Sb2,PtS
b,Pt3Ge,Pt2Ge,Pt3Ge2,PtGe,P
2Ge3,PtGe3,NiTe,NiTe0.85,Ni
Sb,Ni3Ge,Ni5Ge2,Ni5Ge3,NiG
e、CoTe2,CoSb2,CoSb3,Co5Ge2
Co5Ge3,CoGe,Co5Ge7,CoGe2,Si2
Te3,SiSb,SiGe,CeTe,Ce3Te4
Ce2Te3,Ce4Te7,CeTe2,CeTe3,Ce
2Sb,Ce5Sb3,Ce4Sb5,CeSb,CeS
2,Ce3Ge,Ce5Ge3,Ce4Ge3,Ce5
4,CeGe,Ce3Ge5,Ce5Si3,Ce3
2,Ce5Si4,CeSi,Ce3Si5,CeSi2
Cr3Si,Cr5Si3,CrSi,CrSi3,CrS
2,Co3Si,CoSi,CoSi2,NiSi2,N
iSi,Ni3Si2,Ni2Si,Ni5Si2,Ni3
i,Pt5Si2,Pt2Si,PtSi,LaSi2,A
3In,Ag2In,Bi2Ce,BiCe,Bi3Ce
4,Bi3Ce5,BiCe2,Cd11Ce,Cd6Ce,
Cd58Ce13,Cd3Ce,Cd2Ce,CdCe,Ce
3In,Ce2In,Ce1+xIn,Ce3In5,CeI
2,CeIn3,Ce2Pb,CePb,CePb3,C
3Sn,Ce5Sn3,Ce5Sn4,Ce11Sn10,C
3Sn5,Ce3Sn7,Ce2Sn5,CeSn3,Ce
Zn,CeZn2,CeZn3,Ce3Zn11,Ce13
58,CeZn5,Ce3Zn22,Ce2Zn17,CeZ
11,Cd21Co5,CoGa,CoGa3,CoSn,
Cr3Ga,CrGa,Cr5Ga6,CrGa4,Cu9
Ga4,Cu3Sn,Cu3Zn,Bi2La,BiLa,
Bi3La4,Bi3La5,BiLa2,Cd11La,C
17La2,Cd9La2,Cd2La,CdLa,Ga6
La,Ga2La,GaLa,Ga3La5,GaLa3
In3La,In2La,In5La3,InxLa,In
La,InLa2,InLa3,La5Pb3,La4
3,La11Pb10,La3Pb4,La5Pb4,LaP
2,LaPb3,LaZn,LaZn2,LaZn4,L
aZn5,La3Zn22,La2Zn17,LaZn11,L
aZn13,NiBi,Ga3Ni2,GaNi,Ga2
3,Ga3Ni5,GaNi3,Ni3Sn,Ni3
2,Ni3Sn4,NiZn,Ni5Zn21,PtBi,
PtBi2,PtBi3,PtCd2,Pt2Cd9,Ga7
Pt3,Ga2Pt,Ga3Pt2,GaPt,Ga3
5,GaPt2,GaPt3,In7Pt3,In2Pt,
In3Pt2,InPt,In5Pt6,In2Pt3,In
Pt2,InPt3,Pt3Pb,PtPb,Pt2
3,Pt3Sn,PtSn,Pt2Sn3,PtSn2
PtSn4,Pt3Zn,PtZn2,AlS,Al
23,BaS,BaC2,CdS,Co43,Co
98,CoS,CoO,Co24,Co23,Cr
23,Cr34,CrO,CrS,CrN,Cr2N,
Cr2363,Cr73,Cr32,Cu2S,Cu
95,CuO,Cu2O,In45,In34,La2
3,La23,Mo2C,MoC,Mn236,Mn4C,
Mn73,NiO,SiS2,SiO2,Si34,Cu
2Te,CuTe,Cu3Sb,Mn2Sb,MnTe,M
nTe2,Mn5Ge3,Mn3.25Ge,Mn5Ge2,M
3Ge2,Ge3W,Te2W,AlSb,Al2Te3
Fe2Ge,FeGe2,FeSb2,Mo3Sb7,Mo3
Te4,MoTe2,PbTe,GePd2,Ge2Pd5
Ge9Pd25,GePd5,Pd3Sb,Pd5Sb3,Pd
Sb,SnTe,Ti5Ge3,Ge3117,Ge
811,Ge35,GeV3,V5Te4,V3Te4,Zn
Te,Ag2Se,Cu2Se,Al2Se3,InAs,
CoSe,Mn3In,Ni3In,NiIn,Ni2
3,Ni3In7,PbSe,上記高融点成分の構成元
素の酸化物のうち高融点のもの、などの高融点化合物、
またはそれに近い組成のもの、あるいはこれらの混合組
成や混合組成に近い3元以上の化合物のうちの少なくと
も一つで置き換えても、同様の結果が得られる。
【0286】これらのうちで、LaSb,La2Te3
La3Te4,CrSb,CoSb,Cr3Te4,Cr2
Te3,Cr3Te4,CoTe,Co3Te4,Cu2
e,CuTe,Cu3Sb,MnTe,MnTe2,Mn
2Sb,Cr4Te5のうちの少なくとも一つが特に好ま
しい。少ない回数の初期結晶化で記録・消去特性が安定
するからである。
【0287】この実施例においても、析出する高融点成
分3bは化合物でもよいし、元素単体や合金でもよい。
【0288】(高融点成分の含有物の量)実施例1と同
様に、高融点成分の析出物に含まれる酸化物、硫化物、
窒化物、炭化物の含有量は、高融点成分の40原子%未
満とするのが好ましく、10原子%未満とするのが特に
好ましい。これらの含有量が多いと、相変化成分との複
素屈折率の差を小さくできなかったり、相変化成分中に
酸素等が拡散して記録・再生特性を劣化させたりする問
題を生じやすい。
【0289】なお、ここで述べていない事項は、実施例
1と同様である。
【0290】〔実施例3〕実施例1のSb−Te−Ge
−Cr系の記録膜5において、前記一般式でBまたはX
で表される元素として、Crに代えてCoおよびSiを
含むSb16Te39Ge15Co22Si8すなわち(Co3
i)27(Ge2Sb2Te528により記録膜5を形成し
た点以外は、実施例1と同様にして、情報記録用薄膜を
製作した。また、当該薄膜の初期結晶化と、その後の情
報の記録・再生方法も実施例1と同様とした。
【0291】この実施例では、高融点成分はCo3
i、相変化成分はGe2Sb2Te5である。
【0292】Sb対Te対Geの含有量x,y,pの比
をx:y:p=2:5:2に保ってCo3Siの含有量
a(実施例1のaに対応)を変化させたとき、書き換え
可能回数と、レーザ光のパワーを最適値より15%高く
した厳しい条件で105回書き換えた後の再生信号のC
/Nの変化は、実施例1と同様であった。
【0293】(相変化成分の他の例)相変化成分である
Ge2Sb2Te5の一部または全部をGeSb4Te7
GeSb2Te4,In3SbTe2,In35Sb32
33,In31Sb26Te43のうちの少なくとも一つで置
き換えても、Geの一部または全部をInに置き換えて
も近い特性が得られる。
【0294】(高融点成分の他の例)高融点成分である
Co3Siの一部または全部をCe5Si3,Ce3
2,Ce5Si4,CeSi,Ce3Si5,CeSi2
Cr5Si3,CrSi,CrSi3,CrSi2,Cr3
Si,CoSi,CoSi2,NiSi2,NiSi,N
3Si2,Ni2Si,Ni5Si2,Ni3Si,Pt5
Si2,Pt2Si,PtSi,LaSi2,Bi2Ce,
BiCe,Bi3Ce4,Bi3Ce5,BiCe2,Cd
11Ce,Cd6Ce,Cd58Ce13,Cd3Ce,Cd2
Ce,CdCe,Ce2Pb,CePb,CePb3,C
3Sn,Ce5Sn3,Ce5Sn4,Ce11Sn10,C
3Sn5,Ce3Sn7,Ce2Sn5,CeSn3,Ce
Zn,CeZn2,CeZn3,Ce3Zn11,Ce13
58,CeZn5,Ce3Zn22,Ce2Zn17,CeZ
11,Cd21Co5,CoGa,CoGa3,CoSn,
Cr3Ga,CrGa,Cr5Ga6,CrGa4,Cu9
Ga4,Cu3Sn,Cu3Zn,Bi2La,BiLa,
Bi3La4,Bi3La5,BiLa2,Cd11La,C
17La2,Cd9La2,Cd2La,CdLa,Ga6
La,Ga2La,GaLa,Ga3La5,GaLa3
La5Pb3,La4Pb3,La11Pb10,La3Pb4
La5Pb4,LaPb2,LaPb3,LaZn,LaZ
2,LaZn4,LaZn5,La3Zn22,La2Zn
17,LaZn11,LaZn13,NiBi,Ga3Ni2
GaNi,Ga2Ni3,Ga3Ni5,GaNi3,Ni3
Sn,Ni3Sn2,Ni3Sn4,NiZn,Ni5Zn
21,PtBi,PtBi2,PtBi3,PtCd2,P
2Cd9,Ga7Pt3,Ga2Pt,Ga3Pt2,Ga
Pt,Ga3Pt5,GaPt2,GaPt3,Pt3
b,PtPb,Pt2Pb3,Pt3Sn,PtSn,P
2Sn3,PtSn2,PtSn4,Pt3Zn,PtZ
2 など、前記Bで表わされる元素を2以上含む高融点化合
物、またはそれに近い組成のもの、あるいはこれらの混
合組成や、混合組成に近い3元以上の化合物のうちの少
なくとも一つで置き換えても、同様な結果が得られる。
【0295】ここで述べていない事項については、実施
例1と同様である。
【0296】〔実施例4〕 (構成・製法)図3は、この発明の第1実施例の情報記
録用薄膜を用いたディスク状情報記録媒体の断面構造を
示す。この媒体は次のようにして製作された。
【0297】まず、直径13cm,厚さ1.2mmで表
面に断面U字形のトラッキング溝を有するポリカーボネ
ート基板1を形成した。次に、この基板1上に順次、薄
膜を形成するため、基板1をマグネトロン・スパッタリ
ング装置内に置いた。この装置は複数のターゲットを持
ち、積層膜を順次、形成することができるものである。
また、形成される膜厚の均一性および再現性に優れてい
る。
【0298】マグネトロン・スパッタリング装置によ
り、基板1上にまず(ZnS)80%・(SiO2)2
0%、すなわち(Zn4040Si713)膜よりなる保
護層2を膜厚約130nmとなるように形成した。続い
て、保護層2上に、高融点成分であるCr4Te5膜(図
示せず)を島状に平均膜厚3nmまで形成した後、その
上にCr9Ge7Sb27Te57、すなわち((GeSb4
Te78(Cr4Te52)の組成の記録膜3を膜厚約
22nmまで形成した。この際、Cr4Te5ターゲット
とGeSb4Te7ターゲットとによる回転同時スパッタ
法を用いた。
【0299】Cr4Te5膜は必ずしも形成する必要はな
い。しかし、その場合記録膜流動がやや起こりやすくな
る。Cr4Te5膜を形成しない場合、記録膜3中に析出
する高融点成分は、後述する初期化の際に生じるものの
みとなる。
【0300】次に、記録膜3上に、(ZnS)80(Si
220膜よりなる中間層4を約40nmの膜厚まで形
成した後、その上に同じスパッタリング装置内でAl97
Ti3膜よりなる反射層5を膜厚200nmまで形成し
た。こうして、第1のディスク部材を得た。
【0301】他方、まったく同様の方法により、第1の
ディスク部材と同じ構成を持つ第2のディスク部材を得
た。第2のディスク部材は、直径13cm,厚さ1.2
mmの基板1’上に順に積層された、膜厚約130nm
の(ZnS)80(SiO220膜よりなる保護層2’、
平均膜厚3nmのCr4Te5膜(図示せず)、膜厚約2
2nmのCr9Ge7Sb27Te57、すなわち((GeS
4Te78(Cr4Te52)の記録膜3’、膜厚約4
0nmの(ZnS)80(SiO220膜よりなる中間層
4’、および膜厚200nmのAl97Ti3膜よりなる
反射層5’を備えている。
【0302】その後、接着剤層6を介して、前記第1お
よび第2のディスク部材の反射層5,5’同士を貼り合
わせ、図3に示すディスク状情報記録媒体を得た。
【0303】この媒体では、反射層5,5’の全面を接
着すると、全面を接着しない場合に比べて書き換え可能
回数を多くすることができ、また、反射層5,5’の記
録領域に対応する箇所に接着剤を付けない場合、その箇
所にも接着剤を付けた場合よりも少し記録感度が高くな
った。
【0304】(初期化)前記のようにして製作した媒体
の記録膜3、3’に、次のようにして初期化を行なっ
た。なお、記録膜3’についてもまったく同様であるか
ら、以下の説明では記録膜3についてのみ述べることと
する。
【0305】媒体を1800rpmで回転させ、半導体
レーザ(波長830nm)のレーザ光パワーを記録が行
なわれないレベル(約1mW)に保ち、そのレーザ光を
記録ヘッド中の開口数(NA)がO.55のレンズで集
光し、基板1を通して記録膜3に照射した。記録膜3か
らの反射光を検出して、基板1のトラッキング溝の中心
または溝と溝の中間にレーザ光スポットの中心が常に一
致するようにトラッキングを行なうと共に、記録膜3上
にレーザ光の焦点が来るように、自動焦点合わせを行な
いながら記録ヘッドを駆動した。
【0306】まず、初期化のため、記録膜5の同一記録
トラック上に、パワー15mWの連続(DC)レーザ光
を200回照射した。各回の照射時間(光スポット通過
時間)は、約0.1μsecである。
【0307】続いて、パワー7mWの連続レーザ光を5
回照射した。各回の照射時間(光スポット通過時間)
は、約0.1μsecである。この時のレーザ光パワー
は5〜9mWの範囲であればよい。
【0308】前記2種類のレーザ光照射のうち、パワー
の低い方(7mW)の照射は省略してもよいが、照射し
た方が消去特性が良い。
【0309】このように、パワーの異なるレーザ光を照
射すると、初期化を充分に行なうことができる。
【0310】これらのレーザ光照射は、半導体レーザ・
アレイを用いて行なうか、ガスレーザからの光ビームを
複数に分割したもの、あるいは高出力ガスレーザや半導
体レーザからの光ビームのスポット形状を媒体の半径方
向に長い長円形にしたものを用いて行なえば、さらに好
ましい。こうすると、媒体を少数回転させるだけで初期
結晶化を完了することも可能となる。
【0311】複数のレーザ光スポットを用いる場合、そ
れらレーザ光スポットを同一の記録トラック上に配置せ
ず、媒体の半径方向に位置を少しずつズラして配置すれ
ば、1回の照射で広い範囲を初期化することができる、
消え残りが少なくなる、などの効果が得られる。
【0312】次に、円形スポットの12mWの連続レー
ザ光(初期化用の高パワー光)を1回照射する(照射時
間:約0.1μsec)毎に、パワー15mWのパルス
・レーザ光(記録用の高パワー光)を照射し、記録膜5
を非晶質化して記録点を形成した。その後、その記録点
を7mWの連続レーザ光(消去用の低パワー光)を照射
して結晶化させるために、7mWの連続レーザ光を何回
照射することが必要かを調べた。
【0313】本実施例のディスクでは、12mWの連続
レーザ光の照射回数が100回までは、照射回数が増加
するほど、結晶化に要する前記7mWの連続レーザ光照
射の回数は低下した。すなわち、照射回数が増加するほ
ど結晶化しやすいことが分かった。これは、12mWの
連続レーザ光の照射により、記録膜5中に高融点成分で
あるCr4Te5の微細な結晶が多数析出し、その残部
(相変化する部分)の組成が高速結晶化可能なGeSb
4Te7の組成に近づいたためと推察される。
【0314】一方、マークエッジ記録方式の信号を想定
して、16T(1Tは45ns)の範囲で記録トラック
上の信号書き始め位置をランダムにずらしながら2Tの
記録マークと8Tのスペースの繰り返しに対応する信号
Aと、8Tの記録マークと2Tのスペースの繰り返しに
対応する信号Bとが交互に繰り返す信号を記録する場
合、信号Aと信号Bとの切り変え部分ではマーク形成頻
度が急に大きく変化するので、記録膜が流動すると、流
動して来た記録膜材料が止められて堆積したり、後方か
らの流入なしに記録膜材料が流出して膜厚が薄くなった
りするため、再生信号波形歪みが生ずる。記録膜中の元
素が偏析する場合も、同様にその元素が対積したり不足
したりする。流動や偏析はある程度起こると膜厚や濃度
の勾配によって逆の流動や偏析も起こりやすくなり、ブ
レーキがかかる。従って、ディスクの使用前に記録領域
より少し広めに高いパワー(15mW)連続光を繰り返
し照射しておくと、上記のような記録領域内での変化は
ある程度防止できる。従って、ディスク毎に上記の信号
の多数回書き換えによる波形歪みの大きさを指標にし
て、上記の連続光の繰り返し照射必要回数を求めた。上
記のように、結晶化速度が十分大きくなるための照射の
必要回数と、波形歪みが小さくなるための照射の必要回
数の大きい方がそのディスクの初期化必要回数である。
本実施例のディスクでは結晶化速度が十分大きくなるた
めの必要回数の方が大きく、100回が必要初期化照射
回数であった。
【0315】なお、Cr4Te5の融点は1252゜Cで
あり、GeSb4Te7の融点は605゜Cである。
【0316】(Ge含有量aとの関係1:−GeSb4
Te7付近)図10の三角相図のGe65Te25Cr10
Sb30Te60Cr10を結ぶCr含有量を一定とした直線
上で組成を変化させ、一定速度で昇温した場合の未記
録部分の結晶化温度と、初期化のためのレーザ照射回数
を測定した。その結果、次のようなデータが得られた。
【0317】 組成 結晶化温度 レーザ照射回数 Sb30Te60Cr10 120゜C 200回以下 Ge2Sb29Te59Cr10 130゜C 200回以下 Ge4Sb28Te58Cr10 150゜C 200回以下 Ge10Sb25Te55Cr10 160゜C 200回以下 Ge15Sb23Te52Cr10 170゜C 500回 Ge17Sb22Te51Cr10 170゜C 2000回 Ge25Sb18Te47Cr10 180゜C 5000回 この結果より、0.02≦a≦0.19の範囲におい
て、適当な結晶化温度が得られ、初期化のためのレーザ
照射回数を低減することができる。
【0318】(Sb含有量bとの関係1:−GeSb4
Te7付近)図10の三角相図のSb45Te45Cr10
Ge18Te72Cr10を結ぶCr含有量を一定とした直線
上で組成を変化させ、一定速度で昇温した場合の結晶
化温度と、初期化のためのレーザ照射回数を測定した。
その結果、次のようなデータが得られた。
【0319】 組成 結晶化温度 レーザ照射回数 Ge17Sb2Te71Cr10 210゜C 5000回 Ge17Sb4Te69Cr10 200゜C 1000回 Ge14Sb10Te66Cr10 180゜C 500回 Ge10Sb20Te60Cr10 170゜C 200回以下 Ge7Sb26Te57Cr10 160゜C 200回以下 Ge5Sb33Te52Cr10 150゜C 200回以下 Ge3Sb36Te51Cr10 140゜C 200回以下 Ge2Sb40Te48Cr10 120゜C 200回以下 この結果より、0.04≦b≦0.4の範囲において、
適当な結晶化温度が得られ、初期化のためのレーザ照射
射回数を低減することができる。
【0320】(Te含有量cとの関係1:−GeSb4
Te7付近)図10の三角相図のSb15Te75Cr10
Ge30Sb60Cr10を結ぶCr含有量を一定とした直線
上で組成を変化させ、記録されている情報の消去に必
要なレーザ光の照射時間と、レーザ光パワーを最適値よ
り15%高くした厳しい条件で105回書き換えた後の
再生信号の搬送波対雑音比(C/N)の変化を測定し
た。その結果、次のようなデータが得られた。
【0321】 105回書き換えた後 組成 レーザ光照射時間 の再生信号のC/N Ge14Sb36Te40Cr10 0.5μsec 44dB Ge12Sb33Te45Cr10 0.2μsec 48dB Ge11Sb31Te48Cr10 0.1μsec 50dB Ge8Sb27Te55Cr10 0.1μsec 50dB Ge5Sb22Te63Cr10 0.5μsec 50dB Ge3Sb19.5Te67.5Cr10 1.0μsec 50dB Sb15Te75Cr10 3.0μsec 50dB この結果より、0.5≦c≦0.75の範囲において、
消去に必要なレーザ光の照射時間を少なくでき、レーザ
光パワーを最適値より15%高くした厳しい条件で10
5回書き換えた後の再生信号の搬送波対雑音比(C/
N)を良くできる。
【0322】(Cr含有量dとの関係1:−GeSb4
Te7付近)Cr4Te5の残部であるGe対Sb対Te
の含有量a,b,cの比を、a:b:c=1:4:7に
保ってCr4Te5の含有量を変化させたとき、レーザ光
のパワーを最適値より15%高くした厳しい条件で10
5回書き換えた後の再生信号のC/Nを測定したとこ
ろ、Crの含有量dに関して次のような結果が得られ
た。
【0323】 105回書換後の再生信号C/N d=0 42dB d=3 48dB d=10 50dB d=20 50dB d=34 48dB Crの含有量dを変化させると、レーザ光のパワーを最
適値より15%高くした厳しい条件で初期化回数を20
0回として、信号を1回記録後、1回オーバーライトし
た時の再生信号の「消去比」は、次のように変化した。
【0324】ここで「消去比」とは、すでに記録された
信号の上に周波数の異なる別の信号を重ね書きしたとき
の、重ね書き前後の信号の比をdBで表したものであ
る。
【0325】 信号を1回記録後、1回オーバーライト した時の再生信号の消去比 d=10 28dB d=20 25dB d=30 25dB d=40 20dB この結果より、Crの含有量dが増加するにつれて、消
去比が低下することが分かる。
【0326】この結果より、0.03≦d≦0.3の範
囲において、消去に必要なレーザ光の照射時間を少なく
でき、レーザ光パワーを最適値より15%高くした厳し
い条件で105回書き換えた後の再生信号の搬送波対雑
音比(C/N)を良くできる。
【0327】記録用薄膜の平均組成を、元素単体または
化合物組成の低融点成分Lと元素単体または化合物組成
の高融点成分Hにより Ljk の式で表わし、その含有量kを変化させた場合、結晶化
温度とレーザパワーを15%高くした厳しい条件で10
5回書き換えた後の再生信号のC/Nは、次のように変
化した。
【0328】 105回書き換えた後の 組 成 再生信号のC/N 結晶化温度 (GeSb4Te7)95(Cr4Te5)5 45dB 170℃ (GeSb4Te7)90(Cr4Te5)10 48dB 170℃ (GeSb4Te7)80(Cr4Te5)20 50dB 160℃ (GeSb4Te7)65(Cr4Te5)35 50dB 150℃ (GeSb4Te7)50(Cr4Te5)50 50dB 130℃ (GeSb4Te7)40(Cr4Te5)60 49dB 120℃ この結果より、20≦k/(j+k)≦40の範囲が好
ましいことが分かった。
【0329】(成膜時に被着させる高融点成分との関
係)この実施例の情報記録用薄膜を製作する際に、初期
の工程で、高融点成分Cr4Te5を被着させているが、
その高融点成分Cr4Te5の平均膜厚zを次のように変
えると、書き換え可能回数と、レーザ光のパワーを最適
値より15%高くした厳しい条件で105回書き換えた
後の再生信号のC/Nは、次のように変化した。このC
/Nの変化は、主としてCレベルの変化によるものであ
る。
【0330】 書き換え可能回数 z= 0nm 5×104回 z= 1nm 1×105回 z= 5nm 2×105回 105回書き換え後の再生信号のC/N z= 1nm 47dB z= 5nm 47dB z=10nm 46dB z=20nm 40dB この結果より、1nm≦z≦10nmの範囲が好ましい
ことが分かった。
【0331】(その他,保護層および中間層および反射
層材質)この実施例では、保護層2および中間層4をZ
nS−SiO2により形成しているが、ZnS−SiO2
に代えて、Si−N系材料,Si−O−N系材料,Si
2,SiO,TiO2,Ta25,Al23,Y23
CeO,La23,In23,GeO,GeO2,Pb
O,SnO,SnO2,Bi23,TeO2,WO2,W
3,Sc23,ZrO2などの酸化物,TaN,Al
N,Si34,Al−Si−N系材料(例えばAlSi
2)などの窒化物、ZnS,Sb23,CdS,In2
3,Ga23,GeS,SnS2,PbS,Bi23
などの硫化物、SnSe2,Sb2Se3,CdSe,Z
nSe,In2Se3,Ga2Se3,GeSe,GeSe
2,SnSe,PbSe,Bi2Se3などのセレン化
物、CeF3,MgF2,CaF2などの弗化物、あるい
はSi,Ge,TiB2,B4C,B,C,または、上記
の材料に近い組成のものを用いてもよい。また、これら
の混合材料の層やこれらの多重層でもよい。
【0332】多重層の場合、ZnSを70モル%以上含
む材料、例えば(ZnS)80(SiO220と、Si,
Geのうちの少なくとも一者を70原子%以上含む材
料、例えばSi、あるいはSiの酸化物、例えばSiO
2との2層膜が好ましい。この場合、記録感度低下を防
ぐため、ZnS−SiO2層の方を記録膜側に設け、そ
の厚さを3nm以上とする。また、SiO2などの層の
低熱膨張係数による記録膜流動抑制効果を発揮させるた
めに、厚さ10nm以下が好ましい。この2層膜は保護
層2の代わりに設けると好ましいが、中間層4の代わり
に設けてもよい。保護層2の代わりとしてはSiO2
どの層の厚さが50nm以上250nm以下が好まし
い。中間層の代わりに2層膜を設ける場合は、SiO2
層の膜厚は10nm以上80nm以下が好ましい。これ
らの2層膜を設けることは、本発明の記録膜を用いる場
合だけではなく、他の相変化記録膜を用いる場合にも好
ましい。
【0333】また、ZnS−SiO2と基板側にAu層
を設けた2層膜にすると反射率決定の自由度が増すた
め、好ましい。このときのAu層の厚さは30nm以下
が好ましい。Auの代わりにたとえばAu−Co,Au
−Cr、Au−Ti,Au−Ni,Au−AgなどAu
を主成分とする混合材料を用いてもよい。
【0334】中間層4を省略した場合には、記録感度が
約30%低下し、消え残りも約5dB増加した。書き換
え可能回数も減少した。
【0335】中間層4の屈折率が1.7以上、2.3以
下の範囲にある場合、膜厚が3nm以上、100nm以
下の範囲、および180nm以上、400nm以下の範
囲で、それぞれ50dB以上のC/Nが得られた。
【0336】この実施例で反射層5に用いたAl−Ti
の代わりに、反射層の材料としては、Si−Ge混合材
料が、記録マーク部分の光吸収率を記録マーク以外の部
分の光吸収率より小さくできるので、光吸収率差による
消え残りを防止でき、さらに書き換え可能回数が低下し
ない。Geの含有量は10原子%以上80原子%以下が
書き換え可能回数が低下が生じにくい。
【0337】次いで、Si−SnまたはSi−In混合
材料、あるいはこれら混合材料の2種以上の混合材料で
も同様の結果が得られた。これらの反射層材料は、本発
明の相変化膜ばかりでなく、他の相変化膜を用いる場合
の反射層材料として用いても、従来の反射層材料に比べ
て、書き換え可能回数が低下しない。
【0338】さらに、Si,Ge,C,Au,Ag,C
u,Al,Ni,Fe,Co,Cr,Ti,Pd,P
t,W,Ta,Mo,Sbの元素単体、またはこれらを
主成分とする合金、あるいはこれら同志の合金よりなる
層を用いてもよいし、それらの層よりなる多重層を用い
てもよいし、これらと酸化物などの他の物質との複合層
などを用いてもよい。
【0339】この実施例では、表面に直接、トラッキン
グガイドなどの凹凸を形成したポリカーボネート基板1
を用いているが、その代わりに、ポリオレフィン、エポ
キシ、アクリル樹脂、紫外線硬化樹脂層を表面に形成し
た化学強化ガラスなどを用いてもよい。
【0340】中間層4、反射層5および保護層2の一部
を省略した単純積層構造、例えば基板1/保護層2/記
録膜3、基板1/記録膜3/中間層4、基板1/記録膜
3/反射層5などの構成でも、従来のものに比べると、
多数回書き換えを行なってもノイズ上昇が少なく、良好
な結果が得られた。
【0341】以上述べたように、この実施例の情報記録
用薄膜は、記録・再生・消去特性を良好に保ちながら、
従来より多数回の書き換えが可能である。また、記録・
消去に用いるレーザ光のパワーが低くてよいという利点
もある。
【0342】なお、ここで述べていない事項は、実施例
1と同様である。
【0343】〔実施例5〕実施例1のGe−Sb−Te
−Cr系の記録膜5においてGe50Te50組成付近の組
成Ge40Sb10Te40Cr10により記録膜5を形成し
た。構造は、保護層の下に金属層を15nm,保護層を
20nm、記録膜を20nm、中間層を40nm,反射
層を70nm形成した。材料は、金属層と反射層にAu
を使用した。それ以外は、実施例1と同様にして、情報
記録用薄膜を作製した。また、当該薄膜の初期化と、そ
の後の情報の記録再生方法も実施例と同様とした。
【0344】(Sb含有量bとの関係−2:GeTe組
成付近)図11の三角相図のGe45Te45Cr10とSb
90Cr10を結ぶCr含有量を一定とした直線上で組成
を変化させ、非晶質化させた時と結晶化させた時の反射
率差を測定した。その結果、次のようなデータが得られ
た。
【0345】 これより、GeTe組成付近においては、0≦b≦0.
2の範囲で高反射率差が得られることがわかった。Sb
を0.01≦b≦0.2の範囲で添加すると,60相対
湿度80%におけるクラック発生を防止できた。しか
し、Sbを添加しない膜より細かい組成制御が要求され
る。
【0346】(Ge,Te含有量a,cとの関係−2:
GeTe組成付近)図11の三角相図のSb10Te80
10とGe80Sb10Cr10を結ぶCr含有量を一定とし
た直線上で組成を変化させ、非晶質化させた時と結晶
化させた時の反射率差を測定した。その結果、次のよう
なデータが得られた。
【0347】 これより、GeTe組成付近においては、0.25≦a
≦0.65,0.35≦c≦0.75の範囲で高反射率
差が得られることがわかった。
【0348】(Cr含有量dとの関係−2:GeTe組
成付近)Cr4Te5の残部であるGe対Sb対Teの含
有量a,b,cの比を、a:b:c=4:1:4に保っ
てCr4Te5の含有量を変化させたとき、レーザ光のパ
ワーを最適値より15%高くした厳しい条件で105
書き換えた後の再生信号のC/Nを測定したところ、C
rの含有量dに関して次のような結果が得られた。
【0349】 105回書換後の再生信号C/N d=0 42dB d=3 48dB d=10 50dB d=20 50dB d=34 48dB Crの含有量dを変化させると、レーザ光のパワーを最
適値より15%高くした厳しい条件で初期化回数を20
0回として、信号を1回記録後、1回オーバーライトし
た時の再生信号の「消去比」は、次のように変化した。
【0350】ここで「消去比」とはすでに記録された信
号の上に周波数の異なる別の信号を重ね書きしたとき
の、重ね書き前後の信号の比をdBで表したものであ
る。
【0351】 信号を1回記録後、1回オーバーライト した時の再生信号の消去比 d=10 28dB d=20 25dB d=30 25dB d=40 20dB この結果より、Crの含有量dが増加するにつれて、消
去比が低下することが分かる。
【0352】この結果より、0.03≦d≦0.3の範
囲において、十分高い消去比が得られ、レーザ光パワー
を最適値より15%高くした厳しい条件で105回書き
換えた後の再生信号の搬送波対雑音比(C/N)を良く
できる。
【0353】なお、ここで述べていない事項は、実施例
1と同様である。
【0354】〔実施例6〕実施例1の記録膜5におい
て、前記高融点成分が膜厚方向に変化した記録膜を形成
した点以外は、実施例1と同様にして情報記録用薄膜を
作製した。また、その他は1実施例の用いたディスク状
情報記録媒体と同様に作製した。初期化、その後の記録
・再生方法も実施例1と同様にした。
【0355】(構成・製法)前記高融点成分の含有量が
膜厚方向に変化した記録膜の形成には、マグネトロン・
スパッタリング装置による、Cr4Te5ターゲットとG
eSb4Te7ターゲットとの回転同時スパッタ法を用い
た。この際、始めにCr4Te5膜を3nm形成してお
き、その後次に示すようにGeSb4Te7ターゲットに
印加する電圧を一定にし、Cr4Te5ターゲットに印加
する電圧を徐々に下げていった。
【0356】 スパッタ時間 スパッタパワー(W) 光入射側からの Cr4Te5含有 量 (秒) GeSb4Te7ターケ゛ット Cr4Te5ターケ゛ット 記録膜膜厚(nm) (原子% ) 0〜9 49 150 0〜6 50 10〜20 49 100 6〜12 40 21〜33 49 65 13〜18 30 34〜47 49 40 19〜24 20 48〜63 49 20 24〜30 10 この他にも、Cr4Te5ターゲットに印加する電圧を一
定にし、GeSb4Te7ターゲットに印加する電圧を徐
々に上げていっても、高融点成分の含有量が膜厚方向に
変化した記録膜を形成できる。印加電圧は徐々に変化さ
せた方が、記録特性が良かった。また、インラインスパ
ッタ装置において、Cr4Te5組成の面積とGeSb4
Te7組成の面積を徐々に変化させたタ−ゲットを仕様
し同様に作製できる。この記録膜を持つディスクを作製
した。
【0357】このディスクは、実施例1のように高融点
成分の含有量が膜厚方向に一定の記録膜に比べ、作製が
複雑になるが、初期化のためのレーザ照射回数を低減で
きた。
【0358】ここで述べていない事項については、実施
例1と同様である。
【0359】〔実施例7〕図12は、本発明による超解
像読み出し膜を用いたディスクの構造断面図の一例を示
したものである。
【0360】図12のディスクの製造にあたっては、ま
ず、直径13cm、厚さ1.2mmの、凹凸で情報が記
録されたポリカ−ボネイト基板11を形成した。次に、
この基板を複数のターゲットを備えて順次積層膜を形成
でき、また、膜厚の均一性、再現性のよいマグネトロン
スパッタリング装置内に取付け、この基板上に厚さ12
5nmの(ZnS)80(SiO2 20層12を形成し
た。続いて、Cr4Te5ターゲットを高周波電源で、G
eSb2Te4 ターゲットを直流電源で同時スパッタし
て、超解像読み出し膜である(Cr4Te5 20(Ge
Sb2Te4 80膜13を30nm形成した。次に(Z
nS)80(SiO2 20層14を20nm、Al97Ti
3 層15を100nmの膜厚に順次積層した。その後、
この上に接着層16を介してポリカーボネイト基板1
1’を貼りあわせた。
【0361】一般に、薄膜に光を照射すると、薄膜の表
面からの反射光と薄膜の裏面からの反射光との重ね合わ
せにより干渉が生じる。そこで、超解像読み出し用薄膜
の反射率の変化を大きくしたい場合には、薄膜に近接し
て光を反射する「反射層」を設けることにより、干渉の
効果を大きくすることができる。なお、光を吸収する吸
収層としてもよい。図1のAl97Ti3 層15は、この
反射層の役割を果たす。
【0362】干渉の効果をより大きくするためには、超
解像読み出し用薄膜と反射層の間に「中間層」を設ける
のが好ましい。中間層は、超解像読み出し時に超解像読
み出し用薄膜と反射層との間で相互拡散が起こるのを防
止する作用、及び反射層への熱の逃げを減少させて読み
出し感度を高め、また超解像読み出し後に膜を結晶化さ
せる働きがある。図12の(ZnS)80(SiO2 20
層14はこの中間層の作用をする。
【0363】前記超解像読み出し用薄膜13の少なくと
も一方の界面は、他の物質に密着して保護されているの
が好ましく、両側の界面が保護されていればさらに好ま
しい。この保護は、基板により行なってもよいし、基板
とは別に形成した保護層により行なってもよい。「保護
層」の形成により、超解像読み出し時の薄膜の変形に起
因するノイズ増加を防止することができる。図12の
(ZnS)80(SiO220層12はこの保護層の作用
をする。
【0364】超解像読み出し膜13の厚さは、図13に
示す結晶化状態と非晶質状態の反射率の測定結果より決
定した。図2に示されるように、膜厚が30nmのと
き、結晶化状態の反射率が非晶質状態より大きく、結晶
化状態と非晶質状態の反射率差が最大になるため、(C
4Te5 20(GeSb2Te4 80膜13の膜厚は3
0nmに設定した。
【0365】上記のように作製したディスクはまず、次
のようにして初期化を行なった。フラッシュ光で、予備
結晶化を行なったあとディスクを1800rpmで回転
させ、半導体レーザの光強度を超解像読み出しが行なわ
れないレベル(約1mW)に保ち、記録ヘッド中のレン
ズで集光して基板11を通して読み出し膜13に照射
し、反射率を検出することによって、トラッキング用の
溝の中心に光スポットの中心が常に一致するようにヘッ
ドを駆動した。このようにトラッキングを行いながら、
さらに超解像読み出し膜上に焦点が合うように自動焦点
合わせを行い、まず初期結晶化のため、同一トラック上
にパワー11mWの連続レーザ光を5回照射した。この
照射パワーは9〜18mWの範囲でよい。続いて6mW
の連続レーザ光を3回照射した。この照射パワーは4〜
9mWの範囲でよい。上記2種類の照射は1回以上であ
ればよいが、パワーの高いほうの照射は2回以上がより
好ましい。
【0366】高融点成分を含む超解像読み出し膜では、
C/Nを良くするためには、初期結晶化を十分に行うこ
とが重要である。このため初期結晶化は低パワーでの照
射を重点的に行い、同一トラック上にパワー6mWの連
続レーザ光を500回照射し、続いて11mWの連続レ
ーザ光を3回、6mWの連続レーザ光を10回照射し
た。時間がかかるが、6mW500回、11mW3回の
レーザ照射を数回繰り返すと、さらにC/N及び超解像
読み出し可能回数が増加した。
【0367】これらの照射は、半導体レーザアレイで行
うか、ガスレーザからの光ビームを複数に分割したも
の、あるいは高出力ガスレーザや半導体レーザからの光
ビームをディスクの半径方向に長く整形した長円ビーム
で行うと、ディスクの1回転で全てのトラックに対して
同時に行うことも可能である。複数の光スポットを同一
トラック上に配置せず、ディスクの半径方行に位置を少
しずらして配置すれば、広い範囲をイニシャライズする
ことができ、消え残りが少なくなるなどの効果がある。
【0368】また、初期化の最後に、溝間にトラッキン
グを行いながら連続レーザ光を照射する方法で、トラッ
ク周辺部も結晶化を行うと、クロストークを2dB低減
することができた。結晶化にあたっては、パワーを6m
Wにして連続光の照射を行った。
【0369】超解像効果による超解像読み出しの原理
は、次の通りである。図8において、31はレーザ光な
どの光スポット、32a,32bは基板1の表面に形成
された記録マークである。光スポット径は、光強度がそ
のピーク強度の(1/e2 )になる位置での光ビームの
直径として定義される。記録マークの最小ピッチは、光
スポット31のスポット径よりも小さく設定されてい
る。
【0370】光スポット内の高温領域では、超解像読み
出し膜中の少なくとも相変化成分GeSb2Te4が融解
して、複素屈折率の実数部nまたは虚数部kの少なくと
も一方が低下するため、反射率の低下が起こる。そこ
で、光スポット31内には2つの記録マーク32a,3
2bがあるにもかかわらず、超解像読み出し層13によ
って高温領域35内にある記録マーク32bが隠される
ため、実際には記録マーク32aのみが検出される。換
言すれば、実際の検出範囲34が、図8のように、光ス
ポット31の円形の領域からマスクとして働く範囲3
3、すなわち光スポット31と高温領域35の重複箇所
を除いた三日月形の領域となる。こうして、光スポット
径より小さい記録マークを超解像読み出しすることが可
能となる。
【0371】超解像読み出しを行う部分では、レーザパ
ワーを8mWにして一定に保ち、超解像読み出しを行っ
た。このパワーは、超解像読み出し膜の融点により異な
る。超解像読み出し部分を通り過ぎれば、レーザパワー
を1mWに下げてトラッキング及び自動焦点合わせを続
けた。レーザパワーを1mWに下げることは、マスク層
の劣化を防ぐのに効果があった。なお、超解像読み出し
中もトラッキング及び自動焦点合わせは継続される。ト
ラッキング及び自動焦点合わせ用レーザパワーPtと超
解像読み出し用レーザパワーPrの関係は次式に示され
る範囲内で、良好な超解像読み出し特性が得られた。
【0372】Pr/Pt≧2 超解像読み出し後、超解像読み出し膜が非晶質化したま
まになるディスクでは、結晶化しておく必要があった。
読み出し後、再び結晶化する膜組成のディスクについて
は、結晶化は不要であった。
【0373】本実施例の超解像読み出し膜を用いたディ
スクと超解像読み出し膜を用いないディスクで、異なる
サイズのマークを超解像読み出した際のC/Nを比較し
たところ、次のように本実施例の超解像読み出し膜を用
いたディスクにおいて微小マークの超解像効果がみられ
た。
【0374】 マークサイズ(μm) 超解像読み出し 超解像読み出し 膜あり(dB) 膜なし(dB) ──────────────────────────────── 0.3 30 − 0.4 43 30 0.5 47 35 0.6 49 40 0.7 50 46 0.8 50 50 保護膜、中間層のうちの少なくとも一者に用いているZ
nS−SiO2 の代わりにSi−N系材料,Si−O−
N系材料,SiO2 ,SiO,TiO2 ,Al23
23 ,CeO,La23,In23,GeO,Ge
2,PbO,SnO,SnO2,Bi23,TeO2
WO2,WO3,Sc23,ZrO2やTaN,AlN,
AlSiN2 ,Si34などのAl−Si−N系材料な
どの酸化物や窒化物、ZnS,Sb23 ,CdS,I
23,Ga23,GeS,SnS2,PbS,Bi2
3,などの硫化物、SnSe2 ,Sb2Se3 ,CdS
e,ZnSe,In2Se3,Ga2Se3,GeSe,G
eSe2,SnSe,PbSeBi2Se3等のセレン化
物、CeF3,MgF2,CaF2などの弗化物、または
Si,Ge,TiB2 ,B4C,B,C,またはここで
述べたすべての保護膜用材料に近い組成のものを用いて
もよい。また、アクリル樹脂、ポリカーボネイト、ポリ
オレフィン、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
4フッ化エチレン(テフロン)、などのフッ素樹脂など
により形成することができる。ホットメルト接着剤とし
て知られているエチレン−酢酸ビニル共重合体などや、
接着剤などでもよい。これらの樹脂の少なくとも1つを
主成分とする紫外線硬化樹脂で形成してもよい。有機物
の基板で保護層を兼ねてもよい。あるいは、これらの混
合材料層または多重層でもよい。中間層を省略した場合
には、超解像読み出し感度が約30%低下し、超解像読
み出し可能回数も減少した。中間層の屈折率は、1.7
以上2.3以下の範囲で、膜厚は、3nm以上400n
m以下の範囲で48dB以上のC/Nが得られた。
【0375】反射層に用いたAl−Tiの代わりにA
u,Ag,Cu,C,Si,Ge,Al,Ni,Fe,
Co,Cr,Ti,Pd,Pt,W,Ta,Mo,Sb
の単体、またはこれらを主成分とする合金、化合物、混
合物あるいはこれら同志の合金の層、あるいは多重層、
これらと酸化物などの他の物質との複合層などを用いて
もよい。
【0376】基板として表面に直接トラッキングガイド
などの凹凸を形成したポリカーボネート基板の代わり
に、ポリオレフィン、エポキシ、アクリル樹脂、紫外線
硬化樹脂層を表面に形成した化学強化ガラスなどを用い
てもよい。
【0377】なお、図13に示した超解像読み出し膜を
用いたディスクは片面構造であるが、ポリカーボネイト
基板11’の代わりに11から15と同じ構造を2つ作
製し、接着層6を介して貼り合わせた両面構造としても
よい。
【0378】〔実施例8〕図1に示したディスクにおい
て、超解像読み出し膜の組成を次のように変化させたと
ころ、レーザ光の照射の前後における超解像読み出し膜
の消衰係数kの変化量△k’が変化した。これらの超解
像読み出し膜を備えたディスクに光スポットの直径の約
25%の長さの記録マークを形成し、それを105 回超
解像読み出した後の再生信号のC/Nを比較したとこ
ろ、以下に示すような結果が得られた。
【0379】 膜 組 成 消衰係数kの変化量 105 回超解像読み出し後 の再生信号のC/N ──────────────────────────────────── (Cr4Te5)80(GeSb2Te4)20 △k’= 5% 37dB (Cr4Te5)60(GeSb2Te4)40 △k’=10% 42dB (Cr4Te5)40(GeSb2Te4)60 △k’=20% 46dB (Cr4Te5)20(GeSb2Te4)80 △k’=30% 48dB この結果より、20%≦△k’の範囲が好ましいことが
分かる。
【0380】〔実施例9〕高融点成分を超解像読み出し
膜に入れると、超解像読み出し可能回数が向上した。こ
の時の超解像読み出し膜中の融点の差(Δm.p=高融
点成分の融点−相変化成分の融点)による超解像読み出
し可能回数の違いを調べた。ここでは相変化成分はGe
Sb2Te4 を用いて高融点成分を変化させた。
【0381】 高融点成分 Δm.p(℃) 超解像読み出し可能回数(回) ────────────────────────────────── Pt3Sb 50 5×105 Mo3Sb7 150 1×106 CoSb3 200 2×106 Cr4Te5 ≧300 ≧2×106 この結果より、Δm.p≧150の範囲が好ましいこと
が分かる。
【0382】〔実施例10〕実施例7に記載した超解像
読みだし膜において、GeSb2Te4 以外の相変化成
分としては、下記D群のうち少なくとも一者、もしくは
これに近い組成あるいは、融点650℃以下の化合物、
またはそれに近い組成のもの、あるいはこれらの混合組
成や混合組成に近い3元以上の化合物のうちの少なくと
も一者で置き換えても同様な結果が得られる。
【0383】<D群>Sn,Pb,Sb,Te,Zn,
Cd,Se,In,Ga,S,Tl,Mg,Tl2
e,TlSe,Tl2Se3 ,Tl3Te2 ,TlTe,
InBi,In2Bi,TeBi,Tl−Se,Tl−
Te,Pb−Sn,Bi−Sn,Se−Te,S−S
e,Bi−Ga,Sn−Zn,Ga−Sn,Ga−I
n,In3SeTe2 ,AgInTe2 ,GeSb4Te
7 ,Ge2Sb2Te5 ,GeSb2Te4,GeBi4
7 ,GeBi2Te4 ,Ge3Bi2Te6 ,Sn2Sb
6Se11,Sn2Sb2Se5 ,SnSb2Te4 ,Pb2
Sb6Te11,CuAsSe2 ,Cu3AsSe3 ,Cu
SbS2 ,CuSbSe2 ,InSe,Sb2Se3
Sb2Te3 ,Bi2Te3 ,SnSb,FeTe,Fe
2Te3 ,FeTe2 ,ZnSb,Zn3Sb2 ,VTe
2 ,V5Te8 ,AgIn2 ,BiSe,InSb,I
2Te,In2Te5 ,Ba4Tl,Cd11Nd,Ba
13Tl,Cd6Nd,Ba2Tl。
【0384】Cr4Te5 以外の高融点成分としては、
次の化合物、合金、またはそれに近い組成のもの、ある
いはこれらの混合組成や混合組成に近い3元以上の化合
物のうちの少なくとも一者で置き換えても同様な結果が
得られる。
【0385】(a)相変化成分の融点が450〜650
℃の時 下記A群の化合物、あるいは融点800℃以上の化合
物。
【0386】<A群>BaPd2 ,BaPd5 ,NdP
d,NdPd3 ,NdPd5 ,Nd7Pt3 ,Nd3Pt
2 ,NdPt,Nd3Pt4 ,NdPt2 ,NdP
5 ,Bi2Nd,BiNd,Bi3Nd4 ,Bi3Nd
5 ,BiNd2 ,Cd2Nd,CdNd,Mn2Nd,M
23Nd6 ,Mn12Nd,Nd5Sb3 ,Nd4Sb3
NdSb,NdSb2 ,Fe2Nd,Fe17Nd2 ,C
3Ge2 ,CsGe,CsGe4 ,Nd5Si3 ,Nd
5Si4 ,NdSi,Nd3Si4 ,Nd2Si3,Nd5
Si9,Cs2Te,NdTe3 ,Nd2Te5 ,NdT
2 ,Nd4Te7 ,Nd2Te3 ,Nd3Te4 ,Nd
Te,Ce3Ir,Ce2Ir,Ce55Ir45,CeIr
2,CeIr3 ,Ce2Ir7 ,CeIr5 ,CaPd,
CaPd2 ,CaGe,Ca2Ge,GeNa3 ,Ge
Na,CaSi2 ,Ca2Si,CaSi,Se2Sr,
Se3Sr2 ,SeSr,GeSr2 ,GeSr,Ge2
Sr,SnSr,Sn3Sr5 ,SnSr2 ,Ce2
l,Ce5Tl3 ,CeTl3 ,Ce3Tl5,CeT
l,BaTl,Pd13Tl9 ,Pd2Tl,Pd3Tl,
Mg2Si,Mg2Ge,BaPd2 ,BaPd5 ,Ce
4Se7 ,Ce3Se4 ,Ce2Se3 ,CeSe,Ce5
Ge3 ,Ce4Ge3,Ce5Ge4 ,CeGe,Ce3
5 ,Ce5Si3 ,Ce3Si2 ,Ce5Si4 ,Ce
Si,Ce3Si5 ,CeSi2,CeTe3 ,Ce2
5 ,CeTe2 ,Ce4Te7 ,Ce3Te4 ,CeT
e,La3Se7 ,LaSe2 ,La4Se7 ,La2
3 ,La3Se4 ,LaSe,GeLa3 ,Ge3La
5 ,Ge3La4 ,Ge4La5 ,GeLa,Ge5La
3 ,BaSe2,Ba2Se3 ,BaSe,PdSe,M
3Se4 ,MoSe2 ,Ba2Ge,BaGe2 ,Ba
Ge,Ba2Te3 ,BaTe,Ge2Pd5,GeP
2,Ge9Pd25,GePd,Ge3Pt,Ge3
2 ,GePt,Ge2Pt3 ,GePt2 ,GePt
3 ,Pu3Sn,Pu5Sn3 ,Pu5Sn4,Pu8Sn
7 ,Pu7Sn8 ,PuSn2 ,PuSn3 ,Pt5Te
4 ,Pt4Te5 ,PtTe2 ,GeNi,Ge3
5 ,Ge2Ni5 ,GeNi3 ,NiTe0.85,Ni
Te0.775,Ni3±xTex ,Cr11Ge19,CrG
e,Cr11Ge8 ,Cr5Ge3 ,Cr3Ge,CrSi
2 ,Cr5Si3 ,Cr3Si,Cr5Te8 ,Cr4Te
5 ,Cr3Te4 ,Cr1-xTe,Ge3Mn5 ,GeM
2 ,Mn6Si,Mn9Si2 ,Mn3Si,Mn5Si
2 ,Mn5Si3 ,MnSi,Mn11Si19,Mn2
n,Mn3.25Sn,MnTe,Te2W,FeGe2
Fe5Ge3 ,Fe3Ge,Fe2Si,Fe5Si3 ,F
eSi,FeSi2 ,Ge2Mo,Ge41Mo23,Ge
16Mo9 ,Ge23Mo13,Ge3Mo5 ,GeMo3,M
3Si,Mo5Si3 ,MoSi2 ,MoSn,MoS
2 ,Mo3Te4,MoTe2 ,Si2Ti,SiT
i,Si4Ti5 ,Si3Ti5 ,SiTi3,Sn5Ti
6 ,Sn3Ti5 ,SnTi2 ,SnTi3 ,CoGe
2 ,Co5Ge7 ,CoGe,Co5Ge3 ,Co4
e,Co3Te4 ,Ge7Re3 ,Re5Si3 ,ReS
i,ReSi2 ,Re2Te。
【0387】(b)相変化成分の融点が250〜450
℃の時 前記A群または下記B群の化合物、あるいは融点600
℃以上の化合物。
【0388】<B群>Cs3Ge,Ba2Tl,GePd
3 ,Fe6Ge5 ,FeTe2 ,Co5Ge2 ,Nd3
d,Cs3Te2 ,Ce4Ir,NaPd,Ca9Pd,
Ca3Pd2 ,Ca2Ge,Se3Sr,Ce3Tl,Ce
Se2 ,Ce3Ge,BaSe3 ,GeSe2 ,GeS
e,BaTe2 ,GePd5 ,Ge8Mn11,MnTe
2 ,Ge32 ,FeGe,Fe4Ge3 ,Fe3Sn,
Fe3Sn2 ,FeSn,CoTe2
【0389】(c)相変化成分の融点が250℃以下の
時 前記A群、B群または下記C群の化合物、あるいは融点
400℃以上の化合物。
【0390】<C群>Ba4Tl,CsTe,Ba4
l,Ba13Tl,Cd11Nd,Cd6Nd,Cs5
4 ,Ca3Pd,Ca5Pd2 ,Sn3Sr,Ba13
l,PdTl2,FeSe2 ,FeSe,Cr2Te3
CrTe3 ,FeSn2
【0391】〔実施例11〕超解像読み出し膜におい
て、上記高融点成分と上記相変化成分の組合せではCr
4Te5 とGeSb2Te4 のように、それぞれの成分に
同じ元素が存在する組みあわせが超解像読み出し特性が
良好であった。ただし、同じ元素の量が多すぎると両方
の成分の融点の差がでなくなるため、同じ元素の量は成
分中の80原子%以下が好ましかった。また、量が少な
いとアパーチャー部分における両成分の屈折率が等しく
ならない場合が多く、30原子%以上が好ましかった。
【0392】〔実施例12〕超解像読み出し膜中の相変
化成分としてGeSb2Te4を、高融点成分としてCr
4Te5を用い、高融点成分含有量(原子%)を変化させ
てC/Nと超解像読み出し可能回数を調べたところ、次
のような結果が得られた。
【0393】 高融点成分含有量(原子%) 超解像読み出し可能回数(回) ─────────────────────────────── 5 6×105 10 1×106 20 2×106 ≧30 ≧2×106 高融点成分含有量(%) C/N(dB) ───────────────────────── ≦30 ≧48 40 48 50 46 60 42 この結果より、高融点成分含有量は10〜50%の範囲
が好ましく、20〜40%の範囲がより好ましいことが
わかる。
【0394】高融点成分中で酸化物、硫化物、窒化物、
炭化物の含有量は高融点成分の50%未満とするのが好
ましく、20%未満とするのが特に好ましい。これらの
含有量が多いと相変化成分との複素屈折率の差を小さく
できなかったり、相変化成分中に酸素等が拡散して超解
像読み出し特性を劣化させたりする問題を生じやすい。
【0395】〔実施例13〕超解像読み出し膜材料によ
り、超解像読み出し膜の融点が異なるため、相変化成分
の組成を変えて最適超解像読み出しパワーを調べたとこ
ろ、次のようになった。高融点成分としてはCr4Te5
を用いた。
【0396】 膜中の相変化成分の組成 膜の融点(℃) 超解像読み出しパワー(mW) ──────────────────────────────────── Sn75Zn25 250 3 In2Te5 450 6 Ge2Sb2Te5 650 8 超解像読み出し膜の融点が低い方が、超解像読み出し時
のパワーが低くて済み、好ましい。
【0397】〔実施例14〕回転数一定の場合、ディス
クの内周と外周では線速が異なる。5インチディスクで
は、線速は5.7〜11.3m/sまで変化するため、
これに対応して内周では20nm、外周では40nmに
なるように超解像読み出し膜厚を変化させたところ、光
スポットのうちマスクされない領域の幅が内周ほど小さ
くなり、内周、外周の両方において、C/N48dBと
いう良好な超解像読み出し特性を得た。また、内周から
外周に向かってGeSbTe系のGeSb2Te4 ある
いはGe2Sb2Te5 組成からのずれ量を少なくしたと
ころ、外周へいくほど結晶化速度が早くなるため、線速
対応が容易になり、内周、外周の両方において、C/N
48dBという良好な超解像読み出し特性を得た。
【0398】〔実施例15〕図14に、超解像読み出し
用装置の超解像読み出し系のブロック図を示す。超解像
読み出し指令42を受けて、光ヘッド50からレーザ照
射が行われ、光ディスク51から戻ってきた反射光を再
び光ヘッド50で検出する。
【0399】レーザ光として連続光を用いる場合は図の
(a)の系統とし、パルス光を用いる場合にはパルス化
回路43を組み込んで(b)の系統とする。パルス光の
同期はアドレス部、フラグ部検出45を通して行う。
【0400】良好な超解像読み出し特性を得るために、
レーザパワー設定回路47はトラッキング及び自動焦点
合わせ用レーザパワーPtと超解像読み出し用レーザパ
ワーPrの関係を次式のように保つ。
【0401】Pr/Pt≧2 また、超解像読み出し用膜の最高温度となる領域でも膜
全体が融解しないで高融点成分は固相に留まるようにす
るため、レーザパワー照射時には戻り光の反射光強度分
布の乱れを光強度分布解析回路48で検出解析し、乱れ
の大きさに応じてレーザパワーを調節できる回路をレー
ザパワー設定回路47に組み込んだ。これにより、超解
像読み出し用膜の劣化が起こりにくくなった。
【0402】ここで、光強度分布の乱れとは、光強度分
布の乱れの時間的変動、すなわち各検出器出力の比の時
間的変動のことである。光強度分布の乱れは1次元的、
または2次元的に配列した2個以上の検出器が記録媒体
面にほぼ平行に配置されたものを用い、各検出器の出力
を光強度分布解析回路48に接続して検出した。
【0403】超解像読み出し用膜の劣化を防ぐため、超
解像読み出しレーザ光をパルス光とした。このとき、レ
ーザスポット径(λ/NA)とアパーチャーのトラック
方向の中心部の長さaの比(a:λ/NA)を1/3〜
1/2にでき、微小マークを持つディスクで、0.4λ
/NA≦vTの範囲ではスポットが30%以上重なるた
め、パルス化の効果が少なく、vT≦1.5λ/NAの
範囲ではマークを読み飛ばしてしまうことがわかった。
【0404】そこで、マークの超解像読み出しを確実に
行うため、下式を満たすための回路を、図14のパルス
化回路43に組み込んだ。
【0405】0.4λ/NA≦vT≦1.5λ/NA 0.3k≦x/T≦0.5k その結果、C/N46dBを得ることができた。kは比
例定数で、図7の構造のディスクにおいてレーザパワー
8mW,線速8m/sの時、k=1であった。さらに、
下式を満たすと、C/Nが2dB向上した。
【0406】0.5λ/NA≦vT≦0.9λ/NA 0.3k≦x/T≦0.5k 〔実施例16〕図9は、本発明の超解像読み出し膜を用
いた読み書き可能ディスクの構造断面図の一例を示した
ものである。本実施例では、前記一般式(8)の平均組
成を有する超解像読み出し膜を用いた。
【0407】まず、直径13cm、厚さ1.2mmのポ
リカーボネイト基板を形成した。次に、この基板を複数
のターゲットを備え順次積層膜を形成でき、また、膜厚
の均一性、再現性のよいマグネトロンスパッタリング装
置内に取付け、この上に厚さ125nmの(ZnS)80
(SiO2 20層を形成した。続いて、(Sn3Zn)
80(SnTi2 20膜を30nm、(ZnS)80(Si
2 20層,(Cr4Te5 20(GeSb2Te4 80
膜を30nm形成した。次に(ZnS)80(SiO2
20層を20nm、Al−Ti層を100nm,順次積層
した。その後、この上に接着層を介してポリカーボネイ
ト基板を貼りあわせた。このディスクは片面のみ使用で
きるが、同じ構造のものを2つ作製し、接着層ではりあ
わせた両面構造としても良い。
【0408】超解像読み出しを行う部分では、レーザパ
ワーを3mWにして、超解像読み出しを行った。このパ
ワーは、超解像読み出し膜の融点により異なる。超解像
読み出し部分を通り過ぎれば、レーザパワーを1mWに
下げてトラッキング及び自動焦点合わせを続けた。な
お、超解像読み出し中もトラッキング及び自動焦点合わ
せは継続される。
【0409】超解像読み出し後、超解像読み出し膜は再
び結晶化するため、結晶化は不要であった。
【0410】〔実施例17〕前記実施例16の図9に示
した(Sn3Zn)80(SnTi2 20よりなる超解像
読み出し膜において、Znの含有量を一定に保ちながら
SnとTiの含有量を変化させたると、超解像読み出し
可能回数及び105 回超解像読み出し後の再生信号のC
/Nは、次のように変化した。
【0411】 組 成 超解像読み出し可能回数 ─────────────────────────── Sn55Zn20Ti25 >2×106 回 Sn67Zn20Ti13 2×106 回 Sn75Zn20Ti5 1×106 回 Sn80Zn20 5×105 回 組 成 105 回超解像読み出し後の再生信号のC/N ──────────────────────────────────── Sn25Zn20Ti55 44dB Sn30Zn20Ti50 46dB Sn40Zn20Ti40 48dB Sn55Zn20Ti25 50dB これより、前記一般式(8)におけるe,fの範囲は3
0≦e≦95、5≦f≦50が好ましく、40≦e≦8
7、13≦f≦40がより好ましいことがわかる。
【0412】さらに、前記の(Sn3Zn)80(SnT
2 20よりなる超解像読み出し膜26において、S
n,Zn,Tiの含有量を一定に保ちながらTlを添加
し、その含有量を次のように変化させた場合、105
超解像読み出し後の再生信号のC/Nは、次のように変
化した。
【0413】 Tl含有量 105 回超解像読み出し後の再生信号のC/N ────────────────────────────────── g=0 % 46dB g=10 % 48dB g=20 % 46dB g=25 % 43dB これより、前記一般式(8)におけるgの範囲は0≦g
≦20が好ましく、0≦g≦10がより好ましいことが
わかる。
【0414】また、前記D、D’(前記Dが上記Sn,
ZnのようにD,D’2元素の場合)、E、Fの組合せ
において、D−E、E−F、D’−Eの組合せからでき
る高融点成分が共晶点をもたないか、共晶点をもってい
てもD、D−D’の融点より150℃以上融点が高いの
が好ましかった。
【0415】〔実施例18〕前記実施例16のSn−Z
n−Tiよりなる超解像読み出し膜を、前記一般式
(8)で表される平均組成の材料、Pb−Se,Pb−
Ce,Pb−La,Pb−Pt,Pb−Si,Sn−S
b,Sn−Se,Sn−Co,Sn−Cu,Sn−N
i,Sn−Pt,Bi−Te,Bi−Se,Bi−C
e,Bi−Cu,Bi−Cd,Bi−Pt,Zn−N
i,Zn−Pt,Zn−La,Zn−Ce,Ga−C
r,Ga−Cu,Ga−Ni,Ga−La,Ga−P
t,Ga−Ce,In−Se,In−Sb,In−T
e,In−As,In−Mn,In−Ni,In−A
g,Pb−Sn−Se,Pb−Sn−Ce,Pb−Sn
−La,Pb−Sn−Pt,Pb−Sn−Si,Pb−
Sn−Sb,Pb−Sn−Co,Pb−Sn−Cu,P
b−Sn−Ni,Sn−Bi−Sb,Sn−Bi−S
e,Sn−Bi−Co,Sn−Bi−Cu,Sn−Bi
−Ni,Sn−Bi−Pt,Sn−Bi−Te,Sn−
Bi−Ce,Sn−Bi−Cd,Zn−Sn−Sb,Z
n−Sn−Se,Zn−Sn−Co,Zn−Sn−C
u,Zn−Sn−Ni,Zn−Sn−Pt,Zn−Sn
−Ni,Zn−Sn−La,Zn−Sn−Ce,Sn−
Ga−Sb,Sn−Ga−Se,Sn−Ga−Co,S
b−Ga−Cu,Sn−Ga−Ni,Sn−Ga−P
t,Sn−Ga−Cr,Sn−Ga−La,Sn−Ga
−Ce,Bi−Ga−Te,Bi−Ga−Se,Bi−
Ga−Cu,Bi−Ga−Cd,Bi−Ga−Pt,B
i−Ga−Cr,Bi−Ga−Ni,Bi−Ga−L
a,Bi−Ga−Ce,In−Ga−Cr,In−Ga
−Cu,In−Ga−Ni,In−Ga−La,In−
Ga−Pt,In−Ga−Ce,In−Ga−Se,I
n−Ga−Sb,In−Ga−Te,In−Ga−A
s,In−Ga−Mn,In−Ga−Ag,In−Bi
−Te,In−Bi−Se,In−Bi−Cu,In−
Bi−Cd,In−Bi−Pt,In−Bi−Sb,I
n−Bi−As,In−Bi−Mn,In−Bi−N
i,In−Bi−Ag,In−Bi−Ce,などに変更
しても同様の結果が得られた。
【0416】〔実施例19〕前記実施例16の(Sn3
Zn)80(SnTi2 20よりなる超解像読み出し膜
を、前記一般式(11)で表される平均組成の材料、例
えばSe51In40Cr9 (高融点成分Cr3Se4;、相
変化成分;InSe)などに変更しても同様の結果が得
られる。ただし、読み出し可能回数が2×106 回以
上、105 回超解像読み出し後の再生信号のC/Nが4
6dB以上となる前記一般式(11)中のp,q.r,
sの範囲は、40≦p≦95、0≦q≦55、5≦r≦
50、0≦s≦20であった。C/Nが48dB以上と
なるより好ましい範囲は、50≦p≦80、0≦q≦4
0、10≦r≦40、0≦s≦10であった。また、こ
の組成は、相変化記録膜28としても使用できた。超解
像読み出し膜を用いない記録媒体の相変化記録膜として
も使用できる。
【0417】〔実施例20〕前記実施例19のSe−I
n−Crよりなる超解像読み出し膜を、前記一般式
(2)で表される平均組成の材料、Se−In−Si,
Se−In−Ag,Se−In−Al,Se−In−B
a,Se−In−Ca,Se−In−Cd,Se−In
−Co,Se−In−Cu,Se−In−Mg,Se−
In−Mn,Se−In−Mo,Se−In−Ni,S
e−In−Pd,Se−In−Pt,Se−In−T
a,Se−In−Ti,Se−In−V,Se−In−
W,Se−In−Y,Se−In−Pb,Se−Sb−
Si,Se−Sb−Ag,Se−Sb−Al,Se−S
b−Ba,Se−Sb−Ca,Se−Sb−Cd,Se
−Sb−Co,Se−Sb−Cr,Se−Sb−Cu,
Se−Sb−Mg,Se−Sb−Mn,Se−Sb−M
o,Se−Sb−Ni,Se−Sb−Pd,Se−Sb
−Pt,Se−Sb−Ta,Se−Sb−Ti,Se−
Sb−V,Se−Sb−W,Se−Sb−Y,Se−S
b−Pb,Se−Bi−Si,Se−Bi−Ag,Se
−Bi−Al,Se−Bi−Ba,Se−Bi−Ca,
Se−Bi−Cd,Se−Bi−Co,Se−Bi−C
r,Se−Bi−Cu,Se−Bi−Mg,Se−Bi
−Mn,Se−Bi−Mo,Se−Bi−Ni,Se−
Bi−Pd,Se−Bi−Pt,Se−Bi−Ta,S
e−Bi−Ti,Se−Bi−V,Se−Bi−W,S
e−Bi−Y,Se−Bi−Pb,Se−Te−Si,
Se−Te−Ag,Se−Te−Al,Se−Te−B
a,Se−Te−Ca,Se−Te−Cd,Se−Te
−Co,Se−Te−Cr,Se−Te−Cu,Se−
Te−Mg,Se−Te−Mn,Se−Te−Mo,S
e−Te−Ni,Se−Te−Pd,Se−Te−P
t,Se−Te−Ta,Se−Te−Ti,Se−Te
−V,Se−Te−W,Se−Te−Y,Se−Te−
Pb,Se−Au−Si,Se−Au−Ag,Se−A
u−Al,Se−Au−Ba,Se−Au−Ca,Se
−Au−Cd,Se−Au−Co,Se−Au−Cr,
Se−Au−Cu,Se−Au−Mg,Se−Au−M
n,Se−Au−Mo,Se−Au−Ni,Se−Au
−Pd,Se−Au−Pt,Se−Au−Ta,Se−
Au−Ti,Se−Au−V,Se−Au−W,Se−
Au−Y,Se−Au−Pb,Se−B−Si,Se−
B−Ag,Se−B−Al,Se−B−Ba,Se−B
−Ca,Se−B−Cd,Se−B−Co,Se−B−
Cr,Se−B−Cu,Se−B−Mg,Se−B−M
n,Se−B−Mo,Se−B−Ni,Se−B−P
d,Se−B−Pt,Se−B−Ta,Se−B−T
i,Se−B−V,Se−B−W,Se−B−Y,Se
−B−Pb,Se−Cs−Si,Se−Cs−Ag,S
e−Cs−Al,Se−Cs−Ba,Se−Cs−C
a,Se−Cs−Cd,Se−Cs−Co,Se−Cs
−Cr,Se−Cs−Cu,Se−Cs−Mg,Se−
Cs−Mn,Se−Cs−Mo,Se−Cs−Ni,S
e−Cs−Pd,Se−Cs−Pt,Se−Cs−T
a,Se−Cs−Ti,Se−Cs−V,Se−Cs−
W,Se−Cs−Y,Se−Cs−Pb,Se−Sn−
Si,Se−Sn−Ag,Se−Sn−Al,Se−S
n−Ba,Se−Sn−Ca,Se−Sn−Cd,Se
−Sn−Co,Se−Sn−Cr,Se−Sn−Cu,
Se−Sn−Mg,Se−Sn−Mn,Se−Sn−M
o,Se−Sn−Ni,Se−Sn−Pd,Se−Sn
−Pt,Se−Sn−Ta,Se−Sn−Ti,Se−
Sn−V,Se−Sn−W,Se−Sn−Y,Se−S
n−Pb,Se−Tl−Si,Se−Tl−Ag,Se
−Tl−Al,Se−Tl−Ba,Se−Tl−Ca,
Se−Tl−Cd,Se−Tl−Co,Se−Tl−C
r,Se−Tl−Cu,Se−Tl−Mg,Se−Tl
−Mn,Se−Tl−Mo,Se−Tl−Ni,Se−
Tl−Pd,Se−Tl−Pt,Se−Tl−Ta,S
e−Tl−Ti,Se−Tl−V,Se−Tl−W,S
e−Tl−Y,Se−Tl−Pb,Se−S−Si,S
e−S−Ag,Se−S−Al,Se−S−Ba,Se
−S−Ca,Se−S−Cd,Se−S−Co,Se−
S−Cr,Se−S−Cu,Se−S−Mg,Se−S
−Mn,Se−S−Mo,Se−S−Ni,Se−S−
Pd,Se−S−Pt,Se−S−Ta,Se−S−T
i,Se−S−V,Se−S−W,Se−S−Y,Se
−S−Pb,Se−Ge−Si,Se−Ge−Ag,S
e−Ge−Al,Se−Ge−Ba,Se−Ge−C
a,Se−Ge−Cd,Se−Ge−Co,Se−Ge
−Cr,Se−Ge−Cu,Se−Ge−Mg,Se−
Ge−Mn,Se−Ge−Mo,Se−Ge−Ni,S
e−Ge−Pd,Se−Ge−Pt,Se−Ge−T
a,Se−Ge−Ti,Se−Ge−V,Se−Ge−
W,Se−Ge−Y,Se−Ge−Pb,Se−Fe−
Si,Se−Fe−Ag,Se−Fe−Al,Se−F
e−Ba,Se−Fe−Ca,Se−Fe−Cd,Se
−Fe−Co,Se−Fe−Cr,Se−Fe−Cu,
Se−Fe−Mg,Se−Fe−Mn,Se−Fe−M
o,Se−Fe−Ni,Se−Fe−Pd,Se−Fe
−Pt,Se−Fe−Ta,Se−Fe−Ti,Se−
Fe−V,Se−Fe−W,Se−Fe−Y,Se−F
e−Pb,Se−Zn−Si,Se−Zn−Ag,Se
−Zn−Al,Se−Zn−Ba,Se−Zn−Ca,
Se−Zn−Cd,Se−Zn−Co,Se−Zn−C
r,Se−Zn−Cu,Se−Zn−Mg,Se−Zn
−Mn,Se−Zn−Mo,Se−Zn−Ni,Se−
Zn−Pd,Se−Zn−Pt,Se−Zn−Ta,S
e−Zn−Ti,Se−Zn−V,Se−Zn−W,S
e−Zn−Y,Se−Zn−Pb,などに変更しても同
様の結果が得られた。
【0418】〔実施例21〕図7は、基板の表面に凹凸
のビットで情報が刻まれた再生専用のディスク状情報記
録媒体の断面を示す。
【0419】このディスク状媒体は、基板の表面にビッ
トが形成されていること、および記録膜をマスク層1
3,13’として用いた点が、実施例1のディスク状媒
体と異なっているのみであり、他の構成は同じである。
【0420】すなわち、表面に情報ビットを有するポリ
カーボネート基板11,11’の上に、膜厚約125n
mの(ZnS)80(SiO220膜よりなる保護層1
2,12’がそれぞれ形成され、保護層12,12’の
上には順に、平均膜厚3nmの島状のAg2Te膜(図
示せず)と、膜厚約30nmの((Ag2Te)30(S
80−Te2070すなわちAg20Te24Se56の組成の
マスク層13,13’と、膜厚約25nmの(ZnS)
80(SiO220膜よりなる中間層14,14’と、膜
厚80nmのAl97Ti3膜よりなる反射層15,1
5’が、それぞれ形成されている。反射層15,15’
同士は、塩化ビニル・酢酸ビニル系ホットメルト接着剤
層16によって貼り合わされている。読み出し用のレー
ザ光は、基板側から入射される。 マスク層13,1
3’の中には、実施例1と同様の形態(図1参照)で高
融点成分Ag2Teが析出しており、その残成分(図1
における相変化成分3aに相当するもの)は(Se80
Te20)である。
【0421】(高融点成分の他の例)マスク層13,1
3’中に析出した高融点成分としては、Ag2Te以外
に、実施例1および3で述べたものを用いることができ
る。島状のAg2Te膜の形成は省略してもよい。
【0422】(高融点成分析出後の残成分の他の例)高
融点成分以外の残成分であるSe80−Te20の一部また
は全部をSn,Pb,Sb,Bi,Te,Zn,Cd,
Se,In,Ga,S,Tl,Mg,Tl2Se,Tl
Se,Tl2Se3,Tl3Te2,TlTe,InBi,
In2Bi,TeBi,Tl−Se,Tl−Te,Pb
−Sn,Bi−Sn,Se−Te,S−Se,Bi−G
a,Sn−Zn,Ga−Sn,Ga−In,In3Se
Te2,AgInTe2,GeSb4Te7,Ge2Sb2
5,GeSb2Te4,GeB4Te7,GeBi2
4,Ge3Bi2Te6,Sn2Sb6Se11,Sn2Sb2
Se5,SnSb2Te4,Pb2Sb6Te11,CuAs
Se2,Cu3AsSe3,CuSbS2,CuSbS
2,InSe,Sb2Se3,Sb2Te3,Bi2
3,SnSb,FeTe,Fe2Te3,FeTe2,Z
nSb,Zn3Sb2,VTe2,V5Te8,AgIn2
BiSe,InSb,In2Te,In2Te5のうちの
少なくとも一者を主成分とする材料、あるいはそれに近
い組成の材料で置き換えても、近い特性が得られる。
【0423】この残成分は、融点が650゜C以下であ
る金属、化合物または合金が好ましい。
【0424】また、超解像読みだしにおいて、各層の膜
厚を変えれば、図14とは逆に光スポット内の斜線部以
外の領域だけをマスクすることもできる。
【0425】残成分の融点が250゜C以下の場合、高
融点成分の融点は450゜C以上であれば、これに近い
特性が得られる。
【0426】光スポット31の直径の約25%の長さの
記録マークが形成されている場合、レーザ光の照射の前
後におけるマスク層13,13’の消衰係数kの変化量
△k’が変化すると、105回読み出した後の再生信号
のC/Nは、次のように変化した。
【0427】 105回読み出し後の再生信号のC/N △k’= 5% 37dB △k’=10% 42dB △k’=20% 46dB △k’=30% 48dB この結果より、20%≦△k’の範囲が好ましいことが
分かった。
【0428】高融点成分の析出後の残成分の融点(m.
p.)が変化した場合、105回読み出した後の再生信
号のC/Nは、次のように変化した。
【0429】 105回読み出しの後の再生信号のC/N m.p.=100゜C 49dB m.p.=250゜C 48dB m.p.=400゜C 47dB m.p.=650゜C 46dB m.p.=700゜C 40dB m.p.=750゜C 33dB この結果より、高融点成分析出後の残成分の融点は、6
50゜C以下が好ましく、250゜C以下がより好まし
いことが分かった。
【0430】〔実施例22〕図9は、実施例1の相変化
型の情報記録媒体に実施例4と同様のマスク層を設ける
ことによって、情報の再生時に「超解像効果」を利用で
きるようにした情報記録媒体の一例である。
【0431】このディスク状媒体は、記録膜の構成が異
なる以外は実施例1の情報記録媒体と同じ構成を持つ。
すなわち、実施例1と同様のポリカーボネート基板1,
1’の上に、(ZnS)80(SiO220膜よりなる保
護層2,2’がそれぞれ形成され、保護層2,2’の上
には順に、記録膜3,3’と(ZnS)80(SiO2
20膜よりなる中間層4,4’とAl97Ti3膜よりなる
反射層5,5’とが、それぞれ形成されている。反射層
5,5’同士は、接着剤層6によって貼り合わされてい
る。
【0432】記録膜3’は、基板1’側から順に配置さ
れたマスク層、誘電体層および記録層から構成されてい
る。記録膜3も記録膜3’と同じ構成である。
【0433】マスク層は、実施例21と同じ((Ag2
Te)30(Se80−Te2070すなわちAg20Te24
56の組成を持ち、実施例21と同じマスク機能を有し
ている。誘電体層は(ZnS)80(SiO220膜によ
り形成されている。記録層としては、実施例1の記録膜
3,3’と同じものの他、任意の相変化型の記録層を使
用できる。
【0434】長さ0.4μmの記録マークを0.8μm
周期で形成した場合、得られた再生信号のC/Nは46
dB以上、消去比は25dB以上であった。
【0435】このマスク層は、この発明の情報記録用薄
膜以外の従来の相変化によって記録を行な情報記録媒体
や、光磁気ディスクなどの相変化以外の記録原理による
情報記録媒体においても同様な効果を持つ。
【0436】この実施例で述べていない点については、
実施例1と同様である。
【0437】〔実施例23〕この実施例のディスク状情
報記録媒体は、図示していないが、実施例1の図3に示
したのとほぼ同じ構成であり、実施例1のAl−Ti反
射層1,1’に代えて、記録膜3,3’のような高融点
成分を含む層を反射層として用いている点のみが異な
る。
【0438】反射層中の高融点成分については、実施例
1と同様である。
【0439】反射層中の高融点成分が析出した後の残成
分については、融点が650゜C以下である金属、化合
物または合金が好ましく、且つ、複素屈折率の実数部n
または虚数部(消衰係数)kがレーザ光の照射によって
20%以上変化し、また実数部nおよび虚数部kが高い
ときに反射率Rが60%以上となるのが好ましい。
【0440】反射層として、膜厚80nmの(LaB
i)30Bi70層を用いた場合、読み出し時の超解像効果
が得られ、長さ0.4μm の記録マークを0.8μm
周期で書いた場合、得られた再生信号のC/Nは46d
B以上、消去比は25dB以上であった。なお、(La
Bi)30Bi70層では、高融点成分はLaBiであり、
相変化成分はBiである。
【0441】超解像効果が得られる原理は、次の通りで
ある。図8に示すように、光スポット31内の高温領域
35では、反射層中の少なくとも相変化成分Biが融解
して、複素屈折率の実数部nまたは虚数部kの少なくと
も一方が低下するため、図8のマスクとして働く範囲3
3での反射光が弱くなる。このため、範囲33からの反
射光は、記録膜に対して読み取りのための充分なコント
ラストを提供できなくなる。
【0442】一方、結晶化した固体状態の低温領域で
は、高温領域に比べて複素屈折率の実数部nまたは虚数
部kの少なくとも一方が大きいため、読み取りのための
充分なコントラストを提供できる。
【0443】その結果、検出範囲34が図8のような三
日月形になり、光スポット31の直径以下の周期で高密
度記録された記録マーク32を確実に読み出すことが可
能となる。
【0444】各層の膜厚を変えれば、検出範囲34の大
きさを変えることもできる。
【0445】(残成分の他の例)高融点成分LaBiの
残成分であるBiの一部または全部をSn,Pb,S
b,Te,Zn,Cd,Se,In,Ga,S,Tl,
Mg,Tl2Se,TlSe,Tl2Se3,Tl3
2,TlTe,InBi,In2Bi,TeBi,Tl
−Se,Tl−Te,Pb−Sn,Bi−Sn,Se−
Te,S−Se,Bi−Ga,Sn−Zn,Ga−S
n,Ga−In,In3SeTe2,AgInTe2,G
eSb4Te7,Ge2Sb2Te5,GeSb2Te4,G
eBi4Te7,GeBi2Te4,Ge3Bi2Te6,S
2Sb6Se11,Sn2Sb2Se5,SnSb2Te4
Pb2Sb6Te11,CuAsSe2,Cu3AsSe3
CuSbS2,CuSbSe2,InSe,Sb2Se3
Sb2Te3,Bi2Te3,SnSb,FeTe,Fe2
Te3,FeTe2,ZnSb,Zn3Sb2,VTe2
5Te8,AgIn2,BiSe,InSb,In2
e,In2Te5,などのうちの少なくとも一つを主成分
とする材料で置き換えても、近い特性が得られる。
【0446】残成分の融点が350゜C以下の場合、高
融点化合物の融点は450゜C以上であれば、前記の場
合に近い特性が得られる。
【0447】(その他)この実施例の反射層は、本発明
の記録用薄膜を用いない従来の相変化によって記録を行
なう光記録媒体や、光磁気記録媒体などの他の記録原理
による媒体にも適用可能である。
【0448】ここで述べていない事項については、実施
例1と同様である。
【0449】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の情報記
録用薄膜および情報記録媒体によれば、良好な記録・再
生特性を保持しながら、従来より多数回の書き換えが可
能となる。
【0450】この発明の情報記録用薄膜の製造方法によ
れば、この発明の情報記録用薄膜および情報記録媒体が
容易に得られる。
【0451】以上説明したように、本発明によれば、多
数回の超解像読み出しが可能であり、超解像読み出し特
性がよい超解像読み出し用薄膜、情報記録媒体及び超解
像読み出し装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の情報記録媒体の実施例の記録用薄膜
の部分断面図で、(a)は粒状の高融点成分が析出した
もの、(b)は柱状の高融点成分が析出したもの、
(c)は多孔質の高融点成分が析出したものを示す。
【図2】この発明の情報記録媒体の実施例の部分断面図
で、(a)は(b)のD−D線に沿った断面図、(b)
はその情報記録媒体の部分断面図である。
【図3】この発明の情報記録媒体の実施例の全体断面図
である。
【図4】記録用薄膜中に析出した高融点成分の寸法の測
定法を説明する部分断面図で、(a)は粒状の高融点成
分について、(b)(c)は柱状の高融点成分について
示している。
【図5】この発明の情報記録媒体の実施例を示す、図2
(a)と同様の部分断面図である。
【図6】この発明の情報記録用薄膜の記録層の実施例の
三角相図である。
【図7】この発明の情報記録媒体の他の実施例の全体断
面図である。
【図8】超解像効果の原理を説明するための図である。
【図9】この発明の情報記録媒体のさらに他の実施例の
全体断面図である。
【図10】この発明の情報記録用薄膜の記録層の実施例
4の三角相図である。
【図11】この発明の情報記録用薄膜の記録層の実施例
5の三角相図である。
【図12】本発明による超解像読み出しディスクの断面
構造の一例を示す図。
【図13】超解像読み出し膜の膜厚と反射率の関係を示
す図。
【図14】超解像読み出し装置のブロック図。
【符号の説明】
1,1’…基板、2,2’…保護層、3,3’…記録
膜、3a…相変化成分、3b…高融点成分、4,4’…
中間層、5,5’…反射層、6…接着剤層、11,1
1’…基板、12,12’…保護層、13,13’…記
録膜、14,14’…中間層、15,15’…反射層、
16…接着剤層、32a,32b…記録マーク、33…
マスクとして働く範囲、34…検出範囲、35…高温領
域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/26 531 7215−5D

Claims (75)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に直接または保護層を介して形成さ
    れた、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配列
    変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜にお
    いて、 前記情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 SbxTeypqr (1) で表わされ、 前記AはGeおよびInからなる第1群から選ばれた少
    なくとも一つの元素、前記Bはランタノイド元素および
    Ag,Ba,Co,Cr,Ni,Pt,Si,Sr,A
    u,Cd,Cu,Li,Mo,Mn,Zn,Al,F
    e,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,Sn,Ti
    およびVからなる第2群から選ばれた少なくとも一つの
    元素、前記CはSb,Teおよび前記AおよびBで表わ
    される元素以外の少なくとも一つの元素を表わし、 前記x,y,p,qおよびrの単位はいずれも原子パー
    セントで、それぞれ2≦x≦41,25≦y≦75,
    0.1≦p≦60,3≦q≦40,0.1≦r≦30の
    範囲にあることを特徴とする情報記録用薄膜。
  2. 【請求項2】基板上に直接または保護層を介して形成さ
    れた、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配列
    変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜にお
    いて、 前記情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 SbxTeypq (2) で表わされ、 前記AはGeおよびInからなる第1群から選ばれた少
    なくとも一つの元素、前記Bはランタノイド元素および
    Ag,Ba,Co,Cr,Ni,Pt,Si,Sr,A
    u,Cd,Cu,Li,Mo,Mn,Zn,Al,F
    e,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,Sn,Ti
    およびVからなる第2群から選ばれた少なくとも一つの
    元素を表わし、 前記x,y,pおよびqの単位はいずれも原子パーセン
    トで、それぞれ2≦x≦41,25≦y≦75,0.1
    ≦p≦60,3≦q≦40の範囲にあることを特徴とす
    る情報記録用薄膜。
  3. 【請求項3】基板上に直接または保護層を介して形成さ
    れた、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配列
    変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜にお
    いて、 前記情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 SbxTeyqr (3) で表わされ、 前記Bはランタノイド元素およびAg,Ba,Co,C
    r,Ni,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Cu,L
    i,Mo,Mn,Zn,Al,Fe,Pb,Na,C
    s,Ga,Pd,Bi,Sn,TiおよびVからなる群
    から選ばれた少なくとも一つの元素、前記CはSb,T
    eおよび前記Bで表わされる元素以外の少なくとも一つ
    の元素を表わし、 前記x,y,pおよびqの単位はいずれも原子パーセン
    トで、それぞれ2≦x≦41,25≦y≦75,3≦q
    ≦40,0.1≦r≦30の範囲にあることを特徴とす
    る情報記録用薄膜。
  4. 【請求項4】基板上に直接または保護層を介して形成さ
    れた、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配列
    変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜にお
    いて、 前記情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 SbxTeyq (4) で表わされ、 前記Bはランタノイド元素およびAg,Ba,Co,C
    r,Ni,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Cu,L
    i,Mo,Mn,Zn,Al,Fe,Pb,Na,C
    s,Ga,Pd,Bi,Sn,TiおよびVからなる群
    から選ばれた少なくとも一つの元素を表わし、 前記x,yおよびqの単位はいずれも原子パーセント
    で、それぞれ2≦x≦41,25≦y≦75,3≦q≦
    40の範囲にあることを特徴とする情報記録用薄膜。
  5. 【請求項5】基板上に直接または保護層を介して形成さ
    れた、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配列
    変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜にお
    いて、 前記情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 (GeaSbbTec1-dd (5) で表わされ、 前記XはCrおよびAg,Ba,Co,Ni,Pt,S
    i,Sr,Au,Cd,Cu,Li,Mo,Mn,Z
    n,Al,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,B
    i,Sn,Ti,V,In,W,Znおよびランタノイ
    ド元素の少なくとも一つの元素を表わし、それぞれ前記
    a,b,cおよびdが、それぞれ0.02≦a≦0.1
    9,0.04≦b≦0.4,0.5≦c≦0.75,
    0.03≦d≦0.3,の範囲にあることを特徴とする
    情報記録用薄膜。
  6. 【請求項6】基板上に直接または保護層を介して形成さ
    れた、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配列
    変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜にお
    いて、 前記情報記録用薄膜の膜厚方向の平均組成が、一般式 (GeaSbbTec1-dd (5) で表わされ、 前記XはCrおよびAg,Ba,Co,Ni,Pt,S
    i,Sr,Au,Cd,Cu,Li,Mo,Mn,Z
    n,Al,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,B
    i,Sn,Ti,V,In,W,Znおよびランタノイ
    ド元素の少なくとも一つの元素を表わし、前記a,b,
    cおよびdが、それぞれ0.25≦a≦0.65,0≦
    b≦0.2,0.35≦c≦0.75,0.03≦d≦
    0.3の範囲にあることを特徴とする情報記録用薄膜。
  7. 【請求項7】前記BおよびXの少なくとも一方が膜厚方
    向において濃度勾配を有することを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の情報記録用薄膜。
  8. 【請求項8】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高い
    高融点成分からなる析出物を含んでおり、その析出物が
    前記BおよびXの少なくとも一方で表わされる元素を含
    んでいる請求項1〜6のいずれかに記載の情報記録用薄
    膜。
  9. 【請求項9】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高い
    高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分の
    少なくとも一部分が、当該薄膜の光入射側に非連続膜状
    に平均膜厚1〜10nmの範囲で存在することを特徴と
    する請求項1,2,5および6のいずれかに記載の情報
    記録用薄膜。
  10. 【請求項10】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    の構成元素の原子数の和が、当該薄膜の構成元素の全原
    子数の和に対して10〜50%の範囲にある請求項1,
    2,5および6のいずれかに記載の情報記録用薄膜。
  11. 【請求項11】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    含有量が膜厚方向において変化することを特徴とする請
    求項1,2,5および6のいずれかに記載の情報記録用
    薄膜。
  12. 【請求項12】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、当該薄膜の
    平均組成を、元素単体または化合物組成の低融点成分L
    と元素単体または化合物組成の高融点成分Hにより Ljk (6) の式で表した時、20≦k/(j+k)≦40
    (7)である組成を基準組成とし、上記情報記録用薄膜
    を構成する各元素の膜中での含有量は前記式で決まる値
    ±10原子%の範囲内にあることを特徴とする請求項
    1,2,5および6のいずれかに記載の情報記録用薄
    膜。
  13. 【請求項13】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    の融点が780゜C以上である請求項1,2,5および
    6のいずれかに記載の情報記録用薄膜。
  14. 【請求項14】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    の融点と当該薄膜の残成分の融点との差が150゜C以
    上である請求項1,2,5および6のいずれかに記載の
    情報記録用薄膜。
  15. 【請求項15】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    の析出物が、当該薄膜の内部に粒状または柱状に分布し
    ている請求項1,2,5および6のいずれかに記載の情
    報記録用薄膜。
  16. 【請求項16】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    の析出物の当該薄膜の膜面方向での最大外寸法が5nm
    以上、50nm以下である請求項1,2,5および6の
    いずれかに記載の情報記録用薄膜。
  17. 【請求項17】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    の析出物が、当該薄膜の両方の界面からその膜厚方向に
    柱状に延びており、析出物の膜厚方向の長さが5nm以
    上で、当該薄膜の膜厚の(1/2)以下である請求項
    1,2,5および6のいずれかに記載の情報記録用薄
    膜。
  18. 【請求項18】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    の析出物が、当該薄膜の一方の界面からその膜厚方向に
    柱状に延びており、前記析出物の膜厚方向の長さが10
    nm以上で、当該薄膜の膜厚以下である請求項1,2,
    5および6のいずれかに記載の情報記録用薄膜。
  19. 【請求項19】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    の析出物の膜厚方向の長さが10nm以上で、当該薄膜
    の膜厚以下である請求項1,2,5および6のいずれか
    に記載の情報記録用薄膜。
  20. 【請求項20】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、隣接する2
    つの前記高融点成分の析出物の中心間を結ぶ直線が、当
    該薄膜の膜面方向でそれら析出物の間の領域を通る長さ
    が20nm以上、90nm以下である請求項1,2,5
    および6のいずれかに記載の情報記録用薄膜。
  21. 【請求項21】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる多孔質の析出物を含んでおり、当
    該残成分が前記多孔質析出物の孔内に分布している請求
    項1,2,5および6のいずれかに記載の情報記録用薄
    膜。
  22. 【請求項22】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、高融点成分
    の多孔質状析出物の孔の当該薄膜の膜面方向での最大孔
    寸法が80nm以下であり、隣接する2つの前記孔の間
    の領域の当該薄膜の膜面方向での最大壁厚さが20nm
    以下である請求項1,2,5および6のいずれかに記載
    の情報記録用薄膜。
  23. 【請求項23】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、当該薄膜の
    残成分の融点が650゜C以下である請求項1,2,5
    および6のいずれかに記載の情報記録用薄膜。
  24. 【請求項24】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、当該薄膜の
    残成分の融点が250゜C以下である請求項1,2,5
    および6のいずれかに記載の情報記録用薄膜。
  25. 【請求項25】当該薄膜の残成分より相対的に融点が高
    い高融点成分からなる析出物を含んでおり、当該薄膜の
    複素屈折率の実数部および虚数部の少なくとも一方が、
    光の照射によって照射前のそれに対して20%以上変化
    する請求項1,2,5および6のいずれかに記載の情報
    記録用薄膜。
  26. 【請求項26】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜に
    おいて、当該薄膜の残成分より相対的に融点が高い高融
    点成分からなる析出物を含んでおり、その析出物が当該
    薄膜の残成分からなる領域内に分布していることを特徴
    とする情報記録用薄膜。
  27. 【請求項27】前記高融点成分の析出物の当該薄膜の膜
    面方向での最大外寸法が5nm以上、50nm以下であ
    る請求項26に記載の情報記録用薄膜。
  28. 【請求項28】前記高融点成分の析出物が、当該薄膜の
    両方の界面からその膜厚方向に柱状に延びており、前記
    析出物の膜厚方向の長さが5nm以上で、当該薄膜の膜
    厚の(1/2)以下である請求項26に記載の情報記録
    用薄膜。
  29. 【請求項29】前記高融点成分の析出物が、当該薄膜の
    一方の界面からその膜厚方向に柱状に延びており、前記
    析出物の膜厚方向の長さが10nm以上で、当該薄膜の
    膜厚以下である請求項26に記載の情報記録用薄膜。
  30. 【請求項30】前記高融点成分の析出物の膜厚方向の長
    さが10nm以上で、当該薄膜の膜厚以下である請求項
    26に記載の情報記録用薄膜。
  31. 【請求項31】隣接する2つの前記高融点成分の析出物
    の中心間を結ぶ直線が、当該薄膜の膜面方向でそれら析
    出物の間の領域を通る長さが20nm以上、90nm以
    下である請求項26に記載の情報記録用薄膜。
  32. 【請求項32】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜に
    おいて、 当該薄膜の残成分より相対的に融点が高い高融点成分か
    らなる多孔質の析出物を含んでおり、当該薄膜の残成分
    が前記多孔質析出物の孔内に分布していることを特徴と
    する情報記録用薄膜。
  33. 【請求項33】前記高融点成分の多孔質状析出物の孔の
    当該薄膜の膜面方向での最大内寸法が80nm以下であ
    り、隣接する2つの前記孔の間の領域の当該薄膜の膜面
    方向での最大壁厚さが20nm以下である請求項32に
    記載の情報記録用薄膜。
  34. 【請求項34】当該薄膜の残成分の融点が650゜C以
    下である請求項26または32に記載の情報記録用薄
    膜。
  35. 【請求項35】当該薄膜の残成分の融点が250゜C以
    下である請求項26または32に記載の情報記録用薄
    膜。
  36. 【請求項36】当該薄膜の複素屈折率の実数部および虚
    数部の少なくとも一方が、光の照射によって照射前のそ
    れに対して20%以上変化する請求項26または32に
    記載の情報記録用薄膜。
  37. 【請求項37】前記高融点成分の構成元素の原子数の和
    が、当該薄膜の全原子数の和に対して10〜50%の範
    囲にある請求項26または32に記載の情報記録用薄
    膜。
  38. 【請求項38】平均組成を、元素単体または化合物組成
    の低融点成分Lと元素単体または化合物組成の高融点成
    分Hにより Ljk (6) の式で表した時、20≦k/(j+k)≦40 (7)
    である組成を基準組成とし、上記情報記録用薄膜を構
    成する各元素の膜中での含有量は前記式で決まる値±1
    0原子%の範囲内にあることを特徴とする請求項26ま
    たは32に記載の情報記録用薄膜。
  39. 【請求項39】前記高融点成分の融点が780゜C以上
    である請求項26または32に記載の情報記録用薄膜。
  40. 【請求項40】前記高融点成分の融点と当該薄膜の残成
    分の融点との差が150゜C以上である請求項26また
    は32に記載の情報記録用薄膜。
  41. 【請求項41】前記BおよびXの少なくとも一方で表わ
    される元素がCrである請求項1,2,5および6のい
    ずれかに記載の情報記録用薄膜。
  42. 【請求項42】前記BおよびXの少なくとも一方で表わ
    される元素がMoおよびSi,Pt,Co,Mn,Wで
    ある請求項1,2,5および6のいずれかに記載の情報
    記録用薄膜。
  43. 【請求項43】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜の
    製造方法であって、 基板上に直接または保護層を介して薄膜を形成する工程
    と、 前記薄膜にエネルギービームを照射して前記薄膜中に高
    融点成分を生成または成長させる工程とを備えてなるこ
    とを特徴とする情報記録用薄膜の製造方法。
  44. 【請求項44】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜の
    製造方法であって、 基板上に直接または保護層を介して高融点成分の材料あ
    るいは高融点成分の組成に近い組成を持つ材料を被着さ
    せて島状の種結晶を形成する工程と、 前記種結晶の上に前記高融点成分と前記残成分とを含む
    材料を被着させ、前記高融点成分を選択的に前記種結晶
    上に成長させると共に、それら種結晶の間を埋めるよう
    に前記残成分を成長させる工程とを備えてなることを特
    徴とする情報記録用薄膜の製造方法。
  45. 【請求項45】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録または再生する情報記録用薄
    膜の製造方法であって、 基板上に直接または保護層を介して相変化成分と高融点
    成分より成る膜の形成時に高融点成分の含有量を膜厚方
    向に変化させる工程とを備えてることを特徴とする情報
    記録用薄膜の製造方法。
  46. 【請求項46】請求項1〜6,26および32のいずれ
    かに記載の情報記録用薄膜を記録層として備えた情報記
    録媒体。
  47. 【請求項47】請求項1〜6,26および32のいずれ
    かに記載の情報記録用薄膜を超解像読出し用のマスク層
    として備えた情報記録媒体。
  48. 【請求項48】請求項1〜6,26および32のいずれ
    かに記載の情報記録用薄膜を超解像読出し用の反射層と
    して備えた情報記録媒体。
  49. 【請求項49】前記高融点成分の析出後の前記残成分の
    融点が650゜C以下である請求項1〜6,26および
    32のいずれかに記載の情報記録用薄膜を備えた情報記
    録媒体。
  50. 【請求項50】前記反射層の反射率が60%以上である
    請求項1〜6,26および32のいずれかに記載の情報
    記録用薄膜を備えた情報記録媒体。
  51. 【請求項51】請求項1〜6,26および32のいずれ
    かに記載の情報記録用薄膜を記録層または超解像読出し
    用のマスク層として備え、かつ反射層側にSiを含む層
    と記録膜側にZnSを主成分とする層の2層構造の中間
    層を備えた情報記録媒体。
  52. 【請求項52】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録または再生する情報記録用薄
    膜を記録層または超解像読出し用のマスク層として備
    え、かつSi−Sn、Si−Ge,Si−In化合物の
    少なくとも1つ、またはこれに近い組成である反射層を
    備えた情報記録媒体。
  53. 【請求項53】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録または再生する情報記録用薄
    膜を記録層または超解像読出し用のマスク層として備
    え、かつ反射層の膜厚が、150nm以上300nm以
    下である特徴を持つ情報記録媒体。
  54. 【請求項54】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録または再生する情報記録用薄
    膜を記録層または超解像読出し用のマスク層として備
    え、かつ光入射側にSiO2層と記録膜側にZnS−S
    iO2層の2層構造の保護層を備えた情報記録媒体。
  55. 【請求項55】基板上に直接もしくは保護層を介して形
    成され読み出し用ビームの照射を受けて超解像効果を生
    ずる超解像読み出し用薄膜であって、少なくとも相変化
    成分及び該相変化成分より融点が高い高融点成分を含
    み、高融点成分は析出していることを特徴とする超解像
    読み出し用薄膜。
  56. 【請求項56】前記高融点成分は柱状または塊状析出物
    として析出していることを特徴とする請求項55記載の
    超解像読み出し用薄膜。
  57. 【請求項57】前記高融点成分は多孔質状析出物として
    析出していることを特徴とする請求項55記載の超解像
    読み出し用薄膜。
  58. 【請求項58】基板上に直接もしくは保護層を介して形
    成され読み出し用ビームの照射を受けて超解像効果を生
    ずる超解像読み出し用薄膜であって、平均組成が一般式 Defg で表され、前記DはSn,Pb,Bi,Zn,Ga,I
    nから選ばれた少なくとも1つの元素、前記EはAs,
    B,C,N,O,S,Se,Si,Te,Ag,Al,
    Au,Ba,Be,Ca,Cd,Co,Cr,Cs,C
    u,Fe,Ge,Hf,Hg,Ir,K,Li,Mg,
    Mn,Mo,Na,Nb,Ni,Os,Pd,Pt,R
    b,Re,Rh,Ru,Sb,Sc,Sr,Ta,T
    i,V,W,Y,Zrより成る群より選ばれた少なくと
    も1つの元素、前記Fは前記D及び前記Eで表される以
    外の少なくとも1つの元素を表し、前記e,f及びgの
    単位はいずれも原子パーセントで、それぞれ30≦e≦
    95、5≦f≦50、0≦g≦20の範囲にあることを
    特徴とする請求項55記載の超解像読み出し用薄膜。
  59. 【請求項59】平均組成を、元素単体または化合物組成
    の低融点成分Lと元素単体または化合物組成の高融点成
    分Hにより Ljk (6) の式で表した時、20≦k/(j+k)≦40 (7)
    である組成を基準組成とし、各元素の膜中での含有量
    は前記式で決まる値±10原子%の範囲内にあることを
    特徴とする請求項55に記載の超解像読み出し用薄膜。
  60. 【請求項60】低融点成分と高融点成分がいずれも金属
    または半金属元素を50原子%以上含むことを特徴とす
    る請求項55に記載の超解像読み出し用薄膜。
  61. 【請求項61】凹凸によって情報が記録された透明基板
    上に請求項55に記載された超解像読み出し用薄膜を設
    け、その上に反射層を設けたことを特徴とする情報記録
    媒体。
  62. 【請求項62】凹凸によって情報が記録された透明基板
    と請求項55に記載された超解像読み出し用薄膜の間に
    保護層が設けられていることを特徴とする情報記録媒
    体。
  63. 【請求項63】請求項55に記載された超解像読み出し
    用薄膜と反射層の間に中間層が設けられていることを特
    徴とする情報記録媒体。
  64. 【請求項64】透明基板上に請求項55に記載された超
    解像読み出し用薄膜を設け、その上に情報記録膜を設
    け、さらにその上に反射層を設けたことを特徴とする情
    報記録媒体。
  65. 【請求項65】透明基板と請求項55に記載された超解
    像読み出し用薄膜の間に保護層が設けられていることを
    特徴とする情報記録媒体。
  66. 【請求項66】請求項55に記載された超解像読み出し
    用薄膜と情報記録膜の間、及び情報記録膜と反射層の間
    の少なくとも一方に中間層が設けられていることを特徴
    とする情報記録媒体。
  67. 【請求項67】請求項55に記載された超解像読み出し
    用薄膜を備えた情報記録媒体と、前記情報記録媒体にレ
    ーザ光を照射して反射光を検出する光ヘッドとを備える
    超解像読み出し用装置において、超解像読み出し時の反
    射光の強度分布の乱れを検出する手段と、上記乱れの大
    きさに応じてレーザパワーを調節する手段を有すること
    を特徴とする超解像読み出し用装置。
  68. 【請求項68】請求項55に記載の超解像読み出し用薄
    膜を備えた情報記録媒体と、前記情報記録媒体にレーザ
    光を照射して反射光を検出する光ヘッドとを備える超解
    像読み出し用装置において、 前記レーザ光はパルス光であり、レーザパルスの周期
    T、線速v、スポット径(λ/NA)、パルス幅xの関
    係が 0.4λ/NA≦vT≦1.5λ/NA (9) かつ、 0.3≦x/T≦0.5 (10) を満たすことを特徴とする超解像読み出し用装置。
  69. 【請求項69】請求項55に記載の超解像読み出し用薄
    膜を備えた情報記録媒体と、前記情報記録媒体にレーザ
    光を照射して反射光を検出する光ヘッドとを備える超解
    像読み出し用装置において、レーザ光の出力を超解像読
    み出し用薄膜の最高温度となる領域でも膜全体は融解し
    ない出力に設定する手段を有することを特徴とする超解
    像読み出し用装置。
  70. 【請求項70】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜に
    おいて、当該薄膜を有する情報記録用媒体を用いる情報
    の記録再生装置または媒体初期結晶化用装置においてレ
    ーザ光を繰り返し照射することにより、当該薄膜の残成
    分より相対的に融点が高い高融点成分が析出し、その析
    出物が当該薄膜の残成分からなる領域内に分布すること
    を特徴とする情報記録用薄膜。
  71. 【請求項71】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録・再生する情報記録用薄膜を
    有する情報記録用媒体を用いる情報の記録再生方法また
    は媒体初期結晶化用方法においてレーザ光を繰り返し照
    射することにより、当該薄膜の残成分より相対的に融点
    が高い高融点成分が析出し、その析出物が当該薄膜の残
    成分からなる領域内に分布させることを特徴とする情報
    の記録再生方法。
  72. 【請求項72】当該薄膜において、当該薄膜を有する情
    報記録用媒体を用いる情報の記録再生装置または媒体初
    期結晶化用装置においてレーザ光を繰り返し照射するこ
    とにより、当該薄膜の残成分より相対的に融点が高い高
    融点成分が析出し、その析出物が当該薄膜の残成分から
    なる領域内に分布し、その析出物が前記BおよびXの少
    なくとも一方で表わされる元素を含むことを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の情報記録用薄膜。
  73. 【請求項73】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録・再生する情報記録用媒体の
    製造方法であって、基板上に保護層、記録膜または超解
    像読みだし膜、中間層、反射層を形成する工程と、これ
    に別の基板または同様にして前記各層を形成した別の基
    板を貼り合わせる工程と前記媒体にエネルギービームを
    照射して前記薄膜中に高融点成分を生成または成長させ
    る工程とを備えてなることを特徴とする情報記録用媒体
    の製造方法。
  74. 【請求項74】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録・再生する情報記録用媒体の
    製造方法であって、基板上に保護層を形成する工程と高
    融点成分の材料あるいは高融点成分の組成に近い組成を
    持つ材料を被着させて島状の種結晶を形成する工程と、
    前記種結晶の上に前記高融点成分と前記残成分とを含む
    材料を被着させ、前記高融点成分を選択的に前記種結晶
    上に成長させると共に、それら種結晶の間を埋めるよう
    に前記残成分を成長させる工程と中間層、反射層を形成
    する工程と、これに別の基板または同様にして前記各層
    を形成した別の基板を貼り合わせる工程と備えてなるこ
    とを特徴とする情報記録用媒体の製造方法。
  75. 【請求項75】基板上に直接または保護層を介して形成
    された、エネルギービームの照射を受けて生じる原子配
    列変化によって情報を記録または再生する情報記録用媒
    体の製造方法であって、基板上に保護層を形成する工程
    と、相変化成分と高融点成分より成る膜の形成を行ない
    つつ高融点成分の含有量を膜厚方向に変化させる工程
    と、中間層、反射層を形成する工程と、これに別の基板
    または同様にして前記各層を形成した別の基板を貼り合
    わせる工程を備えてることを特徴とする情報記録用媒体
    の製造方法。
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