JPH07219601A - 調節装置 - Google Patents

調節装置

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JPH07219601A
JPH07219601A JP1103094A JP1103094A JPH07219601A JP H07219601 A JPH07219601 A JP H07219601A JP 1103094 A JP1103094 A JP 1103094A JP 1103094 A JP1103094 A JP 1103094A JP H07219601 A JPH07219601 A JP H07219601A
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Japan
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correction
adjustment calculation
coefficient
control deviation
integral
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JP1103094A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hiroi
和男 広井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、積分動作によるリセットワインド
アップを防止し、応答のオーバーシュートやハンチング
現象をなくし、制御性を改善することにある。 【構成】 制御対象2からの制御量とこの制御量の目標
値との制御偏差を零とするようなPI調節演算を行うP
I調節演算手段4,5と、制御量の変化分に応じて修正
係数を可変する積分修正係数演算手段14と、無修正係
数を設定する無修正係数設定手段15と、前記制御偏差
から積分修正の必要性を判断する積分修正判断手段6
と、この積分修正判断手段が積分修正の必要性有りと判
断したとき前記積分修正係数演算手段で得られる修正係
数を用いて前記I調節演算手段5の速度形調節演算信号
を修正し、積分修正判断手段が積分修正の必要性なしと
判断したとき前記無修正係数設定手段の無修正係数を用
いてI調節演算手段の速度形調節演算信号を無修正とす
る修正係数選択手段16とを設けた調節装置

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPIまたはPID(P:
比例,I:積分,D:微分)調節装置に係わり、特に積
分時間を修正する機能をもった調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のPIまたはPID調節装置は、
制御の有史以来あらゆる産業分野で多用されており、も
はや各産業分野の制御システムではPIまたはPID調
節装置無しには成り立たなくなってきている。
【0003】従来の調節装置では、種々の調節演算方式
が採用されているが、時代の推移とともにアナログ調節
演算方式からディジタル調節演算方式に移行しており、
今後もその傾向は変りそうもなく、プラント運転制御シ
ステムの基盤をなしている。
【0004】このPI調節演算の基本式は下記式で表さ
れる。 MV(S) =Kp {1+(1/TI ・s)+ (TD ・s)/(1+η・TD ・s)}・E(s) …(1) 但し、MV(s) :操作信号、E(s) :偏差信号(制御偏
差)、Kp :比例ゲイン、TI :積分時間、TD :微分
時間、s:ラプラス演算子、1/η:微分ゲインであ
る。
【0005】この(1)式を速度形演算の式になおす
と、(2)式のようになる。なお、微分調節演算動作に
ついては必要に応じて付加するので、以下の説明ではD
調節演算動作を省略し、専らPI調節演算動作について
説明する。
【0006】 △MVn =KP {(en −en-1 )+(△t/TI )・en } …(2) MVn =MVn-1 +△MVn …(3) 上式において△MVn :操作信号の変化分、MVn :今
回の操作信号、MVn-1 :前回の操作信号、en :今回
制御偏差、en-1 :前回制御偏差、△t:制御間隔であ
る。
【0007】従って、以上の説明から明らかなように、
PID調節装置は、制御偏差に対してPID調節演算を
実行し、得られた調節演算信号を操作信号として制御対
象に印加し、制御偏差が零となるように制御する。
【0008】ところで、このようなPID調節演算動作
におけるPID各項は図7に示すような特質をもってい
る。この図から明らかなように、P調節演算動作は現在
の制御偏差の大きさに比例する信号を出力するものであ
り、制御偏差e=0のときにはP調節演算動作出力(K
P ・e)=0となり、一方、D調節演算動作は制御偏差
の変化率に比例する信号を出力するものであり、制御偏
差が不変時つまり制御偏差が一定のときにはD調節演算
動作出力(KP ・TD ・(de/dt)}=0となり、
PとD調節演算動作は共に零という基準点をもってい
る。
【0009】しかし、I調節演算動作は、過去の制御偏
差の累積値に比例する信号を出力するもので、P調節演
算動作やD調節演算動作のように制御偏差が特定の値の
ときに特定値をとるという基準をもっておらず、不定位
である。
【0010】以上の説明から言えることは、例えば目標
値SVが変化したとき、当該目標値SVに制御量PVが
追従していくと、制御偏差e=SV−PVが零になる
と、P調節演算動作およびD調節演算動作も零となる
が、I調節演算動作は過去の制御偏差の積分値に比例す
る信号であるので、制御偏差eの極性が変わるまで一方
の方向に増減することになる。そこで、積分時間TI
大きさによっては過蓄積,つまりリセットワインドアッ
プが発生し、制御偏差の極性が変わってから過蓄積分を
切り崩すことになり、制御量PVのオーバーシュートや
ハンチングを引き起こし、制御性を劣化させる。とりわ
け、むだ時間が大きくなればなるほど、以上の現象が激
しくなる。
【0011】図8は前記(2)式,(3)式で表す速度
形演算式を用いた従来のPI調節装置の機能構成を示す
図である。同図において目標値SVn と制御量検出手段
51によって検出される制御量PVn とを偏差演算手段
52に導き、制御偏差en =SVn −PVn を求めて速
度形比例調節演算手段53および速度形積分調節演算手
段54に供給する。ここで、速度形比例調節演算手段5
3では△Pn =en −en-1 なる調節演算を行い、一
方、速度形積分調節演算手段54では△In =(△t/
I )・en なる調節演算を行い、各調節演算出力△P
n および△In を加算手段55に供給する。
【0012】この加算手段55では(△Pn +△In
なる加算演算を行った後、比例ゲイン手段56にて加算
演算出力(△Pn +△In )に比例ゲインKP を乗じて
速度形信号△MVn を得た後、速度形/位置形信号変換
手段57に印加し、 MVn =MVn-1 +△MVn なる演算処理を実行して位置形信号に変換する。そし
て、速度形/位置形信号変換手段57によって得られた
位置形信号を制御対象58に印加し、制御量検出手段5
1からの制御量PVn と目標値SVn とが等しくなるよ
うに,つまり制御偏差en =SVn −PVn が零となる
ように制御している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
なPID調節装置は、PIDの各項に特質があり、その
うちI調節演算動作は、その本質から他項と異なり制御
偏差en が特定値のとき決まった特定の値を取るという
こと、つまり基準値に戻ることはなく、全く不定位の状
態となる。
【0014】その結果、I調節演算動作は、以上のよう
な特質をもつ結果、PIDのフィードバック制御系では
制御偏差が零になるまで積分調節演算動作を続行するこ
とになり、オフセット(定常偏差)がなくなるという優
れた機能を有する一方、制御偏差en が小さい時の制御
性が最適となるように積分時間を設定すると、逆に制御
偏差en が大きく、かつ、むだ時間が大きくなればなる
ほど、リセットワインドアップ(過積分)が発生し、応
答が大きくなってオーバーシュートやハンチング現象が
生じ、制御性が低下するという問題がある。
【0015】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、積分調節演算動作の続行によって生ずるリセットワ
インドアップを防止する調節装置を提供することを目的
とする。また、本発明の他の目的は、オーバーシュート
やハンチング現象をなくし、制御性の向上を図る調節装
置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、制御対象からの制御量
とこの制御量の目標値との制御偏差を零とするようなP
IまたはPID調節演算を行うPIまたはPID調節演
算手段を設け、少くともI調節演算手段は速度形調節演
算を行った後、位置形信号に変換し、他の調節演算手段
からの調節演算信号と加算し操作信号として前記制御対
象に印加する調節装置において、前記制御量の変化分に
応じて修正係数を可変する積分修正係数演算手段と、無
修正係数を設定する無修正係数設定手段と、前記制御偏
差から積分修正の必要性を判断する積分修正判断手段
と、この積分修正判断手段が積分修正の必要性有りと判
断したとき前記積分修正係数演算手段で得られる修正係
数を用いて前記I調節演算手段の速度形調節演算信号を
修正し、前記積分修正判断手段が積分修正の必要性なし
と判断したとき前記無修正係数設定手段の無修正係数を
用いて前記I調節演算手段の速度形調節演算信号を無修
正とする修正係数選択手段とを設けた調節装置である。
【0017】請求項2に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と構成要件を同じにするが、特に異なる部分
は積分修正係数演算手段の入力となる制御量の変化分に
代えて制御偏差の変化分を用い、この制御偏差の変化分
に応じて修正係数を可変する構成である。
【0018】請求項3に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と構成要件を同じにするが、特に異なる部分
は積分時間修正係数演算手段の入力となる制御量の変化
分に代えて制御偏差を用い、この制御偏差に応じて修正
係数を可変する構成である。
【0019】次に、請求項4,5に対応する発明は、請
求項1ないし請求項3に対応する発明の構成要素である
積分修正判断手段として、今回制御偏差の絶対値と前回
制御偏差の絶対値とを比較し、今回制御偏差が収束方向
のとき積分修正の必要性有りと判断し、今回制御偏差が
拡大方向のとき積分修正の必要性なしと判断する方向判
断手段を設けるか、或いは今回制御偏差の絶対値と前回
制御偏差の絶対値とを比較し、今回制御偏差が収束方向
のとき積分修正の必要性有りと判断し、今回制御偏差が
拡大方向のとき積分修正の必要性なしと判断する方向判
断手段と、今回制御偏差と前回制御偏差との乗算値から
当該今回制御偏差が前記目標値を越えて変化したかを判
断し、越えたときには前記方向判断手段の出力に優先し
て前記無修正係数設定手段の無修正係数を用いてI調節
演算手段の速度形調節演算信号を無修正とする偏差状態
変化判断手段とを設けた構成である。
【0020】
【作用】従って、請求項1に対応する発明は、以上のよ
うな手段を講じたことにより、制御対象からの制御量と
目標値との制御偏差に基づいて少なくとも速度形I調節
演算を含むPIまたはPID調節演算を実行し、制御対
象に印加する操作信号を得るものであるが、このとき積
分修正判断手段では制御偏差から積分修正の必要が有る
と判断したとき、修正係数選択手段では積分時間修正係
数演算手段から出力する修正係数を選択し、前記I調節
演算手段の速度形調節演算信号に乗じて積分時間を修正
し、これにより応答の変化率が大きい時や偏差が大きい
時に積分調節演算出力が小さくなり、応答の変化率や偏
差が徐々に小さくなるに従って本来の積分調節演算出力
に近ずけ、一方、積分修正の必要がなしと判断したと
き、修正係数選択手段では無修正係数設定手段から出力
される修正係数1を選択し、前記I調節演算手段の速度
形調節演算信号に乗じて積分時間を無修正とすることに
より、リセットワインドアップを防止し、応答のオーバ
ーシュートやハンチング現象を抑制し、制御性を改善で
きる。
【0021】次に、請求項2,3に対応する発明は、積
分修正係数演算手段によって取り込む制御量の変化分に
代えて制御偏差の変化分または制御偏差を用いるもので
あり、その他の作用は請求項1に対応する発明と同様で
ある。
【0022】さらに、請求項4に対応する発明は、積分
修正判断手段として、今回制御偏差の絶対値と前回制御
偏差の絶対値とを比較し、制御偏差が収束方向のときに
積分修正の必要性有りと判断し、積分修正係数演算手段
から出力する修正係数を選択しI調節演算手段の出力を
修正するので、応答の変化率が大きい時や偏差が大きい
時に積分調節演算出力を小さくなり、過積分を抑制する
ことができ、一方、制御偏差が拡大方向のとき積分修正
の必要性なしと判断したとき、無修正係数設定手段の無
修正係数を選択し、I調節演算手段による本来のI調節
演算を実行するので、制御量が速かに目標値に整定し、
オーバーシュートやハンチング現象をなくすことができ
る。
【0023】さらに、請求項5に対応する発明は、積分
修正判断手段を構成する方向判断手段が今回制御偏差の
絶対値と前回制御偏差の絶対値とを比較し、前記制御偏
差が収束方向のとき積分修正の必要性有りと判断し、ま
た制御偏差が拡大方向のとき積分修正の必要性なしと判
断し、積分修正係数演算手段の出力である修正係数また
は無修正係数設定手段の出力である無修正係数を選択す
るが、特に偏差状態変化判断手段において今回制御偏差
と前回制御偏差との乗算値から当該今回制御偏差が前記
目標値を越えて変化したとき、前記方向判断手段の出力
に優先して無修正係数設定手段の無修正係数を選択し、
速かに本来の積分調節演算出力を用いて制御対象を制御
するので、リセットワインドアップを防止でき、応答の
オーバーシュートやハンチング現象を抑制でき、制御性
を改善できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す機能構
成図である。同図において1は目標値SVn と制御対象
2側に設置する制御量検出手段3からの制御量PVn
の偏差en ,つまり制御偏差を求める偏差演算手段であ
って、ここで得られた制御偏差en は速度形比例調節演
算手段4、速度形積分調節演算手段5および積分修正判
断手段6にそれぞれ供給される。この速度形比例調節演
算手段4は、今回制御偏差en と前回制御偏差en-1
を用いて △Pn =en −en-1 …(4) なる演算を行い、比例調節演算信号△Pn を出力する。
前記速度形積分調節演算手段5は、 △In =(△t/TI )・en …(5) なる演算を行い、積分調節演算信号△In を出力する。
但し、(5)式において△tは制御間隔、TI は積分時
間である。また、積分修正判断手段6は、制御偏差から
積分修正の必要性を判断するもので、具体的には図2ま
たは図3に示すような構成となっている。この積分修正
判断手段6の具体的構成は後記する。
【0025】7は加算手段であり、速度形比例調節演算
手段4の比例調節演算信号△Pn と速度形積分調節演算
手段5の積分調節演算信号△In とを加算し、比例ゲイ
ン手段8に送出する。この比例ゲイン手段8は、加算手
段7の出力に比例ゲインKPを乗算して速度形信号△M
n を得た後、速度形/位置形信号変換手段9に導入
し、ここで位置形信号に変換し操作信号MVn として制
御対象2に印加する。
【0026】さらに、この調節装置は、今回制御量PV
n と前回制御量PVn-1 との差分△PVn を演算する差
分演算手段11、この差分演算手段11の出力を自乗す
る自乗演算手段12、この自乗演算手段12の出力△P
n 2 と定数Cとから修正係数δ=C/(C+△PVn
2 )を求める修正係数演算手段13等よりなり、制御量
の変化分に応じて修正係数を可変する積分修正係数演算
手段14と、無修正係数1を設定する無修正係数設定手
段15と、積分修正判断手段6の出力に応じて積分修正
係数演算手段14からの修正係数と無修正係数設定手段
15からの修正係数の何れかを選択する修正係数選択手
段16と、この修正係数選択手段16によって選択した
修正係数を前記速度形積分調節演算手段の出力に乗算し
て積分修正を行う積分動作修正手段17とが設けられて
いる。
【0027】すなわち、積分修正判断手段6は、積分修
正の必要性が有ると判断したとき積分修正係数演算手段
14で得られる修正係数を前記I調節演算手段5の速度
形調節演算信号に乗算して積分修正を行う。また、積分
修正判断手段6は、積分修正の必要性なしと判断したと
き無修正係数設定手段15による無修正係数1をI調節
演算手段5の速度形調節演算信号に乗じて無修正とする
ものである。
【0028】前記積分修正判断手段6は、具体的には図
2に示すように制御偏差en を遅らせて前回制御偏差e
n-1 を取り出す遅れ手段21と、今回制御偏差en およ
び前回制御偏差en-1 の絶対値を取り出す絶対値手段2
2と、今回制御偏差の絶対値と前回制御偏差の絶対値と
を比較し、制御偏差が収束方向か拡大方向かを判断する
比較判断手段23とを有し、この比較判断手段23にて
今回制御偏差の絶対値が小さいとき制御偏差が収束方向
と判断し修正係数選択手段16にてc−b側を選択し最
適な修正係数を出力し、一方、今回制御偏差の絶対値が
大きいとき制御偏差が拡大方向であると判断し修正係数
選択手段16にてc−a側を選択し無修正係数1を取り
込んで速度形積分調節演算手段5の積分調節演算信号に
乗じ、速度形積分調節演算手段5の出力をそのまま生か
すものである。
【0029】また、別の積分修正判断手段6としては、
図3に示すように遅れ手段21、絶対値手段22、比較
判断手段23等をもつ方向判断手段の他、偏差状態変化
判断手段24が設けられている。この偏差状態変化判断
手段24は、遅れ手段21から得られる前回制御偏差e
n-1 と今回制御偏差en とを乗算する乗算手段24a
と、この乗算手段24aから得られる乗算値en-1 ・e
n が零よりも大きいか或いは等しいか,つまり零よりも
大きいときには同符号であり、零よりも小さいときには
制御量が目標値を跨いだ状態では異符号となるので、こ
れらの符号から制御量が目標値を跨いだ状態を判断する
符号判別手段24bと、この符号判別手段24bの出力
を反転する反転手段24cとによって構成されている。
【0030】その他、積分修正判断手段6には、両手段
23,24bの出力を取り込んで論理積演算を行う論理
積手段25、両手段24c,25の出力を取り込んで論
理和演算を行う論理和手段26が設けられている。
【0031】次に、以上のように構成された装置の動作
について説明する。なお、ここでは、PI制御系の一般
的な動作は省略し、本発明装置の特長的構成部分の動作
について説明する。
【0032】先ず、制御量検出手段3によって検出され
た制御量PVn は偏差演算手段1の他、積分修正係数演
算手段14に送出される。ここで、積分修正係数演算手
段14の一部を構成する差分演算手段11では今回制御
量PVn と前回制御量PVn-1 とから、 △PVn =PVn −PVn-1 …(6) なる演算を行って制御量の差分ないし制御量の変化分△
PVn を求めた後、この制御量の変化分△PVn を自乗
演算手段12に導き、ここで自乗演算を行って△PVn
2 を求める。さらに、修正係数演算手段13において制
御量の変化分の自乗値△PVn 2 と定数Cとを用いて、 δ=C/(C+△PVn 2 ) …(7) なる演算を行って修正係数δを求める。
【0033】従って、前記(7)式から明らかなよう
に、制御量の変化分△PVn が大きいとき修正係数δが
小さくなり、逆に制御量の変化分△PVn が小さくなる
と修正係数δが大きくなる。因みに、図4は定数Cを変
えたときの制御量の変化分△PVn と修正係数δとの関
係を示す図である。
【0034】このとき、積分修正判断手段6は、積分調
節演算出力の修正を行うか否かを判断するものである
が、図2に示すように今回制御偏差en と遅れ手段21
からの前回制御偏差en-1 とを絶対値手段22に導き、
それぞれ絶対値|en |,|en-1 |を求めた後、比較
判断手段23にて2つの絶対値|en |,|en-1 |ど
うしの大小関係を調べる。ここで、|en |<|en-1
|のとき、つまり今回制御偏差en が小さいとき、制御
偏差en が収束方向にあると判断して“0”信号を出力
し、修正係数選択手段16を図示するように修正係数演
算手段13側に接続し、制御量の変化分△PVn によっ
て変化する修正係数δ(α)を出力し、I調節演算出力
を修正する。これは、I調節演算出力に1以下の修正係
数δ(α)を乗算し、適切なI調節演算動作を行うもの
である。
【0035】一方、|en |<|en-1 |のとき、つま
り今回制御偏差en が大きいとき、制御偏差en が拡大
方向にあると判断して“1”を出力し、修正係数選択手
段16にて無修正係数設定手段15側に接続し、修正係
数1(α)を出力することによりI調節演算出力を修正
せずに本来のI調節演算動作を実行する。
【0036】その結果、制御偏差が収束方向のとき最適
なI調節演算によってリセットワインドアップを防止で
き、制御偏差が拡大方向のときI調節演算の積分時間を
大きくして積分の機能を発揮させることにより、オーバ
ーシュートやハンチング現象をなくし、制御性を改善で
きる。
【0037】さらに、別構成の積分修正判断手段6にお
いては、図3に示すように今回制御偏差en と遅れ手段
21からの前回制御偏差en-1 とを乗算手段24aに導
入し、ここでen ・en-1 を求めた後、符号判別手段2
4bにてen ・en-1 の符号から制御偏差en が目標値
ラインを越えたか否かを調べる。つまり、en ・en-1
≧0のとき、同符号と判断して符号判別手段24bから
“1”信号を出力し、en ・en-1 <0のとき、異符号
と判断して符号判別手段24bから“0”信号を出力す
る。
【0038】その結果、en ・en-1 <0のとき、符号
判別手段24bの出力“0”、反転手段24cの出力
“1”となり、論理和手段26から“1”が出て、修正
係数選択手段16が無修正係数設定手段15の無修正係
数1を取り込んで出力する。
【0039】一方、絶対値手段22および比較判断手段
23では、|en |≧|en-1 |のとき当該手段23か
ら“1”を出力し、|en |<|en-1 |のとき当該手
段23から“0”を出力する。従って、図3の積分修正
判断手段6では、次のような動作を行う。
【0040】イ.制御偏差が拡大(増加)方向のとき、
つまり en ・en-1 >0でかつ|en |≧|en-1 |のとき … 1 ロ.制御偏差が収束方向のとき、つまり en ・en-1 >0でかつ|en |<|en-1 |のとき … δ ハ.前回制御偏差と今回制御偏差の極性が異なるとき、
つまり en ・en-1 <0 … 1 となる。
【0041】従って、以上のような実施例の構成によれ
ば、制御偏差が収束方向にあるか或いは拡大方向にある
かに応じて、I調節演算出力に1以下の修正係数を乗算
し、或いは無修正により本来のI調節演算出力を出し、
最適な積分調節演算動作を実行するので、偏差が大き
く、かつ、むだ時間が大きくても過積分となることがな
く、リセットワインドアップを防止でき、これによって
応答が大きくオーバーシュートやハンチング現象をなく
すことができる。
【0042】しかも、制御量が目標値を越えたとき、直
ちにI調節演算出力を無修正とするので、本来のI調節
演算動作が収束方向に働き、速かに目標値に整定でき
る。次に、本発明装置の第2の実施例について図5を参
照して説明する。
【0043】この第2の実施例は、積分修正係数演算手
段14の入力信号として、制御量の変化分△PVn に代
えて速度形比例調節演算手段4から制御偏差の変化分△
nを取り込み、或いは偏差演算手段1から制御偏差en
を直接取り込んで差分演算によって制御偏差の変化分
△en を求めた後、この制御偏差の変化分△en を自乗
演算手段12に導入する構成であり、その他の構成は第
1の実施例と同様であるので省略する。
【0044】本実施例の動作は、制御偏差の変化分△e
n を取り扱って修正係数δを求める点を除けば、第1の
実施例と同様であるので省略する。さらに、本発明装置
の第3の実施例について図6を参照して説明する。
【0045】この第3の実施例は、積分修正係数演算手
段14の入力信号として、制御量の変化分△PVn に代
えて制御偏差en を取り込んで自乗演算手段12に導入
する構成であり、その他の構成は第1の実施例と同様で
あるので省略する。
【0046】本実施例の動作は、制御偏差en を取り扱
って修正係数δを求める点を除けば、第1の実施例と同
様であるので省略する。その他、本発明はその要旨を逸
脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、制
御偏差が収束方向か拡大方向かに応じてI調節演算出力
を修正することにより、積分調節演算動作を続行させて
もリセットワインドアップを防止でき、これに伴って応
答のオーバーシュートやハンチング現象をなくすことが
でき、制御性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる調節装置の第1の実施例を示す
機能構成図。
【図2】積分修正判断手段の一具体例を示す構成図。
【図3】積分修正判断手段のもう1つ具体例を示す構成
図。
【図4】制御量の変化に対する修正係数の決定の仕方を
示す図。
【図5】本発明に係わる調節装置の第2の実施例を示す
機能構成図。
【図6】本発明に係わる調節装置の第3の実施例を示す
機能構成図。
【図7】PID各項の特質を説明する図。
【図8】従来のPI調節装置の構成を示す図。
【符号の説明】
1…偏差演算手段、2…制御対象、4…速度形比例調節
演算手段、5…速度形積分調節演算手段、6…積分修正
判断手段、14…積分修正係数演算手段、15…無修正
係数設定手段、16…修正係数選択手段、17…積分動
作修正手段、24…偏差状態変化判断手段。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象からの制御量とこの制御量の目
    標値との制御偏差を零とするようなPIまたはPID
    (P:比例,I:積分,D:微分)調節演算を行うPI
    またはPID調節演算手段を設け、少くともI調節演算
    手段は速度形調節演算を行った後、位置形信号に変換
    し、他の調節演算手段からの調節演算信号と加算し操作
    信号として前記制御対象に印加する調節装置において、 前記制御量の変化分に応じて修正係数を可変する積分修
    正係数演算手段と、無修正係数を設定する無修正係数設
    定手段と、前記制御偏差から積分修正の必要性を判断す
    る積分修正判断手段と、この積分修正判断手段が積分修
    正の必要性有りと判断したとき前記積分修正係数演算手
    段で得られる修正係数を用いて前記I調節演算手段の速
    度形調節演算信号を修正し、前記積分修正判断手段が積
    分修正の必要性なしと判断したとき前記無修正係数設定
    手段の無修正係数を用いて前記I調節演算手段の速度形
    調節演算信号を無修正とする修正係数選択手段とを備え
    たことを特徴とする調節装置。
  2. 【請求項2】 制御対象からの制御量とこの制御量の目
    標値との制御偏差を零とするようなPIまたはPID調
    節演算を行うPIまたはPID調節演算手段を設け、少
    くともI調節演算手段は速度形調節演算を行った後、位
    置形信号に変換し、他の調節演算手段からの調節演算信
    号と加算し操作信号として前記制御対象に印加する調節
    装置において、 前記制御偏差の変化分に応じて修正係数を可変する積分
    修正係数演算手段と、無修正係数を設定する無修正係数
    設定手段と、前記制御偏差から積分修正の必要性を判断
    する積分修正判断手段と、この積分修正判断手段が積分
    修正の必要性有りと判断したとき前記積分修正係数演算
    手段で得られる修正係数を用いて前記I調節演算手段の
    速度形調節演算信号を修正し、前記積分修正判断手段が
    積分修正の必要性なしと判断したとき前記無修正係数設
    定手段の無修正係数を用いて前記I調節演算手段の速度
    形調節演算信号を無修正とする修正係数選択手段とを備
    えたことを特徴とする調節装置。
  3. 【請求項3】 制御対象からの制御量とこの制御量の目
    標値との制御偏差を零とするようなPIまたはPID調
    節演算を行うPIまたはPID調節演算手段を設け、少
    くともI調節演算手段は速度形調節演算を行った後、位
    置形信号に変換し、他の調節演算手段からの調節演算信
    号と加算し操作信号として前記制御対象に印加する調節
    装置において、 前記制御偏差に応じて修正係数を可変する積分修正係数
    演算手段と、無修正係数を設定する無修正係数設定手段
    と、前記制御偏差から積分修正の必要性を判断する積分
    修正判断手段と、この積分修正判断手段が積分修正の必
    要性有りと判断したとき前記積分修正係数演算手段で得
    られる修正係数を用いて前記I調節演算手段の速度形調
    節演算信号を修正し、前記積分修正判断手段が積分修正
    の必要性なしと判断したとき前記無修正係数設定手段の
    無修正係数を用いて前記I調節演算手段の速度形調節演
    算信号を無修正とする修正係数選択手段とを備えたこと
    を特徴とする調節装置。
  4. 【請求項4】 積分修正判断手段は、今回制御偏差の絶
    対値と前回制御偏差の絶対値とを比較し、前記今回制御
    偏差が収束方向のとき積分修正の必要性有りと判断し、
    前記今回制御偏差が拡大方向のとき積分修正の必要性な
    しと判断する方向判断手段を設けた請求項1ないし請求
    項3の何れかに記載の調節装置。
  5. 【請求項5】 積分修正判断手段は、今回制御偏差の絶
    対値と前回制御偏差の絶対値とを比較し、前記今回制御
    偏差が収束方向のとき積分修正の必要性有りと判断し、
    前記今回制御偏差が拡大方向のとき積分修正の必要性な
    しと判断する方向判断手段と、今回制御偏差と前回制御
    偏差との乗算値から今回制御偏差が前記目標値を越えて
    変化したか否かを判断し、目標値を越えたとき前記方向
    判断手段の出力に優先して前記無修正係数設定手段の無
    修正係数を用いて前記I調節演算手段の速度形調節演算
    信号を無修正とする偏差状態変化判断手段とを有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    の調節装置。
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