JPH07217886A - 自己制御型セラミックグロープラグ - Google Patents

自己制御型セラミックグロープラグ

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Publication number
JPH07217886A
JPH07217886A JP3328794A JP3328794A JPH07217886A JP H07217886 A JPH07217886 A JP H07217886A JP 3328794 A JP3328794 A JP 3328794A JP 3328794 A JP3328794 A JP 3328794A JP H07217886 A JPH07217886 A JP H07217886A
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heat generating
self
glow plug
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Application number
JP3328794A
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English (en)
Inventor
Hideo Kawamura
英男 河村
Hidenori Kita
英紀 北
Takemoto Hirai
岳根 平井
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Publication date
Application filed by Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd filed Critical Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、発熱部と抵抗部とを同一材料の金
属発熱線で作製し、温度の自己制御を発熱量と放熱量の
バランスによって達成した自己制御型セラミックグロー
プラグを提供することである。 【構成】 本発明は、電極10を備えた中空状本体1に
セラミック製外殻部材2が固着され、外殻部材2内の発
熱部6が位置する領域を小径孔部9に形成し、抵抗部7
が位置する領域を大径孔部11に形成する。発熱部6を
外殻部材2の内周面に密着させ、その領域に焼成時に膨
脹するセラミックスからなる内殻部材4を充填する。抵
抗部7を外殻部材2の内周面から隔置し、耐熱断熱材か
ら成る内殻部材5を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディーゼルエンジン
等に使用される自己制御型セラミックグロープラグに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のグロープラグは、図5及び図6に
示すように、窒化ケイ素等のセラミックス基体41にタ
ングステン等の材料から成る発熱線42を埋め込んで構
成されている。発熱線42を構成するタングステン線
は、高融点であり、熱膨張係数がセラミック基体41で
ある窒化ケイ素の熱膨張係数3.1×10- 6 /Kに近
い4.6×10- 6 /Kである。そして、そのタングス
テン線がセラミック基体41に二次元形状に埋設されて
いる。
【0003】タングステン線では、例えば、12Vの電
源に対して、常温では抵抗値が0.1Ωであり且つその
時の電流は120Aである。グロープラグが時間の経過
に伴って常温から温度が上昇して900℃になると、抵
抗値は0.4Ωになり、その時の電流は30Aである。
そして、グロープラグが加熱して抵抗値が上昇し、抵抗
値が1Ωになって安定するものであり、その時の電流は
12Aである。即ち、ディーゼルエンジンに使用されて
いる従来のグロープラグでは、コントローラの指令で1
2Vのバッテリーから電流を流すと、最初は120Aの
電流が流れるが、ヒータコイルの温度上昇と共に、抵抗
値が大きくなり、抵抗値が1Ωになったところで安定す
る。そこで、グロープラグを抵抗値が1Ωのところで安
定するように、コントローラの指令で電流を制御してヒ
ータコイルが1Ωに保持されるような制御を行ってい
た。
【0004】ところで、タングステンWとニッケルNi
は、温度の上昇に従って、抵抗値が上昇して大きくなる
特性を有している。従って、タングステンW線とニッケ
ルNi線では、温度の上昇に従って抵抗値が大きくな
り、電流が減少して電流値が制限されることを利用し
て、コントローラを使用することなく、グロープラグが
1Ωに調節されるような自己制御できる自己制御型セラ
ミックグロープラグが開発された。
【0005】従来の自己制御型セラミックグロープラグ
は、タングステン線をセラミックス中に埋設した棒状セ
ラミックスを用い、熱伝達係数を向上させ、発熱線への
通電電力を自己制御してその発熱特性を改善し、ヒータ
部分での過加熱を防止し得る構成をもつものとして、そ
の発熱線よりも正の抵抗温度係数の大きな材料にて形成
したシース型抵抗体を、通電電力制御要素としてグロー
プラグ内で発熱線と直列接続するようにしたいわゆる2
種材料によるものが提案されている。即ち、自己制御型
グロープラグは、タングステンW線をSi3 4 等のセ
ラミックスの中に埋設し、そのW線と直列にニッケルN
i線のコイルを接続して構成されている。このような自
己制御型グロープラグは、電流を流すことによってNi
製コイルが過熱されて抵抗値が大きくなり、電流が減少
してヒータコイルの発熱体の部分の発熱量が制御される
ことになる。
【0006】従来、図4に示されるような自己制御型セ
ラミックグロープラグが開示されている。このような自
己制御型セラミックグロープラグは、取付金具30の内
部に耐熱絶縁材33を収納し、取付金具30の先端部に
保護チューブ36を介してセラミック基体31を取り付
けたものである。耐熱絶縁材33には抵抗体コイル34
が埋め込まれ、セラミック基体31には発熱線32が埋
め込まれている。抵抗体コイル34と発熱線32とは電
極軸35で直列に接続されている。(例えば、実開昭6
3−179448号公報参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自己電流制御型グロープラグは、発熱線32をセラミッ
ク基体31中に埋設するため、発熱線32の融点がセラ
ミック基体31の焼結温度より低いと、焼結時に発熱線
32が溶融してしまう。また、発熱線32とセラミック
基体31との熱膨張係数の差が大きいと、温度の上昇或
いは下降に伴って、発熱線32の破損、セラミック基体
31の破壊等が発生してしまう。そのため、発熱線32
の材料選定はセラミック基体31の焼結温度、熱膨張係
数によって制限されてしまう。一方、自己電流制御型グ
ロープラグの自己温度制御の点から見ると、発熱線32
には抵抗温度係数ができるだけ、正で小さな値を持つも
のが望ましく、その結果、熱膨張係数の大きな材質を選
択せざるを得ない。
【0008】また、従来の自己電流制御型グロープラグ
は、通電電力即ち温度を制御する手段として、発熱線と
抵抗線に抵抗温度係数の異なる材質を用いている。即
ち、発熱線には抵抗温度係数の小さな材料を用い、抵抗
線には抵抗温度係数の大きな材料を用い、常温時には発
熱線の部分の抵抗値が大きく、高温時には抵抗線の部分
の抵抗値が大きくなるように設計されている。そのた
め、発熱線の材質にはできるだけ、小さな正の抵抗温度
係数を持つ材料が設計の自由度の点から望まれる。一
方、作動中に発生する熱応力、環境の点から見ると、熱
膨張係数がセラミック基体に近くて小さく、融点の高い
タングステン等の材質に限定せざるを得ない。また、発
熱線をセラミックス中に埋設するため、ホットプレスを
用いているため、図5に示すように、発熱線42の形状
は二次元形状になっている。そのため、図6に示すよう
に、発熱線42とセラミック基体41の表面43の距離
が矢印で示すように一定距離にならず、表面温度にバラ
ツキが生じる。
【0009】従来の自己電流制御型グロープラグは、遮
熱エンジン等の高温燃焼室での使用では、耐熱性、熱シ
ョックに対する強度、高温強度等について十分なものと
はいえないものであった。従来の自己制御型グロープラ
グは、炭化タングステン線を用いて作製した発熱線コイ
ルとNi線コイルを用いて作製した抵抗体コイルとを接
続し、両者を抵抗温度係数が異なる材料で作製したり、
或いは巻線の発熱体と抵抗体とを異なった形状に作製し
たものであるので、使用中にNi線が過熱によって断線
したり、経時変化によって劣化するという問題があり、
しかも構造が複雑になり、コスト、強度に関して満足で
きるものではなかった。
【0010】この発明の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、発熱部と該発熱部と直列に接続した抵抗部
とを正の温度抵抗係数を持つ同一の材料で構成されてい
る金属発熱線を用い、温度の自己制御を発熱量即ち通電
電力量と放熱量のバランスをとることで行うものであ
り、加熱源としての発熱部の領域では放熱し易い構造と
し、通電電力を制御するための抵抗部の領域を断熱構造
に構成することによって高温時の抵抗部の温度を上昇さ
せて抵抗値を上げ、高温時の通電電力を制御する自己制
御型セラミックグロープラグを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、中空部に電極を配設した中空状本体に固定した
セラミック製中空状外殻部材、該外殻部材の内壁面に密
着して配置された発熱部と該発熱部に直列に接続し且つ
前記外殻部材の内壁面から隔置して配置された抵抗部と
を正の温度抵抗係数を持つ同一の材料で構成した金属発
熱線、前記外殻部材内の前記発熱部が配置された領域に
充填された焼成時に膨脹するセラミックから成る第1内
殻部材、前記外殻部材内の前記抵抗部が配置された領域
に配置された耐熱断熱材から成る第2内殻部材、及び前
記外殻部材の端部を密封するため前記外殻部材の内壁面
に密着して配置された焼成時に膨脹するセラミックから
成る第3内殻部材、から構成した自己制御型セラミック
グロープラグに関する。
【0012】また、この自己制御型セラミックグロープ
ラグにおいて、前記第1内殻部材と前記第3内殻部材は
Si3 4 −TiN系セラミックスから構成され、前記
第2内殻部材はSiCウィスカーから構成され、また、
前記金属発熱線はタングステン線から構成されている。
更に、前記金属発熱線はSiC又はWCで被覆されてい
る。
【0013】また、前記外殻部材は前記発熱部の位置す
る領域を小径孔部に且つ前記抵抗部の位置する領域を大
径孔部に形成され、前記発熱部と前記抵抗部とのコイル
外径が同一径に形成されている。又は、前記発熱部のコ
イル外径は前記抵抗部のコイル外径よりも大きいコイル
外径に形成されている。
【0014】
【作用】この発明による自己制御型セラミックグロープ
ラグは、上記のように構成されており、次のように作用
する。即ち、この自己制御型セラミックグロープラグ
は、中空部に電極を配設した中空状本体にセラミック製
中空状外殻部材が固定され、発熱部と抵抗部とを正の温
度抵抗係数を持つ同一の材料で構成されている金属発熱
線を前記外殻部材内に配置し、セラミック製第1内殻部
材を前記外殻部材に充填すると共に、前記第1内殻部材
の外周面に前記発熱部を埋め込んで前記外殻部材の内周
面に密着させ、前記外殻部材に耐熱断熱材から成る第2
内殻部材を配置すると共に、前記外殻部材の内壁面から
前記抵抗部を隔置させたので、前記金属発熱線に電流を
流せば、前記発熱部で発生した熱は前記外殻部材を加熱
して外部に放熱するのに対して、前記抵抗部で発生する
熱は前記第2内殻部材に遮熱されて温度が上昇し、温度
上昇に伴って前記抵抗部に流れる電流を抑制し、電流制
御部を構成する。即ち、前記抵抗部が高温になれば、そ
の抵抗値が大きくなり、前記抵抗部及び前記発熱部に流
れる電流が小さくなり、前記外殻部材からの発熱量が自
己制御され、最適値に制御されることになる。更に、前
記外殻部材の端部は前記外殻部材の内壁面に密着して配
置された第3内殻部材で密封されているので、前記金属
発熱線が酸化等によって断線することもない。
【0015】また、前記外殻部材には内径が小さい前記
小径孔部と内径が大きい前記大径孔部が形成され、前記
発熱部が前記小径孔部に配置され、前記抵抗部が前記大
径孔部に配置されているので、前記発熱部と前記抵抗部
とを温度抵抗係数が異なる材料で作製することなく、同
一の材料で作製することができると共に、同一の線形で
同一のコイル外径を有する形状に構成できる。或いは、
前記発熱部と前記抵抗部とのコイル外径を異ならせて、
前記発熱部を前記外殻部材の内周面に接触させ、前記抵
抗部を前記外殻部材の内周面から隔置させることもでき
る。従って、前記外殻部材内に前記金属発熱線を配置す
るだけで、前記金属発熱線を前記外殻部材の中心に配置
でき、前記発熱部が前記外殻部材のヒータ部を構成し、
前記抵抗部が電流制御部に構成でき、従って、発熱効率
が良好で、前記外殻部材のヒータ部即ち発熱部を均一に
加熱でき、信頼性に富んだ自己制御型セラミックグロー
プラグを容易に作製でき、特に、製造コストを低減でき
る。
【0016】更に、前記第1内殻部材と前記第3内殻部
材は、焼成時に膨張するSiN−TiN系セラミックス
から構成されているので、前記外殻部材と前記第1内殻
部材との境界には隙間が発生することなく、熱伝達が良
好になり、昇温時間も短縮される。また、前記抵抗部が
配置された前記外殻部材の内部には、SiCウィスカー
が封入されているので、前記金属発熱線が酸化して断線
することなく、耐久性に富んだものとなる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による自己
制御型セラミックグロープラグの実施例を説明する。図
1はこの発明による自己制御型セラミックグロープラグ
の一実施例を示す概略断面図、図2は図1の自己制御型
セラミックグロープラグに組み込まれる金属発熱線を示
す平面図、及び図3は図1の自己制御型セラミックグロ
ープラグの要部の拡大断面図である。
【0018】この自己制御型セラミックグロープラグ
は、主として、ベークライトパッキン等の絶縁体18を
介在して端子即ち電極10を中空部22内に取り付けた
中空状プラグ本体1、セラミック製外殻部材2、一本の
金属発熱線3、及び外殻部材2の両端に充填されたセラ
ミックス充填体即ち内殻部材4,8から構成されてい
る。中空状プラグ本体1は、耐熱合金等の金属から作製
され、他の部品への取り付けのためのねじ19が形成さ
れている。電極10には位置決め固定用のナット20が
螺入され、電極10は中空状プラグ本体1に対して位置
決め固定される。セラミック製外殻部材2を中空状本体
1に接続するには、セラミック製外殻部材2の外周面1
7をメタライジングしてプラグ本体1の内周面24に嵌
合接合すれば、外殻部材2と中空状プラグ本体1とは極
めて強固に接合できる。また、セラミック製外殻部材2
のヒータ部12は、中空状プラグ本体1の端部15から
突出状態に配置されている。金属発熱線3は、その一端
16が電極10に接続すると共に、他端13がプラグ本
体1の内面に接合して電気的に接続されている。
【0019】この自己制御型セラミックグロープラグで
は、中空状プラグ本体1は電極10を備えた導電体を中
空部22に突出させており、発熱部12を構成するセラ
ミック製外殻部材2がプラグ本体1から突出状態にプラ
グ本体1に固定されている。外殻部材2の両端部はセラ
ミックス充填体即ち内殻部材4,8で密封され、外殻部
材2の中間部にはSiCウィスカー等の耐熱断熱材から
成る内殻部材5が充填され、金属発熱線3の酸化を防止
するように構成されている。即ち、金属発熱線3をタン
グステン線で作製した場合には、タングステン線をSi
C又はWC等で被覆することによって、金属発熱線3の
酸化を防止でき、耐腐食性を向上でき、金属発熱線3の
耐久性を向上できる。
【0020】この自己制御型セラミックグロープラグに
おいて、外殻部材2は、そのヒータ部12に対応する部
分に形成された内径が小さい小径孔部9と、プラグ本体
1への取付部側即ち電極側部分に形成された内径が大き
い大径孔部11が形成された中空状構造を有している。
また、外殻部材2内に配置された金属発熱線3は、1本
の線から構成され、金属発熱線3は発熱部6と該発熱部
6と直列に接続した抵抗部7とを正の温度抵抗係数を持
つ同一の材料で構成されている。発熱部6は、小径孔部
9の内壁面に密着した状態で接触し、抵抗部7は大径孔
部11の内壁面に接触しない隔置した状態に配置されて
いる。金属発熱線3の一端16が電極10に接続され、
金属発熱線3の他端13がプラグ本体1に接続されてい
る。
【0021】更に、発熱部6が位置する外殻部材2の小
径孔部9の領域には、発熱部6を埋める状態にセラミッ
クスから成る内殻部材4が充填されている。また、抵抗
部7が位置する外殻部材2の大径孔部11の領域には、
耐熱断熱材から成る内殻部材5が配置されている。外殻
部材2の電極側端部の領域には、外殻部材2の端部を密
封するため外殻部材2の内壁面に密着して配置されたセ
ラミックスから成る内殻部材8が充填されている。金属
発熱線3の端部16は、電極10の端部に接続され、メ
タライジングを施すことによって電気的に良好に接続さ
れている。また、金属発熱線3の端部13は、プラグ本
体1の端部に接続され、メタライジングを施すことによ
って電気的に良好に接続されている。
【0022】この自己制御型セラミックグロープラグに
おいて、外殻部材2は耐熱性で高強度の窒化ケイ素等の
セラミックスから構成されている。内殻部材4と内殻部
材8は、加圧無しで焼成することができ、焼成時に若干
膨張するSi3 4 −TiN系セラミックス即ち無収縮
セラミックスから構成されている。また、内殻部材5は
SiCウィスカーが疎に充填された耐熱断熱材から構成
されているものである。
【0023】更に、この自己制御型セラミックグロープ
ラグは、金属発熱線3における発熱部6と抵抗部7と
は、同一の線形で且つ同一のコイル外径を有しており、
しかも、連続した1本のタングステン線材で作製されて
いるものである。従って、タングステンから成る金属発
熱線3は、極めて容易に且つ正確に作製できると共に、
発熱部6はヒータ部12を加熱するのに十分な熱を提供
でき、ヒータ部12を直ちに短時間に温度上昇させるこ
とができ、また、抵抗部7は電流を制御するのに好まし
い機能を発揮できる。
【0024】或いは、この自己制御型セラミックグロー
プラグにおいて、外殻部材2の内径を長手方向に同一に
形成し、発熱部6のコイル外径を抵抗部7のコイル外径
よりも大きいコイル外径に形成することもできる。この
ように形成することによって、発熱部6を外殻部材2の
内周面に接触させ、抵抗部7を外殻部材2の内周面から
隔置させることができる。
【0025】この自己制御型セラミックグロープラグ
は、上記のように構成されているので、次のように作用
する。即ち、この自己制御型セラミックグロープラグで
は、電極10から電流を金属発熱線3に通電すると、金
属発熱線3における抵抗部7は耐熱断熱材中に埋め込ま
れた状態になり、発熱部6は外殻部材2の内壁面に接触
しているので、外殻部材2のヒータ部12は発熱部6の
発熱によって加熱される。ここで、発熱部6で発生する
熱は外殻部材2を通じて外部へ放熱されるが、抵抗部7
の熱は放熱されずに、抵抗部7は発熱部6に比較して極
端に高温になる。抵抗部7が高温になれば、抵抗部7の
抵抗は極端に大きくなり、電流を通さない電流制御線の
機能を果たし、その抵抗が上昇して大きくなり、金属発
熱線3に流れる電流は抑制されて小さくなり、ヒータ部
12の発熱量が自己制御される。また、抵抗部7の温度
が下がれば、金属発熱線3に電流が再び流れて発熱部6
によってヒータ部12が加熱されるので、従って、ヒー
タ部12の発熱体は常に最適発熱量に維持される。
【0026】この自己制御型セラミックグロープラグの
昇温特性を図7に示す。図7において符号Aで示すよう
に、この自己制御型セラミックグロープラグについて
は、外殻部材2のヒータ部12の昇温状態は、短時間で
所定温度(例えば、1000℃)まで昇温して安定状態
になる。これに対して、例えば、飽和温度1000℃に
設計された従来のグロープラグについては、図7の符号
Bで示すような昇温特性を示す。即ち、従来のグロープ
ラグは、ヒータ部が1000℃まで昇温するのに、昇温
時間が長くなっていることが分かる。
【0027】この自己制御型セラミックグロープラグを
ディーゼルエンジンの燃焼室に配置して使用する場合に
は、発熱部6を内接させた外殻部材2は燃焼室に露出し
ているので、外殻部材2から熱放散され、例えば、ヒー
タ部12の温度は900℃に維持されて発熱部6の抵抗
値は0.4Ωになるが、抵抗部7は密封状の耐熱断熱材
の内殻部材5内に位置して遮熱されているので、例え
ば、抵抗部7の温度は1800℃になって抵抗部7の抵
抗値は0.6Ωになる。従って、この自己制御型セラミ
ックグロープラグでは、発熱部6と抵抗部7との抵抗値
の総和は1Ωになり、安定状態になる。
【0028】
【発明の効果】この発明による自己制御型セラミックグ
ロープラグは、上記のように構成されており、次のよう
な効果を有する。即ち、この自己制御型セラミックグロ
ープラグは、電極を備えた中空状本体にセラミック製中
空状外殻部材を固定し、該外殻部材の内壁面に密着して
配置された発熱部と前記外殻部材の内壁面から隔置して
配置された抵抗部とから成る金属発熱線を正の温度抵抗
係数を持つ同一の材料で構成し、前記外殻部材内の前記
発熱部が配置された領域に焼成時に膨脹するセラミック
から成る第1内殻部材を充填し、前記外殻部材内の前記
抵抗部が配置された領域に耐熱断熱材から成る第2内殻
部材を配置したので、前記第1内殻部材の焼成時に前記
発熱部は前記外殻部材の内周面に密着接触され、前記発
熱部から前記外殻部材への熱伝導が良好になり、前記発
熱部の加熱によって前記外殻部材が迅速に昇温し、前記
外殻部材のヒータ部の昇温時間が短縮される。
【0029】そして、前記金属発熱線に電流を流せば、
前記発熱部が前記外殻部材のヒータ部を構成し、前記抵
抗部が電流制御部を構成する。そこで、前記抵抗部が高
温になれば、その抵抗値が大きくなり、前記金属発熱線
に流れる電流が小さくなり、前記外殻部材からの発熱量
が自己制御され、最適値に制御されることになる。前記
発熱部が前記外殻部材のヒータ部を構成するが、前記発
熱部は前記外殻部材の内周面に密着して配置されている
ので、前記外殻部材全体が均一に温度上昇する。前記外
殻部材の内壁面に前記発熱部が密着し、前記発熱部を埋
める状態にセラミックスから成る内殻部材が充填されて
いるので、前記ヒータ部の熱伝導性が極めて良好にな
る。
【0030】また、この自己制御型セラミックグロープ
ラグでは、前記金属発熱線における前記発熱部と前記抵
抗部とを、同一材料で同一の線形で且つ同一のコイル外
径を有し、連続した1本のタングステン線等の金属材料
で作製することができるので、簡単に作製することがで
き、途中に接続部が存在しないので、電気的にも信頼性
に富んだ耐久性に富んだ前記金属発熱線を安価に提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による自己制御型セラミックグロープ
ラグの一実施例を示す概略断面図である。
【図2】図1の自己制御型セラミックグロープラグに組
み込まれる金属発熱線を示す平面図である。
【図3】図1の自己制御型セラミックグロープラグの要
部の拡大断面図である。
【図4】従来の自己制御型セラミックグロープラグの一
例を示す断面図である。
【図5】従来の自己制御型セラミックグロープラグの別
の例を示す断面図である。
【図6】図5の線A−Aにおける断面図である。
【図7】この自己制御型セラミックグロープラグと従来
のグロープラグとの昇温特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 中空状プラグ本体 2 外殻部材 3 金属発熱線 4,5,8 内殻部材 6 発熱部 7 抵抗部 9 小径孔部 10 電極 11 大径孔部 12 ヒータ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部に電極を配設した中空状本体に固
    定したセラミック製中空状外殻部材、該外殻部材の内壁
    面に密着して配置された発熱部と該発熱部に直列に接続
    し且つ前記外殻部材の内壁面から隔置して配置された抵
    抗部とを正の温度抵抗係数を持つ同一の材料で構成した
    金属発熱線、前記外殻部材内の前記発熱部が配置された
    領域に充填された焼成時に膨脹するセラミックから成る
    第1内殻部材、前記外殻部材内の前記抵抗部が配置され
    た領域に配置された耐熱断熱材から成る第2内殻部材、
    及び前記外殻部材の端部を密封するため前記外殻部材の
    内壁面に密着して配置された焼成時に膨脹するセラミッ
    クから成る第3内殻部材、から構成した自己制御型セラ
    ミックグロープラグ。
  2. 【請求項2】 前記第1内殻部材と前記第3内殻部材は
    Si3 4 −TiN系セラミックスから構成され、前記
    第2内殻部材はSiCウィスカーから構成され、前記金
    属発熱線はタングステン線から構成されている請求項1
    に記載の自己制御型セラミックグロープラグ。
  3. 【請求項3】 前記外殻部材は前記発熱部の位置する領
    域を小径孔部に且つ前記抵抗部の位置する領域を大径孔
    部に形成され、前記発熱部と前記抵抗部とのコイル外径
    が同一径に形成されている請求項1に記載の自己制御型
    セラミックグロープラグ。
  4. 【請求項4】 前記発熱部のコイル外径は前記抵抗部の
    コイル外径よりも大きいコイル外径に形成されている請
    求項1に記載の自己制御型セラミックグロープラグ。
  5. 【請求項5】 前記金属発熱線はSiC又はWCで被覆
    されている請求項1に記載の自己制御型セラミックグロ
    ープラグ。
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