JPH07216127A - ポリテトラフルオロエチレン微小中空体およびその製造方法 - Google Patents
ポリテトラフルオロエチレン微小中空体およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH07216127A JPH07216127A JP6010992A JP1099294A JPH07216127A JP H07216127 A JPH07216127 A JP H07216127A JP 6010992 A JP6010992 A JP 6010992A JP 1099294 A JP1099294 A JP 1099294A JP H07216127 A JPH07216127 A JP H07216127A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polytetrafluoroethylene
- droplets
- dispersion
- hollow body
- medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】平均粒径0.1〜300μmの球状の中空構造
を有するポリテトラフルオロエチレン微小中空体を提供
する。 【構成】ポリテトラフルオロエチレンまたはその前駆物
質が液状媒体中に溶解または分散した溶液または分散液
を微小液滴化し、上記液状媒体が急激に気化し、かつ、
ポリテトラフルオロエチレンが焼結または溶融する高温
雰囲気に、上記微小液滴を供給し、生成した微小中空体
を回収する。
を有するポリテトラフルオロエチレン微小中空体を提供
する。 【構成】ポリテトラフルオロエチレンまたはその前駆物
質が液状媒体中に溶解または分散した溶液または分散液
を微小液滴化し、上記液状媒体が急激に気化し、かつ、
ポリテトラフルオロエチレンが焼結または溶融する高温
雰囲気に、上記微小液滴を供給し、生成した微小中空体
を回収する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリテトラフルオロエ
チレン微小中空体およびその製造方法に関するものであ
る。
チレン微小中空体およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレンは、高い耐
熱性、耐薬品性、耐候性を有し、撥水撥油性を有するな
どの特徴を有している。このため、化学工業用材料、低
誘電率基板材料、高温軸受け材料、耐化学薬品性材料、
コーティング材料、撥水撥油材料、塗料用材料などとし
て広く工業的に応用されている。
熱性、耐薬品性、耐候性を有し、撥水撥油性を有するな
どの特徴を有している。このため、化学工業用材料、低
誘電率基板材料、高温軸受け材料、耐化学薬品性材料、
コーティング材料、撥水撥油材料、塗料用材料などとし
て広く工業的に応用されている。
【0003】従来、ポリテトラフルオロエチレン製品と
して、粉末の圧縮成形品、分散液をガラスクロスなどに
含浸したもの、またはその粉末あるいは分散液が知られ
ている。
して、粉末の圧縮成形品、分散液をガラスクロスなどに
含浸したもの、またはその粉末あるいは分散液が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリテトラ
フルオロエチレンの微小中空体を新規に提供することを
目的とする。
フルオロエチレンの微小中空体を新規に提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒径0.
1〜300μmの球状の中空構造を有するポリテトラフ
ルオロエチレン微小中空体を提供するものである。
1〜300μmの球状の中空構造を有するポリテトラフ
ルオロエチレン微小中空体を提供するものである。
【0006】本発明においてポリテトラフルオロエチレ
ンとは、テトラフルオロエチレンの重合体を意味する
が、テトラフルオロエチレンの単独重合体だけでなく、
テトラフルオロエチレンと他のモノマー成分との共重合
体も含む。共重合体の場合、テトラフルオロエチレンモ
ノマー成分の含有量は50重量%以上であることが好ま
しい。さらに好ましくは、80重量%以上、特に好まし
い範囲は90重量%以上である。テトラフルオロエチレ
ンの単独重合体または他の成分との共重合体の重合度と
しては、50〜10000が好ましく、特に好ましい重
合度の範囲は1000〜5000である。
ンとは、テトラフルオロエチレンの重合体を意味する
が、テトラフルオロエチレンの単独重合体だけでなく、
テトラフルオロエチレンと他のモノマー成分との共重合
体も含む。共重合体の場合、テトラフルオロエチレンモ
ノマー成分の含有量は50重量%以上であることが好ま
しい。さらに好ましくは、80重量%以上、特に好まし
い範囲は90重量%以上である。テトラフルオロエチレ
ンの単独重合体または他の成分との共重合体の重合度と
しては、50〜10000が好ましく、特に好ましい重
合度の範囲は1000〜5000である。
【0007】本発明の微小中空体において、上記テトラ
フルオロエチレンの重合体以外の成分が含有されていて
もよいが、テトラフルオロエチレンの重合体の含有量
は、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80
重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
フルオロエチレンの重合体以外の成分が含有されていて
もよいが、テトラフルオロエチレンの重合体の含有量
は、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80
重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
【0008】本発明の微小中空体は、平均粒径(直径)
が0.1〜300μmの範囲にある。平均粒径が0.1
μm未満の場合は、粉体として取扱いが困難になり、ま
た真密度の小さい中空体とはなりにくいので不適当であ
る。平均粒径が300μmを超える場合は、中空体の圧
縮強度が低下するので不適当である。より好ましい平均
粒径は、0.5〜100μm、さらに好ましい範囲は1
〜20μmである。
が0.1〜300μmの範囲にある。平均粒径が0.1
μm未満の場合は、粉体として取扱いが困難になり、ま
た真密度の小さい中空体とはなりにくいので不適当であ
る。平均粒径が300μmを超える場合は、中空体の圧
縮強度が低下するので不適当である。より好ましい平均
粒径は、0.5〜100μm、さらに好ましい範囲は1
〜20μmである。
【0009】微小中空体は、かさ密度0.001〜1.
5g/cm3 、真密度0.01〜2.0g/cm3 程度
が好ましい。また、微小中空体の形状も、ほぼ完全な球
状を有する場合には、強度、流動性が大きく、また他の
樹脂などに混入して使用する場合も混合時に破壊せず、
また樹脂成形品の表面平滑性も大きくなるので好まし
い。耐圧強度としては、100kg/cm2 以上、特に
は150kg/cm2 以上と大きいものが得られる。
5g/cm3 、真密度0.01〜2.0g/cm3 程度
が好ましい。また、微小中空体の形状も、ほぼ完全な球
状を有する場合には、強度、流動性が大きく、また他の
樹脂などに混入して使用する場合も混合時に破壊せず、
また樹脂成形品の表面平滑性も大きくなるので好まし
い。耐圧強度としては、100kg/cm2 以上、特に
は150kg/cm2 以上と大きいものが得られる。
【0010】本発明のポリテトラフルオロエチレン微小
中空体は、具体的には次のようにして製造する。まず、
液状媒体中にポリテトラフルオロエチレンまたはその前
駆物質が分散または溶解した分散液または溶液を調製す
る。この溶液または分散液を微小液滴化し、上記液状媒
体が急激に気化し、かつ、ポリテトラフルオロエチレン
がが焼結または溶融する高温雰囲気に、上記微小液滴を
供給し、生成したポリテトラフルオロエチレン微小中空
体を回収する。
中空体は、具体的には次のようにして製造する。まず、
液状媒体中にポリテトラフルオロエチレンまたはその前
駆物質が分散または溶解した分散液または溶液を調製す
る。この溶液または分散液を微小液滴化し、上記液状媒
体が急激に気化し、かつ、ポリテトラフルオロエチレン
がが焼結または溶融する高温雰囲気に、上記微小液滴を
供給し、生成したポリテトラフルオロエチレン微小中空
体を回収する。
【0011】液状媒体としては、水が好ましいが、ハロ
ゲン化炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン、炭化
水素、有機酸などの有機系媒体も使用することができ
る。液状媒体の沸点は、50〜200℃の範囲にあるこ
とが好ましい。さらに好ましい沸点の範囲は、80〜1
20℃である。
ゲン化炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン、炭化
水素、有機酸などの有機系媒体も使用することができ
る。液状媒体の沸点は、50〜200℃の範囲にあるこ
とが好ましい。さらに好ましい沸点の範囲は、80〜1
20℃である。
【0012】微小液滴化する液状体としては、高濃度に
ポリテトラフルオロエチレン成分を含有することのでき
るポリテトラフルオロエチレン分散液を使用するのが好
ましい。分散液中の分散濃度および粒子径は、製造され
る微小中空体の粒子径、密度、強度などに関係する。分
散液中のポリテトラフルオロエチレン粒子径は、好まし
くは0.001〜1μm、特には0.01〜0.5nm
が好ましい。分散液は、好ましくは均一な懸濁液、ある
いは必要に応じて適宜の乳化剤を使用して乳濁液とし、
均一なコロイド溶液とするのが好ましい。分散液の濃度
は、好ましくは0.1〜80重量%、特には1〜10重
量%が好ましい。
ポリテトラフルオロエチレン成分を含有することのでき
るポリテトラフルオロエチレン分散液を使用するのが好
ましい。分散液中の分散濃度および粒子径は、製造され
る微小中空体の粒子径、密度、強度などに関係する。分
散液中のポリテトラフルオロエチレン粒子径は、好まし
くは0.001〜1μm、特には0.01〜0.5nm
が好ましい。分散液は、好ましくは均一な懸濁液、ある
いは必要に応じて適宜の乳化剤を使用して乳濁液とし、
均一なコロイド溶液とするのが好ましい。分散液の濃度
は、好ましくは0.1〜80重量%、特には1〜10重
量%が好ましい。
【0013】ポリテトラフルオロエチレンは、溶液では
高濃度のものが得にくいが、液状媒体中に高温雰囲気中
で反応してポリテトラフルオロエチレンを生成する前駆
物質を溶解した溶液を使用することができる。溶液の濃
度は、好ましくは0.1〜80重量%、特には1〜10
重量%が好ましい。
高濃度のものが得にくいが、液状媒体中に高温雰囲気中
で反応してポリテトラフルオロエチレンを生成する前駆
物質を溶解した溶液を使用することができる。溶液の濃
度は、好ましくは0.1〜80重量%、特には1〜10
重量%が好ましい。
【0014】本発明の製造方法において、上記分散液ま
たは溶液は、まず微小液滴化する。微小液滴化する手段
としては、特に制限されないが、好ましくは超音波法、
スプレー法、ローター法などの既知の手段が採用され
る。微小液滴の粒子径は、製造される微小中空体の粒径
と関係する。液状媒体の種類にもよるが、平均粒子径と
しては、好ましくは0.1〜1000μm、特には10
〜100μmにするのが適切である。微小中空体の肉厚
は、噴霧する液滴の濃度や粒径、あるいは加熱条件等に
より制御することができる。
たは溶液は、まず微小液滴化する。微小液滴化する手段
としては、特に制限されないが、好ましくは超音波法、
スプレー法、ローター法などの既知の手段が採用され
る。微小液滴の粒子径は、製造される微小中空体の粒径
と関係する。液状媒体の種類にもよるが、平均粒子径と
しては、好ましくは0.1〜1000μm、特には10
〜100μmにするのが適切である。微小中空体の肉厚
は、噴霧する液滴の濃度や粒径、あるいは加熱条件等に
より制御することができる。
【0015】微小液滴は、次いで、高温雰囲気に供給さ
れる。ここにおける温度および雰囲気は、微小中空体に
影響を与える。温度は上記で使用した液状媒体が急激に
気化し、かつポリテトラフルオロエチレンが焼結または
溶融する温度の範囲にすることが必要である。急激に気
化する温度は、摂氏温度(℃)による温度で、液状媒体
の沸点の摂氏温度(℃)による温度の、好ましくは3倍
以上、特には5倍〜20倍が適切である。液状媒体とし
て水を使用する場合には、300〜1000℃が好まし
い。特に好ましい温度は、400〜800℃である。
れる。ここにおける温度および雰囲気は、微小中空体に
影響を与える。温度は上記で使用した液状媒体が急激に
気化し、かつポリテトラフルオロエチレンが焼結または
溶融する温度の範囲にすることが必要である。急激に気
化する温度は、摂氏温度(℃)による温度で、液状媒体
の沸点の摂氏温度(℃)による温度の、好ましくは3倍
以上、特には5倍〜20倍が適切である。液状媒体とし
て水を使用する場合には、300〜1000℃が好まし
い。特に好ましい温度は、400〜800℃である。
【0016】高温雰囲気は全体を均一の温度にしてもよ
いが、液状媒体が急激に気化する温度範囲およびポリテ
トラフルオロエチレンが焼結または溶融する温度範囲と
の2段、またはそれ以上の多段に構成してもよい。高温
雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気以外にも、真空、
不活性または還元性の雰囲気も採用できる。
いが、液状媒体が急激に気化する温度範囲およびポリテ
トラフルオロエチレンが焼結または溶融する温度範囲と
の2段、またはそれ以上の多段に構成してもよい。高温
雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気以外にも、真空、
不活性または還元性の雰囲気も採用できる。
【0017】微小液滴の高温雰囲気への噴霧は、そのた
めの種々の手段で実施される。高温雰囲気は、例えば、
管状炉や流動炉などで構成される。微小液滴を噴霧する
好ましい具体的手段としては、上記炉中に微小液滴を超
音波噴霧器、スプレー噴霧器、回転円板噴霧器などで微
小液滴の線速度が、好ましくは0.01m/秒以上、特
には0.1〜10m/秒で噴霧するようにされる。
めの種々の手段で実施される。高温雰囲気は、例えば、
管状炉や流動炉などで構成される。微小液滴を噴霧する
好ましい具体的手段としては、上記炉中に微小液滴を超
音波噴霧器、スプレー噴霧器、回転円板噴霧器などで微
小液滴の線速度が、好ましくは0.01m/秒以上、特
には0.1〜10m/秒で噴霧するようにされる。
【0018】微小液滴は、上記高温雰囲気内で、通常1
0秒〜30分程度保持され、そして場合により上記のよ
うに反応をともなって、微小中空体が形成される。形成
された微小中空体は、例えば管状炉を使用した場合に
は、管状炉から排出される微小中空体を水など液状媒体
またはバグフィルタなどを用いて捕集される。
0秒〜30分程度保持され、そして場合により上記のよ
うに反応をともなって、微小中空体が形成される。形成
された微小中空体は、例えば管状炉を使用した場合に
は、管状炉から排出される微小中空体を水など液状媒体
またはバグフィルタなどを用いて捕集される。
【0019】本発明の製造方法を実施するための装置と
しては、例えば反応管とヒーターを備えた管状炉を有
し、溶液または分散液を微細な液滴にして供給する噴霧
器を備えたものが使用できる。管状炉は、ヒーターによ
り所定の雰囲気温度に加熱される。微小液滴は、縦型の
管状路の上方から下方へ重力にしたがって搬送された
り、あるいは液滴の液状媒体の蒸発にともなう体積膨張
で生ずる気流により搬送され、液滴の導入口と反対側か
ら回収される。このとき別途搬送ガスを導入してもよ
い。
しては、例えば反応管とヒーターを備えた管状炉を有
し、溶液または分散液を微細な液滴にして供給する噴霧
器を備えたものが使用できる。管状炉は、ヒーターによ
り所定の雰囲気温度に加熱される。微小液滴は、縦型の
管状路の上方から下方へ重力にしたがって搬送された
り、あるいは液滴の液状媒体の蒸発にともなう体積膨張
で生ずる気流により搬送され、液滴の導入口と反対側か
ら回収される。このとき別途搬送ガスを導入してもよ
い。
【0020】
【作用】本発明において、ポリテトラフルオロエチレン
微小中空体が生成される機構は必ずしも明確ではない
が、ほぼ次のように推測される。ポリテトラフルオロエ
チレンまたはその前駆物質の溶液または分散液を微小液
滴化して高温雰囲気中に供給することにより、微小液滴
の表面部においては、液状媒体が急速に蒸発する。その
ため媒体中に溶解または分散していたポリテトラフルオ
ロエチレンまたはその前駆物質は、溶液の場合には過飽
和になり液滴の界面に沿って液滴の形状である球状にな
り析出し、分散液の場合には液滴の界面に沿って液滴の
形状である球状に凝集する。
微小中空体が生成される機構は必ずしも明確ではない
が、ほぼ次のように推測される。ポリテトラフルオロエ
チレンまたはその前駆物質の溶液または分散液を微小液
滴化して高温雰囲気中に供給することにより、微小液滴
の表面部においては、液状媒体が急速に蒸発する。その
ため媒体中に溶解または分散していたポリテトラフルオ
ロエチレンまたはその前駆物質は、溶液の場合には過飽
和になり液滴の界面に沿って液滴の形状である球状にな
り析出し、分散液の場合には液滴の界面に沿って液滴の
形状である球状に凝集する。
【0021】微小液滴の内部に残存する液状媒体は、上
記球状に析出した析出物の隙間を通って雰囲気中に気
化、散逸するが、同時に液滴内部の媒体中に溶解または
分散していたポリテトラフルオロエチレンは、液状媒体
の気化に伴って遠心方向に移動し、上記球状析出物のま
わりに析出し、析出物は肥大化し、緻密化し、これらを
通じて内部は空洞化する。
記球状に析出した析出物の隙間を通って雰囲気中に気
化、散逸するが、同時に液滴内部の媒体中に溶解または
分散していたポリテトラフルオロエチレンは、液状媒体
の気化に伴って遠心方向に移動し、上記球状析出物のま
わりに析出し、析出物は肥大化し、緻密化し、これらを
通じて内部は空洞化する。
【0022】前駆物質を使用する場合には、析出または
凝集の過程で反応してポリテトラフルオロエチレンを生
成する。その後、析出体または凝集体は高温で焼結また
は溶融してさらに緻密化し、この結果、内部が空洞化し
た高強度の微小中空体が形成されるものと思われる。
凝集の過程で反応してポリテトラフルオロエチレンを生
成する。その後、析出体または凝集体は高温で焼結また
は溶融してさらに緻密化し、この結果、内部が空洞化し
た高強度の微小中空体が形成されるものと思われる。
【0023】
【実施例】各種の分散液を超音波噴霧器(周波数2MH
z)により微小液滴化し、管状炉(均熱帯の長さ50c
m、直径9cm)に導入して微小中空体を得た。生成し
た微小中空体はバグフィルター(フッ素樹脂被覆ガラス
布使用)により捕集した。各実施例において微小中空体
の分析はそれぞれ以下の方法により行った。
z)により微小液滴化し、管状炉(均熱帯の長さ50c
m、直径9cm)に導入して微小中空体を得た。生成し
た微小中空体はバグフィルター(フッ素樹脂被覆ガラス
布使用)により捕集した。各実施例において微小中空体
の分析はそれぞれ以下の方法により行った。
【0024】形状:微小中空体をエポキシ樹脂と混合し
て硬化させ、切断し断面を研磨することにより微小中空
体の断面を露出させた後、金を蒸着し、日本電子(株)
製JSM−T300型走査型電子顕微鏡にて形状観察を
行った。
て硬化させ、切断し断面を研磨することにより微小中空
体の断面を露出させた後、金を蒸着し、日本電子(株)
製JSM−T300型走査型電子顕微鏡にて形状観察を
行った。
【0025】平均粒径:微小中空体を両面テープ上に固
定した後、金を蒸着し、日本電子(株)製JSM−T3
00型走査型電子顕微鏡にて観察し、画像解析により平
均粒径(直径)を算出した。
定した後、金を蒸着し、日本電子(株)製JSM−T3
00型走査型電子顕微鏡にて観察し、画像解析により平
均粒径(直径)を算出した。
【0026】かさ密度:倉持科学器械製作所製振とう密
度測定装置KRS−406(測定条件:1/3Hz、ア
ップ−ダウン30mm、700回)にて微小中空体のタ
ップ密度として測定した。
度測定装置KRS−406(測定条件:1/3Hz、ア
ップ−ダウン30mm、700回)にて微小中空体のタ
ップ密度として測定した。
【0027】真密度:島津製作所製マイクロボリュウム
ピクノメーターにてアルゴンガスを用いたガス置換法に
より測定した。ここでいう真密度とは、微小中空体の質
量を、空隙部分も含んだ体積で除算したものである。
ピクノメーターにてアルゴンガスを用いたガス置換法に
より測定した。ここでいう真密度とは、微小中空体の質
量を、空隙部分も含んだ体積で除算したものである。
【0028】耐圧強度:日音医理化機械製作所製静水圧
耐圧強度試験器を用いて粉状体の10%が圧壊した圧力
を求めた。
耐圧強度試験器を用いて粉状体の10%が圧壊した圧力
を求めた。
【0029】実施例1 平均粒径0.25μmのポリテトラフルオロエチレン粒
子を水に分散させた5重量%の分散液を調整した。この
分散液を超音波噴霧器を使用して平均粒径30μmの微
小液滴化し、これを大気雰囲気で600℃に保持した管
状炉に1ml/分の流量で導入した。回収した粉状体
は、平均粒径2.9μm、かさ密度0.02g/cm
3 、真密度0.08g/cm3 の真球状のポリテトラフ
ルオロエチレン微小中空体であった。この微小中空体の
耐圧強度は220kg/cm2 であった。
子を水に分散させた5重量%の分散液を調整した。この
分散液を超音波噴霧器を使用して平均粒径30μmの微
小液滴化し、これを大気雰囲気で600℃に保持した管
状炉に1ml/分の流量で導入した。回収した粉状体
は、平均粒径2.9μm、かさ密度0.02g/cm
3 、真密度0.08g/cm3 の真球状のポリテトラフ
ルオロエチレン微小中空体であった。この微小中空体の
耐圧強度は220kg/cm2 であった。
【0030】実施例2 分散液のポリテトラフルオロエチレン粒子の濃度を2重
量%にし、管状炉の保持温度を650℃にした以外は実
施例1と同様にして粉状体を得た。得られた粉状体は、
平均粒径3.3μm、かさ密度0.001g/cm3 、
真密度0.08g/cm3 の真球状のポリテトラフルオ
ロエチレン微小中空体であった。この微小中空体の耐圧
強度は200kg/cm2 であった。
量%にし、管状炉の保持温度を650℃にした以外は実
施例1と同様にして粉状体を得た。得られた粉状体は、
平均粒径3.3μm、かさ密度0.001g/cm3 、
真密度0.08g/cm3 の真球状のポリテトラフルオ
ロエチレン微小中空体であった。この微小中空体の耐圧
強度は200kg/cm2 であった。
【0031】実施例3 分散液のポリテトラフルオロエチレン粒子の濃度を10
重量%にした以外は実施例1と同様にして粉状体を得
た。得られた粉状体は、平均粒径2.9μm、かさ密度
0.003g/cm3 、真密度0.01g/cm3 の真
球状のポリテトラフルオロエチレン微小中空体であっ
た。この微小中空体の耐圧度は260kg/cm2 であ
った。
重量%にした以外は実施例1と同様にして粉状体を得
た。得られた粉状体は、平均粒径2.9μm、かさ密度
0.003g/cm3 、真密度0.01g/cm3 の真
球状のポリテトラフルオロエチレン微小中空体であっ
た。この微小中空体の耐圧度は260kg/cm2 であ
った。
【0032】
【発明の効果】本発明のポリテトラフルオロエチレン微
小中空体は、新規な中空構造を有する。この微小中空体
は、軽量かつ流動性に優れた粉体として、多種の工業的
な応用が期待できる。また本発明の製造方法は、簡便な
装置でポリテトラフルオロエチレン微小中空体を製造す
ることができる。
小中空体は、新規な中空構造を有する。この微小中空体
は、軽量かつ流動性に優れた粉体として、多種の工業的
な応用が期待できる。また本発明の製造方法は、簡便な
装置でポリテトラフルオロエチレン微小中空体を製造す
ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】平均粒径0.1〜300μmの球状の中空
構造を有するポリテトラフルオロエチレン微小中空体。 - 【請求項2】かさ密度が0.001〜1.5g/cm3
である請求項1のポリテトラフルオロエチレン微小中空
体。 - 【請求項3】真密度が0.01〜2.0g/cm3 であ
る請求項1または請求項2のポリテトラフルオロエチレ
ン微小中空体。 - 【請求項4】ポリテトラフルオロエチレンまたはその前
駆物質が液状媒体中に溶解または分散した溶液または分
散液を微小液滴化し、上記液状媒体が急激に気化し、か
つ、ポリテトラフルオロエチレンが焼結または溶融する
高温雰囲気に、上記微小液滴を供給し、生成したポリテ
トラフルオロエチレン微小中空体を回収するポリテトラ
フルオロエチレン微小中空体の製造方法。 - 【請求項5】ポリテトラフルオロエチレンの分散液を微
小液滴化する請求項4のポリテトラフルオロエチレン微
小中空体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6010992A JPH07216127A (ja) | 1994-02-02 | 1994-02-02 | ポリテトラフルオロエチレン微小中空体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6010992A JPH07216127A (ja) | 1994-02-02 | 1994-02-02 | ポリテトラフルオロエチレン微小中空体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07216127A true JPH07216127A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=11765651
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6010992A Pending JPH07216127A (ja) | 1994-02-02 | 1994-02-02 | ポリテトラフルオロエチレン微小中空体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07216127A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002072671A3 (fr) * | 2001-03-14 | 2002-12-19 | Sekisui Chemical Co Ltd | Particules polymeres creuses, procede de production desdites particules, filtre ceramique poreux et procede de fabrication dudit filtre |
KR20160092211A (ko) * | 2015-01-27 | 2016-08-04 | 에스케이이노베이션 주식회사 | 저유전성 적층 필름 및 이를 이용한 회로 기판 |
WO2022186224A1 (ja) * | 2021-03-01 | 2022-09-09 | 国立大学法人 東京大学 | マイクロ粒子及びマイクロ粒子分散液 |
-
1994
- 1994-02-02 JP JP6010992A patent/JPH07216127A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002072671A3 (fr) * | 2001-03-14 | 2002-12-19 | Sekisui Chemical Co Ltd | Particules polymeres creuses, procede de production desdites particules, filtre ceramique poreux et procede de fabrication dudit filtre |
JPWO2002072671A1 (ja) * | 2001-03-14 | 2004-07-02 | 積水化学工業株式会社 | 中空ポリマー粒子、中空ポリマー粒子の製造方法、多孔質セラミックフィルタおよび多孔質セラミックフィルタの製造方法 |
US7319114B2 (en) | 2001-03-14 | 2008-01-15 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Hollow polymer particles, method for preparing hollow polymer particles, porous ceramic filter, and method for preparing porous ceramic filter |
KR20160092211A (ko) * | 2015-01-27 | 2016-08-04 | 에스케이이노베이션 주식회사 | 저유전성 적층 필름 및 이를 이용한 회로 기판 |
WO2022186224A1 (ja) * | 2021-03-01 | 2022-09-09 | 国立大学法人 東京大学 | マイクロ粒子及びマイクロ粒子分散液 |
JP2022133261A (ja) * | 2021-03-01 | 2022-09-13 | 国立大学法人 東京大学 | マイクロ粒子及びマイクロ粒子分散液 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6277448B2 (en) | Thermal spray method for the formation of nanostructured coatings | |
Ye et al. | Ceramic microparticles and capsules via microfluidic processing of a preceramic polymer | |
Matson et al. | Rapid expansion of supercritical fluid solutions: solute formation of powders, thin films, and fibers | |
US5439502A (en) | Method for making silver powder by aerosol decomposition | |
US8372320B2 (en) | Method for drying cellulose nanofibrils | |
US11701709B2 (en) | Methods for nanofunctionalization of powders, and nanofunctionalized materials produced therefrom | |
Link et al. | Fluidized bed spray granulation: Investigation of the coating process on a single sphere | |
Ennis et al. | A microlevel-based characterization of granulation phenomena | |
Petersen et al. | The formation of polymer fibers from the rapid expansion of supercritical fluid solutions | |
WO1997018341A9 (en) | Nanostructured feeds for thermal spray | |
US5928405A (en) | Method of making metallic powders by aerosol thermolysis | |
JP2008517159A5 (ja) | ||
JP2006516220A (ja) | 反応チャンバープラズマ反応器系による蒸発濃縮法を使用する、ナノ粒子の製造方法 | |
JPS61500210A (ja) | 超臨界流体分子噴霧皮膜堆積および粉末形成 | |
US4642262A (en) | Method of making fibrids from thermoplastics | |
JPS5812296B2 (ja) | タコウネツカソセイセイセイブツノ セイゾウホウホウ | |
KR101278476B1 (ko) | 실리카 나노 분말의 표면개질 방법 | |
Nikitin et al. | Supercritical carbon dioxide: A reactive medium for chemical processes involving fluoropolymers | |
JPH07216127A (ja) | ポリテトラフルオロエチレン微小中空体およびその製造方法 | |
Durand-Keklikian et al. | Microencapsulation of oil droplets by aerosol techniques—I. Metal oxide coatings | |
Bauckhage et al. | Production of fine powders by ultrasonic standing wave atomization | |
CN108479729A (zh) | 低温液态金属微球在制备吸附分离分析高分子多孔材料中的应用 | |
JP2000212362A (ja) | 低誘電率組成物及びその成形体 | |
Shin et al. | Preparation of polymer particles in aerosol-phase reaction | |
EP0119913A1 (fr) | Procédé de fabrication de pièces en matériau inorganique présentant une forte porosité, utilisable pour la réalisation de pièces en matériau hygroscopique, inflammable ou radioactif |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |