JPH07209866A - 光重合性組成物、それを用いたカラーフィルター及びその製造方法 - Google Patents

光重合性組成物、それを用いたカラーフィルター及びその製造方法

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JPH07209866A
JPH07209866A JP176994A JP176994A JPH07209866A JP H07209866 A JPH07209866 A JP H07209866A JP 176994 A JP176994 A JP 176994A JP 176994 A JP176994 A JP 176994A JP H07209866 A JPH07209866 A JP H07209866A
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carbon atoms
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JP176994A
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Yuichi Wakata
裕一 若田
Masayuki Iwasaki
政幸 岩崎
Koji Inoue
浩治 井上
Takashi Takayanagi
丘 高柳
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 1)平坦性、2)硬度、3)耐薬品性、4)
透明性、5)基板との密着性、6)透明導電性層の形成
性等を備える保護層を与えるような光重合性組成物、更
に、上記光重合性組成物を使用した液晶表示パネルに特
に有用なカラーフィルターの製造方法を提供する。 【構成】 光重合性組成物が、(1)光重合開始剤もし
くは光重合開始剤系、(2)エチレン性不飽和二重結合
を有する付加重合性モノマー、及び(3)少なくとも下
記一般式(I)及び(II)で示される繰り返し単位を
有する樹脂と下記一般式(III)で示される1級アミ
ンを反応させた後、更に同一分子中にエポキシ基とエチ
レン性不飽和二重結合とを有する化合物を反応させて得
られる樹脂を含む。 【化1】 例 スチレン/マレイン酸無水物共重合体 R−NH2 一般式(III) 例 ベンジルアミン、フェネチルアミン

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光重合および熱処理後の
硬化物の耐薬品性が優れ、アルカリ水溶液で現像が可能
な光重合性組成物に関する。本発明になる光重合性組成
物は、カラーフィルターの保護層形成に特に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは液晶表示パネルの重
要な部品であり、種々の要求性能項目があるが、特にS
TNやFLC液晶表示パネルとして用いたときに、カラ
ーフィルター上に設けられる透明導電性層の形成及び引
き続く透明電極への加工にあたり、耐熱性や耐薬品性は
とりわけ重要である。即ち、前記の液晶表示パネルは、
通常はガラス製の透明基板上に赤、緑、青色の画素また
は場合により更に黒色又は光遮断性のブラックマトリッ
クスを有する多色画像層を形成した後で保護層を形成
し、この上に通常はITOのスパッタにより透明導電性
層を形成する。その後、STN型や強誘電性液晶型パネ
ルの場合には更にフォトリソグラフィーにより透明電極
に加工し電極付きカラーフィルターを得る。そして、該
電極付きカラーフィルターの上に配向膜を形成する。ま
た別の透明基板上の透明電極及び配向膜をスペーサーで
一定の間隙を保ってシールしたあとでこの2枚の基板間
に液晶を注入することでパネルが作製される。
【0003】この一連の液晶表示パネルのためのカラー
フィルターの形成過程で、多色画像層上の保護層は、
1)平坦性を与える、2)液晶のセルギャップを確保す
るためスペーサが潜り込まないほどに十分な硬度を示
す、3)透明導電性層のフォトリソグラフィー過程で用
いられる種々の薬液(フォトレジストの溶剤、酸性エッ
チング液、アルカリ性レジスト剥離液、配向膜塗液の溶
剤等)への耐性を与える、また更に、4)可視光領域で
の透明性が有り、曇りや濁りが無い事、5)多色画像層
との密着はもちろん、多色画像の形成されていない基板
上に直接設けられる場合も有る為に基板への密着性に優
れる事が必要となる。この目的のため特開昭60−21
6307号に記載のエポキシ化合物と多価カルボン酸ま
たはその無水物、特開昭60−244932号に記載の
ナイロン樹脂、特開昭63−131103号に記載のメ
ラミン化合物とエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂が提
案された。確かにこれらの熱硬化型樹脂は上記1)から
4)の必要性能上はほぼ目標を達成することが可能にな
った。
【0004】しかし、保護層非画像部でのシールを確実
なものにするために、透明基板上では除去しなければな
らないという要請や、特開昭57−42009号、特開
平1−130103号や特開平1−134306号に記
載のようにスクライブライン上の保護膜は除去しなけれ
ばならないという要請が出てきた。しかしながら前述の
様な熱硬化性樹脂ではこれらを精度良く実施することは
困難である。さらにこの様な熱硬化性樹脂は一般に硬化
剤とエポキシ樹脂の組み合わせのため、反応性のこの2
成分を混合して置くと、経時的に反応が進み塗液粘度が
上昇するため膜厚を均一にする事が困難で、使用可能な
時間が短かく、かつ膜厚の精度が得られにくいという欠
点がある。
【0005】これらの問題点を解決する有効な手段とし
て、感光性で未露光部が現像できるいわゆる感光性樹脂
タイプが求められるようになった。これまで知られてい
る、感光性であって、カラーフィルター層上に塗布など
の方法で設け、光硬化して保護層として使用される例と
しては、特開昭57−42009号や特開昭60−24
4932号に記載の紫外線硬化型樹脂、特開昭59−7
317号に記載のビニルカルボニル基含有ポリマー、特
開昭59−184325号のPVAと感光剤からなる感
光性樹脂、特開昭60−42704号記載のゴム系樹
脂、特開平2−191901号記載の着色層として用い
られる顔料分散させた感光性樹脂組成物から顔料を除去
した感光性樹脂などが知られている。
【0006】更に、光で硬化し、未露光部が衛生上また
公害対策上も有利なアルカリ水溶液で現像でき、その後
加熱により硬化膜に更に大きな耐アルカリ性が与えられ
るような保護層が最も好ましいが、そのような方法は特
開平3−126950号に記載の組成物、特開昭52−
132091号記載の組成物、特公平4−20923号
に記載の組成物を使用する事で可能であることが知られ
ている。
【0007】しかしこれらの感光性の保護層形成用組成
物は、まだまだ感光性塗膜にしたときの現像性、表面の
ベタつき(タック)、現像後に硬化処理した後での塗膜
や画像の耐アルカリ性、耐溶剤性、透明性、基板との密
着性の点で不十分であった。また仮支持体上にこの様な
組成物からなる光重合性組成物層を形成し、これを転写
する方法もあるが、この様な場合においての転写性も不
十分であった。
【0008】また、保護層上に透明導電性層を形成する
場合、前述の種々の薬液(フォトレジストの溶剤、酸性
エッチング液、アルカリ性レジスト剥離液、配向膜塗液
の溶剤等)への耐性を有していても、形成された透明導
電性層にクラック等の欠陥が生ずる等の問題があった。
【0009】そこで、この様な問題を解決する方法とし
て我々は既に例えば特願平5−202272号、特願平
4−60668号等に記載の方法を見出している。しか
しながらこれらの方法においても現像性、透明導電性層
の形成性を確保する為には多量の光重合性のモノマー成
分を必要とする為に場合によってはタックがやや増大す
ると言う問題があった。
【0010】光重合性のモノマー成分の使用量を減らす
為には、たとえば高分子バインダーに重合性基を導入さ
せる事が考えられる。この様な化合物自身は公知であ
り、例えば特公昭51−37316号公報等にカルボキ
シル基とエチレン性不飽和二重結合を含有する高分子化
合物の例が記載がされている。また特開平5−2570
09号においてもカルボキシル基とエチレン性不飽和二
重結合を含有する高分子化合物をカラーフィルターの保
護膜用に用いる例が記載されている。しかしながらこれ
らの方法においても硬化後の樹脂にはカルボキシル基が
残存する為に硬化後の耐アルカリ性、特に透明導電性層
の形成時の耐薬品性に問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、上記1)平坦性、2)硬度、3)耐薬品性、4)透
明性、5)基板との密着性、6)透明導電性層の形成性
において各必要性能を備える保護層(OC層)を与える
ような、アルカリ現像性に優れ、かつタックの無い光重
合性組成物、特にそれを構成する為のバインダーを提供
することにある。本発明の第二の目的は、現像後の光硬
化物の耐アルカリ化処理が、比較的低い温度、且つ短い
処理時間で可能で、その加熱処理中に揮散する成分が少
ない光重合性組成物を提供することにある。本発明の第
三の目的は、上記光重合性組成物を使用し、カラーフィ
ルター上に塗布法もしくは転写法により保護層を形成す
る、液晶表示パネルに特に有用なカラーフィルターの製
造方法を提供する事にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意努力
した結果、本発明の目的が、(1)光重合開始剤もしく
は光重合開始剤系、(2)エチレン性不飽和二重結合を
有する付加重合性モノマー、及び(3)少なくとも下記
一般式(I)及び(II)で示される繰り返し単位を有
する、数平均分子量が500〜30,000の樹脂と下
記一般式(III)で示される1級アミンを無水物基の
1当量に対して1.0から0.1当量の比率で反応させ
た後、更に同一分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和
二重結合とを有する化合物を該1級アミンの1当量に対
して0.9から0.01当量の比率で反応させて得られ
る樹脂を含むことを特徴とする光重合性組成物、及びそ
れを用いて作成した保護層を有するカラーフィルターに
よって達成されることを見出し、本発明を成すに至っ
た。
【0013】
【化2】
【0014】〔式中、Ar1 :フェニル基(該フェニル
基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のア
ルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、炭素数7
から12のアラルキル基、ハロゲン原子またはそれらの
2種以上の組み合わせで置換されてもよい) x、y:樹脂中での繰り返し単位のモル分率で、x=
0.85〜0.50、y=0.15〜0.50を表
す。〕 R−NH2 (III) 〔式中、R:炭素数1から12のアルキル基、炭素数7
から16のアラルキル基、炭素数6から18のアリール
基を表す。(該アルキル基、アラルキル基、アリール基
はそれぞれ分岐を有してもよく、更に炭素数1から6の
アルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数6
から10のアリール基、炭素数7から12のアラルキル
基、ハロゲン原子またはそれらの2種以上の組み合わせ
で置換されてもよい)を表す。〕 以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明に用いられる少なくとも前述の一般
式(I)及び(II)で示される繰り返し単位を有する
樹脂の組成は、繰り返し単位の組成比がx=0.85〜
0.50、y=0.15〜0.50が好ましいが、特に
好ましくはx=0.80〜0.55、y=0.20〜
0.45である。該xの組成比が0.50未満では光重
合性組成物の露光部のアルカリ現像液への耐性が不足
し、0.85を越えると未露光部の該現像液による現像
性が劣る。
【0016】該樹脂の数平均分子量としては、500か
ら30,000の分子量を持つものが好ましいがより好
ましくは700から20,000である。数平均分子量
が700未満の共重合体は製造が難しく、30,000
を越えると、感光性層のアルカリ現像性が劣るととも
に、耐現像液性も劣る。すなわち、アルカリ現像性が劣
るので長時間現像液に浸漬することになり、露光部も膨
潤しやすくなるので良質な画像が得られない。
【0017】本発明に使用する少なくとも前述の一般式
(I)及び(II)で示される繰り返し単位を有する樹
脂は、例えば無水マレイン酸と以下の群の単量体の一種
以上を常法に従い適当な溶媒中で重合開始剤の存在下で
共重合させることにより得られる。単量体の例として
は、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、プロ
ピルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレ
ン、sec−ブチルスチレン、tert−ブチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、ジエチルスチレン、メトキシス
チレン、エトキシスチレン、プロポキシスチレン、ブト
キシスチレン、ビニルビフエニル、ベンジルスチレン、
クロロスチレン、フロロスチレン、ブロモスチレン、ク
ロロ−メチルスチレン等が挙げられる。
【0018】また本発明の樹脂の性能を損なわない範囲
で更にこれらと共重合可能な単量体と共重合させても良
い。これらの内、特に好ましい例としてはスチレン/マ
レイン酸無水物共重合体が挙げられる。
【0019】本発明の1級アミンの具体例としてはアル
キルアミンとしてはメチルアミン、エチルアミン、プロ
ピルアミン、i−プロピルアミン、ブチルアミン、t−
ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチル
アミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、
ラウリルアミン、アダマンチルアミン、メトキシメチル
アミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチ
ルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2−ブトキシ
エチルアミン、2−シクロヘキシルオキシエキルアミ
ン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロ
ピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン等、ま
たアラルキルアミンとしてはベンジルアミン、フェネチ
ルアミン、3−フェニル−1−プロピルアミン、4−フ
ェニル−1−ブチルアミン、5−フェニル−1−ペンチ
ルアミン、6−フェニル−1−ヘキシルアミン、α−メ
チルベンジルアミン、o−メチルベンジルアミン、m−
メチルベンジルアミン、p−メチルベンジルアミン、p
−t−ブチルベンジルアミン、2−(p−トリル)エチ
ルアミン、β−メチルフェネチルアミン、1−メチル−
3−フェニルプロピルアミン、o−クロロベンジルアミ
ン、m−クロロベンジルアミン、p−クロロベンジルア
ミン、o−フロロベンジルアミン、m−フロロベンジル
アミン、p−フロロベンジルアミン、p−ブロモフェネ
チルアミン、2−(o−クロロフェニル)エチルアミ
ン、2−(m−クロロフェニル)エチルアミン、2−
(p−クロロフェニル)エチルアミン、2−(o−フロ
ロフェニル)エチルアミン、2−(m−フロロフェニ
ル)エチルアミン、2−(p−フロロフェニル)エチル
アミン、p−フロロ−α、α−ジメチルフェネチルアミ
ン、o−メトキシベンジルアミン、m−メトキシベンジ
ルアミン、p−メトキシベンジルアミン、o−エトキシ
ベンジルアミン、o−メトキシフェネチルアミン、m−
メトキシフェネチルアミン、p−メトキシフェネチルア
ミン等、またアリールアミンとしては、アニリン、オク
チルアニリン、アニシジン、4−クロルアニリン、1−
ナフチルアミン等を挙げる事ができる。これらの中でも
好ましい1級アミンの例としては2−メトキシエチルア
ミン、3−メトキシプロピルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ブチルアミンがあり、更に好ましいものはアラル
キルアミンであり、その中でもベンジルアミン、フェネ
チルアミンが特に好ましい。
【0020】本発明において、該共重合体と1級アミン
の反応比率はマレイン酸無水物基の1当量に対し、0.
1から1.0当量が好ましいが、特に好ましくは0.2
から1.0当量である。この当量分だけマレイン酸無水
物基がマレイン酸モノアミドに変換される。0.1当量
未満では光重合性組成物の現像性、露光後の耐アルカリ
現像液性が劣る。またアミンの仕込量をマレイン酸無水
物当量より過剰にすることで目的の反応を効率的に進行
させることができるが、その場合は過剰のアミンを共重
合体の再沈澱などの方法により除去、精製することが望
ましい。
【0021】本発明の同一分子中にエポキシ基とエチレ
ン性不飽和二重結合とを有する化合物の具体例としては
まずエポキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ
る。この様な化合物としては、グリシジル(メタ)アク
リレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4,5−エポキシペンチル(メタ)アクリレート、
5,6−エポキシヘキシル(メタ)アクリレート、6,
7−エポキシヘプチルアクリレート、6,7−エポキシ
ヘプチル(メタ)アクリレート、10,11−エポキシ
ウンデシル(メタ)アクリレート、4−グリシジルシク
ロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ま
た、ジグリシジルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸
との1:1付加反応物も用いることができる。ジグリシ
ジルエーテル化合物としては、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テ
トラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチ
レングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、ジオールのモノグリシジルエーテルモノ(メタ)
アクリレートも用いることができる。ジオールとして
は、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレ
ングリコール等が挙げられる。また、ジカルボン酸のモ
ノグリシジルエステルモノ(メタ)アクリロキシエチル
エステルも用いることができる。ジカルボン酸として
は、フタル酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸
等が挙げられる。また、1−クロロ−2,3−エポキシ
プロピルアクリレート、1−クロロ−2,3−エポキシ
プロピルメタクリレート、2−ブロモ−3,4−エポキ
シブチルアクリレート、2−ブロモ−3,4−エポキシ
ブチルメタクリレート、2−(エポキシエチルオキシ)
−エチルアクリレート、2−(エポキシエチルオキシ)
−エチルメタクリレート、2−(3,4−エポキシブチ
ルオキシ)−エチルアクリレート、2−(3,4−エポ
キシブチルオキシ)−エチルメタクリレート等も用いる
ことができる。これらの内、特に好ましい具体例として
はグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
が挙げられる。
【0022】本発明において、該同一分子中にエポキシ
基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物の反応
比率は該1級アミンの1当量(すなわちマレイン酸無水
物と該1級アミンの反応で生ずるカルボキシル基の1当
量)に対して0.9から0.01当量が好ましいが、特
に好ましくは0.7から0.03当量である。この当量
分のカルボキシル基が減少し、代わりにエチレン性不飽
和二重結合が高分子側鎖に化学結合する事になる。その
為、この反応比率が0.9当量を越えると光重合性組成
物のアルカリ現像液性が劣り、また0.01当量未満で
は透明導電性層の形成性が劣る。尚、この際に該同一分
子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合とを有す
る化合物の仕込み量を上記の当量以上用いて目的の反応
を効率的に進行させることもできる。その場合は過剰の
該同一分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合
とを有する化合物を性能上で問題が無い範囲でそのまま
残存させても良いが、再沈澱などの方法により精製除去
しても良い。
【0023】本発明の樹脂は該少なくとも下記一般式
(I)及び(II)で示される繰り返し単位を有する樹
脂と該1級アミンとの反応により(II)の単位の全て
あるいはその一部をマレイン酸モノアミドに変換し、更
に生じたマレイン酸モノアミドのカルボキシル基の一部
と該同一分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結
合とを有する化合物を反応させる事により得られる、分
子中にマレイン酸モノアミドとエチレン性不飽和二重結
合とを有する樹脂である。具体的な合成方法としては例
えば以下の様に行える。少なくとも前述の一般式(I)
及び(II)で示される繰り返し単位を有する樹脂を適
当な溶媒に溶解し、これに該1級アミンまたはこれの溶
液を滴下する。溶媒としては無水物と反応する事無く樹
脂を溶解可能で有れば特に限定されないがメチルエチル
ケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートやこれらの混合物等が挙げられ、反応温度として
は室温近辺が好ましい。次いで得られた樹脂溶液に同一
分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合とを有
する化合物またはこれの溶液を添加する。これを適当な
触媒とともに加熱付加を行う。この際、適当な熱重合禁
止剤を添加してもよい。触媒としてはトリエチルアミ
ン、トリエチルアンモニウムクロライド、トリフェニル
ホスフィン等が挙げられ、反応温度としては50℃〜1
00℃が好ましい。これらの樹脂は必要に応じて各反応
工程毎に精製処理を行ってもよい。
【0024】エチレン性不飽和二重結合を有する付加重
合性モノマーは単独でまたは他のモノマーとの組み合わ
せで使用することができるもので、具体的には、t−ブ
チル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、
1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジヒドロ
キシベンゼンジ(メタ)アクリレート、デカメチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、スチレン、ジアリル
フマレート、トリメリット酸トリアリル、ラウリル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドまたはキシ
リレンビス(メタ)アクリルアミドが含まれる。また2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート等のようなヒドロキシ
ル基を有する化合物とヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネ
ート等のジイソシアネートとの反応物も使用できる。こ
れらの内、特に好ましいのはペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、
トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレ
ートである。
【0025】光重合性組成物中におけるモノマーの全量
は、組成物の全固形分に対して10重量%から80重量
%であり、特に好ましくは20重量%から70重量%で
ある。10重量%未満では組成物の露光部のアルカリ現
像液への耐性が劣り、80重量%を越えると感光性層の
タッキネスが増加してしまい取り扱い性に劣る。
【0026】本発明の光重合性組成物中に含ませる光重
合開始剤または光重合開始剤系は、実質的に、既知の全
ての開始剤あるいは開始剤系を使用する事ができる。例
としては、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシ
スチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキ
サジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジ
メチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズ
ケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベ
ンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキ
サントン/アミンなどがある。特に好ましいのは2−
(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−
1,3,4−オキサジアゾールのようなトリハロメチル
基含有化合物である。光重合開始剤の添加量は全固形分
の0.1重量%から20重量%、特に好ましくは0.5
重量%から5重量%である。0.1重量%未満では組成
物の光硬化の効率が低いので露光に長時間がかかり、2
0重量%を越えると、紫外線領域から可視領域での光透
過率が劣化するのでカラーフィルターの保護層には不適
となる。更に公知の添加剤、例えば可塑剤、充填剤、安
定化剤等を含有させる事ができ、カラーフイルターの保
護層以外の用途には顔料、染料等を添加することもでき
る。
【0027】本発明の光重合性組成物は、カラーフィル
ターの保護層形成用材料として好適である。即ち、本発
明の光重合性組成物を前記画素を有するカラーフィルタ
ーの上に層状に設けた後、露光・現像・加熱等の工程を
経て保護層を形成する。層状に設けるには、例えば溶液
を噴霧吹き付け・液中に浸漬するなどの公知の手段によ
り塗布する方法、もしくは仮支持体上に光重合性組成物
層を形成し、これを転写する方法等がある。保護層の厚
さは通常0.1μmから50μmであり、特に好ましく
は、1μmから5μmである。
【0028】カラーフィルターの支持体としては、金属
性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミッ
ク、合成樹脂フイルム等を使用することができる。特に
好ましくは、透明で寸度安定性の良好なガラスや合成樹
脂フイルムを挙げることができる。
【0029】本発明の光重合性組成物は層転写材料とし
ても使用される。即ち、光重合性組成物は仮支持体、好
ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム上に直
接、または酸素遮断層、剥離層、もしくは剥離層および
酸素遮断層を設けたポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に層状に設け、通常その上に取扱上の保護のために
除去可能な合成樹脂製カバーシートを積層する。または
仮支持体上にアルカリ可溶性熱可塑性樹脂層及び中間層
を設け、更に光重合性組成物層を設けた層構成(特開平
5−80503号公報に記載)も適用できる。使用時に
該カバーシートを除去し、光重合性組成物層を永久支持
体上、例えばカラーフィルター画素を有する支持体表面
に積層する。ついで、酸素遮断層、剥離層等があるとき
はそれらの層と仮支持体の間で、剥離層および酸素遮断
層があるときは剥離層と酸素遮断層の間で、剥離層も酸
素遮断層もないときには仮支持体と光重合性組成物層の
間で剥離して、仮支持体を除去することにより、該組成
物層をカラーフィルター層上に積層する。ついで露光を
行うが、STNの場合の様に、カラーフィルター層上に
保護層を介して透明電極を形成する時には、マスクを通
して露光し、現像して保護層をパターンニングする。現
像は重合していない領域を適当なアルカリ現像液で洗い
去ることによっておこなわれる。一方、TFTの場合の
様に、全面に透明導電層を有する時には、マスクを必要
としない。
【0030】本発明の光重合性組成物の現像液として
は、アルカリ性物質の希薄水溶液を使用するが、さらに
水と混和性の有機溶剤を少量添加したものも含まれる。
適当なアルカリ性物質はアルカリ金属水酸化物類(例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属
炭酸塩類(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、ア
ルカリ金属重炭酸塩類(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム)アルカリ金属メタケイ酸塩類(メ
タケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールア
ミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒド
ロキシド類(例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド)または燐酸三ナトリウムである。アルカリ性物質
の濃度は、0.01重量%〜30重量%であり、pHは
8〜14が好ましい。
【0031】水と混和性のある適当な有機溶剤は、メタ
ノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノ
ール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエ
ーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−
ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、
乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリド
ンである。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1重量%
〜30重量%である。さらに公知の界面活性剤を添加す
ることができる。界面活性剤の濃度は0.01重量%〜
10重量%が好ましい。
【0032】現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液
としても用いることができる。光重合性組成物層の未硬
化部分を除去するには現像液中で回転ブラシで擦るか湿
潤スポンジで擦るなどの方法を組み合わせることができ
る。現像液の液温度は通常室温付近から40℃が好まし
い。現像処理の後に水洗工程を入れることも可能であ
る。
【0033】現像工程の後、加熱処理を行う。即ち、露
光により光重合した層(以下、光硬化層と称する)を有
する支持体を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、または
光硬化層に赤外線ランプを照射する。加熱の温度及び時
間は使用した重合性組成物の組成や形成された層の厚み
に依存する。一般に、十分な耐溶剤性、耐アルカリ性を
獲得するのに、約120℃から約250℃で約10分か
ら約60分間加熱することが好ましい。
【0034】次に、こうして形成された保護層の上にI
TO(酸化インジウムスズ)層をスパッタ法により形成
する。ITO層を透明電極として加工する場合には、該
ITO層上にフォトレジスト層を形成し、電極パターン
を焼き付け、フォトレジスト層を現像し、該ITO層を
エッチングし、該フォトレジストを剥離する。さらに配
向膜の形成には、一般的にはN−メチルピロリドンやγ
−ブチロラクトンのような極性有機溶媒を溶剤として含
むポリイミドのような配向膜形成用塗液が塗布され、乾
燥され、配向処理が施される。本発明の光重合性組成物
は、公知の種々の方法、例えば転写法、着色レジスト
法、染色法、印刷法、電着法等のいずれの方法で作成さ
れたカラーフィルターに対しても、保護層形成用材料と
して有用である。
【0035】本発明の光重合性組成物はカラーフィルタ
ー層上の保護層形成に好適に使用できるが、この用途に
限定されるものではない。染料、顔料を含有させて高度
の耐薬品性が必要とされるカラーフィルター画素形成用
の着色レジスト(例えば特開昭63−298304に開
示)、プリント基板用ソルダーレジスト(例えば特開平
3−223856に開示)、無電解メッキ用レジスト
(同公報に開示)、電気素子の保護膜、層間絶縁膜、接
着剤(以上例えば特開平3−126950に開示)等に
も有用である。以下、本発明を実施例によって説明す
る。特に断らない限り、「部」は重量部を、「%」は重
量%を表す。
【0036】
【実施例】
合成例1 スチレン/マレイン酸無水物=68/32モル比の共重
合体(数平均分子量=2800)122.5部をプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート/メチル
エチルケトン=50/50重量比の混合溶媒490.0
部に溶解した。これにベンジルアミン42.9部(酸無
水物に対して1.0当量)をプロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート/メチルエチルケトン=50
/50重量比の混合溶媒171.6部に溶解した溶液を
室温で約1時間かけて滴下し、更に室温下で6時間攪拌
した。次いでグリシジルアクリレート5.1部(アミン
に対して0.1当量)、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート/メチルエチルケトン=50/5
0重量比の混合溶媒20.4部、ベンジルトリエチルア
ンモニウムクロライド0.09部、2,5−ジ−t−ヘ
キシルハイドロキノン0.01部を加え70℃で6時間
反応させる事によりスチレン/マレイン酸無水物共重合
体の変性体(分子中にマレイン酸モノアミドとエチレン
性不飽和二重結合とを有する樹脂)を得た。
【0037】実施例1(液状保護層形成用) <保護層形成用塗液の製造>次の組成で混合溶解し、
0.2μmの穴径のフィルターでろ過し保護層形成用塗
液を調製した。 ・合成例1で製造した共重合体番号1の20重量%溶液(溶媒はプロピレング リコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチ ルエーテルの1/1重量比混合物) 68部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.4部 ・トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート 6.8部 ・2−(4−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル− 1,3,4−オキサジアゾール 0.65部 ・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.007部 ・ふっ素系界面活性剤(大日本インキ化学(株)製 F177P) 0.002部
【0038】<保護層の製造>1.1mm厚のガラス基
板(大きさ350mm×400mm)上に形成された、
R(赤)、G(緑)、B(青)の画素を有するカラーフ
ィルター層上に前記の保護層形成用塗液を、スピンコー
ターで塗布して乾燥し、3μm厚みの保護層形成用感光
性層を形成した。超高圧水銀灯光源のアライナーを用
い、保護層焼き付け用マスクを通して200mj/cm
2 の光量で紫外線照射した、その後、1%炭酸ナトリウ
ム水溶液である現像液をこの基板上に噴霧する事により
現像し、水洗した。その後、加熱処理のため、200℃
の乾燥器中に20分間放置したあとで冷却した。
【0039】こうして得られたカラーフィルター層上の
保護層に、ITO膜をスパッタする事により0.2μm
厚で設け、さらにITO膜上にポジ型フォトレジスト
(フジハントエレクトロニクステクノロジー社製、FH
2130)を形成後、電極パターンマスクを介して露光
し、現像し、塩酸/塩化鉄水溶液でITO層をエッチン
グし、レジスト剥離液(フジハントエレクトロニクステ
クノロジー社製、MS2001)で剥離したところ、全
く欠陥のないITO電極が得られた。粘着テープを用い
てこの電極を剥離しようとしたが剥がれなかった。また
この上に配向膜塗液(ポリイミド樹脂のN−メチルピロ
リドン/γ−ブチロラクトン溶液)を、スピンコーター
で塗布し乾燥したが、膨潤する事なく配向膜層が得られ
た。また保護層の鉛筆硬度は5Hであった。
【0040】実施例2(フィルム状保護層形成用材料) 実施例1の保護層形成用塗液を厚さ75μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム仮支持体上に塗布し、乾燥
して3μm厚の保護層形成用感光性層を形成した。この
上に厚さ15μmのポリプロピレン製カバーシートをラ
ミネートし、フィルム状保護層形成用材料を得た。実施
例1に記載のカラーフィルター層を有するガラス基板を
用意した。まず、該フィルム状保護層形成用材料からカ
バーシートを除去し、該感光性層をカラーフィルター層
と接触するように重ね、ラミネータを用い積層した。そ
の後該仮支持体を剥したところ、カラーフィルター層上
に感光性層が形成された。以下は実施例1と同様に、感
光性層を露光現像し、加熱処理する事で、保護層が形成
された。この保護層上に、実施例1と同様にITOの電
極を形成したところ、密着し、欠陥のないITO電極が
得られた。また同様に保護層が膨潤する事なく、配向膜
も形成する事ができた。鉛筆硬度は5Hであった。
【0041】実施例3 特開平5−72724号公報の実施例にあるような熱可
塑性層と分離層を有するポリエチレンテレフタレートフ
ィルム仮支持体上に実施例1の保護像形成用塗液を塗布
し、この上に厚さ15μmのポリプロピレン製カバーフ
ィルムをラミネートしてフィルム状感光性転写材料を得
た。実施例2と同様にしてカラーフィルター層を有する
ガラス基板上に該フィルム状感光性転写材料を積層し、
仮支持体を剥離除去後、実施例1と同様にして露光現像
し、加熱処理を施したところ、カラーフィルター層の画
素部に気泡やピンホール等の欠陥の無い保護層が得られ
た。鉛筆硬度は5Hであった。この保護層上に、実施例
1と同様にITOの電極を形成したところ、シワやクラ
ック等の欠陥もなくまた密着も申し分のないITO電極
が得られた。また同様に保護層が膨潤することなく、配
向膜も形成できた。又、その他の項目の評価結果を表2
に示す。
【0042】合成例2〜15 表1に示した樹脂、1級アミン及び同一分子中にエポキ
シ基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を用
いて、合成例1と同様にしてスチレン/マレイン酸無水
物共重合体の変性体(分子中にマレイン酸モノアミドと
エチレン性不飽和二重結合とを有する樹脂)、又は比較
用にスチレン/マレイン酸無水物共重合体のアミン変性
体(分子中にマレイン酸モノアミドを有する樹脂)を得
た。
【0043】 表1:合成した高分子化合物 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合成例 原料樹脂 数平均 アミン 水酸基とエチレン性不飽和 No 組成(モル比) 分子量 二重結合含有の化合物 ─────────── ────────── 構造 無水物に対 構造 無水物に対 St/MAH する当量 する当量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 68/32 2800 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 GLA 0.1 2 68/32 2800 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 GLA 0.3 3 68/32 2800 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 GLA 0.5 4 68/32 2800 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 GLA 0.7 5 69/31 4000 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 GLA 0.5 6 64/36 11300 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 GLA 0.5 7 68/32 2800 フェネチルアミン 1.0 GLA 0.5 8 68/32 2800 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 GLMA 0.5 9 68/32 2800 シクロヘキシルアミン 1.0 GLA 0.5 10 69/31 4000 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 GLMA 0.5 11 68/32 2800 ヘ゛ンシ゛ルアミン 0.8 GLA 0.5 12 68/32 2800 ヘ゛ンシ゛ルアミン 0.6 GLA 0.7 13 68/32 2800 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 − − 14 68/32 2800 シクロヘキシルアミン 1.0 − − 15 90/10 2800 ヘ゛ンシ゛ルアミン 1.0 GLA 0.5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ St:スチレン MAH:無水マレイン酸 GLA:ク゛リシシ゛ルアクリレート GLMA:ク
゛リシシ゛ルメタクリレート
【0044】合成例16(樹脂No16) スチレン/マレイン酸無水物=68/32モル比の共重
合体(数平均分子量=2800)122.5部をプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート/メチル
エチルケトン=50/50重量比の混合溶媒490.0
部に溶解した。これに2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト46.4部(酸無水物に対して1.0当量)、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート/メチル
エチルケトン=50/50重量比の混合溶媒185.6
部、4−ジメチルアミノピリジン2.4部、2,5−ジ
−t−ヘキシルハイドロキノン0.05部を加え60℃
で12時間反応させる事によりスチレン/マレイン酸無
水物共重合体の変性体(分子中にカルボキシル基とエチ
レン性不飽和二重結合とを有する樹脂)を得た。
【0045】合成例17(樹脂No17) 特開平5−257009号明細書に記載の実施例3のメ
タクリル酸メチル/スチレン/マレイン酸とグリシジル
メタクリレートの付加反応物(分子中にカルボキシル基
とエチレン性不飽和二重結合とを有する樹脂)に関して
実施した。
【0046】合成例18(樹脂No18) 特開昭52−13209号明細書に記載の製造例1のイ
ソブチレン/マレイン酸無水物共重合体(数平均分子量
80000、マレイン酸無水物単位は50モル%、ブチ
ルアミン0.8当量使用)に関して実施した。
【0047】合成例19(樹脂No19) 特開平2−97502号明細書に記載の実施例1のスチ
レン/メチルメタクリレート/マレイン酸無水物共重合
体(数平均分子量30000、マレイン酸無水物単位は
16モル%、プロピルアミン1.1当量使用)に関して
実施した。
【0048】実施例4〜14及び比較例1〜7 実施例2と同様にして樹脂No2〜12(実施例)及び
13〜19(比較例)を用いて保護層形成用塗布液を調
製し、同様に評価を行った。
【0049】比較例8 実施例3のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
1.4部を6.8部に変更する以外は実施例2と同様に
して樹脂No13を用いて保護層形成用塗布液を調製
し、同様に評価を行った。各サンプルの性能の評価方法
を以下に記す。
【0050】1.現像性 ガラス基板上にスピンコーターで、3μmの膜厚になる
ように塗布した感光性層を1%炭酸ナトリウム水溶液中
に30℃で1分間浸漬して、溶解するかどうかで評価し
た。
【0051】2.耐現像液性 ガラス基板上に3μmの膜厚になるように、スピンコー
ターで塗布した感光性層を、80μm×300μmの矩
形の画像が得られるマスクを通して200mj/cm2
露光し、1%炭酸ナトリウム水溶液中に30℃で1分間
浸漬して、露光部が基板に密着しているかどうかで評価
した。
【0052】3.平坦性 ガラス基板上の2μm厚のカラーフィルター層上(2μ
mの凹凸有り)に3μmになるように感光性層を形成
し、露光(200mj/cm2 )、現像、後加熱(20
0℃、60分)して得られる保護層の表面の凹凸を、膜
厚計を用いて測定して評価した。
【0053】4.硬度 ガラス基板上に3μm厚の感光性層を形成し、露光(2
00mj/cm2 )、現像、後加熱(200℃、60
分)したあとで、JIS K5400の鉛筆硬度試験に
従って評価した。
【0054】5.耐アルカリ性 ガラス基板上に3μm厚の感光性層を形成し、露光(2
00mj/cm2 )、現像、後加熱(200℃、60
分)したあとで、5%KOH水溶液に50℃で30分間
浸漬した後で、表面にシワや濁りが生成しないかどうか
で評価した。
【0055】6.光透過性 ガラス基板上に3μm厚の保護層形成用感光性層を形成
し、全面露光(200mj/cm2 )、現像、後加熱
(200℃、60分)したあとで、表面のクリヤーなも
のを透明性良好、曇りの発生するものを透明性不良と判
定した。
【0056】7.基板密着性 ガラス基板上に3μm厚の保護層形成用感光性層を形成
し、全面露光(200mj/cm2 )し、現像後、及び
後加熱(200℃、60分)したあとで、クロスカット
し、マイラーテープで剥離して密着性を評価した。10
0ケのクロスカット部に何も剥がれの無いものを密着性
良好、1ケ所でも剥がれを生じたものを密着性不良と判
定した。
【0057】8.透明導電性層の形成性 ガラス基板上に3μm厚の保護層形成用感光性樹脂層を
形成し、全面露光(200mj/cm2 )、現像、後加
熱(200℃、60分)したあとで日電アネルバ社製高
周波スパッタリング装置を用い、インジウムスズ酸化物
(スズ酸化物含有率6重量%)を電圧800V、電流
1.8A、出力270W、アルゴン圧力5×10-4To
rrの条件で10分間蒸着した。得られた透明導電性層
の面状を顕微鏡で観察し、更にテープ剥離による密着テ
ストを行ない、透明導電性層の形成性を評価した。透明
導電性層の表面が平坦かつ均一で、密着テストで剥がれ
等の故障のないものを透明導電性層の形成性良好、透明
導電性層の表面にシワやクラックが発生しているもの、
或いは密着テストにより透明導電性層が剥がれてしまう
ものは形成性不良と判定した。
【0058】9.タック ガラス基板上にスピンコーターで3μmの膜厚になるよ
うに塗布し、80℃で2分間乾燥して保護層形成様感光
性層を得た。指触テストにより表面の粘着性を評価し、
同様にして得られたカラーモザイクK(富士ハントエレ
クトロニクステクノロジー製)の塗膜の表面の粘着性と
比較し、カラーモザイクKの塗膜と同等以上を良好とし
た。 以上の項目の評価結果を表2に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】これから、評価したすべての項目に於い
て、本発明になる光重合性組成物が優れた性能を発揮し
ていることが判る。
【0062】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は、優れたアル
カリ溶解性を有し、かつ光重合した部分は優れた耐現像
液性、硬度、耐アルカリ性、光透過性、基板密着性、透
明導電性層形成性、低いタックを有する。カラーフィル
ターの保護層の形成に特に有用で、耐性の優れた、平坦
性の高い保護層を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/033 7/40 501 (72)発明者 高柳 丘 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)光重合開始剤もしくは光重合開始
    剤系、(2)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重
    合性モノマー、及び(3)少なくとも下記一般式(I)
    及び(II)で示される繰り返し単位を有する、数平均
    分子量が500〜30,000の樹脂と下記一般式(I
    II)で示される1級アミンを無水物基の1当量に対し
    て1.0から0.1当量の比率で反応させた後、更に同
    一分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合とを
    有する化合物を該1級アミンの1当量に対して0.9か
    ら0.01当量の比率で反応させて得られる樹脂、を含
    む事を特徴とする光重合性組成物。 【化1】 〔式中、Ar1 :フェニル基(該フェニル基は炭素数1
    から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、
    炭素数6から10のアリール基、炭素数7から12のア
    ラルキル基、ハロゲン原子またはそれらの2種以上の組
    み合わせで置換されてもよい) x、y:樹脂中での繰り返し単位のモル分率で、x=
    0.85〜0.50、y=0.15〜0.50を表
    す。〕 R−NH2 (III) 〔式中、R:炭素数1から12のアルキル基、炭素数7
    から16のアラルキル基、炭素数6から18のアリール
    基を表す。(該アルキル基、アラルキル基、アリール基
    はそれぞれ分岐を有してもよく、更に炭素数1から4の
    アルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6
    から10のアリール基、炭素数7から12のアラルキル
    基、ハロゲン原子またはそれらの2種以上の組み合わせ
    で置換されてもよい)を表す。〕
  2. 【請求項2】 請求項1において該1級アミンが下記一
    般式(IV)で示されるアラルキルアミンである事を特
    徴とする光重合性組成物。 Ar2−R'−NH2 (IV) 〔式中、R’:分岐を有してもよい炭素数1から6のア
    ルキレン、Ar2 :アリール基(該アリール基は炭素数
    1から4のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ
    基、炭素数6から10のアリール基、炭素数7から12
    のアラルキル基、ハロゲン原子またはそれらの2種以上
    の組み合わせで置換されてもよい)を表す。〕
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2において該同
    一分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合とを
    有する化合物がグリシジル(メタ)アクリレートである
    事を特徴とする光重合性組成物。
  4. 【請求項4】 透明基板上に少なくとも赤、緑、青色の
    画素がマトリックス状に配置された多色層の上に、請求
    項1、請求項2もしくは請求項3に記載の光重合性組成
    物の硬化物から成る保護層を有することを特徴とするカ
    ラーフィルター。
  5. 【請求項5】 透明基板上に少なくとも赤、緑、青色の
    画素がマトリックス状に配置された多色層の上に、請求
    項1、請求項2もしくは請求項3に記載の光重合性組成
    物の層を形成し、露光し、アルカリ水溶液を用いて未露
    光部を除去し、次いで露光部を加熱により硬化すること
    を特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 透明基板上に少なくとも赤、緑、青色の
    画素がマトリックス状に配置された多色層の上に、仮支
    持体上に請求項1、請求項2もしくは請求項3に記載の
    光重合性組成物の層を有する感光材料を密着させ、該光
    重合性組成物の層を該多色層上に転写し、露光し、アル
    カリ水溶液を用いて未露光部を除去し、次いで露光部を
    加熱により硬化することを特徴とするカラーフィルター
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000028383A1 (fr) * 1998-11-09 2000-05-18 Clariant International Ltd. Composition de resine radiosensible
JP2008134449A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Hitachi Chem Co Ltd 感光性樹脂組成物
JPWO2010070978A1 (ja) * 2008-12-18 2012-05-24 凸版印刷株式会社 液晶表示装置用カラーフィルタ及び液晶表示装置

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