JPH07209779A - 透明磁気記録層を有するハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

透明磁気記録層を有するハロゲン化銀写真感光材料

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JPH07209779A
JPH07209779A JP483494A JP483494A JPH07209779A JP H07209779 A JPH07209779 A JP H07209779A JP 483494 A JP483494 A JP 483494A JP 483494 A JP483494 A JP 483494A JP H07209779 A JPH07209779 A JP H07209779A
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silver halide
acid
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silver
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JP483494A
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Inventor
Akira Kawakami
晃 川上
Kimio Ozawa
公雄 小沢
Mineko Ito
峰子 伊東
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明磁性層とハロゲン化銀感光写真層を有す
る感光材料において、磁性粉の分散安定性が良く、失透
度が低い、感光材料のカールバランス機能が良いので、
温湿度適応範囲が広く、磁気ヘッドとのヘッド当たりが
良く信号入出力エラーを起こさない、感光材料に傷が付
きにくい(耐傷性が良い)、等の特性をもつ感光材料を
提供する。 【構成】 支持体上の一方の側に少なくとも一層のハロ
ゲン化銀写真乳剤層を有し、支持体のもう一方の側に透
明磁性層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
該透明磁性層に用いる結合剤が、親水性コロイドと水不
溶性の水分散ラテックス樹脂とから成ることを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明磁性層とハロゲン
化銀写真層を有する感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来写真感光材料に、例えば、写真感光
材料の種類・製造番号、メーカー名、乳剤No.などの写
真感光材料に関する各種の情報、撮影日・時、絞り、露
出時間、照明の条件、使用フィルター、天候、撮影枠の
大きさ、撮影機の機種、アナモルフィックレンズの使用
などのカメラ撮影時の各種の情報、プリント枚数、フィ
ルターの選択、顧客の色の好み、トリミング枠の大きさ
などのプリント時に必要な各種の情報、プリント枚数、
フィルターの選択、顧客の色の好み、トリミング枠の大
きさなどのプリント時に得られた各種の情報、その他顧
客情報などを入力しておくことは、管理の上からも、ま
た、プリント品質の向上、プリント作業の効率化の上か
らも必要である。
【0003】従来の写真感光材料においては、これら全
ての情報を入力することは不可能であって、わずかに、
撮影時に、撮影日・時、絞り、露出時間などの情報を光
学的に入力していたにすぎなかった。しかも、プリント
時においては、上記情報を写真感光材料へ入力すること
は、その手段がなく不可能であった。
【0004】磁気記録方式は記録/再生が容易であると
ころから、写真感光材料へ上記各種の情報を入力するた
めに磁気記録方式を使用することが研究され、各種技術
が提案されている。
【0005】例えば、画像部の横の乳剤面またはバック
面に、強磁性体の微粒子を分散したストライプ状の磁気
記録層を設け、音声や撮影時の条件などの情報をハロゲ
ン化銀写真感光材料上に記録することが、特開昭50-626
27号公報、同49-4503号公報、米国特許第3,243,376号明
細書、同3,220,843号明細書などに記載され、また、ハ
ロゲン化銀写真感光材料のバック面に、磁化性粒子の
量、サイズなどを選択して必要な透明性を得た透明磁気
記録層を設けることが、米国持許第3,782,947号明細
書、同4,279,945号明細書、同4,302,523号明細書などに
記載されている。また、米国特許第4,947,196号明細
書、WO90/04254号には写真フィルムの裏面に磁気記
録を可能とする磁性体を含有した磁気記録層を有するロ
ール状フィルムと磁気ヘッドを有する撮影用カメラが記
載されている。
【0006】これらの磁気記録層を設けることによっ
て、従来困難であった上記各種の情報をハロゲン化銀写
真感光材料中に記録することが可能となり、さらに、音
声や画像信号をも記録できるという将来性を有してい
る。
【0007】しかしながら、ゼラチンの透明磁性層の上
にゼラチンの保護層を設けた特開平4-73737号のごとき
技術を用いた場合には、耐久性が著しく悪く、数回の走
行で透明磁性層が傷つき、磁気の入出力エラーが発生し
た。
【0008】特開平5-241272号等には、支持体背面にゼ
ラチン層とその上層に疎水性バインダー層を設けた感光
材料の記載があり、カール特性、乾燥性を改善すること
が述べられている。支持体背面にゼラチン層を設ける層
構成はカール特性は改善されるが、此れらのごとく親水
性ポリマー層の上に疎水性層を設けても、十分な耐久性
は得られなかった。又此れらは磁性粉を含有させたもの
ではない。
【0009】ゼラチン層は磁性粉の分散が不十分で凝集
による失透が起こる、又磁気ヘッドとの摺動による摩耗
が著しく簡単に傷が付いてしまう。さらに、いわゆるシ
ネ現像では搬送ローラ汚れが付着し、プリント上に現れ
る欠点があった。一方、背面は疎水性バインダー層のみ
で構成したものは、耐久性、汚れ付着等には優れるが、
カールバランス機能はなく、双方の特性を兼ね備えるこ
とは出来ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
磁性層とハロゲン化銀感光写真層を有する感光材料にお
いて、(1)磁性粉の分散安定性が良く、失透度が低
い、(2)感光材料のカールバランス機能が良いので、
温湿度適応範囲が広く、磁気ヘッドとのヘッド当たりが
良く信号入出力エラーを起こさない、(3)感光材料に
傷が付きにくい(耐傷性が良い)、(4)さらにハロゲ
ン化銀感光層面と透明磁性層がくっつきにくく、長期間
にわたって保存可能である、感光材料を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成を採ることによって達成される。
【0012】(1) 支持体上の一方の側に少なくとも
一層のハロゲン化銀写真乳剤層を有し、支持体のもう一
方の側に透明磁性層を有するハロゲン化銀写真感光材料
において、該透明磁性層に用いる結合剤が、親水性コロ
イドと水不溶性の水分散性ラテックス樹脂とから成るこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0013】(2) 前記親水性コロイドと水分散性ラ
テックス樹脂が結合剤中に占める重量比が、95/5〜50
/50であることを特徴とする(1)記載のハロゲン化銀
写真感光材料。
【0014】(3) 前記透明磁性層の上に、少なくと
も一層の疎水性ポリマー層があることを特徴とする
(1)又は(2)記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0015】(4) 前記疎水性ポリマー中に、潤滑剤
が含有されていることを特徴とする(3)記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0016】(5) 前記支持体がポリエステル重合体
であることを特徴とする(1)、(2)、(3)、
(4)のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (6) 前記支持体が金属スルホネート基を含有するポ
リエステル重合体であることを特徴とする(5)記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0017】はじめに透明磁性層のバインダーに用いる
親水性コロイドとして最も好ましいものはゼラチンであ
る。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼラチン、酸
処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン誘導体及び
変性ゼラチン等当業界で一般に用いられているものはい
ずれも用いることができる。これらのゼラチンのうち、
最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチン、酸処理
ゼラチンである。
【0018】ゼラチン以外の親水性コロイドとしてコロ
イド状アルブミン、カゼイン等の蛋白質、寒天、アルギ
ン酸ナトリウム、デンプン誘導体等の糖誘導体、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等
のセルロース化合物、ポリビニルアルコール、ポリ-N-
ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の合成親水化
合物等を挙げることができる。合成親水化合物の場合、
他の成分を共重合してもよいが、疎水性共重合成分が多
過ぎる場合、バック層(背面層)の吸湿量、吸湿速度が
小さくなり、カールの観点から不適当である。これらの
親水性コロイドは、単独で用いてもよいし、2種以上を
混合して用いてもよい。
【0019】本発明の透明磁性層には、バインダー以外
にマット剤、界面活性剤、染料剤、増粘剤、防腐剤、U
V吸収剤、コロイダルシリカ等の無機微粒子等の写真用
添加剤を添加しても良い。これらの添加剤については、
例えばリサーチ・ディスクロジャー誌176巻、17643項
(1978年12月)の記載を参考にすることができる。
【0020】本発明に用いられる水分散ラテックス樹脂
は体積平均粒径20〜200mμの水不溶性ポリマーの水分散
物で、好ましい使用量はバインダー1.0に対して乾燥重
量比0.01〜1.0、特に好ましくは0.1〜0.8である。本発
明に用いられるポリマーラテックスの好ましい例として
はアクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキル
エステルまたはグリシジルエステル、あるいはメタアク
リル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステ
ルまたはグリシジルエステルをモノマー単位として持
ち、重量平均分子量が10万以上、特に好ましくは30万〜
50万のポリマーである。
【0021】水分散ラテックス例示化合物 (L−1) ブチルアクリレート:アクリル酸=97:3 (L−2) ブチルアクリレート:スチレンスルホン酸
=95:5 (L−3) スチレン:ブタジエン:アクリル酸=50:
47:3 (L−4) 酢酸ビニル:エチレン:アクリル酸=50:
45:5 (L−5) 酢酸ビニル:塩化ビニル:マレイン酸=6
0:38:2 (L−6) ブチルアクリレート:t-ブチルアクリレー
ト:スチレン:2-ヒドロキシエチルアクリレート:アク
リル酸=30:30:15:20:5 (L−7) ブチルアクリレート:スチレン:グリシジ
ルアクリレート:スチレンスルホン酸=40:15:40:5 (L−8) エチルアクリレート:メチルメタクリレー
ト:メタクリル酸=60:36:4 (L−9) ブタジエン:スチレン:スチレンカルボン
酸=60:30:10 (L−10) エチルアクリレート:アクリロニトリル:
メタクリル酸=65:25:10 (L−11) エチレングリコール:ブチルアルコール:
アジピン酸:イソフタル酸:スルホイソフタル酸=25:
25:25:20:5 (L−12) ブチルアクリレート (L−13) メチルメタクリレート:2-エチルヘキシル
アクリレート:スチレン=40:40:20 本発明における透明とは、写真的に実質上透明という意
味で、具体的には磁気記録層の光学濃度の最大値が1.5
以下である場合を指す。本発明における光学濃度とは光
学濃度計PDA−65(コニカ(株)社製)を用い、フィ
ルターB,G,Rを通して測定した光学濃度Db,Dg
rのことを指す。この中の最大値をDmaxとする。本発
明の磁気記録層の光学濃度の最大値Dmaxは、1.5以下で
あれば良いが、写真画像への影響を考慮すると小さいこ
とが好ましく、好ましくは0.8以下特に好ましくは0.3以
下である。
【0022】本発明の透明磁性層は、1層でもよいし2
層以上であってもよい。また本発明の透明磁性層の厚み
に特に制限はないが、カールの観点から0.2〜20μ程
度、特に0.5〜10μが好ましい。さらに好ましくは1.0〜
8.0μである。
【0023】本発明の透明磁性層を塗設する方法につい
ては特に制限はない。従来ハロゲン化銀写真感光材料の
親水性コロイド層を塗設する公知の方法を用いることが
できる。例えばディップコート法、エアナイフコート
法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバ
ーコート法、グラビアコート法、或いは米国特許2,681,
294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコ
ート法又は米国特許2,761,418号、同3,508,947号、同2,
761,791号記載の多層同時塗布方法を用いることができ
る。
【0024】本発明に用いられる強磁性微粉末として
は、強磁性酸化鉄微粉末、Coドープの強磁性酸化鉄微粉
末,強磁性二酸化クロム微粉末,強磁性金属粉末,強磁
性合金粉末,バリウムフェライトなどが使用できる。
【0025】強磁性合金粉末の例としては、金属分が75
重量%以上であり、金属分の80重量%以上が少なくとも
一種類の強磁性金属あるいは合金(Fe,Co,Ni,Fe-C
o,Fe-Ni,Co-Ni,Co-Fe-Niなど)であり、該金属分の2
0重量%以下が他の成分(Al,Si,S,Sc,Ti,V,C
r,Mn,Cu,Zn,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,Sn,Sb,B,B
a,Ta,W,Re,Au,Hg,Pb,P,La,Ce,Pr,Nd,T
e,Biなど)を含むものを挙げることができる。また、
上記強磁性金属分が少量の水,水酸化物または酸化物を
含むものであってもよい。
【0026】これらの強磁性粉末の製法は既知であり、
本発明で用いられる強磁性粉末についても公知の方法に
したがって製造することができる。
【0027】強磁性粉末の形状は特に制限なく広く用い
ることができる。形状としては針状、米粒状、球状、立
法体状、板状等何れでもよいが針状、板状が電磁変換特
性上好ましい。結晶子サイズ、比表面積も特に制限はな
いが、結晶子サイズで400Å以下、SBETで20m2/g以上
が好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性粉末
のpH、表面処理は特に制限なく用いる事ができる(チ
タン、硅素、アルミニウム等の元素を含む物質で表面処
理されているものでもよいし、カルボン酸、スルホン
酸、硫酸エステル、ホスホン酸、燐酸エステル、ベンゾ
トリアゾール等の含チッ素複素環をもつ吸着性化合物の
様な有機化合物で処理されていてもよい)。好ましいp
Hの範囲は5〜10である。強磁性酸化鉄微粉末の場合、
(2価の鉄)/(3価の鉄)の比に特に制限されること
なく用いることができる。
【0028】強磁性粉末のサイズについては、そのサイ
ズと透明性の間に相関があることは雑誌「テレビジョ
ン」第20巻第2号、「超微粒子半透明磁気記録体の特性
とその応用」の中で示されている。例えば針状γ-Fe2O3
粒子のサイズを微小化すると光の透過率が上昇する。
【0029】またバインダー中に分散された磁性酸化鉄
から形成された磁性層が赤外線を透過させることは、米
国特許2,950,971号からも知られている。さらにバイン
ダーに関して磁化性粒子の濃度が比較的高い、つまり磁
化性粒子に対するバインダーの重量比が40重量%以下の
磁気記録層を含む磁気記録要素でも、粒子サイズを小さ
くすると波長632.8nm(ヘリウム・ネオンレーザーの放
射)の赤色領域の透過性が上昇することを米国特許4,27
9,945号は示している。
【0030】しかしハロゲン化銀カラー写真感光材料に
磁気記録層を付与する場合、赤色領域だけでなく、緑
色、青色領域の透過性も高いことが当然ながら要求され
る。我々の研究結果、磁性層を設けると特に青色濃度が
大きく上昇することがわかった。
【0031】米国特許4,279,945号に開示されている磁
化性粒子に対するバインダーの重量比では、青光域の光
学濃度を0.4以下にすることはできなかった。
【0032】青光域の光学濃度を0.4以下にするには、
該強磁性体に対する該バインダーの重量比は1〜20であ
るのが好ましい。1以下であると青色域の光学濃度増加
だけでなく、磁性層の機械的強度が劣り、破壊されやす
い。
【0033】重量比が20を越えると、光学濃度は低下す
るものの、目標の磁気特性を得るには磁性層の厚みを厚
くしなければならず、また厚みの増加による磁気特性の
上昇をはかっても、層厚に比例しては上昇せず非効率な
組成となる。従って、光学濃度を上げず、磁気特性も良
好でかつ物理性のよい磁気記録層にするには、該強磁性
体に対する該バインダーの重量比は1〜20であり、好ま
しくは2〜15である。
【0034】次に、本発明の潤滑剤については下記のご
ときものが用いられる。
【0035】一般式 R1COR2 [式中、R1は炭素原子数11以上の飽和または不飽和の
脂肪族炭化水素基を表し、R2は−OM基(Mはアルカリ
金属を表す。)、−OH基、−NH2基または−OR3基(R3
は炭素原子数12以上の飽和または不飽和の脂肪族炭化水
素基を表す。)を表す。] 上記一般式で表される潤滑剤が良好な滑り性を有するた
めには、R1は炭素原子数16以上の飽和または不飽和の
脂肪族炭化水素基であることが望ましい。また、飽和ま
たは不飽和の脂肪族炭化水素基は、アルキル基またはア
ルケニル基であることが好ましい。
【0036】R3で表される飽和または不飽和の脂肪族
炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好
ましい。
【0037】潤滑剤としては、炭素数12以上の脂肪酸ま
たはそのアルカリ金属塩が好ましい。
【0038】上記一般式で表される潤滑剤は、単一の化
合物でもよく、それらの混合物であってもよい。また、
一般式で表される潤滑剤は、該一般式で表される潤滑剤
を含む混合物として用いられてもよい。
【0039】本発明で潤滑剤として用いることができる
一般式で表される潤滑剤及びそれらを含む混合物の具体
例としては、ベヘン酸、ペンタコンサン酸、ステアリン
酸などの高級脂肪酸及びそれらのアルカリ金属塩、ステ
アリン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、カルナウバワ
ックス、モンタンワックス、蜜ロウなどを挙げることが
できる。また、下記「化1」のものを挙げることができ
る。
【0040】
【化1】
【0041】本発明に用いられる潤滑剤として上記の外
に、シリコンオイルや、パラフィンワックス、ポリエチ
レンワックスなども用いてよい。
【0042】本発明の潤滑剤を疎水性ポリマー層に含有
させる方法は特に限定されるものではないが、本発明の
潤滑剤を、メタノール、エタノールなどのアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メ
チレンクロライドヽ四塩化炭素などのハロゲン化炭化水
素類、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル
類、ベンゼン、トルエンなどの溶媒に溶解し溶液とし、
また、水あるいは水と水混和性有機溶媒との混合溶媒に
分散させ分散液として含有させるべき疎水性ポリマー層
の塗布液に添加し塗布される。また、本発明の潤滑剤溶
液あるいは分散液をオーバーコートしてもよい。
【0043】本発明の潤滑剤を水あるいは水と水混和性
有機溶媒との混合溶媒に分散させるには、本発明の潤滑
剤を予め加熱溶融し、これを水あるいは水と水混和性有
機溶媒との混合溶媒に添加して行ってもよいし、また、
本発明の潤滑剤を予め水非混和性有機溶媒(例えば、ト
ルエンなどの炭化水素類)に溶解して溶液とした後、水
あるいは水と水混和性有機溶媒との混合溶媒に添加して
行ってもよい。水非混和性有機溶媒は、分散後、揮発除
去することができる。
【0044】水混和性有機溶媒とは、メタノール、エタ
ノールなどのアルコール類やアセトンなどのケトン類な
どで代表される溶媒であり、水と自由な割合で混合しう
る溶媒のことをいう。
【0045】潤滑剤を分散させる方法は公知であり、上
記本発明の潤滑剤の分散にはこれら公知の方法、例え
ば、辻薦著「乳化・可溶化の技術」(工学図書株式会社
版)に記載された方法を用いることができる。
【0046】分散物中における本発明の潤滑剤は、直径
が1〜1000nm程度の粒子として分散しているものが好ま
しい。
【0047】本発明の潤滑剤は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で他の潤滑剤と併用することができる。併用す
ることができる潤滑剤としては、例えば、リサーチ・デ
ィスクロジャー( Research Disclosure 、以下RDと
略す。)No.17643 第27頁、同No.l8716 第650頁及び
同No.308119 第1006頁XIIに記載された潤滑剤を挙げる
ことができる。
【0048】本発明の潤滑剤は、1m2当り0.002〜0.5g
の塗布量で用いられることが好ましく、0.01〜0.3g用
いられることがさらに好ましい。
【0049】続いて本発明の疎水性ポリマー層(以降ポ
リマー層と記す)について述べる。本発明のポリマー層
のバインダーとしては透明磁性層面が「実質的に処理液
に非膨潤」となるものであれば、特に制限はない。実質
的に処理液に非膨潤とは、現像処理時水洗工程終了後の
バック面の厚みが乾燥工程終了後のバック面の厚みの1.
05倍以下であることをいう。ポリマー層のバインダーの
具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ウレタン樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等
のフッ素系樹脂、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、
天然ゴム等のゴム類、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチルアクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の
エステル、ポリエチレンフタレート等のポリエステル樹
脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、セル
ローストリアセテート等のセルロース樹脂、シリコーン
樹脂などの水不溶性ポリマー又は、これらの誘導体を挙
げることができる。更にポリマー層のバインダーとし
て、1種類のモノマーから成るホモポリマーでも、2種
類以上のモノマーから成るコポリマーでもよい。これら
は1種類を単独で用いてもよいし2種以上を併用して用
いてもよい。好ましい樹脂としては、アクリル樹脂の水
分散ラテックスがよい。
【0050】本発明のポリマー層のバインダーとして用
いられるアクリル樹脂とは分子内に繰り返し単位として
少なくとも1種の−C−C(R1)COOR2を有する高分子化合
物をいう。ただし、ここでR1は水素炭素数1〜5のア
ルキル基、ハロゲン、カルボキシメチル基、R2は、炭
素数1〜12の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
これらの具体例として、例えばアクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸n-ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、ア
クリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブ
チル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、
メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ラウリルなどが挙げられる。
【0051】本発明のアクリル樹脂には、1種又は2種
以上の共重合可能なビニルモノマーを共重合できる。こ
れらのビニルモノマーの具体例としては、次のものが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、スチレン、α-メチルスチレン、クロ
ロメチルスチレン、ビニルケトン、脂肪族酸のモノエチ
レン性不飽和エステル(例えば酢酸ビニル、酢酸アリ
ル)、エチレン性不飽和のモノカルボン酸もしくはジカ
ルボン酸の置換アルキルエステル(例えば2-ヒドロキシ
メチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、2-N,N-ジメチルアミノエチル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレン
性不飽和モノカルボン酸もしくはジカルボン酸アミド
(例えば、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロール
アクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミド、N,
N-ジエチルアクリルアミドなど)、モノエチレン性不飽
和化合物(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル)又はジエン類(例えばブタジエン、イソプレン)等
である。又は、本発明のアクリル樹脂には、必要に応じ
て例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、クロトン酸、フマル酸、無水マ
レイン酸のような酸成分を共重合してもよい。
【0052】本発明に好ましく用いられるアクリル樹脂
は下記一般式で表されている。
【0053】−(CH2−C(R1)COOR2)w、−(CH2−C(R3)COO
R4)x、−(CH2−C(R5)R6)y、−(A)z− ただし、ここでR1,R3,R5は水素、炭素数1〜5の
アルキル基、ハロゲン、R2は炭素数1〜2のアルキル
基、R4は炭素数4〜12の直鎖又は分岐のアルキル基、
6は置換もしくは無置換のフェニル基を表す。
【0054】又、Aは共重合可能なビニルモノマーを表
す。wは0.3〜0.9、xは0.2〜0.6、yは0.05〜0.5、z
は0〜0.2であり、w+x+y+z=1である。
【0055】本発明のアクリル樹脂としては、アクリル
樹脂を溶媒に溶解したものでもよいし、アクリル樹脂の
水分散物でもよい。
【0056】アクリル樹脂の水分散物の具体例として、 B−1 メチルメタクリレート:ブチルアクリレート:
スチレン:メタクリル酸=55:20:24:1のラテックス B−2 メチルメタクリレート:ブチルメタクリレー
ト:スチレン:アクリル酸=40:40:17:3のラテック
ス B−3 メチルメタクリレート:2-エチル-ヘキシルア
クリレート:スチレン:メタクリル酸=50:38:10:2
のラテックス B−4 メチルメタクリレート:エチルアクリレート:
メタクリル酸=50:46:4のラテックス B−5 メチルメタクリレート:ブチルメタクリレー
ト:グリシジルメタクリレート:アクリル酸=50:45:
3:2のラテックス B−6 メチルアクリレート:エチルアクリレート:ス
チレン:アクリル酸=50:38:10:2のラテックス B−7 メチルアクリレート:ブチルアクリレート:ス
チレン:メタクリル酸=30:45:20:5のラテックス B−8 ブチルアクリレート:2-エチル-ヘキシルアク
リレート:スチレン:メタクリル酸=40:40:18:2の
ラテックス B−9 エチルアクリレート:ブチルアクリレート:ス
チレンスルホン酸=40:55:5のラテックス B−10 メチルメタクリレート:アクリル酸=97:3の
ラテックス B−11 ブチルメタクリレート:メタクリル酸=97:3
のラテックス B−12 エチルアクリレート:アクリル酸=97:3のラ
テックス B−13 スチレン:ブタジエン:アクリル酸=30:68:
2のラテックス B−14 スチレン:ブタジエン:ジビニルベンゼン・メ
タクリル酸=20:72:6:2のラテックス B−15 酢酸ビニル:エチレン:アクリル酸=78:20:
2のラテックス B−16 塩化ビニリデン:アクリロニトリル:メチルメ
タクリレート:エチルメタクリレート:アクリル酸=9
0:1:4:4:1のラテックス B−17 エチルアクリレート:グリシジルメタクリレー
ト:アクリル酸=95:4:1のラテックス 本発明の疎水性ポリマー層には、必要に応じてマット
剤、界面活性剤、染料、すべり剤、架橋剤、増粘剤、U
V吸収剤等の無機微粒子などの写真用添加剤を添加して
もよい。これらの添加剤についてもリサーチ・ディスク
ロジャー誌176巻、17643項(1978年12月)の記載を参考
にできる。
【0057】本発明の疎水性ポリマー層は処理液中で実
質的に膨潤しない。本発明の疎水性ポリマー層は1層で
あっても2層以上であってもよい。本発明の疎水性ポリ
マー層の厚みには特に制限はない。しかし疎水性ポリマ
ー層の厚みが小さ過ぎる場合、疎水性ポリマー層の耐水
性が不充分となり、バック層が処理液に膨潤する様にな
ってしまい不適切である。逆に疎水性ポリマー層の厚み
が大き過ぎる場合、疎水性ポリマー層の水蒸気透過性が
不充分となり、バック層の親水性コロイド層の吸脱湿が
阻害されてカールが不良となってしまう。勿論疎水性ポ
リマー層の厚みに用いるバインダーの物性値にも依存す
る。従って疎水性ポリマー層の厚みは、この両者を考慮
して決定する必要がある。疎水性ポリマー層の好ましい
厚みは、疎水性ポリマー層のバインダー種にもよるが、
0.05〜10μ、より好ましくは0.1〜5μの範囲である。
更に0.2〜2μが好ましい。
【0058】本発明の疎水性ポリマー層を塗設する方法
に特に制限はない。バック層を塗布乾燥した後に、バッ
ク層上に疎水性ポリマー層を塗布しその後乾燥してもよ
いし、バック層と疎水性ポリマー層を同時に塗布し、そ
の後乾燥してもよい。疎水性ポリマー層はポリマー層の
バインダーを溶媒に溶解して溶剤系で塗布してもよい。
【0059】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、必
要に応じて疎水性ポリマー層の上に更に非感光性親水性
コロイド層を付与してもよい。ただしこの非感光性親水
性コロイド層の厚みが大き過ぎると乾燥性が不良とな
る。従ってこの非感光性親水性コロイド層の厚みは0.1
〜1.5μ、より好ましくは0.1〜1.0μが望ましい。この
非感光性親水性コロイド層には、架橋剤を添加すること
が好ましい。更にこの非感光性親水性コロイド層には、
界面活性剤、すべり剤、染料、UV吸収剤、マット剤、
防腐剤、増粘剤、コロイダルシリカ等の無機微粒子など
の写真用添加剤を添加してもよい。
【0060】本発明の疎水性ポリマー層には硬膜剤を添
加する。硬膜剤としてはトリアジン系、エポキシ系、メ
ラミン系、ブロックイソシアネート系、ジルコニウム系
の硬膜剤が好ましい。トリアジン系の硬膜剤の例として
は特開平3-141347号記載の化合物を挙げることができる
がこれらのうち最も好ましいものは、2,4-ジクロロ-6-
ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩である。エ
ポキシ系硬膜剤の例としては次の様な構造のものを挙げ
ることができる。
【0061】
【化2】
【0062】メラミン系硬膜剤の例として特願平2-2140
58号明細書記載の化合物を、又ブロックイソシアネート
硬膜剤の例としては特願平2-313664号明細書記載の化合
物を挙げることができる。又ジルコニウム系硬膜剤の例
としては、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸
ジルコニウムアンモニウム等を挙げることができるが、
これらのうち最も好ましいものは炭酸ジルコニウムアン
モニウムである。ジルコニウム硬膜剤は架橋のために必
要な温度が比較的低いので、ハロゲン化銀写真感光材料
の製造上有利である。これらの硬膜剤は、疎水性ポリマ
ー層バインダーの0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜7重
量%の範囲で添加することが好ましい。本発明の疎水性
ポリマー層には、硬膜剤以外必要に応じてマット剤、界
面活性剤、染料、すべり剤、増粘剤、UV吸収剤、コロ
イダルシリカ等の無機微粒子などの写真用添加剤を添加
してもよい。これらの添加剤についてもリサーチ・ディ
スクロジャー誌176巻、17643項(1978年12月)の記載を
参考にできる。
【0063】本発明の支持体を形成する素材としてのポ
リエステルとしては、ジカルボン酸とジオールとの繰り
返し単位を主構成成分とするものを言い、好ましくは芳
香族二塩基酸とグリコールとの繰り返し単位を主構成成
分とするポリエステルを挙げることができる。
【0064】前記二塩基酸としては、例えばテレフタル
酸,イソフタル酸,ナフタレンジカルボン酸類などがあ
り、ジオールもしくはグリコールとしては、例えばエチ
レングリコール,プロピレングリコール,ブタンジオー
ル,ネオペンチルグリコール,1,4-シクロヘキサンジメ
タノール,ジエチレングリコール,p-キシレングリコー
ルなどがある。なかでもテレフタル酸とエチレングリコ
ールとを主構成成分とするポリエチレンテレフタレート
と2,6-ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールを
主構成成分とするポリエチレン-2,6-ナフタレートが好
ましい。
【0065】また、ポリエステル本来の優れた性質を損
なわない範囲で、これらの主たる繰り返し単位が85モル
%以上、好ましくは90モル%以上の共重合体であっても
良いし、他のポリマーがブレンドされても良い。
【0066】好ましいポリエステルの固有粘度として
は、特に限定されないが、積層フィルム作製時の延伸性
の観点から、0.45〜0.80が好ましく、特に0.55〜0.70が
好ましい。
【0067】本発明の支持体を形成する素材としての共
重合ポリエステルとしては、金属スルホネート基を有す
る芳香族ジカルボン酸を共重合成分とし、ジカルボン酸
とジオールとの繰り返し単位を主構成成分とし、好まし
くは芳香族二塩基酸とグリコールを主構成成分とする共
重合ポリエステルを挙げることができる。更に又、この
発明においては、共重合ポリエステルとして、前記共重
合ポリエステルとポリエステルとのブレンド物をも挙げ
ることができる。
【0068】共重合ポリエステルにおける共重合成分と
しての金属スルホネート基を含有する芳香族ジカルボン
酸は、5-ナトリウムスルホイソフタル酸,2-ナトリウム
スルホテレフタル酸,4-ナトリウムスルホテレフタル
酸,4-ナトリウムスルホ-2,6-ナフタレンジカルボン酸
もしくはエステル形成性誘導体、及びこれらのナトリウ
ムを他の金属例えばカリウム,リチウムなどで置換した
化合物を挙げることができる。
【0069】前記共重合ポリエステルは、本発明の効果
を損なわない範囲で共重合成分として、ポリアルキレン
グリコール類及び/又は飽和脂肪族ジカルボン酸を含有
しているのが好ましい。
【0070】前記ポリアルキレングリコール類として
は、ポリエチレングリコール,ポリテトラメチレングリ
コールやその誘導体などが用いられるが、このうち
(a)式で示されるポリエチレングリコールが好まし
く、重量平均分子量は特に限定されないが300〜20000が
好ましく、更に好ましくは600〜10000、特に1000〜5000
のものが好ましく用いられる。
【0071】 H(O-CH2CH2)n-OH (a) また、ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチ
レングリコールの末端-Hを-CH2COOR(R:Hまたは炭素
数1〜10のアルキル基、n:正の整数)に置換した
(b)式で示されるようなポリエチレンオキシジカルボ
ン酸や、(c)式で示されるようなポリエーテルジカル
ボン酸(R’:炭素数2〜10のアルキレン基、n:正の
整数)などを用いても同様の効果が得られる。
【0072】 ROOCCH2-(O-CH2CH2)n-OCH2COOR (b) ROOCCH2-(0-R')n-OCH2COOR (c) (b),(c)式で示される化合物についても重量平均
分子量は特に限定されないが、300〜20000が好ましく、
更に好ましくは600〜10000、特に1000〜5000のものが好
ましく用いられる。
【0073】飽和脂肪族ジカルボン酸としては、例えば
そのエステル形成誘導体が好ましく、アジピン酸、セバ
シン酸のエステルであるアジピン酸ジメチル、セバシン
酸ジメチルなどが用いられる。好ましくはアジピン酸ジ
メチルである。
【0074】本発明に用いられる共重合ポリエステルに
は、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に他の成分が
共重合されていても良いし、他のポリマーがブレンドさ
れていてもかまわない。
【0075】本発明に用いられるポリエステル及び共重
合ポリエステルはともに、重合段階でリン酸,亜リン酸
およびそれらのエステルならびに無機粒子(シリカ,カ
オリン,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム,二酸化チ
タンなど)が含まれていてもよいし、重合後ポリマーに
無機粒子などがブレンドされていてもよい。さらに重合
段階、重合後のいずれかの段階で適宜に顔料、紫外線吸
収剤、酸化防止剤などを添加してもかまわない。
【0076】共重合ポリエステルを得るには、酸成分と
グリコール成分とをエステル交換した後に、前述の共重
合成分を添加し、溶融重合を行っても良いし、又、共重
合成分をエステル交換する前に添加し、エステル交換し
た後に溶融重合を行っても良いし、または溶融重合で得
られたポリマーを固相重合するなど公知の合成方法を採
用することができる。
【0077】このエステル交換時に用いる触媒として
は、マンガン,カルシウム,亜鉛,コバルト等の金属の
酢酸塩,脂肪酸塩,炭酸塩等を挙げることができる。こ
れらの中でも、酢酸マンガン,酢酸カルシウムの水和物
が好ましく、さらにはこれらを混合したものが好まし
い。前記エステル交換時及び/又は重合時に反応を阻害
したりポリマーを着色したりしない範囲で水酸化物や脂
肪族カルボン酸の金属塩,第四級アンモニウム塩などを
添加することも有効であり、中でも水酸化ナトリウム,
酢酸ナトリウム,テトラエチルヒドロキシアンモニウム
などが好ましく、特に酢酸ナトリウムが好ましい。
【0078】本発明の写真用支持体を形成するためのポ
リエステル又は共重合ポリエステルには、種々の添加剤
を含有せしめることができる。たとえば、写真乳剤層を
塗設した写真用支持体のエッジから光が入射したときに
起こるライトパイピング現象(ふちかぶり)を防止する
目的で、該ポリエステルあるいは共重合ポリエステルに
染料を添加することもできる。この染料につき、その種
類は特に限定されないが、製膜工程上、耐熱性に優れた
ものが好ましく、例えば、アンスラキノン系化学染料な
どが挙げられる。また、色調としては、一般の感光材料
に見られるようにグレー染色が好ましく、1種類もしく
は2種類以上の染料を混合して用いても良い。
【0079】本発明の写真用支持体が有するポリエステ
ル層及び/または共重合ポリエステル層の層構造として
は、これらの一層からなる単層構造であっても、これら
のいずれかが二層,三層,四層などのように任意の数の
層が積層された積層構造であっても良い。好ましい層構
成は、二層以上の重層構造である。なお、本発明の支持
体に含まれる「ポリエステル層」とは、厚み2μ以上の
ものに限り、厚み2μ未満の、例えば下引層などは、こ
こで云う「ポリエステル層」とはみなさない。
【0080】本発明の支持体に含まれるポリエステル層
が単一層の場合、特に共重合ポリエステル層であるのが
好ましい。ここで、共重合ポリエステル層は、前述した
共重合ポリエステルあるいは、共重合ポリエステルと前
記ポリエステルとのブレンド物にて形成することができ
る。
【0081】前述した共重合ポリエステルで単一層のフ
ィルムを形成する場合、共重合成分として金属スルホネ
ート基を含有する芳香族ジカルボン酸の含有割合は、全
エステル結合に対して1〜10モル%、特に好ましくは2
〜7モル%である。金属スルホネート基を有する芳香族
ジカルボン酸の含有量を前記範囲内にすることによっ
て、現像処理後の巻きぐせ解消性、現像処理前の巻きぐ
せをより一層つきにくくすることができる。
【0082】単層構造のポリエステル層の厚みは、通常
50〜130μであり、好ましくは65〜110μである。
【0083】本発明の単一層からなるポリエステルフィ
ルムは次のようにして製造することができる。すなわ
ち、未延伸シートを得る方法は従来公知の方法でよく、
例えば得られた樹脂を十分乾燥後、フィルターおよび口
金などを通じてシート状に溶融押出し、回転する冷却ド
ラム上にキャストして冷却固化する方法が挙げられる。
【0084】出来上がったシートを二軸延伸する方法と
しては例えば、次の(A)〜(C)のプロセスを採用す
ることができる。
【0085】(A)未延伸シートをまず縦方向に延伸
し、次いで横方向に延伸する方法 (B)未延伸シートをまず横方向に延伸し、次いで縦方
向に延伸する方法 (C)未延伸シートを1段または多段で縦方向に延伸し
た後、再度縦方向に延伸し、次いで横方向に延伸する方
法 上記延伸は、写真用支持体の機械的強度、寸法安定性等
を満足させるために面積比で4〜16倍の範囲で行われる
ことが好ましい。また熱固定は150〜240℃の温度範囲で
行うことができる。
【0086】本発明のフィルムが二層以上の積層構造を
有する場合には、一般的に各層の厚みは、用いるポリエ
ステル及び共重合ポリエステルによって適宜に決定し得
るが、好ましくはポリエステル層の厚みの総和d4 に対
する共重合ポリエステル層の厚みの総和d5 の比が0.7
≦d5/d4≦3、さらに好ましくは1≦d5/d4≦2で
あり、ポリエステル層の厚みの総和d4 は好ましくは50
μ以下、さらに好ましくは40μ以下である。
【0087】積層構造のフィルムの厚みの総和は特に限
定されないが40〜130μ、特に65〜100μが好ましい。こ
の範囲より薄いと必要な強度が得られない場合があり、
厚いと従来の写真用支持体に対しての優位性がなくな
る。また、フィルムがポリエステル層と共重合ポリエス
テル層とからなる積層構造を有する場合、ポリエステル
層の厚さの合計が50μを越えると巻きぐせ解消性に劣り
好ましくないことがある。
【0088】また、ポリエステル層における積層構造が
二層、三層である場合を含め、四層以上の積層構成であ
っても、積層構造のポリエステル層をその厚みを二等分
する位置を中心として積層面で二分割した場合に、その
分割面の上下における層構成が非対称であると、取り扱
い性例えば写真フィルムに適用する場合にはスプライサ
ー処理機における入口部への挿入性に優れた写真用支持
体になる。
【0089】ここでいう非対称とは物理的、機械的ある
いは化学的に相違することを意味し、例えばポリエステ
ル層,共重合ポリエステル層または他の素材からなる層
の構成順序、ポリエステル層,共重合ポリエステル層ま
たは他の素材からなる層の厚さ、半分に分割する面の上
下でのポリエステルもしくは共重合ポリエステルを構成
する主構成成分量が異なるとか、共重合成分又は共重合
成分量が異なるとか、さらには固有粘度が異なることと
か、又、分割面でのそれぞれのポリエステル層のいずれ
かが共重合成分の種類または共重合成分の含有量が相違
することも含まれる。
【0090】これら積層ポリエステル層の非対称性を確
認する方法としては、各種分析機器を用いることを挙げ
ることができ、特に限定されないが、層構成については
フィルムの断面を顕微鏡観察により確認することがで
き、また顕微鏡写真を撮影することによっても確認する
ことができる。また、これを顕微鏡観察を行いながら、
各層を削り取るか、これを半分に分割する面まで、それ
ぞれ上下から削り取り上下の層もしくは各層それぞれの
分析対象物を得て、加水分解をおこない液体クロマトグ
ラフィーとかNMRとかの各種測定装置で測定してもよ
いし、分析対象物を溶媒に溶解した後にNMR分析や、
GPC(ゲルパーミションクロマトグラフィー)分析
や、固有粘度を測定する等してもよいし、分析対象物を
そのまま粉末でX線分光分析をし、もしくはKBr等に
混ぜてIR(赤外分光機器)等の分析をし、結果として
絶対量、もしくはそれに相当する測定結果のピークの位
置、強度の違い等でも両外層の非対称性を確認ないし測
定することができる。
【0091】本発明の写真用支持体が有するポリエステ
ル層は二層,三層,四層以上であっても、これらに限定
されるわけでなく、適宜に本発明の前述の層構成、膜
厚、共重合成分量等の前述の項目を適宜に調節して幅手
カールを付与し、フィルムをロール状にして使用する際
に、本発明のフィルムの凹面を巻外にしてロール状にす
ることで巻きぐせが付きにくいという本発明の効果を更
に大きくすることができる。
【0092】また、二層以上の積層構造を有する場合
は、次のようにして製造することができる。すなわち、
例えばポリエステルと共重合ポリエステルを別々の押出
機から溶融押出した後、溶融ポリマーの導管内または押
出口金内において層流状で多層に接合せしめて押出し、
冷却ドラム上で冷却固化し未延伸フィルムを得た後に、
二軸延伸し熱固定する方法、もしくはポリエステル又は
共重合ポリエステル単体及び、積層フィルムを押出機か
ら溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化した未延伸フィ
ルムまたは該未延伸フィルムを一軸延伸した一軸配向フ
ィルムの面に、必要に応じてアンカー剤、接着剤等をコ
ーティングした後その上にポリエステル又は共重合ポリ
エステル単体及び、積層フィルムをエクストルージョン
ラミネートし、次いで二軸延伸を完了した後熱固定する
エクストルージョンラミネート方法などがあるが、工程
の簡易性から共押出法が好ましい。
【0093】この場合の延伸条件は特に限定されない
が、一般的にはポリエステル層、または共重合ポリエス
テル層のガラス転移温度(Tg)の高い方のTgからTg
+100℃の温度範囲で二軸方向に延伸する。このとき上
記単層ポリエステル層の延伸方法と同様に前記A,B,
Cの方法を採ることができる。延伸倍率は面積比で4〜
16倍の範囲で行われることが好ましい。また熱固定は15
0〜240℃の温度範囲で行うことができる。
【0094】本発明の写真用支持体は、幅方向における
カール度が5〜30m-1であり、さらに好ましくは5〜20
-1である。写真用支持体の幅方向におけるカール度が
5〜30m-1であり、さらに好ましくは5〜20m-1にする
方法は特に限定されないが、例えば以下の方法が好まし
く用いられる。
【0095】ポリエステルまたは共重合ポリエステルを
フィルム成形後さらにこれを二軸延伸してから、有機溶
媒例えばトルエン、フェノール、ヘキサン等の溶剤で片
面を浸透処理し、さらに熱処理をし、乾燥する方法。
【0096】ポリエステルフィルムの製膜において、縦
延伸の際にフィルムの表裏において、温度差を設けて、
縦延伸を行うとか、熱固定の際に、表裏で温度差をつけ
て熱固定をするとかによる方法。
【0097】また、幅方向におけるカール度の調整は、
ポリエステル層と共重合ポリエステル層とを積層する事
によっても行うことが出来る。共重合ポリエステル層同
士を積層したフィルムにおいては、膜厚、組成量を適宜
に調整することにより幅方向におけるカール度を調整す
ることが出来る。
【0098】本発明の磁気記録層を有する写真感光材料
は、代表例として黒白用の感光材料、カラーネガ用の感
光材料、カラーリバーサル用の感光材料を挙げることが
できる。
【0099】ハロゲン化銀写真乳剤層に含まれるハロゲ
ン化銀粒子は、潜像が主として表面に形成されるような
粒子であってもよく、また主として粒子内部に形成され
るような粒子でもよい。
【0100】ハロゲン化銀粒子は、立方体,八面体,十
四面体のような規則的な結晶形を持つものでもよいし、
球状や板状のような変則的な結晶形を持つものでもよ
い。これらの粒子において、{100}面と{111}面の比
率は任意のものが使用できる。又、これら結晶形の複合
形を持つものでもよく、様々な結晶形の粒子が混合され
てもよいが、好ましくは、二つの対向する平行な双晶面
を有する双晶ハロゲン化銀粒子である。
【0101】双晶とは、一つの粒子内に一つ以上の双晶
面を有するハロゲン化銀結晶であるが、双晶の形態の分
類はクラインとモイザーによる報文ホトグラフィッシェ
・コレスポンデンツ〔Photographishe Korrespondenz〕
99巻,99頁、同100巻,57頁に詳しく述べられている。
【0102】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
を用いる場合には、平板状粒子の厚みに対する直径の比
(アスペクト比ともいう。)の平均値は5未満が好まし
いが、より好ましくは1.1以上4.5未満、特に好ましくは
1.2以上4未満である。この平均値は、全平板状粒子の
厚みに対する直径の比を平均することにより得られる。
【0103】ハロゲン化銀粒子の直径は、該ハロゲン化
銀粒子の投影面積の円相当直径(該ハロゲン化銀粒子と
同じ投影面積を有する円の直径)で示されるが、0.1〜
5.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜4.0μm、特に
好ましくは0.3〜3.0μmである。
【0104】ハロゲン化銀写真乳剤は、粒子サイズ分布
の広い多分散乳剤、粒子サイズ分布の狭い単分散乳剤な
ど任意のものが用いられるが、単分散乳剤であることが
好ましい。
【0105】ここで単分散ハロゲン化銀乳剤としては、
平均粒径rを中心に±20%の粒径範囲内に含まれるハロ
ゲン化銀重量が、全ハロゲン化銀粒子重量の60%以上で
あるものが好ましく、より好ましくは70%以上、更に好
ましくは80%以上である。
【0106】ここに、平均粒径rは、粒径riを有する
粒子の頻度niとri3との積ni×ri3が最大となる
ときの粒径riと定義する(有効数字3桁、最小桁数字
は4捨5入する。)。
【0107】ここでいう粒径riとは、ハロゲン化銀粒
子のハロゲン化銀粒子の投影像を同面積の円像に換算し
た時の直径である。
【0108】粒径riは、例えば該粒子を電子顕微鏡で
1万〜7万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子
直径又は投影時の面積を実測することによって得ること
ができる(測定粒子個数は無差別に1,000個以上あるこ
ととする。)。
【0109】本発明において、ハロゲン化銀として沃臭
化銀を用いる場合、その沃化銀の含有量は、ハロゲン化
銀粒子全体での平均沃化銀含有率として、4モル%以
上、15モル%以下であることが好ましく、より好まし
くは、5モル%以上、12モル%以下であり、特に好ま
しくは、6モル%以上、10モル%以下である。
【0110】ハロゲン化銀写真乳剤に含まれるハロゲン
化銀粒子は、沃化銀が内部に集中している、いわゆるコ
ア/シェル型粒子であることが望ましい。
【0111】該コア/シェル型粒子は、核となるコア
と、該コアを被覆するシェルとから構成される粒子であ
り、シェルは1層あるいはそれ以上の層によって形成さ
れる。コアとシェルとの沃化銀含有率は、それぞれ異な
ることが好ましく、特にコア部の沃化銀含有率を最高に
して形成されるのが好ましい。
【0112】上記コアの沃化銀含有率は10モル%以上で
あることが好ましいが、20モル%以上のものがより好ま
しく、更に好ましくは、25モル%以上である。又、上記
シェルの中で最も外側にあるシェル、つまり通常最表面
層を形成するシェルの沃化銀含有率は、5モル%以下が
好ましいが、より好ましくは0〜2モル%である。コア
の占める割合は粒子全体の体積2〜60%とするのが望ま
しく、5〜50%が更に好ましい。
【0113】ハロゲン化銀写真乳剤に含まれるハロゲン
化銀粒子は、反応容器に予め保護コロイドを含む水溶液
及び種粒子を存在させ、必要に応じて銀イオン,ハロゲ
ンイオンあるいはハロゲン化銀微粒子を供給して種粒子
を結晶成長させて得るものである。ここで、種粒子は当
該分野でよく知られているシングル・ジェット法,コン
トロールド・ダブルジェット法により調製することがで
きる。種粒子のハロゲン組成は任意であり、臭化銀,沃
化銀,塩化銀,沃臭化銀,塩臭化銀,塩沃化銀,塩沃臭
化銀のいずれであってもよいが、臭化銀,沃臭化銀が好
ましい。
【0114】ハロゲン化銀乳剤の調製に種粒子を用いる
場合、この種粒子は立方体,八面体,十四面体のような
規則的な結晶形を持つものでもよいし、球状や板状のよ
うな変則的な結晶形を持つものでもよい。これらの粒子
において、{100}面と{111}面の比率は任意のも
のが使用できる。又、これら結晶形の複合形を持つもの
でもよく、様々な結晶形の粒子が混合されてもよいが、
特願平2−408178号出願明細書記載の単分散性球
型種粒子を用いることが好ましい。
【0115】ハロゲン化銀写真乳剤は、酸性法、中性
法、アンモニア法のいずれの方法でも製造することがで
きる。
【0116】ハロゲン化銀写真乳剤の製造においては、
ハライドイオンと銀イオンを同時に混合しても、いずれ
か一方が存在する中に、他方を混合してもよい。また、
ハロゲン化銀結晶の臨界成長速度を考慮しつつ、ハライ
ドイオンと銀イオンを混合釜内のpH、pAgをコントロー
ルしつつ遂次又は同時に添加することにより、成長させ
てもよい。ハロゲン化銀形成の任意の工程でコンバージ
ョン法を用いて、粒子のハロゲン化銀組成を変化させて
もよい。また、ハライドイオンと銀イオンとをハロゲン
化銀微粒子として混合釜内に供給してもよい。
【0117】ハロゲン化銀写真乳剤の製造においては、
アンモニア,チオエーテル,チオ尿素などの公知のハロ
ゲン化銀溶剤を存在させることができる。
【0118】ハロゲン化銀写真乳剤に含まれるハロゲン
化銀粒子は、粒子を形成する過程及び/又は成長させる
過程で、カドミウム塩,亜鉛塩,鉛塩,タリウム塩,イ
リジウム塩(錯塩を含む),ロジウム塩(錯塩を含む)
及び鉄塩(錯塩を含む)から選ばれる少なくとも1種を
用いて金属イオンを添加し、粒子内部及び/又は粒子表
面にこれらの金属元素を含有させることができ、また適
当な還元的雰囲気におくことにより、粒子内部及び/又
は粒子表面に還元増感核を付与できる。
【0119】ハロゲン化銀写真乳剤は、ハロゲン化銀粒
子の成長の終了後に不要な可溶性塩類を除去してもよい
し、あるいは含有させたままでもよい。該塩類を除去す
る場合には、リサーチ・ディスクロジャー(Research D
isclosure、以下RDと略す。)17643号II項に記載の方
法に基づいて行うことができる。
【0120】本発明に係るハロゲン化銀写真乳剤の製造
において、上記以外の条件については、特開昭61-6643
号、同61-14630号、同61-112142号、同62-157024号、同
62-18556号、同63-92942号、同63-151618号、同63-1634
51号、同63-220238号及び同63-311244号などによる公知
の方法を参考にして、最適な条件を選択することができ
る。
【0121】ハロゲン化銀乳剤には、物理熟成、化学熟
成及び分光増感を行うことができる。このような工程で
使用される添加剤は、RDNo.17643,同No.18716及び同N
o.308119(それぞれ、以下RD17643、RD18716及びRD3081
19と略す。)に記載されている。下記に記載箇所を示
す。
【0122】 [項目] [RD308119] [RD17643] [RD18716] 化学増感剤 996頁 III−A項 23頁 648頁 分光増感剤 996頁 IV−A,B,C,D, I,J項 23〜24頁 648〜9頁 強色増感剤 996頁 IV-A-E,J項 23〜24頁 648〜9頁 かぶり防止剤 998頁 VI 24〜25頁 649頁 安定剤 998頁 VI 24〜25頁 649頁 本発明の写真感光材料がカラー写真感光材料である場
合、使用することができる写真用添加剤は上記RDに記
載されている。下記にその関連のある記載箇所を示す。
【0123】 [項目] [RD308119] [RD17643] [RD18716] 色濁り防止剤 1002頁 VII−I項 25頁 650頁 色素画像安定剤 1001頁 VII−J項 25頁 増白剤 998頁 V 24頁 紫外線吸収剤 1003頁 VIII−C, XIII−C項 25〜26頁 光吸収剤 1003頁 VIII 25〜26頁 光散乱剤 1003頁 VIII フィルタ染料 1003頁 VIII 25〜26頁 バインダ 1003頁 IX 26頁 651頁 スタチック防止剤 1006頁 XIII 27頁 650頁 硬膜剤 1004頁 X 26頁 651頁 可塑剤 1006頁 XII 27頁 650頁 潤滑剤 1006頁 XII 27頁 650頁 活性剤・塗布助剤 1005頁 XI 26〜27頁 650頁 マット剤 1007頁 XVI 現像剤(感材中に含有)1011頁 XX−B また、本発明の写真感光材料がカラー写真感光材料であ
る場合、種々のカプラーを使用することができ、その具
体例は下記RD17643及びRD308119に記載されている。下
記にその関連ある記載箇所を示す。
【0124】 [項目] [RD308119] [RD17643] イエローカプラー 1001頁 VII−D項 25頁 VII−C〜G項 マゼンタカプラー 1001頁 VII−D項 25頁 VII−C〜G項 シアンカプラー 1001頁 VII−D項 25頁 VII−C〜G項 カラードカプラー 1002頁 VII−G項 25頁 VII−G項 DIRカプラー 1001頁 VII−F項 25頁 VII−F項 BARカプラー 1002頁 VII−F項 その他の有用残基放出 カプラー 1001頁 VII−F項 アルカリ可溶性カプラー1001頁 VII−E項 また、これら添加剤は、RD308119 1007頁 XIV項に記載
されている分散法などにより、ハロゲン化銀乳剤層を始
めとする写真感光層に添加することができる。
【0125】カラー写真感光材料には、前途のRD308119
VII−K項に記載されているフィルター層や中間層など
の補助層を設けることができる。
【0126】カラー写真感光材料を構成する場合、前途
のRD308119 VII−K項に記載されている順層,逆層,ユ
ニット構成などの様々な層構成をとることができる。
【0127】これら写真構成層(例えば、感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層,中間層,フィルター層,磁気記録層,導
電性層)を支持体上に強固に接着させるために、支持体
に下塗り層を設けてもよく、また、支持体を薬品処理,
機械的処理,コロナ放電処理,火炎処理,紫外線処理,
高周波処理,グロー放電処理,活性プラズマ処理,レー
ザー処理,濃酸処理,オゾン酸化処理などの表面活性化
処理をしてもよい。またさらに、これら表面活性化処理
をした後に下塗り層を設け、この上に写真乳剤層を塗布
してもよい。
【0128】この発明のハロゲン化銀写真感光材料を現
像処理するには、例えばT.H.ジェームズ著、セオリイ
オブ ザ ホトグラフィックス プロセス第4版(The The
oryof The Photografic Process Forth Edition)第291
頁〜第334頁及びジャーナル オブ ザ アメリカン ケミ
カル ソサエティ(Journal of the American Chemical
Society)第73巻、第3,100頁(1951)に記載されてい
る、それ自体公知の現像剤を使用することができる。ま
た、カラー写真感光材料は前述のRD17643 28〜29頁,RD
18716 615頁及びRD308119 XIXに記載された通常の方法
によって、現像処理することができる。
【0129】
【実施例】以下に、本発明の具体的実施例を述べるが、
本発明の実施の態様はこれらに限定されるものではな
い。
【0130】実施例1 (支持体の作製) TAC:市販のセルローストリアセテートフィルム(膜
厚110μm) 支持体用のポリエステル樹脂として、 P−1:市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度
0.65、膜厚90μm) P−2:テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレング
リコール64重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシ
ウムの水和物0.1重量部を添加し、常法によりエステル
交換反応を行った。得られた生成物に5-ナトリウムスル
ホ-ジ(β-ヒドロキシエチル)イソフタル酸(略称;S
IP)のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)28重
量部(5モル%/全エステル結合),ポリエチレングリ
コール(略称:PEG)(数平均分子量:4,000)11重
量部(8.5重量%/反応生成物の全重量),三酸化アン
チモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量
部,酸化防止剤としてイルガノックス1010(CIBA-GEIGY
社製)を生成物ポリマーに対して1重量%になるように
添加した。次いで徐々に昇温,減圧にし、280℃、0.5mm
Hgで重合を行い、共重合ポリエステルを得た。(固有粘
度0.65、膜厚90μm) (支持体S−1の作製)P−1を150℃で真空乾燥した
後、285℃で溶融押出し、冷却ドラム上で急冷固化さ
せ、さらに85℃で縦延伸(3.4倍)後、95℃で横延伸
(3.4倍)した後、210℃で熱固定を行い、90μmの二軸
延伸フィルムS−1を作製した。
【0131】(支持体S−2の作製)P−2を用いて、
S−1と同一条件で90μmの二延伸フィルムS−2を作
製した。
【0132】(支持体S−3の作製)3台の押出機を用
いて、1台にP−1、2台にP−2を投入し、3層の膜
厚比がP−2:P−1:P−2=1:1:1になるよう
にTダイ内で層状に接合して溶融押出しした。これ以降
は、S−1と同一方法で90μの積層に軸延伸フィルムS
−3を作製した。
【0133】(支持体S−4の作製)3層の膜厚比をP
−2:P−1:P−2=1:2:3にした以外はS−3
と同じ方法で90μmの積層二軸延伸フィルムS−4を作
製した。
【0134】支持体の両面に8W/(m2・min)のコロ
ナ放電処理を施し、該支持体の一方の側に下引塗布液B
−1を乾燥膜厚0.8μになるように塗布して下引層B−
1を形成し、また支持体の他方の面に下記下引塗布液B
−2を乾燥膜厚0.8μになるように塗布して下引層B−
2を形成した。ただしS−4については共重合ポリエス
テル層の薄い方の外層に下引塗布液B−1を乾燥膜厚0.
8μになるように塗布して下引層B−1を形成し、また
支持体の他方の面に下記下引塗布液B−2を乾燥膜厚0.
8μになるように塗布して下引層B−2を形成した。
【0135】 〈下引塗布液B−1〉 ブチルアクリレート30重量%,t-ブチルアクリレート20重量%,スチレン25重 量%,および2-ヒドロキシエチルアクリレート25重量%の共重合体ラテックス 液(固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.6g ヘキサメチレン-1,6-ビス(エチレン尿素) 0.8g 水で仕上げる 1000ミリリットル 〈下引塗布液B−2〉 ブチルアクリレート40重量%,スチレン20重量%及びグリシジルアクリレート 40重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.6g ヘキサメチレン-1,6-ビス(エチレン尿素) 0.8g 水で仕上げる 1000ミリリットル 更に、下引層B−1および下引層B−2の上に8W/
(m2・min)のコロナ放電を施し、下引層B−1の上に
は、下記塗布液B−3を乾燥膜厚0.1μになるように塗
布して下引層B−3を形成し、下引層B−2の上には、
下記塗布液B−4が乾燥膜厚0.5μになるように塗布し
て帯電防止機能を持つ下引層B−4を形成した。
【0136】 〈塗布液B−3〉 ゼラチン 10g 化合物(UL−1) 0.2g 化合物(UL−2) 0.2g 化合物(UL−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径:3μ) 0.1g 水で仕上げる 1000ミリリットル 〈塗布液B−4〉 SnO2/Sb2O3(9/1重量比、平均粒径0.05μ) 10g ゼラチン 20g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.3g ジヘキシル-α-スルホンサクシナートナトリウム塩 1.2g 水で仕上げる 1000ミリリットル
【0137】
【化3】
【0138】更に、下引層B−4上に8W/(m2・mi
n)のコロナ放電を施し、下記に示す透明磁性層(M
C)を塗布した。
【0139】 <透明磁性層MCの塗設> ・コバルト含有ガンマ酸化鉄(平均長軸長0.15μ) 50mg/m2 (Fr2+/Fe3+=0.15,比表面積41m2/g,Hc=680 Oe) ・本発明の水分散ラテックスバインダー 種類,量は 表1に記載 ・ゼラチン 量は 表1に記載 ・(CH2=CHSO2NHCH2CH2NH)2CO 30mg/m2 ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10mg/m2 ・ジヘキシル-α-スルホンサクシナートナトリウム塩 5mg/m ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.0μ) 30mg/m
2 (強磁性粉の分散・塗布液の調製)強磁性粉30重量部と
蒸留水70重量部の混合液をpH7.0に調製し、撹拌機で粗
分散したのち、サンドミル(ダイノミル、WILLYA BACHO
FEN AG製)で滞留時間が1時間になるまで分散した。こ
の分散液に水分散ラテックスバインダー、ゼラチン、そ
の他の添加剤をこの順に撹拌機で撹拌しながら添加して
調製した。
【0140】<潤滑層の塗設>前記透明磁性層の上に、
下記組成の潤滑層L−1を塗設した。
【0141】 ・カルナウバワックス 50mg/m2 ・C15H31COO(CH2CH2O)4COC9F19 10mg/m2 ・C8F17SO3K 3mg/m2 次いで透明磁気記録層を設けた面と反対側の支持体の面
に、コロナ放電処理後に、下記の写真構成層を順次形成
して多層カラー写真感光材料(試料1〜15,比較1〜
2)を作製した。
【0142】なお、以下に示した写真構成層における数
量の表示は、特に記載のない限り1m2当たりの量で示し
たものである。またハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換
算して示した。
【0143】 〈写真構成層〉 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.20g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20g ゼラチン 1.6g 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3g 第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μ)(平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.4g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μ)(平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.3g 増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 3.2×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.50g シアンカプラー(C−2) 0.13g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07g DIR化合物(D−1) 0.006g DIR化合物(D−2) 0.01g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.55g ゼラチン 1.0g 第4層;高感度赤感性乳剤層(R−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μ)(平均ヨウド含有量7.5モル%) 0.9g 増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 1.6×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.1×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−2) 0.23g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03g DIR化合物(D−2) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.25g ゼラチン 1.0g 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8g 第6層;低感度緑感性乳剤層(G−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μ)(平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.6g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μ)(平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.2g 増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−5) 0.8×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.17g マゼンタカプラー(M−2) 0.43g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10g DIR化合物(D−3) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.7g ゼラチン 1.0g 第7層;高感度緑感性乳剤層(G−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μ)(平均ヨウド含有量7.5モル%) 0.9g 増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−8) 0.3×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.30g マゼンタカプラー(M−2) 0.13g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04g DIR化合物(D−3) 0.004g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35g ゼラチン 1.0g 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1g 添加剤(HS−1) 0.07g 添加剤(HS−2) 0.07g 添加剤(SC−1) 0.12g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15g ゼラチン 1.0g 第9層;低感度青感性乳剤層(B−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μ)(平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.25g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μ)(平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.25g 増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.6g イエローカプラー(Y−2) 0.32g DIR化合物(D−1) 0.003g DIR化合物(D−2) 0.006g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18g ゼラチン 1.3g 第10層;高感度青感性乳剤層(B−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.8μ)(平均ヨウド含有量8.5モル%) 0.5g 増感色素(S−10) 3×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−11) 1.2×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.18g イエローカプラー(Y−2) 0.10g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05g ゼラチン 1.0g 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀(平均粒径0.08μ) 0.3g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07g 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10g 添加剤(HS−1) 0.2g 添加剤(HS−2) 0.1g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07g 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07g ゼラチン 0.8g 第12層;第2保護層(PRP−2) 化合物A 0.04g 化合物B 0.004g ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μ) 0.02g メチルメタアクリレート:エチルメタアクリレート:メタアクリル酸 =3:3:4(重量比)の共重合体(平均粒径3μ) 0.13g ゼラチン 0.7g 〈沃臭化銀乳剤の調製〉第10層に使用した沃臭化銀乳剤
は以下の方法で調整した。
【0144】平均粒径0.33μの単分散沃臭化銀粒子(沃
臭化銀含有率2モル%)を種結晶として、沃臭化銀乳剤
をダブルジェット法により調製した。
【0145】下記組成の溶液(G−1)を温度70℃,pA
g7.8,pH7.0に保ち、よく撹拌しながら0.34モル相当の
種乳剤を添加した。
【0146】(内部高沃度相−コア相−の形成)その
後、下記組成の溶液(H−1)と下記組成の溶液(S−
1)とを1:1の流量比を保ちながら、加速された流量
(終了時の流量が初期流量の3.6倍)で86分かけて添加
した。
【0147】(外部高沃度相−シェル相−の形成)続い
て、pAg10.1,pH6.0に保ちながら、(H−2)と(S
−2)とを1:1の流量比で加速された流量(終了時の
流量が初期流量の5.2倍)で65分を要して添加した。
【0148】粒子形成中のpAgとpHとは、臭化カリウム
水溶液と56%酢酸水溶液とを用いて制御した。粒子形成
後に、常法のフロキュレーション法によって水洗処理を
施し、その後ゼラチンを加えて再分散し、40℃にてpH
及びpAgをそれぞれ5.8及び8.0に調製した。
【0149】得られた乳剤は、平均粒径0.80μm、分散
広さが12.4%、沃化銀含有率8.5モル%の八面体沃臭化
銀粒子を含む単分散乳剤であった。
【0150】 〈G−1〉溶液 オセインゼラチン 100.0g 下記化合物の−1の10重量%エタノール溶液 25.0ミリリットル 28%アンモニア水溶液 440.0ミリリットル 56%酢酸水溶液 660.0ミリリットル 水で仕上げる 5000.0ミリリットル 化合物−1:ポリイソプロピレンオキシ・ポリエチレンオキシ・ジこはく酸ナ トリウム 〈H−1〉溶液 オセインゼラチン 82.4g 臭化カリウム 151.6g 沃化カリウム 90.6g 水で仕上げる 1030.5ミリリットル 〈S−1〉溶液 硝酸銀 309.2g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 1030.5ミリリットル 〈H−2〉溶液 オセインゼラチン 302.1g 臭化カリウム 770.0g 沃化カリウム 33.2g 水で仕上げる 3776.8ミリリットル 〈S−2〉溶液 硝酸銀 1133.0g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 3776.8ミリリットル 第10層以外に使用される沃臭化銀乳剤についても、同様
の方法で、種結晶の平均粒径,温度,pAg,pH,流量,
添加時間及びハライド組成を変化させて、平均粒径及び
沃臭化銀含有率が異なる前記各乳剤を調製した。
【0151】いずれも分布の広さ20%以下のコア/シェ
ル型単分散乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリウ
ム,塩化金酸及びチオシアン酸アンモニウムの存在下に
最適な化学熟成を施し、増感色素、4-ヒドロキシ-6-メ
チル-1.3,3a,7-テトラザインデン,1-フェニル-5-メル
カプトテトラゾールを加えた。
【0152】尚、上述の感光材料は、さらに化合物SU
−1,SU−2,粘度調製剤,硬膜剤H−1,H−2,
安定剤ST−1,カブリ防止剤AF−1,AF−2(重
量平均分子量10,000のもの及び1,100,000のもの),染
料AI−1,AI−2及び化合物DI−1(9.4mg/m2
を含有する。
【0153】この発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
を形成するのに用いた各化合物の構造を以下に示す。
【0154】
【化4】
【0155】
【化5】
【0156】
【化6】
【0157】
【化7】
【0158】
【化8】
【0159】
【化9】
【0160】
【化10】
【0161】
【化11】
【0162】
【化12】
【0163】得られたハロゲン化銀写真感光材料をそれ
ぞれ図1に示すように断裁して、パトローネに詰め、35
mm幅、24枚撮りのフィルムを作製した。
【0164】〔評価方法〕 (1)濁度 三菱化成工業(株)製のSEP-PT-50ID型を用い乳剤層をつ
ける前の濁度を測定した。20ppm以下なら製品として問
題ないレベル。値が小さい程良好。
【0165】(2)膜付き 試料を、38℃に温調したカラー写真感光材料用現像液に
3分間浸漬した後、試料の透明磁性層面にキリ状の鋭利
な先端で碁盤の目状に傷を付けて、その面をこすり、透
明磁性層の残存率を以下の基準で評価した。
【0166】A:1%未満 B:1%以上10%未満 C:10%以上20%未満 D:20%以上50%未満 E:50%以上100%未満 A〜Cランクであれば実用上問題ないレベルである。
【0167】(3)磁気信号読み取りエラー 得られたフィルムを米国特許第5,021,820号明細書に記
載の磁気ヘッドつき写真カメラに装填し、該明細書記載
の信号入力方式で図1のトラックC0〜C3に信号を書
き込んだ。
【0168】図1において、101はパーフォレーショ
ン、F00〜F29はトラックC0〜C3と同様に磁気情報
を記録するトラックを表す。
【0169】このフィルムを下記に示す現像処理を行っ
た後、磁気記録再生装置にかけ、再生出力エラーを調べ
た。再生出力エラーとは、1トラック当りの平均再生出
力が磁気ヘッドがフィルムに正確に接触した時の再生出
力の70%以下である場合をいう。
【0170】 〈現像処理〉 1. カラー現像 ・・・・ 3分15秒 38.0±0.1℃ 2. 漂 白 ・・・・ 6分30秒 38.0±3.0℃ 3. 水 洗 ・・・・ 3分15秒 24〜41℃ 4. 定 着 ・・・・ 6分30秒 38.0±3.0℃ 5. 水 洗 ・・・・ 3分15秒 24〜41℃ 6. 安 定 ・・・・ 3分15秒 38.0±3.0℃ 7. 乾 燥 ・・・・ 50℃以下 各工程に用いる処理液組成を以下に示す。
【0171】 〈発色現像液〉 4-アミノ・3-メチル-N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル) アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとする(pH=10.1) 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH
6.0に調整する。
【0172】 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルとし、酢酸を用いてpH6.0に調整
する。
【0173】 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ミリリットル コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ミリリットル 水を加えて1リットルとする。
【0174】各フィルムについて各々20本ずつテストを
行い、24コマ全ての再生出力を調べ、再生出力エラーが
発生したコマの数を計測した。結果を表1及び表2に示
す。
【0175】なお、カメラに装填し、信号書き込みをす
る試験環境は、25℃、20%RH(RHは相対湿度を表す)、
25℃、50%RH、25℃、80%RHであった。また、再生は25
℃,50%RHで行った。再生出力エラーが少ないほど、良
いフィルムであることを示す。
【0176】(4)耐傷性 表面性測定機 HE1DON トライボギアタイプ14DRを用い
て、ステンレス鋼球(10mmφ)を50gの荷重をかけ5cm
/secの速度で、摺動を100往復繰り返した。その後の傷
つきの程度を下記に示すランクに判定した。
【0177】5 … 傷つきなし 4 … かすかな摺動跡がある 3 … 摺動跡がある 2 … 傷つきがある 1 … 膜はがれがある 3以上であれはプリントに影響なく実用上問題のないレ
ベルである。
【0178】(5)くっつき(耐接着性)の評価 試料100〜106の各試料を35mm巾、長さ70mmの大きさに4
枚切り取りそれぞれ互いに接触しないように、23℃,80
%RHの雰囲気下で1日保存する。その後、乳剤層を上に
した状態で4枚重ね、それを同じ大きさの厚紙ではさ
み、800gの荷重をかけ、55℃,80%RHの雰囲気下で3
日、7日保存する。
【0179】そこで、その試料を剥がし、3つの接着部
分の面積を測定し、その平均値をもって耐接着性を測定
した。
【0180】 ランク 接着部分の面積(%) A 0〜 5 B 6〜 25 C 26〜 50 D 51〜 90 E 91〜100
【0181】
【表1】
【0182】〔効果まとめ〕 ・ゼラチン単独溶液に磁性粉を分散したものは、分散性
が悪いために、失透度、耐傷性が極端に悪く、磁気読み
取りエラーが起きる。
【0183】・本発明の水分散ラテックスを併用する
と、分散性が改善され、失透度、耐傷性が改良される。
その量は3重量%でも効果があるが、好ましくは5重量
%以上である。
【0184】・水分散ラテックス自身に、カルボキシル
基、スルホン酸基の官能基を有するものが好ましく、磁
性粉の分散性がよい。
【0185】・支持体としては、親水性基を有するもの
が好ましく、磁気読み取りエラーが起きにくい。 実施例2 実施例1の(透明磁性層の上に)潤滑層の代わりに、下
記組成の潤滑剤を含有する疎水性ポリマー層を塗設し
た。
【0186】 ・疎水性ポリマー 種類,量は 表2に記
載 ・硬膜剤下記「化13」に記載 10mg/m2 ・C15H31COO(CH2CH2O)4COC9F19 2mg/m2 ・C8F17SO3K 3mg/m2
【0187】
【化13】
【0188】
【表2】
【0189】〔効果のまとめ〕 ・本構成のように、透明磁性層の上に疎水性ポリマー層
を塗設した方が塗設していない実施例1より、膜付き、
耐傷性、くっつきが改良されている。
【0190】・透明磁性層に水分散ラテックスバインダ
ーを含まない比較例1,2では疎水性ポリマー層を塗設
しても、膜付きが悪い。
【0191】・ゼラチンを疎水性ポリマー層の代わり
に、透明磁性層の上に塗設した実施例2の試料3では、
実用範囲内であるが、疎水性ポリマー層程の効果がな
い。
【0192】
【発明の効果】本発明により、透明磁性層とハロゲ化銀
感光写真層を有する感光材料において、(1)磁性粉の
分散安定性が良く、失透度が低い、(2)感光材料のカ
ールバランス機能が良いので、温湿度適応範囲が広く、
磁気ヘッドとのヘッド当たりが良く信号入出力エラーを
起こさない、(3)感光材料に傷が付きにくい(耐傷性
が良い)、(4)さらにハロゲン化銀感光層面と透明磁
性層がくっつきにくく、長期間にわたって保存可能であ
る、感光材料を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気情報を記録するトラックを説明する図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/81

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の側に少なくとも一層の
    ハロゲン化銀写真乳剤層を有し、支持体のもう一方の側
    に透明磁性層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
    て、該透明磁性層に用いる結合剤が、親水性コロイドと
    水不溶性の水分散性ラテックス樹脂とから成ることを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記親水性コロイドと水分散性ラテック
    ス樹脂が結合剤中に占める重量比が、95/5〜50/50で
    あることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真
    感光材料。
  3. 【請求項3】 前記透明磁性層の上に、少なくとも一層
    の疎水性ポリマー層があることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記疎水性ポリマー中に、潤滑剤が含有
    されていることを特徴とする請求項3記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 前記支持体がポリエステル重合体である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記
    載のハロゲン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 前記支持体が金属スルホネート基を含有
    するポリエステル重合体であることを特徴とする請求項
    5記載のハロゲン化銀写真感光材料。
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