JPH07205075A - 力制御ロボットにおけるエンドエフェクタの重量補償方法 - Google Patents

力制御ロボットにおけるエンドエフェクタの重量補償方法

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JPH07205075A
JPH07205075A JP2310894A JP2310894A JPH07205075A JP H07205075 A JPH07205075 A JP H07205075A JP 2310894 A JP2310894 A JP 2310894A JP 2310894 A JP2310894 A JP 2310894A JP H07205075 A JPH07205075 A JP H07205075A
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end effector
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posture
control robot
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Masanobu Sumi
正伸 角
Seiichi Marumoto
清一 丸元
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンドエフェクタに加えられる外力のみを正
確に測定する。 【構成】 力制御ロボットの作業開始時に、力制御ロボ
ットの姿勢をN回変更することにより得た連立方程式を
最小自乗法で解くことにより、力覚センサを介して力制
御ロボットの先端部に取り付けられたエンドエフェクタ
のロボット座標系における重量ベクトル Rwおよびセン
サ座標系における重心ベクトル Shを求める。次に、力
制御ロボットの力制御時に、任意の姿勢でオフセット電
圧を求めた後に、力覚センサの出力電圧Vと、オフセッ
ト電圧VOSと、重量ベクトル Rwおよび重心ベクトル S
hから得たエンドエフェクタの重量に起因して力覚セン
サに加えられた力 RWとに基づいてエンドエフェクタに
加えられた外力 RFを求めるようにすることにより、力
制御ロボットの姿勢が変化しても上記エンドエフェクタ
の重量成分を正確に補償できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、力制御を行うロボット
(以下「力制御ロボット」という)の先端部に取り付け
られるエンドエフェクタに加わる外力を測定する場合
に、上記エンドエフェクタの重量を補償する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】力制御ロボットにより力制御を行うため
には、ロボット先端部に取り付けられるグラインダ、グ
リッパ、ハンド、シーリングカッタ等のエンドエフェク
タに加えられた外力(x,y,zの3方向のそれぞれに
ついての力、およびモーメントからなる6成分を有する
ものとする)を正確に知ることが必要である。そこで、
エンドエフェクタとロボット先端部との間に、例えば歪
ゲージ式の6軸力覚センサを取り付け、この力覚センサ
の出力電圧から上記エンドエフェクタに加えられた外力
を測定することが一般的に行われている。このとき、上
記エンドエフェクタに加えられた外力を正確に測定する
ために、力覚センサの出力電圧から得られた外力に対し
て上記エンドエフェクタの重量に起因して力覚センサに
加えられた力を補償する必要がある。
【0003】エンドエフェクタ重量補償方法として、例
えば、特開平3−184790号公報に記載の方法があ
る。この方法は、或る姿勢においてエンドエフェクタに
実際に外力が加えられていないときに力覚センサで測定
した力をオフセット値としてメモリに書き込んでおく。
そして、外力の測定時に上記メモリからオフセット値を
読み出し、エンドエフェクタに実際に外力が加えられて
いるときに力覚センサで測定された外力の値から上記読
み出したオフセット値を差し引くことによってエンドエ
フェクタの重量補償を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の方法において用
いられるオフセット値は、そのオフセット値を求めたと
きの力制御ロボットの姿勢に対してのみ有効な値に過ぎ
ないものである。しかし、一般には、力制御ロボットの
姿勢が変わればオフセット値もそれに伴って変化する。
したがって、上記特開平3−184790号公報に記載
の方法は、力制御ロボットの姿勢の変化に伴ってオフセ
ット値が変化することのないスカラ型ロボットの場合、
または、垂直多関節型ロボットにおいて力制御ロボット
の姿勢を変化させない場合にのみ有効な方法であった。
つまり、上述の方法は、垂直多関節型ロボットにおいて
力制御ロボットの姿勢を変化させて使用する場合には適
用することができなかった。
【0005】また、上述の方法は、移動型ロボットにお
いて地面が傾いている場合に適用することができないと
いう欠点があった。
【0006】本発明は上述の問題点に鑑み、垂直多関節
型ロボットにおいて力制御ロボットの姿勢を変化させる
場合や力制御ロボット自体が傾いている場合であって
も、エンドエフェクタの重量成分を正確に補償できるよ
うにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の力制御ロボットにおけるエンドエフェクタ
の重量補償方法は、力覚センサを介して力制御ロボット
の先端部に取り付けられたエンドエフェクタのロボット
座標系における重量ベクトルおよびセンサ座標系におけ
る重心ベクトルを、上記力制御ロボットの作業開始時に
求めておき、上記力制御ロボットの力制御時に、上記力
覚センサの出力電圧から上記力覚センサに加えられた力
を求めるとともに、上記重量ベクトルおよび上記重心ベ
クトルから得た上記エンドエフェクタの重量に起因して
上記力覚センサに加えられた力を上記力覚センサに加え
られた力から減算し、上記エンドエフェクタに加えられ
た外力を求める。
【0008】また、上記エンドエフェクタに外力が加わ
らない無負荷状態のときに、上記力制御ロボットの第1
の姿勢において、上記エンドエフェクタの重量に起因し
て上記力覚センサに加えられた力を無視して上記力覚セ
ンサの仮のオフセット電圧を測定するとともに、上記力
制御ロボットの第2の姿勢において、上記力覚センサの
出力電圧から、上記エンドエフェクタの重量に起因して
上記力覚センサに加えられた力を無視して上記第2の姿
勢での仮想外力を求め、上記仮想外力と、上記第1の姿
勢で上記エンドエフェクタの重量に起因して上記力覚セ
ンサに加えられた力と、上記第2の姿勢で上記エンドエ
フェクタの重量に起因して上記力覚センサに加えられた
力との間に成り立つ関係から、上記重量ベクトルおよび
上記重心ベクトルを求めてよい。
【0009】また、上記力制御ロボットの姿勢をN(N
≧2)回変更するとともに、各姿勢における上記仮想外
力を求め、各姿勢における仮想外力と、上記第1の姿勢
で上記エンドエフェクタの重量に起因して上記力覚セン
サに加えられた力と、上記各姿勢で上記エンドエフェク
タの重量に起因して上記力覚センサに加えられた力との
間にそれぞれ成り立つN個の関係から、上記重量ベクト
ルおよび上記重心ベクトルを最小自乗法により求めてよ
い。
【0010】また、上記エンドエフェクタが無負荷状態
のときに上記力制御ロボットの任意の姿勢において、上
記重量ベクトルおよび上記重心ベクトルから得た上記エ
ンドエフェクタの重量に起因して上記力覚センサに加え
られた力を考慮して上記力覚センサの真のオフセット電
圧を測定し、上記力覚センサの出力電圧と、上記真のオ
フセット電圧と、上記エンドエフェクタの重量に起因し
て上記力覚センサに加えられた力とに基づいて上記エン
ドエフェクタに加えられた外力を求めてよい。
【0011】
【作用】本発明は上記技術手段よりなるので、エンドエ
フェクタに正味に加えられた外力のみを正確に測定する
ことができる。なお、この際、力覚センサのオフセット
電圧を考慮すれば、より正確にエンドエフェクタに正味
に加えられた外力のみを測定することができる。
【0012】また、力制御ロボットのスイッチを入れた
ときや移動した後等の作業開始時において、重量ベクト
ルおよび重心ベクトルを求めるようにすることで、力制
御ロボット自体の傾きや力覚センサに生じるオフセット
の影響をなくし、エンドエフェクタに正味に加えられた
外力のみを確実に測定することができるようになる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の力制御ロボットにおけるエン
ドエフェクタの重量補償方法の一実施例を図面を参照し
て説明する。
【0014】まず、エンドエフェクタの重心ベクトルお
よび重量ベクトルについて、図2および図3を参照して
説明する。本実施例において、力制御ロボット1の先端
部に力覚センサ2を介して取り付けられたエンドエフェ
クタ3の重心ベクトルとは、図2に示すように、力覚セ
ンサ2の重心4からエンドエフェクタ3の重心5までの
センサ座標系でのベクトル Shをいう。ここで、センサ
座標系は、図3に示すように、力覚センサ2の重心4に
座標原点が存在する座標系である。また、エンドエフェ
クタ3の重量ベクトルとは、エンドエフェクタ3の重心
5から鉛直方向を向いたロボット座標系でのベクトル R
wである。ここで、ロボット座標系は、図3に示すよう
に、力制御ロボット1の基体部のロボット回転軸上の一
点6に座標原点が存在する座標系である。
【0015】一方、力覚センサの出力電圧からエンドエ
フェクタに加えられた外力 RFを計算する式は、一般
に、以下の(式1)で与えられる。なお、物理量を表す
英文字(以下に記すW、f、m、w等)の左肩の添字
は、その物理量を表示している座標系を示すものとす
る。
【0016】 RF= RS ' ・F0 (V−VOS)− RW (式1)
【0017】ここで、 RFはロボット座標系においてエ
ンドエフェクタに加えられた外力(6成分)、 RS '
はセンサ座標系からロボット座標系への座標変換行列 R
S(3行3列)を対角成分にもつ行列(6行6列)、
0 は力覚センサの出力電圧をセンサ座標系での力に変
換する行列(6行6列)、Vは力覚センサの出力電圧
(6成分)、VOSは力覚センサのオフセット電圧(6成
分)である。また、 RWはロボット座標系でエンドエフ
ェクタの重量に起因して力覚センサに加えられた力(そ
れぞれ3成分の重量ベクトル Rwおよびモーメントベク
トル RW からなる6成分)である。
【0018】この RW並びにその成分である Rwおよび
RW はそれぞれ以下の〔数1〕、〔数2〕および〔数
3〕で表される。
【0019】
【数1】
【0020】
【数2】
【0021】
【数3】
【0022】したがって、(式1)を成分で書くと、以
下の〔数4〕で表される。なお、〔数4〕において、 R
x , Ry , Rz はエンドエフェクタに加えられた
力の3成分であり、 Rx Ry Rz はエンドエ
フェクタに加えられたモーメントの3成分である。
【0023】
【数4】
【0024】ここで、重量ベクトル Rwおよび重心ベク
トル Shは、その定義により、力制御ロボット1の姿勢
が変化しても変わらないベクトルである。また、センサ
座標系からロボット座標系への座標変換行列 RS は力
制御ロボット1の基体に対する力覚センサ2の動きから
知ることができる。したがって、力制御ロボット1の或
る姿勢においてエンドエフェクタ3の重量ベクトル R
および重心ベクトル Shを求めておくと、座標変換行列
RS に応じて、ロボット座標系でエンドエフェクタの
重量に起因して力覚センサに加えられた力 RWのみを常
に得ることができる。
【0025】以下、本実施例において、実際に力制御ロ
ボットのエンドエフェクタの重量を補償する方法につい
て、図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0026】本実施例においては、最初に、力制御ロボ
ットの作業開始時に、力覚センサを介して力制御ロボッ
トの先端部に取り付けられたエンドエフェクタのロボッ
ト座標系での重量ベクトル Rwおよびセンサ座標系での
重心ベクトル Shを求める(ステップS1)。以下、ス
テップS1の内容を更に具体的に説明する。
【0027】ステップS1においては、まず、エンドエ
フェクタが無負荷(エンドエフェクタに接触するものが
ない)状態での力制御ロボットの或る姿勢(基本姿勢)
で力覚センサの出力電圧を測定し、それを仮のオフセッ
ト電圧と置く(ステップS11)。このとき、エンドエ
フェクタの重量に起因して力覚センサに加えられた力を
無視する。すなわち、上述した(式1)においてエンド
エフェクタの重量に起因して力覚センサに加えられた力
R0 をゼロと置く。すると、無負荷状態ではエンドエ
フェクタに加えられた実際の外力 RF=0であるから、
(式1)と同様の考えから以下の(式2)が成り立つ。
【0028】 0= RS,0 ' ・F0 〔(VOS+ΔV0 )−(VOS+ΔV0 )〕 (式2)
【0029】(式2)において、 RS,0 ' は基本姿勢
におけるセンサ座標系からロボット座標系への座標変換
行列を対角成分にもつ行列、VOSは真のオフセット電
圧、ΔV0 は真のオフセット電圧とこの姿勢での出力電
圧VOS+ΔV0 との誤差( R 0 をゼロと置いたことに
起因するもの)を表し、VOS+ΔV0 は上述の仮のオフ
セット電圧を表す。よって、ロボット座標系でのエンド
エフェクタの重量に起因して力覚センサに加えられた力
R0 と誤差ΔV0 との間に以下の(式3)で表される
関係が成り立つ。
【0030】 R0 RS,0 ' ・F0 ・ΔV0 (式3)
【0031】次に、力制御ロボットの姿勢を基本姿勢か
ら、エンドエフェクタが無負荷状態である別の姿勢に変
更する(ステップS12)。
【0032】しかる後、この姿勢での力覚センサの出力
電圧を測定する。また、このときも、この姿勢でのエン
ドエフェクタの重量に起因して力覚センサに加えられた
R1 を無視する。すると、エンドエフェクタの重量
の影響により力覚センサの出力電圧が変わり、以下の
(式4)が成り立つので、この(式4)からこのときに
エンドエフェクタに加えられた外力 R1 を求める(ス
テップS13)。
【0033】 R1 RS,1 ' ・F0 〔(VOS+ΔV1 )−(VOS+ΔV0 )〕 (式4)
【0034】(式4)において、 R1 は本来的にはこ
の姿勢においてエンドエフェクタに加えられた外力であ
るが、この状態は無負荷状態であるから、 R1 R
1 をゼロと置きかつオフセット電圧をVOS+ΔV0 と置
いたことに起因する仮想外力である。なお、(式4)に
おいて、 RS,1 ' はこの姿勢におけるセンサ座標系か
らロボット座標系への座標変換行列を対角成分にもつ行
列、ΔV1 はこの姿勢での力覚センサの出力電圧VOS
ΔV1 と真のオフセット電圧VOSとの誤差( R1 をゼ
ロと置いたことに起因するもの)を表す。よって、ロボ
ット座標系でのエンドエフェクタの重量に起因して力覚
センサに加えられた力 R1 と誤差ΔV1 との間に以下
の(式5)で表される関係が成り立つ。
【0035】 R1 RS,1 ・F0 ・ΔV1 (式5)
【0036】(式2)〜(式5)より、以下の(式6)
が成り立つ。
【0037】 R1 R1 RS,1 ' SR,0 ' R0 (式6)
【0038】この(式6)を成分で書くと、以下の〔数
5〕となる。なお、 SR,0 ' は、ロボット座標系から
センサ座標系への座標変換行列 SR (3行3列)を対
角成分にもつ行列(6行6列)である。
【0039】
【数5】
【0040】また、〔数5〕より、 R1 は、Iを3行
3列の単位行列として、 R1 Rw− RS,1 SR,0 Rw =(I− RS,1 SR,0 Rw (式7) と表される。これをセンサ座標系に変換すると、以下の
(式8)が成り立つ。 S1 =( SR,1 SR,0 Rw (式8)
【0041】一方、〔数5〕より、 R1 は、 R1 =( RS,1 Sh)× Rw −( RS,1 SR,0 )〔( RS,0 Sh)× Rw〕 (式9) と表される。これをセンサ座標系に変換すると、以下の
(式10)が成り立つ。 S1 Sh×( SR,1 Rw)− Sh×( SR,0 Rw) = Sh× S1 Sh× S0 =(−〔 S1 ×〕+〔 S0 ×〕) Sh (式10)
【0042】ここで、〔 Sw×〕の記号は以下の〔数
6〕で表される行列である。
【0043】
【数6】
【0044】よって、(式8)および(式10)の3元
連立1次方程式を解くことにより、重量ベクトル Rwお
よび重心ベクトル Shを求めることができる。しかしな
がら、本実施例では、測定誤差の影響を少なくするため
に、力制御ロボットの姿勢を更にN−1回(N≧2)変
更する。すなわち、ステップS12およびステップS1
3を合計でN回実行して、基本姿勢以外のN個の姿勢に
おいて力覚センサの出力電圧を測定し、(式8)および
(式10)の3元連立1次方程式をそれぞれN個求め
る。すると、重量ベクトル Rwおよび重心ベクトル S
について、以下の〔数7〕および〔数8〕に示す関係式
が得られる。
【0045】
【数7】
【0046】
【数8】
【0047】次に、例えば最小自乗法を用いて〔数7〕
の連立1次方程式を解いて、重量ベクトル Rwを求める
ことにより(ステップS14)、重量ベクトル Rwの値
を推定することができる。
【0048】続いて、例えば最小自乗法を用いて〔数
8〕の連立1次方程式を解いて、重心ベクトル Shを求
めることにより(ステップS15)、重心ベクトル S
の値を推定することができる。
【0049】なお、力制御ロボットの姿勢を変更する回
数Nは、1または2以上であれば何回でもよいが、計算
の精度と負荷との兼ね合いから適宜決定すればよい。
【0050】次に、本実施例では、力制御ロボット1の
力制御時に、力覚センサ2の出力電圧から力覚センサ2
に加えられた力を求めるとともに、重量ベクトル Rwお
よび重心ベクトル Shから得たエンドエフェクタ3の重
量に起因して力覚センサ2に加えられた力を力覚センサ
2に加えられた力から減算し、エンドエフェクタ3に加
えられた外力を求める(ステップS2)。以下、ステッ
プS2の内容を更に具体的に説明する。
【0051】ステップS2においては、まず、エンドエ
フェクタが無負荷状態である力制御ロボットの任意の姿
勢において、力覚センサの真のオフセット電圧をとる
(ステップS21)。このとき、ステップS1で求めた
重量ベクトル Rwおよび重心ベクトル Shから(式1)
〜(式3)により求めた力、つまり、このときの姿勢に
おけるエンドエフェクタの重量に起因して力覚センサに
加えられた力 RWを考慮する。すなわち、無負荷状態で
RF=0であることを勘案して(式1)を変形する
と、以下の(式11)が成り立つ。よって、この式を解
くことにより真のオフセット電圧であるVOSが求められ
る。
【0052】 F0 ・VOS=F0 ・V− SR ' R W (式11)
【0053】次に、実際にエンドエフェクタの力制御を
するために、エンドエフェクタが対象物と接触した状態
である負荷状態において、力覚センサの出力電圧を測定
する(ステップS22)。
【0054】次に、ステップS22で測定した力覚セン
サの出力電圧から、上述のように求められたオフセット
電圧VOS、並びに、重量ベクトル Rwおよび重心ベクト
Shから得たこのときの姿勢におけるエンドエフェク
タの重量に起因して力覚センサに加えられた力 RWを用
いて、(式1)よりエンドエフェクタに加えられた外力
RFを求める(ステップS23)
【0055】そして、力制御をしている間は、ステップ
S22およびステップS23を繰り返して実行し、エン
ドエフェクタに加えられた力を経時的に求める。これに
よって、エンドエフェクタに加えられた力を常に正確に
知ることができるので、確実な力制御を行うことができ
る。
【0056】なお、本発明は、力制御ロボットのエンド
エフェクタの重量を補償することにより力制御を正確に
行うためのものであるが、ロボット座標系におけるエン
ドエフェクタの重量ベクトル Rwを知ることにより、力
制御ロボット自体の傾きの程度を知ることができるの
で、ロボットの姿勢や傾きを検出する方法として用いる
こともできる。
【0057】さらに、本発明は、予めロボット座標系に
おけるエンドエフェクタの重量ベクトル Rwを求めてお
き、エンドエフェクタにより対象物を持ち上げた状態で
この対象物を含んだエンドエフェクタの重量ベクトル R
w′を更に求めることにより、2つの重量ベクトルの差
から上記対象物の重量を知ることができるので、ロボッ
トが持ち上げる対象物の重量を検出する方法として用い
ることもできる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、エンド
エフェクタの重量ベクトルおよび重心ベクトルを作業開
始時に求め、力制御時に、力覚センサの出力電圧から力
覚センサに加えられた力を求めるとともに、重量ベクト
ルおよび重心ベクトルから得たエンドエフェクタの重量
に起因して力覚センサに加えられた力を力覚センサに加
えられた力から減算し、エンドエフェクタに加えられた
外力を求めるようにしたので、垂直多関節型ロボットの
姿勢を変化させた場合や力制御ロボット自体が傾いてい
た場合でも、上記エンドエフェクタの重量成分を確実に
補償することができるようになり、これにより上記エン
ドエフェクタに加えられた外力のみを正確に測定するこ
とができるようになる。したがって、力制御ロボットの
力制御を確実に行うことができる。また、簡単な手順に
より重量ベクトルおよび重心ベクトルを求めるので、エ
ンドエフェクタの重量ベクトルおよび重心ベクトルを予
め測定・計算しておく手間が省ける。また、上記重量ベ
クトルおよび上記重心ベクトルから得た上記エンドエフ
ェクタの重量に起因して上記力覚センサに加えられた力
を考慮して上記力覚センサの真のオフセット電圧を測定
することによって、力覚センサに生じるオフセットの影
響を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するためのフローチャ
ートである。
【図2】エンドエフェクタの重量ベクトルおよび重心ベ
クトルを説明するための図である。
【図3】センサ座標系およびロボット座標系を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 力制御ロボット 2 力覚センサ 3 エンドエフェクタ 4 力覚センサの重心 5 エンドエフェクタの重心 6 力制御ロボットの基体部のロボット回転軸上の一点

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 力覚センサを介して力制御ロボットの先
    端部に取り付けられたエンドエフェクタのロボット座標
    系における重量ベクトルおよびセンサ座標系における重
    心ベクトルを、上記力制御ロボットの作業開始時に求め
    ておき、 上記力制御ロボットの力制御時に、上記力覚センサの出
    力電圧から上記力覚センサに加えられた力を求めるとと
    もに、上記重量ベクトルおよび上記重心ベクトルから得
    た上記エンドエフェクタの重量に起因して上記力覚セン
    サに加えられた力を上記力覚センサに加えられた力から
    減算し、上記エンドエフェクタに加えられた外力を求め
    ることを特徴とする力制御ロボットにおけるエンドエフ
    ェクタの重量補償方法。
  2. 【請求項2】 上記エンドエフェクタに外力が加わらな
    い無負荷状態のときに、上記力制御ロボットの第1の姿
    勢において、上記エンドエフェクタの重量に起因して上
    記力覚センサに加えられた力を無視して上記力覚センサ
    の仮のオフセット電圧を測定するとともに、上記力制御
    ロボットの第2の姿勢において、上記力覚センサの出力
    電圧から、上記エンドエフェクタの重量に起因して上記
    力覚センサに加えられた力を無視して上記第2の姿勢で
    の仮想外力を求め、 上記仮想外力と、上記第1の姿勢で上記エンドエフェク
    タの重量に起因して上記力覚センサに加えられた力と、
    上記第2の姿勢で上記エンドエフェクタの重量に起因し
    て上記力覚センサに加えられた力との間に成り立つ関係
    から、上記重量ベクトルおよび上記重心ベクトルを求め
    ることを特徴とする請求項1に記載の力制御ロボットに
    おけるエンドエフェクタの重量補償方法。
  3. 【請求項3】 上記力制御ロボットの姿勢をN(N≧
    2)回変更するとともに、各姿勢における上記仮想外力
    を求め、各姿勢における仮想外力と、上記第1の姿勢で
    上記エンドエフェクタの重量に起因して上記力覚センサ
    に加えられた力と、上記各姿勢で上記エンドエフェクタ
    の重量に起因して上記力覚センサに加えられた力との間
    にそれぞれ成り立つN個の関係から、上記重量ベクトル
    および上記重心ベクトルを最小自乗法により求めること
    を特徴とする請求項2に記載の力制御ロボットにおける
    エンドエフェクタの重量補償方法。
  4. 【請求項4】 上記エンドエフェクタが無負荷状態のと
    きに上記力制御ロボットの任意の姿勢において、上記重
    量ベクトルおよび上記重心ベクトルから得た上記エンド
    エフェクタの重量に起因して上記力覚センサに加えられ
    た力を考慮して上記力覚センサの真のオフセット電圧を
    測定し、 上記力覚センサの出力電圧と、上記真のオフセット電圧
    と、上記エンドエフェクタの重量に起因して上記力覚セ
    ンサに加えられた力とに基づいて上記エンドエフェクタ
    に加えられた外力を求めることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の力制御ロボットにおけるエン
    ドエフェクタの重量補償方法。
JP2310894A 1994-01-25 1994-01-25 力制御ロボットにおけるエンドエフェクタの重量補償方法 Withdrawn JPH07205075A (ja)

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