JPH0720247A - 連続核種モニタ用放射線測定方法およびその装置 - Google Patents

連続核種モニタ用放射線測定方法およびその装置

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JPH0720247A
JPH0720247A JP16166993A JP16166993A JPH0720247A JP H0720247 A JPH0720247 A JP H0720247A JP 16166993 A JP16166993 A JP 16166993A JP 16166993 A JP16166993 A JP 16166993A JP H0720247 A JPH0720247 A JP H0720247A
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Tatsuyuki Maekawa
立行 前川
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】放射線エネルギースペクトルをメモリし、この
切替えにより分割して連続的に測定する連続核種モニタ
用放射線測定方法と装置を提供する。 【構成】本発明の連続核種モニタ用放射線測定方法は、
時間的に連続しており、かつ複数区間に分割可能な測定
時間で放射線のエネルギースペクトルを測定し、任意の
時間幅に相当する1区間以上分のスペクトルデータを取
り出すと共に、このデータによりその時間幅における放
射線量と放射能濃度および核種等の情報を連続的に得る
ことを特徴とする。また、連続核種モニタ用放射線測定
装置は、放射線検出手段4およびこの出力を電気信号と
する増幅手段5と、AD変換手段6と、データ記録用メ
モリ手段7、およびデータ処理手段8からなることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電プラント等
で使用される連続核種モニタ用放射線測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、商用軽水炉(原子力発電プラン
ト)で使用されている放射線モニタは、全てグロスγ線
法が採用されており、放射線の計数情報は得られるが、
エネルギー情報が得られていないのが現状である。
【0003】通常の用途ではこれで充分であるが、今後
は、特にγ線モニタによる高度なモニタリング手法とし
て、エネルギー、核種情報の得られるGe検出器等を始
めとする高分解能の半導体検出器を用いた連続核種モニ
タシステムを採用することで、異常兆候の早期検出、発
見を行い、さらに安全に原子力プラントの運転と維持を
して行くことができる。
【0004】また、将来に実用化される高速増殖炉等に
おいても、燃料破損検出系としてのGe検出器を用いた
核種モニタ装置の採用が検討されている。現在、このよ
うなγ線スペクトロメータは既に核種分析装置として実
用化されており、サンプリングした試料等を容器に入れ
たものや、場合によっては化学的処理等を加えたもの等
を測定するために分析室等に設置されている。
【0005】従って、測定され、かつ算出された核種別
放射能濃度は、サンプリング時点での濃度であり、これ
を連続的にモニタすることはできなかった。このため
に、測定現場に測定装置を設置して、連続モニタリング
のための測定を行う試みが検討されているが、従来方式
による測定には種々の問題がある。
【0006】図6の特性曲線図は従来の方式による連続
的スペクトル測定を示すもので、いま、特定の核種の放
射能濃度に着目し、これが図6に示すように時間tと共
に変動する場合を考える。すなわち、濃度変化曲線1で
示す実際の核種放射能の濃度変化は、時刻t1 では僅か
な増大傾向を示して、やがて元のレベルに復帰する。さ
らに時刻t2 では先よりも大きな増加を示すが、しばら
くして元のレベルに復帰するという変動を仮定する。
【0007】これに対して、放射線のスペクトル測定
は、一定時間の測定区間でのデータ収集を繰り返し、各
測定終了後においてデータ解析することにより、測定時
間中の平均放射能濃度を算出しており、図6では測定区
間として1〜4を、また測定後に算出された値を白丸
で、核種放射能の濃度変化としては、これを結ぶ一点鎖
線の濃度変化曲線2で示している。
【0008】この例では、時刻t1 からの変動が微少で
あることと、測定区間1と測定区間2の2つにまたがっ
ているため、測定区間1と測定区間2の測定をする場合
には、それ以前の定量結果からの変化は微少であり、変
動の時間幅と大きさによっては検出できない可能性もあ
る。
【0009】次に時刻t2 において、先の例よりは大き
な変動があった場合は、測定区間3でのデータには先よ
りは大きな兆候が現れる可能性がある。しかしながら、
おそらく次の測定区間4では元の放射能濃度レベルに戻
ることが予想され、結局測定区間3の結果で僅かに放射
能濃度が大きくなったことが確認できる可能性があるだ
けということになる。
【0010】放射能濃度の変動の程度、および時間幅と
測定時間との関係により、この状況は変わってくるが、
通常統計精度を高めようとして、長時間測定を行えば、
それだけ平均化区間が大きくなるため、変化そのものは
捉え難くなる。これは、一般の算術平均の原理と同様で
ある。
【0011】従って、一般の放射線モニタ等で用いられ
る計数率計では、統計誤差を一定にする可変測定時間に
よる計数率算出方式や、急激な変化を統計誤差から判断
する方式等の様々な手法が採用されていることを考える
と、この従来方式によるスペクトル測定方式を、そのま
ま核種モニタ装置として採用することは適切とはいえな
い。
【0012】すなわち、従来からのγ線スペクトロメー
タ、核種分析装置を測定対象の近傍に設置し、いわゆる
“その場”測定をするだけでは、詳細な時間平均的な核
種組成の情報等は得られても、放射能濃度や放射線量の
変化自体を明確に検知することは難しく、仮に検出でき
た場合でもタイミングによっては大きな遅れ時間を伴う
というように、放射線モニタとしての連続性、時間応答
性に欠けるといわざるを得なかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の原子力プラント
用の放射線モニタは、計数率情報を常に与えており、こ
れの時間変化により異常を検出するものである。一方、
高純度Ge検出器等を用いた、エネルギースペクトル測
定による核種モニタ装置の導入を考える場合に、従来の
いわば時間平均的なスペクトル測定方式では、測定を開
始してから終了するまでの時間平均データの収集を次々
に繰り返すのみである。
【0014】例えばi番目の測定とi+1番目の測定に
またがる時間幅に、ある核種濃度が変動したとしても、
変動時間幅と変化の程度、および測定時間との関係で検
出できない場合が生じたり、あるいは検出できたとして
も変化現象のあった時刻からかなり遅れたi+1番目の
測定終了後に判明するということになる。
【0015】一方、短い時間毎に区切った測定を繰り返
す方式とした場合は、長時間測定では問題とはならなか
った、切り替えの際に必要なデータの退避や、メモリの
初期化等に必要な時間の測定時間に対する割合が増大し
て、これが欠測時間として無視し得ないものとなる。さ
らに、このような短い測定では一つ一つのデータ自体の
統計精度が低い場合も予想され、短時間測定だけでは正
確な処理ができない可能性もでてくる。
【0016】このために、原子力プラント用の連続核種
モニタ装置については、連続的で欠測のないエネルギー
スペクトル測定の方法や、着目時間幅を連続時間軸上で
任意に変えてデータを切り出すことのできる手段およ
び、これらのデータ処理手段を備えた測定装置が要望さ
れていた。
【0017】本発明の目的とするところは、検出した放
射線エネルギースペクトルをメモリし、この切替えによ
り分割して連続的に測定する連続核種モニタ用放射線測
定方法とその装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本目的を達成するため請
求項1記載の発明に係る連続核種モニタ用放射線測定方
法は、時間的に連続しており、かつ複数区間に分割可能
な測定時間で放射線のエネルギースペクトルを測定し、
任意の時間幅に相当する1区間以上分のスペクトルデー
タを取り出すと共に、このデータによりその時間幅にお
ける放射線量と放射能濃度および核種等の情報を連続的
に得ることを特徴とする。
【0019】請求項2記載の発明に係る連続核種モニタ
用放射線測定装置は、連続的に放射線量と放射能濃度お
よび核種等の情報を得るために、放射線検出手段および
この出力を電気信号とする増幅手段と、この出力信号の
アナログディジタル変換(以下AD変換と略称する)を
行うAD変換手段を設ける。
【0020】さらに、1つのスペクトルデータ記録に必
要な容量の偶数(m)倍以上のメモリ容量を備えると共
に、放射線のパルスの波高値(電圧値)をディジタル変
換する際に必要とするビット数にさらに上位ビットとし
てlog(m)/log(2)ビット分を導入し、これを前記AD変
換手段にAD変換結果時のディジタル値のオフセットと
して付加して、この値により使用するメモリ領域を指定
することによりメモリを切り替えるデータ記録用メモリ
手段と、記録中でない領域のメモリ内容を迅速に退避し
て次の測定に備えるデータ処理手段からなることを特徴
とする。
【0021】請求項3記載の発明に係る連続核種モニタ
用放射線測定装置は、連続的に放射線量と放射能濃度お
よび核種等の情報を得るために、放射線検出手段および
この出力を電気信号とする増幅手段と、この出力信号の
AD変換を行うAD変換手段と、1つのスペクトルデー
タ記録に必要な容量の整数(n)倍以上のメモリ容量を
備えると共に記録のためのメモリの番地をメモリ制御機
能が外部から与えられる信号により切り替えるデータ記
録用メモリ手段と、記録中でない領域のメモリ内容を迅
速に退避して次の測定に備えるデータ処理手段からなる
ことを特徴とする。
【0022】請求項4記載の発明に係る連続核種モニタ
用放射線測定装置は、連続的に放射線量と放射能濃度お
よび核種等の情報を得るために、放射線検出手段および
この出力を電気信号とする増幅手段と、この出力信号の
AD変換を行うAD変換手段と、スペクトルデータの少
くとも1つを記録するために必要な容量を備えるデータ
記録用メモリ手段を複数個設けて、これらを測定毎に交
互に切り替えてデータを記録すると共に、記録済みで未
使用中のデータ記録用メモリ手段のデータを他のデータ
記録用メモリ手段が使用中である間に退避して次の記録
に備えるデータ処理手段からなることを特徴とする。
【0023】
【作用】請求項1記載の発明は、連続的に複数区間に分
割可能な測定時間で放射線のエネルギースペクトルを測
定してメモリすると共に、これを任意の時間幅に相当す
る1区間以上分のスペクトルデータとして取り出し、こ
のデータによりその時間幅における放射線線量、放射能
濃度と核種等の情報を連続的に得る。
【0024】請求項2記載の発明は、放射線検出手段で
検出した放射線入力信号を増幅手段にて電気信号とし、
この信号をAD変換手段でAD変換して1つのスペクト
ルデータ記録に必要な容量の偶数(m)倍以上のメモリ
容量を備えたデータ記録用メモリ手段に入力する。
【0025】データ記録用メモリ手段では、放射線のパ
ルスの波高値(電圧値)をディジタル変換する際に必要
とするビット数にさらに上位ビットとしてlog(m)/log
(2)ビット分を導入し、これをAD変換手段でAD変換
結果時のディジタル値のオフセットとして付加すること
によりメモリ領域を指定してメモリを切り替える。
【0026】記録中でない領域のメモリ内容をデータ処
理手段に退避させて次の測定に備えると共に、m番目の
領域に記録された後は、1番目の領域から再度記録する
ように循環して無限回数連続的にデータを得る。
【0027】請求項3記載の発明は、放射線検出手段で
検出した放射線入力信号を増幅手段にて電気信号とし、
この信号をAD変換手段でAD変換して1つのスペクト
ルデータ記録に必要な容量の整数(n)倍以上のメモリ
容量を備えるデータ記録用メモリ手段に入力する。
【0028】データ記録用メモリ手段では、記録のため
のメモリの番地をメモリ制御機能が外部から与えられる
信号により切り替える。記録中でない領域のメモリ内容
をデータ処理手段に退避させて次の測定に備えると共
に、n番目の領域に記録された後は、1番目の領域から
再度記録するように循環して無限回数連続的にデータを
得る。
【0029】請求項4記載の発明は、放射線検出手段で
検出した放射線入力信号を増幅手段にて電気信号とし、
この信号をAD変換手段でAD変換すると共に、スペク
トルデータの少くとも1つを記録するに必要なメモリ容
量を備えた複数個のデータ記録用メモリ手段に、測定毎
に交互に切り替えて入力する。
【0030】なお、記録済みで未使用中のデータ記録用
メモリ手段のデータは、他のデータ記録用メモリ手段が
使用中である間にデータ処理手段に退避させて、次の記
録に備えることにより時間的に測定の欠落をなくして無
限回数連続的にデータを得る。
【0031】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照して説
明する。第1実施例は請求項1に係り、図1の特性曲線
図に示すように、変化を検知するための最小時間単位は
測定対象の線量により異なるが、これを仮に時間t0
する。本発明においては、この時間t0 のサイクルによ
る測定を連続的に繰り返しながら、測定が終了したメモ
リ領域から順次データ処理手段へ退避していくことが必
要である。
【0032】また、t0 区間だけのデータでは統計精度
上不足する場合が考えられるため、隣接するL個の複数
の測定区間分のスペクトルデータをチャネル毎に加算し
て、一つのスペクトルデータとする。このようにして得
られたスペクトルデータは、積算に用いた最終区間で得
られるt0 ×L時間分の区間平均測定データに相当し、
従来方式による測定と等しいものといえる。
【0033】しかしながら、先に採用した隣接するL個
の区間を1データ分だけ次の測定区間にずらして検出す
ると、区間平均データを扱うことに変わりはないが、時
間軸はt0 分だけシフトすることになる。これにより、
0 ×L時間分のデータを扱いながら、情報は黒点で示
すようにt0 時間毎に得られて、これを結んだ濃度変化
曲線3では、実際の濃度変化曲線1と同様のものが得ら
れることになる。
【0034】また、図2の核種濃度の変化と測定方法の
関係を示すタイムチャートにより従来例と比較して説明
する。ここで、従来方式の測定時間をT0 、本発明の測
定時間をT1 とすると、T0=5×T1 なる関係とす
る。なお、本発明では従来方式に比べて欠測のない連続
測定が実施される。
【0035】いま、ある核種が一定の放射能濃度を示し
ており、これが時刻t1 にステップ状に増大して、夫々
時刻t2 ,t3 に再びステップ状に減少して一定値に落
ち着くというパターンを想定する。ここでは、[t1
3 ]区間の変化をパターン1、[t1 ,t2 ]区間の
変化をパターン2と呼ぶ。
【0036】パターン1のケースにおいて、従来方式に
よる最初の測定が終了した時を考えると、核種濃度の増
大が生じた時刻t1 はこの測定時間T0 の4/5程度が
既に経過した後であるため、濃度増加分のおよそ1/5
が前回の濃度定量値に加算された程度の値となる。
【0037】この時に、この変化が検出されるかどうか
は、前回の定量値と濃度変化の1/5相当分との相対強
度と、夫々の統計精度等に依存する。一方、本発明では
各測定時間T1 の終わり毎に5区間遡ってデータの積算
を行い、そのデータから定量を行う。
【0038】このため、図2で示すように5番目の測定
では、従来方式の測定の場合と条件は等しいが、6番
目、7番目となるにしたがい、全5区間分に含まれる核
種濃度増大分の比率、すなわち、変化してからの情報の
比率が大きくなる。従って当然、6番目、7番目、8番
目と、各測定が進むにつれて濃度増加現象の検出確率は
増大してゆく。
【0039】しかしながら従来方式では、最初の測定で
検出できない場合には少なくとも次の測定終了時(本発
明の10番目の測定終了相当時)まで定量ができないた
め、当然検出の可能性はない。これに比較すると、本発
明では10番目の測定終了を待たずに検出できる可能性が
あり、従来方式に比べて、早期検出を達成できるという
効果がある。
【0040】次にパターン2について説明する。このケ
ースでは核種濃度変化が先のパターン1より短い時間幅
で生じた場合で、時刻t1 でステップ状に増大した濃度
は一定値を示し、直ぐに時刻t2 で元のレベルに戻った
とする。この図2の例では、この[t1 ,t2 ]はたか
だかT1 時間の 1.5倍程度として表した。この場合も夫
々の測定方式で検出可能かどうかは、先と同様に濃度の
相対強度や測定時間、統計誤差等に依存するため、夫々
の測定方式の相対比較により説明する。
【0041】従来の測定方法では最初の測定が終了した
時に、上記パターン1の場合と同様に、濃度増大分の1
/5程度が加算された濃度が得られる程度である。ま
た、次の測定ではさらに条件が悪く、濃度増大分の1/
10程度が加算されるに過ぎない。
【0042】しかしながら、本発明の測定によれば、5
番目の測定終了時には従来方式と同じ条件であるが、6
番目の測定を終了した時には 1.5/5程度加算されるこ
とになり、従来方式と比較して変化現象の情報を多く含
むために検出確率も高い。従って従来方式では検出され
ないが、本発明では検出が可能というケースが多くある
ことになる。
【0043】第2実施例は請求項2に係り、図3のブロ
ック構成図に示すように、入射された放射線を検出する
放射線検出手段4と、この出力を電気信号として出力す
る増幅手段5と、この出力信号のAD変換を行うAD変
換手段6を設ける。
【0044】さらに、1つのスペクトルデータ記録に必
要な容量の偶数(m)倍以上のメモリ容量を備えて、放
射線のパルスの波高値(電圧値)を前記AD変換手段6
によりディジタル変換する際に必要とするビット数にさ
らに上位ビットとしてlog(m)/log(2)ビット分を導入
し、これをAD変換結果時のディジタル値のオフセット
として付加して、この値により使用するメモリ領域を指
定することによりメモリを切り替えるデータ記録用メモ
リ手段7と、記録中でない領域のメモリ内容を迅速に退
避させて次の測定に備えるデータ処理手段8から構成し
ている。
【0045】次に上記構成による作用について説明す
る。放射線検出手段4で検出し、増幅手段5とAD変換
手段6を経由してデータ記録用メモリ手段7に入力され
たスペクトルデータがm番目の領域に記録された後は、
1番目の領域から再度記録するように循環して疑似的に
スペクトルデータを1つ記録することのできるデータ記
録用のメモリをm個使用したことと等価で、しかも無限
回数連続的にデータを得る。
【0046】従って、時間的に連続しており、かつ複数
区間に分割可能な測定時間で放射線のエネルギースペク
トルを測定し、任意の時間幅に相当する1区間以上分の
スペクトルデータを取り出すと共に、このデータにより
その時間幅における放射線線量と放射能濃度および核種
等の情報が得られる。
【0047】なお、この構成のものではAD変換結果の
ディジタル出力の最上位ビットにオフセットが測定の度
に加算されていくもので、AD変換手段6からは、最初
の測定時にはオフセットゼロでAD変換結果が出力さ
れ、次の測定が始まる際にはオフセットビットは+1さ
れるため、正味の変換に必要なビット数をkビットとす
ると2のk乗のオフセットがかかることになる。
【0048】この2のk乗なる値は、スペクトルデータ
のチャネル数、あるいはコンバージョンゲインと呼ばれ
るものの値に等しい。従って、次の区間の測定は2のk
乗のオフセットのかかったAD変換値が得られる。さら
に次の区間の測定にはオフセットビットがさらに+1さ
れるため、2のk乗の2倍のオフセットがかかってい
く。
【0049】このAD変換の結果は、データ記録用メモ
リ手段7の相対アドレス値として使用され、データはそ
のアドレスの示すメモリ内容を+1することにより記録
されていく。また、オフセットビットがオーバーフロー
する場合には、再度オフセットゼロから始めることにな
る。この間にメモリ中の必要なデータはデータ処理手段
8への退避が完了している。
【0050】なお、オフセット値の切り替えタイミング
情報は、データ処理手段8、あるいはデータ記録用メモ
リ手段7のクロック、AD変換手段6のクロック等を利
用して、必要な情報をAD変換手段6に入力する。
【0051】第3実施例は請求項3に係り、その構成と
効果は上記図3のブロック構成図とほぼ同様で、放射線
検出手段4と、この出力を電気信号として出力する増幅
手段5および、この出力信号のAD変換を行うAD変換
手段6と、1つのスペクトルデータ記録に必要な容量の
整数(n)倍以上のメモリ容量を備えて、記録のための
メモリの番地をメモリ制御装置が外部から与えられる信
号により切り替えるデータ記録用メモリ手段7と、記録
中でない領域のメモリ内容を迅速に退避させるデータ処
理手段8からなっている。
【0052】これにより、データ記録用メモリ手段7に
おいてスペクトルデータがn番目の領域に記録された後
は、1番目の領域から再度記録するように循環して疑似
的にスペクトルデータを1つ記録することのできるデー
タ記録用のメモリ手段をn個使用したことと等価で、し
かも無限回数連続的にデータを得る。
【0053】この第3実施例によれば、上記第2実施例
においてはメモリのアドレスを切り替えるためにAD変
換結果に直接オフセットを加えていたが、直接メモリア
ドレッシングの際にデータ記録用メモリ内の制御回路側
でオフセットを加える等によりメモリ領域を切り替える
ことも可能である。
【0054】なお、この場合の切り替えタイミングは、
データ記録用メモリ手段7の内部でのクロックを使用す
ることは勿論可能であるが、このほかにAD変換手段
6、データ処理手段8等からの情報伝達も必要な付加回
路により可能である。
【0055】第4実施例は請求項4に係り、図4のブロ
ック構成図に示すように、放射線検出手段4および増幅
手段5と、この出力信号のAD変換を行うAD変換手段
6、さらにスペクトルデータの少くとも1つを記録する
ために必要な容量を備えたデータ記録用メモリ手段7を
複数個設ける。
【0056】さらに、これらを測定毎に交互に切り替え
てデータを記録し、記録済みで未使用中のデータ記録用
メモリ手段7のデータを他のデータ記録用メモリ手段7
が使用中である間は退避させるデータ処理手段8から構
成している。以上の構成により、退避させたデータを次
の記録に備えることにより時間的に測定の欠落をなくし
て、無限回数連続にデータを得ることで、欠測のない連
続的なスペクトル測定が可能となる。
【0057】なお、応用例として図3のブロック構成図
に示すように、入射された放射線を検出する放射線検出
手段4および、この出力を電気信号として出力する増幅
手段5と、この出力信号のAD変換を行うAD変換手段
6、さらにデータ処理手段8で構成し、その作用と効果
は、上記第3および第4実施例と同様とするが、いずれ
の場合にもスペクトルデータを記録するために必要なメ
モリを、前記データ処理手段8が保有するメモリの一部
を充当することにより、構成を簡略化することができ
る。
【0058】また、時間t0 毎に測定記録したデータの
全て、あるいは着目部分の計数を調べながら隣接した区
間のデータの区間を加算して、統計精度を満足する区間
数を可変として計算する方法や、あるいは加算過程で既
に大きな変化があった場合には加算の直前の区間までの
加算として計算する等の手段も有効であり、さらに、放
射線の検出に高純度Ge検出器を採用し、これを電気
式、あるいは液体窒素冷却装置により連続冷却して、高
分解能で安定した特性を得ることができる。
【0059】これらの場合を次の実施態様項にて示す。 (1) スペクトルデータを記録し、これを切替えるメモリ
を、前記データ処理手段7が保有するメモリの一部を充
当することを特徴とする連続核種モニタ用放射線測定装
置。
【0060】(2) 指定する単位時間区間毎のスペクトル
データを一次記憶装置であるデータ記録用メモリ手段か
ら二次記憶装置に転送し、書き込みにより記録、保存す
る機能を具備すると共に、任意の時間分に相当する1つ
以上のスペクトルデータを、先の単位時間毎スペクトル
データの加算により得て、このデータから放射線線量
と、核種、核種別放射能量および全放射能量等の情報を
得るデータ処理機能を具備したことを特徴とする連続核
種モニタ用放射線測定装置。
【0061】(3) データ処理手段が、特に連続した任意
の一定数の単位時間毎のスペクトル加算、計算処理機能
を備えて、時間と共に処理対象区間を時間軸上で一定数
だけ移動させていくことを特徴とする連続核種モニタ用
放射線測定装置。
【0062】(4) データ処理手段が、特に連続した任意
の区間に対して全計数若しくは特定着目核種の光電ピー
ク相当部分の正味計数値が一定統計量を示すに充分なだ
けの区間を選出し、この区間のデータに対して計算処理
をする機能を備えたことを特徴とする連続核種モニタ用
放射線測定装置。
【0063】(5) 放射線検出手段として高純度Ge検出
器を用いると共に、これを電気式冷却、あるいは液体窒
素蒸発防止装置付液体窒素冷却方式により連続冷却する
ことを特徴とする連続核種モニタ用放射線測定装置。
【0064】
【発明の効果】以上本発明によれば、原子力発電プラン
ト等において核種分析装置や放射線用スペクトロメータ
による連続核種モニタにより、核種濃度、線量並びにそ
の変化を測定時間を増すことなく、しかもより早期に高
感度で連続的に定量、検出することから、原子力発電プ
ラント等の設備の運転、管理をより安全に維持できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の放射線測定方法の特
性曲線図。
【図2】本発明に係る第1実施例の核種濃度の変化と測
定方法の関係を示すタイムチャート。
【図3】本発明に係る第2実施例と第3実施例の放射線
測定装置のブロック構成図。
【図4】本発明に係る第4実施例の放射線測定装置のブ
ロック構成図。
【図5】本発明に係る応用例の放射線測定装置のブロッ
ク構成図。
【図6】従来の連続的スペクトル測定の特性曲線図。
【符号の説明】
1…実際の濃度変化曲線、2…従来測定の濃度変化曲
線、3…本発明測定の濃度変化曲線、4…放射線検出手
段、5…増幅手段、6…AD変換手段、7…データ記録
用メモリ手段、8…データ処理手段。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間的に連続しており、かつ複数区間に
    分割可能な測定時間で放射線のエネルギースペクトルを
    測定し、任意の時間幅に相当する1区間以上分のスペク
    トルデータを取り出すと共に、このデータによりその時
    間幅における放射線量と放射能濃度および核種等の情報
    を連続的に得ることを特徴とする連続核種モニタ用放射
    線測定方法。
  2. 【請求項2】 連続的に放射線量と放射能濃度および核
    種等の情報を得るために、放射線検出手段およびこの出
    力を電気信号とする増幅手段と、この出力信号のアナロ
    グディジタル変換を行うアナログディジタル変換手段
    と、1つのスペクトルデータ記録に必要な容量の偶数
    (m)倍以上のメモリ容量を備えると共に放射線のパル
    スの波高値(電圧値)をディジタル変換する際に必要と
    するビット数にさらに上位ビットとしてlog(m)/log(2)
    ビット分を導入し、これを前記アナログディジタル変換
    手段にAD変換結果時のディジタル値のオフセットとし
    て付加して、この値により使用するメモリ領域を指定す
    ることによりメモリを切り替えるデータ記録用メモリ手
    段と、記録中でない領域のメモリ内容を迅速に退避して
    次の測定に備えるデータ処理手段からなることを特徴と
    する連続核種モニタ用放射線測定装置。
  3. 【請求項3】 連続的に放射線量と放射能濃度および核
    種等の情報を得るために、放射線検出手段およびこの出
    力を電気信号とする増幅手段と、この出力信号のアナロ
    グディジタル変換を行うアナログディジタル変換手段
    と、1つのスペクトルデータ記録に必要な容量の整数
    (n)倍以上のメモリ容量を備えると共に記録のための
    メモリの番地をメモリ制御機能が外部から与えられる信
    号により切り替えるデータ記録用メモリ手段と、記録中
    でない領域のメモリ内容を迅速にデータ処理手段へ退避
    して次の測定に備えるデータ処理手段からなることを特
    徴とする連続核種モニタ用放射線測定装置。
  4. 【請求項4】 連続的に放射線量と放射能濃度および核
    種等の情報を得るために、放射線検出手段およびこの出
    力を電気信号とする増幅手段と、この出力信号のアナロ
    グディジタル変換を行うアナログディジタル変換手段
    と、スペクトルデータの少くとも1つを記録するために
    必要な容量を備えるデータ記録用メモリ手段を複数個設
    けて、これらを測定毎に交互に切り替えてデータを記録
    すると共に、記録済みで未使用中のデータ記録用メモリ
    手段のデータを他のデータ記録用メモリ手段が使用中で
    ある間に退避して次の記録に備えるデータ処理手段から
    なることを特徴とする連続核種モニタ用放射線測定装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000258538A (ja) * 1999-03-08 2000-09-22 Natl Inst Of Radiological Sciences 放射線測定装置及び方法
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CN112684490A (zh) * 2020-12-22 2021-04-20 上海工物高技术产业发展有限公司 能谱分区方法、装置、计算机设备和存储介质
KR20210044047A (ko) * 2019-10-14 2021-04-22 한국수력원자력 주식회사 시료 내 방사능 핵종의 존재 확인 방법

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