JPH07201454A - 正特性サーミスタ発熱体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温風ヒータなどに用いられる正特性サーミス
タ発熱体に関し、ユニットの組立を簡単にし、複数のユ
ニットを絶縁材料の枠にはめ込んで一体化し、温風ヒー
タ本体に簡単に取り付けできる正特性サーミスタ発熱体
を提供することを目的とする。 【構成】 絶縁材料からなるはしご状の枠６に両主平面
に電極が形成された正特性サーミスタを挿入してヒータ
コア４とし、このヒータコア４内の正特性サーミスタの
両主平面に放熱体５を接触させてユニットを構成し、こ
のユニットを高さ方向に数ユニット積み上げ、枠６には
め込み、枠とユニットの間に力が加わるようにバネ７を
はめ込み、放熱体と正特性サーミスタとが圧接接触され
る構造としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は定温発熱体あるいは温風
ヒータなどの空気等の流体を加熱する目的で用いられる
正特性サーミスタ発熱体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】正特性サーミスタはある温度で急激に抵
抗値が上昇する半導体セラミックであるために自己温度
制御作用を持ち、これに電圧を印加して発熱体として用
いた場合にはその表面温度の変化が少ないばかりでなく
加熱しないので便利な発熱体であることが一般に良く知
られている。

【０００３】また、この発熱体を空気等の流体加熱用ヒ
ータとして用いた場合、流体の通過が停止した場合でも
赤熱することがなく、安全なヒータとして用いることが
でき、この発熱体の入力電力を大きくして発熱量を大き
くするために、放熱体を正特性サーミスタに固着し、さ
らにこの放熱体の表面積を大きくすることによってその
効果を十分に発揮することができることも一般に良く知
られているものである。

【０００４】図４は、上記従来の正特性サーミスタ発熱
体の構成を示す斜視図であり、１は両主平面に電極（図
示せず）が設けられた正特性サーミスタであり、隣接し
て複数個が配置されている。２はアルミニウムの薄板を
波形に折曲げ、片面にアルミニウム板からなる電極板を
ブレージング等により固着し導伝路を兼ねるように形成
された放熱体であり、上記隣接して配置された複数個の
正特性サーミスタ１のそれぞれの両主平面にそれぞれこ
の放熱体２の他面を接着剤３で密着固定して構成されて
いる。

【０００５】以上のように構成された正特性サーミスタ
発熱体の導伝路を兼ねたそれぞれの放熱体４に電圧を加
えると、この電圧が正特性サーミスタ１に加わり発熱す
る。発熱した熱は接着剤３を介してそれぞれの放熱体４
に伝わり、これに空気等の流体を一方から加えると反対
側から温風を得ることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、放熱体２と正特性サーミスタ１との固定
は接着剤３を使用しているため硬化させるための設備が
必要であったり耐熱のある接着剤が必要でありコストが
高いものであった。また、発熱量を大きくしようとする
場合ユニットを並べるより高さ方向に積み上げるのが一
般であるが、そうした場合のユニットどうしを固定する
のはやっかいであった。さらに温風ヒータとして送風口
にユニットを固定する場合従来の構成では、放熱体２が
非絶縁でありしかも正特性サーミスタ１の発熱により温
度が高いため固定は絶縁で耐熱のある材料で周りを覆わ
なければならず非常にコストの高いものであった。

【０００７】本発明は上記課題を解決するもので、ユニ
ットの組立を簡単にし、複数のユニットを絶縁材料の枠
ではめ込む構成をとり、温風ヒータ本体に簡単に取り付
けできしかも安全で信頼性の高い正特性サーミスタ発熱
体を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の正特性サーミスタ発熱体は、絶縁材料からな
るはしご状の枠に、両主平面に電極が形成された正特性
サーミスタを挿入してヒータコアとし、このヒータコア
内の正特性サーミスタの両主平面に金属製の薄板を波形
に折り曲げ導伝路を兼ねるように構成された前記はしご
状の枠とほぼ同じ大きさの放熱体を接触させてユニット
を構成し、このユニットを高さ方向に数ユニット積み上
げ、枠にはめ込み、さらに前記枠と前記積み上げたユニ
ットの間に広がる力が加わるようにバネをはめ込み、こ
のバネによりそれぞれのユニットの放熱体と正特性サー
ミスタとが圧接接触される構造をしているものである。

【０００９】

【作用】この構成によって、それぞれのユニットの正特
性サーミスタと放熱体にはバネにより均一に加圧され安
定した発熱が実現できしかも複数のユニットを一体化す
ることができ、温風ヒータの本体に簡単に取付ができる
安全で信頼性の高い正特性サーミスタ発熱体が実現でき
るものである。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例による正特性サーミ
スタ発熱体について図面を用いて説明する。図１は本発
明の一実施例による正特性サーミスタ発熱体の構成を示
す斜視図であり、４は複数個の正特性サーミスタ（図示
せず）を並設して構成したヒータコア、５はアルミニウ
ムの薄板を波形に折り曲げ導伝路を兼ねるように構成さ
れた放熱体であり、ヒータコア４内の正特性サーミスタ
の両主平面に接触しユニットを構成している。６は絶縁
材料からなるはしご状の枠、７は波状に折り曲げたバネ
であり、前記枠６と多段積みされた前記ユニットの間に
広がる力が加わるように挿入されており、その力はそれ
ぞれのユニットの放熱体５と正特性サーミスタに加圧が
加わり圧接状態となっている。

【００１１】図２は、はしご状の枠６を輪切り状に分割
し、枠入口に突起８を設けたユニットの保持を確実にし
た正特性サーミスタ発熱体である。図３は、はしご状の
枠６を輪切り状に分割し、さらに分割面に複数の溝９を
設け、放熱体５の端子１０を取り出し温風ヒータ本体へ
の組込みを容易にした正特性サーミスタ発熱体である。

【００１２】以上のように構成された本発明の正特性サ
ーミスタ発熱体について以下その動作原理を説明する。
ユニットのそれぞれの放熱体５に電圧を加えると放熱体
５が導伝路となり放熱体５と圧接された正特性サーミス
タ（図示せず）に電圧が加わり発熱する。その後は放熱
体５のアルミ板に伝わり、その時放熱体５に空気を通過
させると温風を得ることができる。

【００１３】なお、上記枠６には温風ヒータ本体に取付
けるネジ穴を必要な個所に設けて取付けを容易にするこ
ともできる。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明は、組立が非常に簡
単であり大電力を発生させる一体化した構成をとり、し
かも温風ヒータ本体に比較的簡単に取付できる安全で信
頼性の高い正特性サーミスタ発熱体を実現できるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による正特性サーミスタ発熱
体を示す斜視図

【図２】本発明の他の実施例を示す斜視図

【図３】本発明のさらに他の実施例を示す斜視図

【図４】従来の正特性サーミスタ発熱体を示す斜視図

【符号の説明】

４ ヒータコア ５ 放熱体 ６ 枠 ７ バネ ８ 突起 ９ 溝

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁材料からなるはしご状の枠に、両主
   平面に電極が形成された正特性サーミスタを挿入してヒ
   ータコアとし、このヒータコアの正特性サーミスタの両
   主平面に金属製の薄板を波形に折り曲げ導伝路を兼ねる
   ように構成され前記はしご状の枠の幅とほぼ同じ大きさ
   の放熱体を接触させてユニットを構成し、このユニット
   を高さ方向に数ユニット積み上げて枠にはめ込み、さら
   に前記枠と前記積み上げたユニットの間に広がる力が加
   わるようにバネをはめ込み、このバネによりそれぞれの
   ユニットの放熱体と正特性サーミスタとが圧接接触され
   るように構成した正特性サーミスタ発熱体。
2. 【請求項２】 枠が輪切り状に分割され枠の入り口に突
   起を設けた請求項１記載の正特性サーミスタ発熱体。
3. 【請求項３】 枠が輪切り状に分割され分割面に複数の
   溝を設け、前記放熱体の一部を延長させて前記枠の側面
   の溝から端子として取り出した請求項１記載の正特性サ
   ーミスタ発熱体。