JPH07198097A - ガスボンベ容器弁 - Google Patents

ガスボンベ容器弁

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JPH07198097A
JPH07198097A JP34989793A JP34989793A JPH07198097A JP H07198097 A JPH07198097 A JP H07198097A JP 34989793 A JP34989793 A JP 34989793A JP 34989793 A JP34989793 A JP 34989793A JP H07198097 A JPH07198097 A JP H07198097A
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JP
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gas
oxygen
oxygen scavenger
hydrogen chloride
container valve
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JP34989793A
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Sei Terada
聖 寺田
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Tsurumi Soda Co Ltd
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Tsurumi Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腐食性ガス用ガスボンベ容器に用いられる容
器弁において、容器弁内に残存する腐食性ガスや酸素ガ
スを除去し、容器弁内の腐食を防止する容器弁を提供す
ること。 【構成】 脱酸素剤成分例えば鉄系脱酸素剤成分を、ガ
ス透過度が高くかつ透湿度が低い材質例えばOPPから
なる脱酸素剤包材に充填して脱酸素剤を構成する。この
脱酸素剤を容器弁のガス流出口付近の内部空間と接する
ように設けると、容器弁内に残存する塩化水素ガスや酸
素ガスは脱酸素剤を透過して脱酸素剤成分と反応する
が、この反応によりこれらのガスは消費されて除去され
る。またこれらのガスと脱酸素剤成分との反応生成物は
脱酸素剤包材を透過できないため、容器弁内に流出する
ことはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腐食性ガス用ガスボン
ベ容器に用いる容器弁に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、LSIや超LSI等の半導体製
造においては、化学薬品等の溶液中で処理を行うドライ
プロセスが主流となっている。例えば、シリコンウエハ
のドライエッチング工程においては、ドライエッチング
剤として塩化水素ガスが使用されている。この塩化水素
を例えば商品として販売する場合には、通常は塩化水素
ガスを濃硫酸を用いて乾燥して水分を除去した後、圧縮
して液化塩化水素とし、これを貯槽に貯え、この貯槽か
ら随時例えばステンレス製のガスボンベ容器に液化塩化
水素を詰め込むようにしている。
【0003】ここで塩化水素は水分の存在下でステンレ
スと反応し、従ってステンレス製のガスボンベ容器内部
を腐食させることが知られているため、塩化水素等の腐
食性ガスをガスボンベ容器内に充填するにあたっては、
容器内部を乾燥し、次に真空引きを行って、容器内にお
ける水分、酸素等の腐食条件を可能な限り除いてから行
われている。
【0004】このようにして、塩化水素をガスボンベ容
器内に充填した後、アウトレットキャップを取り付ける
が、この際容器弁内に存在する塩化水素を例えば窒素や
乾燥空気により置換することにより除去している。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら上述
のガス置換を完全に行うことは困難であるため、容器弁
内に塩化水素ガスが残存する。従って塩化水素ガスを充
填したガスボンベ容器を商品として出荷し、これを消費
者が使用する段階で容器弁内の塩化水素ガスが周囲に拡
散し、人体や周辺環境に悪影響を与えるという問題があ
った。
【0006】またアウトレットキャップを取り付ける際
には大気が容器弁内に侵入してしまうが、この大気中に
は水分及び酸素が含まれている。ここで塩化水素ガスは
吸水性の強いガスであるため、塩化水素ガスと大気とが
接触すると、塩化水素ガスは大気中の水分を吸収し、塩
酸ミストとなって飛散し、上述と同様の問題を生じてい
た。また容器弁内に酸素が存在すると、水分との共存で
容器弁が腐食するという問題があった。
【0007】さらに大気中の水分が原因となって、常温
下においてステンレス製の容器弁11の内部が腐食する
という問題があった。この腐食は以下に示す化学式に従
って進行する。即ち、水分がステンレス中の鉄の表面上
に水和して薄い皮膜を形成すると電子(e- )を放出し
((1)式)、一方、塩化水素が水に吸収された場合は
ほぼ完全に電離してプロトン(H+ )を生ずる。そして
このプロトンが先に放出された電子と反応し水素ガスを
生成し((2)式)、一方、電離した塩化物イオン(C
- )は皮膜と反応して塩化第一鉄を不純物として生成
する((3)式)。
【0008】 Fe+nH2 O → Fe2+・nH2 O+2e- … (1) 2e- +2H+ → H2 ↑ …(2) Fe2+・nH2 O+2Cl- →FeCl2 +nH2 0…(3) 本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであ
り、その目的は、ガスボンベ容器の容器弁内に残存する
腐食性ガス及び酸素ガス等を効果的に除去するガスボン
ベ容器弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するため手段】請求項1の発明は、腐食性
ガス用ガスボンベ容器に用いる容器弁において、当該容
器弁のガス流出口の内部空間と接するように、脱酸素剤
を設けたことを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、脱酸素剤は、脱酸素剤成分を、ガス透過度が高くか
つ透湿度が低い材質からなる脱酸素剤包材に充填してな
ることを特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、腐食性ガス用ガスボン
ベ容器に用いる容器弁において、脱酸素剤成分を混練し
た樹脂を、当該容器弁のガス流出口の内部空間と接する
ように設けたことを特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、腐食性ガス用ガスボン
ベ容器に用いる容器弁において、当該容器弁のガス流出
口の内部空間と接するように、脱酸素剤及び乾燥剤を設
けたことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、容器弁内に残存する
腐食性ガス例えば塩化水素ガスや酸素ガスは、例えば鉄
系脱酸素剤からなる脱酸素剤と反応する。即ち塩化水素
ガスは脱酸素剤に含まれる水分に溶解し、ほぼ完全に電
離してプロトンと塩素イオンとして存在し、この塩素イ
オンは脱酸素剤の成分の一つである鉄粉と反応して塩化
第一鉄を生成する。また酸素ガスは脱酸素剤の鉄粉との
反応により水酸化鉄を生成する。従ってこれらのガスは
脱酸素剤との反応により消費されて除去される。
【0014】また請求項2記載の発明は、容器弁内に残
存する塩化水素ガスや酸素ガスはガス透過度の高い脱酸
素剤包材を透過して脱酸素剤成分と反応するため、これ
により除去されると共に、脱酸素剤包材は透湿度が低い
ため、これらのガスと脱酸素剤成分との反応生成物が脱
酸素剤包材から透過して容器弁内に流出することが抑え
られる。
【0015】さらに請求項3記載の発明では、容器弁内
に残存する塩化水素ガスや酸素ガスはガス透過度の高い
樹脂に入り込み、この樹脂に分散する脱酸素剤成分と反
応するため、これにより除去される。また樹脂は透湿度
が低いため、これらのガスと脱酸素剤成分との反応生成
物が樹脂から容器弁内に流出することが抑えられる。
【0016】さらにまた請求項4記載の発明では、容器
弁内に侵入した大気中に含まれる水分を乾燥剤が吸収し
て除去すると共に、容器弁内に残存する塩化水素ガスや
酸素ガスは脱酸素剤により除去される。
【0017】
【実施例】本発明は、脱酸素剤を用いてガスボンベ容器
の容器弁内部に残存する腐食性ガス成分等を除去するも
のである。
【0018】脱酸素剤例えば鉄脱酸素剤は、鉄粉、例え
ば塩化ナトリウムからなる塩化物、水、例えばゼオライ
トからなる保水剤を混合してなる脱酸素剤成分を、脱酸
素剤包材に充填して構成されるが、脱酸素剤としては、
鉄系脱酸素剤以外にもアスコルビン酸系脱酸素剤等に代
表される例えば食品等の防かび用に用いられる脱酸素剤
の他、単に還元性をもつ物質や、活性炭等の吸着性能を
有する物質を用いてもよい。
【0019】また脱酸素剤包材は、ガス透過度が大き
く、かつ透湿度(水分透過度)が小さい材質、即ち酸素
ガスの透過度が100cc/m2 hr−atm/25μ
m以上であり、かつ透湿度が1000g/m2 −24h
r/25μm以下である材質、例えば2軸延伸ポリプロ
ピレン(OPP)等を用いることが好ましい。腐食性ガ
ス例えば塩化水素ガスや酸素ガスを速やかに脱酸素剤包
材内部へ取り入れると共に、後述するこれらのガスと脱
酸素剤成分との反応により生成された、塩酸や水、水酸
化鉄や塩化鉄が脱酸素剤包材から流出することを防ぐた
めである。なお脱酸素剤包材として用いることができる
材質を表1に掲げる。
【0020】
【表1】 このように構成された脱酸素剤は、例えば図1に示すよ
うに、塩化水素ガスを充填したガスボンベ容器の容器弁
のガス流出口付近に設けられる。即ち、図1にガスボン
ベ容器の容器弁部分の断面図を示すが、図中1はガスボ
ンベ容器、2は容器弁である。この容器弁2は、ガス流
出口22を備えた容器弁本体21と、ハンドル31に取
り付けられたケレップ32とから構成され、ガス流出口
22にはアウトレットキャップ23が配設されている。
【0021】ここで容器弁のガス流出口22の内部径は
例えば約15mmに設けられており、脱酸素剤4はガス
流出口22の内部に入る大きさに形成されてガス流出口
22内部に配設される。
【0022】脱酸素剤4は、塩化水素ガスをガスボンベ
容器1に充填した後、アウトレットキャップ23を取り
付ける前にガス流出口22内に配設されるが、このよう
に脱酸素剤4をガス流出口22の内部空間に接するよう
に設けると、ガス流出口22内に残存する塩化水素ガス
あるいは酸素ガスがガス透過性を有する脱酸素剤包材を
透過して脱酸素剤包材内部の脱酸素剤成分と接触する。
【0023】ここで脱酸素剤では、酸素ガスとは以下の
(4)、(5)式に示す反応が進行し、また塩化水素ガ
スとは(6)、(7)、(8)、(9)式に示す反応が
進行する。 Fe+1/2O2 +H2 O → Fe(OH)2 …(4) 2Fe(OH)2 +1/2O2 +H2 O→2Fe(OH)3 …(5) Fe → Fe2++2e- …(6) HCl+H2 O → H3 + +Cl- …(7) Fe2++2Cl- → FeCl2 …(8) 2H3 + +2e- → 2H2 O+H2 …(9) 即ち酸素ガスは、脱酸素剤の鉄粉と反応して、水酸化鉄
(Fe(OH)2 、Fe(OH)3 )を生成する。また
塩化水素ガスは、脱酸素剤に含まれる水分に溶解し、ほ
ぼ完全に電離してプロトン(H+ )(または水と結合し
てH3 + )と塩素イオン(Cl- )として存在し、脱
酸素剤の鉄粉と反応して塩化第一鉄(FeCl2 )を生
成する。
【0024】従って塩化水素ガス及び酸素ガスは脱酸素
剤との反応により消費されるので、例えガス流出口22
内にこれらのガスが残存する場合であっても、脱酸素剤
4により除去することができる。
【0025】ここで脱酸素剤と塩化水素ガス、酸素ガス
との反応により生成した塩化第一鉄や水酸化鉄、水分等
は、脱酸素剤包材は透湿度が低いため、包材から透過し
て外部へ浸出することはなく、従ってこれらにより、容
器弁の内部が腐食されることはない。
【0026】なお容器弁への脱酸素剤の設置方法として
は、上述の方法の他に、以下の方法を採ることも可能で
ある。
【0027】即ち例えば図2(a)に示すように、アウ
トレットキャップ23の内側のガス流出口22の内部空
間に接する面に脱酸素剤4を設け、これを押えるように
ガスケット24を配設してもよい。なおガスケット24
はガス透過性を有する材質、例えば2軸延伸ポリプロピ
レンやポリエチレン等により形成される。
【0028】また図2(b)に示すように、脱酸素剤4
を例えば両面テープ等の接着剤を用いてガスケット24
に取り付け、このガスケット24をアウトレットキャッ
プ23の内側に配設することにより、脱酸素剤4をアウ
トレットキャップ23に設けるようにしてもよい。
【0029】このように構成しても、脱酸素剤4はガス
流出口22の内部空間と接しているため、ガス流出口2
2内部に残存する塩化水素ガスあるいは酸素ガスは、ガ
スケット24や脱酸素剤包材を介して包材の内部へ入り
込み、脱酸素剤と反応することにより除去される。
【0030】次に本発明方法の効果を確認するために行
った実験例について説明する。 〈実験例1〉ポリ塩化ビニリデン(PVDC)コートし
た2軸延伸ポリプロピレン製のガスバリア袋に商品名バ
イタロンPDA(東亜合成(株)製)からなる脱酸素剤
250mlサイズ2個を封入し、当該ガスバリア袋をバ
キュームシーラーにて密閉した後、これに500mlの
無水塩化水素ガスを注射筒にて注入した(試験区)。ま
た対照区として脱酸素剤を封入しない区を設定した。
【0031】これを5日間室温にて放置後、ガスバリア
袋中の塩化水素、酸素並びに水分を分析した。なお分析
方法としては、塩化水素は、JIS−1102塩化水素
の分析法に準じて行い、酸素はガスクロマトグラフ(T
CD)、また水分は結露法により行った。この結果を表
2に示す。
【0032】
【表2】 この結果より、対照区では塩化水素成分は変化しないの
に対し、試験区では塩化水素成分が初期濃度99.9%
から69.8%へ減少していることが認められ、脱酸素
剤を用いて塩化水素ガスを除去できることが確認され
た。なお、両区共初期時に無水塩化水素ガスで満たして
いるので、酸素成分、水分は共に0%であった。 〈実験例2〉商品名バイタロンPDAからなる脱酸素剤
250mlサイズ1個を縦4cm×横5cmの大きさの
2軸延伸ポリプロピレン製の袋に封入しシールしたもの
を、PVDCコートした2軸延伸ポリプロピレン製のガ
スバリア袋に入れ、当該ガスバリア袋をバキュームシー
ラーにて密閉した。このガスバリア袋に250mlの無
水塩化水素ガスと250mlの空気とを注射筒にて注入
した(試験区)。また対照区として脱酸素剤を封入しな
い区を設定した。これを5日間室温にて放置後ガスバリ
ア袋中の塩化水素、酸素並びに水分を〈実験例1〉と同
様の方法にて分析した。この結果を表3に示す。
【0033】
【表3】 この結果により試験区では、塩化水素成分が初期濃度5
2.4%から0.0%へと減少していること、及び酸素
成分が初期濃度9.45%から8.6%へと減少してい
ることが認められ、これにより塩化水素ガス及び酸素ガ
スは2軸延伸ポリプロピレン製の袋を透過して脱酸素剤
と反応し、この反応により消費されて除去されることが
確認された。
【0034】なおPVDCコ−トした2軸延伸ポリプロ
ピレンは、酸素ガスの透過度は16cc/m2 hr−a
tm/25μm以下と低いため、酸素ガスがガスバリア
袋から外部に透過していることはないと考えられ、酸素
ガスの減少率が小さいのは、塩化水素と脱酸素剤の鉄粉
との反応に伴い水素ガスが発生するものの、全体のガス
体積が初期時の2/3程度まで減少してしまうからであ
ると推察される。また塩化水素ガス、酸素ガスと脱酸素
剤との反応生成物である塩化第一鉄や水酸化鉄は、2軸
延伸ポリプロピレン袋の袋より流れ出さないことも確認
された。なお対照区においては、塩化水素成分と酸素成
分は共にほとんど変化しないことが確認された。
【0035】以上のように本実施例では、脱酸素剤成分
を、ガス透過性が大きくかつ透湿度が小さい材質からな
る脱酸素剤包材に充填して脱酸素剤を構成し、これをガ
スボンベ容器の容器弁のガス流出口の内部空間と接触す
るように設け、ガスボンベ容器弁を構成しているので、
塩化水素ガスをガスボンベ容器に充填した際に、容器弁
内に塩化水素ガスや酸素ガスが残存しても、これらのガ
スは脱酸素剤包材を透過して脱酸素剤成分と反応するの
で、この反応により消費され除去される。
【0036】従ってガスボンベ容器の使用時に容器弁内
の塩化水素ガスが周囲に拡散することを防止でき、人体
や周辺環境に対する安全性を高めることができる。また
腐食の原因となる塩化水素ガスを除去してしまうため、
容器弁内部の腐食を防止することができる。
【0037】次に本発明の第2実施例について説明す
る。本実施例は、図3に示すように脱酸素剤成分を分散
させた樹脂を用いてガスケット25を構成し、これをア
ウトレットキャップ23に配設することにより、容器弁
内に残存する塩化水素ガスや酸素ガスを除去するもので
ある。
【0038】即ち、ガスケットの材料としてガス透過度
が高くかつ透湿度の低い樹脂例えば2軸延伸ポリプロピ
レンを用いて、これに脱酸素剤成分を混練し、脱酸素剤
成分を樹脂に分散させた状態で、例えば溶融押出法、カ
レンダ−法等の方法でシ−ト状とし、これを成形してガ
スケット25を構成する。このガスケット25をアウト
レットキャップ23の内側に、容器弁のガス流出口22
内部空間と接触するように取り付ける。
【0039】このように構成すると、容器弁内に残存す
る塩化水素ガス、酸素ガスはガス透過性を有するガスケ
ット内に入り込み、脱酸素剤成分と反応することによ
り、除去される。またガスケットは透湿度が低いため、
反応生成物はガスケットから容器弁内に流出することは
ない。
【0040】従って本実施例においても、上述の第1実
施例と同様に容器弁内に残存した塩化水素ガスや酸素ガ
スを除去できると共に、ガスケット25と脱酸素剤とを
一体に設けたので容器弁の構成部品を少なくすることが
できる。
【0041】なおガスケットはガスボンベ容器に塩化水
素ガスを充填する都度交換することが望ましい。
【0042】次に本発明の第3実施例について説明す
る。本実施例は、脱酸素剤と共に乾燥剤を用いて、ガス
ボンベ容器の容器弁内部に残存する塩化水素ガス等及び
水分を除去するものである。
【0043】乾燥剤成分としては、例えばシリカゲルの
他、硫酸ナトリウム等を用いることができ、これを例え
ばポリエチレンからなる乾燥剤包材に充填することによ
り乾燥剤を構成する。このように構成された乾燥剤は上
述の第1実施例と同様に、容器弁内に設けられる。
【0044】本実施例では、塩化水素ガスをガスボンベ
容器に充填した後、アウトレットキャップを取り付ける
際に容器弁内に大気が侵入しても、大気中に含まれる水
分は乾燥剤に吸収されて除去される。また容器弁内に残
存する塩化水素ガスや酸素ガスは脱酸素剤により除去さ
れる。従って腐食の原因となる水分と塩化水素ガスとを
除去できるので容器弁内部の腐食を防止することができ
る。
【0045】なお脱酸素剤が脱酸素反応を行うためには
水分が必要であるが、脱酸素剤成分は透湿度の低い脱酸
素剤包材に包まれているので、脱酸素剤成分中の水分
は、乾燥剤に吸収されることはない。このため脱酸素剤
と乾燥剤とを併用しても、それぞれの反応を行うことが
できる。また乾燥剤以外に例えば高分子系吸収シ−ト等
からなる吸水剤を使用してもよい。
【0046】なお以上において、本発明は塩化水素ガス
以外に、例えば塩素ガス等の腐食性ガスを充填するガス
ボンベ容器の容器弁に適用できる。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ガスボン
ベ容器に腐食性ガスを充填した後に容器弁内に腐食性ガ
ス等が残存していても、このガスは脱酸素剤と反応し、
この反応により消費されるため、除去することができ
る。
【0048】また請求項2及び3記載の発明によれば、
容器弁内に腐食性ガス等が残存していても、このガスは
ガス透過性を有する脱酸素剤包材や樹脂を透過して、脱
酸素剤成分と反応するため、この反応により除去するこ
とができる。従ってガスボンベ容器の使用時に容器弁内
に残存する腐食性ガスが拡散することにより生じる、人
体や周辺環境への悪影響や腐食性ガスが原因となる容器
弁内部の腐食を抑えることができる。
【0049】さらに請求項4記載の発明によれば、容器
弁内に侵入する大気中に含まれる水分が乾燥剤により除
去されると共に、容器弁内に残存する腐食性ガスが脱酸
素剤により除去されるので、水分や腐食性ガスが原因と
なる容器弁内部の腐食を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスボンベ容器の容器弁の一例を示す
断面図である。
【図2】本発明の容器弁付近の他の例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の容器弁付近のさらに他の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 ガスボンベ容器 2 容器弁 21 容器弁本体 22 ガス流出口 23 アウトレットキャップ 24、25 ガスケット 4 脱酸素剤
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【図1】
【図2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐食性ガス用ガスボンベ容器に用いる容
    器弁において、当該容器弁のガス流出口の内部空間と接
    するように、脱酸素剤を設けたことを特徴とするガスボ
    ンベ容器弁。
  2. 【請求項2】 脱酸素剤は、脱酸素剤成分を、ガス透過
    度が高くかつ透湿度が低い材質からなる脱酸素剤包材に
    充填してなることを特徴とする請求項1記載のガスボン
    ベ容器弁。
  3. 【請求項3】 腐食性ガス用ガスボンベ容器に用いる容
    器弁において、脱酸素剤成分を混練した樹脂を、当該容
    器弁のガス流出口の内部空間と接するように設けたこと
    を特徴とするガスボンベ容器弁。
  4. 【請求項4】 腐食性ガス用ガスボンベ容器に用いる容
    器弁において、当該容器弁のガス流出口の内部空間と接
    するように、脱酸素剤及び乾燥剤を設けたことを特徴と
    するガスボンベ容器弁。
JP34989793A 1993-12-28 1993-12-28 ガスボンベ容器弁 Pending JPH07198097A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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