JPH07193965A - 電力ケーブル接続箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 嵌合部をネジ等で固定する電力ケーブル接続
箱で十分な通電容量を確保させる。 【構成】 一対の保護管１Ａ、１Ｂから成る電力ケーブ
ル接続箱１の接地端子座３が設けられた保護管１Ｂに、
ＣＶケーブル１１Ａ、１１Ｂの遮蔽層１６Ａ、１６Ｂに
接続された接地線２Ａ、２Ｂを接続させる。 【効果】 これにより十分な通電容量を確保することが
できる。また、これに伴いフランジを設ける必要がなく
なるので、電力ケーブル接続箱の縮小化を図ることがで
き、さらにこれに伴い生産コストを大幅に削減すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、電力ケーブル接続箱
に係り、特に遮蔽層を有する電力ケーブルを接続する電
力ケーブル接続箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、高電圧電流を送電する大型電
力ケーブルとして、ＣＶケーブル（架橋ポリエチレン電
力ケーブル）が用いられている。ＣＶケーブルは図２に
示すように導体３２に内部半導電層３３を介して架橋ポ
リエチレンから成る絶縁層３４を被覆し、さらに外部半
導電層３５や遮蔽層３６を介してシース３７で被覆した
ものである。

【０００３】このようなＣＶケーブル３１を接続するた
めに、図３に示すような電力ケーブル接続箱４１が使用
されている。電力ケーブル接続箱４１はマンホール内な
ど電力ケーブルの接続部が冠水する虞がある場所に適す
るもので、おもに銅から成る保護管４１Ａ、４１Ｂによ
り水密構造としたものである。具体的には２本のＣＶケ
ーブル３１Ａ及びＣＶケーブル３１Ｂに、予め保護管４
１Ａ及び保護管４１Ｂをそれぞれ填め込み、このＣＶケ
ーブル３１Ａ、３１Ｂのシース３７Ａ、３７Ｂ、遮蔽層
３６Ａ、３６Ｂ、外部半導電層３５Ａ、３５Ｂ、絶縁層
３４Ａ、３４Ｂ及び内部半導電層３３Ａ、３３Ｂを順
次、段剥ぎしたＣＶケーブル３１Ａ、３１Ｂの導体３２
Ａ、３２Ｂを接続管３８を用いて圧縮接続した後、外部
半導電層３５Ａ、３５Ｂの部分から半導電テープ３９等
を巻着させていく。ＣＶケーブル３１Ａ、３１Ｂの接続
部を半導電テープ３９等で巻着後、ＣＶケーブル３１
Ａ、３１Ｂの遮蔽層３６Ａ、３６Ｂに接地線４２Ａ、４
２Ｂを接続し、保護管４１Ａには接地線４２Ａを、保護
管４１Ｂには接地線４２Ｂをそれぞれ接続する。

【０００４】接地線４２Ａ、４２Ｂが接続された保護管
４１Ａ、４１Ｂは嵌合後、嵌合部をネジ４４で固定し、
さらに防水テープを巻着して防水処理を行う。なお、保
護管４１Ｂには接地端子座４３が設けられており、この
接地端子座４３で外部接地を行っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ＣＶケーブ
ル３１Ａ、３１Ｂの接続においては、接地端子座４３で
外部接地を行っているが、保護管４１Ａ、４１Ｂの嵌合
部を接続後固定するためにネジ４４を使用しているの
で、ネジ止め部の通電容量が非常に小さくなっていた。

【０００６】このような問題点に対して図４に示すよう
なフランジ方式の電力ケーブル接続箱４５が提案され、
使用されている。このフランジ方式の電力ケーブル接続
箱４５は、保護管４５Ａ、４５Ｂの接続箇所にそれぞれ
フランジ部４６Ａ、４６Ｂが設けられているので、通電
容量を十分に確保することができる。しかし、保護管４
５Ａ、４５Ｂの構造上、製品コストが約２倍になる問題
点があった。

【０００７】

【目的】この発明は、このような従来の問題点を解決す
るためになされたもので、嵌合部をネジ等で固定する電
力ケーブル接続箱で十分な通電容量を確保する電力ケー
ブル接続箱を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の電力ケーブル接
続箱は、電力ケーブルを接続する一対の保護管と、一対
の保護管の何れか一方に設けられた接地端子座と、電力
ケーブルの遮蔽層にそれぞれ接続された接地線とを備え
た電力ケーブル接続箱において、各接地線は接地端子座
が設けられた一方の保護管に接続されているものであ
る。

【０００９】

【作用】電力ケーブル接続箱である一対の保護管のう
ち、接地端子座が設けられた保護管に、一対の保護管に
て接続される各電力ケーブルの遮蔽層を接地線を介して
接続することにより十分な通電容量を確保することがで
き、さらにこれに伴い電力ケーブル接続箱の縮小化を図
ることができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の電力ケーブル接続箱の一実施
例について図面を参照して説明する。本発明の電力ケー
ブル接続箱は図１に示すように、ＣＶケーブル（架橋ポ
リエチレン電力ケーブル）１１Ａ、１１Ｂのそれぞれの
導体１２Ａ、１２Ｂ上に設けられた内部半導電層１３
Ａ、１３Ｂ、架橋ポリエチレン（ＸＬＰＥ）等の絶縁層
１４Ａ、１４Ｂ、外部半導電層１５Ａ、１５Ｂ、遮蔽層
１６Ａ、１６Ｂ及びシース１７Ａ、１７Ｂが順次、段剥
ぎされ、その導体１２Ａ、１２Ｂを接続管１８を用いて
圧縮接続し、さらに外部半導電層１５Ａ、１５Ｂの部分
から半導電テープ１９等を巻着させて成る接続部２０が
保護管１Ａ、１Ｂにより覆設されている。

【００１１】保護管１Ａ、１Ｂはマンホール内など電力
ケーブルの接続部が冠水する場所に適するもので、銅管
により水密構造としたものである。また、ＣＶケーブル
１１Ａ、１１Ｂの遮蔽層１６Ａ、１６Ｂを外部接地する
ために、保護管１Ａ、１Ｂに挿入されたＣＶケーブル１
１Ａ、１１Ｂの遮蔽層１６Ａ、１６Ｂと、保護管１Ｂの
内壁とを接地線２Ａ、２Ｂを介して接続する。なお、保
護管１Ｂには接地端子座３が設けられている。

【００１２】このように構成される電力ケーブル接続箱
１の組立ては、２本のＣＶケーブル１１Ａ及びＣＶケー
ブル１１Ｂに、予め保護管１Ａ及び保護管１Ｂをそれぞ
れ填め込んだ後、ＣＶケーブル１１Ａ、１１Ｂのシース
１７Ａ、１７Ｂ、遮蔽層１６Ａ、１６Ｂ、外部半導電層
１５Ａ、１５Ｂ、絶縁層１４Ａ、１４Ｂ及び内部半導電
層１３Ａ、１３Ｂを順次、段剥ぎし、露出された導体１
２Ａ、１２Ｂを接続管１８を用いて圧縮接続し、絶縁層
１４Ａの部分から絶縁層１４Ｂの部分まで半導電テープ
１９等を巻着させていく。

【００１３】ＣＶケーブル１１Ａ、１１Ｂの接続部２０
を半導電テープ１９等で巻着後、ＣＶケーブル１１Ａ、
１１Ｂの遮蔽層１６Ａ、１６Ｂに接地線２Ａ、２Ｂをそ
れぞれ接続し、この接地線２Ａ、２Ｂを保護管１Ｂの内
壁に接続する。保護管１Ｂに接地線２Ａ、２Ｂを接続し
た後、この保護管１Ｂと保護管１Ａとを嵌合し、嵌合部
をネジ４で固定する。この際、嵌合された保護管１Ａ、
１Ｂ内を防水構造にするために、保護管１Ａ、１Ｂ内に
防水混和物を注入し、さらに防水テープを巻着して防水
処理を施す。

【００１４】このように接地端子座３が設けられた保護
管１Ｂの内壁に、ＣＶケーブル１１Ａ、１１Ｂの遮蔽層
１６Ａ、１６Ｂに接続された接地線２Ａ、２Ｂを直接接
続しているので、十分な通電容量を確保することができ
る。

【００１５】

【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明による電力ケーブル接続箱は、電力ケーブルを接続
する一対の保護管と、一対の保護管の何れか一方に設け
られた接地端子座と、電力ケーブルの遮蔽層にそれぞれ
接続された接地線とを備えた電力ケーブル接続箱におい
て、各接地線は接地端子座が設けられた一方の保護管に
接続されているので、十分な通電容量を確保することが
できる。また、十分な通電容量を確保するためにフラン
ジ部を設ける必要がなくなるので、電力ケーブル接続箱
の縮小化を図ることができ、さらにこれに伴い生産コス
トを大幅に削減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電力ケーブル接続箱の一実施例を示す
図。

【図２】電力ケーブルの断面図。

【図３】従来の電力ケーブル接続箱を示す図。

【図４】従来の電力ケーブル接続箱を示す図。

【符号の説明】

１・・・電力ケーブル接続箱 １Ａ、１Ｂ・・・保護管 ２Ａ、２Ｂ・・・接地線 ３・・・接地端子座 ４・・・ネジ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電力ケーブルを接続する一対の保護管と、
   前記一対の保護管の何れか一方に設けられた接地端子座
   と、前記電力ケーブルの遮蔽層にそれぞれ接続された接
   地線とを備えた電力ケーブル接続箱において、前記各接
   地線は前記接地端子座が設けられた一方の前記保護管に
   接続されていることを特徴とする電力ケーブル接続箱。