JPH07193310A - レーザー用調整装置 - Google Patents

レーザー用調整装置

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Publication number
JPH07193310A
JPH07193310A JP33352393A JP33352393A JPH07193310A JP H07193310 A JPH07193310 A JP H07193310A JP 33352393 A JP33352393 A JP 33352393A JP 33352393 A JP33352393 A JP 33352393A JP H07193310 A JPH07193310 A JP H07193310A
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JP
Japan
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phase matching
crystal
optical crystal
input light
refractive index
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JP33352393A
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English (en)
Inventor
Tomoyoshi Abe
知好 阿部
Masayuki Momiuchi
正幸 籾内
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Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型かつ簡単な構造で、レーザー光の光軸に
対する非線形光学結晶の位相整合調整を精度良好に行う
ことのできるレーザー用調整装置を提供することを目的
とする。 【構成】 このレーザー用調整装置は、入力光の光軸1
0に対する位相整合方向X´が存在しかつ入力光の周波
数変換を行うための複屈折性を有する非線形光学結晶1
と、位相整合方向X´と位相整合方向に対して90度未
満の角度を為す結晶軸Zとを含む平面内で非線形光学結
晶1を傾斜可能でかつ平面と直交する平面内での非線形
光学結晶1の傾斜を規制する支持体3とを備え、入力光
に対する非線形光学結晶1の相対位置を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力光としてのレーザ
ー光の光軸に対して、このレーザー光を周波数変換する
非線形光学結晶の位相整合方向を調整するレーザー用調
整装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、非線形光学結晶の非線形分極
を利用して入力光の周波数変換を行うレーザー用調整装
置が知られている。このレーザー用調整装置では、変換
効率の向上を図るために、位相整合条件を満たす必要が
ある。ここで、位相整合条件とは、光混合、光高調波発
生等を行わせるときに、各成分波間で保たれる必要のあ
る位相の条件をいう(出典:光用語事典;発行所:オー
ム社)。
【0003】一軸性又は二軸性の非線形光学結晶中を伝
搬する光には、伝搬速度が光の進行方向によって異なら
ない常光線と、伝搬速度が光の進行方向によって異なる
異常光線とがある。
【0004】ここで、レーザー光を非線形光学結晶に入
力光として入射させ、非線形光学結晶から出力光として
出射させる場合の位相整合条件について考える。この場
合に、入力光は第1周波数を有する常光線、出力光は第
2周波数を有する異常光線とする。
【0005】ここで、位相整合は、入力光の角周波数を
ω11、ω12、周波数変換後の角周波数をω2とし、
入力光に関する非線形光学結晶の屈折率をn11、n1
2、周波数変換後の出力光に関する非線形光学結晶の屈
折率をn2とすると、位相整合方向は下記の二つの式を
満足する方向として知られている。
【0006】 ω11+ω12=ω2 …(1) (n11×ω11)+(n12×ω12)=(n2×ω2) …(2) 上記(1)、(2)式の条件が満足されるように、レー
ザー光の非線形光学結晶に対する入射方向を相対的に調
整すれば、位相整合をとることができる。この位相整合
は、レーザー光に対する非線形光学結晶の角度調整をと
ることにより行う。
【0007】この種の光学系の角度調整機構には、一般
的に図10、図11に示すものが知られている。その図
10において、符号57はハウジングであり、ハウジン
グ57は管状である。このハウジング57の先端にはベ
ース56が取り付けられている。ベース56には支持部
53が一体に設けられ、ベース56と支持部53との間
は円環状のダイヤフラム部54となっている。支持部5
3には環状のフランジ部55が設けられている。その支
持部53に被調整部品としての光学結晶52が取り付け
られる。環状のフランジ部55には図11に示すように
ネジ51が円周方向に設けられ、このネジ51を締付け
又は緩ませて、ダイヤフラム部54を弾性変形させるこ
とにより、光学結晶を3軸方向に調整する(特開昭60
−47486号公報を参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非線形
光学結晶については、その特性に格別の配慮を払わず
に、各結晶軸について光学調整機構を設けているため、
レーザー光の光軸に対する位相整合を図るための調整作
業が煩雑であるという問題点がある。また、この種のレ
ーザー装置では、外部でレーザー光の光軸に対する非線
形光学結晶の位相整合の調整を行った後、非線形光学結
晶の組み込みを行うものも知られているが、その組み込
み後に、レーザー光の光軸に対する位相整合がずれる
と、その位相整合調整を行うことが極めて困難となる。
一方、レーザー光の光軸に対する非線形光学結晶の位相
整合を行わないことにすると、既述したように、変換効
率が低下するという問題点がある。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みて為されたもの
で、その目的とするところは、小型かつ簡単な構造で、
レーザー光の光軸に対する非線形光学結晶の位相整合調
整を精度良好に行うことのできるレーザー用調整装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
るレーザー用調整装置は、上記の課題を解決するため、
入力光の光軸に対する位相整合方向が存在しかつ該入力
光の周波数変換を行うための複屈折性を有する非線形光
学結晶と、前記位相整合方向と該位相整合方向に対して
90度未満の角度を為す結晶軸とを含む平面内で前記非
線形光学結晶を傾斜可能でかつ前記平面と直交する平面
内での前記非線形光学結晶の傾斜を規制する支持体とを
備えている。
【0011】本発明の請求項3に係わるレーザー用調整
装置は、上記の課題を解決するため、入力光の光軸に対
する位相整合方向が存在しかつ該入力光の周波数変換を
行うための複屈折性を有する非線形光学結晶と、位相整
合付近で非線形光学効果の角度依存性の強い向きへの調
整のため、その角度依存性の強い向きへの前記非線形光
学結晶の傾斜が可能でかつ該角度依存性の強い向きと直
交する方向への傾斜を規制する支持体とを備えている。
【0012】
【作用】本発明の請求項1、請求項3に係わるレーザー
用調整装置では、支持体を傾斜させると、位相整合条件
のきびしい方向を含む面内でのみ位相整合調整が行われ
る。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係わるレーザー用調整装置
の実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0014】レーザー光の光軸に対する非線形光学結晶
の位相整合条件を再掲する。
【0015】 ω11+ω12=ω2 …(1) (n11×ω11)+(n12×ω12)=(n2×ω2) …(2) ω11、ω12は入力光の角周波数、ω2は周波数変換
後の出力光の角周波数、n11、n12は入力光に関す
る非線形光学結晶の屈折率、n2は周波数変換後の出力
光に関する非線形光学結晶の屈折率である。
【0016】上記(1)式、(2)式は、入力光の伝搬
速度をv11、v12、出力光の伝搬速度をv2とする
と、 (1/v11)+(1/v12)=(1/v2) …(1)´ (n11/v11)+(n12/v12)=(n2/v2) …(2)´ 特に、角周波数ω11と角周波数ω12とが等しい場
合、出力光の角周波数ω2は、 ω2=2ω11 …(3) この(3)式を使用すると、(2)式は、 n11+n12=2×n2 …(4) (1)、(2)式において、角周波数ω11と角周波数
ω12とが等しくなるように位相整合を行うと、式
(4)から明らかなように第2高調波を発生させること
ができる。
【0017】以下、この第2高調波を発生させるための
非線形光学結晶の調整機構を図1を参照しつつ説明す
る。
【0018】図1は非線形光学結晶の調整機構を組み込
んだ第2高調波発生用の半導体レーザー共振器の断面
図、図2(イ)はその調整機構の斜視図である。図1に
おいて、レーザー共振器は励起源としての半導体レーザ
ー6、集光レンズ7、レーザー媒質2、非線形光学結晶
1、出力鏡5を有する。この実施例では、非線形光学結
晶1はYAGレーザー等において良く利用されるKTP
(KTiPO4)結晶である。非線形光学結晶1は支持
体3に設けられている。
【0019】支持体3は図2(イ)、(ロ)に示すよう
に水平載置部3a、撓み部3b、垂直支持部3c、位置
決め部3eを有する。垂直支持部3cには基準面3c´
が形成されている。この基準面3c´は後述するレーザ
ー光軸10に対して垂直である。垂直支持部3cは貫通
孔3dを有する。垂直支持部3cにはレーザー媒質2が
固定されている。非線形光学結晶1は水平載置部3aに
固定されている。水平載置部3aの下部には、支持体3
に設けたネジ4の先端が当接されている。このネジ4を
回転させることにより撓み部3bの撓み量が調節され
る。この撓み部3bの撓み量により、水平載置部3aの
基準面3c´に対する角度が調整される。
【0020】レーザー媒質2は全反射面2aを有する。
出力鏡5は半透過面5aを有する。半透過面5aは凹面
を構成している。半導体レーザー6から出射された励起
用レーザー光8は集光レンズ7により集光され、貫通孔
3dを通ってレーザー媒質2に導かれて吸収される。レ
ーザー媒質2はその励起用レーザー光8により励起され
る。レーザー媒質2はその励起用レーザー光8により入
力光としてのレーザー光9を発生する。
【0021】非線形光学結晶1は、その非線形光学結晶
1が水平載置部3aに支持されたときに、その非線形光
学結晶1の位相整合方向X´がレーザー光軸10に略一
致するようにして、非線形光学結晶1の結晶ブロックが
切り出される。
【0022】ここで、非線形光学結晶1が1軸結晶であ
る場合を考える。この場合、非線形光学結晶1に入射す
るレーザー光は、伝搬方向によって屈折率が変化しない
常光線と伝搬方向によって屈折率が変化する異常光線と
に分岐する。このとき、入力光である基本波の常光線及
び異常光線に関する屈折率をそれぞれno1、eo1、
出力光である高調波の常光線及び異常光線に関する屈折
率をno2、eo2とした場合の屈折率面を図3に示
す。この屈折率面は、図2に示すように結晶軸をX、
Y、Zで表現する座標系において、光学軸をZ軸と一致
するようにして、紙面内で光学軸と直交する方向にY
軸、紙面に直交する方向をX軸として示されている。
【0023】基本波及び高調波の常光線の屈折率と異常
光線の屈折率とが等しい方向(no1=ne1、no2
=ne2)はそれぞれ結晶の光学軸と呼ばれている。
【0024】この場合、位相整合条件を満足する位相整
合方向には、次の2つの場合が考えられる。
【0025】基本波の常光線に関する屈折率と高調波
の異常光線に関する屈折率とが等しくなる方向にレーザ
ー光を入射させる場合(タイプI)。
【0026】基本波の常光線に関する屈折率及び基本
波の異常光線に関する屈折率の平均屈折率と、高調波の
異常光線に関する屈折率とが等しくなる方向にレーザー
光を入射させる場合(タイプII)。
【0027】タイプIの位相整合方向を示す光学軸Zと
為す位相整合角はθmである。
【0028】常光線no1、no2はいずれも球面波で
あり、異常光線ne1、ne2はZ軸方向を長径、Y軸
方向を短軸とする回転楕円体で表わされる。その位相整
合角θmは、常光線の基本波の屈折率を表わす球面(図
3においては符号no1で示す円)と異常光線の基本波
(図3においては符号ne2で示す楕円)の回転楕円体
との交点Foによって決定される。
【0029】ここで、光学軸とこの光学軸に直交する方
向での調整について考察する。
【0030】光学軸Z回りの調整では位相整合条件はく
ずれない。というのは、光学軸Zを中心に非線形光学結
晶を回転させたとしても必ずその回転方向に位相整合方
向が存在するからである。すなわち、位相整合方向は、
回転楕円体と球面との交線によって定まり、その交線が
光学軸Zを中心とする円cirを描くからである。
【0031】また、光学軸Y回りの調整では、基本波の
常光線の屈折率と高調波の異常光線の屈折率との差は±
90度回転させたときに初めて最大となる。
【0032】これに対して、光学軸Zと位相整合方向と
を含む面内での調整、すなわち、光学軸X回りの調整の
場合(図3では紙面に垂直な方向がX軸となってい
る。)、光学軸Zと位相整合方向とが為す角度θmは9
0度未満であり、ここでは、角度θmの回転によって屈
折率差が最大となるので、この光学軸X回りの調整の場
合、残余の光学軸Z、Y回りの調整に較べて精密な調整
を要求される。何故なら、例えば、光学軸Z上におい
て、点F1は基本波の常光線の屈折率を示し、点F2は
基本波の異常光線の屈折率を示し、結晶軸Zにおいて屈
折率の差(F1−F2)が最大となるからである。
【0033】次に、一軸性結晶である「KDP(KH2
PO4)」の場合、ルビーパルスレーザー(λ=0.6
94μm)に関する位相整合角度θmは51度である。
従って、光学軸X回りの回転では、90度未満の角度で
ある位相整合角度θmを変化させることにより、基本波
の常光線の屈折率と高調波の異常光線の屈折率との差が
最大となる。すなわち、光学軸X回りの調整の場合、残
余の2軸Z、Y回りの調整に較べて精密な調整が必要で
あることが理解される。
【0034】次に、2軸性結晶の場合について説明す
る。
【0035】2軸性結晶の場合、2つの光学軸方向以外
の方向に関しては、異なる伝搬速度の2つの波面として
伝搬する。結晶の2つの主軸(光学軸)によって形成さ
れる面内では、進行方向によらず屈折率が等しい常光線
と進行方向によって屈折率が異なる異常光線として伝搬
する。2つの光学軸によって形成される面以外に進む光
線は進行方向によって屈折率が異なる異常光線として振
舞う。
【0036】従って、2軸結晶の場合に、位相整合条件
を満足する位相整合方向は、以下に説明する2通りの場
合がある。
【0037】基本波の一の波面に対する屈折率と、こ
の基本波の一の波面の振動方向と直交する方向に振動す
る高調波の波面に対する屈折率とが等しくなる方向にレ
ーザー光を入射する場合(タイプI)。
【0038】基本波の互いに直交する波面に対するそ
れぞれの屈折率の平均屈折率と、高調波のいずれか一方
の波面に対する屈折率とが等しくなる方向にレーザー光
を入射する場合(タイプII)。
【0039】一般の2軸性結晶における屈折率楕円体を
図4に示す。この屈折率楕円体は、各結晶軸X,Y,Z
での屈折率をそれぞれ、n1,n2,n3(n1<n2
3)とする。任意の方向Kに進行する平面波は、直交
する平面が屈折率楕円体を切断する切断面(楕円)に平
行に振動する2つの平面偏光として考えられる。その切
断面の長軸と短軸の長さは、それぞれの軸と平行に振動
する波面に対する屈折率を表わしている。
【0040】2軸結晶における、基本波に対する屈折率
楕円体の断面を実線として、高調波に対する屈折率楕円
体の断面を点線として、XZ平面の断面を図5(a),
YZ平面の断面を図5(b),XY平面の断面を図5
(c)に示す。さらに、タイプI、タイプIIの2つの
位相整合の関係が図5に矢印で示されている。その図5
において、添え字「I」はタイプIを示し、添え字「I
I」はタイプIIを示している。
【0041】また、法線速度との関係を図6に示す。
【0042】ここでは、基本波の波面の法線速度を実線
として、高調波の波面の法線速度を点線として、タイプ
Iの位相整合方向を点線矢印で、タイプIIの位相整合
方向を一点鎖線矢印として示す。なお、図6において、
タイプIIの位相整合条件を説明するため、結晶軸XY
Zで形成される各面での基本波が複屈折性によって分離
された2つの波面に対する法線速度の平均軌跡が部分的
に一点鎖線で示されている。
【0043】さらに、図7において、2軸結晶であるK
TP結晶に場合で、λ=1.064μmのNd:YAG
レーザの高調波に対するタイプI、タイプIIの位相整
合方向(結晶軸X、結晶軸Zからの傾斜角度をそれぞれ
φ,θとする)実線として、そのときの実効的非線形光
学定数が点線で示されている。
【0044】この場合、タイプIIの方がタイプIに比
べて非線形光学定数の値が約10倍程大きくなり、かつ
非線形光学定数が最大となる位相整合方向(結晶軸Xと
位相整合方向との位相整合角φは24°、結晶軸Zと位
相整合方向との位相整合角θは約90°)を採用するこ
とが実用的である。
【0045】この2軸性結晶では、位相整合方向と結晶
軸X又は結晶軸Yとのなす角度が90°未満であるた
め、位相整合方向を含む面内(Z軸回りの回転)の位相
整合角度方向の調整は、これと直交する方向での調整よ
りもより高い精度が要求される。
【0046】これを非線形光学効果の角度依存性の観点
から考察する。
【0047】図8、図9は、KTP結晶の基本波106
4nmに対する第二高調波532nmの角度依存性を示
し、それぞれφ=24°、θ=90°からのずれによる
出力変化を表わしている。また、偏光方向に関するKT
P結晶のφ方向のずれによる出力変化は、図7に準じる
特性を示す。これからφ方向の角度依存性は、θ,φ方
向に比べて感度が4倍程度高いことが分かる。
【0048】従って、具体的にKTP結晶に関していえ
ば、レーザ光の入射方向がZ軸を中心とした回転方向
(結晶軸Zに垂直な面内での回転)であって、特にX軸
に近付く方向にわずかにずれても位相整合条件が崩れる
こととなる。この方向では、結晶の切り出し精度及び支
持部3への載置精度に依存しただけでは、十分に位相整
合の取れる±0.5°の範囲に収まらないので、Z軸を
中心とした回転方向には少なくとも感度0.5°以下の
精密調整機構が必要である。
【0049】その反面、他の2方向(X軸,Y軸方向)
については調整機構を設けなくとも、結晶の切り出し精
度及び支持体3への載置精度に依存すれば、レーザ光軸
10(レーザ光の入射方向)は、位相整合方向に対して
十分に位相整合の取れる約±2°の範囲に収めることが
可能である。
【0050】図2(ロ)では、支持体3は薄板状の撓み
部3bを介して一体の水平載置部3aを既述したように
有する。この撓み部3bは、調整ねじ4の回動によって
塑性もしくは弾性変形し、水平載置部3aはこれにより
D−D´軸(結晶軸Z)を回転軸として傾斜される。ま
た、この回転軸に直交する方向に関しての回転は規制さ
れる。水平載置部3aには、非線形光学結晶1がその光
学軸及び位相整合方向を含む面がその傾斜方向と一致す
るように載置される。
【0051】従って、調整ねじ4の調整によって、D−
D´軸(結晶軸Z)を回転軸として非線形光学結晶1を
光学軸とその位相整合方向を含む面内で傾斜させること
ができ、結晶軸Z回りに要求される位相整合方向に対
し、±0.5°以内に収める微調整が可能となる。
【0052】以上実施例について説明したが、本発明は
KTP結晶に限らず、調整感度の値は違っても、全ての
非線形光学結晶に適用できる。
【0053】また、レーザ光軸10に対する非線形光学
結晶1のθ方向とφ方向の傾きが、整合の有効な範囲で
限定されてさえいれば、支持体3はレーザ媒質の垂直支
持部3cと非線形光学結晶の水平載置部3aとの間の面
E−E´で分割されていても構わない。
【0054】また、レーザー媒質2の励起は側面励起で
も良く、励起光源は半導体レーザーに限らず例えばラン
プでも良く、レーザ媒質も固体に限らず、気体、液体の
いずれでもよい。さらに、支持体をレーザ共振器の外部
に設けてもよい。また、支持体3を、非線形光学結晶の
水平支持部3aと、レーザー媒質の垂直支持部3cとの
別部品から構成し、塑性変形又は弾性変形する撓み部3
bにより連結する構成とすることも可能である。
【0055】以上実施例では、入力光が単一波長と仮定
して説明を行ったが、波長が異なる複数の光束を入力光
とする場合、すなわち和周波発振、差周波発振等の場合
にも本発明を適用することができる。
【0056】この場合、信号波の角周波数をω11と、ポ
ンプ波の角周波数をω12、出力波の各周波数をω2
し、それぞれの光に対する屈折率をn11,n12,n2
して、(1)(2)式を満足すれば位相整合条件が満足
される。
【0057】 ω11 + ω12 =ω2 …(1) (n11×ω11)+(n12×ω12)=(n2×ω2) …(2)
【0058】
【効果】本発明は、以上説明したように構成したので、
非線形光学結晶の調整に関し、2軸以上の調整機構を持
つものや組み込み型のものに比べて、調整が簡単で、小
形であり、経時変化が少なく、しかも、位相整合を精度
良好に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる非線形光学結晶の調整機構を
組み込んだ第2高調波発生用の半導体レーザー共振器の
一例を示す断面図である。
【図2】 図1に示す非線形光学結晶の調整機構のみを
示す斜視図である。
【図3】 一軸性非線形光学結晶の常光線と異常光線と
に対する屈折率を表わす図である。
【図4】 二軸性結晶の屈折率楕円体を示す図である。
【図5】 二軸性結晶の基本波に対する屈折率楕円体の
断面を実線として、高調波に対する屈折率楕円体の断面
を点線として示す図であって、XZ平面の断面を図5
(a),YZ平面の断面を図5(b),XY平面の断面
を図5(c)に示す。
【図6】 二軸性非線形光学結晶の基本波と高調波のそ
れぞれ互いに直交方向に振動する波面の法線速度面を示
す図である。
【図7】 λ=1.064μmのNd:YAGレーザー
を二軸性結晶であるKTP結晶に入射させた場合のタイ
プI、タイプIIの位相整合方向及びその際の実効非線
形光学定数を示す図である。
【図8】 KTP結晶の基本波1064nmに対する第
二高調波532nmの位相整合方向と光学軸を含む面内
での位相整合方向(φ=24°)のSHG強度の角度依
存性を示す図である。
【図9】 KTP結晶の基本波1064nmに対する第
二高調波532nmの位相整合方向と光学軸を含む面に
直交する面内の位相整合方向(θ=90°)のSHG強
度の角度依存性を示す図である。
【図10】 従来技術の一例を示す断面図である。
【図11】 図10の支持部を矢印方向から目視した正
面図である。
【符号の説明】
1…非線形光学結晶 2…レーザ媒質 2a…全反射鏡 3…支持体 3a…水平載置部 3b…撓み部 3c…垂直支持部 4…調整ねじ 5…出力鏡 6…半導体レーザー 7…レンズ 8…励起光 9…レーザービームの軌跡 10…レーザー光軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力光の光軸に対する位相整合方向が存
    在しかつ該入力光の周波数変換を行うための複屈折性を
    有する非線形光学結晶と、前記位相整合方向と該位相整
    合方向に対して90度未満の角度を為す結晶軸とを含む
    平面内で前記非線形光学結晶を傾斜可能でかつ前記平面
    と直交する平面内での前記非線形光学結晶の傾斜を規制
    する支持体とを備え、前記入力光に対する前記非線形光
    学結晶の相対位置を調整するレーザー用調整装置。
  2. 【請求項2】 前記位相整合方向は、前記入力光の一の
    波面に対する屈折率と、該入力光が周波数変換された出
    力光であってかつ該入力光の一の波面の振動方向に対し
    て直交する振動方向の出力光の波面に対する屈折率とが
    一致する方向であるか、又は振動方向が互いに異なる二
    種以上の入力光の各屈折率の平均屈折率と、周波数変換
    された出力光の屈折率とが一致する方向であることを特
    徴とする請求項1に記載のレーザー用調整装置。
  3. 【請求項3】 入力光の光軸に対する位相整合方向が存
    在しかつ該入力光の周波数変換を行うための複屈折性を
    有する非線形光学結晶と、位相整合付近で非線形光学効
    果の角度依存性の強い向きへの調整のため、その角度依
    存性の強い向きへの前記非線形光学結晶の傾斜が可能で
    かつ該角度依存性の強い向きと直交する方向への傾斜を
    規制する支持体とを備え、前記入力光に対する前記非線
    形光学結晶の相対位置を調整するレーザー用調整装置。
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