JPH0719276Y2 - 円錐形手巻きずし用包装材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、保管時にはごはんとのりが隔離されており、
食する時にのりをごはんの周りに容易に巻くことができ
る円錐形手巻きずし用包装材に関する。

［従来の技術及び問題点］ 昨今スーパーマーケツト等で、保管時にはごはんとのり
がプラスチツク製のフイルムによつて互いに接触しない
ようになつており、食する際にフイルムを取去ってのり
をごはんの周りに巻くようにした円錐形の手巻きずしが
販売されている。のりとごはんが接触する状態で保管す
るとのりが湿って味が劣下するので、これを防止するた
めにのりとごはんを隔離するものであるが、食する時に
は隔離フイルムをなるべく簡単に取り除き得るようにす
ることが望ましい。しかしながら、従来の円錐形手巻き
ずしでは隔離フイルムの取り除きは必ずしも容易ではな
かつた。

本考案は、従来のものの欠点を解消し、食する時には隔
離フイルムをごはんとのりの間から容易に引出すことが
できる円錐形手巻きずし用包装材を提供することを目的
とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の円錐形手巻きずし用包装材は、横長の矩形状の
長さ方向のほぼ中央の位置に幅方向に延びるカツトテー
プが設けられた外側フイルムと、外側フイルムの上縁の
ほぼ左（又は右）半分及び左（又は右）側縁にわたつて
外側フイルムにシールされ且つカツトテープの位置を越
えて外側フイルムの右（又は左）半分上に延びる自由端
を有する第１の内側フイルムと、外側フイルムの上縁の
右（又は左）端から僅かな距離及び右（又は左）側縁に
わたつてシールされ且つ第１の内側フイルムの前記自由
端と重なる自由端を有する第２の内側フイルムと、外側
フイルムの上縁の右（又は左）半分の上方及び右（又は
左）側縁の右（又は左）方向に延出しているカバーフイ
ルムとからなり、外側フイルムと第１及び第２の内側フ
イルムの間にのりを配置したことを特徴とする。

［実施例、作用］ 以下、本考案の一つの具体例を図面を参照して詳しく説
明する。

第１図及び第２図を参照すると、横幅矩形状の外側フイ
ルム１の長さ方向のほぼ中央の位置に幅方向に延びるカ
ツトテープ６が設けられている。第１の内側フイルム２
は、外側フイルム１の上縁の左端からツトテープ６の少
し手前まで及び外側フイルムの左側縁にわたつてシール
されており、そしてカツトテープの位置を越えて外側フ
イルム１の右半分上に延びる自由端２′を有する。この
具体例で自由端２′は外側フイルムの右半分の約3/5の
長さまで延びている。外側フイルムと第１の内側フイル
ムの下縁は相互にシールされていない。第２の内側フイ
ルム３は、外側フイルム１の上縁の右端から僅かな距離
（図示の例では右端から上側フイルムの長さの約1/5ま
での距離）及び右側縁にわたつて外側フイルムにシール
されており、そして第１の内側フイルムの自由端２′と
重なる自由端３′を有する。図示の例では第２の内側フ
イルムの自由端３′の長さは第１の内側フイルムの自由
端２′の長さの約半分になつている。外側フイルムと第
２の内側フイルムの下縁は相互にシールされていない。
カバーフイルム４は、外側フイルムの上縁の右半分の上
方及び外側フイルムの右側縁の右方向に延出している。
カバーフイルム４は、外側フイルムと一体であつてもよ
く、外側フイルムの右半分の全面にわたつて接着して設
けてもよく、又は外側フイルムの上半分の上縁及び右側
縁において接着するようにしてもよい。のり５は外側フ
イルム１と第１及び第２の内側フイルム２、３との間
に、それらのシールされていない下縁から挿入され、か
くして円錐形手巻きずし用包装材Ａが出来上る。

外側フイルム１及び第１及び第２の内側フイルム２及び
３はのりに対して滑りのよい材質であることが必要であ
る。好ましくは外側フイルムはポリプロピレン製であ
り、そして内側フイルムはポリエチレン製である。カバ
ーフイルム４は外側フイルム１と同様の材料でよい。

外側フイルム１はカツトテープ６を切り開くことによつ
て左右に分離することができる。第１の内側フイルム２
は外側フイルムの左半分にシールされており、また第２
の内側フイルム３は外側フイルムの右半分にシールされ
ているので、外側フイルム１を分離すると２枚の内側フ
イルム２及び３も同時に左右に分離する。

第３図に示すように、包装材Ａの右半分の内側フイルム
の上にごはん７を置き、更にその上にすし用の具８を置
く。しかる後、包装材の右半分即ちごはんがのせられた
部分を、第４図に示すように、カバーフイルム４と共に
対角線を境にし、ごはん及び具が内側になるように折り
曲げる。しかる後包装材Ａの左半分を折り曲げて前に折
り曲げた部分の外側に重ねる。その際包装材Ａの左半分
の下辺は、第５図に示すように、外側フイルムのカツト
テープ６の近くまで達し、カツトテープとほぼ平行に位
置するようになる。この下辺をラベル９を用いて外側フ
イルムの外側面に固定する。図示の例ではラベル９はカ
ツトテープ６をまたいで貼着されている。一方は折り返
しによつて二重に重なったカバーフイルムは、その上方
部分が細くなるようにして丸め、接着テープ11を用いて
丸めた部分が広がらないように固定する。

このようにして、第５図に示すような、ほぼ円錐形の手
巻きずし包装体Ｂが完成する。ごはんとのりは内側フイ
ルムによつて相互に隔離されており、またごはん及び具
の露出部分はカバーフイルム４によつて保護されてい
る。包装体Ｂはこの状態で輸送、保管され且つ展示、販
売される。

これを食する時は、先ずカツトテープ６を切開くと、カ
ツトテープをまたいで貼着されていたラベル９も切り裂
かれる。外側フイルム１はカツトテープの位置で２分さ
れる。またラベル９によつて同定されていた包装材の左
側部分は巻き戻される。この巻き戻された部分を側方に
引張ると、外側フイルムの左半分及び一方の内側フイル
ム２はのりを残して取除かれる。次にカバーフイルム４
の部分をつかんで側方又は斜め上方に引張ると、外側フ
イルムの右半分及び他方の内側フイルム３はのりを残し
て引出される。このように外側フイルム及び内側フイル
ムを引出す際には、外側フイルム及び内側フイルムは滑
りの良い材質からなつており、しかも内側フイルム２及
び３の自由端部が相互に重なっているために、フイルム
の引出し作業が円滑に行なわれる。外側フイルム及び内
側フイルムを取除いた後露出したのりをごはんに巻つけ
て手巻ずしが出来上る。

以上のように本考案を説明するに当って、左側、右側と
いう用語を使用したが、これらは図面を参照して説明す
るために便宜上使用したものである。以上の説明におい
て左及び右を全く逆にしても何ら差支えないことはいう
までもない。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案の円錐形手巻きずし用包装材
では、外側フイルムは長さ方向のほぼ中央の位置に幅方
向に延びるカツトテープを有しており、内側フイルムは
外側フイルムの左半分及び右半分に夫々同定された２枚
のフイルムからなつており、そして２枚の内側フイルム
は夫々外側フイルムの右半分の位置で相互に重なる自由
端を有している。このために、本考案の包装材を使用し
た円錐形手巻ずし包装体からフイルムを取除く際には、
上記カツトテープの切り開きにより外側及び内側フイル
ムを容易に２分することができ、そして２分したフイル
ムを適当に引張ることによつて、フイルムの取外しが非
常に容易に且つ円滑に行なわれる。従つて従来のものに
比べて、包装体を開いて円錐形手巻ずしを食する迄の操
作を非常に簡単且つ確実に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の円錐形手巻きずし用包装材の一例を示
す正面図であり、 第２図は第１図のII−II線で切った断面図であり、 第３図は本考案の包装材を用いて円錐形手巻きずし包装
体を作る際の途中の過程を示す断面図であり、 第４図は本考案の包装材を用いて円錐形手巻きずし包装
体を作る際の更に別の過程を示す正面図であり、 第５図は本考案の包装材を使用した円錐形手巻きずし包
装体の一連を示す斜視図である。 1:外側フイルム、2:第１の内側フイルム、3:第２の内側
フイルム、4:カバーフイルム、5:のり、6:カツトテー
プ、7:ごはん、8:手巻きずしの具、9:ラベル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】横長の矩形状の長さ方向のほぼ中央の位置
   に幅方向に延びるカツトテープが設けられた外側フイル
   ムと、外側フイルムの上縁のほぼ左（又は右）半分及び
   左（又は右）側縁にわたつて外側フイルムにシールされ
   且つカツトテープの位置を越えて外側フイルムの右（又
   は左）半分上に延びる自由端を有する第１の内側フイル
   ムと、外側フイルムの上縁の右（又は左）端から僅かな
   距離及び右（又は左）側縁にわたつてシールされ且つ第
   １の内側フイルムの前記自由端と重なる自由端を有する
   第２の内側フイルムと、外側フイルムの上縁の右（又は
   左）半分の上方及び右（又は左）側縁の右（又は左）方
   向に延出しているカバーフイルムとからなり、外側フイ
   ルムと第１及び第２の内側フイルムの間にのりを配置し
   たことを特徴とする円錐形手巻きずし用包装材。