JPH07191200A - X線顕微装置および方法 - Google Patents

X線顕微装置および方法

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JPH07191200A
JPH07191200A JP33050593A JP33050593A JPH07191200A JP H07191200 A JPH07191200 A JP H07191200A JP 33050593 A JP33050593 A JP 33050593A JP 33050593 A JP33050593 A JP 33050593A JP H07191200 A JPH07191200 A JP H07191200A
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ray
detector
rays
particles
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JP33050593A
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Takeshi Ninomiya
健 二宮
Masaki Hasegawa
正樹 長谷川
Kenichi Yamamoto
健一 山本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体、ストレージ、生物分野における局所
化学状態分析が可能な簡便かつ高空間分解能のX線顕微
装置および方法を提供する。 【構成】 キャピラリー7の開口部外周に薄膜より形成
された検出器4を隣接して配置する。 【効果】 X線マイクロビームの形成が容易であり、か
つ検出器を試料に近づけることができるので、大きな光
電子信号強度を得ることが可能となる。この結果、試料
表面の化学状態を短時間かつ高空間分解能で分析、観測
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面計測技術に係り、特
に、簡便かつ高空間分解能のX線顕微方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】X線マイクロビーム(hν<2keV)
を用いたX線分析方法の研究開発が精力的に行なわれて
いる。特に、X線マイクロビーム照射により試料面から
放出される光電子や蛍光X線を検出する走査型X線顕微
鏡は、試料表面の局所化学状態(元素種、原子結合状
態、組成比等)分析に最適である。このため、半導体や
ストレージ分野における局所材料分析や不良解析はもと
より、細胞表面の化学状態分析等生物分野においても、
X線顕微鏡が不可欠な分析技術になりつつある。
【0003】半導体素子や磁気記録ビットの寸法を考慮
すると、半導体、ストレージ分野において必要な分析、
観察の空間分解能は1μm以下である。さらに、これら
分野では、素子や記録ビットの最小寸法が0.1μmに
近づきつつあり、数年後には0.1μm以下の空間分解
能を持つX線顕微鏡が必要になる。また、生物分野にお
いても、細胞表面の微細構造を観察するためには、0.
1μm以下の空間分解能が必要である。
【0004】走査型X線顕微鏡の空間分解能は、X線マ
イクロビームのビーム径により決定される。従来、X線
顕微鏡におけるX線マイクロビーム形成では、ゾーンプ
レートや全反射鏡、多層膜反射鏡等の結像型X線光学素
子が用いられていた。これら光学素子を用いたマイクロ
ビーム形成に関しては、たとえば、青木貞雄、応用物理
第56巻、第3号、342〜351頁に詳しく記載され
ている。
【0005】また、X線マイクロビームを試料に照射し
て反射X線を観測する歪解析装置では、ガラスファイバ
ーを溶融して引き延ばしたキャピラリー(X線導管)が
用いられていた。歪解析装置やキャピラリーを用いたマ
イクロビーム形成に関しては、たとえば、山本直樹ら、
ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジ
クス第27巻、第11号、L2203〜L2206頁に
詳しく説明されている。
【0006】この方法には、結像型X線光学素子に比べ
て、X線マイクロビーム形成が比較的容易であるという
利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】先に述べたように、半
導体やストレージ、生物分野からの要求に応えるために
は、0.1μm以下の空間分解能を有するX線顕微鏡が
必要である。しかし、現状では、走査型X線顕微鏡の空
間分解能は数μm〜サブμmに留まっており、これら分
野からの分析要求に十分に応えるには至っていない。
【0008】従来技術で述べた光学素子を形成するため
には、数値制御機械加工技術や研磨技術等の高度な機械
加工技術が必要であるため、製作技術の開発に多くの費
用と時間を投入しなければなず、マイクロビーム形成が
難しいという問題点があった。
【0009】また、X線マイクロビーム照射により発生
する粒子(光電子や蛍光X線等)を効率良く検出するに
は、検出器を試料に近づけることが必要である。しか
し、従来のX線顕微装置や歪解析装置では、検出器が大
きいため、X線導管と試料の空間に検出器を配置できな
かった。このため、粒子から得られる信号強度が小さ
く、高分解能の分析、観察ができないという問題点もあ
った。
【0010】また従来のX線顕微装置では、検出器と試
料面の距離の制御に関しても注意が払われていなかった
ので、検出器と試料面との距離を制度よく保持できなか
ったので、試料面上のマッピングが高分解能で行なえな
かったという問題点があった。 さらに従来のX線顕微
装置では、X線照射部材が試料面から離れて設置されて
おり、X線を試料に照射するときに強度減衰が起こり、
試料から発生する粒子の強度が弱くなる。また試料面上
にX線をスポット照射しているため、試料面の走査を1
箇所ずつしか行なえないので、分析に多くの時間がかか
るとともに広範囲での走査ができなかったという問題点
もあった。
【0011】本発明の目的は、X線マイクロビームを容
易に形成でき、X線照射により発生する光電子や蛍光X
線の検出を高効率で行いかつ信号強度の大きな走査型X
線顕微装置および方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点は、X線源
と、光学的開口部を有する部材と、検出器からなるX線
顕微装置において、検出器が薄膜により形成され、検出
器を開口部外周に隣接して配置することにより解決され
る。
【0013】また上記問題点は、検出電極と試料に独立
に電圧を印加する手段を設けること、および開口部の先
端に探針を形成することにより解決される。
【0014】上記問題点はさらに、部材に長方形の開口
部を形成し、開口部を形成した部材上に複数枚の検出電
極を形成することにより解決される。
【0015】
【作用】光学的開口部を有する部材より、X線を試料面
上の微小領域にスポット照射する。光学的開口部を有す
る部材としては、たとえば、ピンホールやキャピラリー
等でよい。
【0016】X線マイクロビームの照射により、たとえ
ば、試料面から光電子が発生する。マイクロビーム化に
より試料面への入射X線量が低下するため、光電子の発
生量は小さい。このため、従来のように検出器が試料面
から離れていると、光電子が検出器に検出される前に減
速してしまうため、光電子の収集効率が小さくなり、光
電子を効率良く検出できない。そこで、本発明では、こ
の問題点を解消するため、光学的開口(キャピラリー)
を保持する基板に検出器を形成している。光電子の発生
点と検出器が極めて接近して配置されているため、X線
マイクロビーム照射により発生した光電子を従来法に比
べ1桁以上高い効率で収集できる。また、この検出器に
外部から電圧を供給することにより、光電子の収集効率
をさらに向上させ、所望の運動エネルギーを持つ光電子
のみを検出することも可能である。
【0017】また、開口部の先端に検出器としてSTM
の探針を形成し、探針を検出器とすることにより、さら
に検出器を試料に近づけることが可能となるため、光電
子の収集効率を向上させるとともに、検出器と試料面と
の距離を制度よく保持できるので、試料面上のマッピン
グを高分解能で行なうことができる。
【0018】また、開口部の形状を長方形とし、開口部
が形成された部材に複数枚の検出電極を形成し、粒子の
発生点に最も近い検出器の出力を大きくすることによ
り、粒子の収集効率が向上し、試料面上を広範囲での走
査が可能となる。
【0019】上記光学的開口部は中空であった。しか
し、X線マイクロビームを形成するためには、(実施例
の項で説明するように)かならずしも中空の光学的開口
を用いる必要はない。さらに、本発明で用いる光学的開
口の大きさや形状に関しては、任意に選択できるものと
する(キャピラリーを例にとれば、ガラスファイバを溶
融して引き延ばしたキャピラリーを用いてもよい)。本
発明の本質は、X線マイクロビームを形成するための光
学的開口部と検出器とを同一の基板に形成することによ
り、X線マイクロビームの形成と光電子の高効率検出、
およびS/N比を向上させることを同時に実現すること
にある。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用いて具体的に
説明する。
【0021】<実施例1>光学的開口の一例としてキャ
ピラリーを例にとり、その製作の一例を図2に示した。
まず、基板1上に円錐状の突起2を形成する(a)。突
起2の形成には、選択成長のファセットグロースやデポ
ジション(CVD)技術、ドライエッチング技術等の既
存の半導体プロセス技術、あるいは走査型トンネル顕微
鏡(STM)等を用いた原子操作技術を用いればよい。
次に、基板1および突起2全体に絶縁膜3と金属膜3’
を蒸着する(b)。蒸着膜厚は各々10nm以上あれば
十分である。金属膜3’は検出器として作用する。次
に、円錐の頂点部分のみ絶縁膜3と金属膜3’を取り除
く(c)。除去の方法としては、たとえば、細く収束さ
せたイオン線によるスパッタリング、電子線やイオン線
を用いたアシストエッチング、あるいは単なる機械的な
研磨を用いればよい。引き続いて、レジスト5を塗布し
てパターニングを行い(d)、ドライエッチングにより
キャピラリー部分のみエッチングすると、内側が中空か
つ先端に微小孔6を持つキャピラリー7が形成される
(e)。このような製造方法を用いることにより、従来
のような高度な機械加工技術を用いることなく、キャピ
ラリーを容易に形成することができる。
【0022】また、微小孔直径の制御に関しては、先に
述べた加工技術を用いることにより容易に制御でき、
0.1μm以下の直径を持つ微小孔の製作も容易であ
る。微小孔6から、X線が試料面にスポット照射され
る。
【0023】試料面上のスポット径は微小孔6の直径
と、キャピラリー7の先端と試料面との距離により決定
される。換言すれば、試料面上で所望のスポット径が得
られるように、微小孔6の直径、およびキャピラリー7
の先端と試料面との距離を調節する。微小孔6の直径が
0.01μmオーダあるいはそれ以下になり、分析、観
測に使用するX線波長と同程度になると、X線の回折効
果により、微小孔6出射後のX線マイクロビームのビー
ム拡がりが大きくなる。このことは、キャピラリー7の
先端が試料面から離れ過ぎると照射X線のスポット径が
大きくなり、分析の空間分解能が低下することを意味す
る。このような場合には、キャピラリー7の先端と試料
面との距離が微小孔6の直径以下になるように、キャピ
ラリー7の先端を試料面に接近して配置すればよい。こ
のように、微小孔6を有するキャピラリーを用いること
により、試料面の微小領域にX線マイクロビームを容易
に照射できる。
【0024】<実施例2>実施例1ではキャピラリーの
製作方法を示したが、キャピラリーのかわりに、ピンホ
ールを用いてもX線マイクロビームを生成できる。ピン
ホールは、実施例1のキャピラリー製作方法と同様の方
法で形成することができる。この場合、突起2を形成せ
ず、絶縁膜3、金属膜3’を蒸着した後、レジスト5を
塗布してドライエッチングでピンホールを形成すればよ
い。
【0025】ピンホールを用いることによっても実施例
1と同様の効果を得ることができる。
【0026】<実施例3>図1に光学的開口としてキャ
ピラリーを用いる実施例を示した。X線8がキャピラリ
ー7に入射する。キャピラリー7の構造は図2(e)と
同じである。X線8はキャピラリー7の先端に設けられ
た微小孔6を通過して、試料10の表面上にスポット照
射される。試料10表面上のX線スポット径は、微小孔
6の直径および微小孔6と試料10表面との距離により
決定される。微小孔6の直径とX線8の波長が同定度に
なると、回折効果により、微小孔6を通過したX線8は
拡がる。このような場合には、所望のX線スポット径が
得られるように微小孔6と試料10表面との距離を調節
する。
【0027】X線8の照射により試料10表面からは光
電子や蛍光X線が発生する。本実施例では、光電子9を
キャピラリーが設けられた基板に形成された検出器4に
より検出する。検出器4としては、たとえば、電極でよ
い。検出器4には検出計14が接続されている。検出計
14は検出器4からの信号を増幅し、信号の大きさに比
例した信号出力を発生する機能を持つ装置や電気回路で
ある。たとえば、電流計もしくはパルスカウント方式の
微小電流検出計でよい。検出計14からの光電子検出信
号は、制御処理装置15に入力されている。
【0028】試料10はステージ11上に設置されてい
る。ステージ11は平面方向および上下方向に微小移動
可能な3次元ステージである。ステージ11の微小移動
は、駆動機構12を用いて行われている。駆動機構12
は、たとえばパルスモータあるいはピエゾ素子でよい。
駆動機構12はコントローラ13で制御されており、制
御処理装置15に位置を入力することにより、試料10
上の指定した位置にX線8を照射可能である。
【0029】本実施例では、制御処理装置15でコント
ローラ13を制御して、ステージ11を微小移動させな
がら検出器4で光電子を検出することも可能である。こ
の結果、検出計14からの検出信号を用いて、試料10
表面をマッピングすることも可能である。さらに、複数
のX線エネルギーを用いて試料10表面のマッピングを
行い、これらマッピング結果の差をとることにより、試
料10表面の元素分布を得ることもできる。
【0030】本実施例によれば、容易にX線マイクロビ
ームを形成できる。さらに、検出器4を光学的開口を保
持する基板に形成しているため、光電子検出効率を高め
ることができ、大きな光電子検出信号を得ることが可能
である。また、X線マイクロビームで試料10の表面上
を走査でき、試料10表面の光電子イメージングや元素
毎のマッピングも可能である。また蛍光X線を検出する
場合も光電子の検出と同様に行なうことができ、同様の
効果を得ることができる。
【0031】<実施例4>実施例3において光電子9を
検出する場合、検出器4および試料10に独立に電圧印
加することにより、光電子9の検出効率を向上させるこ
とができる。このような場合の実施例を図3に示した。
【0032】本実施例では、検出器4および試料10
に、電源16および電源16’から独立に電圧が供給さ
れている。また、試料10を接地電位にして検出器4に
のみ正電圧を印加する、あるいは検出器4を接地して試
料10に負電圧を印加してもよい。試料10に対して検
出器4が正電位になるように電圧印加を行うことが基本
である。印加電圧に関しては、任意に設定可能である。
電源16は検出計17に接続されており、検出計17か
らの検出信号が制御処理装置15に入力されている。そ
の他の部分に関しては実施例1と同じである。
【0033】本実施例によれば、検出器4および試料1
0に電圧印加が可能なため、光電子を効率よく収集する
ことが可能である。この結果、大きな光電子検出信号強
度を得ることができ、分析やマッピング時間の短縮をは
かることができる。
【0034】<実施例5>実施例4では、検出器4ある
いは試料10に電圧を印加して、光電子9の収集効率を
高めていた。しかし、これ以外の方法を用いても光電子
9の収集効率を高めることができる。図4にその一例を
示した。
【0035】図4では、検出器4と試料10の間に制御
電極18を設置して、この制御電極18に電圧を印加し
ている。試料10に対して制御電極18が正電位になる
ように、電圧印加を行えばよい。検出器4にも、制御電
極18への印加電圧と同じ電圧が電源16から印加され
ている。この結果、制御電極18と検出器4とにはさま
れた空間が等電位空間となり、制御電極18により引き
込まれた光電子は減速されることなく検出器4に到達で
きる。
【0036】本実施例では、光電子の(運動)エネルギ
ーから試料10表面の元素分析も可能である。このエネ
ルギー分析を行うためには、制御電極18が試料10に
対して負電位となるように、制御電極18への電圧印加
を行えばよい。この場合、試料10と制御電極18との
電位差以上の運動エネルギーを持つ光電子のみが検出器
4に到達する。従って、電極18への印加電圧を連続的
に変化させながら、検出計17からの光電子検出信号を
測定し、光電子検出信号を印加電圧で微分することによ
り、光電子の運動エネルギースペクトルを得ることがで
きる。この運動エネルギースペクトルから、元素種の同
定が可能である。制御電極18や検出器4への印加電圧
の制御に関しては、制御処理装置15を用いて電源19
や電源16を制御することにより行う。図4では、制御
電極の数は1枚であるが、必要に応じて制御電極の数を
増やし、複数枚の制御電極を用いてもよい。また、制御
電極18の保持を、光学的開口部(本実施例ではキャピ
ラリー)を保持する基板で行うことも可能である。
【0037】本実施例においても実施例4と同等の効果
が得られる。さらに、光電子9のエネルギースペクトル
を観測可能なため、試料10表面の元素分析、および元
素毎のマッピングも可能である。
【0038】<実施例6>実施例3〜5では、光電子9
を検出していた。しかし、X線8のエネルギーが大きい
場合には(>2keV)、光電子以外にも透過X線を観
測することもできる。図5にその一例を示した。図5で
は、キャピラリー7により形成されたX線マイクロビー
ムが試料10を透過して、検出器21で検出される。さ
らに、実施例3〜5と同様に、X線マイクロビーム照射
により発生した光電子9も検出器4で検出可能である。
本実施例は実施例3(図1)に透過X線検出機能を付加
した構成であるが、その他の実施例に対しても同様の機
能が付加できることは言うまでもない。
【0039】本実施例によれば、光電子検出に加えて透
過X線の検出もできる。この結果、光電子9で試料10
の表面を分析、観察しながら、同時に透過X線を用いて
試料10の内部構造を分析、観察ができる。すなわち、
試料10をより詳しく分析、観察可能である。さらに、
実施例1と同じく、駆動機構12を用いてステージ2
0、従って試料10の微小移動が可能であるため、試料
10の表面や内部構造のマッピングが可能である。
【0040】<実施例7>これまでの実施例では、キャ
ピラリー7の内部は中空であった。このような中空キャ
ピラリーでは、絶縁膜3や金属膜4が薄い場合には、キ
ャピラリーの強度が弱くなる可能性がある。本実施例は
キャピラリーの強度を補強した実施例の一例である。
【0041】図6に示したキャピラリーは、X線に対す
る吸収係数が小さい物質25でその内部が満たされてい
る。このようなキャピラリー構造は、実施例1に示した
キャピラリー製作法と同様な製作法を用いて容易に製作
することが可能である。薄膜23は物質25に入射する
X線8を制限するためのアパーチャであるが、本質的な
部分ではなく、省略可能である。物質25の材質に関し
ては、単元素からなる材料はもちろんのこと、無機物、
有機物など必要に応じて任意に選択できるものとする。
基本的には、物質25の材質は、X線8のエネルギー
(波長)を考慮して、X線8に対する吸収係数が小さい
材料を用いる。一例をあげると、X線8のエネルギーが
300eV程度の場合には、炭素(グラファイト)でよ
い。その他に関しては、実施例1と同じである。本実施
例では、光学的開口部がキャピラリーである場合を示し
た。しかし、ピンホール等他の光学的開口部に対して
も、ここに示したような物質25を充填して光学的開口
部を形成することが可能であることは言うまでもない。
【0042】本実施例によれば、光学的開口部の強度を
補強でき、装置外部からの機械的振動等に対してより強
固かつ安定した装置構成が可能である。
【0043】<実施例8>図7はキャピラリー上に走査
型トンネル顕微鏡(STM)用の探針を設けた実施例の
一例である。図7では、電極26上に探針27が設けら
れている。電極26および探針27の材質は、たとえ
ば、タングステンでよい。図には示されていないが、電
極26と検出器4とは電気的に分離されている。本実施
例では、電極26および探針27も検出器の一種であ
る。電極26には、電源29から電圧が供給されてい
る。この電圧供給により、試料−探針間にトンネル電流
が流れる。トンネル電流は電源29を経由して信号処理
装置31で検出され、検出結果が制御処理装置15に送
られる。試料−探針間の距離は、ステージ11上に設置
された微動機構28で行われる。微動機構28はピエゾ
素子を用いて構成されており、制御処理装置15に必要
項目を入力して信号処理装置31を介して電源30を制
御することにより、試料−探針間の距離を所望の値に設
定することができる。
【0044】キャピラリー7によりマイクロビーム化さ
れたX線8は、試料10表面に照射される。照射領域か
ら放出された光電子9は、検出器4で検出される。他の
実施例と同じく、駆動機構12でステージ11を微小移
動しながら検出計14からの信号を得ることにより、試
料10表面のマッピングを行うことが可能である。さら
に、本実施例では、探針27を用いても光電子9を検出
可能である。この場合、電源29を用いて探針27に電
圧を印加することにより光電子9が収集され、収集され
た光電子9は検出器4で検出される。探針27を用いて
光電子9を検出することにより、試料10表面上のX線
スポット径で決まる空間分解能よりも、はるかに高い分
解能で試料10表面のマッピングが可能である。
【0045】一般に、STMでは、試料電流が流れない
絶縁物の観測は不可能である。しかし、本実施例では、
X線8の照射により強制的に光電子9を発生させている
ため、絶縁物に対してもSTM観察が可能となる。
【0046】また探針27からのトンネル電流を観測す
ることにより、キャピラリー7と試料10表面との距離
を精密に保つこともできる。この機能は、微小孔6の直
径が0.01オーダあるいはそれ以下になった場合に特
に有効な機能である。この場合、トンネル電流と光電子
検出電流の区別は、次のように行えばよい。まず、信号
処理装置31を介して電源30を制御して、微動機構2
8を用いて試料10を微小振幅(たとえば1nm程度)
で上下動させる。上下動の周期は1Hz以上でよい。ト
ンネル電流は、(数1)
【0047】
【数1】
【0048】に示すように、試料と探針との間の距離
(z)に依存される。トンネル電流はこの上下動と同じ
周期で変化するため、信号処理装置31に内蔵されたロ
ックインアンプを用いることによりトンネル電流のみを
検出できる。
【0049】一方、光電子検出電流は(数2)
【0050】
【数2】
【0051】に示すように、検出部に印加する電圧
(V)に依存される。従って試料の上下動に無関係であ
る。以上の原理により、トンネル電流と光電子検出電流
を分離できる。
【0052】本実施例によれば、キャピラリー7の先端
に形成された探針27によりトンネル電流を検出でき
る。さらに、キャピラリー7の先端と試料10表面との
距離をより精密に保つことができる。この結果、より高
い空間分解能で試料10表面のマッピングが可能にな
る。
【0053】<実施例9>実施例3〜8では、微細孔6
の周囲は絶縁膜3と検出器4で構成されている。しか
し、図8のように光電子9を検出するキャピラリー7の
先端をすべて検出器で形成することにより、光電子9の
検出効率をさらに向上させることが可能である。この実
施例を図8により説明する。図8では微小孔6の周囲
は、検出器の役目を果たす金属膜32で囲まれている。
試料10は設置電位であり、金属膜32には電源16か
ら正電圧が供給されている。その他の部分に関しては、
実施例2と同じである。本実施例の本質は、X線マイク
ロビーム形成用の微小孔6の周囲が、金属膜32で形成
されることにある。
【0054】本実施例によれば、微小孔6の周囲を金属
膜32のみで囲んでいるため、X線8の照射により発生
した光電子9を効率良く収集できる。この結果、より高
感度な試料の分析、観察が可能である。
【0055】<実施例10>実施例3〜9では、図2に
示したキャピラリーと同様もしくは類似のキャピラリー
を用いていた。しかし、これら以外のキャピラリーを用
いても、他の実施例と同等の効果を得ることができる。
図9にその一例を示した。
【0056】図9では、ガラスファイバーを溶融して引
き延ばしたキャピラリー33を用いてX線マイクロビー
ムを試料10表面に照射している。キャピラリー33の
先端には検出器35が形成されている。この検出器35
の設置により、光電子9を効率よく検出できる。さら
に、より検出効率を増加させるために、補助電極36も
設置されている。
【0057】<実施例11>実施例8では、キャピラリ
ー上にSTM用の探針27を設けた。しかし、探針27
の製作法を工夫することにより、探針27そのものを光
学的開口部にする、すなわち探針27そのものでX線8
を集光させることもできる。本実施例はこのような場合
の一実施例である。
【0058】図10に概略構成を示した。探針37の周
囲に導電性の物質38を蒸着して、X線8が探針37の
側面からもれださないようにする。この結果、探針37
に入射したX線8は探針37中を透過して、探針37の
先端から試料10表面に照射される。発生した光電子
は、物質38で検出される。すなわち、物質38はX線
8の反射物質であると同時に検出器としての役目も果た
す。
【0059】本実施例においても、実施例8と同様の効
果が得られるとともに、X線を試料面の近くから照射可
能となるので、X線の強度減衰による分解能の低下を防
止することができる。
【0060】<実施例12>本実施例は、X線マイクロ
ビーム照射により発生する蛍光X線を検出する場合の一
実施例である。図11では、蛍光X線用の検出器42に
光学的開口部を設け、X線8を試料10表面の微小領域
に照射している。検出器42の上面と側面には、薄膜4
3、44が取り付けられている。これら薄膜は、X線8
の検出器42への入射を防止する役目を果たす。X線8
の照射により発生した蛍光X線46は、検出器42によ
り検出される。蛍光X線46の検出信号は、コントロー
ラ45を会して信号処理装置15に入力され処理され
る。
【0061】本実施例によれば、光学的開口部と検出器
42とが一体化されているため、蛍光X線46を極めて
高感度に検出できる。この結果、微量不純物の分析な
ど、観測、分析の高感度化が可能になる。
【0062】<実施例13>実施例3では、X線マイク
ロビームで試料表面を走査することにより、試料表面の
マッピングが可能であることを述べた。このマッピング
を行う場合、マッピングの倍率が変化できると都合がよ
い。図12にこのような場合の実施例の一例を示した。
図12は、図1に示したステージ11、駆動機構12を
改良した実施例である。マッピングの倍率の変更に関し
ては、X線マイクロビームの走査範囲を変更することに
より行う。具体的には、コントローラ13により駆動機
構48を介して、ステージ47の移動範囲および1ステ
ップ毎の移動量を制御すればよい。すなわち、低倍率の
場合は走査範囲を大きくとり、高倍率の場合は走査範囲
を小さくする。
【0063】さらに、本実施例では、上記以外の方法に
よっても倍率の変更が可能である。先に、走査型光電子
顕微鏡の空間分解能は、X線マイクロビームのビーム径
で決定されることを述べた。このことから、大きなビー
ム径を用いると低分解能、すなわち低倍率となり、小さ
なビーム径を用いると高分解能、すなわち高倍率になる
と結論できる。本実施例では、キャピラリー7の先端と
試料10との間の距離を変化させることで、ビーム径を
変化させ、倍率の変更が可能である。この距離の変化、
制御に関しても、ステージ47、駆動機構48を用いて
行うことができる。
【0064】本実施例によれば、マッピングの倍率を変
化させることができる。この結果、分析、観察位置の設
定、把握が容易にでき、分析、観察を迅速に行うことが
できる。
【0065】<実施例14>これまでの実施例では、試
料10は光学的開口部に正対して設置されていた。しか
し、これ以外の設置方法を採ることにより、より多彩な
検出器を試料近傍に置くことが可能である。本実施例は
その一例である。
【0066】図13に概略装置構成を示した。図では、
試料10はキャピラリー7に対して斜めに設置されてい
る。キャピラリー7により生成されたX線マイクロビー
ムの照射で発生した光電子9は、検出器4で検出され
る。さらに、X線マイクロビーム照射により発生した蛍
光X線も、検出器51で検出される。両検出信号は、そ
れぞれ検出計14およびコントローラ52を経由して制
御処理装置15に入力されている。また、駆動機構50
を用いてステージ49の微小移動ができ、X線マイクロ
ビームで試料10表面を走査することも可能である。
【0067】本実施例では、試料10を傾けて設置する
ことにより、複数の検出器を試料10の近傍に設置でき
る。この結果、より多くの情報を高感度に取得でき、正
確かつ詳細な分析、観察が可能である。
【0068】<実施例15>これまでの実施例では、X
線8の発生方法は特定されていなかった。既存の電子衝
撃型X線源やレーザプラズマX線源で発生させたX線で
もよいし、シンクロトロン放射光のような指向性のX線
でもよい。一方、X線の発生源を光学的開口部の近傍に
設置することにより、X線の発散に伴う強度減衰を最小
限に押さえることができる。この一実施例を図14に示
した。
【0069】図では、薄膜化したターゲット54に電子
線53が入射している。電子線53の入射エネルギー
は、発生させるX線のエネルギーやターゲット54の材
質に依存する。概略100eV〜10keVの範囲でよ
い。この電子線衝撃により発生したX線55は、キャピ
ラリー7に入射して、試料10に照射される。その他の
部分に関しては、実施例1と同様である。本実施例で
は、ターゲット54は基板1とは離れて設置されてい
る。しかし、ターゲット54を基板1上に形成してもよ
い。この場合、キャピラリー7の内部をX線55が透過
しやすい材料で形成してもよい。さらに、ターゲット5
4の冷却が必要な場合には、ターゲット54に冷却機構
を設置することができるものとする。
【0070】本実施例では、X線55の発生源を光学的
開口部の近傍に設置できるため、試料10へのX線マイ
クロビームの照射強度を高めることができる。この結
果、より大きな信号強度を得ることが可能であり、分
析、観測の高精度化、分析時間の短縮化を図ることがで
きる。さらに、装置を小さくすることが可能というメリ
ットもある。
【0071】<実施例16>実施例3〜15では、主
に、X線マイクロビームの形成方法と光電子や蛍光X線
の検出器を説明した。本実施例では、図15をもとに装
置の全体構成を説明する。
【0072】X線源58からのX線71は、光学系57
を通過してマイクロビーム生成系56に入射する。X線
源58は、電子衝撃型X線源やレーザプラズマX線源で
もよいし、シンクロトロン放射光のような指向性のX線
源でもよい。光学系57は、マイクロビーム生成系56
への入射に適するように、X線71のビーム形状や発散
角等を調整するための光学系である。たとえば、ピンホ
ールでもよい。マイクロビーム生成系56は、実施例1
〜13で述べたような光学的開口と検出器で構成されて
いる。
【0073】先に述べたように、試料10は3次元微小
移動可能なステージ61上に設置されている。ステージ
61の移動は、コントローラ63に制御された駆動機構
62により行われる。X線マイクロビーム照射により発
生した光電子や蛍光X線は、マイクロビーム生成系に設
けられた検出器で検出される。検出信号は検出計59を
介して制御処理装置15に入力されている。先の実施例
で述べたように、検出器や試料10に電圧を印加する
と、検出効率の増大やエネルギー分析が可能となる。こ
の電圧印加は、制御処理装置15で制御された電源60
を用いて行われる。本実施例では、X線71のエネルギ
ーが高いため、装置の各構成要素は大気中に設置されて
いる。しかし、X線のエネルギー(<2keV)によっ
ては、大気中で吸収されるX線もある。このような場合
には、試料10も含めて、X線源58、光学系57、マ
イクロビーム生成系56、ステージ61を真空中に置け
ばよい。
【0074】<実施例17>実施例1〜16の光学的開
口部の断面形状は、原則的には、円である。しかし、円
以外の断面形状を持つ光学的開口部を用いても、高空間
分解能での観察、分析が可能である。図16にその一実
施例を示した。
【0075】図では、X線8がスリット状の光学的開口
部68を通過して試料10に照射されている。このX線
8の照射により発生した光電子は、光学的開口部68が
設けられた基板64の裏面に形成された検出器65によ
り検出される。次に、試料10表面上での(光学的開口
部68により形成された)X線ビームの走査方法を説明
する。まず、X線ビームが試料10表面上をx軸方向に
走査するように、駆動機構67を用いてステージ66を
微小移動させる。次に、水平面内で試料10をx軸に対
して90°回転させた後、X線ビームで試料10表面上
をx軸方向に走査する。これら直交2方向の走査に伴う
信号強度をもとに、連立方程式あるいは積分変換を用い
て、試料10表面の化学状態のマッピングを行う。この
演算処理に関しては、制御処理装置15を用いて行う。
【0076】基板64に複数の検出器を設けると、一回
のx軸方向の走査のみで試料10表面のマッピングを行
うことが可能である。このような基板と検出器の一例を
図17に示した。図17は試料10の方向から見た基板
64の概略図である。基板64には光学的開口部68
と、複数の検出器69が形成されている。検出器69は
それぞれ独立しており、全体で位置検出型の検出器を構
成している。これにより、光学的開口部68で形成され
たX線ビームがスリット状であっても、試料10表面状
での光電子や蛍光X線の発生位置が特定できるため、高
分解能での分析、観察が可能となり、分析時間も短縮で
きる。
【0077】以上、本発明のいくつかの実施例を述べ
た。これら実施例の組合せも本発明に含まれることはも
ちろんである。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、光学的開口部を用いて
X線マイクロビームを容易に形成できる。さらに、開口
部外周に薄膜検出器を隣接して形成することにより、試
料と検出器を近づけることができるので、X線照射によ
り発生した光電子や蛍光X線の検出効率を向上させるこ
とが可能である。
【0079】また開口部の先端に探針を形成することに
より、さらに光電子や蛍光X線の検出効率を向上させ、
試料面のマッピングを高分解能で行なうことが可能とな
る。また開口部の形状を長方形とし、開口部を形成した
基板上に複数枚の検出電極を形成することにより、広範
囲で試料面上を走査可能となり、光電子や蛍光X線の検
出効率を向上させることが可能となる。この結果、試料
表面のスポット分析はもとより、光電子や蛍光X線等を
用いたイメージング、あるいは元素ごとのマッピング
等、高空間分解能の観察、分析を短時間かつ容易に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図2】キャピラリー製作法の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図4】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図5】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図6】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図7】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図8】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図9】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図10】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図11】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図12】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図13】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図14】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図15】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図16】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図17】複数の検出器を備えた光学的開口を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…基板、2…突起、3…絶縁膜、3’…金属膜、4…
検出器、5…レジスト、6…微小孔、7…キャピラリ
ー、8…X線、9…光電子、10…試料、11…ステー
ジ、12…駆動機構、13…コントローラ、14…検出
計、15…制御処理装置、16、16’…電源、17…
検出計、18…制御電極、9…電源、20…ステージ、
21…検出器、22…コントローラ、23、24…薄
膜、25…物質、26…電極、27…探針、28…微動
機構、9、30…電源、31…信号処理装置、32…金
属膜、33…キャピラリー、4…微小孔、35…検出
器、36…補助電極、37…探針、38…物質、39…
支持板、40…駆動機構、41…ステージ、42…検出
器、43、44…薄膜、45…コントローラ、46…蛍
光X線、47…ステージ、8…駆動機構、49…ステー
ジ、50…駆動機構、51…検出器、52…コントロー
ラ、53…電子線、54…ターゲット、55…X線、5
6…マイクロビーム生成系、57…光学系、58…X線
源、59…検出計、0…電源、61…ステージ、62…
駆動機構、63…コントローラ、64…基板、65…検
出器、66…ステージ、67…駆動機構、68…光学的
開口、69…検出器、70…検出計、71…X線。

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線を発生するX線源と、上記X線を集束
    し、試料に照射するための光学的開口部を有する部材
    と、集束されたX線により上記試料から発生した粒子を
    検出する検出器とからなるX線顕微装置において、上記
    検出器が薄膜より形成され、上記部材の開口部外周に隣
    接して配置され、上記試料と上記部材の間の距離を、上
    記粒子が検出できる位置に移動させる移動機構からなる
    ことを特徴とするX線顕微装置。
  2. 【請求項2】上記検出器が上記部材の開口部外周に一体
    に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のX
    線顕微装置。
  3. 【請求項3】上記検出部が光電子または蛍光X線を検出
    することを特徴とする請求項1、2に記載のX線顕微装
    置。
  4. 【請求項4】上記移動機構は試料台を平面方向および上
    下方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の
    X線顕微装置。
  5. 【請求項5】上記部材は先端に探針を有し、上記探針と
    上記試料との間に電流を検出する制御回路を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のX線顕微装置。
  6. 【請求項6】上記探針と上記試料との間に流れる光電子
    電流とトンネル電流とを分離する手段を有することを特
    徴とする請求項5に記載のX線顕微装置。
  7. 【請求項7】上記分離手段が上記試料の周期的な上下動
    手段と、上記試料の上下動により変化するトンネル電流
    を検出する手段からなることを特徴とする請求項6に記
    載のX線顕微装置。
  8. 【請求項8】上記探針がタングステンからなることを特
    徴とする請求項5から7に記載のX線顕微装置。
  9. 【請求項9】上記部材と上記試料との間に電界を与える
    電極を形成し、上記電極に電圧を印加する電源を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線顕微装置。
  10. 【請求項10】上記光学的開口部が長方形であり、上記
    検出部が上記部材の表面に複数枚形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載のX線顕微装置。
  11. 【請求項11】試料面上での直交2方向の走査する手段
    と、上記検出部により検出した粒子の信号により上記試
    料面のイメージングあるいはマッピングを行なう手段を
    有することを特徴とする請求項1から10に記載のX線
    顕微装置。
  12. 【請求項12】上記検出器により検出した信号により、
    上記X線を上記試料面上で走査する走査手段と、上記試
    料面のイメージングあるいはマッピングを行なう走査制
    御手段と、検出した信号を処理する信号処理手段とを有
    することを特徴とする請求項1から10に記載のX線顕
    微装置。
  13. 【請求項13】上記試料面のイメージングあるいはマッ
    ピングの倍率を可変する手段を有することを特徴とする
    請求項1から10に記載のX線顕微装置。
  14. 【請求項14】試料を試料台に設置する工程と、上記試
    料台を上記試料から発生する粒子を検出できる位置に移
    動する工程と、X線を発生する工程と、上記X線を収束
    するための光学的開口部を有する部材を介して上記試料
    に上記X線を照射する工程と、上記試料から発生した粒
    子を上記部材に一体形成された検出器により検出する工
    程と、検出した上記粒子により上記試料の表面を分析、
    観察する工程からなることを特徴とするX線顕微方法。
  15. 【請求項15】上記粒子のエネルギーを分析する工程を
    含むことを特徴とする請求項14X線顕微方法。
  16. 【請求項16】上記粒子を検出する工程として、上記検
    出器の電位を上記試料の電位に対して正電位にする工程
    を含むことを特徴とする請求項14に記載のX線顕微方
    法。
  17. 【請求項17】上記粒子を検出する工程として、上記試
    料と上記検出器の間に電極を形成し、上記電極に電圧を
    印加する工程により行なうことを特徴とする請求項14
    に記載のX線顕微方法。
  18. 【請求項18】X線を発生し、光学的開口部を有する部
    材を介して上記X線を試料に照射する工程と、上記試料
    から発生した粒子を上記光学的開口部の先端に形成した
    探針により検出する工程と、上記粒子により上記試料の
    表面を分析、観察する工程からなることを特徴とするX
    線顕微方法。
  19. 【請求項19】上記粒子の検出電流と、上記探針と上記
    試料との間のトンネル電流を分離して検出する工程から
    なることを特徴とする請求項18に記載のX線顕微方
    法。
  20. 【請求項20】上記トンネル電流により、上記探針と上
    記試料との距離を設定された値に保つことを特徴とする
    請求項19に記載X線顕微方法。
  21. 【請求項21】X線を発生し、長方形の光学的開口部を
    有する部材を介して上記X線を試料に照射する工程と、
    上記試料から発生した粒子を上記部材に形成した検出器
    により検出する工程と、上記粒子により上記試料面を分
    析、観察する工程からなることを特徴とするX線顕微方
    法。
  22. 【請求項22】上記粒子を、上記部材に形成した複数の
    上記検出器により検出する工程を含むことを特徴とする
    請求項21に記載のX線顕微方法。
  23. 【請求項23】上記検出した粒子の検出信号により、上
    記試料面のイメージングあるいはマッピングを行なう工
    程を含むことを特徴とする請求項14から22に記載の
    X線顕微方法。
  24. 【請求項24】上記試料面のイメージングあるいはマッ
    ピングの倍率を可変する工程を含むことを特徴とする請
    求項14から22に記載のX線顕微方法。
  25. 【請求項25】基板上にCVD法により突起を形成する
    工程と、上記突起を含む上記基板上に絶縁膜を形成する
    工程と、上記絶縁膜上に金属薄膜を形成する工程と、上
    記突起の頂部に形成された上記絶縁膜と上記金属膜とを
    除去する工程と、上記突起に開口部を形成する工程から
    なることを特徴とする部材の形成方法。
  26. 【請求項26】上記開口部を形成する工程として、上記
    基板上のレジストを塗布し、所望のパターンを形成する
    工程と、上記パターン部分をエッチングする工程からな
    ることを特徴とする請求項25に記載の部材の形成方
    法。
  27. 【請求項27】X線を発生するX線源と、光学的開口部
    を有する部材の下部に上記X線を試料に照射するための
    微小孔を有し、テーパ状に形成されたX線導管と、上記
    X線の照射により発生した粒子を検出する検出器とから
    なるX線顕微装置において、上記検出器が検出電極から
    なり、上記検出電極が上記X線導管の外周部に一体形成
    され、上記試料を上記粒子が検出できる位置に移動させ
    る移動機構からなることを特徴とするX線顕微装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011007766A (ja) * 2009-05-22 2011-01-13 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology X線顕微鏡用試料支持部材、試料収容セル、x線顕微鏡、およびx線顕微鏡像の観察方法

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