JPH071868Y2 - 宇宙局用送受信装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、人工衛星、ロケツト等の監視制御用のテレメ
トリ、コマンド用信号の授受、および地上局から人工衛
生、ロケツト等までの距離、距離変化率の測定用信号の
授受などに使用される宇宙局用送受信装置に関し、特に
装置の小形計量化を図つた宇宙局送受信装置の回路構成
に関する。

（従来の技術） 従来のこの種の送受信装置は、一般に第２図に示すよう
にな構成をしている。

第２図において、この装置の通信の相手方となる地上追
跡管制局などから送られてきたコマンドおよびトラツキ
ング用信号は、ダイプレクサ20を経由して高周波増幅部
21で増幅され、第１周波数変換部22で電圧制御発振部27
の出力を周波数逓倍部29で逓倍したものを加えて第１中
間周波数に変換し、その第１中間周波信号を第１中間周
波増幅部23で増幅し、さらに第２周波数変換部24におい
て電圧制御発振部27の出力を周波数逓倍部28で逓倍した
ものを加えて第２中間周波数に変換し、その第２中間波
信号を第２中間周波増幅部25で増幅し、その出力を位相
検波部26で復調する。この復調信号のうち、コマンド信
号38はさらにベースバンドまで復調するためにコマンド
復調部30に与えられる。復調部30で復調された信号は、
本装置に接続される信号処理装置、たとえばコマンドデ
コーダなどへ送られ、人工衛生等の制御が行われる。ま
た位相検波部26で復調されたトラツキング用信号39は本
装置の送信機へ送られ変調部に加えられる。

一方送信機においては、送信機の基準信号は水晶発振器
31か、あるいは電圧制御発振部27のいづれかとし、切換
部32で切換えて使用し、この基準信号を周波数逓倍部33
で逓倍した後変調部34に与えられる。変調部34で、受信
機の位相検波部26からのトラツキング用信号39と、本装
置に接続される別の信号処理装置、例えばテレメトリエ
ンコーダから供給されるテレメトリ信号40が変調部34に
与えられ位相変調が行われる。なお切換部32は本装置の
動作モードを、送受信周波数の比を特定の関係にさせる
コヒーレントモードと、特定の関係にないノンコヒーレ
ントモードに切換えるためのものであり、トラツキング
用信号を中継する場合は、主としてコヒーレントモード
を用いる。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した従来の宇宙局用送受信装置は、中周波に２つの
異る周波数を使用する、いわゆるダブルスーパヘテロダ
イン方式の受信機構成となつているので、回路規模が比
較的大きくなり、人工衛生、ロケツトなどへ搭載する場
合の絶対条件である小形化、軽量化を達成する上での大
きな制約となつている。また送信機にあつては、周波数
逓倍部が、小形化、軽量化を困難とし、特に搬送周波数
が高くなる程、この傾向が強いなどの問題点がある。

本考案はこのような問題を解決し、受信機をシングルス
ーパヘテロダイン方式とし、送受信機の周波数逓倍部の
代りに位相同期発振部を用いることにより回路構成の簡
単化を図り、小形化、軽量化の達成に有利な宇宙局用送
受信装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案の宇宙局用送受信装置は、前記目的を達成するた
め、テレメトリ、トラツキング、およびコマンド機能を
有する宇宙局用送受信装置において、単一の中間周波数
を使用し、一つの局部発振信号用位相同期発振回路と、
前記位相同期発振回路を駆動する電圧制御発振器を含む
受信機と、前記電圧制御発振器の出力により駆動される
他の一つの位相同期発振回路と、前記他の一つの位相同
期発振回路の出力へ接続された変調回路を含む送信機
と、送受信用アンテナを共用するためのダイプレクサを
有する構成とする。

（実施例） つぎに本考案の実施例について、図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案にもとづく一実施例の回路構成系統図で
ある。第１図においてダイプレクサ１は、通信の相手方
に対し、電波を送受するアンテナと本実施例を、送受信
波に干渉が起らないよう接続するものであり、受信機で
は、ダイプレクサ１を経由したコマンド信号およびトラ
ツキング用信号を、高周波増幅部２で所定の電力まで増
幅した後、周波数変換部３で位相同期発振部７の出力を
局部発振周波として加え中間周波に変換する。この中間
周波に含まれるコマンド信号およびトラツキング用信号
は中間周波増幅部４で増幅された後位相検波部５で、そ
れぞれ復調される。復調信号のうち、コマンド信号15
は、さらにベースバンドまで復調するためコマンド復調
部８に供給される。なお、周波数変換部３で周波数変換
のため加えられる局部発振周波は、電圧制御発振部６の
高調波の位相に同期する位相同期発振部７から供給され
る。

位相同期発振部７は、周波数変換部３の局部発振周波数
で発振する図示しない電圧制御発振器（VCO）とループ
フイルタおよび位相検波器などで構成され、電圧制御発
振部６の出力の高調波の位相に前記VCOが同期するよう
になつている。

また、位相検波部５と電圧制御発振部６は、いわゆる位
相同期ループを構成している。

したがつて本実施例の受信機は、第２図に示した従来装
置例と同様に、受信周波数と電圧制御発振部６で発生す
る基準信号周波数をコーヒレントな関係とすることがで
きる。

一方送信機においては、送信機の基準信号を水晶発振器
９の出力または電圧制御発振部６の出力いずれかとし、
そのうちの一つを切換部10で選択する。この選択は第２
図に示す従来例と同様の動作でコヒーレントモードとノ
ンコヒーレントモードを切換えるものである。

このようにして選択された切換部10の出力は位相同期発
振部11に与えられ、位相同期発振部11では受信機の位相
同期発振部７の場合同様、切換部10の出力の高調波周波
数に同期した発振周波が発生し、これを搬送として変調
部12に送り込まれる。

変調部12では、受信機の位相検波部５で復調したトラツ
キング用信号16および外部接続の図示しないテレメトリ
エンコーダからのテレメントリ信号17により前記搬送波
が位相変調を受ける。変調部12の出力は、電力増幅部13
により所要の電力まで増幅され、ダイプレクサ１を経由
して空中線に給電された通信の相手方に向けて電波とし
て送出される。なお電源安定化部14は一次電源から本装
置に必要な二次電源を作り送受信機の各部に供給する。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、受信機の構成をシングル
スーパヘテロダイン方式とし、かつ周波数変換のための
局部発振勢力を基準信号用電圧制御発振部出力の高調波
に同期する位相同期発振部より得、また送信機において
も搬送周波数で直接発振する位相同期発振部と、搬送波
に直接変調をかける変調部を配置することにより、従来
のように受信機にダブルスーパヘテロダイン方式を採用
し、送受信機の要所に周波数逓倍部を使用した、小形
化、軽量化に不利な構成を避けることができるので、送
受信機共簡単な構成となり、したがつて装置全体の小形
化、軽量化に極めて有利であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による一実施例の回路構成系統図であ
る。 第２図は従来の宇宙局送受信装置例の回路構成図であ
る。 1,20……ダイプレクサ 2,21……高周波増幅部 ３……周波数変換部、４……中間周波増幅部 5,26……位相検波部 6,27……電圧制御発振部 7,11……位相同期発振部 8,30……コマンド復調部 9,31……水晶発振器、10,32……切換部 12,34……変調部、13,36……電力増幅部 14,37……電源安定化部 15,38……コマンド信号 16,39……トラツキング用信号 17,40……テレメトリ信用 22……第１周波数変換部 23……第１中間周波増幅部 24……第２周波数変換部 25……第２中間周波増幅部 28,29,33,35……周波数逓倍部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】テレメトリ、トラツキング、およびコマン
   ド機能を有する宇宙局用送受信装置において、単一の中
   間周波数を使用し、一つの局部発振信号用位相同期発振
   回路と、前記位相同期発振回路を駆動する電圧制御発振
   器を含む受信機と、前記電圧制御発振器の出力により駆
   動される他の一つの位相同期発振回路と、前記他の一つ
   の位相同期発振回路の出力へ接続された変調回路を含む
   送信機と、送受信用アンテナを共用するためのダイプレ
   クサを有することを特徴とする宇宙局送受信装置。